JP2004041706A - 介護用水洗パンツ - Google Patents

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Abstract

【課題】おむつあるいはパンツの中の排泄物をおむつを取り替えること無く、処理するパンツあるいはおむつを得る。
【解決手段】不透水性の布又はシートでパンツを作り、脚と胴の付け根に沿ってパンツに接着したホース4を取り付け、ホースに不伸縮性のベルトを取り付ける。パンツの下の脚にベルトを巻き、ホースに取り付けたベルトをひも状あるいはテープ状もので結合する。パンツ後面の人体の尻に接する部分に空気を入れると膨らむ柔らかいホース8を取り付ける。ホース2の下に前後に穴のあいた柔らかいホース6を挿入し、パンツの下部に穴をあけ、ホース7に接続する。この構成で、臭い又は湿度センサーを用い便尿の有無を検知し、有りでホースに空気を入れ、お尻の部分のホースに空気を入れて人体とパンツの間に隙間を作る。その後、ホース6より洗浄水をパンツの中に流し込み排泄物を洗い流し、さらにホース6に温風を吹き込む。
【選択図】図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は主として医療、福祉、介護分野に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
寝たきりの病人あるいは寝たきり老人の介護でもっとも人的介護を要する仕事はおむつの交換である。また、おむつを取り替えられる病人・老人にしても、自分の前を開けられることは、病気のためやむをえないとはいえ著しく自尊心を傷つけられるものである。したがって、排便排尿のあと、寝たきりのままそれを排出し、お尻をその都度洗浄するようなおむつが望まれる。最近開発された糞尿の排出装置としては、ベッドに便器を取り付け、排便排尿後真空吸引するものがあるが、これは便器の一種でおむつでは無く、寝たまま自由に排便排尿を行ったものを処理するものでは無い。できれば、おむつと同様にして、排便排尿ができ、かつ排泄物をおむつを取り替えること無く、処理するもおむつ(パンツ)が介護上望まれる。このような観点から、脚・胴に空気で膨らむホースを取り付け、水洗時にホースを脚と胴に密着させて止水する介護用パンツの提案(出願)がなされている。しかし、これは単なる概念を示したもので、実際に実験を行っていないため、多くの問題点があり、このままでは実用化はできない。その問題点を列記すると、(1)ホースで締め付けるとき、ホースの圧力が大きすぎると、ホースが軸方向に伸び、かえって漏水しやすくなる。また、ホースを軸方向に伸ばさない程度のわずかな圧力では止水効果が少なく漏水する。したがって、ホースの軸方向伸びを拘束する方法が必要である。(2)パンツの形状が不適切で提案されたパンツでは洗浄時に脚の部分に汚物が溜まり排出されない。(3)病人が寝た状態では、人体とパンツの間に隙間が無くなり、水洗で排泄物を排出することはできない。(4)仮に人体とパンツの間に隙間を作ったとしても水洗時に排泄物がパンツ内に散らばり、すべてを排出することはできない。すなわち、外部から洗浄水を注入するだけではパンツ内を完全に洗浄することは困難である。(5)パンツの軸方向力を拘束した場合、パンツと人体を密着させるホースの圧力が大きいほど止水効果を発揮するが、大き過ぎると人体締め付け圧が大きくなり、人体に苦痛を与える。したがって、人体に苦痛を与えないで止水できる適切なホース内圧力としなければならない。(6)パンツは空気を通さない不透水性の材料で作られるので、このままでは蒸れが起こり、長時間使用すると、パンツ内の人体が損傷する。したがって、蒸れを無くする方法が必要である。
