JP5996473B2 - 黒鉛の製造方法及び黒鉛製造用粒子 - Google Patents
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Description
近年では、黒鉛の結晶の積層構造部分にLiイオンが入り込む現象を利用してリチウムイオン電池の電極材として使用されることもある。
このように、黒鉛は様々な分野で使用されており、効率的な製造方法の確立は極めて重要といえる。
工業的には、アチソン炉を使用し、バッチ式で黒鉛化することも多いが、連続で行うことによって効率的に製造することも取り組まれている。連続的に黒鉛化行うには、炉を横方向に設置し、黒鉛製の炉の中で黒鉛化原料を載せたトレーをコンベアーで横方向に移動して加熱する方法などがある。こうした高温での作業の必要性から、その設備について部品の材料の選択が必要であったり、排ガスの対策や入り口や出口の熱の管理の問題などが生じる。その結果、構造が複雑となり、設置や運用に手間がかかるなどの問題が生じる。
この方法では、加熱される部分が炉の内部のみであり、加熱に耐えるトレーやコンベアーが必要でないので、構造が比較的単純であり、かつ、移動のための設備や動力も必要がないため余分な配線も必要ないため操作も簡単である。
本発明は、縦型の黒鉛化炉を使用して人造黒鉛を製造するに際して、不活性ガスの流通が容易となり、均一に加熱することが達成でき、炉を傷めない製造方法とかかる製造方法に使用する粒子を提供するものである。
また、本発明は、平均粒径10〜20μmの黒鉛化原料炭粉末100質量部と、1000℃未満で分解するバインダー3〜20質量部と、該バインダーを溶解する液体5〜30質量部とを少なくとも含み、平均粒径3〜30mmに粒子化されている、縦型黒鉛化炉による黒鉛製造用粒子を提供する。
縦型の連続黒鉛化炉は、管状加熱装置を管の長さ方向が鉛直になるように設置したものであり、その上部口から自然落下された黒鉛化原料炭が、底部から管内に体積保持されるともに、加熱され、黒鉛化されるものである。詳しくは、黒鉛製の内部壁面をもった円筒状の内管と該内管の外部に加熱手段を有し、該加熱手段によって、黒鉛化を行う。
加熱手段は、電熱線を使用した加熱が一般的であるが、高周波等を使用してもよい。必要に応じて、電熱線の外部は断熱材等によって断熱される。加熱手段は、黒鉛化を進めるということから、黒鉛化材料を、例えば2200℃〜3200℃、一般的には2400〜3000℃となるように加熱するものである。
加熱ゾーンは、黒鉛化材料を、例えば2200℃〜3200℃に加熱して黒鉛を得る部分であり、冷却ゾーンは、得られた黒鉛を、例えば30〜200℃に冷却する部分である。加熱ゾーンと冷却ゾーンの長さの割合は、好ましくは1:(0.2〜0.5)である。
投入された黒鉛化材料は、加熱ゾーンで黒鉛化され、冷却ゾーンに至る。この際、後に投入された黒鉛化材料は、先に投入された黒鉛化材料の上に積み上がり、管内に保持され、積み上がった高さが加熱ゾーンに存在する時に黒鉛化されていく。この際、安全のために炉の管の底部から不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなど)を流し、この流れは、上に向かうものである。不活性ガスの流量は、例えば2〜40L/分、好ましくは4〜30L/分である。
得られた黒鉛は、炉の底部より取り出される。この取出し方法は区切りなく取り出してもよいし、一定の量づつ取り出してもよい。
残油流動接触分解装置(RFCC)は、原料油として残油(常圧残油等)を使用し、触媒を使用して分解反応を選択的に行わせ、高オクタン価のFCCガソリンを得る流動床式の流動接触分解する装置である。残油流動接触分解装置のボトム油としては、例えば、常圧残油等の残油をリアクター反応温度(ROT)510〜540℃の範囲で、触媒/油質量比率を6〜8の範囲で変化させて製造したボトム油が挙げられる。ここで、残油流動接触装置(RFCC)の運転条件としては、1例を挙げれば、密度0.9293g/cm3、残留炭素5.5質量%の常圧蒸留残油を反応温度530℃、全圧0.21MPa、触媒/油比6で流動接触分解し得られる。
