JP5996326B2 - 目地カバー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、隣接する建物躯体間の目地を覆う目地カバー装置に関する。
近年、地震による被害を最小限に留めるために、緩衝機能を備えた免震装置によって下部を支持した建物が多く建設されている。こうした免震構造の建物にあって、隣接する建物躯体との間に位置する目地には、該目地を覆うカバー板を備えた目地カバー装置が配設されている(特許文献1参照)。
この目地カバー装置aは、図8,9に示すように、目地sを介して隣接する一方の建物躯体Aの側壁面bに、矩形枠状に形成されたホルダーcの一旦をヒンジdを介して回動可能に枢結し、該ホルダーcの他端を他方の建物躯体Bの天井面eに位置すると共に、引張バネfからなる付勢手段によって前記ホルダーcを目地sの上方へ付勢することにより、ホルダーcの他端を建物躯体Bの天井面eに弾接させ、該ホルダーcに被着したカバー板gによって目地sを遮蔽するようにしたものである。
特開2012−97489号公報(図6)
上記した従来構成の目地カバー装置aでは、図9のように、ホルダーcとカバー板gとがヒンジdを回動中心として下方へ回動するものであることから、該回動に伴って、ヒンジdの直下に位置するカバー板gの側端縁hが一方の建物躯体Aの側壁面bに近づくように変位する。そのため、カバー板gの側端縁hと建物躯体Aの側壁面bとの間に隙間kを設ける必要があり、該隙間kは、回動中心(ヒンジd)からカバー板gの側端縁hまでの距離に応じて設定される。この隙間kは、目地sの長手方向に沿って形成されることから、目地sの下方から目立ち易く、外観を損なう虞がある。さらに、虫等が隙間kに入り込み易く、これによって円滑な回動が妨げられてしまう虞もある。こうした隙間kを隠すために、この隙間kに易伸縮性を有する樹脂製やゴム製のパッキンj等が配設された構成も提案されているが、カバー板gと異なるパッキンjは視認し易く、外観の改善としては不十分であった。さらに、パッキンjの劣化等の問題があった。また、施工時に、隙間kのサイズに応じたパッキンjを取り付ける手間が必要であるという問題もあった。
本発明は、かかる問題点の解決を目的とするものであり、建物躯体の側壁面とカバーとの隙間によって生ずる外観の低減を抑制する目地カバー装置の提供を目的とする。
本発明は、目地を介して隣接する左右の建物躯体の、その一方の建物躯体の目地の上下方向に沿う側壁面に一端が回動可能に枢結され、他端が他方の建物躯体の左右横方向に沿う下向面に位置して、目地に差し渡されるホルダーを、付勢手段により目地の上方に付勢して該ホルダーの他端を他方の建物躯体の下向面に弾接させるとともに、該ホルダーを下方にのみ回動可能に設け、該ホルダーに目地を覆うカバー板を被着してなる目地カバー装置において、一方の建物躯体の側壁面に、他方の建物躯体側に向かって突成された左右横方向に沿う支持面部が配設され、前記カバー板の、一方の建物躯体側の端部に、一方の建物躯体の側壁面側へ向けて昇り勾配で傾斜する傾斜下面と、前記側壁面と支持面部の下面とにより形成される角縁に当接する湾曲状の先端縁とを備えた傾斜端部が形成され、前記ホルダーとカバー板とを、前記傾斜端部の先端縁と前記角縁との当接部位を回動中心として、該ホルダーの他端が他方の建物躯体の下向面に弾接する常態位置と、前記傾斜端部の傾斜下面が一方の建物躯体の側壁面に当接する下限位置との間で、一体的に回動可能としたものであることを特徴とする目地カバー装置である。ここで、下向面としては、いわゆる天井面や、段差状構造を成す側壁面に設けられた下向きの段面などがあり得る。
かかる構成にあっては、カバー板の傾斜端部が、その湾曲状の先端縁によって、角縁との当接部位を回動中心として下方へ回動可能とすると共に、傾斜下面によって、常態位置から下限位置までの間で側壁面との間に該カバー板の下面から比較的緩やかに傾斜する窪みが形成されるようにしたものである。こうした緩やかに傾斜する窪みは、目地の下方から目立ち難いことから、上述した従来構成の場合の隙間と異なり、隙間として認識され難いため、該隙間により外観が損なわれてしまうことを抑制できる。尚ここで、傾斜端部の先端縁が前記角縁に当接し且つ該当接部位を回動中心としていることから、前記側壁面との間にほとんど間隙を生じない。そのため、本構成は、上述した従来構成のようにパッキン等を配設する必要もなく、該パッキンの劣化の問題や配設する手間の問題も生じないという利点も有する。
