以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1及び図2は、いずれも、本発明の一実施形態に係る防犯スクリーン装置1を、すべり出し窓WDに取り付けた状態を示す断面図である。このうち、図1は水平面で切断した場合の断面を上面視で示している。図2は建物外壁WLに対して垂直且つ鉛直方向に沿った面で切断した場合の断面を示している。また、図3には、図1におけるA部を拡大して示している。
尚、図1においてはすべり出し窓WDの下側(ハンドル15が配置されている側)が屋内側であり、上側が屋外側である。図2においてはすべり出し窓WDの左側が屋外側であり、右側が屋内側である。
以下の説明においては、特に断らない限り「上」とは鉛直上方のことを示し、「下」とは鉛直下方のことを示す。また、「右」とは屋内側から屋外側を向いた状態における右側のことを示し、「左」とは屋内側から屋外側を向いた状態における左側のことを示す。
図1及び図2に示したように、防犯スクリーン装置1が取り付けられているすべり出し窓WDは、建物外壁WLに形成された開口の縁に対して取り付けられたサッシ枠500と、サッシ枠500に対して開閉自在に取り付けられた障子600とを備えている。障子600は鉛直方向に沿った回転軸を有しており、当該回転軸を中心に回転しながら屋外側に向けて突出するように開くものである。このような障子600を有するすべり出し窓WDは、所謂「縦すべり出し窓」と称されるものである。障子600の開閉は、屋内側からハンドル15を回転させることにより行われる。
防犯スクリーン装置1は、サッシ枠500のうち障子600よりも屋内側の部分に取り付けられており、障子600が開放された状態の引き違い窓WDから人が屋内に侵入すること等を防いでいる。障子600は、防犯スクリーン装置1と干渉することなく開閉動作することが可能となっている。防犯スクリーン装置1は、防犯パネル100と、枠体200と、固定部材300とを備えている。
防犯パネル100は、複数の孔が形成された平板部110がその大部分を占める矩形のパネルであって、当該平板部110がサッシ枠500の開口を覆っている。平板部110は所謂パンチングメタルであって、平坦な金属板(本実施形態ではステンレス板を用いた)に多数の貫通孔が形成された構成となっている。このため、障子600が開放された状態においてもサッシ枠500の開口は防犯パネル100で覆われているが、平板部110に形成された貫通孔を通じて外気や日光を屋内に取り込むことが可能となっている。
一方、障子600が開放された状態の窓から人が侵入することは、防犯パネル100によって確実に防止される。また、平板部110に形成された貫通孔の直径は1.5mm以下となっており、これにより、人の侵入のみならず虫等の侵入も防止される。また、危険物や破壊工具等の侵入も防止される。
図1及び図3に示したように、防犯パネル100は左右両端が屋内側に向かって垂直に折り曲げられており、平板部110の左側端部から屋内側に向けて延びる左側リブ120と、平板部110の右側端部から屋内側に向けて延びる右側リブ130とを有している。左側リブ120及び右側リブ130を有することにより、平板部110の変形が抑制されている。
平板部110のうち屋内側の面には、その周縁部分(当該面のうち外縁近傍の部分)に沿って4本の補強フレーム(上側補強フレーム410、下側補強フレーム430、左側補強フレーム450、右側補強フレーム470が固定されている。これらは、いずれも断面が矩形の金属からなる筒状体であって、平板部110の周縁部分に沿って全体で矩形の枠を構成するように並べられており、平板部110に対して複数のビス700により締結固定されている。ビス700は、平板部110の屋外側から屋内側に向けて挿入されている。その結果、ビス700の頭部701は平板部110から屋外側に突出した状態となっており、ビス700の螺子部702は、その先端が補強フレーム(左側補強フレーム450等)の内部空間に位置した状態となっている。
このように、平板部110はその周縁部分に沿って(4辺それぞれの近傍に沿って)4本の補強フレームが固定されているため、防犯パネル100の変形が抑制され、防犯パネル100の平板部110は平坦な状態に保たれている。
