JP5996565B2 - 熱による滲出液量低減を有する創傷治療装置 - Google Patents

Description

本発明は、創傷を吸引、かん流、及び／又は洗浄する装置、並びに、該滲出液を吸引、かん流及び／又は洗浄する装置を用いて創傷及び該創傷からの滲出液を処理する方法に関する。

本発明は、詳しくは、該装置及び方法に関し、該装置及び方法が、種々の創傷に容易に適用できるものであり、治療面、特に創傷治療において有効な物質を保持しつつ、創傷治療に有害な物質を洗浄する。

本発明より以前に、吸引及び／又はかん流装置が知られており、創傷治療中、創傷滲出液を除去するために使用される傾向があった。該創傷治療の既知の手法では、創傷からの流通路は、特に高い滲出状態のとき、回収バッグ又はベッセルなどへの廃棄を無効にされている。該回収バッグ又はベッセルなどは、一杯になると取り外されると共に医療廃棄物として捨てられる。創傷治療に有害な物質はこのようにして除去される。

かかる滲出液の量は時には非常に多く回収バッグ又はベッセルは比較的すぐに一杯になる。ベッセルが空又は交換を必要とするまでの時間を延ばすために、大容量の回収バック又はベッセルを使用すれば、これが、かかる装置の可搬性に関して不利な結果を生じさせ得ると共に、その使用の便宜はデバイス又は装置を扱いにくくし且つ重くする。さらに、回収バッグ又はベッセルの交換は、コストがかかり、時間がかかり、治療を停止させる。

我々の特許文献１に、創傷を吸引、かん流及び洗浄する装置、創傷被覆材、及び方法が開示されている。ごく一般的な言い方をすると、この発明は、局所的な負圧（ＴＮＰ）治療の適用による創傷治療を開示しており、創傷を吸引すると共に、かん流及び又は創傷を洗浄するために追加流体をさらに供給している。該流体は、創傷滲出液及びかん流流体の両方を含んでおり、次に、吸引手段により抜かれると共に、その中の有効な物質を有害な物質から分離する手段を通して循環される。創傷治癒に有効な物質は創傷被覆材を通して再循環されると共に、創傷治癒に有害な物質は廃棄物回収バッグ又はベッセルに廃棄される。

我々の特許文献２には、創傷の吸引、かん流及び洗浄を用いて、創傷を洗浄する装置、創傷被覆材、及び方法が開示されている。またごく一般的な言い方をすると、この文献に記載の発明は、創傷の吸引、かん流、及び洗浄に関して、特許文献１に記載の装置と同様の装置を利用している。一方で、それは、加熱手段を設けるという重要な追加ステップをさらに含んでおり、有効な物質が創傷部位及び／又は被覆材に返送される温度を制御している。その結果、それが、例えば創傷の治療効果に最も効果を有する最適温度となる。

我々の特許文献３は、吸引、かん流、及び創傷の洗浄のための装置及び方法を開示している。またごく一般的な言い方をすると、この文献は、二つの前記文献の装置と同様の装置を開示しているが、供給手段という追加ステップを有しており、生理的に活性な薬剤を創傷部位／被覆材に供給及び適用して、創傷治療を促進している。

創傷の局所的負圧（ＴＮＰ）治療に対しては、有効な様々な形態の装置がある。該装置は、携帯されることを意図していると共に、入院以外、例えば、自宅で、屋外で、又は仕事中でも、患者による使用を意図している。そのため、治療を、必ずしも入院を必要としない創傷に、連続的に行うことができる。
かかる装置では、ベッセル又はキャニスタが設けられており、創傷滲出液を受けている。キャニスタは、負（大気よりも低い）の圧力を与えるポンプなどの吸引手段により、序々に満たされる。最終的に、キャニスタは一杯になり、取り外され、廃棄されなければならず、新品、空のキャニスタが取り付けられる。明らかに、このキャニスタの交換頻度は、少なければ少ないほど良い。

