本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1を参照して、テーププリンタ1(以下、単に「プリンタ1」という)の物理的構成について説明する。図1の左下、右上、左上、右下方向は、夫々、プリンタ1の下、上、左、右方向である。プリンタ1にはテープカセット(図示外)が装着される。プリンタ1は、テープカセットから引き出され、搬送されるテープ状の印字媒体(以下、単に「テープ」という)に対して、テープ幅方向に1列毎にドットを形成することで、印刷を行うことが可能なプリンタである。
プリンタ1の表面の下側に、キーボード3が設けられる。なお、プリンタ1では、文字、数字、記号等の各種キャラクタの印刷が可能である。キーボード3は、テープに印刷される印刷対象のデータを入力するためのキャラクタキー、確定キー等を含む。キーボード3の上側に、電源キー、印刷キー等を含む機能キー群4が設けられる。以下、機能キー群4とキーボード3とを総称し、「操作部2」ともいう。操作部2に対する操作は、夫々のキーに内蔵されたメカニカルスイッチによって検出される。なお、本発明において操作部2の構成は変更できる。例えば操作部2は、タッチパネルによって構成されていてもよい。機能キー群4の上側に、矩形状の表示部5が設けられる。表示部5は、印刷対象のキャラクタ、印刷の様式設定(書体、文字サイズ)、及びテープ長等を表示する液晶ディスプレイである。プリンタ1の最上部に、開閉可能なカバー7が設けられる。カバー7は、カセット装着部に装着されたテープカセットを覆う。
図2に示すように、表示部5を取り巻く周回部分にタッチパネル6が設けられる。タッチパネル6の検出方式は抵抗膜方式である。タッチパネル6は、表示部5の下辺に沿って配置するタッチパネル61、上辺に沿って配置するタッチパネル62、左辺に沿って配置するタッチパネル63、及び、右辺に沿って配置するタッチパネル64を備える。タッチパネル61〜64の形状は、夫々、表示部5の各辺に沿った方向を長手方向とする長方形である。
タッチパネル61〜64は、夫々、図示外の電圧印加部及び電圧検出部を備える。電圧印加部は、タッチパネル61〜64の夫々の長手方向の両端に設けられた電極間に電圧を印加する。電圧検出部は、電極間の電圧を検出する。プリンタ1のCPU401(図8参照、後述)は、タッチパネル61〜64の夫々に設けられた電圧検出部によって検出された電圧を、タッチパネル61〜64の夫々から取得する。CPU401は、取得した電圧に基づき、タッチパネル61〜64に対してタッチされた場所(以下、「接触場所」ともいう。)を特定する。より具体的には、CPU401は、タッチパネル61〜64の夫々の接触場所を示す情報として、表示部5の周回に沿った方向(即ち、タッチパネル61〜64の夫々の長手方向)の座標情報を算出する。座標情報は、タッチパネル6の左右方向をX方向、上下方向とY方向とし、表示部5の左下の頂点を原点とする。CPU401は、タッチパネル61、62から取得した電圧に基づき、X方向の位置を示す座標情報を算出する。CPU401は、タッチパネル63、64から取得した電圧に基づき、Y方向の位置を示す座標情報を算出する。なお、タッチパネル6の検出方式は、抵抗膜方式以外に変更できる。
表示部5には、複数のキャラクタ51、様式設定52、及びテープ長53が表示される。表示部5の上下略中央に、横方向に延びる直線が表示される。複数のキャラクタ51は、直線の下側に表示される。様式設定52は、直線の上側且つ左側に表示される。テープ長53は、直線の上側且つ右側に表示される。表示部5に表示された複数のキャラクタ51は、テープに印刷されるキャラクタを示している。複数のキャラクタ51は、2段分表示される場合もある。様式設定52は、書体521及び文字サイズ522を含む。なお図2における文字サイズ522は、テープの幅にあわせて文字サイズが自動的に調整される動作モードであることを示している。テープ長53は、プリンタ1によって印刷されるテープの長さを示す。
ユーザは、表示部5に表示された複数のキャラクタ51、様式設定52、及びテープ長53を、タッチパネル6に対して入力操作を行うことで編集できる。タッチパネル6は表示部5を取り巻く周囲部分に設けられているため、指やスタイラス等でタッチパネル6をタッチした状態でも、表示部5が指やスタイラス等に隠れて視認性が悪くなることがない。また、キーボード3に対する入力操作によって編集作業を行う場合と比較して、ユーザは編集作業を直感的に行うことができる。タッチパネル6に対する入力操作によって実行できる編集作業は、(1)編集するキャラクタの位置指定(カーソル移動)、(2)編集するキャラクタの位置指定(ポインタ移動)、(3)様式設定(書体、文字サイズ)の編集、及び、(4)テープ長の編集である。なお、プリンタ1は従来通り、キーボード3を介して各種編集作業を行うこともできる。