また、本構成によれば、湾曲状の先端縁と角縁との当接部位を回動中心としていることから、カバー板を比較的円滑に回動することができる。
また、本構成では、カバー板の傾斜端部の傾斜下面によって、該カバー板およびホルダーを下方回動可能な下限位置が決まる。すなわち、この下限位置は、傾斜端部の傾斜下面の傾斜角(昇り勾配)によって定まり、この傾斜下面の傾斜角を適宜設定可能である。ここで、傾斜角(昇り勾配)を緩やかにするほど、前記した窪みを視認し難くできることから、下限位置との関係に考慮して設定することが好ましい。また、この下限位置よりも下方へ回動してしまうことが抑制されることから、カバー板とホルダーとを回動する範囲を明確かつ安定させることができる。
上述した本発明の目地カバー装置にあって、カバー板に形成された傾斜端部は、該カバー板を構成する矩形状平板の側端部分を、上方へ折り曲げることによって傾斜下面を形成し、さらに他方の建物躯体側へ湾曲状に折り返すことによって先端縁を形成してなるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、カバー板の傾斜端部を、該カバー板を構成する矩形状平板の側端部分を折り曲げ加工および折り返し加工することにより成形したものであるから、一方の建物躯体の側壁面との間に形成される窪みが、一層目立ち難くなるため、目地の下方からの外観を一層良好に保つことができる。
また、本構成は、傾斜端部が折り曲げおよび折り返し加工により成形されたものであることから、該傾斜端部の形状効果によってカバー板の長手方向(目地の左右横方向と直交する方向)に対する剛性を向上することができる。この効果は、湾曲状に折り返された先端縁による形状効果が大きい。尚ここで、一般的にカバー板は、目地を覆うために、比較的広い平面を有する略平板状をなすものであることから、上下方向(面外方向)への剛性(曲げ剛性やねじり剛性等)が低く、上下方向へ安定して回動するためにはホルダーによる剛性補強が必須である。本構成によれば、カバー板自身の剛性向上効果によって一層安定して上下方向へ回動することができる。また、カバー自身の剛性向上分を、ホルダーによる補強から低減することも可能であり、これに伴うホルダーの軽量化を実現することもできる。
上述した本発明の目地カバー装置にあって、ホルダーの、一方の建物躯体側の端部寄り部位に立設され、かつカバー板の先端縁と角縁との当接部位を回動中心とするように、該当接部位の直上位置で該一方の建物躯体の側壁面に少なくとも回動自由に係止された、目地の上下方向に沿う回動補助板を備えたものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、一方の建物躯体の側壁面に少なくとも回動自由に係止された回動補強板をホルダーに設けることによって、回動の際にカバー板の先端縁と角縁との当接部位を安定して回動中心とできるようにしたものである。これにより、例えば、カバー板の板厚が比較的薄肉のものであっても、回動中心が前記当接部位から位置ズレすることを抑制でき、該位置ズレによるカバー板の局所的な変形を抑制できる。したがって、カバー板とホルダーとを当接部位を回動中心として一層安定的に回動させることができる。
尚、こうした回動補助板は、一方の建物躯体の側壁面から突成された上下方向に沿う案内板の、少なくとも表裏一面側に配設した構成が好適である。この構成によれば、回動の際に、回動補助板が案内板に沿って回動することにより、ホルダーおよびカバー板の回動を一層安定させることができると共に、回動中心を当接部位に一層安定して保つことができ得る。
以上に述べたように、本発明によれば、カバー板の傾斜端部により、一方の建物躯体の側壁面との間に比較的緩やかに傾斜する窪みが形成され、該窪みが目地の下方から目立ち難くなるため、上述した従来構成に比して、目地の下方からの外観を向上できる。さらに、傾斜端部の先端縁が前記側壁面により構成された角縁に当接することから、前記窪みに虫等が侵入することを防止でき、これに伴う不具合の発生を防ぐことができる。また、上述した従来構成のようにパッキン等を配設する必要がないため、該パッキンの劣化問題や施工時にパッキンを配設する手間の問題を生じないという利点も有する。