一方、排泄物を検知し、自動洗浄および乾燥を行うような提案もなされている。しかし、これも概念的なものを示したに過ぎず、センサーにしてもどのようなセンサーを用い、どのようなタイミングの制御を行うのかが不明である。以上のような問題点を解決しなければ介護用パンツの実用化はできない。現に多くの出願があるが、それを実現した実用的なパンツは未だ未開発である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来のおむつおよび介護用排泄機器の欠点を解消するものである。 すなわち、寝たまま排便・排尿をしたとき、自動的にパンツ内を水洗洗浄し、温風乾燥し、かつ常にパンツ内を最適な湿度に保つ人体装着介護用水洗パンツを新たに与えるものである、これまでの出願等における概念的方法は荒唐無稽なところが多いので、制御面・力学的面から考察して実現可能な具体的なパンツの構造とその制御システムを開発し、実際に実験を行ってその妥当性を検証する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
図1は本研究で提案する人体装着自動水洗パンツの構造図を示したものである。本パンツはパンツ本体と柔らかいホースで構成される。不透水性の布あるいはシートでパンツを作り、脚(太股)と胴の付け根に沿ってパンツに接着した柔らかい止水用のホース▲4▼を取り付け、胴周りにホース▲2▼をパンツに接着して取り付け、パンツの後ろ(尻の部分)に適当な間隔を開けてホース▲8▼を接着する。また、パンツ内部に穴のあいたホース▲6▼を挿入し、さらにパンツの下部(肛門付近)に穴をあけ、この穴を排水ホース▲7▼の先端に接続する。
このような構成のパンツにおいて、ホース▲1▼に空気を送り込むと、ホース▲2▼および▲3▼を通してホース▲4▼に空気が送られ、ホース▲2▼およびホース▲4▼が膨らみ、人体の脚および胴に密着し、パンツの中に水が入ってもパンツの外へ水を漏れ出さなくできるように考えがちである。しかし、ホースはつぶれなければならないため、柔らかい伸縮性のもので作られる。そのため、ホース▲2▼および▲4▼に空気を入れると、はじめは人体に密着するが、その後ホースの中心軸線がのびるため、人体の密着度が無くなっていく。このとき、軸線の伸びが小さいときの人体密着圧は小さく、パンツからの水の漏洩を完全に止めることはできない。そこで、ホース▲2▼および▲4▼の上にホースの軸方向変位を拘束するための不伸縮性のベルトをかける。これによりホース内空気圧が大きければ大きいほどホースと人体の密着圧力は高くなる。
また、パンツ内の汚物をパンツ内に残さずに排出させるためには、排水口がすべての流路より下流になければならない。そのため、脚(太股)と胴の付け根に沿ってパンツに接着した柔らかい止水用のホース▲4▼を取り付ける。このような取り付けにしたホース▲4▼に空気を入れると、力の平衡が崩れるため、ホースが胴側に反ることになる。そこで、それを防止するため、図2に示すように、ベルト▲11▼をパンツ下部の脚に巻き、ベルト▲11▼とベルト▲10▼をベルト▲12▼で結合することにより反りを抑える。これにより脚(太股)とホースの密着圧が一様で大きくなり、止水を完全なものとすることができる。
また、ホース▲8▼に空気をいれることで、人間が仰向けに寝ていたとき、ベッドと人体の間に隙間を作り、人体とパンツの間に水を流せるようにする。
排尿・排便を水洗するときは、ホース▲5▼に洗浄水を入れ、ホース▲6▼の前部と後部に空いた多数の穴より洗浄水をパンツの中に流し込み、パンツの中の排泄物をこの洗浄水によりホース▲7▼よりパンツの外へ排出する。しかし、パンツ内に洗浄水を流入させるだけでは洗浄が完全でないので、配水管▲7▼に排水ポンプあるいは吸引ポンプを接続して洗浄中稼働させる。さらにそのあとで、ホース▲5▼の水を止め、温風をホース▲5▼を通して▲6▼の穴よりパンツ内に吹き込み、パンツ内部を乾燥させる。このとき、まずホース▲2▼とホース▲4▼の空気を入れたままにしておき、まず大きな水滴を飛ばす(この時間は10秒〜4分間が適当である)。その後にホース▲2▼とホース▲4▼の空気を解放してホースの緊張を無くし、その後十分に乾燥するまで温風を吹き込む。
【0005】
【実施の準備】
図1に示すようなパンツを厚さ0.6mmのゴムシートで作成した。また、止水ホース、水洗・乾燥空気を流すホースの部分は自転車のチューブを切り取ってパンツにゴム糊で接着して作成した。また尻の部分は洗浄状態を観察するため、ゴムシートを切り取り、透明ビニールとし、その端部をゴム製パンツに熱融着シートを用いて接着した。
