JP5996699B1 - エレベータシステム及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線通信におけるセキュリティを確保することが可能なエレベータシステム及び無線通信方法を提供することにある。【解決手段】実施形態に係るエレベータシステムは、設定手段と、判定手段と、処理手段と、制御手段とを具備する。設定手段は、第1の構成機器と無線通信を実行可能な機器を登録するためのペアリングモードを設定する。判定手段は、ペアリングモードが設定されている間に、第2の構成機器に対して予め定められた操作が行われたかを判定する。処理手段は、予め定められた操作が行われたと判定された場合、第1及び第2の構成機器間で無線通信を実行する際に必要な認証キーを発行する。制御手段は、発行された認証キーを用いて認証される第2の構成機器からの第1の構成機器へのアクセスを許可する。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、エレベータシステム及び無線通信方法に関する。
一般に、エレベータシステムには、エレベータ全体の制御を行うための装置(以下、エレベータ制御装置)が備えられている。エレベータ制御装置は、巻上げ機を駆動させて昇降路内における乗りかごの昇降動作を制御する。
更に、エレベータシステムにおいては、エレベータの保守点検(メンテナンス)時に操作されるメンテナンス装置(メンテナンスボックス)が備えられている。このメンテナンス装置は、例えばエレベータ制御装置との通信を実行することにより、当該エレベータ制御装置から当該エレベータのメンテナンス等に必要な各種情報を収集する。メンテナンス装置において収集された情報は、例えばエレベータの遠隔監視及び保守員が使用する保守ツール等において利用される。
ところで、近年のエレベータシステムの無線化に伴い、上記したエレベータ制御装置及びメンテナンス装置間で無線通信を行うことが考えられている。
メンテナンス装置は一般的に昇降路に面した位置に設置される場合が多いが、エレベータ制御装置及びメンテナンス装置間で無線通信を行うことは、当該メンテナンス装置の設置位置が限定されない点で有用である。
しかしながら、エレベータ制御装置及びメンテナンス装置のようなエレベータシステムを構成する各機器間で無線通信を行う場合には、当該機器に対する不正アクセスにより、上記したメンテナンス装置において収集された情報を含む有用な情報が傍受される可能性がある。このため、エレベータシステムにおけるセキュリティ対策が必要である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、無線通信におけるセキュリティを確保することが可能なエレベータシステム及び無線通信方法を提供することにある。
実施形態によれば、第1及び第2の構成機器を備えるエレベータシステムが提供される。前記第1の構成機器は、設定手段と、処理手段と、制御手段とを含み、前記第2の構成機器は、判定手段を含む。前記設定手段は、エレベータを試運転するためのテストモードの設定中に、前記第1の構成機器と無線通信を実行可能な機器を登録するためのペアリングモードを設定する。前記判定手段は、前記ペアリングモードが設定された後、予め定められた期間内に前記第2の構成機器に対して予め定められた操作が行われたかを判定する。前記処理手段は、前記予め定められた期間内に前記予め定められた操作が行われたと判定された場合、前記ペアリングモードが設定されていない場合に実行される前記第1及び第2の構成機器間の無線通信で使用される第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使用して前記第1及び第2の構成機器間で無線通信を実行し、当該無線通信が予め定められた期間継続して行われた場合に、前記第1の周波数帯を使用した無線通信を実行する際に必要な認証キーを発行する。前記制御手段は、前記発行された認証キーを用いて認証される前記第2の構成機器からの前記第1の構成機器へのアクセスを許可する。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るエレベータシステムにおけるエレベータ10の構成を示す。図1に示すエレベータ10では、制御盤と称される、当該エレベータ10全体の制御を行うエレベータ制御装置11が昇降路20の上部に備えられている。
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係るエレベータシステムにおけるエレベータ10の構成を示す。図1に示すエレベータ10では、制御盤と称される、当該エレベータ10全体の制御を行うエレベータ制御装置11が昇降路20の上部に備えられている。
エレベータ10においては、昇降路20内に乗りかご12とカウンタウエイト(釣り合い錘)13とが設けられており、それぞれガイドレール(図示せず)に昇降動作可能に支持されている。
また、昇降路20の上部には、エレベータ制御装置11と接続される巻上げ機14が設置されている。巻上げ機14は、一端が乗りかご12と接続され、他端がカウンタウエイト13と接続されたメインロープ15が巻き架けられている。
エレベータ10においては、エレベータ制御装置11の制御に基づいて巻上げ機14が駆動されることによって、メインロープ15の両端に接続された乗りかご12及びカウンタウエイト13が互いに反対方向に昇降動作する。
更に、乗りかご12が着床する各階のホールのうち、例えば最上階に位置するホール31には、エレベータ10の保守点検時に操作されるメンテナンス装置(メンテナンスボックス)16が備えられている。このメンテナンス装置16には、例えばエレベータ10の保守点検時に乗りかご12のかごドアを開閉制御するためのボタン(開ボタン及び閉ボタン)及び当該乗りかご12の昇降動作を制御するためのボタン(アップボタン及びダウンボタン)等が設けられている。
メンテナンス装置16は、エレベータ制御装置11と通信可能に構成されている。メンテナンス装置16は、エレベータ制御装置11との通信を実行することにより、当該エレベータ制御装置11からエレベータ10のメンテナンス等に必要な情報を収集する。