本実施例の目地カバー装置1の施工状態を示す側面図である。 同上の目地カバー装置1の施工状態を示す平面図である。 同上の目地カバー装置1の施工状態を示す底面図である。 図1中のX部拡大図である。 目地カバー装置1の、建物躯体Bが下方へ相対変位したときの状態を示す説明図である。 図5中のY部拡大図である。 カバー板21とホルダー15が下限位置に回動した状態を示す部分拡大図である。 従来構成の目地カバー装置aの施工状態を示す側面図である。 従来構成の目地カバー装置aの、建物躯体Bが下方へ相対変位したときの状態を示す側面図である。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
本発明にかかる目地カバー装置1は、図1〜3に示すように、目地sを介して隣接する左右の建物躯体A,B間に配設される。ここで、建物躯体A,Bは、その一方あるいは両方とも、図示しない免震装置によって下部が支持されており、免震構造となっている。この免震構造は、その振動吸収作用によって、地震時に主に水平方向の揺れを低減できるものであるが、その効果は建物躯体A,Bの構造や重量によって異なる。また、地震時の上下方向の揺れに対しては、免震構造による効果も期待できるものの、建物躯体A,Bの構造や重量への依存性が大きいことから、隣接する建物躯体A,Bで上下方向の揺れ幅に差が生じてしまうことが想定される。
一方の建物躯体Aは、目地sの上下方向に沿う一方の側壁面31を備え、他方の建物躯体Bは、前記側壁面31に対向して上下方向に沿う他方の側壁面32と目地sの左右横方向に沿う天井面33とを備えている。また、他方の建物躯体Bには、その天井面33に、左右横方向に沿って目地s側に突出する張出板35が螺子等により固定されている。この張出板35は、矩形板状をなし、その縦寸法が目地sの長手方向(奥行き)に沿って比較的長尺状に設定され、横寸法が目地sの内側へ所定長さ張り出すように設定されている。尚ここで、本実施例の天井面33により、本発明にかかる下向面が構成されている。
目地カバー装置1は、目地sの左右横方向に沿って配設される横杆16が、目地sの長手方向に所定間隔をおいて複数配設され、横杆16の下側に目地sを覆うカバー板21が被着されている。ここで、本実施例にあっては、複数の横杆16により、本発明にかかるホルダー15が構成されている。そして、このホルダー15とカバー板21とが、下方へ回動可能とするように一方の建物躯体Aの側壁面31に枢結され、他方の建物躯体Bの天井面33に差し渡されている。
この目地カバー装置1について、以下に詳述する。
一方の建物躯体Aの側壁面31には、図4,6のように、断面L字状のベース体2が取り付けられて固定されている。このベース体2は、目地sの長手方向に沿って長尺状に形成されており、側壁面31から他方の建物躯体B側に突出する板状の支持面部3を備えている。ここで、ベース体2は、支持面部3の下面3aが、他方の建物躯体Bの天井面33と略同じ高さ位置となるように、前記側壁面31に取り付けられる。
このベース体2に、略箱状の取付フレーム5が、長手方向に所定間隔をおいて複数取り付けられている(図2参照)。この取付フレーム5は、ベース体2を介して側壁面31に固定される矩形状の主板部(図示せず)と、該主板部の周囲四辺から起立する周板部5aとから構成されており、周板部5aの下部位がベース体2の支持面部3に乗載されるようにして設置されている。尚、周板部5aの両側部位にはそれぞれ、その下部に矩形状の挿通孔5bが開口形成されている。また、各取付フレーム5には、他方の建物躯体B側に突出するように、上下方向に沿う略三角板状の案内板6が配設されている(図2参照)。この案内板6は、その上下方向の一辺が取付フレーム5の主板部に固定されており、取付フレーム5よりも他方の建物躯体B側に突出するように形成されている。さらに、各取付フレーム5には、図2のように、案内板6をその表裏両側から挟むように、該案内板6と略平行な回動補助板7,7が一対に配されている。この回動補助板7は、取付フレーム5の周板部5aの片側へ屈曲された屈曲板部7bを介して、片側の挿通孔5bに挿通される挿入突部7aを備えている。ここで、挿入突部7aは、図4のように、挿通孔5bに挿通された部位の断面積が該挿通孔5bの開口面積より小さく設定されたものであることから、挿入突部7aが取付フレーム5の挿通孔5b内に位置した状態で、回動補助板7が、案内板6に沿って回転自由であると共に上下方向および左右方向に若干移動自由となっている(図6参照)。換言すれば、挿入突部7aが挿通孔5bに遊嵌された状態となっている。また、この回転補助板7には、その回転の際に取付フレーム5の周板部5aと緩衝しないために、逃げ孔7cが形成されている。