枠体200は防犯パネル100の周縁部分に配置される部材であって、サッシ枠500と防犯パネル100との間に介在している。すなわち、枠体200はその一部がサッシ枠500に固定されており、防犯パネル100は枠体200に対して屋内側から当接している。
枠体200は、下側枠体210、左側枠体240、及び右側枠体270という3つの部品により構成されており、これらが平板部110の周縁部分に沿って(下辺、左辺、右辺の3辺に沿って)全体でコの字型の枠を構成するように並べられている。
図2を参照しながら説明する。下側枠体210は平板部110の下辺に沿って配置されている。下側枠体210は、サッシ枠500の内面に当接した状態でサッシ枠500に固定される板状の固定部211と、平板部110から屋外側に離間した位置において平板部110と平行に配置され、平板部110の周縁部分を覆う板状の被覆部212とを有している。更に、下側枠体210は、被覆部212から平板部110に向かって(屋内側に向かって)突出する板状の突出部213を有している。
固定部211は、ビス720によってサッシ枠500の内面に対して締結固定されている。ビス720の頭部721は固定部211から上側に向けて突出している。一方、ビス720の螺子部722は、その先端がサッシ枠500の内部空間に位置した状態となっている。
被覆部212は固定部211の屋外側端部から上方に向かって伸びており、突出部213は被覆部212の上端から屋内側に向かって伸びている。このような形状の下側枠体210は、金属の押し出し成形により形成されている。一枚の金属板を曲げ加工することにより下側枠体210を形成してもよい。
被覆部212は平板部110から屋外側に離間した位置に配置されているため、被覆部212と平板部110との間には空間801が形成されている。突出部213の先端(屋内側の先端)は平板部110に当接しているため、空間801は突出部213によって遮蔽された状態となっている。
下側補強フレーム430を平板部110に締結固定するビス700の頭部701は、空間801の内部に収容されている。このため、当該ビス700を屋外側から視認することはできなくなっており、防犯パネル100の固定方法は屋外側から覗いただけでは認識することができない。
突出部213の先端は、平板部110の屋外側表面に対して押しつけられた状態となっている。すなわち、下側枠体210の被覆部212は、その上側端部(突出部213が形成されている部分)が僅かに屋外側に向かうように弾性変形しており、当該弾性変形の復元力によって、突出部213の先端が平板部110に対して押しつけられている。換言すれば、ビス720により締結固定された際において被覆部212が上記の如く弾性変形するように、下側枠体210等に形成されたビス孔の位置等が調整されている。その結果、突出部213の先端と平板部110との間には隙間が形成されず、両者は全体に渡って密着した状態となっている。
図1及び図3を参照しながら説明する。左側枠体240は平板部110の左辺に沿って配置されている。左側枠体240は、サッシ枠500の内面に当接した状態でサッシ枠500に固定される板状の固定部241と、平板部110から屋外側に離間した位置において平板部110と平行に配置され、平板部110の周縁部分を覆う板状の被覆部242とを有している。更に、左側枠体240は、被覆部242から平板部110に向かって(屋内側に向かって)突出する板状の突出部243を有している。
固定部241は、皿ビス730によってサッシ枠500に固定されている。皿ビス730は、固定部241及びサッシ枠500に対して右側から挿入され締結されている。締結後の状態においては、皿ビス730の頭部は固定部241の表面から右側に向かって突出していない。
被覆部242は固定部241の屋外側端部から右方(平板部110の中央側)に向かって伸びており、突出部243は被覆部242の右端から屋内側に向かって伸びている。このような形状の左側枠体240は、下側枠体210と同様に、金属の押し出し成形により形成されている。一枚の金属板を曲げ加工することにより左側枠体240を形成してもよい。
被覆部242は平板部110から屋外側に離間した位置に配置されているため、被覆部242と平板部110との間には空間802が形成されている。突出部243の先端(屋内側の先端)は平板部110に当接しているため、空間802は突出部243によって遮蔽された状態となっている。
