JP5995652B2 - 溶接作業部屋の気流制御方法および気流制御装置 - Google Patents

溶接作業部屋の気流制御方法および気流制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ溶接装置が配設された溶接作業部屋の中で金属製ワークに対しレーザ溶接しながら集塵を行う際に、集塵に起因して発生する気流(以下「集塵起因流」という)の方向を制御することにより、溶接作業の安定性を向上させるようにした溶接作業部屋の気流制御方法および気流制御装置に関するものである。
ロボットアームの先端に取り付けられた溶接ヘッドからワークに向けてレーザ光を照射し、溶接を実施するレーザ溶接装置(レーザ溶接ロボット)は、一般に、囲い壁(パーテーション)によって全方向を囲われて外部にレーザ反射光やヒュームが漏れ出さないようにした溶接作業部屋(ブースとも言う)の中に配設されている。
この種の溶接作業部屋には、集塵機に繋がる吸引排気口が設けられており、その吸引排気口からの強制排気により部屋内環境の集塵が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−75876号公報
ところで、金属をレーザ溶接する時には加熱溶融された母材から多量のヒュームが発生する。このヒュームは、高温であることから対流により上昇する。レーザ光を加工対象であるワークの上面に向けて照射する場合、加工点から立ち上るヒュームが、加工点に向かうレーザ光を遮蔽し、溶接幅や溶け込みを不安定にする場合がある。
例えば、レーザ溶接にあっては、レーザ光をワークに対して垂直に照射せず、溶接ヘッドをワークに対し垂直な軸から少し傾けた姿勢で、レーザ光を照射して溶接を行うのが一般的である。それは、ワークからのレーザの反射光が、レーザを出力する発振器に戻り、光学系を破損することを防ぐためである。この際、加工点から上方へ立ち上るヒュームが、部屋内の風向きによって、傾いた姿勢の溶接ヘッドから出射されるレーザ光を遮蔽する場合が出てくる。そうすると、加工点に充分なレーザ光を照射できず、溶接幅や溶け込みが不安定になることがある。
本発明は、上記事情を考慮し、レーザ溶接で発生するヒュームの方向を制御して、遮光による溶接不安定現象を抑制するようにした溶接作業部屋の気流制御方法および気流制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明の溶接作業部屋における気流制御方法は、側面および天井面を囲う囲い壁に吸引排気口と外気取入口とを有し、前記吸引排気口からの強制排気により部屋内環境の集塵を行う溶接作業部屋の内部にレーザ溶接装置を配設し、前記レーザ溶接装置の溶接ヘッドの軸線をワークの表面に垂直な線に対し一定方向に傾けた姿勢で、溶接ヘッドの先端より前記軸線方向に沿ってレーザ光を出射してワークをレーザ溶接する際に、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、前記溶接ヘッドを傾けた方向からその反対の方向へ向かう方向、および、前記溶接ヘッドを傾けた方向と直交する方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の溶接作業部屋における気流制御方法であって、前記溶接ヘッドのワークに対する進行方向をヘッド前側、その反対側をヘッド後側、ヘッド後側からヘッド前側を見たときの左側および右側をそれぞれヘッド左側およびヘッド右側とするとき、前記溶接ヘッドの軸線を、ワークの表面に垂直な線に対し所定角度ヘッド後側へ傾け、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向、ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向、ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向、ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向の4つの方向のうち、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向を除く3つの方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の溶接作業部屋における気流制御方法であって、天井面の囲い壁に集塵機につながる前記吸引排気口が設けられ、互いに対向する2側面の囲い壁に前記外気取入口がそれぞれ設けられており、使用する前記外気取入口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または2に記載の溶接作業部屋における気流制御方法であって、天井面の囲い壁に集塵機につながる複数の前記吸引排気口が設けられ、側面の囲い壁に前記外気取入口が設けられており、使用する前記吸引排気口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする。
