JPH0613817U

JPH0613817U - 寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパンツ

Info

Publication number: JPH0613817U
Application number: JP5155092U
Authority: JP
Inventors: 柔幸滝本
Original assignee: 柔幸滝本
Priority date: 1992-07-22
Filing date: 1992-07-22
Publication date: 1994-02-22

Abstract

(57)【要約】【目的】寝たきりの老人・患者や障害者の垂れ流し排尿
便の後始末洗浄や身体の洗浄においてベッドで横になり
ながら簡単に着脱でき、周りを濡らさずよく洗え乾かせ
る寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパンツを提供する。【構成】全体を防水材質で構成したデカパンツにおい
て、内部に温風・温水を注入自在に注口３Ａを設け、履
口α１に防水チャック２を周着するとともに、履用した
人の太股部Ａ１・腰部Ａ２・下腹部・臀部Ａ３周りに当
る内側面に取り付け延在した空気袋帯１Ａ，１Ｂで人の
当該部所を圧迫・漏水防止自在な封水堤を形成し、当該
封水堤で囲んだ内部全体を前記温風・温水が駆けめぐり
洗浄・乾燥し、かつ前記温風・温水を排出自在に人の肛
門に臨む内側面に排口３Ｂを開口したことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、寝たきりの老人・患者や障害者（以下、寝たきり患者）が排尿便を催た時寝たまゝ垂れ流し後処理等洗浄をベッド等で横になったまま行なえる寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパンツ（以下、デカパン）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来における重症度の寝たきり患者の排尿便は介護者が別途用意する溲瓶を局部に当てがったり、便器を腰下に設置したりして行い、終了後は介護者に局部を紙等で拭いてもらっているため寝たきり患者にとっては苦痛かつ羞恥に耐えず、介護者にとっては後始末に嫌悪を催し、しかも悪臭が室中に蔓延し、一層不快感に魘われる。他方身体の洗浄は、風呂に運んで支えたり、吊るしながら洗ったりしていたが、手間がかかり人手も多くいるので大変な作業なので、頻繁に洗浄はできず不衛生になりがちで寝たきり患者は少なからず不快な思いをするものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上のような排尿便の介護処置や身体の洗浄は手間がかかり、３Ｋの極みであり、身体の洗浄は入浴に代って普通はベッド上で濡れタオルで身体を拭く程度しかできないので、特に排便や排尿時の汚れには十分とはいえず、これも手早くやらないと患者が風邪をひいたり、不衛生で臭いのつく憂いがある。ここにおいて、本案は前記従来の技術の課題に鑑み、ベッドで横になりながら簡単に着脱でき、周りを濡らさずよく洗え乾かせる寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパンを提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題の解決は、本案が次に列挙する新規な特徴的構成手段を採用することにより達成される。即ち、本案の第１の特徴は、全体を防水材質で構成したデカパンにおいて、内部に温風・温水を注入自在な注口を設け、履口に防水チャックを周着するとともに、履用した人の太股部・腰部・下腹部・臀部周りに当る内側面に取付け延在した空気袋帯で人の当該部所を圧迫・漏水防止自在な封水堤を形成し、当該封水堤で囲まれた内部全体を前記温風・温水が駆けめぐり洗浄・乾燥し、かつ前記温風・温水を排出自在に人の肛門に臨む内側面に排口を開口してなるデカパンである。

【０００５】本案の第２の特徴は、前記第１の特徴における履口が、その全周に亙り、上体を包み込み密封着用自在な防水ジャケットの下端縁全域と防水チャックで水密連結自在に構成してなるデカパンである。

【０００６】本案の第３の特徴は、前記第１または２の特徴における空気袋帯が、腰部周りにおいて、臀部の膨拡断面積が下腹部の膨拡面積よりも大きく膨らみ、臀部を若干持ち上げ自在に構成してなるデカパンである。

【０００７】

【作用】

本案は、前記のような防水材質で構成したデカパンツ形で温水・温風を注入・排出させかつ、腰部や太股部などを通す部分を空気を入れて膨張させた空気袋帯を裏地に取り付け延在した封水堤で、当該部所を圧迫する水封仕切手段を講じたので、水漏れを防ぎ、臀部を持ち上げ、寝たまま簡単に着せられ、洗浄・排水・乾燥は温水と温風を切り換えて注入するだけで実現する。

【０００８】

【実施例】

本案の実施例を図面につき詳説する。図１は寝たきり患者が本実施例を着用した平面図、図２は同・図１中II−II線拡大断面図、図３は同・側面図、図４は同・防水ジャケットと水密連結し着用した正面図である。

【０００９】図中、Ａは寝たきり患者、Ａ１は太股部、Ａ２は腰部、Ａ３は臀部、Ａ４は肩部、αは本実施例のデカパン、α１は履口、α２は足通し口、βは防水ジャケット、１Ａ，１Ｂは空気袋帯、２は防水チャック、３Ａ，３Ａ’は温水・温風注口、３Ｂは排口、４Ａは給気三股チューブ，４Ｂは排出チューブ、５は排水、６は透明プラスチック製排水溜め容器、６’は空気ぬき、６Ａは吐出し口、７は取り付け孔である。