左側補強フレーム450を平板部110に締結固定するビス700の頭部701は、空間802の内部に収容されている。このため、当該ビス700を屋外側から視認することはできなくなっており、防犯パネル100の固定方法は屋外側から覗いただけでは認識することができない。
図1を参照しながら説明する。右側枠体270は平板部110の右辺に沿って配置されている。右側枠体270は、サッシ枠500の内面に当接した状態でサッシ枠500に固定される板状の固定部271と、平板部110から屋外側に離間した位置において平板部110と平行に配置され、平板部110の周縁部分を覆う板状の被覆部272とを有している。更に、右側枠体270は、被覆部272から平板部110に向かって(屋内側に向かって)突出する板状の突出部273を有している。
固定部271は、皿ビス730によってサッシ枠500に固定されている。皿ビス730は、固定部271及びサッシ枠500に対して左側から挿入され締結されている。締結後の状態においては、皿ビス730の頭部は固定部271の表面から左側に向かって突出していない。
被覆部272は固定部271の屋外側端部から左方(平板部110の中央側)に向かって伸びており、突出部273は被覆部272の左端から屋内側に向かって伸びている。このような形状の右側枠体270は、下側枠体210及び左側枠体240と同様に、金属の押し出し成形により形成されている。一枚の金属板を曲げ加工することにより右側枠体270を形成してもよい。
被覆部272は平板部110から屋外側に離間した位置に配置されているため、被覆部272と平板部110との間には空間803が形成されている。突出部273の先端(屋内側の先端)は平板部110に当接しているため、空間803は突出部273によって遮蔽された状態となっている。
右側補強フレーム470を平板部110に締結固定するビス700の頭部701は、空間803の内部に収容されている。このため、当該ビス700を屋外側から視認することはできなくなっており、防犯パネル100の固定方法は屋外側から覗いただけでは認識することができない。
下側枠体210、左側枠体240、及び右側枠体270の配置について、図4を参照しながら説明する。図4は、防犯スクリーン装置1のうち防犯パネル100、枠体200、及び上側補強フレーム410を抜粋し、これらを屋外側から見た様子を示す図である。図4に示したように、左側枠体240の下端は斜めにカットされており、傾斜辺244が形成されている。同様に、右側枠体270の下端も斜めにカットされており、傾斜辺274が形成されている。下側枠体210の左右両端も斜めにカットされており、左側端部に傾斜辺214が、右側端部に傾斜辺215がそれぞれ形成されている。
左側枠体240の傾斜辺244と下側枠体210の傾斜辺214とは当接しており、左側枠体240の下端と下側枠体210の左端とが隙間なく密着した状態となっている。同様に、右側枠体270の傾斜辺274と下側枠体210の傾斜辺215とは当接しており、右側枠体270の下端と下側枠体210の右端とが隙間なく密着した状態となっている。その結果、図4のように、下側枠体210、左側枠体240、及び右側枠体270は全体でコの字型の枠を構成しており、平板部110の屋外側表面のうち下辺、左辺、右辺に沿った(コの字型の)周縁部分を隙間なく覆った状態となっている。
本実施形態においては、平板部110の周縁部分(ビス700により締結固定されている部分)が上記のように覆われて隠蔽されている。このため、防犯パネル100を屋外側から取り外そうと試みる者(例えば泥棒)にとっては、防犯パネル100がどのように固定されているのか(溶接固定なのか、ビスによる固定なのか等)を認識することができず、その固定個所も認識することができない。すなわち、防犯スクリーン装置1のどの部分をどのように破壊等すれば防犯パネル100を取り外すことができるのかが直ちには判らないため、防犯パネル100が取り外されてしまうまでには長時間を要することとなる。その結果、犯罪を未遂に終わらせる可能性が高くなる。
本実施形態においては、平板部110の上辺に沿って配置される上側枠体を有さない構成となっているため、平板部110の屋外側表面のうち上辺に沿った周縁部分は屋外側に露出しており、上側補強フレーム410を平板部110に締結固定するビス700の頭部701や上側補強フレーム410の一部が屋外側から視認することができる状態となっている。