タッチパネル6を介して行われる編集作業の具体例について、図3から図7を参照して説明する。図3を参照し、(1)編集するキャラクタの位置指定(カーソル移動)について説明する。なお、表示部5に表示された複数のキャラクタ51のうちいずれかを編集する方法は、カーソルを用いた方法と、ポインタを用いた方法との2つの方法がある。(1)は、カーソルを用いた方法である。(1)では、カーソル11を特定のキャラクタの下側に移動させ、この状態で、キーボード3を介してキーが選択されることによって、カーソル11上の特定のキャラクタが編集される。
ユーザは、タッチパネル6を介して次のように入力操作を行う。はじめにユーザは、タッチパネル61の位置611を指でタッチする。表示部5のうちタッチされた位置611の上側の位置111に、カーソル11が表示される。次いでユーザは、タッチした状態の指を、編集を行うキャラクタ「3」の下側の位置612に移動させる。カーソル11は、指の移動に追従して左方向に移動し、キャラクタ「3」の下側の位置112に表示された状態になる。この状態でユーザは、キーボード3のうちいずれかのキーを選択する。カーソル11の上側に配置するキャラクタ「3」は、選択されたキーに対応するキャラクタに変更される。
なお、上述した具体例は変更できる。例えば図3に示すように、複数のキャラクタ51が2段分表示されている場合、はじめにユーザは、タッチパネル63のうち上段の複数のキャラクタ51の左側の位置、又は、下段の複数のキャラクタ51の左側の位置をタッチすることによって、上段又は下段の複数のキャラクタ51のうちいずれを編集するかを指定してもよい。次に、ユーザがタッチパネル61をタッチすることによって、指定された段の複数のキャラクタ51のうち特定のキャラクタの下側に、カーソル11が表示されてもよい。この状態でユーザがキーボード3のうちいずれかのキーを選択することによって、カーソル11の上側に配置するキャラクタが変更されてもよい。
また例えば、複数のキャラクタ51が2段分表示されている場合であって上段の複数のキャラクタ51のうちいずれかを編集する場合、ユーザはタッチパネル62をタッチすることによってカーソル11の位置を指定できるようにしてもよい。一方、下段の複数のキャラクタ51のうちいずれかを編集する場合は、上述した方法と同一の方法で、ユーザはタッチパネル61をタッチすることによってカーソル11の位置を指定できるようにしてもよい。
図4を参照し、(2)編集するキャラクタの位置指定(ポインタ移動)について説明する。(2)は、表示部5に表示された複数のキャラクタ51のうちいずれかを編集する方法のうち、ポインタを用いた方法である。(2)では、ポインタ12を特定のキャラクタの近傍に移動させ、この状態でキーボード3を介してキーが選択されることによって、ポインタ12の近傍の特定のキャラクタが編集される。
ユーザは、タッチパネル6を介して次のように入力操作を行う。はじめにユーザは、タッチパネル61の位置613を指でタッチする。次いでユーザは、タッチパネル63の位置633を指でタッチする。位置613、633は同時にタッチされてもよいし、別々のタイミングでタッチされてもよい。表示部5のうちタッチされた位置613を通りX方向に垂直な直線、及び、位置633を通りY方向に垂直な直線の交点が特定される。特定された交点にポインタ12が表示される。ポインタ12は、キャラクタ「5」の近傍に配置する。この状態でユーザは、キーボード3のうちいずれかのキーを選択する。ポインタ12近傍のキャラクタ「5」は、選択されたキーに対応するキャラクタに変更される。
なお、上述した具体例は変更できる。例えばユーザは、タッチパネル61、63を指でタッチすることによって、様式設定52又はテープ長53の近傍にポインタ12を表示させてもよい。この状態で、キーボード3を介してキーが選択されることによって、様式設定52又はテープ長53が編集されてもよい。
図5を参照し、(3)様式設定について説明する。ユーザは、表示部5に表示された様式設定52のうち書体521及び文字サイズ522のいずれかを編集できる。ユーザは、タッチパネル6を介して次のようにして入力操作を行う。はじめにユーザは、書体521及び文字サイズ522のいずれかを選択するために、タッチパネル62をタッチする。書体521の編集を行う場合、ユーザは表示部5のうち書体521が表示された部分(表示部5の左上の部分)の上側の位置621をタッチする。一方、文字サイズ522の編集を行う場合、ユーザは表示部5のうち文字サイズ522が表示された部分(表示部5のうち書体521が表示された部分の右側の部分)の上側の位置622をタッチする。
