JP5994052B2 - 自己洗浄乾燥型下半身装身具 - Google Patents

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Description

本発明は、自己洗浄乾燥型下半身装身具に関する。
病院、老人介護施設、一般家庭などにおいては、寝たきり患者のように自らトイレ施設まで行って排泄行為をすることが困難ないわゆる要介護者が近年多くなってきているのが実情である。そうした人達に対しては介護ヘルパーの方達による排泄等の処置を含む介護が必要とされるが、そうした介護の必要なくしてベッドに寝たまま簡単かつ清潔に排泄物の処理が行えるようにしたいという要求も多々ある。そうした提案も多くなされておりその一例として特許公報1に開示されたものがある。
特開2001−254522(該当個所:図13、14ならびに[0029]〜[0034])
特許文献1には排泄物処理装置についての技術が開示されており、特に介護用ベッドが例示され、ベッドは上半身受部と下半身受部とに分かれて用を足す前に制御により下半身受部を上半身受部側から離してその離れた間にスペースを形成するようにし、そのスペースを利用して排泄処理槽をリフトアップさせてその吸盤が寝ている人の臀部に密着するように制御される。そして、排泄が済まされたあとは吸盤内や臀部などを放射洗浄して排除パイプを通じて排除するようになっている。そして洗浄後は下半身受部が元に戻されて上半身受部とともに平時の1つのベッドを構成するようにされる。
ところで、前記排泄処理装置付きベッドによれば、吸盤である排泄処理槽を臀部に吸着させるようにしてあるが、人それぞれに臀部の形や大きさなどが異なりしかも臀部には吸着しにくい両足太ももがあることなどにより最適な吸着状態を得にくいものである。その結果、排泄後の槽内洗浄や臀部洗浄が洩れなく確実に行えない欠点がある。また、下半身受部は用を終えたあとは強制的に上半身受部側に戻されるようになっているが、その際、洗浄を受けた人はその間に挟まれたりする危険がある。
本発明は、こうした問題を解決しようとするものであり、自身の排泄物の処理が自己洗浄乾燥方式により穿いたままの状態で洩れや内部滞溜など全くなくまた介護者なくして簡単確実かつ安全衛生的な下に行われるようにした自己洗浄乾燥型下半身装身具を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、腰回り部分と左右の足通し部分とを備えた装身具本体がベッド上の利用者の下半身を対象に穿き得て腰回り部分の上縁回りと足通し部分の下縁回りとがそれぞれ対応する身体部分との間において一定の作用内圧に抗して密着状態を保持し得るものとして非通水生地をもって立体的に作製され、該装身具本体には、利用者の排便個所を噴射対象として含むように身体表面に向けて洗浄水あるいは乾燥気である供給流体を噴射可能な複数の噴射孔と、前記噴射孔に洗浄水あるいは乾燥気を導く第2の供給手段と、利用者の排便個所下方近くに対応して外向きに突出し内向きには凹状をなし外部の排除チューブが接続される回収凹部とが設けられているとともに、前記装身具本体には、供給制御手段と排除制御手段とが接続されて装備されるようにされ、これら供給制御手段と排除制御手段とは、給排用制御ユニットと、この給排用制御ユニットに洗浄水と乾燥気とを個別的に圧送可能である一方装身具本体内に供給されたものを排泄物とともに吸引排除可能な給排共用路とを有し、給排用制御ユニットは、前記第2の供給手段に接続される第1の供給手段と前記給排共用路との間に接続されるとともに前記排除チューブとも接続されて、利用者が排泄しようとする前の段階で利用者自身が手元操作によって少なくとも排泄個所を通って回収凹部から給排共用路へと吸引排除力が作用するもと定常化流れとなる強制洗浄水流を発生しかつ継続可能なように、前記給排共用路からの洗浄水や乾燥気の第1供給手段への各圧送と排除チューブを通じての回収物の吸引排除駆動の各動作を利用者により個別的に切換制御可能に構成され、前記排除制御手段は、給排用制御ユニットと給排共用路の他、回収凹部と排除チューブとでなる回収物排除手段とを含めて構成されている。