初留点は、JIS K 2254に従って、凝縮管の下端から留出油の最初の1滴が落下したときの温度計の読み(℃)である。
まず、試料0.2g±0.01gをトルエン10mlに溶解して、試料溶液を調整する。予め空焼きしたシリカゲル棒状薄層(クロマロッド)の下端(ロッドホルダーの0.5cmの位置)にマイクロシリンジを用いて1μlスポットし、ドライヤー等により乾燥させる。次に、このマイクロロッド10本を1セットとして、展開溶媒にて試料の展開を行う。展開溶媒としては、第1展開槽にヘキサン、第2展開槽にヘキサン/トルエン(体積比20:80)、第3展開槽にジクロロメタン/メタノール(体積比95:5)を使用する。飽和成分については、ヘキサンを溶媒とする第1展開槽にて溶出して展開する。アロマ成分については、第1展開の後、第2展開槽にて溶出して展開する。アスファルテン成分については、第1展開、第2展開の後、ジクロロメタン/メタノールを溶媒とする第3展開槽にて溶出して展開する。展開後のクロマロッドを測定器(例えば、ダイアヤトロン社(現三菱化学ヤトロン社)製の「イアトロスキャンMK−5」(商品名))にセットし、水素炎イオン化検出器(FID)で各成分量を測定する。各成分量を合計すると全成分量が得られる。
fa=(A1+A2)/(A1+A2+A3)
により求められる。13C−NMR法が、ピッチ類の化学構造パラメータの最も基本的な量であるfaを定量的に求められる最良の方法であることは、文献(「ピッチのキャラクタリゼーション II. 化学構造」横野、真田、(炭素、1981(No.105)、p73〜81)に示されている。
黒鉛化原料炭の粉末の平均粒径は、好ましくは10〜20μmとする。平均粒径は、レーザ回折・散乱法を用いて測定できる。粉末化の方法は任意であるが、石油コークスを使用する場合、好ましくは、石油コークスを振動篩等で1mm〜5mm程度にし、その後、乾燥させる。一般的には、石油コークスは回収に揮発性の油成分と使用した際の水分とを含むので乾燥が必要であり、水分を好ましくは1質量%以下まで乾燥させるとよい。必要に応じ、好ましくは600℃程度の温度で1〜2時間加熱し、揮発性の油成分を除去させてもよい。
この後、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミルなどを使用して粉末にされる。
黒鉛化材料が石油コークス、石炭コークス等であれば、このまま黒鉛化することもよいが、そのあとの処理や出来上がる黒鉛粉の性状が良くなるため、一度好ましくは900〜1500℃程度の温度でか焼することがよい。かかるか焼はローターリーキルンを用いて行うことが一般的である。
粒子の平均粒径が3mm未満であると黒鉛化炉内の気体の流れが悪く、30mmを超えると粒子の製造が困難であるだけでなく、操作性や黒鉛化の進行の程度が場所によって異なり、あるいは、破損しやすくなる。
粒子化方法としては、多種の造粒方法が存在し、基本的な特徴より、転動型造粒法、流動層型造粒法、押出型造粒法、圧縮型造粒法、解砕型造粒法などが挙げられ、特に好ましくは押出型造粒法である。押出型造粒法は、スクリュー、ピストン又はロール式の押出し機によって可塑性材料をダイスより押し出して円筒状の造粒物とする方法である。
バインダーとしては、好ましくは1000℃未満、より好ましくは150℃以上1000℃未満、さらに好ましくは200℃〜500℃で、蒸発又は分解して蒸発してしまうものが良い。すなはち、バインダーは、黒鉛炉に投入前の粒子には存在するが、黒鉛炉から取り出される黒鉛には残存しないものがよい。具体的には、ポリビニルアルコール、セルロースなどの水溶性高分子、アクリルポリマー等である。