例えば図5に示すように、タッチパネル62上の位置621がタッチされた場合を例に挙げる。この場合、表示部5には、図6に示すように、複数の書体の候補54が表示される。ユーザは、複数の書体の候補54のうちいずれかを選択するために、タッチパネル64をタッチする。ゴシック541、明朝542、ポップ543の順で縦に並んだ書体の候補54のうちゴシック541を選択する場合、ユーザは、表示部5のうちゴシック541が表示された部分の右側の位置641をタッチする。これによって、テープに印刷される文字の書体はゴシック体に変更される。なお、書体を明朝体又はポップ体に変更する場合も同様に、ユーザは、表示部5のうち明朝542又はポップ543が表示された部分の右側のタッチパネル64の位置をタッチする。
なお図示しないが、タッチパネル62上の位置622(図5参照)がタッチされた場合、表示部5には複数の文字サイズの候補(例えば、「7pt」「9pt」「18pt」)が表示される。ユーザは、複数の文字サイズの候補のうちいずれかを選択するために、タッチパネル64をタッチする。これによって、テープに印刷される文字のサイズは、指定された文字サイズに変更される。
なお、上述した具体例は変更できる。例えば様式設定は、図5に示す画面のみで編集できるようにしてもよい。この場合、例えばユーザが位置621をタッチした状態が所定時間以上連続した場合、書体521の文字「ゴシック」が「明朝」及び「ポップ」に順番に切り替わってもよい。同様に、例えばユーザが位置622をタッチした状態が所定時間以上連続した場合、文字サイズ522の表示が「7pt」「9pt」及び「18pt」に順番に切り替わってもよい。
図7を参照し、(4)テープ長の編集について説明する。例えばユーザは、テープの長手方向の長さを予め指定したい場合、テープ長を予めプリンタ1に設定する必要がある。またユーザは、長手方向の長さが予め規定されたダイカットテープ等に印刷を行う場合、テープ長を予めプリンタ1に設定する必要がある。ユーザは、タッチパネル6を介して次のようにして入力操作を行う。はじめにユーザは、タッチパネル62の位置614を指でタッチする。次にユーザは、表示部5に表示されたテープ長53を長くしたい場合、指を右方向に移動する。タッチした位置は、位置614から位置616に移動する。タッチパネル62にタッチした指の右方向への移動量、即ち、位置614と位置616との間の距離に応じ、表示部5に表示されたテープ長53は大きくなる。このようにしてユーザは、テープ長53を長くすることができる。一方、ユーザは、表示部5に表示されたテープ長53を短くしたい場合、指を左方向に移動する。タッチした位置は、位置614から位置615に移動する。タッチパネル62にタッチした指の左方向への移動量、即ち、位置614と位置615との間の距離に応じ、表示部5に表示されたテープ長53は短くなる。このようにしてユーザは、テープ長53を短くすることができる。
なお、上述した具体例は変更できる。例えばユーザは、タッチパネル63、64に対してタッチした指を上下方向に移動させることによって、テープ長53を変更できるようにしてもよい。
図8を参照し、プリンタ1の電気的構成について説明する。プリンタ1は、制御基板上に形成される制御回路部400を備えている。制御回路部400は、各機器を制御するCPU401、CPU401にデータバス410を介して接続されたROM402、CGROM403、RAM404、フラッシュメモリ409および入出力インタフェイス411等を含む。
ROM402には、プリンタ1の制御上必要な各種のプログラム、様式設定及びテープ長の初期値等が記憶されている。CPU401は、各種のプログラムに基づいて各種演算を行う。CGROM403には、各種キャラクタやバーコードを印刷するための印刷用ドットパターンデータが、書体やサイズ毎に分類され、コードデータに対応させて記憶されている。RAM404には、テキストメモリ、設定メモリ、プリントバッファ等、複数の記憶エリアが設けられている。テキストメモリには、キーボード3及びタッチパネル6から入力された印刷対象のキャラクタのデータが格納される。設定メモリには、テキストメモリに記憶されたキャラクタをテープに印刷する場合の様式設定(書体、文字サイズ)及びテープ長が記憶される。プリントバッファには、印刷対象の印刷用ドットパターンが格納される。その他記憶エリアには、各種演算データ等が記憶される。フラッシュメモリ409には、各種テーブル、各種設定値等が記憶されている。