本実施形態において、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16(エレベータシステムを構成する第1及び第2の構成機器)は、互いに無線通信を実行する機能(以下、無線通信機能と表記)を有しているものとする。すなわち、メンテナンス装置16は、エレベータ制御装置11との無線通信を実行することによって、上記したエレベータ10のメンテナンス等に必要な情報を収集する。エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16の各々が無線通信機能を有していない場合には、当該エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16の各々の近傍に設置された無線通信装置を介して、当該エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間の無線通信が実行されるような構成であってもよい。
図1においては省略されているが、乗りかご12の上部には、例えばホール31〜34等に着床した乗りかご12のかごドアを開閉制御するためのかご制御装置が設けられている。
更に、乗りかご12内には、行先階登録装置が設けられている。行先階登録装置は、乗りかご12内に乗車した利用者の行先階を登録するための行先階ボタンを含み、当該行先階ボタンに対する操作が利用者によって行われた場合、当該利用者によって登録された行先階を表す信号(かご呼び)を例えばエレベータ制御装置11に出力する。
また、乗りかご12が着床する各階のホール31〜34には、ホール呼び登録装置が設けられている。ホール呼び登録装置は、利用者が乗りかご12に乗車するホールの位置(登録階)を登録するためのホール呼びボタンを含み、当該ホール呼びボタンに対する操作が利用者によって行われた場合、利用者によって登録された当該ホールの位置及び行先方向(上方向/下方向)を表す信号(ホール呼び)を例えばエレベータ制御装置11に出力する。
本実施形態に係るエレベータシステムは、エレベータ10の動作状態を監視するための監視盤、エレベータ10の保守員が使用する保守ツール(例えば、携帯端末等)及びエレベータ10を遠隔監視するための遠隔監視センタに備えられる端末(以下、遠隔監視端末と表記)等を備えていてもよい。監視盤、保守ツール及び遠隔監視端末は、エレベータ制御装置11またはメンテナンス装置16等と通信可能に接続されている。
図2は、本実施形態に係るエレベータシステムを構成する機器(以下、構成機器と表記)の機能構成を示すブロック図である。本実施形態における構成機器とは、エレベータシステムを構成する機器であって、他の機器との無線通信を実行する機器をいう。図2においては、エレベータシステムを構成する構成機器として、エレベータ制御装置11(第1の構成装置)及びメンテナンス装置16(第2の構成装置)の機能構成が示されている。
ここで、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信が実行される場合、当該無線通信が傍受されることによって、上記したエレベータ10のメンテナンス等に必要な情報が外部の機器により不正に取得される場合がある。このため、本実施形態において、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16は、エレベータシステムの無線通信におけるセキュリティを確保するための構成を有する。
図2に示すように、エレベータ制御装置11は、モード設定部111、ペアリング処理部112、格納部113、通信制御部114及び運行制御部115を含む。
モード設定部111は、エレベータシステム(エレベータ制御装置11)の動作モードを設定する機能を有する。モード設定部111は、エレベータ制御装置11と無線通信を実行可能な機器を登録するためのモード(以下、ペアリングモードと表記)を設定する。また、モード設定部111は、エレベータ10を試運転するためのモード(以下、テストモードと表記)を設定する。
ペアリング処理部112は、エレベータ制御装置11と無線通信を実行可能な機器として例えばメンテナンス装置16を登録するための処理を実行する。ペアリング処理部112は、モード設定部111によってペアリングモードが設定されている間にメンテナンス装置16において所定の操作(以下、ペアリング操作と表記)が行われた場合、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信を実行する際に必要な認証キーを発行する。ペアリング処理部112によって発行された認証キーは、メンテナンス装置16に送信される。
格納部113は、ペアリング処理部112によって発行された認証キーを格納する。また、格納部113は、上記したペアリング処理部112によって認証キーが発行された際にエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で実行された無線通信の実績を示す情報(以下、通信実績情報と表記)を格納する。
通信制御部114は、例えばエレベータ10の通常運行時におけるエレベータ制御装置11と他の構成機器との無線通信等を制御する機能を有する。通信制御部114は、例えばペアリング処理部112によって発行された認証キーを用いて認証されるメンテナンス装置16からのエレベータ制御装置11へのアクセスを許可する。一方、通信制御部114は、ペアリング処理部112によって発行された認証キーを用いて認証されない機器(例えば、構成機器以外の外部機器等)からのエレベータ制御装置11へのアクセスを拒否する。なお、通信制御部114がエレベータ制御装置11へのアクセスを許可または拒否する際には、認証キーに加えて、上述した通信実績情報が用いられる。
運行制御部115は、ペアリング処理部112によって発行された認証キーを用いて認証されない機器からエレベータ制御装置11にアクセスされた場合、エレベータ10の運行を停止する制御を行う。
