JP5998082B2 - 回転継手 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1の図1、2に示されるもの、即ち、本件の図5、6に転記して示される回転継手の具体的な構成は次の通りである。
『ロータリジョイント1が、工作機械の主軸装置3の後端部に取り付けられている。主軸装置3は、主軸頭5に軸受7によって主軸9を回転自在に支持する構成になっている。一方、ロータリジョイント1の第1ハウジング11は、主軸頭5と同軸に主軸頭5端面に固定されている。ロータリジョイント1の回転軸13は、主軸9と同軸に主軸9端面にねじ結合によって固定され、第1ハウジング11内に形成した空間部に収容されている。
移動軸19、シール部材15、17、回転軸13、主軸9には、同軸の流体通路57が形成されており、加工液を主軸9先端に装着した工具(図示せず)へ送るようになっている。』と、説明されている。
また、当然のことながら、材料及び組み立てコストも高くなる経済上の問題点があった。
さらにまた、ダイヤフラム31等の動部材を採用している為、故障率も高くなり、利用する装置の稼働率にも悪影響がでる稼働上の問題点があった。
ところが、上記流体通路57の後方に備えさせた部屋に向けて側方から加工液を供給した場合には、部屋内において、キャビテーションが発生し、移動軸19に対する圧力が不足し、移動軸19の動きは悪く、一対のシール部材15、17の間に期待通りの接触状態が得られず、液漏れが発生する問題点が生じた。
他の目的は、上記のように、進退軸の後方位置に対して、軸線に直交する方向から加工液の供給が行えるように構成したものであっても、進退軸を軸心方向に進退駆動する構成として、ダイヤフラム等の動部材を使用することなく、構成簡易な構造で進退駆動の目的が達成できるようにした回転継手を提供しようとするものである。
他の目的は、ダイヤフラム等の動部材の使用を排除することにより故障発生率を低下できるようにした回転継手を提供しようとするものである。
他の課題、目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
進退軸27の受圧端面31からハウジング6の後端面6aの間を極めて短小化できる特長がある。
このことは、ハウジング6の後端面6aから後方における空間を有意義に活用できる利点があり、装置全体の小型コンパクト化を図る上に有益な効果がある。
水流方向転換室35の軸線9a位置には、棒状に形成してある整流部材41を、上記第1流体通路37から送り込まれる流体が外周面に当たり、左右に分流されるように、長手方向を上記軸心9aに向けた状態で備えさせたものであるから、
第1流体通路37から、水流方向転換室35の中央部に向けて流れ込んだ流体は、整流部材41の存在により左右の周壁35aに向けて向きを変えながら流れ、さらには進退軸27の受圧端面31の内側に存在している中空状流路48の導入口46に向きを変えて、整流された状態で流れ、さらにその流れは第2流体通路28に向かう。
そして、その途中に存在する進退軸27の受圧端面31の全周に対しては、周囲から中空状流路48に吸い込まれるような強い整流により、強い押圧力を及ぼし、進退軸27を前進させ、第1、第2シール部材15と29を接触状態を維持する。
また、当然のことながら、ダイヤフラム等の動部材の使用を排除することにより、従来頻繁に発生していた故障等の発生率を低下できる効果もある。
なお、図1〜図4において、数字符号1〜29が付されている部材、構成に係わる技術的事項に関しては、従来より周知の、例えば特許文献1の技術的事項を用いて実施することが可能である。このような事情から図示の実施例は簡単に説明する。
ハウジング6内の後部位置に存在する進退軸保持部7は、ハウジング等と同様に金属等の硬質材で形成してあり、凸状に形成してある後方部材8を、ハウジング6の後端部6aにおける内側に設けた凹部23に嵌合させた状態でハウジング6と水密的に一体化した状態で備えさせてある。7aは進退軸保持部7をハウジング6に着脱自在に固定するためのネジを示す。なお、上記進退軸保持部7は、予めハウジング6と一体的に形成したものでもよい。
12は回転軸を示し、上記ハウジング6内において上記主軸9の後部11の中空部9bに対して、外周面を水密的に、かつ、一体回動を自在に螺合する状態で連結してある。軸心位置9aには第3流体通路13を備える。15は、回転軸12の後部に備えさせた周知のシール部材、16は流体孔を示す。
なお18は、主軸9と一緒に回転して外周面とハウジング内面との間から異物クーラントが軸受方向に侵入するのを防ぐようにしてある異物流体シールで、19は固着用のナットを示す。
なお、進退軸27の回転止めの手段は任意の手段、例えば、弁座29bの一部に切欠部を設け、進退軸保持部7の対向部分からピンを突設させて係合させることによって回り止めすれば良い。
進退軸27の先端面には、第1シール部材29の面積よりも広い表面積を有する弁座29bが備えられており、これの表面に対して、上記第2シール部材15と一対をなす第1シール部材29が備えられ、進退軸27が図1の後退状態から図2の前進状態になると第2流体通路28から第3流体通路13に向けて流れる流体(冷却用液体)が、上記一対をなす第1、第2シール部材15、29の間から液漏れするのを防止する。