また、人体の代わりに介護用の人形(人体とほぼ同じサイズ)を用意し、止水ホースの当たる部分に対しては、人形の中にウレタンを入れて人体の肌とほぼ同じ感触が得られるようにした。この人形に上記のパンツを履かせた。
【0006】
【実施例】
上記で作成したパンツのホース▲2▼およびホース▲4▼に、もっとも人形に密着する最適な圧力を探して空気を入れてホースを人形に密着させた。ついで、水洗用のホース▲5▼に水道管をつなぎ、水をパンツ内に流し込んだところ、どうしても漏れを止めることができなかった。そこで、ホース▲2▼および▲4▼の上にホースの軸方向変位を拘束するための不伸縮性のベルトをかぶせた。このとき、脚については、ベルト▲11▼をパンツ下部の脚に巻き、ベルト▲11▼とベルト▲10▼をベルト▲12▼で結合した。この状態で同じ実験を行ったところ水漏れを完全に無くすることができた。このときの最大流量(水道のバルブ全開)は800cm/sであったが、そのとき水漏れを起こさないホース▲2▼、▲4▼内の圧力の最低値は0.01MPaであった。またこのときの人体締め付け圧を計るためにホース▲2▼、▲4▼と人形の肌の間に感圧紙を入れて圧力を測定したところ、胴の部分は0.4MPa、脚の部分は0.5MPaであった。
【0007】
本発明で提案する人体装着介護用パンツでは、排便・排尿を検知し、自動洗浄するものであり、その制御システムの概要図を図3に示す。この図を基に以下にその制御順序を示す。
(1)図において、パンツ内で排便・排尿があると、そのにおいを臭いセンサーで電圧に変換し、コンピュータに取り込まれ、排便・排尿の有無を検知する。排便・排尿を検知すると、コンピュータによりコントロールボックスのリレーを駆動し、弁1を開ける。弁1はコンプレッサにつながれているので、圧縮空気がパンツ内のホース▲2▼、▲4▼および▲8▼に流入し、これらのホースを膨らませ、圧力が適正なところで弁1を閉める。これで、ホース▲2▼が脚に、ホース▲4▼が胴に密着する。また、ホース▲8▼が膨らみお尻とパンツの間に隙間を作る。
(2)弁2を開けてホース▲6▼を開けてパンツ内に洗浄水を流し込む。洗浄水をパンツ内に流し込むだけでは、洗浄水を排水することが完全でないので、パンツの排水ホースに取り付けられた排水ポンプを駆動する。このとき、弁1と排水ポンプの動きを単に連動させてもパンツ内の水が完全に排水されないうちに排水ポンプが止まるため、水がパンツ内に残る。それを防止するため、タイムリレーを介して排水ポンプを駆動している。これにより、洗浄水の流入が止まった後もしばらく排水ポンプが作動し、パンツ内の水を完全に抜くことができる。
(3)上記の水洗が完了したあと、リレーを作動させ、ヒータのファンとヒータを作動させて、温風をパンツ内に吹き込む。これによりパンツ内を乾燥させたあとファンとヒータを止める。パンツ内の乾燥に対しては、はじめはホース▲2▼、▲4▼および▲8▼を膨らませたままとするが、パンツ内の大きな水滴を飛ばした後にこれらホースの空気を抜く。すなわち、適当な時間温風を吹き込んだ後、弁4を開き、ホース内の圧力を解放する。以上で水洗に対する一連の動作は完了する。
(4)本パンツは、水洗を行うため、不透水性の材料により作られるため、空気の流通が無く、パンツのなかで蒸れがおこる。蒸れが起こった場合、排泄物ほどではないが、においが発生する。そこで、においをある時間観測し、排泄物のにおいの上がり方より小さく、蒸れに対するしきい値よりにおいが大きくなった場合は、温風のみをパンツ内に吹き込み、にパンツ内を乾燥させて、蒸れを防止する。
以上のことをタイミングチャートとして表したものが図4である。図中のs、s〜sは時間(秒)を表し、この図に基づいた電磁弁などのコントロールを行う。これの時間については、実験的に最適値を調べる。
【0008】
本パンツは人体に装着して用いる介護用品であるので、これの使用により人体に悪影響を与えてはならない。そこで、本パンツの使用による人体への影響を求める。人体に及ぼす影響を計測する尺度としては、脈拍の変化と血圧の変化に注目した。
