JP5997755B2 - 汚泥処理方法及び炭化物の利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚泥処理方法、有機性廃棄物の処理方法及び水処理汚泥炭化物の液相における利用方法に関し、例えば、下水汚泥等から製造される優れた吸着能力を有する炭化物を排水処理設備で有効利用する方法などに関する。
(1)第一の背景技術
下水汚泥などの汚泥を濃縮、脱水等して処理する汚泥処理方法には、処理汚泥の脱水性の向上、汚泥処理工程における臭気発生の抑制、ポンプ等による処理汚泥の搬送性の向上が要請されており、このような要請に応じるための様々な方法が提供されている。一方、近年では、廃棄物のリサイクル等の環境問題への観点から、脱水処理された汚泥に対して乾燥や炭化等の処理を行って炭化物を製造し、この炭化物を汚泥処理に再利用することで、上述した要請を満たそうとする提案がなされている。
このように、環境問題に対応しつつ、上述した要請に応じる手段としては、例えば、下水処理施設の汚水処理過程で発生する脱水汚泥を炭化した炭化汚泥を、汚水処理過程での凝集助剤として用いる汚泥処理方法が提案されている(特開2001−353500号公報等)。
しかしながら、上記従来の汚泥処理方法は、処理汚泥の脱水性の向上や処理工程における臭気発生の抑制を十分に満足するものではなく、また、脱水汚泥の搬送性の向上を図るものでもない。つまり、廃棄物のリサイクル等の環境問題に対応しつつ、処理汚泥の脱水性の向上、臭気発生の抑制、処理汚泥の搬送性の向上を十分に満足する技術は未だ提供されていない。
(2)第二の背景技術
また、下水処理汚泥や家庭用生ゴミ等の有機性廃棄物を好気性発酵処理する方法において、かかる有機性廃棄物を好気性微生物により発酵分解し、この分解物である堆肥を炭化処理することが行われている。このような有機性廃棄物の処理方法には、好気性微生物による有機性廃棄物の発酵分解の際にアンモニアガスが発生することから、かかる二酸化硫黄ガスに対する脱硫対策も要請されている。また、この堆肥を炭化処理する際に二酸化硫黄ガスが発生することから、かかる二酸化硫黄ガスに対する脱硫対策も要請されている。さらに、近年では、環境問題の観点から、このような有機性廃棄物の処理方法における省エネルギー化が強く要請されている。
このような有機性廃棄物の処理方法において、上述した臭気対策や脱硫対策に対応しつつ、環境問題にも対応する手段としては、例えば、好気性微生物を用いて有機性廃棄物を発酵させ温風乾燥して堆肥物を生成し、この堆肥物の少なくとも一部を還元雰囲気中で熱分解し賦活処理して活性炭化物を生成した後、かかる活性炭化物の一部を堆肥化反応時に生じる臭気ガスの排出経路に導入して脱臭させ、さらに有機性廃棄物に混合して堆肥化反応の促進に用いることを特徴とする有機性廃棄物の処理方法が挙げられる。(特開2004−262729号公報等)。
しかしながら、上述の有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物の好気性微生物による分解処理で発生する臭気ガスの処理のみを目的としており、堆肥の炭化処理で発生する二酸化硫黄を含む燃焼ガスを処理することができない。つまり、上記の臭気対策や脱硫対策に加え、省エネルギー化等の環境問題への対策をも達成する有機性廃棄物の処理方法は、未だ提供されていない。
(3)第三の背景技術
さらに、下水汚泥のような廃棄物の処理においては、廃棄物の発生量を削減するため、様々な努力がなされている。これを解決する手段の一つとして、例えば、下水汚泥を乾燥させ、ついで、炭化・賦活処理して活性炭化物を製造する方法及び装置が開発されている。現在、この活性炭化物の有効利用先の拡大が急務であるが、様々な制約から、特に、同じ下水処理場内での有効利用が望まれている。
また、活性炭を排水処理設備で利用する場合は、粒状の活性炭を使用して吸着塔を設けるか、または粉末状の活性炭を使用して膜ろ過装置を併用する。つまり、活性炭は、水処理で利用する場合、上澄水にリークしやすいので、それに対する対策が必要である。なお、活性炭に限らず炭化物は、比重が軽いので、例えば、汚水と混合した後に沈殿させると、浮上する場合がある。
この課題を解決する方法として、沈殿し難い小粒径(100μm以下)の炭化物を除去するなどの方法で、100μm〜200μmに分級した後、水と混合して液中で真空処理する等の方法で、炭化物細孔内の空気を脱気処理する解決策が提案されている。(例えば、特許文献1等参照)。しかしながら、製造した炭化物の一部しか利用できない課題や、炭化物の粒径に反比例して液相での接触表面積を確保できるため、炭化物のみず処理性能について量及び質の両方で低下させることになる。
特開2001−353500号公報 特開2004−262729号公報 特開2004−337751号公報
(1)第一の課題
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、廃棄物のリサイクル等の環境問題に対応しつつ、処理汚泥の脱水性の向上、汚泥処理工程における臭気発生の抑制、脱水汚泥の搬送性の向上を十分に満足することができる汚泥処理方法の提供を目的とするものである。
(2)第二の課題
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、臭気対策及び脱硫対策に十分対応しつつ、さらには省エネルギー化をも達成することができる有機性廃棄物の処理方法の提供を目的とするものである。
(3)第三の課題
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、下水汚泥等の廃棄物を乾燥・炭化処理することにより炭化物とし、この炭化物を、ある種の制御目標値を持って粉砕処理及び液相活性化処理することで、例えば、同じ下水処理場内で、汚泥の沈降促進剤や微生物付着担体、COD等の吸着除去剤、脱臭剤、脱水助剤等として有効に利用することができる方法を提供することにある。本発明の技術は、公共下水道のみならず、浄化槽や農村集落排水、民間排水処理等、様々な排水処理設備で利用することができる。
(1)第一の課題解決手段
上記課題を解決するためになされた発明は、 汚泥に炭化物を添加し、混合汚泥を得る添加工程と、 この混合汚泥を沈降分離し、濃縮汚泥を得る濃縮工程と、 この濃縮工程を脱水し、脱水汚泥を得る脱水工程とを有する汚泥処理方法であって、 上記添加工程における炭化物として、平均粒径が0.5μm以上100μm以下である炭化粒子を用いることを特徴とする。
当該汚泥処理方法は、添加工程における炭化物として、平均粒径が上記範囲の如く微少である炭化粒子を用い、この炭化粒子を濃縮工程前の汚泥に添加することで、以下の作用効果を有する。
(A)この炭化粒子が濃縮工程後の汚泥の含水率を低下させ、汚泥の凝集性を高め、脱水性を向上することができる。
(B)この炭化粒子が臭気発生の原因物質に対して高い吸着効果を発揮し、かかる原因物質を炭化粒子と共に吸着除去し、汚泥処理工程における臭気発生を効果的かつ十分に抑制することができる。
(C)この炭化粒子が濃縮工程における汚泥沈降速度を向上させ、汚泥の分離効率を向上させることができる。
(D)この炭化粒子が脱水汚泥の粘度を低下させ、例えば供給管や供給ポンプ等による汚泥の搬送性を向上することができる。
上記添加工程における炭化物の添加量としては、添加前汚泥の固形物量に対して0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。このように、添加工程における炭化物の添加量を上記範囲とすることで、当該汚泥処理方法は、上述した汚泥の脱水性の向上と、汚泥処理工程における臭気発生の抑制と、汚泥の分離効率の向上を最も効果的かつバランス良く発揮することができる。また、当該汚泥処理方法は、このような脱水性の向上及び臭気発生の抑制の効果的かつバランスの良い発揮を、比較的少ない炭化物の添加量によって実現できることから、汚泥処理の作業容易性及び低コスト性を向上することができる。
当該汚泥処理方法は、上記炭化物を水に懸濁して炭化物スラリーを得るスラリー化工程をさらに有し、上記添加工程において、汚泥に炭化物スラリーを添加するとよい。このように、炭化物を水に懸濁してスラリー化することで、炭化物の液相での分散性が高まり、かかる炭化物スラリーを添加工程において汚泥に添加すると汚泥の凝集性を向上し、その結果、汚泥の脱水性を向上させることができる。また、炭化物を水に懸濁してスラリー化することで、粉塵爆発等を防止して作業時の安全性を確保することができる。さらに、このような炭化物スラリーを添加工程において汚泥に添加することで、脱水汚泥の粘度を低下させ、供給管や供給ポンプ等による脱水汚泥の搬送性を向上することができる。
当該汚泥処理方法は、上記脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る炭化工程と、この炭化汚泥を粉砕し平均粒径が0.5μm以上100μm以下である炭化粒子を得る粉砕工程とをさらに有するとよい。このように、当該汚泥処理方法は、炭化工程と粉砕工程とをさらに有し、平均粒径が上記範囲である炭化粒子が上記脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して得られる炭化汚泥を粉砕したものであることから、廃棄物のリサイクルを容易に実現でき、環境問題にも十分に対応することができる。
上記炭化工程において、炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うとよい、このように、炭化工程において炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うことで、活性化された炭化汚泥を得ることができ、この活性化された炭化汚泥を粉砕して得られる炭化粒子を添加工程において汚泥に添加することで、当該汚泥処理方法は、濃縮工程における汚泥の沈降分離を促進し、汚泥の濃縮効率をさらに向上できる。また、この活性化された炭化汚泥を粉砕して得られる炭化粒子を添加工程において汚泥に添加することで、当該汚泥処理方法は、濃縮汚泥における生物学的分解処理を促進すると共に、汚泥処理工程における臭気発生をより一層効果的に抑制することができる。
ここで、「炭化物」とは、廃木材、生ごみ、下水処理汚泥、家畜糞尿等を炭化処理して得られるものを意味する。「平均粒径」とは、粒子群に対し、篩分法により得た各粒度の篩い下の全粒子重量から得られる積算分布より、積算量50重量%となる粒径値をいう。
(2)第二の課題解決手段
上記課題を解決するためになされた発明は、 好気性微生物を用いて有機性廃棄物を発酵分解し、堆肥を得る堆肥工程と、 この堆肥の少なくとも一部を乾燥及び炭化し、炭化物を得る炭化工程と、 を有する有機性廃棄物の処理方法であって、 上記堆肥工程で発生するアンモニアガスと、上記炭化工程で発生する二酸化硫黄ガスとを混合するガス混合工程とをさらに有することを特徴とする。
当該有機性廃棄物の処理方法は、上記堆肥工程で発生し臭気の原因となるアンモニアガスと、上記炭化工程で発生する二酸化硫黄ガスとを、ガス混合工程において混合させ、直接的に気相反応させることで、これらを中和させることができる。つまり、当該有機性廃棄物の処理方法は、極めて単純かつ容易な手段によりアンモニアガスを処理して脱臭することができる。また、当該有機性廃棄物の処理方法は、特段の装置を要することなく二酸化硫黄ガスを処理して脱硫することができることから、脱硫装置等が不要となり、省エネルギー化を達成することができる。
上記アンモニアガス、二酸化硫黄ガスまたはこれらの反応物と、上記炭化工程で得られる炭化物とを接触させ、得られた吸着炭化物を回収する回収工程をさらに有するとよい。このように、上記アンモニアガスや二酸化硫黄ガスと、上記炭化物とを接触させることで、かかる炭化物が、上述のアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの中和反応を促進させ、その結果、当該有機性廃棄物の処理方法は、脱臭効果及び脱硫効果を向上することができる。また、この炭化物が、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの反応により得られる反応物である硫酸アンモニウムや、未反応のアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスを効果的かつ確実に吸着することから、当該有機性廃棄物の処理方法は、上述の中和反応における反応物の効率的かつ効果的な回収と、脱臭効果及び脱硫効果の向上とを達成することができる。