なお、29aは第1シール部材29の流体孔を示す。また、進退軸27の後端面には水流方向転換室35に対向させて、水流方向転換室35から第3流体通路13に向けて流れる流体の力により進退軸27を前進させるための軸線9aに直交させた受圧端面31を備える。
上記の水流方向転換室35においては、上記進退軸27の受圧端面31からハウジング6の後端面6aの間を極めて短小化させ、後端面6aから後方に向けての空間6eに、工作機械に関連する装置の部材を配設できるようにしてある。
例えば、後退位置にある進退軸27の受圧端面31から後部壁面35bまでの後退方向寸法W3を、第1流体通路37から水流方向転換室35に流入する流体を受け入れ可能に、第1流体通路37における注入口37aの内形寸法D3、例えば3〜5mmと同じか、又は少し大きく(例えば、100〜160%位大きく)構成してある。
例えば、第1流体通路37の注入口37aから、深部位置までの間の寸法W1は受圧端面31の外形寸法(D1、D2)より大きくしてある。また、図3の横幅寸法W2も同様に受圧端面31の外形寸法D1より大きくしてある。
例えば、外形寸法D1、D2が6〜8mmであれば、上記深部位置までの間の寸法W1は、例えば、9〜11mm、横幅寸法W2は9〜11mmに設定しておくと、第1流体通路37から水流方向転換室35に流入した水流が、転換室35の内部で向きを変え、第2流体通路28の内部に向けて(中空状流路48の入り口46に向けて)流れ込む過程で、受圧端面31を効率高く押圧する作用が得られる。
この整流部材41は、上記第1流体通路37から送り込まれる流体が、水流方向転換室35の内部において上記棒状に形成してある整流部材41の外周面に当たり、左右に分流させるように、長手方向を上記軸心9aに向けた状態で備えさせてある。棒状の整流部材41の太さは、進退軸27の第2流体通路28の導入口46を塞がないようにその内径よりも小さい外径に形成してある。
例えば第2流体通路28の内径D4が3〜6mm前後であれば、棒状の整流部材41の太さは2〜4mm前後にしておけばよい。
さらに中空状流路48を通過して流れる流量を充分に確保するため、例えば第2流体通路28の断面積は7.0〜20.0mm2に対して、中空状流路48の断面積を4.0〜12.0mm2(60〜70%位)確保しておくとよい。
また、整流部材41においては、上記連結部45から第2流体通路28の入り口(受圧端面31)近くの間の部材を整流部42としている。この整流部42の長さは第1流体通路37における注入口37aの口径に対応する長さにしてある。
そして上記第1流体通路37から送り込まれる流体を、この整流部42の外周面で受け、左右に分流させ、流れ方向を変化させ、導入口46へ向ける整流させる機能を発揮させる。
しかしながら、図示のように整流部材41の自由端側の部材が第2流体通路28の内部にまで入り込む長さにしても良い。この第2流体通路28の内部に入り込んでいる整流部材41の自由端の部材43は、水流をガイドするガイド部材43として機能する。即ち、第2流体通路28の内側に対して第2流体通路28の断面積よりも小さい断面積の中空状流路(水路の断面形状が環状になっている水路)48を形成するのに役立つ。
このように、ガイド部材43の太さが設定されると、第1流体通路37の断面積も、第2流体通路28の断面積も共に中空状流路48の断面積よりも大きく(あまり減圧させないように)設定してあるので、これらにおいては、工作機械において通常必要とするクーラント(液体)の必要量を十分に通過させることができる。
しかも、中空状流路48の断面積が短い区間に渡って狭い(前後の流路に比較して、比較的狭くなっている)と、その狭い区間を通過する流体においては減圧が大きく、その結果、中空状流路48の導入口46(受圧端面31)と、第1シール部材29の存在位置の間に大きな圧力差が生じる。この圧力差は、当然のことながら進退軸27を、第2シール部材15が存在する方向に作動させ、第1シール部材29と第2シール部材15とを接触状態(図2の状態)にして両者間からの液漏れを防止する働きがある。
なお、上記ガイド部材43は、ハウジング6の壁6aによって支持されているので、ガイド部材43を第2流体通路28内に備えさせても、進退軸27には機械的な負担をかけない特徴がある。
なお、第1流体通路37の断面積と、第2流体通路28の断面積に対して、進退軸27の内部における一部の断面積を部分的に小さくする手段としては他の手段を施しても良い。
即ち、進退軸27の内部における第3流体通路13側の減圧効果を高め、進退軸27の前後における流体圧力の差を生じさせ、進退軸27の前進を図るための手段としては、ガイド部材43に代えて、進退軸27の内部における管壁の内径を僅かな区間に渡って縮小させた縮径部を備えさせ(断面積を小さくして)流体に抵抗を与えるようにしても良い。或いは異なる手段として、管壁内面に対して、中心部に流体通路を有するドーナツ状の減圧可能な減圧部材を備えさせ(外周面を螺着させる)等の構成を採用することにより、流体に抵抗を与え、流体圧の差を利用しての進退軸27の前進を図るようにしても良い。