尚ここで、上記したベース体2、取付フレーム5、案内板6とは、それぞれ直接的または間接的に、一方の建物躯体Aの側壁面31に固定される一方、上記した回動補助板7は、該側壁面31に固定されていない。
上記の各取付フレーム5に配された一対の回動補助板7,7に、図2のように、ホルダー15を構成する横杆16が固定されて取り付けられている。横杆16は、図1,2のように、建物躯体Aの側壁面31寄りの部位で前記回動補助板7,7に固定され、一端が取付フレーム5下に位置し、他端が他方の建物躯体Bの天井面33下に位置するように、目地sに差し渡される。ここで、横杆16は、目地sの左右横方向幅よりも長尺状に形成されている。横杆16は、目地sの長手方向に所定間隔をおいて配設された各取付フレーム5毎に夫々配されることから、該取付フレーム5と同様に複数が並設される。これら複数並設された横杆16によってホルダー15が構成されている。
このように取り付けられた横杆16は、一対の回動補助板7,7を介して取付フレーム5に枢結された状態にあり、上下方向に回動可能となっている。尚、各取付フレーム5には、上記した案内板6が配設されており、該案内板6の、取付フレーム5よりも突出した端部が、横杆16の上面部に当接することにより、該横杆16の上方への回動が妨げられる。すなわち、この案内板6の端部によりストッパー10が構成されており(図4参照)、横杆16(ホルダー15)は、案内坂6のストッパー10により上方への回動が規制されて、下方にのみ回動し得るようになっている。
さらに、図1,4のように、横杆16の、一方の建物躯体A寄りの部位に、引張バネ12の一端が係止され、該引張バネ12の他端が取付フレーム5の上部に係止されて配設されている。この引張バネ12は、案内板6の表裏両側に夫々配設されており、各横杆16毎に二個一対で配設される(図2参照)。各横杆16は、その引張バネ12,12の引張力によって、目地sの上方に付勢されており、該横杆16の他端を他方の建物躯体Bの天井面33に弾接し得るようになっている。こうして各横杆16毎に配設された引張バネ12により、ホルダー15の付勢手段が構成されている。
上記した複数並設された横杆16(ホルダー15)の下面に、目地sを下側から覆うカバー板21が被着されている。カバー板21は、図2,3のように、横杆16の左右横方向の長さ寸法よりも若干長く、かつ目地sの長手方向に沿って長尺状に形成された縦長矩形状となっている。このカバー板21は、薄板厚の矩形状平板を成形してなるものであり、その左右両端部に前記長手方向に沿って傾斜端部22,22が形成されている。本実施例にあっては、図1のように、左右両側の傾斜端部22,22が同一形状に形成されて左右対象となっており、各傾斜端部22は、図4のように、横方向の各外側に向かって昇り勾配で傾斜する傾斜下面22aと、湾曲状の先端縁22bとを備えた構成である。こうした傾斜端部22は、カバー板21を成形するための前記平板の左右両端部分を、目地sの上方へ所定角度により折り曲げ加工して前記傾斜下面22aを形成し、さらに当該平板の内側へ向かって湾曲状に折り返し加工して前記先端縁22bを形成してなる。
尚、カバー板21の傾斜端部22,22には、その先端縁22b,22bの内側端に、該カバー板21の縦方向寸法と略同じ長さの長尺状パッキン25,25が取り付けられている。これらパッキン25,25は、図1,4のように、カバー板21が横杆16に被着された状態で、側壁面31に取り付けられたベース体2の支持面部3の下面3aに弾接し、かつ天井面33に弾接することにより、例えば目地sの上方から雨水等が下方へ浸入することを防止している。
こうしたカバー板21は、図1〜3のように、左右両側の傾斜端部22,22が横杆16の両端よりも外側に位置するようにして、複数並設された各横杆16に螺子等により固定される。こうしてカバー板21が被着された本実施例の目地カバー装置1は、該カバー板21の、一方の建物躯体Aの側壁面31側に位置する傾斜端部22の先端縁22bが、該側壁面31と上記ベース体2の支持面部3の下面3aとにより形成される角縁27に当接される(図4参照)。そして、カバー板21の、他方の建物躯体B側に位置する傾斜端部22は、前記した引張バネ12の引張力により該建物躯体Bの天井面33に弾接される。これが常態位置であり、ホルダー15(横杆16)とカバー板21とが、ほぼ水平方向に沿って位置する(図1,4参照)。