上記炭化工程において、上記吸着炭化物を熱分解するとよい。このように、上記炭化工程において吸着炭化物を熱分解することで、吸着炭化物を、炭化物、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに熱分解し、さらに、このアンモニアガスを窒素に熱分解することができる。その結果、当該有機性廃棄物の処理方法は、アンモニアガスを熱分解して脱臭を達成することができる。また、上記ガス混合工程においては、アンモニアガスが二酸化硫黄ガスよりも大量に存在しており、アンモニアガスと比較して二酸化硫黄ガスの中和反応量が少ないところ、上述した吸着炭化物の熱分解により二酸化硫黄ガスを新たに発生させ、この二酸化硫黄ガスをガス混合工程でアンモニアガスと再び反応させることで、反応の際の化学当量のバランスを容易に調整することができる。さらに、かかる吸着炭化物の熱分解は、炭化工程における炭化処理の熱を利用して得られることから、省エネルギー化を達成することができる。
上記炭化物は、微粉粒子状であるとよい。このように、上記炭化物が微粉粒子状であることで、この微粉粒子状炭化物は比表面積が大きいことから、微粉粒子表面にアンモニアガスや二酸化硫黄ガスが吸着しやすくなり、その結果、当該有機性廃棄物の処理方法は、上述のガス混合工程における中和反応の促進、脱臭効果及び脱硫効果を向上することができる。また、このように比表面積の大きい微粉粒子炭化物は、未反応のアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに加えて、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの中和反応により得られる反応物も良好に吸着することから、脱臭効果及び脱硫効果のみならず、上記反応物の回収をより確実なものとすることができる。
上記回収工程における二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を計測し、この二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度に応じて上記炭化物の供給量を調整するとよい。このように、回収工程における二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度に応じて炭化物の供給量を調整することで、当該有機性廃棄物の処理方法は、回収工程における上述の中和反応の促進、脱臭効果、脱硫効果及び反応物の回収を確実に実現するために最適な炭化物の供給量を、二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を検知及び測定するという単純な構成により調整することができる。
上記炭化工程において、炭化物に対する賦活処理をさらに行うとよい。このように、炭化工程において炭化物に対する賦活処理をさらに行うことにより、活性化された炭化物(以下、「活性炭」と称することがある。)を得ることができる。かかる活性炭や、この活性炭を微粉粒子状にしたもの(以下、「微粉粒子状活性炭」と称することがある。)を上記回収工程において接触させることで、当該有機性廃棄物の処理方法は、回収工程における上述の中和反応の促進、脱臭効果、脱硫効果及び反応物の回収を最大限に向上することができる。
ここで、「炭化物」とは、廃木材、生ごみ、下水処理汚泥、家畜糞尿等の有機物を炭化処理して得られるものを意味する。「堆肥」とは、稲わらなどの収穫残渣、樹皮(バーク)などの木質、家畜糞尿などの有機性資材を堆積し、好気的発酵により腐熟させたものをいう。
(3)第三の課題解決手段
上記の目的を達成するために、本発明の排水処理設備での炭化物の利用方法は、廃棄物を炭化処理して製造した炭化物を平均粒径100μm以下に微粉砕し、ついで、減圧処理して、微粉砕処理及び減圧処理した炭化物を水と混合し、重力沈殿濃縮装置に投入して沈殿濃縮したスラリー液として装置下部より回収して排水処理装置に投入するように構成されている。また、本発明の方法は、湿潤有機性廃棄物の乾燥・炭化処理で製造した炭化物を平均粒径100μm以下に微粉砕し、ついで、減圧処理して、微粉砕処理及び減圧処理した炭化物を水と混合し、重力沈殿濃縮装置に投入して固形物濃度を30〜50%に沈殿濃縮したスラリー液として装置下部より回収して、これを貯留・搬送して排水処理装置に投球することを特徴としている。
当該排水処理方法は、添加工程における炭化物として、平均粒径が上記範囲の如く微小である炭化粒子を減圧処理後に水を混入添加して、沈殿濃縮装置で固形物濃度を30〜50%に調整したスラリーとして回収することで、以下の作用効果を有する。
(A)微粉砕炭化物を水と混合した後に、混合液を減圧して炭化物細孔内の空気を脱気する方法では、炭化物からの減圧脱気の前に、大気圧下の毛細管現象により水が細孔内に浸透して、減圧下での脱気が十分機能しない課題があった。一方、本発明による微粉砕炭化粒子を水と混合する前に減圧処理する方法では、炭化物細孔内の空気を廃棄した後に水と混合されるため、細孔内での空気から水への置換率を向上することができる。
(B)炭化物の脱気効果が高いために、より小粒径の炭化物でも水中での沈降速度を高めることができ、その結果、炭化物の表面積を大幅に増大することができて、炭化物と液との接触面積を飛躍的に広げて、液相での吸着や凝集の活性を高めることができる。
(C)微粉砕炭化物は気相では飛散し易い一方で、液相では沈殿分離し易いため貯留や搬送上に課題があるが、本発明の方法では、気相では微粉砕炭化物の容器内を減圧下に維持できるため、粉じんの漏洩や粉じん爆発のリスクを抑制できる。一方、液相では炭化物の沈殿分離を防止して、排水処理装置への供給を液状(スラリー)で安定して取り扱える。
上述した微粉砕炭化物を脱気後水と混合して液状(スラリー)で排水処理設備の最初沈殿池に添加すると、排水中の固形物回収率が向上して生物反応タンク(曝気槽)の負荷が低減される。また、生物反応タンク(曝気槽)に添加すると、タンク内での水処理速度が向上したり、活性汚泥の沈降性を促進できる。
上述した液状(スラリー)微粉砕炭化物を排水処理設備の汚泥濃縮槽に添加すると、汚泥の凝集沈殿を促進できると同時に、汚泥から発生して水に溶解している臭気成分を吸着して臭気の発生を抑制することができる。当該汚泥処理方法は、硫酸アルミニウムや塩化第二鉄等の無機性凝集剤溶液を混合水に適当量添加する方法で、汚泥の凝集効果や臭気抑制効果をさらに高めることができる。また、微粉砕炭化物スラリーの液相での凝集機能や臭気抑制機能については、対象とする処理物や処理工程での最適PHによる最適化のために、硫酸や塩酸等の酸や苛性ソーダや消石灰等のアルカリPH調整液を添加すると良い。
上述した液状(スラリー)微粉砕炭化物を水処理設備で発生した汚泥の脱気設備における脱水前汚泥貯留槽に添加すると、脱水汚泥の臭気や含水率を抑制することができる。当該汚泥処理方法は、上記脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る炭化工程をさらに有するとよい。このように、当該汚泥処理方法は、炭化工程をさらに有し上記脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して得られる炭化汚泥を利用できることから、廃棄物のリサイクルを容易に実現でき、環境問題にも十分対応することができる。
上記炭化工程において、炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うとよい。このように、炭化工程において炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うことで、活性化された炭化汚泥を得ることができ、この活性化された炭化汚泥を粉砕して得られる炭化粒子を添加工程において汚泥に添加することで、当該汚泥処理方法は、濃縮工程における汚泥の沈降分離を促進し、汚泥の濃縮効率をさらに向上できる。また、この活性化された炭化汚泥を粉砕して得られる炭化粒子を添加工程において汚泥に添加することで、当該汚泥処理方法は、濃縮汚泥における生物学的分解処理を促進すると共に、汚泥処理工程における臭気発生をより一層効果的に抑制することができる。
ここで、「炭化物」とは、廃木材、生ごみ、下水処理汚泥、家畜糞尿等を炭化処理して得られるものを意味する。「平均粒径」とは、粒子群に対し、篩分法により得た各粒度の篩い下の全粒子重量から得られる積算分布より、積算量50重量%となる粒径値をいう。
(1)上記第一の課題解決手段の効果
以上説明したように、本発明の汚泥処理方法は、添加工程における炭化物として、平均粒径が上記範囲の如く微少である炭化粒子を用い、この炭化粒子を濃縮工程前の汚泥に添加することで、従来の課題とされていた処理汚泥の脱水性の向上、汚泥処理工程における臭気発生の抑制、汚泥の分離効率の向上、脱水汚泥の搬送性の向上を十分に解決することができる。
(2)上記第二の課題解決手段の効果
また、以上説明したように、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、堆肥工程で発生するアンモニアガスと炭化工程で発生する二酸化硫黄ガスとを、脱硫装置等の特段の装置を要することなく容易に混合させ、中和させることができることから、従来の課題とされていた臭気対策、脱硫対策及び省エネルギー化を全て解決することができる。
(3)上記第三の課題解決手段の効果
さらに、本発明は上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。
(1)活性炭化物を平均粒径100μm以下に微粉砕し、これを減圧処理した後に水と混合し、重力沈殿濃縮装置に投入して固形物濃度を30〜50%に沈殿濃縮したスラリー液として装置下部より回収して、これを貯留・搬送して排水処理装置に投入するので、炭化物を排水処理装置から回収することが容易である。また、粒径の小さい炭化物が浮遊して上澄水が黒く濁ることはなく、清浄な処理水が得られる。さらに、気泡が原因となって最終沈殿池で汚泥の一部がスカムのように浮上することもない。
(2)炭化物は吸着能力を有するので、排水処理でCODなどを吸着除去できる。
(3)炭化物を、排水処理設備内で、汚泥の沈降促進剤や微生物付着担体、COD等の吸着除去剤、脱臭剤、脱水助剤等として液状で利用できるため、公共下水道のみならず、浄化槽や農村集落排水、民間排水処理など、様々な排水処理設備に安全で簡易な貯留と搬送手段で利用することができる。以上説明したように、本発明の炭化物利用方法は、添加工程における炭化物として、平均粒径が上記範囲の如く微少である炭化粒子を用い、この炭化粒子を気槽での減圧処理と液相での大気圧下での炭化物細孔内への水置換処理と、重力沈降濃縮工程による炭化物の高濃度スラリー化により、従来の課題とされていた炭化物の利用率(歩留)と液相吸着表面積の向上を十分に解決することができる。
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法を示すフロー図である。 図1の汚泥処理方法のシステム構成例を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る有機性廃棄物の処理方法を示すフロー図である。 図3の有機性廃棄物の処理方法のシステム構成例を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る汚水処理方法を示すフロー図である。 図5の汚水処理方法のシステム構成例を示す概略構成図である。