上記の例の全てにおいて、装置の廃棄物容器内に回収される滲出液の量が減らせるようにすることは、明らかに有益であり、その結果、重量を減らし、また廃棄物容器の交換及び廃棄を必要とする頻度を減らすことができることは、これはおそらく、得に、種々の理由で創傷部位及び／又は被覆材に与えられる追加流体が存在すると共に、該流体が、回収されて最終的に廃棄される廃棄物の量を必然的に増加させる場合である。

同時継続国際特許出願公開第２００４／０３７３３４号 同時継続国際特許出願公開第２００５／０４６７０号 同時継続国際特許出願公開第２００５／１０５１８０号

本発明の目的は、最終的に廃棄される必要のある廃棄物の回収割合を減じる装置及び方法を提供することにある。したがって、さらなる目的は、特定の装置において、廃棄物容器の交換が必要な頻度を減らすことにある。

本発明の第一の態様によれば、哺乳類の創傷治療に使用される装置が提供され、該装置は、前記創傷を覆う被覆材を備え、該被覆材は実質的にシールされて、前記創傷に周囲雰囲気空気が侵入するのを防いでおり、周囲雰囲気の侵入に対して、創傷と被覆材との間の入口ポイントにシールされた吸引導管により、前記被覆材と前記創傷との間の空間に操作可能に接続された吸引手段を備え、前記導管は、前記創傷を吸引すると共に、前記創傷と前記被覆材との間の前記空間から流体を除去するためのものであり、前記吸引導管に操作可能に接続され、廃棄すべき吸引済み流体を受ける廃棄物容器を備え、かつ、前記流体を加熱して、その蒸気圧を高めると共に蒸発を生じさせて前記廃棄物容器内の前記流体の量を減らすための加熱手段を備える。

本発明において前記被覆材は事実上、創傷周囲の皮膚にシールされている。しかしながら、用語「シール」とは、絶対条件又は現実には達成可能ではない。なぜなら、創傷被覆を構成する多くの可撓性被覆膜材料は、当業者に周知の半透過性プラスチック材料から成るからである。さらに、ほとんど不可避的な漏れが、通常は既知の感圧接着力剤によりシール被覆材料が接着される皮膚の間、絶対的に完全シールが容易でない毛及び／又は他の皮膚表面の凹凸及び／又は不完全さの間にある。自己接着性の可撓性被覆材ドレープ材料の種類は、創傷の上部及び周囲の膜をシールするＴＮＰ方式の治療に通常使用されており、当業者に周知であるから、必要である場合を除いて、さらにここでは詳しく述べない。

本発明にかかる装置の一実施形態において、前記吸引手段は、ポンプを備え、該ポンプは、負圧を、創傷とシールされた被覆材との間の空間内の創傷部位に与える。誤解を避けるために、ここで使われた用語「負圧」とは、周囲雰囲気圧力よりも低い圧力を意味する。かかる負圧は、一般的に、最も低い圧力で、大気圧よりも低い２５０ｍｍＨｇである。しかし、より一般的なのは、大気圧よりも低い５０〜２００Ｈｇの範囲内である。

負圧を与えるために使用できるポンプには多くの種類があり、例えば、蠕動、羽根、ダイヤフラムなどを含む。

ＴＮＰ装置において吸引力のみが創傷に与えられる場合、前記廃棄物質容器は、吸引手段と、創傷部位に操作可能に接続された導管との間に介在することができ、吸引手段又はポンプはその負圧を廃棄物容器の至る所に与える。しかしながら、他の実施例において、吸引手段は、創傷部位及び／被覆材と廃棄物容器との間に介在することができる。

加熱手段は、対象とする装置に適した任意のものとすることができると共に、前記廃棄物容器と直接接触する加熱マット又はブランケットタイプの材料などを備えることができ、又は、廃棄流体が廃棄物容器に至る前に、廃棄流体を加熱するために、吸引導管と関連することができる。カートリッジヒータおよび赤外線などの、他の加熱形態を用いるこができる。適切な非吸収性キャニスタ材料を選択することができるので、赤外線は、非接触であると共に、エネルギの大部分が流体内に結合することができるという利点を有する。

他の実施例において、加熱手段は、廃棄物容器又はキャニスタと一体的に構成することができると共に、一体熱電対又はサーミスタを含むこともでき、温度が制御システムからのフィードバックループにより制御されるようにしている。