また、実際にどのような感じであったかを聞き取り調査する。本研究で協力していただいた被験者は男性1人(被験者A)、と女性2人(被験者B、C)の3人である。聞き取り調査では、人体に与えるパンツの締め付け圧の影響を5段階に分けて回答していただいた。すなわち、1はまったく自然と変わらない、2は人体に感じるが問題はない、3は締め付け圧は感じるが、30分程度なら我慢できる、4は5分程度なら我慢できる、5は我慢できない、である。人体を締め付ける部分は2カ所あり、ひとつは胴回りの部分であり、もう一つは脚(両脚)の太股部分である。実験は、被験者の体型に合わせ、胴周りと脚周りの二つに分けて行った。本実験では、まず人体を締め付けるホース内圧力と人体締め付け圧の関係を測定した。測定は、ホース内圧力は通常の圧力計をホースに取り付けて計測した。また、人体締め付け圧の測定は、人体に違和感を与えないよう感圧紙をホースと人体の間に挟み、ホースに圧力を与えたあと取り出し、色の変化を調べて圧力を決定した。感圧紙は紙であり、これを挟んでも人体に違和感をまったく与えない。
図5は人体締め付け圧と、ホース内圧力の関係を、3人の被験者の平均について示したものである。締め付け圧は、ホースの大きさが人体の締め付ける部分より若干大きい場合、小さい場合等、パンツのサイズで異なり、また被験者の人体の持つ弾性でも異なる。当然のことではあるが、人体締め付け圧とホース内圧力はばらつきがあるもののほぼ比例関係にある。また、胴の部分の締め付け圧も脚の部分の締め付け圧もほぼ同じであることがわかる。
ついで人体締め付け圧が脈拍とか血圧に及ぼす影響を調べた。その結果、人体締め付け圧が0.8MPa以下では、血圧、脈拍数ともにほとんど変化がなかった。
一方、図6は前述の方法による感性の結果の平均を示したものである。人体締め付け圧が0.5以下ではほとんど感じない2の領域である。また、0.8Mpaでも30分程度我慢できる3の領域となっている。しかし、1Mpaでは、脚にかかる圧力に対して、ほとんど我慢できない4の領域となっている。以上より、人体締め付け圧は、0.8Mpa以下である必要がある。
本パンツでは、脚と胴のホースを空気で膨らませて人体に密着させたとき、パンツ内水洗時に水がパンツから漏れ出さないことがもっとも重要な課題である。そこで、本実験で試作したパンツを被験者Aに装着していただき、パンツの中に温水を満杯になるまで充満させて、パンツからの漏れを調べてみたところ、ホース内圧力が0.01MPa以上のとき、まったく漏水しないことが分かった。このときの人体締め付け圧は0.5MPaであり、人形の場合の結果とほぼ同様であり、上記の0.8Mpaよりはるかに小さい。したがって、本パンツを人体に装着し、上記のような方法で止水をしても問題ないといえる。
【0009】
以上の考察から、本発明のパンツは、水洗時の止水ができ、かつ人体にも苦痛を与えないことが分かったので、以下汚物の洗浄について人形を用いて検討する。
汚物の洗浄では、流速(流量)が速いほど洗浄効果は高くなると考えられるので、種々の流量について洗浄実験を行う。洗浄の制御については、図4の制御のタイミングで洗浄時間を決定する必要がある。そこで、流量を変え、時間を計測しながら、パンツの後ろの透明部分を写真撮影し、洗浄状態を目視で観察して洗浄の度合いを決定した。結果を図7に示す。図7で、この場合も洗浄度を4段階に分け、1は汚物が全体的にパンツ内に残っている場合を、2は汚物が部分的に残っている場合を、3は汚物がほんのわずか残っている場合を、4はほぼ完全に洗浄された場合を表す。図7で、洗浄度が2程度までは、流量にあまり影響なく、5〜30秒程度で到達する。しかし、それ以上の洗浄度を得ようとすると、流量が小さい場合は極めて難しくなる。流量がもっとも大きい685cm/sのときは約15秒で4の段階、すなわちほぼ完全な洗浄状態をえることができる。これより遅い478cm/sでは、190秒程度洗浄に時間がかかっている。