また、図2に示すように、メンテナンス装置16は、操作判定部161、格納部162及び通信制御部163を含む。
操作判定部161は、メンテナンス装置16に対する例えばエレベータ10の管理者の操作を検出する機能を有する。操作判定部161は、検出された管理者の操作が上記したペアリング操作であるか否かを判定する。管理者の操作がペアリング操作であると判定された場合、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信が実行される。これにより、メンテナンス装置16では、エレベータ制御装置11(に含まれるペアリング処理部112)によって発行された認証キーが取得(受信)される。
格納部162は、エレベータ制御装置11から取得された認証キーを格納する。また、格納部162は、認証キーが取得された際にエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で実行された無線通信の実績を示す情報(通信実績情報)を格納する。
通信制御部163は、メンテナンス装置16と他の構成機器との無線通信を制御する機能を有する。通信制御部163は、例えばエレベータ10の通常運行時にエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信を実行する場合、後述するエレベータ制御装置11からの要求に応じて格納部162に格納された認証キー及び通信実績情報をエレベータ制御装置11に送信する。
以下、本実施形態に係るエレベータシステムを構成する構成機器間で無線通信を実行する際の動作について説明する。
例えばエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信を実行する場合には、前処理として機器登録処理が実行される。機器登録処理は、上記したエレベータ制御装置11と無線通信を実行可能な機器(例えば、メンテナンス装置16)を登録するための処理である。図3のフローチャートを参照して、機器登録処理の処理手順について説明する。
本実施形態において、エレベータ制御装置11と無線通信を実行可能な機器を登録するためには、エレベータ制御装置11において上記したペアリングモードが設定される必要がある。換言すれば、エレベータシステムの無線通信におけるセキュリティを確保し、登録された正当な機器のみとの無線通信を実現するためには、ペアリングモードが設定される状況を限定することにより、不正な機器がエレベータ制御装置11と無線通信を実行な機器として登録されることを防止する必要がある。
そこで、本実施形態において、ペアリングモードは、エレベータ10を試運転するためのテストモードの設定中に設定可能であるものとする。テストモードは、例えばエレベータ制御装置11に対するエレベータ10の管理者の操作に応じて、モード設定部111によって設定される。
機器登録処理においては、まず、エレベータ制御装置11においてテストモードが設定されているか否かが判定される(ステップS1)。
テストモードが設定されていると判定された場合(ステップS1のYES)、エレベータ制御装置11においてペアリングモードが設定されたか否かが判定される(ステップS2)。ペアリングモードは、例えばエレベータ制御装置11に対するエレベータ10の管理者の操作(例えば、ハードスイッチを押下する操作等)に応じて、モード設定部111によって設定される。
ペアリングモードが設定されたと判定された場合(ステップS2のYES)、エレベータ制御装置11は、メンテナンス装置16と無線通信可能な状態となる。なお、エレベータ制御装置11がメンテナンス装置16と無線通信可能な状態となった場合、当該状態(以下、エレベータ制御装置11の通信可能状態と表記)はメンテナンス装置16において認識される。
ここで、メンテナンス装置16をエレベータ制御装置11と無線通信を実行可能な機器(以下、通信可能機器と表記)として登録する場合、管理者は、エレベータ制御装置11においてペアリングモードが設定されている間に、当該メンテナンス装置16に対してペアリング操作を行うものとする。ペアリング操作は、例えばメンテナンス装置16に設けられている所定のボタンを所定の回数押下する操作(例えば、閉ボタンを3回押下する等)を含む。なお、このペアリング操作は一例である。ペアリング操作は、ペアリング操作を行うことを意図していないにもかかわらず当該ペアリング操作と同等の操作を行ってしまうような操作でなければ他の操作であっても構わない。ペアリング操作は、例えばメンテナンス装置16内において予め設定されている。
エレベータ制御装置11の通信可能状態がメンテナンス装置16において認識されると、メンテナンス装置16に含まれる操作判定部161は、メンテナンス装置16に対してペアリング操作が行われた(つまり、ペアリング操作が受け付けられた)か否を判定する(ステップS3)。
ペアリング操作が行われたと判定された場合(ステップS3のYES)、操作判定部161は、当該ペアリング操作が所定期間(予め定められた期間)内に行われたか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、操作判定部161は、例えばエレベータ制御装置11においてペアリングモードが設定された(つまり、エレベータ制御装置11の通信可能状態がメンテナンス装置16において認識された)後、所定期間内にペアリング操作が行われたか否かを判定する。ステップS4における所定期間としては、例えば1分間等が設定されているものとする。
ペアリング操作が所定期間内に行われたと判定された場合(ステップS4のYES)、メンテナンス装置16は、エレベータ制御装置11と無線通信可能な状態となる。これによれば、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信が開始される(ステップS5)。