請求項5の発明の溶接作業部屋における気流制御装置は、側面および天井面を囲う囲い壁に吸引排気口と外気取入口とを有し、前記吸引排気口からの強制排気により部屋内環境の集塵を行う溶接作業部屋と、該溶接作業部屋の内部に配設されたレーザ溶接装置と、を有し、該レーザ溶接装置の溶接ヘッドが、軸線をワークの表面に垂直な線に対し一定方向に傾けた姿勢で、溶接ヘッドの先端より前記軸線方向に沿ってレーザ光を出射してワークをレーザ溶接するものとして構成されており、前記溶接作業部屋には、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、前記溶接ヘッドを傾けた方向からその反対の方向へ向かう方向、および、前記溶接ヘッドを傾けた方向と直交する方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御する制御手段が備わっていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の溶接作業部屋における気流制御装置であって、前記溶接ヘッドのワークに対する進行方向をヘッド前側、その反対側をヘッド後側、ヘッド後側からヘッド前側を見たときの左側および右側をそれぞれヘッド左側およびヘッド右側とするとき、前記溶接ヘッドの軸線が、ワークの表面に垂直な線に対し所定角度ヘッド後側へ傾けられており、前記制御手段が、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向、ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向、ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向、ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向の4つの方向のうち、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向を除く3つの方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御する。
請求項7の発明は、請求項5または6に記載の溶接作業部屋における気流制御装置であって、天井面の囲い壁に集塵機につながる前記吸引排気口が設けられ、互いに対向する2側面の囲い壁に前記外気取入口がそれぞれ設けられており、前記制御手段が、使用する前記外気取入口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5または6に記載の溶接作業部屋における気流制御装置であって、天井面の囲い壁に集塵機につながる複数の前記吸引排気口が設けられ、側面の囲い壁に前記外気取入口が設けられており、前記制御手段が、使用する前記吸引排気口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする。
請求項1および請求項5の発明によれば、溶接ヘッドの傾きの方向を考慮して、溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵起因流の方向を制御することにより、加工点から立ち上がるヒュームの向きを制御して、溶接の熱源であるレーザ光をヒュームによって遮蔽しないようにすることができる。従って、溶接熱源であるレーザ光を安定してワークに照射することができて、溶接幅や溶接深さを安定させることができる。
請求項2および請求項6の発明によれば、軸線の傾きと反対方向に移動する溶接ヘッドの進行方向(加工方向)に応じて、溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵起因流の方向を制御することにより、加工点から立ち上がるヒュームの向きを制御して、溶接の熱源であるレーザ光をヒュームによって遮蔽しないようにすることができる。従って、溶接熱源であるレーザ光を安定してワークに照射することができて、溶接幅や溶接深さを安定させることができる。
請求項3および請求項7の発明によれば、2側面の囲い壁に設けた外気取入口の切り替えにより、簡単に溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵起因流の方向を制御することができるので、溶接ヘッドの傾きの方向や溶接ヘッドの進行方向により、必要に応じて使用する外気取入口の切り替えを行えばよい。
請求項4および請求項8の発明によれば、天井面の囲い壁に設けた吸引排気口の切り替えにより、簡単に溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵起因流の方向を制御することができるので、溶接ヘッドの傾きの方向や溶接ヘッドの進行方向により、必要に応じて使用する吸引排気口の切り替えを行えばよい。