本発明の第一の態様によれば、ＴＮＰ治療のみを意図した装置は、廃棄流体容器内に、一以上のフィルタ要素と共に設けることができる。該フィルタは、例えば疎水性フィルタであり、液体及び細菌の通過又は放出は防ぐが、例えば、気体状態の水蒸気などの、蒸気は通過させる。

かかるフィルタ要素は、例えば、０．２ミクロン孔径のフィルタ及び／又は１ミクロン孔径のものであり、有利に、廃棄物キャニスタ又は容器の出口ダクト内に組み込むことができる。これは、フィルタがきちんと交換されるのを確実にするという利点を有した。それは、例えば、容器が一杯になったときに廃棄される場合であり、そしてさらには、装置から取り外されたときに出口ダクト及び／又は容器をシールする。

本発明の装置の好適な実施形態においては、例えば空気などのガスの、廃棄物容器内流体への供給が提供されている。該ガス供給は、実質的にスパージガス供給である。該スパージガス供給は、流体廃棄物を通過して、例えば、水などのような構成要素に影響を与えるように、構成されている。該水などは、ガス供給により選択的に除去されるように、低い蒸気圧を有する。しかしながら、スパージガスは、用いられた加熱手段の配置及び種類に応じて、廃棄物容器内に既に回収された廃棄流体を通って流れることなく、廃棄物容器内に、吸引済み廃棄物と共に、単に排出することができる。

廃棄物容器はまた好ましくは、ポンプ手段への接続部を有しており、そのように生じた流体蒸気を除去している。ポンプ手段は、吸引手段と同じものとすることができ、又は、廃棄物容器内の廃棄流体を通して気泡を分離した流れとするために、それに追加することもできる。代替的に又はそれに加えて、ガス供給は、適切なバルブ手段により提供されたガスブリードとすることができ、創傷部位被覆材から導いている吸引導管内にガスをブリードする。

本発明の、さらなる好適な修正された実施形態においては、装置はさらに、創傷部位／被覆材へのガス供給を備えることができる。このような創傷部位被覆材へのガス供給は、被覆材内に導いている別の導管によりもたらすことができる。また、該ガス供給は、別に提供されたガス供給、又は、被覆材内に、適切なバルブ手段を介してブリードガスとして提供される共に、吸引手段により被覆材を通して引かれるガスブリードとすることができる。

ガスは、空気、又は、創傷に適合可能な任意の他の適したガスとすることができる。このガス供給は、実質的に、スパージガスとして上述したガス供給とすることができる。しかし、ここで、ガスの流れは、別の第二ブリードガス導管により、最初に、創傷部位／被覆材を通過するように方向づけられている。該第二ブリードガス導管は、吸引手段と同様の手法で、吸引手段により廃棄物容器に抜かれる前に、創傷部位／被覆材内にシールされている。吸引導管は再度、吸引手段により、廃棄流体を通して、ブリードガス供給が、引かれるようにしている。ブリードガスの創傷部位／被覆材への供給は、泡による蒸発に対して核形成部位の表面積及び数を増やすことにより、揮発物の濃度を高めると共に、また、次々に、さらに飽和されたシステムを通過するガスの大きな塊のおかげで、システムを通して流体の物質移動も高めており、その結果、システムを離れる大きな塊を促進している。

ブリードガス供給は、生理作用を有することができ、または、システムを通して、より迅速に、例えばオゾン、亜酸化窒素及び発生された他のガスなどのガスを、希釈又は反応又は簡単にフラッシングすることにより、創傷及び装置の流体システム全体で、生体負荷及び又は臭気を減らす働きをすることができる。創傷部位／被覆材へのガスブリードは、創傷部位／被覆材に追加流体が与えられて、創傷の洗浄及び／又は吸引する場合、特に効果的である。廃棄物容器に至る前に、より多量の滲出液及び他の流体を曝気できることは、蒸発プロセス及び液体の除去を早めており、該液体はさもなければ廃棄物容器内に蓄積したであろう。洗浄及び／又は吸引のために創傷に供給された追加流体は、生理活性薬剤を含むことができ、例えば体温になるまで加熱することができ、また、創傷部位からの滲出液は、ここに共有の三つの同時継続国際特許出願に開示されているように及び上述のように、創傷に再循環される滲出液内の有益な薬剤を除去する前処理がなされて、そして、最終的に廃棄物容器に向かうことになる流体のみが本発明に従って処理されることが、理解されるべきである。