ここで、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で開始される無線通信においては、例えば後に実行されるエレベータの通常運行時の無線通信で使用される周波数帯(第1の周波数帯)とは異なるペアリング用の周波数帯(第2の周波数帯)が使用されるものとする。更に、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で開始される無線通信は、ペアリング用のプロトコルで実行される。
次に、エレベータ制御装置11に含まれるペアリング処理部112は、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間の無線通信が開始された後、所定期間(予め定められた期間)が経過したか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6における所定期間としては、例えば1分間等が設定されているものとする。
所定期間が経過したと判定された場合(ステップS6のYES)、ペアリング処理部112は、メンテナンス装置16を通信可能機器として登録するために、上記した認証キーを発行する(ステップS7)。ペアリング処理部112によって発行される認証キーは、ステップS7の処理が実行される際にエレベータ制御装置11において生成されてもよいし、当該エレベータ制御装置11内に予め保持されていてもよい。ペアリング処理部112によって発行された認証キーは、通信制御部114を介して、メンテナンス装置16に送信される。
エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16の各々において、ペアリング処理部112によって発行された認証キー及び当該認証キーが発行された際にエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で実行された無線通信の実績を示す通信実績情報(データ)が格納される(ステップS8)。
具体的には、エレベータ制御装置11においては、ペアリング処理部112によって発行された認証キー及び通信実績情報が格納部113に格納される。この場合、認証キー及び通信実績情報は、例えばメンテナンス装置16を識別するための識別情報(以下、登録機器IDと表記)に対応づけて格納部113に格納(登録)される。格納部113に格納される通信実績情報は、上記したステップS5において開始された無線通信に関する情報であり、例えば認証キーをメンテナンス装置16に対して送信したこと(つまり、認証キーの送信履歴)を示す情報等を含む。
同様に、メンテナンス装置16においては、ペアリング処理部112によって発行された認証キー(つまり、エレベータ制御装置11から受信された認証キー)及び通信実績情報が格納部162に格納される。格納部162に格納される通信実績情報は、上記したステップS5において開始された無線通信に関する情報であり、例えば認証キーをエレベータ制御装置11から受信したこと(つまり、認証キーの受信履歴)を示す情報等を含む。
このようにエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16の各々において格納された認証キー及び通信実績情報は、後のエレベータ10の通常運行時にエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信が実行される際に用いられる。
なお、エレベータ制御装置11に含まれる格納部113においては、認証キーが発行されたメンテナンス装置16(つまり、通信可能機器)を示す情報として当該メンテナンス装置16に割り当てられているID等が管理される。
ステップS1においてテストモードが設定されていないと判定された場合(ステップS1のNO)、機器登録処理は終了される。すなわち、この場合には、認証キーが発行されず、通信可能機器を登録することはできない。
ステップS2においてペアリングモードが設定されていないと判定された場合(ステップS2のNO)、ステップS3においてペアリング操作が行われていないと判定された場合(ステップS3のNO)、ステップS4においてペアリング操作が所定期間内に行われていないと判定された場合(ステップS4のNO)、及びステップS6において所定期間が経過したと判定された場合(ステップS6のNO)についても同様である。
上述した機器登録処理によれば、不正な機器が通信可能機器として登録されることを防止するために、上述したテストモードが設定中であること以外にも当該通信可能機器を登録することができる状況を限定している。すなわち、本実施形態において例えばメンテナンス装置16を通信可能機器として登録するためには、ペアリングモードが設定された後に所定期間内にペアリング操作が行われ、更に、ペアリング用の周波数帯及びプロトコルで所定期間が経過するまで無線通信が実行される必要がある。
図3において説明した通信可能機器が登録される状況(限定)は一例であるため、より簡易な状況で通信可能機器を登録可能としてもよいし、より複雑な状況でなければ通信可能機器を登録することができないようにしてもよい。
上記した機器登録処理が終了されると、エレベータシステムにおいて、エレベータ10の通常運行(またはテストモードにおける動作)が行われる。
機器登録処理が定期的に実行されることによって、当該機器登録処理において一旦発行された認証キーが定期的に更新される構成とすることも可能である。
次に、図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係るエレベータシステムを構成する構成機器間で無線通信を実行する際の処理手順について説明する。ここでは、エレベータ制御装置11が他の機器(以下、通信相手機器と表記)からアクセスされる場合を想定する。この場合、図4に示す処理は、エレベータ制御装置11によって実行される。
エレベータ制御装置11にアクセスしようとする通信相手機器(つまり、エレベータ制御装置11と無線通信可能な状態にある通信相手機器)が存在する場合、エレベータ制御装置11に含まれる通信制御部114は、当該通信相手機器を認識(検出)する。