(1)第一の実施の形態
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
図1の汚泥処理方法は、添加工程STP1、濃縮工程STP2、脱水工程STP3、炭化工程STP4、粉砕工程STP5及びスラリー化工程STP6をこの順で有する。具体的には、当該汚泥処理方法は、汚泥P1及び炭化物Q1を混合し、濃縮、脱水することで脱水汚泥を得た後、この脱水汚泥の少なくとも一部を炭化処理し、粉砕した後にスラリー化して得られた炭化物Q1を、再び汚泥P1と混合するという一連の工程を有するものである。
当該汚泥処理方法を実現するためのシステム構成例としては、図2に示すように、汚泥貯蓄槽1、汚泥混合槽2、汚泥濃縮槽3、脱水装置4、炭化炉5、粉砕装置6、スラリー化装置7を主として備える。
まず、図1及び図2を参照しつつ、当該汚泥処理方法に係るSTP1〜STP6の各工程について、上記システム構成例を用いて具体的に説明する。
(添加工程STP1)
添加工程STP1(炭化物混合工程)は、汚泥P1に炭化物Q1を添加し、混合汚泥を得る工程である。具体的には、添加工程STP1(炭化物混合工程)は、汚泥貯留槽1に貯留される汚泥P1と、後述のスラリー貯留槽7でスラリー化された炭化物Q1とを、汚泥混合槽2で混合し、混合汚泥を得る工程である。
汚泥貯留槽1は、汚泥P1を貯留し、この貯留した汚泥P1を汚泥混合槽2に供給するためのものである。この汚泥貯留槽1の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、貯留した汚泥P1を後述の汚泥混合槽2に供給するための供給管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。
汚泥P1の種類としては、特に限定されず、例えば、下水処理汚泥、し尿処理汚泥、浄化槽汚泥、家畜糞尿、海洋生物廃棄物、工場排水処理施設汚泥、都市ごみ等が挙げられる。
汚泥混合槽2は、汚泥貯留槽1から供給される汚泥P1と炭化物Q1とを混合し、混合汚泥を得るためのものである。この汚泥混合槽2の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、汚泥P1と炭化物Q1とを攪拌するための攪拌装置、後述の汚泥濃縮槽3に汚泥P1と炭化物Q1との混合物を供給するための汚泥管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。
(濃縮工程STP2)
濃縮工程STP2は、添加工程STP1で得られた混合汚泥を沈降分離し、濃縮汚泥を得る工程である。具体的には、濃縮工程STP2は、汚泥混合槽2から供給される汚泥P1と炭化物Q1とを混合した混合汚泥を、汚泥濃縮槽3内で沈降分離させ、濃縮汚泥を得る工程である。
汚泥濃縮槽3は、汚泥混合槽2から供給される混合汚泥を沈降分離させるためのものである。この汚泥濃縮槽3の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、濃縮汚泥を後述の脱水装置4に供給するための供給管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。なお、かかる汚泥濃縮槽3の形状としては、特に限定されず、例えば、上部が筒状で下部がコーン状に狭まる略円錐形に形成されているとよい。このように、汚泥濃縮槽3の下部がコーン状に狭まるよう形成されていることで、汚泥濃縮槽3で沈降分離された濃縮汚泥を、自然流下により容易に排出することができる。
(脱水工程STP3)
脱水工程STP3は、濃縮工程STP2で得られた濃縮汚泥を脱水し、脱水汚泥を得る工程である。具体的には、脱水工程STP3は、汚泥濃縮槽3から供給される濃縮汚泥を、脱水装置4を用いて脱水し、脱水汚泥を得る工程である。
脱水装置4は、汚泥濃縮槽3から供給される濃縮汚泥を脱水するための装置である。かかる脱水装置4の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、フィルタープレス脱水機、遠心脱水機、ベルトプレス、スクリュープレス等が挙げられる。また、この脱水装置4は、例えば、濃縮汚泥を攪拌するスクリューコンベア、凝集剤を投与するための凝集剤供給管、脱水後の分離液を排出するための排水管、脱水後の脱水汚泥を後述の炭化炉5に供給するための供給管や供給ポンプ等を備えることができる。
上記凝集剤の種類としては、特に限定されず、例えばポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硫酸バンドなどの無機凝集剤;アクリルアミド共重合体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル4級化物などのカチオン系高分子凝集剤;ポリアクリルアミド部分加水分解物、アニオン性モノマーの共重合体、アニオン性モノマーとノニオン性モノマーとの共重合体などのアニオン係高分子凝集剤;アクリルアミド、メタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニルなどのノニオン系高分子凝集剤等が挙げられる。中でも、入手が容易で良好な汚泥凝集効果を発揮するポリ塩化アルミニウムを使用することが好ましい。なお、かかる凝集剤は、1種単独でまたは2種以上併用して使用することができる。
(炭化工程STP4)
炭化工程STP4は、STP3で得られた脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る工程である。具体的には、炭化処理工程STP4は、脱水装置4から供給される脱水汚泥の一部を、炭化炉5を用いて乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る工程である。
炭化炉5は、脱水装置4から供給される脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得るための装置である。この炭化炉5の種類としては、特に限定されず、例えば、炭化炉5内で脱水汚泥を燃焼ガスにより加熱して炭化するものが使用でき、回分式でも連続式でもよく、内熱キルン型、外熱キルン型または多段スクリュー型等が挙げられる。また、この炭化炉5は、乾燥器、脱臭炉、冷却装置、炭化汚泥の灰化を防止するため炭化汚泥と大気との接触を遮断する手段、得られた炭化汚泥を後述の粉砕装置6に供給するための供給管や供給ファン等を備えることができる。
炭化工程STP4は、炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うとよい。このように、炭化工程STP4において、炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うことで、かかる炭化汚泥から活性化された炭化汚泥(以下、「活性炭」と称することがある。)を得ることができる。
炭化工程STP4において炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行う場合の炭化炉5の構成としては、特に限定されず、例えば、脱水装置4から供給された脱水汚泥を間接的に加熱するよう構成し、脱水汚泥が炭化炉5の内部を移動するにつれて脱水汚泥中の水分を蒸発させて乾燥させるための乾燥ゾーン、この乾燥した汚泥が移動するにつれて熱分解され炭化させるための炭化ゾーン、上記乾燥ゾーンで発生した水蒸気や炭化ゾーンで発生したCO、CH4、H2等の熱分解ガス(還元ガス、乾留ガス)を用いて、炭化された汚泥を炭化温度以上の温度で賦活するための高温の賦活ゾーンを、この順で備える構成が挙げられる。
(粉砕工程STP5)
粉砕工程STP5は、炭化工程STP4で得られた炭化汚泥を粉砕し、平均粒径が微小である炭化粒子を得る工程である。具体的には、粉砕工程STP5は、炭化炉5から供給される炭化汚泥を、粉砕装置6を用いて粉砕し、平均粒径が後述する範囲の如く微小である炭化粒子を得る工程である。
粉砕装置6は、炭化炉5から供給される炭化汚泥を粉砕し、平均粒径が微小である炭化粒子を得るための装置である。この粉砕装置6の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、気流分級機を備えた解砕機等が挙げられる。また、この粉砕装置6は、後述のスラリー化装置7に炭化粒子を供給するための供給管や供給ファン等を備えることができる。
(スラリー化工程STP6)
スラリー化工程STP6は、炭化物を水に懸濁して炭化物スラリーを得る工程である。具体的には、スラリー化工程STP6は、粉砕装置6で得られた炭化粒子を、スラリー化装置7を用いて水に懸濁し、炭化物スラリーを得る工程である。
スラリー化装置7は、粉砕装置6で得られた炭化粒子を水に懸濁し、炭化物スラリーを得るための装置である。このスラリー化装置7の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、粉砕装置6から供給された炭化粒子を水と混合する混練槽、炭化物スラリーを汚泥混合槽2に供給するための供給管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。
(汚泥処理方法)
次に、図1及び図2を参照しつつ、当該汚泥処理方法における一連の工程について、作用効果を中心に説明する。
添加工程STP1は、汚泥P1に対し、上述の平均粒径が微小である炭化粒子を用いた炭化物Q1を添加し、両者を混合することで、この炭化物Q1が汚泥P1の含水率を低下させ、汚泥P1の凝集性を高め、その結果、汚泥P1の脱水性を向上することができると共に、濃縮工程STP2における汚泥P1の沈降速度を向上させ分離効率を向上させることができる。また、この炭化物Q1が、メタンガス等の臭気発生の原因物質に対して高い吸着効果を発揮することで、この原因物質を炭化物Q1と共に吸着除去し、一連の汚泥処理工程、特に、添加工程STP1、濃縮工程STP2、脱水工程STP3における臭気発生を効果的かつ十分に抑制することができる。
上記炭化粒子の平均粒径の上限としては、100μmであり、85μmが好ましく、75μmがより好ましい。また、この炭化粒子の平均粒径の下限としては、0.5μmであり、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。このように。炭化粒子の平均粒径を上記範囲とすることで、炭化粒子の吸着比表面積を飛躍的に増やすことができ、上述の汚泥P1の脱水性の向上、分離効率の向上及び臭気発生の抑制を最も効果的かつ確実に実現できる。また、このように平均粒径が上記範囲である炭化粒子は、脱水工程STP3で得られる脱水汚泥の粘度を低下させ、例えば、供給管や供給ポンプ等による脱水汚泥の搬送性を向上することができる。なお、かかる炭化粒子の平均粒径が上記上限を超えると、上述した脱水性の向上、分離効率の向上及び臭気発生の抑制が達成できなくなると共に、脱水汚泥の搬送性が低下する。また、この炭化粒子の平均粒径が上記下限未満であると、汚泥の脱水性の向上及び臭気発生の抑制を達成することができない。
添加工程STP1において、平均粒径が微小である炭化粒子を用いた炭化物Q1の添加量の上限としては、汚泥P1の固形物量に対して5質量%が好ましく、4.5質量%がより好ましく3質量%が特に好ましい。また、この炭化物Q1の添加量の下限としては、汚泥P1の固形物量に対して0.5質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、1.5質量%が特に好ましい。このように、添加工程STP1において、平均粒径が微小である炭化粒子を用いた炭化物Q1の添加量を上記範囲とすることで、当該汚泥処理方法は、汚泥P1の脱水性の向上、分離効率の向上及び臭気発生の抑制を最も効果的かつバランス良く発揮することができると共に、かかる作用効果を比較的少ない炭化物の添加量によって実現できることから、汚泥処理における作業容易性及び低コスト性を向上することができる。なお、かかる炭化物Q1の添加量が上記上限を超えると、汚泥処理における作業容易性及び低コスト性を実現できない可能性がある。また、この炭化物Q1の添加量が上記下限未満であると、汚泥P1の脱水性の向上及び臭気発生の抑制をバランス良く発揮できない可能性がある。