地震時に、建物躯体Bが、建物躯体Aに対して相対的に下方へ変位すると、図5のように、該建物躯体Bの天井面33に弾接するカバー板21の他端の傾斜端部22が下方へ押し出され、該カバー板21とホルダー15(横杆16)とが一体的に下方へ回動する。ここで、各横杆16は、案内板6を表裏で挟む一対の回動補助板7,7により、目地sの上下方向に沿って回動する。さらに、図6のように、取付フレーム5の挿通孔5bに一対の回動補助板7,7の挿入突部7a,7aが挿通されていることから、各横杆16は、上下方向の移動を制限されて回動する。これにより、カバー板21の建物躯体A側の傾斜端部22と角縁27との当接部位を回動中心として、カバー板21とホルダー15とを一体的に回動させることができる。こうして回動中心が前記当接部位に維持されれば、該回動中心がずれてしまうことにより生ずるカバー板21の変形を防止することができ、円滑かつ安定して回動することができる。
カバー板21とホルダー15とは、上記のように下方へ回動した場合に、該カバー板21の建物躯体A側の傾斜端部22の傾斜下面22aが該建物躯体Aの側壁面31に当接する位置まで回動できる。図7のように、この傾斜下面22aが側壁面31に当接した回動位置が、下限位置である。すなわち、建物躯体Bが建物躯体Aに対して相対的に下方へ変位した場合に、カバー板21とホルダー15とが前記下限位置に達するまで下方へ回動することができる。この下限位置は、傾斜端部22を構成する傾斜下面22aの昇り勾配(傾斜角)によって定まることから、前記した相対的な下方への変位等を想定して、適宜設定することが可能である。
また、建物躯体Bが下方へ変位した後に上方へ変位すると、カバー板21とホルダー15とが引張バネ12の引張力により該建物躯体Bの天井面33に当接しつつ上方へ回動する。このように、カバー板21とホルダー15とは、前記した常態位置(図4参照)と下限位置(図7参照)との間で、建物躯体A,Bの相対的な上下方向の変位に追従して回動し、当該回動の際にもカバー板21が目地sを覆っている状態で維持される。
尚、建物躯体Bが建物躯体Aに対して相対的に上方へ変位すると、カバー板21とホルダー15とが引張バネ12により上方へ回動しようとするが、上記した案内板6のストッパー10により上方への回動を制限される。これにより、建物躯体Bが相対的に上方へ大きく変位した後に下方へ変位して戻ってくると、カバー板21の建物躯体B側の傾斜端部22が天井面33に弾接することから、上述した所望の回動を実施可能な状態として維持される。
一方、本実施例の目地カバー装置1は、上述したように、カバー板21の左右両側に傾斜端部22を備えた構成であり、特に、建物躯体Aの側壁面31側では、該側壁面31と傾斜端部22の傾斜下面22aとの間に窪み28が生じている。しかしながら、傾斜端部22の傾斜下面22aは、カバー板21の端縁を屈曲加工して形成されたものであり、カバー板21の下面21aから連続して滑らかに傾斜するように形成されている。そのため、目地sの下方から目地カバー装置1を見た場合に、前記窪み28が目立ち難いことから、カバー板21の外観を良好に保つことができる(図3参照)。
これに対して、図8に示す従来構成にあっては、上述したように、カバー板gと側壁面bとの間に明らかな隙間kが生じることから、この隙間kに、易伸縮性を有する樹脂製やゴム製のパッキンjが配設されるが、カバー板gの円滑な回動を妨げないように配設されることから、隙間kを浅くして目立ち難くできるものの、その効果には限界がある。そして、パッキンjはカバー板gと別部材であるため、配設したことによって逆に隙間kが際立ってしまい、目立ち易くなることもあり得る。また、パッキンjは、その隙間kに応じて配設することが必要であるため、施工時に手間が係るという問題もある。尚仮に、パッキンjを適用しなければ、隙間kが明らかとなって目立ち易く、外観上好ましくない。
こうした従来構成の問題点は、本実施例の目地カバー装置1によれば、上述したように改善または解決することができ得る。そして、こうした隙間による従来の問題点を解決できるという作用効果を発揮しつつ、カバー体21とホルダー15とを常態位置と下限位置との間で円滑に回動可能とするという上述した作用効果を発揮できる。