通信相手機器が認識された場合、エレベータ制御装置11に含まれる通信制御部114は、当該認識された通信相手機器に対して認証キーを要求する(ステップS11)。
通信制御部114は、エレベータ制御装置11(通信制御部114)からの要求に対する通信相手機器からの応答に基づいて、通信相手機器が機器登録処理において登録された正当な機器(つまり、通信可能機器)であるか否かを判定する(ステップS12)。この場合、通信制御部114は、格納部113に格納されている認証キーに基づいて判定処理を実行する。
ここで、認証キーが要求された通信相手機器が例えばメンテナンス装置16(つまり、正当な機器)である場合、当該メンテナンス装置16に含まれる通信制御部163は、格納部162に格納されている認証キーをエレベータ制御装置11からの要求に対する応答として当該エレベータ制御装置11に返送する。このようにメンテナンス装置16から返送された認証キーは、エレベータ制御装置11(に含まれる格納部113)において登録されている(つまり、格納部113に格納されている認証キーと一致する)。この場合、通信制御部114は、通信相手機器(メンテナンス装置16)が正当な機器であると判定する。
一方、認証キーが要求された通信相手機器が例えば正当な機器でない(つまり、不正な機器である)場合、当該不正な機器はエレベータ制御装置11(に含まれるペアリング処理部112)によって発行された認証キーを有していない。この場合、不正な機器である通信相手機器は、エレベータ制御装置11において登録されていない認証キー(つまり、誤った認証キー)を返送する、または認証キーを返送しないことになる。この場合、通信制御部114は、通信相手機器が正当な機器でないと判定する。
通信相手機器が正当な機器であると判定された場合(ステップS12のYES)、通信制御部114は、当該通信相手機器に対して通信実績情報を要求する(ステップS13)。
通信制御部114は、エレベータ制御装置11(通信制御部114)からの要求に対する通信相手機器からの応答として、通信相手機器から返送された認証キーが発行された際に実行された無線通信の実績を示す通信実績情報が受信されたか否かを判定する(ステップS14)。
上記したように通信相手機器がメンテナンス装置16である場合、当該メンテナンス装置16に含まれる格納部162には通信実績情報が格納されている(つまり、通信実績情報を有している)。この場合、メンテナンス装置16に含まれる通信制御部163は、格納部162に格納されている通信実績情報をエレベータ制御装置11からの要求に対する応答として当該エレベータ制御装置11に返送する。これによれば、通信制御部114は、通信相手機器から通信実績情報を受信することができる。よって、通信制御部114は、通信実績情報が受信されたと判定する。
通信相手機器から返送された通信実績情報が正当な情報(つまり、認証キーが発行された際に実行された無線通信の実績を示す情報)であるか否かは、エレベータ制御装置11に含まれる格納部113に格納されている通信実績情報に基づいて判定することができる。
なお、ステップS12において通信相手機器が正当な機器であると判定された場合、通常、通信相手機器は通信実績情報を有している。しかしながら、認証キーを有していたとしても、通信相手機器は、正当な機器である機器から認証キーを不正に取得した不正な機器である可能性がある。すなわち、ステップS13及びS14の処理は、このような不正な機器を排除するために実行される処理である。
通信実績情報が受信されたと判定された場合(ステップS14のYES)、通信制御部114は、通信相手機器(つまり、機器登録処理において発行された認証キーを用いて認証される機器)からのエレベータ制御装置11へのアクセスを許可する。この場合、エレベータシステムにおけるエレベータ10の運行は継続される(ステップS15)。
一方、ステップS12において通信相手機器が正当な機器でないと判定された場合(ステップS12のNO)、またはステップS14において通信実績情報が受信されていない(または誤った通信実績情報が受信された)場合(ステップS14のNO)、通信制御部114は、通信相手機器からのエレベータ制御装置11へのアクセスが不正なものであるとして、当該アクセスを拒否する。
この場合、運行制御部115は、エレベータシステムにおけるエレベータ10の運行を停止する(ステップS16)。
更に、運行制御部115は、エレベータシステムにおいて不正アクセスが行われたことを通知する(ステップS17)。不正アクセスが行われたことは、例えば上述した監視盤、保守ツール及び遠隔監視センタ等に通知される。
ここでは、不正アクセスが行われた場合に、エレベータ10の運行を停止し、かつ、当該不正アクセスが行われたことが通知されるものとして説明したが、エレベータ10の運行を停止することは当該エレベータ10の利用者に与える影響が大きいため、ステップS16の処理は行われず、ステップS17の処理のみが行われるようにしてもよい。一方、ステップS17の処理が行われず、ステップS16の処理のみが行われるようにしてもよい。
図4に示す処理はエレベータ制御装置11において通信相手機器が認識された場合に実行されるものとして説明したが、当該図4に示す処理は、エレベータ制御装置11において例えば不正アクセスが行われる可能性がある通信相手機器が認識された場合にのみ実行される構成であってもよい。具体的には、エレベータ制御装置11が通信相手機器を認識した場合には例えば当該通信相手機器が有する機器IDを取得することができる。これにより、エレベータ制御装置11(に含まれる格納部113)に登録されている登録機器IDと同一の機器IDが複数取得された場合(つまり、同一の機器IDを有する複数の機器が認識された場合)には、当該複数の機器には不正な機器が含まれている可能性が高い。よって、登録機器IDと同一の機器IDを有する複数の機器が認識された場合にのみ図4に示す処理が実行されるようにしてもよい。
また、図4に示す処理はエレベータ制御装置11が実行するものとして説明したが、例えばメンテナンス装置16に対して不正な機器がアクセスする場合も想定される。このため、図4に示す処理は、メンテナンス装置16においても同様に実行されるものとする。