上記添加工程STP1で得られた混合汚泥は、濃縮工程STP2で濃縮されて濃縮汚泥となり、脱水工程3で脱水され脱水汚泥となる。この脱水汚泥の少なくとも一部が炭化工程STP4で炭化され、炭化汚泥となる。この脱水汚泥は、平均粒径が上記範囲である炭化粒子を用いた炭化物Q1を添加して得られることから、含水率が低く、その結果、炭化工程STP4における脱水汚泥の乾燥及び炭化処理が容易となり、炭化汚泥を効果的に得ることができる。また、このように炭化工程STP4は、本来は廃棄される脱水汚泥の少なくとも一部から炭化汚泥を得る工程であることから、廃棄物のリサイクルを容易に実現することができ、環境問題に十分対応することができる。
上記炭化工程STP4は、炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行い、活性炭を得ることができる。この活性炭は、炭素内部に網目状に構成されている微細孔を有する。つまり、かかる活性炭を粉砕して平均粒径が上記範囲である炭化粒子を得て、この活性炭由来の炭化粒子を用いた炭化物Q1を汚泥P1に添加することで、当該汚泥処理方法は、濃縮工程STP2における汚泥P1の沈降分離を促進し、汚泥P1の濃縮効率をさらに向上することができると共に、汚泥濃縮槽3において、汚泥P1の微生物等による生物学的分解処理を促進することができる。さらに、かかる活性炭由来の炭化粒子を用いた炭化物Q1は、特に、添加工程STP1、濃縮工程STP2、脱水工程STP3における臭気発生をより一層効果的に抑制することができる。なお、炭化工程STP4における活性炭の製造手段において、上述の乾燥ゾーン、炭化ゾーン及び賦活ゾーンを備えることで、濃縮工程STP2における汚泥P1の濃縮効率の向上、濃縮汚泥の生物学的分解処理の促進及び汚泥処理工程における臭気発生の抑制を、効果的かつ確実に実現することができる。
上記粉砕工程STP5で得られた炭化粒子の少なくとも一部は、スラリー化工程STP6においてスラリー化され、炭化物スラリーとなる。このように、平均粒径が上記範囲である炭化粒子を用いた炭化物Q1を水に懸濁してスラリー化し炭化物スラリーとすることで、粉塵爆発等を防止して作業時の安全性を確保することができる。
上記スラリー化工程STP6で得られた炭化物スラリーは、再び添加工程STP1において汚泥P1に添加される。このように、平均粒径が上記範囲である炭化粒子を用いた炭化物Q1を水に懸濁しスラリー化して得られる炭化物スラリーは、炭化物の液相での分散性が高く、かかる炭化物スラリーを添加工程STP1において汚泥P1に添加すると、汚泥P1の凝集性が向上し、その結果、汚泥P1の脱水性を向上させることができる。また、かかる炭化物スラリーを添加工程STP1において汚泥P1に添加することで、混合汚泥の粘度が低下し、それに伴い濃縮汚泥や脱水汚泥の粘度も低下することから、供給管や供給ポンプ等による汚泥P1の搬送性を向上することができる。なお、この炭化物スラリーにおける炭化物Q1含有量としては、供給管や供給ポンプ等による送液が可能な濃度であるとよく、例えば、5質量以上50質量%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の汚泥処理方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の汚泥処理方法は、スラリー化工程を有さない構成とすることができる。このようなスラリー化工程を有さない構成において、例えば炭化工程で得られた活性炭を脱気し、この脱気した活性炭由来の炭化物を添加工程で汚泥に添加することができる。このように、脱気した活性炭由来の炭化物を汚泥に添加することで、本発明の汚泥処理方法は、濃縮汚泥層におけるスカムの発生を抑制することができる。なお、かかる活性炭を脱気するための脱気装置としては、特に限定されず、例えば、真空脱気装置、水に数日間浸漬させるための貯留タンク等が挙げられる。
また、例えば、本発明の汚泥処理方法において、高濃度の塩類を含む汚泥を処理する場合、炭化物を洗浄する洗浄装置を設けることができる。この洗浄装置としては、炭化物と洗浄水とを接触させ、洗浄水に水溶性物質を溶出させるように構成された装置が挙げられる。この炭化物と洗浄水との接触方式としては、混合、噴霧等が挙げられ、具体的には、炭化物と洗浄水とを混合する混合槽及びこの混合液を固液分離する固液分離装置を備えた洗浄装置等が挙げられる。この洗浄水としては、水、温水、蒸気などが使用でき、洗浄水には酸やアルカリを添加することもできる。
また、本発明の汚泥処理方法において、各工程の順番を一部入れ替えることもできる。例えば、炭化工程の後にスラリー化工程を設け、このスラリー化工程の後に粉砕工程を設ける構成とすることができる。また、例えば、スラリー化工程と添加工程とを一体化した構成も可能である。
また、本発明の汚泥処理方法において、炭化工程と粉砕工程とを設けず、例えば、平均粒径が上記範囲である炭化粒子をスラリー化した炭化物スラリーを他の下水処理場から供給し、汚泥に添加する構成も可能である。
また、例えば、本発明の汚泥処理方法において、各工程における汚泥等の供給管に流量調整弁を設けること等ができる。
≪第一実施例≫
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
以下、第一実施例に基づき本発明を詳述するが、この第一実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
<炭化粒子の製造>
下水処理汚泥を濃縮、脱水し、得られた脱水汚泥を、炭化炉を用いて炭化し、平均粒径が約3000μmの炭化粒子を得た。かかる炭化粒子を平均粒径が75μm以下となるよう粉砕した。
<炭化粒子による濾過速度の測定>
上記の如く平均粒径が75μm以下である炭化粒子を下水処理汚泥に添加し、この炭化粒子と汚泥との混合物を、濾布を用いた濾過装置により濾過し、濾加速度を測定した。その結果、濾過速度は、20ml/5minであった。
<炭化粒子による臭気抑制効果の測定>
上記の如く平均粒径が75μm以下である炭化粒子を下水処理汚泥に添加し、この炭化粒子と汚泥との混合物について、混合後1時間後の臭気の値を臭気測定装置(OMX−SR、 Handheld Odor Meter、神栄テクノロジー株式会社製)を用いて測定した。その結果、臭気の値は、60であった。
[比較例]
<炭化粒子の製造>
実施例と同様の手段により得られた炭化粒子を、平均粒径が300μm〜700μmとなるよう粉砕した。
<炭化粒子による濾過速度の測定>
上記の如く平均粒径が300μm〜700μmである炭化粒子を下水処理汚泥に添加し、実施例と同様の手段により濾過速度を測定した。その結果、濾過速度は、15ml/5minであった。
<炭化粒子による臭気抑制効果の測定>
上記の如く平均粒径300μm〜700μmである炭化粒子を下水処理汚泥に添加し、この炭化粒子と汚泥との混合物について、混合後1時間後の臭気の値を実施例と同様の手段により測定した。その結果、臭気の値は、120であった。
[参考例]
<炭化粒子の製造>
実施例と同様の手段により、平均粒径が約3000μmの炭化粒子を得た。
<炭化粒子による濾過速度の測定>
上記の如く平均粒径が約3000μmである炭化粒子を下水処理汚泥に添加し、実施例と同様の手段により濾過速度を測定した。その結果、濾過速度は、13ml/5minであった。
<炭化粒子による臭気抑制効果の測定>
上記の如く平均粒径が約3000μmである炭化粒子を下水処理汚泥に添加し、この炭化粒子と汚泥との混合物について、混合後1時間後の臭気の値を実施例と同様の手段により測定した。その結果、臭気の値は370であった。
上記実施例、比較例及び参考例に記載の結果が示す通り、実施例は、比較例や参考例と比較して、高い脱水性、汚泥の分離効率、臭気発生の抑制効果を示すことが示唆された。
以上のように、本発明の汚泥処理方法は、下水処理汚泥、し尿処理汚泥、浄化槽汚泥、家畜糞尿、海洋生物廃棄物、工場排水処理施設汚泥、都市ごみ等の処理に使用され得る。
(2)第二の実施の形態
図3の有機性廃棄物の処理方法は、堆肥工程STP11、炭化工程STP12、ガス混合工程STP13及び回収工程STP14を有する。詳細には、当該有機性廃棄物の処理方法は、好気性微生物を用いて有機性廃棄物P2を発酵分解する際に発生するアンモニアガスと、有機性廃棄物P2を発酵分解して得られる堆肥を乾燥及び炭化する際に発生する二酸化硫黄ガスとを混合させると共に、かかるガスの混合の際におけるアンモニアガス、二酸化硫黄ガスまたはこれらの反応物と、上記堆肥を乾燥及び炭化して得られる炭化物Q2とをさらに接触させて吸着炭化物R2を得て、この吸着炭化物R2や反応物等を回収し再度炭化等するという一連の工程を有するものである。
当該有機性廃棄物の処理方法を実現するためのシステム構成例としては、図4に示すように、堆肥装置11、炭化炉12、熱交換装置13、粉砕装置14、炭化物供給装置15、フィルタ16、濃度調整装置17を主として備える。
まず、図3及び図4を参照しつつ、当該有機性廃棄物の処理方法にかかるSTP11〜STP14の各工程について、上記システム構成例を用いて具体的に説明する。
(堆肥工程STP11)
堆肥工程STP11は、好気性微生物を用いて有機性廃棄物P2を発酵分解し、堆肥を得る工程である。具体的には、堆肥工程STP11は、堆肥装置11を用いて、好気性微生物の発酵作用により有機性廃棄物P2を発酵分解し、発酵分解物である堆肥を得る工程である。なお、かかる堆肥工程STP11において、アンモニアガスが発生する。
堆肥装置11は、好気性微生物を用いて有機性廃棄物P2を発酵分解し、堆肥を得るためのものであり、有機性廃棄物P2を投入するための投入口、堆肥を搬出するための搬出口、発生したアンモニアガスを排出するガス排出経路を有する。かかる堆肥装置11の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、高速コンポスト方式を採用することができ、好気性微生物を用いた発酵槽内に30℃〜60℃の温風を圧縮機や送風機により強制的に空気取り入れ口から取り込んで通気する通気機構を備え、また、この発酵槽内には、投入された有機性廃棄物P2を間欠的または連続的に攪拌する攪拌機構として、レーキ、パドル、スクープ、移動床などを配備するという構成等が挙げられる。なお、堆肥装置11は、有機性廃棄物P2を投入するための投入管やベルトコンベア、堆肥などを搬送するための搬送管やベルトコンベア、発酵分解により発生するアンモニアガスを外部に排出するための排出管や排出ファン等をさらに備えることができる。
有機性廃棄物P2の種類としては、特に限定されず、例えば、家庭用塵芥などの生ごみ、食品加工廃棄物などの食品廃棄物、下水汚泥、し尿処理汚泥、畜産廃棄物、農業廃棄物、水産廃棄物等が挙げられる。
(炭化工程STP12)
炭化工程STP12は、堆肥工程STP11で得られた堆肥の少なくとも一部を乾燥及び炭化し、炭化物Q2を得る工程である。具体的には、炭化工程STP12は、堆肥装置11から搬送される堆肥の少なくとも一部を、炭化炉12を用いて乾燥及び炭化して炭化物Q2を得る工程である。なお、かかる炭化工程STP12において、二酸化硫黄ガスが発生する。
炭化炉12は、堆肥装置11から搬送される堆肥の少なくとも一部を乾燥及び炭化し、炭化物Q2を得るための装置であり、堆肥を投入するための投入口、炭化物Q2を搬出するための搬出口、発生した二酸化硫黄ガスを排出するガス排出経路を有するものである。かかる炭化炉12の種類としては、特に限定されず、例えば、炭化炉12内で堆肥を燃焼ガスにより加熱して炭化するものが使用でき、回分式でも連続式でもよく、内熱キルン型、外熱キルン型、多段スクリュー型等が挙げられる。また、この炭化炉12は、乾燥器、脱臭炉、冷却装置、炭化物Q2の灰化を防止するため炭化物Q2と大気との接触を遮断する手段、得られた炭化物Q2を後述の粉砕装置14に搬送するための搬送管や搬送ファン、炭化工程STP12で発生する二酸化硫黄ガスなどのガスを外部に排出するための排出管や排出ファン等を備えることができる。