代替の好適な実施形態において、廃棄流体は、流体の蒸発率を高めるために、霧状の液滴の形で廃棄物容器内に排出することができると共に、一部の蒸気は、例えば、別の容器に抜くことができると共に、廃棄することができる。

さらなる代替の好適な実施形態において、廃棄流体は、廃棄物容器内で加熱プレート部材の領域を超えて排出することができる。例えば、加熱プレート部材は傾斜しており、その結果、流体は比較的ゆっくりプレート部材の下方部分に流れ、そのため、比較的長時間を有し、その時間において加熱されると共に比較的薄い膜状となる。したがって、蒸発の割合を高めることができる。

本発明の第二の態様によれば、本発明の第一の態様にかかる装置による創傷治療方法が提供される。

本発明は実施例をさらに十分に理解できるようにするため、ほんの一例として、添付図を参照して説明される。

本発明の第一の好適な実施形態にかかる装置の概略図を示す。 本発明の第一の好適な実施形態にかかる装置の概略図を示す。 本発明にかかる装置において加熱手段として使用できる加熱チューブの端面図を示す。 図１の修正装置の一部を示す。 図１の修正装置の一部の更なる修正を示す。 携帯ＴＮＰ型装置の概略構成を示す。

さて、図面を参照すると、図１は本発明にかかる装置１０の概略的な配置を示す。その概略は、純粋なアセテートで作られている「モデル創傷」を１２で示し、空洞（図示省略）をシミュレートする創傷を備えている。その空洞内において、吸引チューブ１４、洗浄チューブ１６、及び空気ブリードチューブ１８がシールされており、シーリング被覆材を有する創傷をシミュレートするようにしている。四角形２０，２２，２４は、三つのチューブ１４，１６，１８をそれぞれ、装置の残りの適切な部分に接続するコネクタを示す。クランプは、総称して２６及び２８で示され、前記装置から分離されるとき又はチューブの一つを変えるため又は特定チューブに関係する供給源を置換するため、創傷１２を分離する役割を果たす。吸引チューブ１４は、創傷１２にＴＮＰ治療を適用するために、真空ポンプユニット３０に廃棄ボトル３２及び出口チューブ３４を介して接続されている。真空ポンプユニット３０には、種々のフィルターモジュール３８，４０が設けられており、それぞれ、「固形」物質を捕捉すると共に匂いを抑えている。センサ４２は、ポンプ３０により与えられた真空状態をモニタすると共に、廃棄物ボトル３２内の真空状態をモニタする。空気ブリードチューブ１８は、最終的に真空レギュレータ４６に、ライン１８の延長部５０を通して、フィルタ５２を介して、接続されている。創傷圧力センサ５４はまた、チューブ５０に接続されており、創傷１２での実際の降下をモニタするようにしている。流量計５８及び制限器６０は、真空レギュレータユニット４６の前段の、ブリード通路内に設けられている。洗浄液チューブ１６は、蠕動ポンプカセット６４に接続されており、そのカセットは、次に、洗浄液６８を創傷１２に供給する洗浄液６８の容器６６に接続されている。廃棄物ボトル３２には、ヒータ７０が設けられており、そのヒータ上にボトルが位置し、その内容物を加熱するようにしている。装置全体は、制御ユニット７２により制御されており、該制御ユニットは、当業者に周知の電子制御技術の原理に基づき機能する。