バインダーは、黒鉛化原料炭100質量部に対して、好ましくは3〜20質量部の範囲で使用する。これ以上バインダーの量が多いとバインダー由来の炭素が残存してしまい、黒鉛をつかった製品に影響を与えてしまうことがあるので好ましくない。
バインダーの溶媒又は分散媒としては、水、エタノール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、アルキルエーテル及びそれらの混合物などを使用できる。バインダーとして水溶性高分子を使用する際には、好ましくは水に溶解して使用する。水溶性高分子を使用する場合は、水分を吸収して膨潤して分散媒中に均一に分散するのに時間がかかるため、粒子化する装置(例えば混練装置)への投入に先立ち、予め水溶性高分子を分散媒中に分散させておくことが好ましい。
溶媒又は分散媒は、黒鉛化原料炭100質量部に対して好ましくは5〜30質量部の範囲で使用する。バインダー又は溶媒もしくは分散媒が少ないと粒子化するのが困難になる場合があり、バインダー又は溶媒もしくは分散媒との量が多すぎれば、粒子の内部に空洞ができ、粒子が弱くなってしまう場合があり、炉の下部で粒子が壊れてしまい、粉末化してしまうという問題が起こる場合がある。粉末化されると、炉下部から不活性ガスの流れが粉の抵抗により妨げられ、コークスに含有する硫黄によって、炉材である炭素と反応するために、黒鉛化炉内の壁面が傷つけられる。
混練装置の一例としては、撹拌羽根を回転させることにより液体と黒鉛化原料粉末に撹乱流動運動を与えて液体中に原料粉末を均一に混練するものが挙げられ、ローターニーダーなどが挙げられる。
界面活性剤としては、好ましくは、商品名:エマルゲン、アンヒトールなどの非イオン系又は両性活性剤が用いられる。
可塑剤としては、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、ソルビトール、エタノールアミン、エタノールアセトアミド、尿素等を挙げることができる。
水溶性又は水分散性ワックスとしては、好ましくは平均分子量1000以上のポリエチレングリコール、ステアリン酸又はその塩等が挙げられる。
可塑剤、水溶性ワックス又は水分散性ワックスの添加量は、それぞれ、黒鉛化原料炭100質量部に対して好ましくは0〜5質量部の範囲である。
例えば、押出装置として前押出式スクリュー造粒機を使用して、スクリューの推力により混練物を加圧、圧縮し、先端部に取り付けたダイスにより混練物を押し出し成形するものであり、かかる工程は最も一般的なものである。この際、溶媒が蒸発して気泡を作らないような温度で押し出しをする必要がある。
この際、ダイスの直径は、好ましくは3〜30mm程度であるが、押し出し成型された粒子はその後、乾燥する必要があり、乾燥工程で縮小するので、適宜、大き目の直径のダイスを使用してもよい。
混練物が長く紐状に押し出される場合は適当な長さに切断する。この場合は、例えばダイスの前面に回転するカッタ等を設け、適当な回転数でカッタを回転させれば適当な長さに切断できる。このとき、切断長さを高さとする円筒状の粒子となるため、断面の直径と長さ(高さ)の比(直径/長さ)であるアスペクト比が1.0〜1.3である場合にはダイス径が体積相当径としてふるい分け法による平均粒子径と近似する。
乾燥は、熱風をかけて分散媒を除去する。この際、好ましくは80〜150℃にて1時間〜12時間程度乾燥するが、この際、粒子の破損を避けなければならない。必要に応じて、減圧〜真空とすることによって乾燥を促進してもよい。
加熱方法については、目的とする製品ができればどのような方法でも良いが、一般的には、黒鉛化炉内に黒鉛化材料を積み上げ、一定以上積み上がったのちに加熱を開始し、熱が定常状態になった後に、黒鉛化材料を上部から投入、かつ、下部からの回収を行う。この投入量は、黒鉛化炉の大きさによって異なるが、焼成部での加熱が最大温度2200〜3000℃、時間が1時間〜10時間になるように設定するのが良い。
黒鉛化原料炭は、熱履歴によって、徐々に結晶を成長させていくが、どこまで結晶が成長するのかは使用する原料によって異なるため、それによって最大の加熱の温度、時間を制限するべきである。