炭化工程STP12において、上述の排出された二酸化硫黄ガスと空気とを熱交換することができる。具体的には炭化工程STP12において、熱交換装置13を用い、排出された高温の二酸化硫黄ガスの温度を、空気と熱交換して下げることができる。かかる熱交換装置13の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、炭化炉12から排出された二酸化硫黄ガスを熱交換装置13内部に導入するための導入管、空気を熱交換装置13内部に導入するための導入管や送風機等を備えるものが挙げられる。なお、この熱交換装置13により加熱された空気は、堆肥工程STP11における堆肥装置11の通気用空気と混合することができる。
炭化工程STP12において、後述する吸着炭化物R2を熱分解することができる。このように、炭化工程STP12において吸着炭化物R2を熱分解することで、吸着炭化物R2を、炭化物、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに熱分解し、さらに、このアンモニアガスを窒素に熱分解することができる。また、炭化工程STP12において、後述のアンモニアガスと二酸化硫黄ガスとの反応物を、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに熱分解し、さらにこのアンモニアガスを窒素に熱分解することもできる。なお、かかる吸着炭化物R2や上記反応物の熱分解は、上述の炭化炉12の熱を利用して行うことができる。
炭化工程STP12においては、炭化物に対する賦活処理をさらに行うことができる。このように、炭化工程STP12において炭化物Q2に対する賦活処理をさらに行うことで、かかる炭化物Q2から活性炭を得ることができる。また、この活性炭を、粉砕装置14を用いて微粉粒子状に粉砕し、微粉粒子状活性炭を得ることができる。
炭化工程STP12において、炭化物Q2に対する賦活処理をさらに行う場合の炭化炉12の構成としては、特に限定されず、例えば、堆肥装置11から搬送された堆肥を間接的に加熱するよう構成し、堆肥が炭化炉12の内部を移動するにつれて堆肥中の水分を蒸発させて乾燥させるための感動ゾーン、この乾燥して堆肥が移動するにつれて熱分解され炭化させるための炭化ゾーン、上記乾燥ゾーンで発生した水蒸気や炭化ゾーンで発生したCO、CH4、H2等の熱分解ガス(還元ガス、乾留ガス)を用いて、炭化された炭化物Q2を炭化温度以上の温度で賦活するための高温の賦活ゾーンを、この順で備える構成が挙げられる。
炭化工程STP12で得られた炭化物Q2は、微粉粒子状の炭化物とすることができる。かかる微粉粒子状炭化物は、平均粒径が微小であり、具体的には、粉砕装置14を用いて炭化物Q2を粉砕して得られるものである。この粉砕装置14の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、気流分級機を備えた解砕機等が挙げられる。また、この粉砕装置14は、後述の炭化物供給装置15に微粉粒子状炭化物を供給するための供給管や供給ファン等を備えることができる。
(ガス混合工程STP13)
ガス混合工程STP13は、堆肥工程STP11で発生するアンモニアガスと、炭化工程STP12で発生する二酸化硫黄ガスとを混合する工程である。具体的には、ガス混合工程STP13は、堆肥装置11から発生するアンモニアガスと、炭化炉12から発生する二酸化硫黄ガスとを、酸素や水蒸気等の存在下で、例えば各ガス排出経路の合流点近傍等において混合し、気相反応させる工程である。なお、このガス混合工程STP13においては、未反応のアンモニアガスや二酸化硫黄ガス、上述の気相反応による反応物である硫酸アンモニウム等が存在する。
(回収工程STP14)
回収工程STP14は、ガス混合工程STP13における混合後のアンモニアガス、二酸化硫黄ガスまたはこれらの反応物と、上記炭化工程STP12で得られる炭化物Q2を粉砕した微粉粒子状炭化物とを接触させて、得られた吸着炭化物R2や上記反応物を回収する工程である。具体的には、回収工程STP14は、ガス混合工程STP13における混合後のアンモニアガス、二酸化硫黄ガスまたはこれらの反応物に対し、炭化物供給装置15を用いて微粉粒子状炭化物を供給し、得られた吸着炭化物R2や上記反応物を、フィルタ16を用い、これらのガスと分離して回収する工程である。なお、回収工程STP14においても、ガス混合工程STP13と同様に、未反応のアンモニアガスや二酸化硫黄ガス、上述の気相反応による反応物である硫酸アンモニウム等が存在する。
炭化物供給装置15は、粉砕装置14から搬出される微粉粒子状炭化物を、フィルタ16内部に噴霧等して供給するための装置である。この炭化物供給装置15の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、微粉粒子状炭化物をフィルタ16内部に供給するための供給管や供給ファン等を備えることができる。
フィルタ16は、ガス混合工程STP13を経て得られるアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの反応物や、回収工程STP14で得られる吸着炭化物R2や反応物を回収するための装置である。このフィルタ16の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、バグフィルター方式の装置等が挙げられる。また、このフィルタ16は、上述の反応物や吸着炭化物R2をフィルタ16内に吸引するための吸引管や吸引ファン、回収した上記反応物や吸着炭化物R2を外部に搬送するための搬送管や搬送ファン、後述の濃度調整装置17等をさらに備えることができる。
回収工程STP14における二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を計測し、この二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度に応じて微粉粒子状炭化物の供給量を調整することができる。具体的には、回収工程STP14における二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を、濃度調整装置17を用いて検出及び測定し、この二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度に応じて炭化物供給装置15からの微粉粒子状炭化物の供給量を調整することができる。
濃度調整装置7は、フィルタ16内部における二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を測定し、この二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度に応じて炭化物供給装置15からの微粉粒子状炭化物の供給量を調整するための装置である。この濃度調整装置17の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、フィルタ16内部における二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を検知し測定するための濃度センサ、検知し測定した二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度データを炭化物供給装置15にフィードバックするためのフィードバック機構等を備えるものが挙げられる。
(有機性廃棄物の処理方法)
次に、図3及び図4を参照しつつ、当該有機性廃棄物の処理方法における一連の工程について、作用効果を中心に詳説する。
堆肥工程STP11における好気性微生物を用いた有機性廃棄物P2の発酵分解過程において、臭気の原因となるアンモニアガスが発生する。また、堆肥工程STP11で得られた堆肥を炭化工程STP12で炭化する際に、二酸化硫黄ガスが発生する。これらのアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスを、ガス混合工程STP13において混合させ、水蒸気や酸素等の存在下で直接的に気相反応させることで、好ましくは反応物である硫酸アンモニウムを生成させ、これらのガスを簡単に中和させることができる。即ち、当該有機性廃棄物の処理方法は、極めて単純かつ容易な手段により、アンモニアガスを処理して脱臭することができる。また、当該有機性廃棄物の処理方法は、特段の装置を要することなく二酸化硫黄ガスを処理して脱硫することができることから、脱硫装置等が不要となり、省エネルギー化を達成することができる。なお、ガス混合工程STP13で生成する上述の反応物である硫酸アンモニウムは、別途肥料等に再利用することができる。
さらに、回収工程STP14において、ガス混合工程STP13を経て得られる未反応のアンモニアガス、未反応の二酸化硫黄ガスまたはこれらの混合ガスに対し、炭化物Q2を微粉粒子状にした微粉粒子炭化物を噴霧等して供給することで、かかる微粉粒子状炭化物は比表面積が大きいことから、粒子表面にアンモニアガスや二酸化硫黄ガスが吸着しやすくなり、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスが互いに接触する機会が高くなる。つまり、当該有機性廃棄物の処理方法は、回収工程STP14におけるアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの中和反応を促進させ、脱臭効果及び脱硫効果を一層向上することができる。また、このように比表面積の大きい微粉粒子状炭化物は、未反応のアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに加え、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの中和反応により得られる反応物も良好に吸着することから、脱臭効果及び脱硫効果のみならず、かかる反応物の回収をより確実なものとすることができる。
上記微粉粒子状炭化物の平均粒径としては、0.5μm以上3000μm以下が好ましく、0.5μm以上700μm以下がより好ましく、0.5μm以上100μm以下が特に好ましい。このように、微粉粒子状炭化物の平均粒径を上記範囲とすることで、微粉粒子状炭化物の吸着比表面積を十分に増やすことができ、上述の回収工程STP14における中和反応の促進、脱臭効果、脱硫効果及び反応物の回収を最も効果的かつ確実に実現できる。なお、この微粉粒子状炭化物の平均粒径が3000μmを超えると、上述した中和反応の促進が十分に達成できない可能性がある。また、かかる微粉粒子状炭化物の平均粒径が0.5μm未満であると、上述の吸着炭化物R2の回収が十分に達成できない可能性がある。ここで、「平均粒径」とは、粒子群に対し、篩分法により得た各粒度の篩い下の全粒子質量から得られる積分分布より、積算量50重量%となる粒径値を意味する。
また、炭化工程STP12において、炭化炉12から排出される二酸化硫黄ガスの温度は約500℃以上と高温であり、上記微粉粒子状炭化物のガス吸着能力が低下する可能性がある。そこで、炭化工程STP12において、熱交換装置3を用いて二酸化硫黄ガスと空気とを熱交換することで、かかる高温の二酸化硫黄ガスを冷却し、上記微粉粒子状炭化物によるガス吸着効果を向上させることができる。
なお、このような炭化工程STP12における熱交換装置13により加熱された空気を、堆肥工程STP11における堆肥装置11の通気用空気と混合することができる。具体的には、堆肥工程STP11における有機性廃棄物P2を、短工程STP12で発生する加熱空気を利用して乾燥し、低含水率の堆肥を得ることができ、その結果、炭化工程STP12前に別途乾燥機を用いて堆肥を乾燥する必要がなくなり、炭化物Q2の製造を効率的かつ容易に行うことができる。また、堆肥工程STP11における有機性廃棄物P2の発酵温度を、上述の炭化工程STP12で発生する加熱空気を利用し、例えば55℃〜66℃の範囲に保たせることで、発酵速度が維持されると共に、有害微生物が殺菌され、その結果、臭気の発生を抑制しつつ発酵分解の効率性を向上させることができる。即ち、炭化工程STP12で発生する加熱空気を効果的かつ効率的に利用することから、当該有機性廃棄物の処理方法は、省エネルギー化を十分に達成することができる。