本発明の第1の実施形態の説明図で、内部にレーザ溶接ロボットが配設された溶接作業部屋の概略構成を示す斜視図である。 前記レーザ溶接ロボットの溶接ヘッドで溶接を行う場合の溶接ヘッドの傾きと溶接ヘッドの進行方向の関係、および、加工点から立ち上るヒュームによって、溶接ヘッドの先端から出射されるレーザ光が遮蔽される問題を示す側面図である。 前記溶接ヘッドで溶接を行う場合の集塵起因流の好ましい方向の例を示す側面図である。 前記溶接ヘッドで溶接を行う場合の集塵起因流の好ましい方向の例(a)、(b)と、好ましくない方向の例(c)を示す側面図である。 第1の実施形態における溶接作業部屋の吸引排気口と外気取入口の配置を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 (a)は第1の外気取入口を使用する場合の溶接作業部屋内部の集塵起因流の方向を示す平面図、(b)は第2の外気取入口を使用する場合の溶接作業部屋内部の集塵起因流の方向を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態の説明図で、(a)は部屋の中間より前側に配置された吸引排気口を使用する場合の溶接作業部屋内部の集塵起因流の方向を示す平面図、(b)は部屋の中間より後側に配置された吸引排気口を使用する場合の溶接作業部屋内部の集塵起因流の方向を示す平面図である。 図7の実施形態と反対側に外気取入口がある第3の実施形態の説明図で、(a)は部屋の中間より前側に配置された吸引排気口を使用する場合の溶接作業部屋内部の集塵起因流の方向を示す平面図、(b)は部屋の中間より後側に配置された吸引排気口を使用する場合の溶接作業部屋内部の集塵起因流の方向を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は第1の実施形態の説明図で、内部にレーザ溶接ロボットが配設された溶接作業部屋の概略構成を示す斜視図、図2はレーザ溶接ロボットの溶接ヘッドで溶接を行う場合の溶接ヘッドの傾きと溶接ヘッドの進行方向の関係、および、加工点から立ち上るヒュームによって、溶接ヘッドの先端から出射されるレーザ光が遮蔽される問題を示す側面図である。
図1に示すように、レーザ溶接ロボット40は、アームの先端に溶接ヘッド30を備えるもので、溶接ヘッド30の位置および姿勢を自由に制御できるようになっている。レーザ溶接ロボット40の前には作業台50が設置され、この作業台50の上に載せられたワークに対して溶接作業が行われる。
図2に示すように、溶接ヘッド30は、ワークWに対する進行方向Eをヘッド前側、その反対側をヘッド後側、ヘッド後側からヘッド前側を見たときの左側および右側をそれぞれヘッド左側およびヘッド右側とするとき、軸線52を、ワークWの表面に垂直な線51に対して所定角度θ(10°〜20°程度)だけヘッド後側へ傾けた姿勢で保持され、その状態で、溶接ヘッド30の先端より軸線方向に沿ってレーザ光LBをワークWの上面に向けて出射し、ワークWの加工点Waにレーザ光LBを集光しながら溶接ヘッド30を進行方向Eに移動して、加工点Waに所定の溶接を施す。
また、溶接ヘッド30には、シールドガスSを噴射するサイドノズル100が備わっており、このサイドノズル100からシールドガスSを層流状態で加工点Waに供給することで、溶融部が再凝固するときに酸化させないようにしている。
なお、溶接ヘッド30の先端部分をノズル構造にして、ノズルからレーザ光を出射すると同時にシールドガスを噴射するように構成する場合もある。
図1に示すように、このように構成されたレーザ溶接ロボット40は、床面16上に設置され、外部にレーザ反射光やヒュームが漏れ出さないように、周側面と天井面を囲い壁によって囲まれた溶接作業部屋10の中に配設されている。
即ち、レーザ溶接ロボット40の周囲4側面は、前壁11と、後壁12と、左右側壁13、14とで囲まれ、天井面は天井壁15によって塞がれている。前壁11には、作業者の入出や材料搬入出用の扉18が設けられており、この扉18は作業中は閉じられている。
溶接作業部屋10の天井壁15には、集塵のために、溶接作業部屋10内の空気を集塵機25によって外部に強制排気する吸引排気口23が設けられている。また、互いに対向する左右側壁13、14には、集塵のために排気された分の空気を外部から部屋内に取り入れる第1、第2の外気取入口21、22が設けられている。第1、第2の外気取入口21、22は、1つずつ設けられていてもよいが、複数ずつ設けられていてもよい。
本実施形態においては、吸引排気口23は、天井壁15の前後方向の半分の位置よりも前側の位置で且つ天井壁15の左右方向幅の中間の位置に配置されており、作業台50の直上に位置している。
また、第1、第2の外気取入口21、22は、左右側壁13、14の前後方向の半分の位置よりも後側の位置で且つ高さ方向の半分の位置よりも下側の位置にに配置されている。
図2に示すように、作業台50の上にワークWを載せて、ワークWの上面に溶接ヘッド30によりレーザ光LBを照射して溶接を行った際、加工点(溶接点)WaからはヒュームF(溶接により発生する微細金属粒子)が立ち上る。溶接ヘッド30は、その軸線52を、ワークWの上面に垂直な線51よりヘッド後側(溶接ヘッド30の進行方向Eの反対側)に傾けているので、加工点WaよりヒュームFが垂直上方に立ち上った場合は、それほどレーザ光LBがヒュームFによって遮蔽されることはないが、周囲の風向きによっては、立ち上るヒュームFによって、加工点Waに向かうレーザ光LBが大きく遮蔽される場合がある。
そこで、本実施形態では、溶接ヘッド30の先端とワークWとの間に、ヒュームFを吹き飛ばす方向の集塵起因流(集塵に起因する空気流)Pを発生させるように、集塵の際の溶接作業部屋10内の空気の流れを図示しない制御手段によって制御している。