チューブ１４により創傷１２を吸引する真空ポンプ３０の機能は、その中に真空を作ることであり、ブリード空気供給を創傷内にチューブ１６を介して引き込むようにしている。ブリード空気の量又は割合は、装置内の様々なセンサからの入力７６に応じて、制御ユニット７２から真空レギュレータへの出力７４により、制御されている。したがって、ブリード空気は、ポンプ３０により与えられる真空により創傷部位内に吸い込まれると共に、また真空ポンプ３０近くの吸引チューブ１４により、創傷滲出液及び洗浄液６８と共に吸い込まれる。創傷部位１２から吸引された廃棄流体８０は、ブリード空気の供給により曝気されると共に、廃棄物ボトル３２にチューブ１４により送られる。ボトル３２内の廃棄流体は、ヒータ７０により、制御システム内の所定温度セットになるまで加熱されると共に、ブリード空気の流れによって、廃棄流体８０を通して、蒸気が、ライン３４を通して抜かれる共に、フィルタ４０を介して排出される。

システムは上記概略に示されるように設定されると共に、圧力は創傷部位１２で大気よりも低い１００ｍｍＨｇに設定された。空気ブリードは０．２ｌ／ｍｉｎに調整され、ヒータ７０は６５℃に設定され、安定させる。生理食塩水が、洗浄液６８として用いられると共に、創傷１２に定率で運ばれて、創傷１２から来る流体となる。運ばれた流体の量は、廃棄ボトル３２内に回収された流体の量と共に記録された。廃棄ボトルに関しては、ガラスボトルが用いられ、ボトル底部に接着されたHawco（登録商標）２０ワットシリコンヒータマットを有する。その条件は、決して最適化されていないが、その結果は、２４時間が経過すると流体の４５ｇの質量が蒸発したことを示した。したがって、システムの適切な最適化により、非常に高いレベルの蒸発を容易に達成することができることが期待される。

図２は、加熱プラスチック材料チューブ１００を示す。該チューブは離散した七つの腔部を有する。該腔部は、流体及び六つの周囲小腔部１０４の通路のために一つの中央腔部１０２を有する。該周囲小腔部には、ニッケルクローム耐性の加熱ワイヤ１０６の連続要素が設けられている。該ワイヤは、腔部１０４を上下に、連続的に、張り巡らされた。該ワイヤ１０８の両端は、そこへ印加された電圧を有する。

この加熱チューブは、図１の装置において、例えば、廃棄ボトル３２内に入る直前のチューブ１４の一部として、用いることができる。この加熱手段により、中央腔部１０２と接触する流体についての表面積対体積比は比較的高く、その流体は廃棄ボトル３２内に入る前に急速に加熱することができる。この加熱チューブは、流体の蒸発率をさらに高めるために、図１に示されたヒータ７０に加えて用いることができるということは、当業者により評価される。

図３は、修正された図１の廃棄ボトルを示す。該修正は、図１のボトル３２内の廃棄流体内に浸された端部を有するチューブ１４に代えて、噴霧ノズルヘッド１２０を置換したことによるものである。スプレーヘッド１２０は、ボトル３２内の廃棄流体レベルの上方で終端すると共に、ボトル３２内の空き領域１２２内に直接噴霧する。噴霧ヘッド１２０に加えて、本実施形態は、さらに修正されており、廃棄ボトル３２内に入る前に廃棄流体を予熱するように図２の加熱チューブ１００を追加している。

図４は、図１の装置の更なる修正の一部の概略図を示す。廃棄物容器は、参照番号３２で示されており、入口アスピラント(aspirant)導管１４の直前である。しかしながら、この場合、創傷滲出液及び他の流体は、ノズル１１０により廃棄物容器内の堰構造１１２を超えて排出される。それは、流体の加熱効率を高めると共に、またその表面積を増やして蒸発率を高めるためである。堰１１２は、適切な加熱要素１１４により加熱されており、制御ユニット７２により制御された電位差Ｖにより、センサ（図示省略）からの温度信号に応じて所定の温度を維持している。廃棄物容器３２にはフィルタ１１６，１１８が設けられており、該フィルタはガス蒸気を通過させるが液体は通過させない。