さらにまた、本実施例では、カバー板21の傾斜端部22が、上述した折り曲げ加工及び折り返し加工により成形されたものであることから、主に湾曲状の先端縁22bによる形状効果によって、カバー板21の縦方向(目地sの長手方向)の剛性が向上されている。そして、このカバー板21が横杆16(ホルダー15)に被着された状態で、左右横方向の剛性が向上することから、前記した縦方向の剛性と共に所望の剛性を有するものとなる。そのため、本実施例のホルダー15は、縦方向に沿った縦杆を配しない構成として(図2参照)、所望の剛性を発揮できると共に、該ホルダー15の重量を軽量化することができる。この軽量化によって、上述した従来構成(図8参照)のようにヒンジdを介してホルダーcを直接枢結することを要せず、本実施例の構成では、カバー板21の傾斜端部22の先端縁22bと角縁27との当接部位という所謂自由端を回動中心とする回動が、円滑に実行可能である。すなわち、この軽量化が、本実施例の目地カバー装置1におけるカバー板21およびホルダー15の回動構造を実用化するために要した一因とも考えられる。さらに、ホルダー15の軽量化によって、該ホルダー15およびカバー板21を常態位置に維持する負担を軽減できると共に、下方への回動によって生ずる負担も軽減できるため、上述した回動を安定して実行でき、高い耐久性も発揮でき得る。
尚、上述した従来構成(図8参照)では、ホルダーcが図示しない横杆と縦杆とにより構成されたものであることから、本実施例の構成に比してホルダーcの重量が重く、該重量による負荷が大きい。そのため、本実施例の構成は、こうした従来構成に比して、上述した軽量化による作用効果が明確に発揮されるものとなっている。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜実施可能である。
1 目地カバー装置
3 支持面部
7 回動補助板
12 引張バネ(付勢手段)
15 ホルダー
21 カバー板
22 傾斜端部
22a 傾斜下面
22b 先端縁
27 角縁
31 側壁面
33 天井面(下向面)
A,B 建物躯体
s 目地

Claims (3)

  1. 目地を介して隣接する左右の建物躯体の、その一方の建物躯体の目地の上下方向に沿う側壁面に一端が回動可能に枢結され、他端が他方の建物躯体の左右横方向に沿う下向面に位置して、目地に差し渡されるホルダーを、付勢手段により目地の上方に付勢して該ホルダーの他端を他方の建物躯体の下向面に弾接させるとともに、該ホルダーを下方にのみ回動可能に設け、該ホルダーに目地を覆うカバー板を被着してなる目地カバー装置において、
    一方の建物躯体の側壁面に、他方の建物躯体側に向かって突成された左右横方向に沿う支持面部が配設され、
    前記カバー板の、一方の建物躯体側の端部に、一方の建物躯体の側壁面側へ向けて昇り勾配で傾斜する傾斜下面と、前記側壁面と支持面部の下面とにより形成される角縁に当接する湾曲状の先端縁とを備えた傾斜端部が形成され、
    前記ホルダーとカバー板とを、前記傾斜端部の先端縁と前記角縁との当接部位を回動中心として、該ホルダーの他端が他方の建物躯体の下向面に弾接する常態位置と、前記傾斜端部の傾斜下面が一方の建物躯体の側壁面に当接する下限位置との間で、一体的に回動可能としたものであることを特徴とする目地カバー装置。
  2. カバー板に形成された傾斜端部は、該カバー板を構成する矩形状平板の側端部分を、上方へ折り曲げることによって傾斜下面を形成し、さらに他方の建物躯体側へ湾曲状に折り返すことによって先端縁を形成してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の目地カバー装置。
  3. ホルダーの、一方の建物躯体側の端部寄り部位に立設され、かつカバー板の先端縁と角縁との当接部位を回動中心とするように、該当接部位の直上位置で該一方の建物躯体の側壁面に少なくとも回動自由に係止された、目地の上下方向に沿う回動補助板を備えたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の目地カバー装置。
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