いま、溶接ヘッド30の先端とワークWとの間に流れる集塵起因流Pについて検討してみると、集塵起因流Pの向きは、主に次の4つの方向が考えられる。これらの中間の方向も考えられるが、その場合は、次の方向のどれか近い方向に代表させるものとして考える。
・「ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向」
・「ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向」
・「ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向」
・「ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向」
これらの4つの方向のうち、図3に示すように、「ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向」に集塵起因流Pを発生させれば、加工点Waから立ち上るヒュームFはレーザ光LBから離れる方向に移動するので、レーザ光LBがヒュームFによって遮蔽される可能性を排除できる。
また、図4(a),(b)に示すように、「ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向」あるいは「ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向」に集塵起因流Pを発生させた場合にも、ヒュームFはレーザ光LBから離れる方向に移動するので、レーザ光LBがヒュームFによって遮蔽される可能性を排除できる。
一方、図4(c)に示すように、「ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向」に集塵起因流Pが発生した場合は、ヒュームFがレーザ光LBに近づく方向に移動するので、レーザ光LBがヒュームFによって遮蔽される可能性が大きくなってしまう。
そこで、溶接ヘッド30の先端とワークWとの間に、「ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向」を除く3つの方向、即ち、「ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向」、「ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向」、「ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向」のいずれかの方向に集塵起因流Pが発生するように、溶接作業部屋10の内部の空気の流れを制御する。そうすることにより、ヒュームFによるレーザ光LBの遮蔽の問題を回避することができる。
実験の結果、溶接作業部屋10の内部の空気の流れの向きは、集塵の仕方により変わってくることが分かった。例えば、左右側壁13、14に設けられている第1の外気取入口21と第2の外気取入口22のどちらを使用するかにより、溶接ヘッド30の周囲の集塵起因流Pの向きが逆になることが分かった。
いま、図5(a),(b)に示すように、作業台50、吸引排気口23、外気取入口21、22が配置されていて、外気取入口21、22のいずれかから外気を取り込み(矢印Aの流れ)、吸引排気口23から溶接作業部屋10内の空気を排気(矢印Bの流れ)する場合について実験してみた。
その結果、図6(a)に示すように、左側の第1の外気取入口21を使用した場合は、時計回りの集塵起因流Pが溶接ヘッドの周囲に発生する。また、図6(b)に示すように、右側の第2の外気取入口22を使用した場合は、反時計回りの集塵起因流Pが溶接ヘッドの周囲に発生することが確認された。
従って、この集塵起因流Pの方向が、「ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向」、「ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向」、「ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向」のいずれかの方向になるように制御すればよく、「ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向」にならないように制御すればよい。
言い換えると、溶接ヘッド30の進行方向Eに応じて、溶接ヘッド30の先端とワークWとの間の集塵起因流Pの方向が、「ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向」にならないように、使用する外気取入口21、22を切り替えればよいと言うことになる。
例えば、溶接ヘッド30の進行方向が溶接作業部屋10の前側から後側への方向、あるいは、後側から前側への方向の場合は、集塵起因流Pの方向が図6(a)の場合も図6(b)の場合もOKであるが、溶接ヘッド30の進行方向が溶接作業部屋10の左右方向の場合は、集塵起因流Pの方向を変更する必要が生じることがある。