このため、当該部分においては平板部110の固定方法や締結位置等が屋外側から視認することができ、防犯性が低いようにも思われる。しかしながら、平板部110の上辺は地上からの高さがあるため、上辺部分を締結するビス700が外されたり、破壊されたりする可能性は小さい。すなわち、屋内に侵入しようとする者(泥棒など)にとっては、じっくりと時間と手間をかけて防犯パネル100を破壊等するような余裕はないため、例えば踏み台を利用してビス700を外す等の作業が行われる可能性は極めて低い。従って、本実施形態では、平板部110の上辺に沿う位置には枠体(上側枠体)を配置しないことにより、防犯性を犠牲にすることなくコストダウンを図っている。
尚、本発明の実施形態としてはこのようなものに限られず、更に上側枠体を備えることによって平板部110の上辺に沿った周縁部分をも覆い、当該部分に配置されたビス700を隠蔽してもよい。すなわち、平板部110の屋外側表面のうち下辺、左辺、右辺、及び上辺に沿った周縁部分の全体を隙間なく覆った状態としてもよい。特に、平板部110の上辺の高さが低い場合、例えば地上から2m以下の場合には、上記のような上側枠体を備えた方が望ましい。
図1乃至図3を参照しながら説明する。固定部材300は、防犯パネル100を枠体200に対して押しつけながら保持するための部材であって、防犯パネル100の左側を固定する左側固定部材310と、防犯パネル100の右側を固定する右側固定部材340とを有している。
図1及び図3に示したように、左側固定部材310は、左側補強フレーム450に対して屋内側から当接するパネル支持部311を有している。パネル支持部311は板状に形成されており、平板部110と平行に配置されている。
左側固定部材310は更に、パネル支持部311の左端から屋内側に向かって延びる板状の部分であって、左側枠体240の固定部241に対して当接する枠体支持部312を有している。左側枠体240の固定部241は、サッシ枠500の内面(左側の内面)と枠体支持部312とによって挟まれた状態となっている。
パネル支持部311と左側補強フレーム450とは、ビス710によって締結固定されている。ビス710は屋内側から屋外側に向けて挿入され締結されており、その頭部711はパネル支持部311から屋内側に向けて突出している。一方、ビス710の螺子部712は、その先端が左側補強フレーム450の内部空間に位置した状態となっている。
枠体支持部312は、ビス720によって固定部241及びサッシ枠500の内面に対して締結固定されている。すなわち、ビス720は枠体支持部312、固定部241、サッシ枠500の内面を貫くように挿入され締結されている。ビス720の頭部721は枠体支持部312から右側に向けて突出している。一方、ビス720の螺子部722は、その先端がサッシ枠500の内部空間に位置した状態となっている。
以上のように、防犯パネル100は、左側固定部材310を介して枠体200(左側枠体240)及びサッシ枠500に対し固定されている。このとき、左側枠体240の突出部243の先端は、平板部110の屋外側表面に対して押しつけられた状態となっている。
すなわち、左側枠体240の被覆部242は、その右側端部(突出部243が形成されている部分)が僅かに屋外側に向かうように弾性変形しており、当該弾性変形の復元力によって、突出部243の先端が平板部110に対して押しつけられている。換言すれば、ビス720により締結固定された際において被覆部242が上記の如く弾性変形するように、左側枠体240に形成されたビス孔の位置や、左側固定部材310に形成されたビス孔の位置等が調整されている。その結果、突出部243の先端と平板部110との間には隙間が形成されず、両者は全体に渡って密着した状態となっている。
防犯パネル100の右側を固定する右側固定部材340については、その形状及び固定方法が左側固定部材310と同一(左右対称)であるため、その詳細な説明は省略する。防犯パネル100は、右側固定部材340を介して枠体200(右側枠体270)及びサッシ枠500に対し固定されている。このとき、右側枠体270の突出部273の先端は、平板部110の屋外側表面に対して押しつけられた状態となっている。