回収した黒鉛は、各種用途に使用することができる。
本願の出願当初の特許請求の範囲は、以下の通りである。
[請求項1]平均粒径3〜30mmの黒鉛化材料粒子を、縦型黒鉛化炉の内部に上部から投入し、下部から上部に向けて不活性ガスを流しながら2000〜2800℃に加熱して黒鉛化させ、下部から得られた黒鉛を取り出す工程を含む黒鉛の製造方法。
[請求項2]上記黒鉛化材料粒子が、平均粒径10〜20μmの黒鉛化原料炭粉末を粒子化したものを少なくとも含む請求項1に記載の黒鉛の製造方法。
[請求項3]上記黒鉛化材料粒子が、平均粒径10〜20μmの黒鉛化原料炭粉末100質量部と、1000℃未満で蒸発又は分解して蒸発するバインダー3〜20質量部と、該バインダーを溶解又は分散する溶媒又は分散媒5〜30質量部とを少なくとも含む配合物を粒子化したものである請求項1に記載の黒鉛の製造方法。
[請求項4]上記バインダーが水溶性高分子であり、上記溶媒が水である請求項3に記載の黒鉛の製造方法。
[請求項5]上記縦型黒鉛化炉の下部から取り出された黒鉛を解砕して黒鉛粉末を得る工程をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の黒鉛の製造方法。
[請求項6]平均粒径10〜20μmの黒鉛化原料炭粉末100質量部と、1000℃未満で蒸発又は分解して蒸発するバインダー3〜20質量部と、該バインダーを溶解又は分散する溶媒又は分散媒5〜30質量部とを少なくとも含む配合物を平均粒径3〜30mmに粒子化して得られる、縦型黒鉛化炉による黒鉛製造用粒子。
実施例1〜5及び比較例1〜3
(1)黒鉛化原料炭の準備
使用した黒鉛化原料炭は、以下の通りである。
<生コークス1>(実施例1、比較例1及び比較例3で使用)
初留点332℃、アスファルテン+レジン分の含量が23質量%、飽和分の含量が47質量%の重油と芳香族指数0.4以上かつ初留点が160℃の重油の混合物を平均温度450℃でディレードコーキングした生コークスを、振動篩で3mm以下に篩ったのち、150〜200℃で熱風循環炉を用いて水分が1質量%以下になるまで乾燥させたのち、ローターミルで平均粒径12μmの粉末とした。
初留点335℃、アスファルテン+レジン分の含量が27質量%、飽和分の含量が43質量%の重油と芳香族指数0.4以上かつ初留点が168℃の重油の混合物を平均温度450℃でディレードコーキングした生コークスを、振動篩で3mm以下に篩ったのち、150〜200℃で熱風循環炉を用いて水分が1質量%以下になるまで乾燥させたのち、ローターミルで平均粒径12μmの粉末とした。
市販の生コークスを、振動篩で3mm以下に篩ったのち、150〜200℃で熱風循環炉を用いて水分が1質量%以下になるまで乾燥させたのち、ローターミルで平均粒径12μmの粉末とした。
ローターリーキルンを用いて生コークス1を約1500℃でか焼して得られたか焼コークスを振動篩等で3mm以下に篩ったのち、ローターミルで平均粒径12μmの粉末とした。
ローターリーキルンを用いて生コークス2を約1500℃でか焼して得られたか焼コークスを振動篩等で3mm以下に篩ったのち、ローターミルで平均粒径12μmの粉末とした。
バインダー(PVA)と、水溶性ワックス(ポリエチレングリコール)を溶媒(水)で希釈したバインダー水溶液を作製、セメントミキサー(リボンミキサー等)に先の粉末コークス100質量部に対し、バインダー水溶液をバインダーが1〜20質量部となるように加え、さらに適量の水を加えて30分間混合し、低湿粉体化又はスラリー化する。
その後、低湿粉体又はスラリー化したコークス粉体をニーダー等で50〜150℃で加熱、撹拌混合し5〜20mmφの孔を有したダイスを設置した。押出し成型機を用いて、ダイスの大きさと同じ押出し長さ5〜30mm程度でカットしペレットを得た。