即ち、溶接ヘッド30の進行方向が溶接作業部屋10の右側から左側へ向かう方向である場合は、集塵起因流Pの方向が図6(a)のときは追い風状態になるのでOKであるが、集塵起因流Pの方向が図6(b)のときは向かい風状態になるのでNGである。従ってその場合は、即座に集塵起因流Pの方向が図6(a)の方向になるように、使用する外気取入口を、第2の外気取入口22から第1の外気取入口21に切り替えなくてはならない。
同様に、溶接ヘッド30の進行方向が溶接作業部屋10の左側から右側へ向かう方向である場合は、集塵起因流Pの方向が図6(b)のときは追い風状態になるのでOKであるが、集塵起因流Pの方向が図6(a)のときは向かい風状態になるのでNGである。従ってその場合は、即座に集塵起因流Pの方向が図6(b)の方向になるように、使用する外気取入口を、第1の外気取入口21から第2の外気取入口22に切り替えなくてはならない。
このように、溶接ヘッド30の先端とワークWとの間に発生する集塵起因流Pの方向を制御することにより、レーザ光LBがヒュームFによって遮蔽される問題をできるだけ回避することができる。従って、溶接熱源であるレーザ光LBを安定してワークWに照射することができて、溶接幅や溶接深さを安定させることができる。
なお、シールドガスSは、一般にノズルから層流となるように流速を落として排出されることで、ノズルから出た後も、外気の混入を抑制して高濃度のまま溶接部を覆うことができるようにしている。従って、集塵起因流Pは、シールドガスSの流れを遮ったり乱したりすることがないように、流速も、シールドガスSの流速の1/2〜1/10になるようにすることが望ましい。つまり、シールドガスSの流速は、ノズル先端で1〜5m/sが一般的であるから、集塵起因流Pの流速は0.5m/s以下となるようにコントロールするのが望ましい。
また、集塵により発生する気流については、外気取入口21、22の断面積と集塵風量とにより、広範囲に一定の流速と向きを維持できることが分かっているので、使用する外気取入口21、22の切り替えにより、最適な気流の向きを実現できることにより、加工位置による性能のばらつきを少なくすることができる。
次に他の実施形態について簡単に述べる。
上記第1実施形態では、吸引排気口23を天井壁15に1箇所だけ設け、使用する第1、第2の外気取入口21、22を切り替えることにより、集塵起因流Pの向きを変更するようにしているが、逆に外気吸入口を固定して吸引排気口を切り替えることでも、集塵起因流Pの向きを変更することができる。
図7(a),(b)の第2実施形態では、左側壁13のみに外気取入口21を設け、天井壁15の前後方向の半分の位置を挟む前側の位置と後側の位置に、天井壁15の左右方向幅の中間に位置させて、集塵機25につながる吸引排気口23a、23b(23)を配置している。
この場合、前側の吸引排気口23aを使用するときは、時計回りの集塵起因流Pを発生させることができる。また、後側の吸引排気口23bを使用するときは、反時計回りの集塵起因流Pを発生させることができる。
また、図8(a),(b)の第2実施形態では、右側壁14のみに外気取入口22を設け、天井壁15の前後方向の半分の位置を挟む前側の位置と後側の位置に、天井壁15の左右方向幅の中間に位置させて、集塵機25につながる吸引排気口23a、23b(23)を配置している。
この場合、前側の吸引排気口23aを使用するときは、反時計回りの集塵起因流Pを発生させることができる。また、後側の吸引排気口23bを使用するときは、時計回りの集塵起因流Pを発生させることができる。
従って、必要に応じて、使用する吸引排気口23a、23bを切り替えることによって、集塵起因流Pの方向を制御することにより、ヒュームFがレーザ光LBを遮蔽する問題を回避することができる。
なお、集塵機25が能力が劣化した場合に、外気取入口21、22の実質流路面積をダンパ等でコントロールすることにより、集塵起因流を最適状態に保つことが期待できる。
また、上記実施形態では、特に言及しなかったが、溶接ヘッド30にはリモート溶接ヘッドも含まれる。
また、本明細書では、上述した「溶接」の言葉の中には、ヒュームが発生する「溶断」も含まれるものとする。
また、上記実施形態では、溶接ヘッド30の進行方向を基準にして、ヘッド前側、ヘッド後側、ヘッド左側、ヘッド後側を定義し、ヘッド後側に溶接ヘッド30の軸線51が傾いている場合の集塵起因流Pの方向を述べたが、溶接ヘッド30の傾いている方向を基準にして、集塵起因流の方向を規定してもよい。その場合も、便宜的に溶接ヘッド30の傾いている方向をヘッド後側として、他の方向を定義すれば、上記と同様のことが言える。
10 溶接作業部屋
13 左側壁(囲い壁)
14 右側壁(囲い壁)
15 天井壁(囲い壁)
21 第1の外気取入口
22 第2の外気取入口
23,23a,23b 吸引排気口
25 集塵機
30 溶接ヘッド
40 レーザ溶接ロボット(レーザ溶接装置)
P 集塵起因流
W ワーク
Wa 加工点(溶接点)

Claims (8)

  1. 側面および天井面を囲う囲い壁に吸引排気口と外気取入口とを有し、前記吸引排気口からの強制排気により部屋内環境の集塵を行う溶接作業部屋の内部にレーザ溶接装置を配設し、
    前記レーザ溶接装置の溶接ヘッドの軸線をワークの表面に垂直な線に対し一定方向に傾けた姿勢で、溶接ヘッドの先端より前記軸線方向に沿ってレーザ光を出射してワークをレーザ溶接する際に、