また、濃度調整装置17を用い、回収工程STP14における二酸化硫黄ガスの及び/またはアンモニアガスの濃度を計測し、この二酸化硫黄ガスの及び/またはアンモニアガスの濃度に応じて上記微粉粒子状炭化物の供給量を調整する事により、当該有機性廃棄物の処理方法は、回収工程STP14における上述の中和反応の促進、脱臭効果、脱硫効果及び反応物の回収を確実に実現するために最適な微粉粒子状炭化物の供給量を、二酸化硫黄ガス及び/またはアンモニアガスの濃度を検知及び測定するという単純な構成により調整することができる。なお、かかる微粉粒子状炭化物の供給量が多すぎると、フィルタ16における上記反応物や吸着炭化物R2の回収の効率性が低下する可能性がある。また、かかる微粉粒子状炭化物の供給量が少なすぎると、回収工程STP14における上述の中和反応の促進、脱臭効果、脱硫効果及び反応物の回収が十分に実現できない可能性がある。
回収工程STP14において微粉粒子状炭化物を供給して得られる吸着炭化物は、炭化工程STP12において、炭化物、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに熱分解される。また、ガス混合工程STP13や回収工程STP14で得られる上述の反応物は、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに熱分解される。さらに、かかるアンモニアガスは、炭化工程STP12において、窒素に熱分解される。その結果、当該有機性廃棄物の処理方法は、アンモニアガスを窒素に分解して脱臭を達成することができる。また、ガス混合工程STP13や回収工程STP14においては、アンモニアガスが二酸化硫黄ガスよりも大量に存在しており、アンモニアガスと比較して二酸化硫黄ガスの中和反応量が少ないところ、上述した吸着炭化物R2や反応物の熱分解により二酸化硫黄ガスを新たに発生させ、この新たに発生した二酸化硫黄ガスをガス混合工程STP13や回収工程STP14でアンモニアガスと再び反応させることで、反応の際の化学当量のバランスを容易に調整することができる。さらに、このような反応物や吸着炭化物R2の熱分解は、炭化工程STP12における炭化処理の熱を利用して得られることから、省エネルギー化を達成することができる。なお、かかる反応物や吸着炭化物R2は、別途肥料等に再利用することもできる。
また、炭化工程STP12において、炭化物Q2に対する賦活処理をさらに行い、活性炭を得ることができ、この活性炭を粉砕装置14で粉砕して微粉粒子状活性炭を得ることができる。この微粉粒子状活性炭は、上述の微粉粒子状炭化物と同様に比表面積が大きいのみならず、炭素内部に網目状に構成されている微細孔を有するものである。つまり、このような比表面積の大きい微粉粒子状活性炭の微細孔に上述のアンモニアガスや二酸化硫黄ガスが吸着しやすくなり、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスが互いに接触する機会をより一層高くすることができ、その結果、当該有機性廃棄物の処理方法は、上述した回収工程STP14におけるアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの中和反応を最大限に促進させると共に、脱臭効果及び脱硫効果を最も効果的に向上することができる。また、この微細孔に、未反応のアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに加え、上述の中和反応により得られる反応物も良好に吸着できることから、脱臭効果及び脱硫効果のみならず、かかる反応物の回収を最も確実なものとすることができる。
なお、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、上述のアンモニアガス等に対し、微粉粒子状ではない炭化物を接触させることができる。このように、微粉粒子状ではない炭化物を用いることで、炭化物を粉砕装置で微粉粒子状に粉砕する必要がなくなり、システム構成の単純化を図ることができると共に、特段の装置が不要となることから省エネルギー化をも図ることができる。
また、例えば、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、上述したアンモニアガス、二酸化硫黄ガスまたはこれらの反応物に対して微粉粒子状炭化物を噴霧等して供給させる際に、堆肥工程のガス排出経路におけるアンモニアガスのみに供給することや、炭化工程のガス排出経路における二酸化硫黄ガスのみに供給することができる。さらには、これらの排出経路にそれぞれ微粉粒子状炭化物を供給した後、ガス合流点において、これらのガス及び微粉粒子状炭化物の混合体同士を接触させることもできる。これら何れの場合においても、本発明の有機性廃棄物の処理方法の作用効果を十分に達成することができる。
また、例えば、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、炭化工程で得られた炭化物及び/または回収工程において微粉粒子状炭化物を供給して得られる吸着炭化物を、堆肥工程における有機性廃棄物に配合することができる。このように、上記炭化物及び/または吸着炭化物を堆肥工程における有機性廃棄物に配合することで、かかる炭化物及び/または吸着炭化物が優れた脱臭効果を発揮し、有機性廃棄物の発酵分解の際に発生する臭気をより一層効果的に抑制することができる。また、かかる炭化物及び/または吸着炭化物は、好気性微生物による有機性廃棄物の生物分解を促進させることから、有機性廃棄物の処理効率や処理速度を向上させることができる。なお、この炭化物や吸着炭化物は、それぞれ炭化工程や回収工程を経て得られるものであるから、リサイクルを達成することができる。なお、堆肥工程において配合された有機性廃棄物中の吸着炭化物は、炭化工程における炭化処理の際に、炭化物、アンモニアガス及び二酸化硫黄ガスに熱分解され、さらに、かかるアンモニアガスは、窒素に熱分解されることから、当該有機性廃棄物の処理方法は、この要に有機性廃棄物中の吸着炭化物を熱分解することによっても、上述の脱臭効果や化学当量のバランス等を達成することができる。
また、例えば、本発明の有機性廃棄物の処理方法において、上記微粉粒子状活性炭を堆肥工程における有機性廃棄物に配合することもできる。かかる微粉粒子状活性炭を堆肥工程における有機性廃棄物に配合すると、この微粉粒子状活性炭の微細孔に微生物が入り込んで定着しやすくなると共に微生物の活動を活発化させることから、微生物による有機性廃棄物の発酵分解をより一層促進させ、有機性廃棄物の処理効率や処理速度を最大限に向上させることができる。なお、この微粉粒子状活性炭を堆肥工程における有機性廃棄物に配合すると、堆肥工程で発生する臭気を最大限に抑制することができる。
≪第二実施例≫
以下、第二実施例に基づき本発明を詳述するが、この第二実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
<微粉粒子状炭化物の製造>
鶏糞をコンポストで発酵させ分解することで堆肥を得た。かかる堆肥を、炭化炉を用いて乾燥及び炭化し、その後、粉砕して微粉粒子状炭化物を得た。
<アンモニアガスの製造>
鶏糞をドラム缶内で発酵させアンモニアガスを発生させ、かかるアンモニアガスを回収した。
<二酸化硫黄ガスの製造>
上述の炭化炉を用いた堆肥の炭化処理において発生した二酸化硫黄ガスを回収した。
<臭気抑制効果の測定>
まず、上記アンモニアガスの臭気の値と、二酸化硫黄ガスの臭気の値とをそれぞれ測定した。次に、上記アンモニアガスと二酸化硫黄ガスとを、それぞれ19m3/分のガス量で混合させ、かかる混合ガスの臭気の値を測定した。同時に、かかるアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスの混合ガスに対し、上記微粉粒子状炭化物を噴霧し、噴霧直後のガスの臭気の値を測定した。なお、かかる臭気の値は、臭気測定装置(神栄テクノロジー株式会社製、商品名「OMX-SR、Handheld Odor Meter」)を用いて測定した。これらの臭気の値の測定結果を表1に示した。
[比較例]
上記実施例の場合と同様の手段によりアンモニアガス及び二酸化硫黄ガスを回収し、かかるアンモニアガスの臭気の値と二酸化硫黄ガスの臭気の値とを、それぞれ実施例と同様の臭気測定器を用いて測定した。この比較例における臭気の値の測定結果を表1に示した。
Figure 0005997755
上記実施例及び比較例に記載の結果が示す通り、実施例は、比較例と比較して、高い脱臭効果を示すことが分かる。
(3)第三の実施の形態
図5の排水処理方法は、添加工程STP21、水処理工程STP22、脱水工程STP23、炭化工程STP24、粉砕工程STP25、減圧工程STP26及び重力沈降工程STP27をこの順で有する。具体的には、当該排水処理方法は、汚水P3及び濃縮炭化物スラリーQ3を混合し、水処理、脱水することで脱水汚泥を得た後、この脱水汚泥の少なくとも一部を炭化処理し、粉砕後に減圧処理してスラリー化して重力沈降工程で得られた濃縮炭化物スラリーQ3を、汚水P3と混合するという一連の工程を有するものである。
当該汚水処理方法を実現するためのシステム構成例としては、図6に示すように、汚水貯留槽1、汚水混合槽22、水処理反応槽23、脱水装置24、炭化炉25、粉砕装置26、炭化物減圧装置27、重力沈殿濃縮槽28を主として備える。
まず、図5及び図6を参照しつつ、当該汚水処理方法に係るSTP21〜STP27の各工程について、上記システム構成例を用いて具体的に説明する。
(添加工程STP21)
添加工程STP21は、汚水P3に濃縮炭化物スラリーQ3を添加し、炭化物の混合汚水を得る工程である。具体的には、添加工程STP21は、汚水貯留槽1に貯留される汚水P3と、後述の重力沈殿濃縮装置28の下部から回収された濃縮炭化物スラリーQ3とを、汚水混合槽22で混合し、混合汚水を得る工程である。
汚水貯留槽1は、汚水P3を貯留し、この貯留した汚水P3を汚水混合槽2に供給するためのものである。この汚水貯留槽21の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、貯留した汚水P3を後述の汚水混合槽22に供給するための供給管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。
汚水P3の種類としては、特に限定されず、例えば、下水原水、下水汚泥、し尿、浄化槽汚泥、家畜糞尿、工場排水、農業集落排水等が挙げられる。
汚水混合槽22は、汚水貯留槽21から供給される汚水P3と濃縮炭化物スラリーQ3とを混合し、混合汚水を得るためのものである。この混合汚水槽22の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、さらに、汚水P3と濃縮炭化物スラリーQ3とを攪拌するための攪拌装置、後述の水処理反応槽23に汚水P3と濃縮炭化物スラリーQ3との混合物を供給するための汚水管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。また、攪拌効果が高い水処理反応槽の場合には汚水混合槽22を経由しないで濃縮炭化物スラリーQ3を水処理反応槽23へ直接供給することができる。
(水処理工程STP22)
水処理工程STP22は、添加工程STP21で得られた混合汚水を生物反応あるいは凝集沈殿反応により汚水を処理する工程である。具体的には、水処理工程STP22は、汚水混合槽22から供給される汚水P3と濃縮炭化物スラリーQ3とを混合した混合汚水を、水処理反応槽23内で浄化した結果発生した汚泥を沈降分離させ、浄化した処理水と水処理汚泥を分離する処理を含む工程である。