上述したように請求項1に記載の発明は、腰回り部分と左右の足通し部分とを備えた装身具本体がベッド上の利用者の下半身を対象に穿き得て腰回り部分の上縁回りと足通し部分の下縁回りとがそれぞれ対応する身体部分との間において一定の作用内圧に抗して密着状態を保持し得るものとして非通水生地をもって立体的に作製され、該装身具本体には、利用者の排便個所を噴射対象として含むように身体表面に向けて洗浄水あるいは乾燥気である供給流体を噴射可能な複数の噴射孔と、前記噴射孔に洗浄水あるいは乾燥気を導く第2の供給手段と、利用者の排便個所下方近くに対応して外向きに突出し内向きには凹状をなし外部の排除チューブが接続される回収凹部とが設けられているとともに、前記装身具本体には、供給制御手段と排除制御手段とが接続されて装備されるようにされ、これら供給制御手段と排除制御手段とは、給排用制御ユニットと、この給排用制御ユニットに洗浄水と乾燥気とを個別的に圧送可能である一方装身具本体内に供給されたものを排泄物とともに吸引排除可能な給排共用路とを有し、給排用制御ユニットは、前記第2の供給手段に接続される第1の供給手段と前記給排共用路との間に接続されるとともに前記排除チューブとも接続されて、利用者が排泄しようとする前の段階で利用者自身が手元操作によって少なくとも排泄個所を通って回収凹部から給排共用路へと吸引排除力が作用するもと定常化流れとなる強制洗浄水流を発生しかつ継続可能なように、前記給排共用路からの洗浄水や乾燥気の第1供給手段への各圧送と排除チューブを通じての回収物の吸引排除駆動の各動作を利用者により個別的に切換制御可能に構成され、前記排除制御手段は、給排用制御ユニットと給排共用路の他、回収凹部と排除チューブとでなる回収物排除手段とを含めて構成されているので、自身の排泄物の処理が自己洗浄乾燥方式により穿いたままの状態で洩れや内部滞溜など全くなくまた介護者なくして簡単確実かつ安全衛生的な下に行われるようにした自己洗浄乾燥型下半身装身具を提供することができる。
本発明の一実施形態である自己洗浄乾燥型下半身装身具を着けてベッドに上向きになったもとで自己洗浄をせんとする患者など利用者の様子を示す平面図。 図1のII−II線模式断面図。 図1のIII−III線模式断面図。 装身具の他の実施形態を示す平面図。 図4のV−V線断面図。
以下、本発明である自己洗浄乾燥型下半身装身具の一実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
これらの図において1は装身具本体で、腰回り部分2と左右の足通し部分3とを非通水生地(ウレタンやシリコン、ゴム質など)として立体的に作製してなるものであり、腰回り部分2の上縁回り1aと足通し部分3の下縁回り1bを弾性伸縮材により形成して対応する腰部4aと太もも部4bとでなる身体部分4に対し一定の作用内圧に抗して密着状態を保持し得るようにされている。
装身具本体1は、共に前記と同じ材質でなる内層と外層の内外2層構造(2枚重ね式)でなり、外層は平坦な素材を裁断してそのまま平坦面を立体にしたものであるが、内層については、基本的に波型に成形されて、その凹部が外層に接合された重合部分a…とされる一方凸部が内向き突条型の内通路部b…とされたものとなっている。内通路部bには、図3の右欄に一部を例示するように、内(身体)向きの噴射孔(噴射手段)c…が1列直列あるいは2列並列配置さらには図示の複列千鳥配置などとして多数個所に亘って設けられている。噴射孔c…を通じて洗浄水が噴射されることにより洗浄水が身体部分4との間に隙間を作って浮かせるようにしながら洗浄水を全体的に行き渡らせるようにして撹拌洗浄が効果的になされるようになっている。
洗浄水等の供給手段7は第1と第2の供給手段7A、7Bで構成され、前記内通路部b内の内通路7a〜7eはそのうちの第2供給手段7Bに該当する。
内通路7a〜7eの詳細は、図2のように前面中央から後面中央へと側面視U字状の1つの通路として設けられた幅間中央縦路7aと、腰回り部分2の上縁部に環路状に設けられて幅間中央縦路7aに連通するようにされた上回り路7bと、足通し部分3,3の下縁部に環路状に設けられた下回り路7cと、これら7b、7c間を複数列をなして縦方向に連通させるように配列された縦連通路7dとでなっている。これら内通路7a〜7eの全てには図3の右欄に示す噴射孔c…が開けられている。
第1供給手段7Aは、給排用制御ユニット(供給制御手段の一つ)16から伸び装身具本体1の幅間中央縦路7aに連通するように結合した脱着式接続ピースJにつながる連通チューブによって構成されている。この第1供給手段7Aは、給排共用路(供給制御手段の一つ)18から制御ユニット16を通じて切換制御により個別に供給される洗浄水・乾燥気・消毒水(温湯)の共通路となっている。これら洗浄水・乾燥気・消毒水はそれぞれ個別の供給路を通じて供給されるようにしてもよい。