左側枠体240の場合と同様に、右側枠体270の被覆部272は、その左側端部(突出部273が形成されている部分)が僅かに屋外側に向かうように弾性変形しており、当該弾性変形の復元力によって、突出部273の先端が平板部110に対して押しつけられている。換言すれば、ビス720により締結固定された際において被覆部272が上記の如く弾性変形するように、右側枠体270に形成されたビス孔の位置や、右側固定部材340に形成されたビス孔の位置等が調整されている。その結果、突出部273の先端と平板部110との間には隙間が形成されず、両者は全体に渡って密着した状態となっている。
本実施形態においては、防犯パネル100の下側を固定するような固定部材は備えておらず、防犯パネル100は左側及び右側においてのみ枠体200に対して固定されている。しかしながら、本発明の実施態様としてはこのようなものに限られず、防犯パネル100の下側を固定するような固定部材を更に備えてもよい。また、本実施形態においては、左側固定部材310及び右側固定部材340はそれぞれが一つの部材として構成されているが、複数の部材が上下方向に並ぶように配置されていてもよい。
以上のように、下側枠体210の突出部213、左側枠体240の突出部243、及び右側枠体270の突出部273は、いずれもその先端が防犯パネル100の平板部110に押しつけられ、全体に渡って密着した状態となっている。その結果、枠体200と防犯パネル100との間には隙間が形成されていない。工具等を挿入するような隙間が形成されないため、防犯パネル100をこじ開けたり破壊したりすることが防止されている。また、隙間から屋内に虫等が侵入することも防止されている。
既に述べたように、本実施形態に係る防犯スクリーン装置1は、平板部110の上辺に沿って配置される上側枠体を有さない構成となっている。しかしながら、本実施形態においては上側補強フレーム410に形成された被覆リブ411によって、平板部110の上辺近傍から屋内に虫等が浸入することを防止している。
図2及び図4を参照しながら詳しく説明する。上側補強フレーム410は、その上面であって且つ屋内側の端部から、上方に向かって伸びるように板状の被覆リブ411が形成されている。被覆リブ411の上端は、サッシ枠500の内面(上側の内面)から僅かに離間しており、その隙間は1mm以下となっている。このため、当該隙間から虫が浸入することはできなくなっている。
尚、被覆リブ411の上端をサッシ枠500の内面に対して当接させてもよい。この場合、防犯パネル100をサッシ枠500に取り付ける作業を容易なものとするために、下側補強フレーム430の下端と下側枠体210の固定部211とが離間した状態となるように設計することが望ましい。このような寸法とすることにより、防犯パネル100をサッシ枠の開口部に対し容易に嵌め込むことができる。この場合、下側補強フレーム430の下方には隙間(下側補強フレーム430とサッシ枠500との間の隙間)が形成されることとなるが、当該隙間は下側枠体210により屋外側から覆われるため、虫等が侵入してしまうことはない。
換言すれば、下側枠体210と防犯パネル100との鉛直方向に沿った相対位置が可変となっているために、防犯パネル100の上部及び下部の両方における隙間が無い状態で、防犯パネル100を固定することが可能となっている。尚、図1等に示したように、左側補強フレーム450の左端は左側枠体240から離間しており、右側補強フレーム470の右端は右側枠体270から離間している。このため、防犯パネル100は、左右方向に沿ってもその位置を調整しながら固定することが可能となっている。
防犯スクリーン装置1をすべり出し窓WDに取り付ける際における手順について、図1、図3を参照しながら簡単に説明する。まず、ビス720によって下側枠体210をサッシ枠500に固定し、皿ビス730によって左側枠体240(固定部241)及び右側枠体270(固定部271)をサッシ枠500に固定する。
続いて、上側補強フレーム410、左側補強フレーム450、下側補強フレーム430、右側補強フレーム470を取り付けた状態の防犯パネル100を、屋内側から突出部213、243、273に対して押しつけた状態とする。このとき、防犯パネル100が屋外側に落下してしまうことは、左側枠体240等によって防止される。