本実験で製作したパンツは、汚物の流れの状況を時々刻々知るため、お尻の部分を滑らかな透明ビニールしーととしてある。しかし、滑らかなビニールあるいはゴムは肌触りが悪い。肌触りが良い布では、水を通すので、本パンツの素材としては使用できない。そこで、布に近いビニール製のシートをパンツの材料に使うことを考えた。そのときの水洗実験の結果も求める。このシートを本パンツのお尻のところに貼り付け、洗浄試験を行ったあとで、パンツから出し、写真撮影を行った。この場合の流量と時間の関係も前述とほぼ同様であるが、洗浄後に土の色が若干残る。シートに布のような目があるため(布目はあるが水は通さない)、土はわずかにその目の中に入り込んだため、完全には洗浄できていないが、ほほ洗浄されていると言える。すなわち、実用上は布のような不透水シートを使っても洗浄ができると言える。
寝ている人間がお尻の洗浄を苦にしないでおられるのは、ある程度の時間は許されると思われるが、1分以内が望ましいと考えられる。以上の実験から本パンツの実用化に際しては、流量を600cm/s〜800cm/sとすれば、十分にその時間内に洗浄が行える。もし、排水に吸引ポンプなどを用いたときはさらに流量と水洗時間を短縮できる。
【0010】
パンツ内の洗浄が終わると、乾燥となるが、これについては、まず水分を飛ばしたところで、人体締め付けホースの緊張を解き、あとは楽な状態で乾燥させる。人体締め付け時間はなるべく短い方が良いが、締め付け解放後はかなりの時間乾燥しても問題ないと思われる。パンツ内を乾燥するとき、温風の温度が高ければ高いほど乾燥は早いが、あまり高い温度では、人間の快適性を失う。パンツのなかに温風を吹き込み、そのなかに手を入れて温度と感性を調べたところ、42℃〜49℃あたりが適当な温度であることが分かった。そこで、42℃、44℃、49℃の3種類について、乾燥実験を行った。その結果、上記温度の場合、完全にパンツ内部を乾燥させるには、約14分から20分程度かかることが分かった。
一方、パンツ素材を布目としたときの乾燥状態も調べた。このときは、布目による表面積が増加しているため、乾燥に要した時間はビニールのときに比べ、相当に小さく、42℃で11分、44℃で8分、49℃で8分となっている。このことから、実際に用いる布目を用いたパンツでは、その乾燥時間を10〜15分程度とするのが適当と考えられる。
いずれにしても、乾燥時間がかなり長いことから、乾燥時はまず止水ホースに空気を入れたまま乾燥に入り、水分を飛ばしたあとの乾燥は止水ホースの圧力を解放して乾燥を行う方法が人体に対する負荷が少ない。
【0011】
以上得られた基礎データを用いて、本パンツの水洗乾燥実験を行った。本発明で開発した制御プログラムにしたがい、まず、制御の妥当性を検証したところ、プログラムの流れ、電磁弁開閉の順序などは、図4に示すような動作を行い、水洗乾燥を行うことを確認した。ついで、パンツ内に粘土質の土にアンモニア水を混ぜた物を人体模型に粘着させ、水洗実験を行った。このとき、臭いセンサーからの出力に対して、適当なしきい値を与えることで、便尿の検出と蒸れの検出が行えることが確認された。また、汚物にみたてたアンモニア入りの粘土で水洗乾燥を自動的に行うことが確認された。なお、便と尿は同時に人体から出されることを考えると、臭いセンサーの代わりに湿度センサーを用いても同様の検出ができ、臭いセンサーより精度良くパンツ内の湿度を制御することができる。このときは適正湿度の制御は単純なP制御をコンピュータで行い(これで蒸れの防止もできる)、また、尿(便尿)検出湿度のときは上記と同様の制御を行えば良い。
【0012】
【発明の効果】
本発明は医療・介護に用いられる介護用おむつの替わりに用いられるものである。
その効果は
(1)本パンツを使用することで、おむつ取り替えの手間が要らなくなる。
(2)おむつ取り替えに伴う、患者の精神的負担を軽減できる。
(3)介護費用を安くすることができる。
【0008】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の介護用水洗パンツの概要図
【図2】本発明のパンツを装着した状態
【図3】実施例における制御システムの概要
【図4】制御タイミング図
【図5】人体締め付け圧と止水ホース内圧力の関係
【図6】人体締め付け圧の人間の感性に及ぼす影響
【図7】流量の違いによる洗浄度と時間の関係
【符号の説明】