上記したように本実施形態においては、ペアリングモードが設定されている間に、ペアリング操作(予め定められた操作)がメンテナンス装置16(第2の構成機器)において行われた場合に、エレベータ制御装置11(第1の構成機器)が認証キーを発行する。エレベータ制御装置11は、発行された認証キーを用いて認証されるメンテナンス装置16からのアクセスを許可する。本実施形態においては、このような構成により、認証キーが発行された構成機器間での無線通信を可能とするため、エレベータシステムの無線通信におけるセキュリティを確保することが可能となり、エレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間の無線通信が傍受されることにより有用な情報(例えば、メンテナンス情報)が不正に取得されることを防止することが可能となる。
また、本実施形態においては、エレベータ10を試運転するためのテストモードの設定中にペアリングモードが設定される。更に、本実施形態においては、所定期間内にペアリング操作が行われた場合であって、ペアリング用の周波数帯(第2の周波数帯)を使用した無線通信が所定期間が経過するまで継続して行われた場合に認証キーが発行される。すなわち、本実施形態においては、機器登録処理において通信可能機器が登録される状況が限定されている。本実施形態においては、このような構成により、エレベータシステム外部の不正な機器が通信可能機器として登録されることを防止することが可能となる。
更に、本実施形態においては、アクセスを許可する際に通信実績情報を用いることにより、仮に認証キーを不正に取得した機器が存在した場合であっても、当該機器のアクセスを拒否することが可能となるため、より高いセキュリティを実現することができる。
また、本実施形態においては、認証キーを用いて認証されない機器からアクセスされた場合には、エレベータ10の運行を停止する、または不正アクセスが行われたことを通知することが可能である。
なお、本実施形態においてはエレベータシステムを構成する構成機器としてエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信が実行される場合について説明したが、エレベータシステムを構成する構成機器であれば、他の構成機器間で無線通信が実行される場合に本実施形態が適用されても構わない。更に、このような構成機器間で無線通信される情報は、上述したメンテナンス情報以外の情報であっても構わない。このような場合であっても、無線通信が実行される構成機器間で、上述した図3及び図4の処理が実行されればよい。
ここで、エレベータシステムを構成する構成機器には、例えば乗りかご12(かご制御装置、行先階登録装置)、ホール呼び登録装置、監視盤、保守ツール及び遠隔監視端末等が含まれる。
すなわち、本実施形態は、エレベータ制御装置11と乗りかご12(かご制御装置、行先階登録装置)またはホール呼び登録装置との間で無線通信が実行される場合に適用されてもよい。これによれば、エレベータ制御装置11と乗りかご12またはホール呼び登録装置との間の無線通信が傍受されることにより例えばエレベータ10に対する外部からの不正なコントロールを受けることを防止することが可能となる。
また、上記したメンテナンス情報は、例えば監視盤、保守ツールまたは遠隔監視端末等においても利用される。したがって、本実施形態は、エレベータ制御装置11(またはメンテナンス装置16)と監視盤、保守ツールまたは遠隔監視端末との間で無線通信が実行される場合に適用されてもよい。これによれば、エレベータ制御装置11(またはメンテナンス装置16)と監視盤、保守ツールまたは遠隔監視端末との間の無線通信が傍受されることにより有用な情報が不正に取得されることを防止することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態においてはエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信を実行する場合について主に説明したが、エレベータシステムにおいては前述したように例えばエレベータ制御装置11とメンテナンス装置16以外の構成機器との間で無線通信を実行する場合がある。本実施形態におけるメンテナンス装置16以外の構成機器には、例えば乗りかご12、ホール呼び登録装置、監視盤、保守ツール及び遠隔監視端末等が含まれる。
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態においてはエレベータ制御装置11及びメンテナンス装置16間で無線通信を実行する場合について主に説明したが、エレベータシステムにおいては前述したように例えばエレベータ制御装置11とメンテナンス装置16以外の構成機器との間で無線通信を実行する場合がある。本実施形態におけるメンテナンス装置16以外の構成機器には、例えば乗りかご12、ホール呼び登録装置、監視盤、保守ツール及び遠隔監視端末等が含まれる。
ここで、前述したエレベータ10のメンテナンス等に必要な情報には、エレベータ10の動作情報(乗りかご12の位置情報等)、エラーコード(故障情報)、メンテナンス情報(エレベータ10のメンテナンスのための情報)及びサービス情報(客先に対するサービス用の情報)等が含まれる。エレベータシステムにおいて、上記したメンテナンス装置16以外の構成機器では、これらの情報のうちの一部のみを使用する(送受信する)場合が多い。したがって、例えばエレベータ制御装置11と無線通信を実行する構成機器がメンテナンス装置16以外の機器である場合には、前述したメンテナンス装置16と同程度のセキュリティは要求されない場合がある。
そこで、本実施形態においては、例えばエレベータ制御装置11がメンテナンス装置16以外の構成機器と無線通信を実行する場合に、前述した図3に示す機器登録処理とは異なる処理が実行されるものとする。以下の説明においては、メンテナンス装置16以外の構成機器を対象機器と称する。