図５は携帯ＴＮＰ治療装置１３０の一部の概略図を示す。装置はデバイスを備える。該デバイスは、ポンプ１３２と、ポンプにより与えられた圧力を創傷部位（図示省略）でモニタする圧力計１３４と、流量計１３６と、ポンプにより排気口１４０を通して排気されるガス／蒸気を静かにする消音器１３８と、を備える。ポンプは、創傷部位を吸引チューブ又は導管１４２を介して吸引すると共に、該吸引された流体を、図２を参照して記載された加熱導管と同じもの又は同様の加熱導管１４４を通して、すぐに廃棄物キャニスタ１４８内に引き込む。該キャニスタにはフィルタ１５０，１５２が設けられており、該フィルタはガス蒸気及び／又はガスがキャニスタ１４８から出口導管１５４を介して引かれることを確実にしている。導管１４４は、抵抗ヒータ全体に加えられた電圧１５６を有している。該電圧は制御システム（図示省略）により制御されている。該制御システムは、デバイスハウジング（図示省略）内に、ポンプ、圧力計、流量計などと共に配置されている。所望の温度は、既知の方法で加熱導管内に組み込まれた温度センサ（図示省略）からの信号に応じることによって、維持されるように、制御システム内にプリセットすることができる。

１３０ 携帯用ＴＮＰ治療装置
１３２ ポンプ
１３４ 圧力計
１３６ 流量計
１３８ 消音器
１４０ 排気口
１４２ 吸引チューブ又は導管
１４４ 加熱導管
１４８ 廃棄物キャニスタ
１５０，１５２ フィルタ
１５６ 電圧

Claims (20)

1. 創傷を覆うように構成された被覆材と、
   前記被覆材と流体連通するように構成された負圧源であって、創傷から流体を吸引するようにさらに構成された負圧源と、
   前記被覆材および前記負圧源と流体連通するように構成された回収キャニスタであって、創傷から吸引された流体を受けるようにさらに構成された回収キャニスタと、
   創傷から吸引された流体の量が減らされるように、創傷から吸引された流体の蒸気圧を高めるとともに、流体の少なくとも一部を蒸発させるように構成された減容機構と、
   を備え、前記減容機構が、抵抗加熱体を備えており、かつ前記抵抗加熱体は、創傷から吸引された流体が加熱堰の上を越えて流れる加熱堰である、負圧創傷治療装置。
2. 創傷を吸引するとともに創傷から流体を除去するための吸引導管をさらに備える請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
3. 前記回収キャニスタは、創傷への使用可能な接続状態で前記負圧源と前記吸引導管との間に介在させられた請求項２に記載の負圧創傷治療装置。
4. 前記減容機構は、抵抗加熱体を備える請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
5. 前記抵抗加熱体は、前記回収キャニスタと接触するマットまたはブランケットである請求項４に記載の負圧創傷治療装置。
6. 前記抵抗加熱体は、導管であり、創傷から吸引された流体が、前記導管を通して流れる請求項４に記載の負圧創傷治療装置。
7. 前記回収キャニスタの一部は、前記回収キャニスタからの液体を除く気体状水蒸気を通過させるように構成された請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
8. ガス供給をさらに備える請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
9. 前記減容機構は、創傷から吸引された流体を、前記回収キャニスタ内に通して流すように構成されたガス供給を備える請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
10. 前記ガス供給は、バルブ手段により供給されたブリードガスである請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
11. 前記ガス供給は、創傷から吸引される前に、まず創傷を覆っている被覆材を通して流れるように構成されている請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
12. 被覆材を通してガス供給は、個別の導管を介して、創傷を覆っている被覆材内へ提供される請求項１１に記載の負圧創傷治療装置。
13. 吸引された流体は、噴霧ノズルを介して、前記回収キャニスタ内へ排出される請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
14. 吸引ポンプは、前記回収キャニスタと吸引導管との間に介在させられた請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
15. 前記ガス供給は、前記回収キャニスタ、前記被覆材、および吸引導管のうちの少なくとも一つと連通している請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
16. 前記ガス供給は、スパージガス供給である請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
17. 一つまたは二つ以上のポンプを備える請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
18. 前記回収キャニスタは、前記回収キャニスタ内の蒸気を取り除くためのポンプを備える請求項８に記載の負圧創傷治療装置。
19. 前記減容機構は、カートリッジヒータおよび赤外線ヒータのうちの少なくとも一つを備える請求項１に記載の負圧創傷治療装置。
20. 一つまたは二つ以上の熱電対またはサーミスタをさらに備える請求項１に記載の負圧創傷治療装置。

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