入出力インタフェイス411には、操作部2、タッチパネル6、液晶駆動回路(LCDC)405、駆動回路406、407、408等が接続されている。LCDC405は、表示部5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有し、表示部5に対する表示制御を行う。駆動回路406は、テープに印刷を行うサーマルヘッド10の発熱素子を通電させることによって、テープに印刷を行う。駆動回路407は、テープを送るテープ送りモータ23を駆動する。駆動回路408は、カッタモータ24を駆動して印刷済みのテープを切断する。
図9から図15を参照し、プリンタ1のCPU401が実行する検出処理(図9参照)特定処理(図10〜図14参照)、及び印刷処理(図15参照)について説明する。CPU401は、ROM403に記憶されたプログラムを実行することによって、検出処理、特定処理、及び印刷処理を実行する。CPU401は、検出処理、特定処理、及び印刷処理を並列して実行する。CPU401は、プリンタ1の電源キーが押下された場合に、検出処理、特定処理、及び印刷処理を開始する。
図9を参照し、検出処理について説明する。CPU401は、タッチパネル61〜64毎に検出処理を実行する。従って、タッチパネル61〜64の夫々に対応する合計4つの検出処理が並列して実行されることになる。検出処理においてCPU401は、RAM404に記憶された変数Nn(n=1、2、3、4)、変数Pn(0)、Pn(1)、・・・Pn(Nn)を使用する。なおn(=1、2、3、4)は、夫々、タッチパネル61、62、63、64に対応する。検出処理では、タッチパネル61〜64のうち接触場所の位置を示す座標情報を、タッチパネル61〜64の電圧検出部によって検出された電圧に基づき算出し、変数Pn(1)、Pn(2)、・・・Pn(Nn)に順番に記憶する。
はじめにCPU401は、変数Nnに0を記憶して初期化する(S11)。CPU401は、タッチパネル6の電圧検出部によって検出された電圧Vnを取得する(S13)。タッチパネル61に対応する検出処理の場合、タッチパネル61の電圧検出部によって検出された電圧V1が取得される。同様に、タッチパネル62〜64に対応する検出処理の場合、タッチパネル62〜64の夫々の電圧検出部によって検出されたV2〜V4が取得される。
CPU401は、取得した電圧Vnが所定の閾値電圧Vmax未満であるか判断する(S15)。タッチパネル6がタッチされた場合に電圧検出部によって検出される電圧は、タッチパネル6がタッチされない場合に検出される電圧と比較して小さくなる。このため、電圧検出部によって検出された電圧Vnを閾値電圧Vmaxと比較することによって、タッチパネル6がタッチされているか否かを判断できる。
タッチパネル6の電圧検出部から取得した電圧Vnが閾値電圧Vmax未満である場合(S15:YES)、タッチパネル6のいずれかの位置がタッチされていることになる。CPU401は、接触場所のX方向(タッチパネル61、62)又はY方向(タッチパネル63、64)の位置を示す座標情報を、電圧Vnに基づいて算出する(S17)。以下、タッチパネル61〜64上の接触場所の位置を示す座標情報を、Rn(n=1、2、3、4)又はRという。なお、タッチパネル6の電圧検出部において検出された電圧Vnに基づき座標情報Rnを算出する方法は、抵抗膜方式のタッチパネルにおいて通常行われている周知の算出方法に基づいている。
CPU401は、算出した座標情報Rnを、変数Pn(Nn)に記憶する(S19)。CPU401は、変数Nnに1を加算して更新する(S21)。処理はS13に戻り、処理が繰り返される。以上の処理が繰り返された結果、変数Pn(0)、Pn(1)・・・Pn(Nn)には、タッチパネル61〜64の夫々の接触場所の位置を示す座標情報Rnの履歴が、順番に記憶された状態になる。なお、後述する特定処理では、変数Pn(0)、Pn(1)・・・Pn(Nn)に記憶された座標情報Rnに基づいて入力操作が判断される。
一方、タッチパネル6の電圧検出部から取得した電圧Vnが閾値電圧Vmax以上である場合(S15:NO)、タッチパネル6はタッチされていないことになる。この場合、CPU401は、変数Pn(0)〜Pn(Nn)に0を記憶して初期化する(S23)。CPU401は、変数Nnに0を記憶して初期化する(S25)。処理はS13に戻る。