その場合、流体は、整流された状態で、一定の圧力を保有したまま進退軸27の内側に存在する中空状流路48の導入口46に向かうので、進退軸27の受圧端面31を効率よく押圧し、上記進退軸27を前進させ、第1シール部材29が第2シール部材15に接触するように作動させる。
この間、水流方向転換室35内には第1流体通路37から圧力流体が注入されるので、進退軸27は押圧され続け、第1シール部材29と第2シール部材15との密なる接触状態を維持する。
なお、作業工程の都合により第1流体通路37からの液体の供給が止まると、受圧端面31に対する加圧はなくなる。従って、一対の第1、第2シール部材(15、29)間の圧接状態も解放され、進退軸27はわずかに後退し、第1、第2シール部材(15、29)間から流体が流出する。なお、第1シール部材29と第2シール部材15との間から漏れ出した液体は、排水孔6dから排水され、適切に処理される。
1・・・工作機械のフレームの後部、
2・・・軸受、
6・・・ハウジング、
6a・・・後端部、
7・・・進退軸保持部、
8・・・後方部材、
9・・・主軸、
9a・・・軸心、
10・・・第4流体通路、
11・・・後部、
12・・・回転軸、
13・・・第3流体通路、
15・・・第2シール部材、
16・・・流体孔、
18・・・異物流体シール、
19・・・ナット、
25・・・進退軸保持孔、
26・・・シール部材、
27・・・進退軸、
28・・・第2流体通路、
29・・・第1シール部材、
31・・・受圧端面、
35・・・水流方向転換室、
36・・・流体通路、
37・・・第1流体通路、
41・・・整流部材、
42・・・整流部、
43・・・ガイド部、
44・・・操作部、
45・・・連結部、
46・・・導入口、
48・・・中空状流路
Claims (2)
- ハウジングと、
上記ハウジング内に備えられ、軸心位置には第3流体通路を有する回転自在の回転軸と、
上記ハウジング内における進退軸保持部に対して、上記回転軸に対向させる状態で軸線方向に進退動可能に備えられ、かつ、軸心位置には第2流体通路を有する進退軸と、
上記回転軸と、上記進退軸との対向面に設けられた一対の第1、第2シール部材とを備える回転継手であって、その回転継手は、
上記ハウジングにおける上記進退軸の後方位置には水流方向転換室を備え、その水流方向転換室の側方には、上記軸心方向に直交する方向から水流方向転換室に流体を供給するための第1流体通路における注入口を連通させ、
上記の水流方向転換室においては、後退位置にある進退軸の受圧端面から後部壁面までの後退方向寸法を、第1流体通路から水流方向転換室に流入する流体を受け入れ可能に、第1流体通路における注入口の内形寸法と同じか、又は少し大きく構成してあり、
上記水流方向転換室における上記軸心方向に直交する方向の広さは、上記進退軸の受圧端面の外形よりも広い範囲が得られる広さに構成してあり、
さらに上記水流方向転換室の内部においては、上記軸心上の位置に対して、
棒状に形成してある整流部材を、上記第1流体通路から送り込まれる流体が外周面に当たり、左右に分流させるように、長手方向を上記軸心に向けた状態で備えさせたことを特徴とする回転継手。 - ハウジングと、
上記ハウジング内に備えられ、軸心位置には第3流体通路を有する回転自在の回転軸と、
上記ハウジング内における進退軸保持部に対して、上記回転軸に対向させる状態で軸線方向に進退動可能に備えられ、かつ、軸心位置には第2流体通路を有する進退軸と、
上記回転軸と、上記進退軸との対向面に設けられた一対の第1、第2シール部材とを備える回転継手であって、その回転継手は、
上記ハウジングにおける上記進退軸の後方位置には水流方向転換室を備え、その水流方向転換室の側方には、上記軸心方向に直交する方向から水流方向転換室に流体を供給するための第1流体通路における注入口を連通させ、
上記の水流方向転換室においては、後退位置にある進退軸の受圧端面から後部壁面までの後退方向寸法を、第1流体通路から水流方向転換室に流入する流体を受け入れ可能に、第1流体通路における注入口の内形寸法と同じか、又は少し大きく構成してあり、
上記水流方向転換室における上記軸心方向に直交する方向の広さは、上記進退軸の受圧端面の外形よりも広い範囲が得られる広さに構成してあり、
さらに上記水流方向転換室の内部においては、上記軸心上の位置に対して、
棒状に形成してある整流部材を、上記第1流体通路から送り込まれる流体が外周面に当たり、左右に分流させるように、長手方向を上記軸心に向けた状態で備えさせ、
その上、上記棒状に形成してある整流部材の進退軸の側には、水流方向転換室から進退軸の第2流体通路の内部に向けて延長させ、上記進退軸側の第1シール部材の存在位置には至らない長さに設定されたガイド部を備えさせ、そのガイド部の外径は、水流方向転換室から回転軸の第3流体通路に向けて流れる流体が、ガイド部の外周面と第3流体通路の内周面との間の比較的狭くなっている中空状流路を通過して流れるように構成してあることを特徴とする回転継手。
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