その後、左側固定部材310及び右側固定部材340を室内側から取り付ける。防犯パネル100を下側枠体210等(突出部213等)に対して押しつけて保持した状態としながら、左側固定部材310及び右側固定部材340をビス720によりサッシ枠500に対して締結固定する。以上の手順により、防犯スクリーン装置1をすべり出し窓WDに取り付けることができる。
防犯スクリーン装置1のその他の構成について説明する。図1及び図2に示したように、防犯パネル100の屋内側には複数の防犯バー900が固定されている。防犯バー900は、水平方向に沿って互いに平行に配置された細長い金属板であり、平板部110の屋内側の面に当接している。それぞれの防犯バー900は、その左右両端が屋内側に向けて垂直に折り曲げられており、当該部分が左側補強フレーム450の右側側面、及び、右側補強フレーム470の左側側面に対してそれぞれ当接している。防犯バー900は、図示しないビスによって左側補強フレーム450及び右側補強フレーム470に締結固定されている。
このような防犯バー900が固定されているため、防犯パネル100を(取り外すのではなく)直接破壊することが更に困難なものとなっている。尚、図2に示したように、防犯バー900は平板部110の上部側には配置されていない。これは、当該部分に対して破壊活動が行われる可能性が低いことを考慮したものである。平板部110の上辺の高さが低い場合には、平板部110の上部側にも防犯バー900を配置することが望ましい。
図3に示したように、左側補強フレーム450の屋内側端部には、左側に向けて突出する第一隠蔽リブ451が形成されている。第一隠蔽リブ451は、防犯パネル100のうち左側リブ120の端部(屋内側端部)を、屋内側から視認されないように隠蔽するためのものである。
また、左側補強フレーム450の屋内側端部には、右側に向けて突出する第二隠蔽リブ452が形成されている。第二隠蔽リブ452は、防犯バー900の端部(左側補強フレーム450の右側側面に当接している部分の屋内側端部)を、屋内側から視認されないように隠蔽するためのものである。
以上のように、左側補強フレーム450に第一隠蔽リブ451及び第一隠蔽リブ451を形成することで、屋内側から防犯スクリーン装置1を見た場合における意匠性を向上させている。図1に示したように、右側補強フレーム470についても同様の構成となっている。尚、防犯パネル100のうち左側リブ120の端部等には、金属加工時において形成されたバリが残っている場合があり、取り付け作業時には当該バリによって作業者が怪我をしてしまう可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、当該バリが第一隠蔽リブ451等によって覆われるため、作業者が怪我をしてしまうことが防止される。
左側固定部材310の枠体支持部312には、その屋内側端部から左側に向けて突出する第三隠蔽リブ315が形成されている。第三隠蔽リブ315は、左側枠体240の固定部241の端部(屋内側端部)を、屋内側から視認されないように隠蔽するためのものである。
このように、左側固定部材310に第三隠蔽リブ315を形成することで、屋内側から防犯スクリーン装置1を見た場合における意匠性を向上させている。図1に示したように、右側固定部材340についても同様の構成となっている。尚、固定部241の端部等には、金属加工時において形成されたバリが残っている場合があり、取り付け作業時には当該バリによって作業者が怪我をしてしまう可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、当該バリが第三隠蔽リブ315等によって覆われるため、作業者が怪我をしてしまうことが防止される。
障子600を屋内側から掃除する場合等においては、左側固定部材310を締結するビス720、及び、右側固定部材340を締結するビス720を外すことで、防犯スクリーン装置1をすべり出し窓WDから容易に取り外すことができる。ビス720を全て蝶ボルトとすれば、防犯スクリーン装置1を外す作業は更に容易なものとなる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、固定部材は、防犯パネルの裏面を単に当接して支持する構成を採用することもできる。当該固定部材のみならず、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。