図10〜図14を参照し、特定処理について説明する。はじめにCPU401は、検出処理(図9参照)において変数Nnが更新された(S21、図9参照)か判断する(S31)。変数Nnが更新されていない場合(S31:NO)、変数Pn(Nn)に新たな座標情報Rnが全く記憶されておらず、タッチパネル61〜64のいずれもタッチされていないことになる(S31:NO)。この場合、処理はS31に戻る。
一方、変数Nnが更新された場合(S31:YES)、タッチパネル61〜64の少なくともいずれかがタッチされていることになる。このため、変数Pn(Nn)に新たな座標情報Rnが記憶されている。CPU401は、タッチパネル61、63の両方がタッチされているか判断する(S33)。変数N1が更新されてP1(N1)に座標情報R1が新たに記憶され、且つ、変数N3が更新されてP3(N3)に座標情報R3が新たに記憶されている場合、CPU401はタッチパネル61、63の両方がタッチされたと判断する(S33:YES)。この場合、CPU401は、ユーザがポインタ12(図4参照)の位置を指定する入力操作(2)を行っていると判断する(図4参照)。CPU401は、ポインタの位置を編集する処理(ポインタ位置編集処理、図11参照)を実行する(S35)。
図11を参照し、ポインタ位置編集処理について説明する。CPU401は、変数P1(N1)で示されるX方向の座標情報R1、及び、変数P3(N3)で示されるY方向の座標情報R3に基づき、表示部5内の特定の位置を示す座標情報(R1,R3)を、ポインタ12を表示する位置として特定する(S73)。CPU401は、特定した位置にポインタ12を表示する(S75)。なお、既に別の位置にポインタ12が表示された状態である場合、CPU401は、特定した位置にポインタ12を移動する。
CPU401は、変数N1及びN3が更新されたか判断する(S79)。変数N1及びN3が更新された場合(S79:YES)、処理はS73に戻る。S73、S75の処理が繰り返されることによって、表示部5に表示されたポインタ12の位置は移動する。一方、変数N1及びN3が更新されていない場合(S79:NO)、CPU401は、変数N1及びN3の少なくともいずれかが0となったか判断する(S80)。変数N1及びN3のいずれも0となっていない場合(S80:NO)、処理はS79に戻る。変数N1及びN3のいずれかが0となった場合(S80:YES)、タッチパネル61、63の少なくとも一方へのタッチが解除されたことになる。この場合、ユーザによるポインタ12の位置を編集する入力操作は完了したことになるので、処理はS81に進む。
CPU401は、操作部2を介したキャラクタの入力操作を受け付けたか判断する(S81)。入力操作を受け付けない場合(S81:NO)、処理はS81に戻る。一方、キャラクタの入力操作を受け付けた場合(S81:YES)、CPU401は、現時点で表示部5に表示されている複数のキャラクタ51のうち、ポインタ12に最も近接するキャラクタ51を特定する(S83)。CPU401は、S83で特定したキャラクタを、S81で受け付けたキャラクタに変更して表示する(S85)。またCPU401は、RAM404のテキストメモリに記憶されたキャラクタのデータを同様に変更する。ポインタ位置編集処理は終了し、処理は特定処理(図10参照)に戻る。図10に示すように、ポインタ位置編集処理(S35)の終了後、処理はS31に戻る。
図10のS33で、タッチパネル61、63の両方がタッチされていないと判断された場合(S33:NO)、CPU401は、タッチパネル62がタッチされ、且つ、接触場所がX方向に移動しているか判断する(S37)。CPU401は、変数N2が更新されて変数P2(N2)に座標情報R2が新たに記憶され、且つ、P2(N2−1)によって示される座標情報R2と比較して、P2(N2)によって示される座標情報R2が変化している場合、CPU401は、タッチパネル62がタッチされており、且つ、接触場所がX方向に移動していると判断する(S37:YES)。この場合、CPU401は、ユーザがテープ長53(図7参照)を変更する入力操作を行なっていると判断する(図7参照)。CPU401は、テープ長を編集する処理(テープ長編集処理、図12参照)を実行する(S39)。
図12を参照し、テープ長編集処理について説明する。テープ長編集処理においてCPU401は、RAM404に記憶された変数Lを使用する。CPU401は、変数Lに、テープ長の初期値である2(inch)を記憶して初期化する(S101)。処理はS103に進む。