なお、本実施形態に係るエレベータシステムにおけるエレベータ10の構成は、前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1を用いて説明する。また、エレベータ制御装置11の機能構成は、前述した第1の実施形態と同様であるため、図2を用いて説明する。更に、エレベータ制御装置11と無線通信を実行する対象機器は、前述した図2に示すメンテナンス装置16と同様の機能部(操作判定部、格納部及び通信制御部)を含むものとする。
以下、図5のフローチャートを参照して、エレベータ制御装置11及び対象機器間で無線通信を実行する場合の機器登録処理の処理手順について説明する。
この場合、エレベータ制御装置11においてペアリングモードが設定されたか否かが判定される(ステップS21)。ペアリングモードは、前述したように、例えばエレベータ制御装置11に対するエレベータ10の管理者の操作に応じて、モード設定部111によって設定される。なお、ペアリングモードの設定は、例えば遠隔監視端末からの指令に基づいて行われても構わない。
ペアリングモードが設定されたと判定された場合(ステップS21のYES)、エレベータ制御装置11は対象機器と無線通信可能な状態となる。なお、エレベータ制御装置11が対象機器と無線通信可能な状態となった場合、当該エレベータ制御装置11の通信可能状態は対象機器において認識される。
ここで、対象機器を通信可能機器として登録する場合、管理者は、エレベータ制御装置11においてペアリングモードが設定されている間に、当該対象機器に対して所定の操作(ペアリング操作)を行うものとする。
エレベータ制御装置11の通信可能状態が対象機器において認識されると、対象機器(に含まれる操作判定部)は、当該対象機器に対してペアリング操作が行われた(つまり、ペアリング操作が受け付けられた)か否かを判定する(ステップS22)。
ペアリング操作が行われたと判定された場合(ステップS22のYES)、対象機器は、エレベータ制御装置11と無線通信可能な状態となる。これによれば、エレベータ制御装置11及び対象機器間で無線通信が開始される(ステップS23)。
次に、エレベータ制御装置11に含まれるペアリング処理部112は、対象機器を通信可能機器として登録するために、認証キーを発行する(ステップS24)。なお、認証キーについては、前述した第1の実施形態において説明した通りであるため、その詳しい説明を省略する。
エレベータ制御装置11及び対象機器の各々において、ペアリング処理部112によって発行された認証キー及び通信実績情報が格納(登録)される(ステップS25)。ステップS25の処理は、前述したステップS8の処理に相当する処理であるため、その詳しい説明を省略する。
ステップS21においてペアリングモードが設定されていないと判定された場合(ステップS21のNO)、またはステップS22においてペアリング操作が行われていないと判定された場合(ステップS22のNO)、機器登録処理は終了される。
上述した機器登録処理によれば、前述した図3において説明した例えば、メンテナンス装置16が通信可能機器として登録される状況よりも簡易な状況で対象機器を登録することができる。すなわち、本実施形態においては、ペアリングモードが設定されている間に対象機器に対してペアリング操作を行うのみで当該対象機器を通信可能機器として登録することができる。
ステップS25においてエレベータ制御装置11及び対象機器の各々において格納された認証キー及び通信実績情報は、エレベータ10の通常運行時にエレベータ制御装置11及び対象機器間で無線通信が実行される際に用いられる。
なお、本実施形態に係るエレベータシステムを構成する構成機器間(例えば、エレベータ制御装置11及び対象機器間等)で無線通信を実行する際の処理については、前述した図4に示す処理と同様であるため、その詳しい説明を省略する。
また、図4に示す処理においては認証キー及び通信実績情報の双方が用いられるものとして説明しているが、本実施形態においては、認証キーのみが用いられる構成であってもよい。この場合、図4に示すステップS13及びS14の処理は省略されるものとする。更に、図5に示すステップS25の処理においては、認証キーのみが格納されるようにしてもよい。
上記したように本実施形態においては、メンテナンス装置16と同程度のセキュリティを確保する必要のない構成機器に関しては、当該メンテナンス装置16と比較してより簡易な状況で認証キーを発行する(つまり、当該構成機器を通信可能機器として登録する)構成により、当該構成機器の登録時の管理者の手間及び負担を軽減することができる。
なお、メンテナンス装置16以外の各構成機器(乗りかご12、ホール呼び登録装置、監視盤、保守ツール及び遠隔監視端末等)では、それぞれ異なる情報(データ)が使用される。このため、本実施形態においては、例えば各構成機器で使用される情報の種別(または当該各構成機器が使用される状況)等に応じてペアリング操作を変更することによって、当該構成機器毎に通信可能機器として登録される状況を変更することも可能である。
具体的には、エレベータ制御装置11と乗りかご12またはホール呼び登録装置との間の無線通信においては例えばエレベータ10の動作情報等が送受信されるが、当該エレベータ10の動作情報は比較的重要度の低い情報である。このため、乗りかご12及びホール呼び登録装置を通信可能機器として登録する際のペアリング操作は、例えば所定期間内(例えば10秒〜1分程度の間)に所定のボタンを順番に押下する操作等とし、比較的容易に通信可能機器として登録可能な構成とする。
また、監視盤は、客先の要望等により外部の機器(他社の監視盤等)と無線通信を実行する場合がある。したがって、監視端末と特定の第三者の機器とが無線通信を実行する場合を考慮して、監視盤を通信可能機器として登録するためのペアリング操作は、比較的容易な操作、例えば所定のボタンを押下する操作等とする。