水処理反応槽23では、汚水混合槽22経由で供給される高濃度濃縮炭化物スラリーQ3の凝集機能により汚水P3中の固形物を沈降分離させて汚水を浄化できる。また、水処理反応槽23では生物による浄化機能を利用する場合にも高濃度濃縮炭化物スラリーQ3による生物反応の促進効果が期待できる。水処理反応槽23には、浄化下水処理と水処理の結果発生した汚泥とを分離する機能があり、水処理汚泥を脱水工程STP23へ排出することができる。
(脱水工程STP23)
脱水工程STP23は、水処理工程STP22で得られた水処理汚泥を脱水し、脱水汚泥を得る工程である。具体的には、脱水工程STP23は、水処理反応槽23から供給される水処理汚泥を、脱水装置24を用いて脱水し、脱水汚泥を得る工程である。
脱水装置4は、水処理反応槽23から供給される水処理汚泥を脱水するための装置である。かかる脱水装置24の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、フィルタープレス脱水装置、遠心脱水装置、ベルトプレス、スクリュープレス等が挙げられる。また、この脱水装置24は、例えば、汚泥を攪拌するスクリューコンベア、凝集剤を投与するための凝集剤供給管、脱水後の分離液を排出するための排出管、脱水後の脱水汚泥を後述の炭化炉25に供給するための供給管や供給ポンプ等を備えることができる。
上記凝集剤の種類としては、特に限定されず、例えばポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸バンドなどの無機凝集剤;アクリルアミド共重合体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化合物などのカチオン系高分子凝集剤;ポリアクリルアミド部分加水分解物、アニオン性モノマーの共重合体、アニオン性モノマーとノニオン性モノマーとの共重合体などのアニオン系高分子凝集剤;アクリルアミド、メタクリルアミド、メタアクリロニトリル、酢酸ビニルなどのノニオン系高分子凝集剤等が挙げられる。中でも入手が容易で良好な汚泥凝集効果を発揮するポリ塩化アルミニウムを使用することが望ましい。なお、かかる凝集剤は、1種単独でまたは2種以上併用して使用することができる。
(炭化工程STP24)
炭化工程STP24は、脱水工程STP23で得られた脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る工程である。具体的には、炭化工程STP24は、脱水装置24から供給される脱水汚泥の一部を、炭化炉25を用いて乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る工程である。
炭化炉25は、脱水装置24から供給される脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得るための装置である。この炭化炉25の種類としては、特に限定されず、例えば、炭化炉25内で脱水汚泥を燃焼ガスにより加熱して炭化するものが使用でき、回分式でも連続式でもよく、内熱キルン型、外熱キルン型または多段スクリュー型等が挙げられる。また、この炭化炉25は、乾燥機、脱臭機、冷却装置、炭化汚泥の灰化を防止するため炭化汚泥と大気との接触を遮断する手段、得られた炭化汚泥を後述の粉砕装置26に供給するための供給管や供給ファン等を備えることができる。
(粉砕工程STP25)
粉砕工程STP25は、炭化工程STP24で得られた炭化汚泥を粉砕し、平均粒径が微小である炭化粒子を得る工程である。具体的には、粉砕工程STP25は、炭化炉25から供給される脱水汚泥を、粉砕装置26を用いて粉砕し、平均粒径が後述する範囲の如く微小である炭化粒子を得る工程である。
粉砕装置26は、炭化炉25から供給される炭化汚泥を粉砕し、平均粒径が微小である炭化粒子を得るための装置である。この粉砕装置26の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、気流分級機を備えた解砕機等が挙げられる。また、この粉砕装置26は、後述の炭化物減圧装置27に炭化粒子を供給するための供給管や供給ファン等を備えることができる。
(減圧工程STP26)
減圧工程STP26は、粉砕炭化物の容器内を真空装置で容器内の空気を排気して炭化物を減圧処理して、炭化物細孔内の空気を希薄化する工程である。具体的には、減圧工程STP26は、粉砕装置26で得られた炭化粒子を、炭化物減圧装置7を用いて減圧処理する工程である。
炭化物減圧装置27は、粉砕装置26で得られた炭化粒子を容器に一旦貯留して、容器内の空気を吸引同伴して容器内炭化粒子を減圧下で誘引して重力沈殿濃縮槽28へ供給する機能を有している。炭化物減圧装置27は炭化粒子を減圧下で水と混合し、炭化物細孔内の空気を水で置換するための装置である。この炭化物減圧装置27の種類としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、炭化物を水と混合する前に減圧処理し、減圧下で炭化物と水を混合する必要がある。この機能を有する炭化物減圧装置としては、水エジェクターが最も安価な装置としてあげられる。この水エジェクター減圧装置としては、水の供給管や供給ポンプ等を備えるもの等が挙げられる。
(重力沈降工程STP27)
重力沈降工程STP27は、減圧下で炭化物と水を混合して得られた炭化物スラリーを重力沈降により30〜50%の固形物濃度にまで濃縮して、濃縮炭化物スラリーQ3を製造し、これを添加工程STP21へ供給する工程である。
重力沈降工程STP27では、濃縮された濃縮炭化物スラリーQ3を重力沈殿濃縮槽28の下部より排出し、これを汚水混合槽22に供給する。重力沈殿濃縮槽28の下部より排出される濃縮炭化物スラリーQ3は、固形物濃度が30〜50%と高く、貯留や搬送時に水と炭化物が分離することがない。重力沈殿濃縮槽28の上部よりオーバーフローする上澄み水は、上述した減圧工程STP26の減圧装置である水エジェクター用の水として循環利用することができる。この循環水のラインに、炭化物の吸着性能や凝集性性能が対象とする汚水に最適なPHになるように、酸やアルカリのPH調整剤を添加すると、さらに水の浄化性能を高めることができる。
(水処理方法)
次に、図5及び図6を参照しつつ、当該水処理方法における一連の工程について、作用効果を中心に詳説する。
添加工程STP21は、汚水P3に対し、上述の平均粒径が微小である炭化粒子を用いた濃縮炭化物スラリーQ3を添加し、両者を混合することで、この濃縮炭化物スラリーQ3が汚水P3中の汚染物質の凝集性や吸着性を高め、次工程である水処理工程STP22において、汚水P3の汚染物質濃度を低下させると同時に、水処理の結果発生する汚泥の固液分離性や脱水性を向上することができる。また、この濃縮炭化物スラリーQ3が、汚水P3からの臭気発生の原因物質に対して高い吸着効果を発揮することで、この原因物質を吸着除去し、一連の水処理工程、特に、添加工程STP21、水処理工程STP22、脱水工程STP23における臭気発生を効果的かつ十分に抑制することができる。
上記炭化粒子の平均粒径の上限としては、100μmであり、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。また、この炭化粒子の平均粒径の下限としては、0.5μmが好ましく、10μmがより好ましく、20μmが特に好ましい。このように、炭化粒子の平均粒径を上記範囲内とすることで、炭化粒子の吸着比表面積を飛躍的に増やすことができ、上述の汚水P3の浄化速度の向上、水処理汚泥の分離効率の向上及び臭気発生の抑制を最も効果的かつ確実に実現できる。また、このように平均粒径が上記範囲内である炭化粒子は、脱水工程STP23で得られる脱水汚泥の粘度を低下させ、例えば、供給管や供給ポンプ等による脱水汚泥の搬送性を向上することができる。なお、かかる炭化粒子の平均粒径が上記上限を超えると、上述した水処理性能の向上、水処理汚泥の分離効率の向上及び臭気発生の抑制が達成できなくなると共に、脱水汚泥の搬送性が低下する。また、この炭化粒子の平均粒径が上記下限未満であると、水処理浄化処理水と水処理汚泥との分離効率が低下し、処理水に炭化物が同伴して流出して、目標の水処理性能を達成することができない。
添加工程STP21において、平均粒径が微小である炭化粒子を用いた濃縮炭化物スラリーの添加量としては、汚水P3の固形物量に対して30〜50%が好ましく、35〜45%がより好ましい。この要に添加工程STP21において、平均粒径が微小である炭化粒子を用いた濃縮炭化物スラリーの添加量を上記範囲内とすることで、当該汚水処理方法は、汚水P3の水処理工程での浄化性能の向上、水処理汚泥の固液分離効率の向上及び臭気発生の抑制を最も効果的かつバランス良く発揮することができると共に、かかる作用効果を比較的少ない炭化物の添加量によって実現できることから、水処理工程における作業容易性及び低コスト性を向上することができる。なお、かかる濃縮炭化物スラリーQ3の添加量が上記上限を超えると、水処理における作業容易性及び低コスト性を実現できない可能性がある。また、この濃縮炭化物スラリーQ3の添加量が上記下限未満であると、汚水P3の水処理における浄化能力の向上及び臭気発生の抑制をバランスよく発揮できない可能性がある。
上記添加工程STP21で得られた混合汚水は、水処理工程STP22で浄化されて水処理の過程で生成した汚泥を分離回収し、脱水工程STP23で脱水され脱水汚泥となる。この脱水汚泥の少なくとも一部が炭化工程STP24で炭化され、炭化汚泥となる。この脱水汚泥は平均粒径が上記範囲である炭化粒子を用いた濃縮炭化物スラリーQ3を添加して得られることから、含水率が低く、その結果、炭化工程STP24における脱水汚泥の乾燥及び炭化処理が容易となり、炭化汚泥を効果的に得ることができる。また、このように炭化工程STP24は、本来は廃棄される脱水汚泥の少なくとも一部から炭化汚泥を得る工程であることから、廃棄物のリサイクルを容易に実現することができ、環境問題に十分対応することができる。
上記炭化工程STP24で得られた炭化粒子の少なくとも一部は、粉砕工程STP25の粉砕装置26において平均粒径で100μm以下に粉砕し、減圧工程STP26の炭化物減圧装置27の粉砕炭化物容器に供給する。この粉砕装置26は100μm以上の粒径の炭化物については粉砕装置内に滞留して、平均粒径が100μm以下の製品を製造できる気流により分級機能のある装置が望ましい。さらに、粉砕装置26へ供給する気流ガスとして、炭酸ガスや窒素ガスのような不活性ガスを利用する方法で、粉砕装置内での粉じん爆発を防止することができる。この気流不活性ガスは、粉砕装置26から炭化物減圧装置27へ粉砕炭を搬送する機能を有するが、気流ガスとして不活性ガスを利用することで、粉塵爆発等を防止して作業時の安全性を確保することができる。
上記粉砕工程STP25で得られた炭化粒子の少なくとも一部は、減圧工程STP26における炭化物減圧装置27の水エジェクターにより減圧処理され炭化物細孔内空気を気相中で脱気し、その後水エジェクター内で水と混合して細孔内を水で置換した脱気炭化物スラリーとなる。このように、平均粒径が上記範囲内である炭化粒子を用いた脱気炭化物スラリーを水に懸濁してスラリー化し、脱気炭化物スラリーとすることで、粉塵爆発等を防止して作業時の安全性を確保することができる。炭化物減圧装置27の粉砕炭化物容器は、炭化物減圧装置27へ粉砕炭を吸引するための同伴空気を大気より誘引できる程度の開口部を有しており、容量が固定された容器に限定されず、粉体輸送に多用されているフレコン・パック等の容器も利用できる。このため、粉砕炭をフレコン・パックで遠方に搬送して、搬送先に炭化物減圧装置27と重力沈殿濃縮槽28とを設置する方法で、粉砕装置26がない現場においても、濃縮炭化物スラリーQ3を製造して利用することができる。この方法では、炭化物をフレコン・パックで輸送できるため、特殊な液体を輸送するためのローリー車等の特殊車両が必要でないため、輸送コストを安価にできる。また、炭化物減圧装置27の空気の吸引力により、フレコン・パック内を負圧に維持しながら簡単に粉砕炭を排出できるため、水の供給が可能であれば粉砕炭の漏洩による粉塵の飛散を防止しながら濃縮炭化物スラリーQ3を製造することができる。