CPU401は、ユーザがテープ長を長くする操作を行ったか、又は、短くする操作を行ったかを判断する。具体的には次の通りである。CPU401は、変数P2(0)、P2(N2)を比較する(S103)。P2(N2)の方が変数P2(0)よりも大きい場合(S103:YES)、ユーザはタッチパネル62にタッチした指を、右側に移動させていることになる。この場合、CPU401は、変数P2(N2)で示される位置と、変数P2(0)で示される位置との間の距離(P2(N2)−P2(0))に所定の変換係数kを乗算することによって、テープ長の変化量を算出する。CPU401は、算出した変化量を変数Lに加算することによって、変数Lを更新する(S105)。処理はS109に進む。
一方、P2(N2)が変数P2(0)以下である場合(S103:NO)、ユーザはタッチパネル62にタッチした指を、左側に移動させていることになる。この場合、CPU401は、変数P2(N2)で示される位置と、変数P2(0)で示される位置との間の距離(P2(0)−P2(N2))に所定の変換係数kを乗算することによって、テープ長の変化量を算出する。CPU401は、変数Lから算出した変化量を減算することによって、変数Lを更新する(S107)。処理はS109に進む。
CPU401は、更新した変数Lを、テープ長53(図7参照)として表示部5に表示することによって、表示内容を変更する(S109)。またCPU401は、変更後のテープ長としてRAM404の設定メモリに記憶する。CPU401は、変数N2が0となったか判断する(S111)。変数Nが0となっていない場合(S111:NO)、タッチパネル62は継続してタッチされた状態であることになるので、処理はS103に戻る。変数N2が0となった場合(S111:YES)、タッチパネル62へのタッチが解除されたことになる。この場合、ユーザによるテープ長の入力操作は完了したことになるので、テープ長編集処理は終了し、処理は特定処理(図10参照)に戻る。図10に示すように、テープ長編集処理(S39)の終了後、処理はS31に戻る。
図10のS37で、タッチパネル62の接触場所がX方向に移動していないと判断された場合(S37:NO)、CPU401は、タッチパネル62がタッチされているか判断する(S41)。変数N2が更新されて変数P2(N2)に座標情報R2が新たに記憶されている場合、CPU401は、タッチパネル62がタッチされていると判断する(S41:YES)。この場合、CPU401は、ユーザが様式設定52(書体521、文字サイズ522、図5参照)を変更する入力操作を行なっていると判断する(図5参照)。CPU401は、様式設定を編集する処理(様式編集処理、図13参照)を実行する(S43)。
図13を参照し、様式編集処理について説明する。CPU401は、変数P2(N2)で示されるX方向の座標情報R2に基づき、タッチパネル62上の接触場所が、表示部5に表示された書体521(図5参照)に近接しているか、又は、文字サイズ522(図5参照)に近接しているかを判断する。これによってCPU401は、編集を行う様式設定を特定する(S121)。CPU401は、特定した様式設定の候補を選択することが可能な別の画面(図6参照)を、表示部5に表示することによって、表示部5の表示を切り替える(S123)。
CPU401は、変数N4が更新されたか判断する(S125)。変数N4が更新されていない場合(S125:NO)、処理はS125に戻る。一方、変数N4が更新された場合(S125:YES)、タッチパネル64がタッチされていることになる。CPU401は、変数P4(N4)で示されるY方向の座標情報R4に基づき、タッチパネル64上の接触場所が、表示部5に表示された様式設定の候補のうちいずれに最も近接するかを判断することによって、様式設定の候補のうち一を選択する(S127)。例えば、図6におけるゴシック541、明朝542、及びポップ543のうち、接触場所に最も近接する書体が選択される。CPU401は、選択された様式設定の候補を、様式設定52として表示部5に表示することによって、表示内容を変更する(S131)。またCPU401は、選択された様式設定の候補を、変更後の様式設定としてRAM404の設定メモリに記憶する。様式編集処理は終了し、処理は特定処理(図10参照)に戻る。図10に示すように、様式編集処理(S43)の終了後、処理はS31に戻る。
図10のS41で、タッチパネル62がタッチされていないと判断された場合(S41:NO)、CPU401は、タッチパネル61がタッチされているか判断する(S45)。変数N1が更新されて変数P(N1)に座標情報R1が新たに記憶されている場合、CPU401は、タッチパネル61がタッチされていると判断する(S45:YES)。この場合、CPU401は、ユーザがカーソル11(図3参照)の位置を指定する入力操作を行っていると判断する(図3参照)。CPU401は、カーソル11の位置を編集する処理(カーソル位置編集処理、図14参照)を実行する(S47)。