尚、図1に示すように、縦連通路7dはそれに交差する横連通路7eで連通状につないでより隅々まで洗浄水などが巡るようにしてもよい。また、図1の右下欄に示すように、斜め交差状をした斜連通路7fを上・下回り路7b、7cに連通するように組み合わせてもよい。
12は重点噴射用ノズルで、第1供給手段7Aから分岐して例えば、排便個所Bを直接狙って洗浄水→乾燥気→消毒水の順に噴射して撹拌洗浄などが効果的になれるようにしてある。14は回収物排除手段15の要部である吸盤状の回収凹部で、装身具本体1の排泄位置B付近に対応する個所に密閉状に取り付けられ、その回収凹部14には、接続ピースJが取り付けられるとともに排除チューブ17を介して制御ユニット16に接続されている。
制御ユニット16には、他の利用者のためにも共用されるように設置した給排共用路18からの洗浄水・乾燥気・消毒水(3つの矢印)などの供給路が接続されるとともにそれらが切換制御により供給手段7に導かれるようになっており、一方、制御ユニット16は回収物を排除チューブ17から前記給排共用路18へと排除する機能をもたせてある。尚、洗浄や排除用の圧送・吸引ポンプと全体の制御回路などは図示省略してある。また、回収凹部14の納まりを良くするため、ベッド19側に凹部19aあるいは丸穴などの開口を形成してもよい。
ベッド19上の利用者は必要に応じてリモコン操作で排泄物を自己処理することができ、手元操作により供給ポンプをONするとともに制御ユニット16を洗浄水供給系に切り換えることで供給手段7に洗浄水を供給し噴射孔c…を通じて装身具本体1と身体部分4との間に噴射することができる。洗浄水は一定時間であるいは必要とする時間帯において噴射して排泄物(A,B)を漏らすことなく内部で撹拌洗浄すると同時に回収物排除手段15を通じてそれら撹拌洗浄物を制御ユニット16および共用路18を通じてドレン系統に排除するようにする。制御ユニット16・共用路18・吸引ポンプなどは排除制御手段を構成し、それに回収凹部14・排除チューブ17などを組み合わせたものが回収物排除手段15となっている。
前記撹拌洗浄は、内通路7a〜7fを形成する通路形成突条網が存在して本体1を密着した状態でなく浮いた状態にするとともに噴射孔からの洗浄水の力で浮上力を発生した状態でなされることから、撹拌洗浄が詰まることなく全体に行き渡って効果的になされるようになる。
噴射・排除の制御は、一定時間の噴射を終えたあと排除処理をする場合と、噴射しながら同時に排除処理する場合とがある。
また、1回の噴射洗浄を終えたあとに再度噴射洗浄をする場合もあり、噴射洗浄は3回以上連続して行われる場合がある。この噴射洗浄には、微細エアーが混入されることがある。また、洗浄水は脈動波を付加して噴射することもできる。
その後、排泄物の除去された空間には乾燥気(暖気あるいは常温気)が噴射されて身体部分4および装身具本体1側の双方表面がきれいに乾燥処置されたあと、衛生目的で消毒水が噴射投入されさらに乾燥気の噴射で内部乾燥処理されることにより1つの洗浄サイクルが完了するようになっている。
洗浄水とは、一般水(あるいは温湯)やクラスター水などの他に洗浄機能剤を含む水をも含む。洗浄水としては、溶解性の高い高純度の水を多く含むかそれを全部として含むものが好適である。また、洗浄水としては、微細加圧エアーの飽和水を使用することが排泄物を吸着しやすくする上で好適である。
制御ユニット16は複数のベッド19…上の各患者による個別的制御操作が行えるように構成することがある。尚、制御ユニット16は図示しないリモコンでの遠隔操作により被介護者あるいは介護者などの利用者が連動制御可能とされている(以下同じ)。
図4および図5は自己洗浄乾燥型下半身装身具についての他の実施形態を示している。20は装身具本体で、腰回り部分21と足通し部分22とを有する非透水質の1枚ものでなる。装身具本体20の上縁部および下縁部自身は身体部分25に密着するようになっているが、ここではさらにゴム質でなる上縁回り23と下縁回り24を装身具本体20の上下縁に付して身体部分25への密着性をアップして一定以下の内圧では洗浄水や乾燥気などが漏れ出ないように作られている。J…は脱着型接続ピースで、それぞれの内端には噴射孔が形成されるとともに、該ピースJのうちの3つには洗浄水供給手段27が接続されている。洗浄水供給手段27には給排用制御ユニット31が接続されるとともに他の接続ピースJには制御ユニット31からの乾燥気供給手段28が接続されている。29は回収凹部(回収物排除手段30の一部)で、排除チューブ32が接続され、該チューブ32は制御ユニット31に接続されている。制御ユニット31と給排共用路33、および圧送ポンプ、配管などは供給制御手段を構成し、同じく制御ユニット31と給排共用路33、および吸引ポンプ、配管などは排除制御手段を構成する。