更に、エレベータ制御装置11(またはメンテナンス装置16)と保守ツールまたは遠隔監視端末との間の無線通信においては、上述したエレベータ10のメンテナンス等に必要な情報の多くが送受信される。エレベータ10のメンテナンス等に必要な情報のうち例えばエラーコード及びメンテナンス情報は必要以上に第三者に開示する必要はない。このため、保守ツール及び遠隔監視端末を通信可能機器として登録する際のペアリング操作は、例えばパスワードの入力操作等の比較的高いセキュリティを実現できるような操作とする。
本実施形態においては、上記したように各構成機器で使用される情報の種別または当該各構成機器が使用される状況等に応じてペアリング操作を変更することによって、例えばエレベータ制御装置11及び当該各構成機器間の無線通信において適切なセキュリティを確保することができる。
なお、本実施形態において説明した図5に示す処理は、エレベータ制御装置11とメンテナンス装置16以外の構成機器との間で無線通信が実行される場合の機器登録処理であるが、例えば不正な機器によって傍受される可能性が低い環境であれば、エレベータ制御装置11とメンテナンス装置16との間で無線通信が実行される場合に図5に示す処理が実行されても構わない。
更に、停電等によりエレベータシステムを構成する構成機器間の通信がダウンした場合には、復帰時に上述した図4に示す処理が実行されるものとする。具体的には、図4に示す処理により構成機器が正当な機器であると判定された場合に、例えばエレベータ制御装置11及び当該構成機器間の無線通信を復帰させる。通信のダウンにより、構成機器が正当な機器として登録されていないものとなっているときは、再度機器登録処理が実行されることによって、当該構成機器を通信可能機器として登録することができる。構成機器を新たな構成機器に交換する場合も同様に機器登録処理が実行される。なお、交換前の構成機器に対して発行された認証キー等の情報の削除を行う必要はないが、エレベータシステム(エレベータ制御装置11等)において適宜削除(リセット)されてもよい。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、無線通信におけるセキュリティを確保することが可能なエレベータシステム及び無線通信方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…エレベータ、11…エレベータ制御装置、12…乗りかご、13…カウンタウエイト、14…巻上げ機、15…メインロープ、16…メンテナンス装置、111…モード設定部、112…ペアリング処理部、113…格納部、114…通信制御部、115…運行制御部、161…操作判定部、162…格納部、163…通信制御部。
Claims (5)
- 第1及び第2の構成機器を備えるエレベータシステムにおいて、
前記第1の構成機器は、設定手段と、処理手段と、制御手段とを含み、
前記第2の構成機器は、判定手段を含み、
前記設定手段は、エレベータを試運転するためのテストモードの設定中に、前記第1の構成機器と無線通信を実行可能な機器を登録するためのペアリングモードを設定し、
前記判定手段は、前記ペアリングモードが設定された後、予め定められた期間内に前記第2の構成機器に対して予め定められた操作が行われたかを判定し、
前記処理手段は、
前記予め定められた期間内に前記予め定められた操作が行われたと判定された場合、前記ペアリングモードが設定されていない場合に実行される前記第1及び第2の構成機器間の無線通信で使用される第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使用して前記第1及び第2の構成機器間で無線通信を実行し、
当該無線通信が予め定められた期間継続して行われた場合に、前記第1の周波数帯を使用した無線通信を実行する際に必要な認証キーを発行し、
前記制御手段は、前記発行された認証キーを用いて認証される前記第2の構成機器からの前記第1の構成機器へのアクセスを許可する
エレベータシステム。 - 前記制御手段は、前記発行された認証キーと、前記認証キーが発行された際に前記第1及び第2の構成機器間で実行された無線通信の実績を示す通信実績情報とを用いて認証される前記第2の構成機器からのアクセスを許可する
請求項1記載のエレベータシステム。 - 前記第1の構成機器は、前記発行された認証キーを用いて認証されない前記第2の構成機器以外の機器から前記第1の構成機器にアクセスされた場合、エレベータの運行を停止する停止手段を更に含む、請求項1記載のエレベータシステム。
- 前記第1の構成機器は、前記発行された認証キーを用いて認証されない前記第2の構成機器以外の機器から前記第1の構成機器にアクセスされた場合、不正アクセスが行われたことを通知する通知手段を更に含む、請求項1記載のエレベータシステム。
- 第1及び第2の構成機器を備えるエレベータシステムが実行する無線通信方法であって、
エレベータを試運転するためのテストモードの設定中に、前記第1の構成機器と無線通信を実行可能な機器を登録するためのペアリングモードを前記第1の構成機器が設定することと、
前記ペアリングモードが設定された後、予め定められた期間内に前記第2の構成機器に対して予め定められた操作が行われたかを当該第2の構成機器が判定することと、
前記予め定められた期間内に前記予め定められた操作が行われたと判定された場合、前記ペアリングモードが設定されていない場合に実行される前記第1及び第2の構成機器間の無線通信で使用される第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使用して前記第1及び第2の構成機器間で無線通信を実行することと、
当該無線通信が予め定められた期間継続して行われた場合に、前記第1の周波数帯を使用した無線通信を実行する際に必要な認証キーを前記第1の構成機器が発行することと、
前記発行された認証キーを用いて認証される前記第2の構成機器からの前記第1の構成機器へのアクセスを前記第1の構成機器が許可することと
を具備する無線通信方法。
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