図14を参照し、カーソル位置編集処理について説明する。CPU401は、変数P1(N1)で示されるX方向の座標情報R1と、表示部5に表示された複数のキャラクタ51の下部分のY方向の位置を示す座標情報(「Y0」という。)に基づき、表示部5内の特定の位置を示す座標情報(R1,Y0)を、カーソル11(図3参照)を表示する位置として特定する(S153)。CPU401は、特定した位置にカーソル11(図3参照)を表示する(S155)。なお、既に別の位置にカーソル11が表示された状態である場合、CPU401は、特定した位置にカーソル11を移動する。
CPU401は、変数N1が更新されたか判断する(S159)。変数N1が更新された場合(S159:YES)、処理はS153に戻る。S153、S155の処理が繰り返されることによって、表示部5に表示されたカーソル11の位置は移動する。一方、変数N1が更新されていない場合(S159:NO)、ユーザによるカーソル11の位置を編集する入力操作は完了したことになるので、処理はS161に進む。
CPU401は、操作部2を介したキャラクタの入力操作を受け付けたか判断する(S161)。入力操作を受け付けない場合(S161:NO)、処理はS161に戻る。一方、キャラクタの入力操作を受け付けた場合(S161:YES)、CPU401は、現時点で表示部5に表示されている複数のキャラクタ51のうち、カーソル11の上側に配置するキャラクタ51を特定する(S163)。CPU401は、S163で特定したキャラクタを、S161で受け付けたキャラクタに変更して表示する(S165)。またCPU401は、RAM404のテキストメモリに記憶されたキャラクタのデータを同様に変更する。カーソル位置編集処理は終了し、処理は特定処理(図10参照)に戻る。図10に示すように、ポインタ位置編集処理(S47)の終了後、処理はS31に戻る。
図10のS45で、タッチパネル61がタッチされていないと判断された場合(S45:NO)、処理はS31に戻る。
図15を参照し、印刷処理について説明する。CPU401は、印刷キーを選択する操作を受け付けたか判断する(S171)。印刷キーを選択する操作を受け付けていない場合(S171:NO)、処理はS171に戻る。一方、印刷キーを選択する操作を受け付けた場合(S171:YES)、ユーザはテープへの印刷を指示していることになる。CPU401は、RAM404の設定メモリに記憶された様式設定(書体及び文字サイズ)及びテープ長を読み出す(S173)。なお、特定処理(図10参照)において様式設定及びテープ長が変更されている場合、設定メモリには、変更後の様式設定及びテープ長が記憶されているので、CPU401は、変更後の様式設定及びテープ長を読み出すことになる。
CPU401は、テキストメモリに記憶されたキャラクタをテープに印刷するため印刷用ドットパターンを、読み出した様式設定及びテープ長に基づいて作成し、プリントバッファに記憶する。なお、特定処理(図10参照)においてキャラクタが変更されている場合、テキストメモリには、変更後のキャラクタが記憶されているので、CPU401は、変更後のキャラクタをテープに印刷するための印刷用ドットパターンを作成することになる。ドットパターンは、読み出した様式設定に基づき、書体及び文字サイズが調整されたキャラクタを印刷するためのものである。またドットパターンは、読み出したテープ長とキャラクタ列の長さがほぼ一致するように、より具体的には、読み出したテープ長よりも文字列の長さが僅かに短くなるように余白が調整されたキャラクタを印刷するためのものである。これによって、例えばダイカットテープが使用された場合でも、プリンタ1はテープの長さに収まる文字列を印刷することができる。
CPU401は、プリントバッファに記憶したドットパターンに基づいて駆動回路406を駆動し、サーマルヘッド10の発熱素子を通電させることによって、テープに印刷を行う。またCPU401は、駆動回路407を駆動し、テープ送りモータ23を駆動してテープを送る。これによって、テープにキャラクタが印刷される(S175)。印刷後、CPU401は、必要に応じて、駆動回路408を駆動してカッタモータ24を駆動し、設定メモリに記憶されたテープ長となるように印刷済みのテープを切断する(S177)。なお、ダイカットテープが使用される場合、ユーザは印刷済みのテープが切断されないようにプリンタ1に設定することもできる。処理はS171に戻る。