こうした装身具本体20は、3Dスキャナーにてスキャンした装着対象である個人の身体(下半身)立体データに基づいてそのデータを用いて作動する3Dプリンタによる制御により該個人専用として作製されるようになっているものである。そのあと、前記接続ピースJ…などを付設して当該個人専用の下半身装身具が完成されるようになっている
この場合の装身具は1枚(1層)式になっているが、図1ないし図3に示すような2層式のものに3Dプリントでもって仕上げたものもここに含む。
尚、図1ないし図5に示す各実施形態においては、皮膚等に害のない撥水スプレーを排泄前において内部噴射しておける撥水剤供給噴射手段を装身具本体に付設した装身具とすることもでき、そうした装身具によれば身体回りに排泄物が残留付着しにくくきれいに除去されるようになる。
また、図4および図5に示す実施形態において前記洗浄水・乾燥気・消毒水などの供給手段は共通する単一管系統にまとめて簡素化して制御ユニットによる供給路の切換制御により洗浄水・乾燥気・消毒水などを自在に供給可能にすることがある。
さらに、図1ないし図3に示す実施形態および図4、図5に示す実施形態において、利用者(被介護者・患者など)が排便をしようとする前の段階でリモコンなどの操作により洗浄水(常温あるいは温湯、さらにエアー混じりのもの)の供給制御を開始することにより装身具本体内に洗浄水を噴射させるだけでなく同時にあるいは噴射より少し遅れたタイミングで回収物排除手段を始動させるようにすることにより内部において噴射側を基に排除側へと定常化流れとして流れる強制洗浄水流を発生・継続しておくようにし、そうした状況下で一定時間後に排便である排泄を促すようにして排泄物をその強制流に乗せて即座に強制排除するようにする洗浄処理方法並びに関連制御システムを含む装身具をここに提案する。この場合、供給量よりも排除量の方を多くして負圧吸引状態で強制洗浄水流を流すようにすれば、内部での撹拌作用が少なく抑えられて拡散なく排除させることができる。一定時間後、引く量を少なくして供給量の方を増やして洗浄してのち内部のものを排除するようにすれば内部洗浄が広範囲に確実になされるようになる。
1,20…装身具本体 2,21…腰回り部分 3,22…足通し部分 4,25…身体部分 7…洗浄水等の供給手段 14,29…回収凹部 15,30…回収物排除手段 16,31…給排用制御ユニット 19…ベッド 27…洗浄水供給手段 28…乾燥気供給手段 J…脱着型接続ピース。

Claims (1)

  1. 腰回り部分と左右の足通し部分とを備えた装身具本体がベッド上の利用者の下半身を対象に穿き得て腰回り部分の上縁回りと足通し部分の下縁回りとがそれぞれ対応する身体部分との間において一定の作用内圧に抗して密着状態を保持し得るものとして非通水生地をもって立体的に作製され、該装身具本体には、利用者の排便個所を噴射対象として含むように身体表面に向けて洗浄水あるいは乾燥気である供給流体を噴射可能な複数の噴射孔と、前記噴射孔に洗浄水あるいは乾燥気を導く第2の供給手段と、利用者の排便個所下方近くに対応して外向きに突出し内向きには凹状をなし外部の排除チューブが接続される回収凹部とが設けられているとともに、前記装身具本体には、供給制御手段と排除制御手段とが接続されて装備されるようにされ、これら供給制御手段と排除制御手段とは、給排用制御ユニットと、この給排用制御ユニットに洗浄水と乾燥気とを個別的に圧送可能である一方装身具本体内に供給されたものを排泄物とともに吸引排除可能な給排共用路とを有し、給排用制御ユニットは、前記第2の供給手段に接続される第1の供給手段と前記給排共用路との間に接続されるとともに前記排除チューブとも接続されて、利用者が排泄しようとする前の段階で利用者自身が手元操作によって少なくとも排泄個所を通って回収凹部から給排共用路へと吸引排除力が作用するもと定常化流れとなる強制洗浄水流を発生しかつ継続可能なように、前記給排共用路からの洗浄水や乾燥気の第1供給手段への各圧送と排除チューブを通じての回収物の吸引排除駆動の各動作を利用者により個別的に切換制御可能に構成され、前記排除制御手段は、給排用制御ユニットと給排共用路の他、回収凹部と排除チューブとでなる回収物排除手段とを含めて構成されている自己洗浄乾燥型下半身装身具。
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