    前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、前記溶接ヘッドを傾けた方向からその反対の方向へ向かう方向、および、前記溶接ヘッドを傾けた方向と直交する方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御方法。
  2. 請求項1に記載の溶接作業部屋における気流制御方法であって、
    前記溶接ヘッドのワークに対する進行方向をヘッド前側、その反対側をヘッド後側、ヘッド後側からヘッド前側を見たときの左側および右側をそれぞれヘッド左側およびヘッド右側とするとき、
    前記溶接ヘッドの軸線を、ワークの表面に垂直な線に対し所定角度ヘッド後側へ傾け、
    前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向、ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向、ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向、ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向の4つの方向のうち、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向を除く3つの方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の溶接作業部屋における気流制御方法であって、
    天井面の囲い壁に集塵機につながる前記吸引排気口が設けられ、互いに対向する2側面の囲い壁に前記外気取入口がそれぞれ設けられており、使用する前記外気取入口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御方法。
  4. 請求項1または2に記載の溶接作業部屋における気流制御方法であって、
    天井面の囲い壁に集塵機につながる複数の前記吸引排気口が設けられ、側面の囲い壁に前記外気取入口が設けられており、使用する前記吸引排気口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御方法。
  5. 側面および天井面を囲う囲い壁に吸引排気口と外気取入口とを有し、前記吸引排気口からの強制排気により部屋内環境の集塵を行う溶接作業部屋と、
    該溶接作業部屋の内部に配設されたレーザ溶接装置と、を有し、
    該レーザ溶接装置の溶接ヘッドが、軸線をワークの表面に垂直な線に対し一定方向に傾けた姿勢で、溶接ヘッドの先端より前記軸線方向に沿ってレーザ光を出射してワークをレーザ溶接するものとして構成されており、
    前記溶接作業部屋には、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、前記溶接ヘッドを傾けた方向からその反対の方向へ向かう方向、および、前記溶接ヘッドを傾けた方向と直交する方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御する制御手段が備わっていることを特徴とする溶接作業部屋における気流制御装置。
  6. 請求項5に記載の溶接作業部屋における気流制御装置であって、
    前記溶接ヘッドのワークに対する進行方向をヘッド前側、その反対側をヘッド後側、ヘッド後側からヘッド前側を見たときの左側および右側をそれぞれヘッド左側およびヘッド右側とするとき、
    前記溶接ヘッドの軸線が、ワークの表面に垂直な線に対し所定角度ヘッド後側へ傾けられており、
    前記制御手段が、
    前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向、ヘッド後側からヘッド前側へ向かう方向、ヘッド左側からヘッド右側へ向かう方向、ヘッド右側からヘッド左側へ向かう方向の4つの方向のうち、ヘッド前側からヘッド後側へ向かう方向を除く3つの方向のいずれかの方向に集塵に起因する空気流が発生するように、前記溶接作業部屋の内部の空気の流れを制御することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の溶接作業部屋における気流制御装置であって、
    天井面の囲い壁に集塵機につながる前記吸引排気口が設けられ、互いに対向する2側面の囲い壁に前記外気取入口がそれぞれ設けられており、前記制御手段が、使用する前記外気取入口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御装置。
  8. 請求項5または6に記載の溶接作業部屋における気流制御装置であって、
    天井面の囲い壁に集塵機につながる複数の前記吸引排気口が設けられ、側面の囲い壁に前記外気取入口が設けられており、前記制御手段が、使用する前記吸引排気口の切り替えにより、前記溶接ヘッドの先端とワークとの間に発生する集塵に起因する空気流の方向を変更することを特徴とする溶接作業部屋における気流制御装置。
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