以上説明したように、プリンタ1は、表示部5を取り巻く周回部分にタッチパネル6が設けられる。ユーザが指でタッチパネル6にタッチした状態でも、表示部5に表示された文字が指で隠れてしまうことがない。従って、ユーザは表示部5に表示された文字を良好に視認しながら、タッチパネル6を介して入力操作を行うことが可能となる。
またユーザは、表示部5に表示された複数のキャラクタ51のうち編集するキャラクタ51を、タッチパネル61を介してカーソル11の位置を指定することで容易に指定できる。またユーザは、表示部5に表示された複数のキャラクタ51のうち編集するキャラクタ51を、タッチパネル61、63を介してポインタ12の位置を指定することで容易に指定できる。従ってユーザは、テープに印刷するキャラクタ51の編集作業を効率的に実行できる。なお、表示部5の周回部分に沿ってのみタッチパネル6が設けられた場合でも、ユーザは所望する入力操作を適切に実行することが可能となる。従って、表示部5全体にタッチパネルを設ける必要がないので、プリンタ1のコストを抑制できる。
なおユーザは、タッチパネル61、63をタッチすることによって、ポインタ12の多元的な位置を指定することが容易に可能となる。従ってユーザは、タッチパネル6を介して表示部5上の位置を詳細に特定することが可能となる。
またユーザは、タッチパネル62をタッチすることによって、様式設定(書体及び文字サイズ)及びテープの長さを容易に指定できる。従ってユーザは、印刷実行時の印刷条件の入力操作を効率化できるので、印刷作業を効率化できる。なおユーザは、タッチパネル62にタッチした指のX方向の移動量に応じてテープの長さを感覚的に指定できるので、テープの長さを思い通りに指定できる。またユーザは、様式設定として書体又は文字サイズが指定された場合、別画面(図6参照)を表示部5に表示することによって、ユーザによる様式設定の指定を容易化している。このためユーザは、タッチパネル6を介して様式設定を容易に指定できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態では、表示部5の下辺、上辺、左辺、及び右辺に接するようにタッチパネル6が設けられていた。タッチパネル6の配置は変更できる。例えばタッチパネル6は、表示部5の各辺のうちいずれか一辺、二辺、及び三辺に接するように設けられていてもよい。例えば、表示部5の左辺及び下辺に接するようにタッチパネル6が設けられてもよい。タッチパネル6はスタイラスによってタッチされてもよい。
表示部5に表示される様式設定52は、書体521及び文字サイズ522に限定されない。例えば表示部5には、文字の装飾が様式設定52として表示されてもよい。また、タッチパネル6を介して文字の装飾が選択された場合、標準、太字、袋文字、影付き、立体、斜体等を文字の装飾として選択することが可能な別の画面を表示部5に表示してもよい。ユーザは、タッチパネル6を介していずれかの装飾を選択できるようにしてもよい。また例えば表示部5には、字揃えが様式設定52として表示されてもよい。また、タッチパネル6を介して字揃えが選択された場合、左揃え、中央揃え、右揃え、均等等を字揃えとして選択することが可能な別の画面を選択できるようにしてもよい。また例えば表示部5には、文字幅が様式設定52として表示されてもよい。また、タッチパネル6を介して文字幅が選択された場合、×1(標準)、×3/2、×2、×1/2、及び×2/3を文字幅として選択することが可能な別の画面を選択できるようにしてもよい。また例えば表示部5には、文字間が様式設定52として表示されてもよい。また、タッチパネル6を介して文字間が選択された場合、「普通」、及び「狭い」を文字間として選択することが可能な別の画面を選択できるようにしてもよい。以上によってユーザは、文字の書体や文字サイズだけでなく、装飾、字揃え、文字幅、および文字間の設定を容易に実行できるため、印刷実行時の様式設定の入力操作を効率化できる。従ってユーザは印刷作業を効率化できる。
なお、S11〜S25の処理を行うCPU401が本発明の「検出手段」に相当する。S31〜S47の処理を行うCPU401が本発明の「特定手段」に相当する。S171〜S175の処理を行うCPU401が本発明の「印刷手段」に相当する。S45の処理を行うCPU401が本発明の「第一特定手段」に相当する。S75、S109、S131、S155の処理を行うCPU401が本発明の「制御手段」に相当する。S33の処理を行うCPU401が本発明の「第二特定手段」に相当する。S37の処理を行うCPU401が本発明の「第三特定手段」に相当する。S105、S107の処理を行うCPU401が本発明の「算出手段」に相当する。S41の処理を行うCPU401が本発明の「第四特定手段」に相当する。