【図1】▲1▼:ホース2へ空気を送るホース、▲2▼:胴とパンツを密着するホース。▲3▼:ホース2からホース4へ空気を送るホース、▲4▼:パンツと脚(太股)を密着するホース、▲5▼:ホース6へ水および空気を送るホース、▲6▼:洗浄水および温風をパンツ内に吹き込むホース、▲7▼:排水ホース、▲8▼:人体とパンツの間に隙間を作るホース。
【図2】▲9▼:胴のホースを拘束するベルト、▲10▼:脚のホースを拘束するベルト、▲11▼:ホース4の反りを防止するためのベルト、▲12▼:連結ベルト

Claims (4)

  1. パンツの胴回りと脚回りにホースを取り付け、それを膨らませて人体に密着させ、パンツ内を洗浄水にて洗浄したあと温風をパンツ内に吹き込み乾燥させるパンツにおいて、不透水性の布あるいはシートでパンツを作り、脚(太股)と胴の付け根に沿ってパンツに接着した柔らかい止水用のホース▲4▼を取り付け、そのホースの上に不伸縮性のベルト▲10▼を取り付ける。パンツの下の脚にベルト▲11▼を巻き、そのベルト▲11▼とホースに取り付けたベルト▲10▼をひも状あるいはテープ状もの▲12▼で結合する。また、胴周りに止水用ホース▲2▼を取り付け、その上に不伸縮性のベルト▲9▼を取り付けることを特徴とする人体装着介護用パンツ。
  2. パンツの胴回りと脚回りにホースを取り付け、それを膨らませて人体に密着させ、パンツ内を洗浄水にて洗浄したあと温風をパンツ内に吹き込み乾燥させるパンツにおいて、パンツ後面内側の人体の尻に接する部分に空気を入れると膨らむ柔らかいホース▲8▼を取り付けることを特徴とするパンツ。
  3. 上記の構成を有するパンツ、すなわち、 パンツの胴回りと脚回りにホースを取り付け、それを膨らませて人体に密着させ、パンツ内を洗浄水にて洗浄したあと温風をパンツ内に吹き込み乾燥させるパンツにおいて、不透水性の布あるいはシートでパンツを作り、脚(太股)と胴の付け根に沿ってパンツに接着した柔らかい止水用のホース▲4▼を取り付け、そのホースの上に不伸縮性のベルト▲10▼を取り付ける。パンツの下の脚にベルト▲11▼を巻き、そのベルト▲11▼とホースに取り付けたベルト▲10▼をひも状あるいはテープ状もの▲12▼で結合する。また、胴周りに止水用ホース▲2▼を取り付け、その上に不伸縮性のベルト▲9▼を取り付ける。さらに、パンツ内部のホース▲2▼の下に前と後ろに穴のあいた柔らかいホース▲6▼を挿入し、さらにパンツの下部(肛門付近)に穴をあけ、この穴を排水ホース▲7▼の先端に接続する。以上のような構成を有するパンツにおいて、便尿の有無を検知したあと、胴に巻かれた止水ホース▲2▼およびに脚に巻かれた止水ホース▲4▼に人体締め付け圧が0.8Mpa以下になるような空気を入れ、ホースを膨らませて人体の脚および胴に密着させる。また、お尻の部分のホースにも空気を入れて膨らませて人体とパンツの間に1mm〜20mmの隙間を作る。そのあとで、ホース▲6▼より洗浄水をパンツの中に流し込み、パンツの中の排泄物をこの洗浄水により洗い流し、ホース▲7▼よりパンツの外へ排出した後止水する。このとき、必要に応じて排水管に排水ポンプあるいは吸引ポンプを接続して排水を補助する。さらにそのあとでホース▲6▼に35℃〜49℃の温風を吹き込む。このとき、まずホース▲2▼とホース▲4▼の空気を入れたままにしておき、10秒〜4分後にホース▲2▼とホース▲4▼の空気を解放してホースの緊張を無くし、その後十分に乾燥するまで温風を吹き込む。以上を特徴とする水洗パンツ。
  4. パンツの胴回りと脚回りにホースを取り付け、それを膨らませて人体に密着させ、パンツ内を洗浄水にて洗浄したあと温風をパンツ内に吹き込み乾燥させるパンツにおいて、臭いセンサーあるいは湿度センサーを用い、便尿検出および蒸れ検出のアルゴリズムを決定しておき、便尿のあるときは、ホースの緊張・開放、水洗洗浄および温風による乾燥を行い、また蒸れがあるときは蒸れを検出してパンツ内に温風を吹き込み、パンツ内を常時適当な湿度に保つことを特徴とする水洗パンツ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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