上記減圧工程STP26で得られた脱気炭化物スラリーは、重力沈降工程STP27の重力沈殿濃縮槽28において固形物濃度で30〜50%に濃縮される。この濃縮炭化物スラリーQ3は、上澄み水が発生することなく固形物濃度が安定しており、輸送配管中で固液分離しないために添加工程STP21への炭化物の供給量が安定して制御し易い。このように、平均粒径が上記範囲内である炭化粒子を用いた濃縮炭化物スラリーQ3を、汚水混合槽22を介して水処理反応槽3に供給すると、炭化物の液相での分散性が高く、汚水P3の凝集性や生物浄化性能が向上し、その結果、汚水P3の浄化機能を向上させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の汚水処理方法は、標準的な下水処理場における、最初沈殿池、生物反応タンク、最終沈殿池、汚泥濃縮槽、等に濃縮炭化物スラリーQ3を直接添加して、各装置の性能を向上させることもできる。また。高度水処理装置として一般的に利用される膜分離活性汚泥法において、反応工程に濃縮炭化物スラリーQ3を直接添加することにより、活性汚泥の凝集機能や浄化機能を向上させて、膜の閉塞を抑制することもできる。
また、例えば、本発明において、汚染物質の濃度が大きく変化する汚水を処理する場合、濃縮炭化物スラリーによる浄化機能を高めるために、炭化物減圧装置で使用する循環水にPH調整剤や無機凝集剤を注入して、水処理反応槽23での浄化効果を制御することができる。
また、本発明において、各工程の装置を一体化した構成も可能である。例えば、粉砕工程の粉砕装置26と減圧工程の炭化物減圧装置27を一体化したり、減圧工程の炭化物減圧装置27と重力沈降工程の重力沈殿濃縮槽28を一体化したりできる。
また、本発明において、添加工程を設けず直接濃縮炭化物スラリーを水処理工程へ供給する構成や、炭化物減圧装置27の水エジェクターの水の代わりに汚水を利用することも可能である。また、脱水機の処理性能を高めるために、脱水機の汚泥貯留槽へ直接濃縮炭化物スラリーを供給する構成も可能である。
また、例えば、本発明において、各工程における汚水等の供給管に流量調整弁を設けること等ができる。各工程間の炭化物の輸送のために、自然流下による装置の配置を工夫したり、ポンプを介して輸送したりもできる。
≪第三実施例≫
以下、第三実施例に基づき本発明を詳述するが、この第三実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
<炭化粒子の製造>
下水処理汚泥を濃縮、脱水し、得られた脱水汚泥を、炭化炉を用いて炭化し、平均粒径が約3000μmの炭化粒子を得た。かかる炭化粒子を、平均粒径が75μm以下となるよう粉砕した。
<微粉砕・濃縮・炭化物スラリーによる脱色効果の測定>
メチレンブルーにより透視度1cmまで着色した1リッターの試料に、上記の如く平均粒径が75μm以下の固形物濃度40%の濃縮炭化物スラリー10gを添加すると、透視度が7cmまで向上した。
<微粉砕・減圧脱気・濃縮炭化物スラリーによる脱色効果の測定>
メチレンブルーにより透視度1cmまで着色した1リッターの試料に、上記の如く平均粒径が75μm以下の固形物濃度40%の減圧脱気処理した濃縮炭化物スラリー10gを添加すると、透視度が7cmまで向上した。
[比較例]
<炭化粒子の製造>
実施例と同様の手段により得られた炭化粒子を、平均粒径が300μm〜700μmとなるよう粉砕した。
<微粉砕・濃縮・炭化物スラリーによる脱色効果の測定>
メチレンブルーにより透視度1cmまで着色した1リッターの試料に、上記の如く平均粒径が300μm〜700μm以下の固形物濃度40%の濃縮炭化物スラリー10gを添加すると、透視度が2cmまで向上した。
<微粉砕・減圧脱気・濃縮炭化物スラリーによる脱色効果の測定>
メチレンブルーにより透視度1cmまで着色した1リッターの試料に、上記の如く平均粒径が300μm〜700μm以下の固形物濃度40%の減圧脱気処理した濃縮炭化物スラリー10gを添加すると、透視度が5cmまで向上した。
[参考例]
<炭化粒子の製造>
実施例と同様の手段により、平均粒径が約3000μmの炭化粒子を得た。
<微粉砕・濃縮・炭化物スラリーによる脱色効果の測定>
メチレンブルーにより透視度1cmまで着色した1リッターの試料に、上記の如く平均粒径が3000μmの固形物濃度40%の濃縮炭化物スラリー10gを添加すると、透視度が1cmと添加前と差がなかった。
<微粉砕・減圧脱気・濃縮炭化物スラリーによる脱色効果の測定>
メチレンブルーにより透視度1cmまで着色した1リッターの試料に、上記の如く平均粒径が3000μmの固形物濃度40%の減圧脱気処理した濃縮炭化物スラリー10gを添加すると、透視度が2cmまで向上した。
上記実施例、比較例及び参考例に記載の結果が示す通り、実施例は、比較例や参考例と比較して、液相において高い脱色性(吸着機能)を示すことが示唆された。
以上のように、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、下水処理汚泥、し尿処理汚泥、浄化槽汚泥、家畜糞尿、海洋生物廃棄物、工場排水処理施設汚泥、都市ごみ等の処理に使用され得る。 また、以上のように、本発明は、下水処理汚泥、し尿処理、浄化槽汚泥、家畜糞尿、工場排水処理施設、農業集落排水処理等の処理に使用され得る。
汚泥処理の脱水性の向上、汚泥処理工程における臭気発生の抑制、脱水汚泥の搬送性の向上を十分に満足することができる汚泥処理方法の提供を目的とする。 本発明は、汚泥に炭化物を添加し混合汚泥を得る添加工程と、この混合汚泥を沈降分離し濃縮汚泥を得る濃縮工程と、この濃縮汚泥を脱水し脱水汚泥を得る脱水工程とを有する汚泥処理方法であって、上記添加工程における炭化物として、平均粒径が0.5μm以上100μm以下である炭化粒子を用いることを特徴とする汚泥処理方法である。上記添加工程における炭化物の添加量は、添加前汚泥の固形物量に対して0.5質量%以上5質量%以下であるとよい。また、上記添加物を水に懸濁して炭化物スラリーを得るスラリー化工程をさらに有し、上記添加工程において汚泥に炭化物スラリーを添加するとよい。
臭気対策及び脱硫対策に十分対応しつつ、さらには省エネルギー化をも達成することができる有機性廃棄物の処理方法の提供を目的とする。 本発明は、好気性微生物を用いて有機性廃棄物を発酵分解し堆肥を得る堆肥工程と、この堆肥の少なくとも一部を乾燥及び炭化し、炭化物を得る炭化工程とを有する有機性廃棄物の処理方法であって、上記堆肥工程で発生するアンモニアガスと上記炭化工程で発生する二酸化硫黄ガスとを混合するガス混合工程とをさらに有することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法である。上記ガス混合工程におけるアンモニアガス、二酸化硫黄ガスまたはこれらの反応物と上記炭化工程で得られる炭化物とを接触させ、得られた吸着炭化物を回収する回収工程をさらに有するとよい。また、上記炭化工程において、上記吸着炭化物を熱分解するとよい。
汚泥炭化物を安全かつ高機能に利用して、汚水処理における浄化性能を飛躍的に高めるために、炭化物の液相での凝集沈殿機能や消臭吸着機能を向上させる炭化物の処理方法の提供を目的とする。本発明は、水処理汚泥から製造した炭化物を平均粒径100μm以下に粉砕した後で、真空減圧処理して炭化物細孔内空気を脱気した後に水を混合して、さらに、重力沈降槽で炭化物スラリーの固形物濃度を30〜50%に高めることにより、炭化物を安全かつ安定した性状で汚水に添加することができるだけでなく、炭化物を液相で高機能に活性化できるため、水処理装置での汚水の浄化性能を飛躍的に高めることができる。
1…汚泥貯留槽、2…汚泥混合槽、
3…汚泥濃縮槽、4…脱水装置、
5…炭化炉、6…粉砕装置、
7…スラリー化装置、
P1…汚泥、Q1…炭化物、
STP1…添加工程、STP2…濃縮工程、
STP3…脱水工程、STP4…炭化工程、
STP5…粉砕工程、STP6…スラリー化工程、
11…堆肥装置、12…炭化炉、
13…熱交換装置、14…粉砕装置、
15…炭化物供給装置、16…フィルタ、
17…濃度調整装置、P2…有機性廃棄物、
Q2…炭化物、R2…吸着炭化物、
STP11…堆肥工程、STP12…炭化工程、
STP13…ガス混合工程、STP14…回収工程、
21…汚水貯留槽、22…汚水混合槽、
23…水処理反応槽、24…脱水装置、
25…炭化炉、26…粉砕装置、
27…炭化物減圧装置、28…重力沈殿濃縮槽、
P3…汚水、Q3…濃縮炭化物スラリー、
STP21…添加工程、STP22…水処理工程、
STP23…脱水工程、STP24…炭化工程、
STP25…粉砕工程、STP26…減圧工程、
TPP27…重力沈降工程。

Claims (7)

  1. 廃棄物を炭化処理して製造した炭化物を平均粒径100μm以下に微粉砕処理し、ついで、減圧処理して、微粉砕処理及び減圧処理した炭化物を水と混合し、重力沈殿濃縮槽に投入した濃縮炭化物スラリー液として利用する炭化物の利用方法であって、
    上記減圧処理において、水エジェクターの吸引ラインと微粉砕炭容器とを連結する方法で微粉砕炭を減圧処理すると同時に、減圧処理した微粉砕炭を混合して、水エジェクターの吐出ラインを重力沈殿濃縮槽に連結し、重力沈殿濃縮槽の上澄み液を水エジェクターへの供給水として循環利用し、
    上記水エジェクターの循環水のラインに酸やアルカリのPH調整液を注入することを特徴とする炭化物の利用方法。
  2. 廃棄物を炭化処理して製造した炭化物を平均粒径100μm以下に微粉砕処理し、ついで、減圧処理して、微粉砕処理及び減圧処理した炭化物を水と混合し、重力沈殿濃縮槽に投入した濃縮炭化物スラリー液として利用する炭化物の利用方法であって、
    上記減圧処理において、水エジェクターの吸引ラインと微粉砕炭容器とを連結する方法で微粉砕炭を減圧処理すると同時に、減圧処理した微粉砕炭を混合して、水エジェクターの吐出ラインを重力沈殿濃縮槽に連結し、重力沈殿濃縮槽の上澄み液を水エジェクターへの供給水として循環利用し、
    上記重力沈殿濃縮槽からの炭化物スラリーの固形物濃度を30〜50%にして、重力沈殿濃縮槽下部から炭化物スラリーを排出することを特徴とする炭化物の利用方法。
  3. 上記請求項1の重力沈殿濃縮槽からの炭化物スラリーの固形物濃度を30〜50%にして、重力沈殿濃縮槽下部から炭化物スラリーを排出することを特徴とする炭化物の利用方法
  4. 炭化物を水に懸濁して汚泥に添加し、混合汚泥を得る添加工程と、
    この混合汚泥を沈降分離し、濃縮汚泥を得る濃縮工程と、
    この濃縮汚泥を脱水し、脱水汚泥を得る脱水工程と、
    を備えた汚泥処理方法であって、
    上記添加工程における炭化物として、平均粒径が0.5μm以上100μm以下である炭化粒子を用い、当該炭化物の添加量が添加前汚泥の固有物量に対して0.5質量%以上5質量%以下であることを特徴とする汚泥処理方法。
  5. 上記炭化物を水に懸濁して炭化物スラリーを得るスラリー化工程をさらに備え、上記添加工程において、汚泥に炭化物スラリーを添加することを特徴とする請求項に記載の汚泥処理方法。
  6. 上記脱水汚泥の少なくとも一部を乾燥及び炭化して炭化汚泥を得る炭化工程と、
    この炭化汚泥を粉砕し、平均粒径が0.5μm以上100μm以下である炭化粒子を得る粉砕工程と、をさらに備え、
    この炭化粒子を上記炭化物として上記水に懸濁して上記汚泥に添加することを特徴とする請求項4または5に記載の汚泥処理方法。
  7. 上記炭化工程において、炭化汚泥に対する賦活処理をさらに行うことを特徴とする請求項に記載の汚泥処理方法。
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