その後、約100〜150℃で2〜10時間乾燥させて、水分を除去した。ダイスの孔径をもってペレット断面の粒径とした。ペレットは、この断面を有し、カットされた長さを高さとする円筒となるため、断面の直径と円筒の長さの比(直径/長さ)であるアスペクト比を1.0〜1.3とする長さでカットした。
ペレット化の対象となった各黒鉛化材料の組成とペレットの平均粒径を表1に示す。比較例1〜2では、ペレット化を行うことなく、それぞれ生コークス1と3の粉末を黒鉛化にした。比較例3は、生コークス1を用い、平均粒径35mmφのペレットを使用した。
高さ5メートル、直径20cmの加熱部分をもつ、円筒形の直立黒鉛炉を用いて黒鉛化させた。黒鉛炉の下部から毎分20l程度の窒素ガスを導入し、黒鉛炉の5分の4程度高さまで比較例1、2以外はペレット試料を詰めて反応を行った。比較例1、2はそれぞれペレット化しない粉末状の生コークス1と生コークス3を用いた。焼成方法は炉加熱部1100mm×3ゾーンで上から、1・2ゾーン2500〜2600℃の高温部(焼成部)3ゾーンは1900〜2100℃(焼鈍部もしくは第1冷却部)となっている。
さらに下1mは水冷ジャケットによる冷却部となっていて、十分冷却後に下ホッパーに排出、実質上の黒鉛化時間が7〜10時間となるようにした。
反応温度は、試料が最高温度2500〜2600℃となるようにした。
ボールミルを用い、黒鉛凝集物を解砕し粉末に戻した。
黒鉛粉末の性状を観察し、その硫黄分を蛍光X線分析装置を用いて測定した。また、黒鉛炉の内部を観察した。
実施例3で得られた黒鉛粉末は、粒径が不ぞろいであったが、黒鉛材料としての使用は問題がなく、硫黄分を測定すると、2.0ppmであった。実施例3において、炉排ガス中の二硫化炭素濃度は90ppmであり、黒鉛化炉の内部を確認したところ、問題は見いだされなかった。
比較例1〜2で得られた黒鉛粉末は、硫黄分を測定すると、3.0ppmであった。比較例1〜2において、炉排ガス中の二硫化炭素濃度は4600ppmであり、黒鉛化炉の内部を確認したところ、第一ゾーンの上がえぐれていた。
比較例3では、形状を保つために、バインダーの量を多くする必要があった。実施例1と同じ炉、同じ条件で黒鉛化した場合、中心部の黒鉛化が不十分な粒子が存在し、実施例1と同じ炉、2倍の時間となるように黒鉛化した場合、周辺部と中心部の黒鉛化度が違う粒子が多数存在した。どちらの場合においても、黒鉛化時に粒子の崩れが多かった。
また、バインダー、溶媒又は分散媒の量によっては、粒子が黒鉛化中で破壊されて粉末に戻り、粒子化の効果を減少させる。
2 ホッパー
3 管
4 不活性ガス導入管
5 加熱ゾーン
6 冷却ゾーン
M 黒鉛化材料
G 黒鉛
IG 不活性ガス
Claims (4)
- 平均粒径3〜30mmの黒鉛化材料粒子を、縦型黒鉛化炉の内部に上部から投入し、下部から上部に向けて不活性ガスを流しながら2200〜3200℃に加熱して黒鉛化させ、下部から得られた黒鉛を取り出す工程を少なくとも含む黒鉛の製造方法であって、
上記黒鉛化材料粒子が、平均粒径10〜20μmの黒鉛化原料炭粉末100質量部と、1000℃未満で蒸発又は分解して蒸発するバインダー3〜20質量部と、該バインダーを溶解又は分散する溶媒又は分散媒5〜30質量部とを少なくとも含む配合物を粒子化したものである黒鉛の製造方法。 - 上記バインダーが水溶性高分子であり、上記溶媒が水である請求項1に記載の黒鉛の製造方法。
- 上記縦型黒鉛化炉の下部から取り出された黒鉛を解砕して黒鉛粉末を得る工程をさらに含む請求項1又は請求項2に記載の黒鉛の製造方法。
- 平均粒径10〜20μmの黒鉛化原料炭粉末100質量部と、1000℃未満で蒸発又は分解して蒸発するバインダー3〜20質量部と、該バインダーを溶解又は分散する溶媒又は分散媒5〜30質量部とを少なくとも含み、平均粒径3〜30mmに粒子化されている、縦型黒鉛化炉による黒鉛製造用粒子。
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