【００１０】本実施例のデカパンαは、図１に示すように防水材質でできた二股のデカパンツ形で、足通し口α２内縁全周および下腹部と臀部Ａ３に亙る腰部Ａ２を通す部分近傍には環状に空気で膨縮自在な空気袋帯１Ａ，１Ｂをデカパン裏地に取り付け延在する二重構成された封水堤を形成自在に設け、履口α１全周縁に亙り防水チャック２を取り付け、腹部を締め付け自在に構成する。

【００１１】そして、股上辺から温風・温水を注入する注口３Ａをもうけ、図示しない温水・温風注入装置からの給気三股チューブ４Ａを接続する。また、臀部Ａ３間の肛門に臨む水の溜まる箇所には、これらの温水・温風を排出する排口３Ｂを開設し、または透明な排水溜め容器６を排出チューブ４Ｂで接続する。

【００１２】さらに、この臀部Ａ３に当る部位の空気袋帯１Ｂの最大膨拡断面積は、下腹部に当る部位の最大膨拡断面積よりも大きく、従って少し大きく膨らみ、臀部Ａ３を持ち上げることができる。図２に示すように、臀部Ａ３の下側に沿って並行に延び空気袋帯１Ｂに連通するよう裏地に取付けた空気袋帯１Ｂ′の膨拡により臀部Ａ３は持ち上がり排口３Ｂ付近を囲繞する逆Ｕ字形の湾状に封水堤を形成することととなる。

【００１３】本実施例の仕様はこのような具体的実施態様を呈し、次にその使用手順を説明する。図１及び図３に示すように、この洗浄用デカパンαに裸で寝た状態の寝たきり患者Ａの両足を履口α１から足通し口α２へそれぞれ通し、腰を少し浮かせると同時にデカパンαを摺り上げ腹部の防水チャック２を締めて、摺り下がらないように固定し履かせる。

【００１４】この状態では、普通のパンツとして機能する。そして、ベッド・布団上などで横たわったまゝ、注口３Ａに給気三股チューブ４Ａを、排口３Ｂに排出チューブ４Ｂを接続し、空気袋帯１Ａ，１Ｂに空気を送り込み封水堤を形成して太股部Ａ１や腰部Ａ２の遊びが十分無くなったのを確認し、垂れ流し排尿便後、温水を注入する。

【００１５】この温水は、デカパンαの空気袋帯１Ａと１Ｂ間中を駆けめぐり、太股部Ａ１や腰部Ａ２の方に行くが、防水堤で水封しているので外側に漏れたりせずに、重力によって臀部Ａ３が臨む箇所に溜まり、さらに臀部Ａ３の空気袋帯１Ｂ’の膨らみにより臀部Ａ３を持ち上げて溜を囲成するので、排口３Ｂから排尿便ともども、排出チューブ４Ｂを通し排水溜め容器６へ排出され洗浄を行うことができる。その間の悪臭の拡散はなく、寝たきり患者Ａは他人の目を気にせず、介護者は温水の供給スイッチをＯＮ，ＯＦＦするだけである。

【００１６】この排水５は、排出チューブ４Ｂをプラスチックやガラスや溲瓶等の排水溜め容器６の取り付け孔７から、空気ぬき６’より空気のみを放出し、排水溜め容器６底部から溜まり、徐々にいっぱいになるのが外から見えるので、ある程度溜まったら中の排水５を排水溜め容器６ごと運びトイレ等に排水５を吐出し口６Ａから捨てにいけばよい。

【００１７】十分に洗浄ができたなら、今度は前記温水・温風注入装置を温風に切替て注入しデカパンα内部の太股部Ａ１や腰部Ａ２や臀部Ａ３を乾燥させ、十分に乾いたなら温風スイッチを止めて、デカパンαを脱がせば洗浄作業は終わりである。

【００１８】場合により、この温水に洗剤液を混ぜれば、さらに洗浄効果は高まる。また、入浴に代えて、図４に示すように腹部から寝たきり患者Ａ上半身全体に防水ジャケットβを着用させて下端縁全周を、着用させたデカパンαの履口α１の防水チャック２で水密連結することで、全身の洗浄が行えるようになる。この場合は、図示しない適宜手段を設けて空気袋帯１Ａのみに空気を送り、空気袋帯１Ｂには送らないようにし上体を少し高めにし肩部Ａ４が臨む部位に注口３Ａ’ を設けまず温水を、その後温風を入れて流せば尿や便が上がってこないので精神的にも快適である。

【００１９】

【考案の効果】

かくして、本案によれば、従来の技術では対応できなかったベッド上で水漏れせずに温水・温風を流すデカパンの着用により、寝たきり患者の排尿便の後始末や身体の汚れや汗等を十分洗浄・乾燥でき、排尿便時には溲瓶や便器を必要とせず、身体の洗浄時には風呂まで運んだり手間のかかる介護作業を減らし、寝たきり患者と介護者のいずれにも負担が少なく迅速にして簡便に、保健衛生を保つ等優れた実用性、有用性を具有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の実施例において寝たきり患者が着用した
正面図である。

【図２】同上、図１中II−II線拡大断面図である。

【図３】同上、側面図である。

【図４】同上、防水ジャケットともども着用した正面図
である。

【符号の説明】

Ａ…寝たきり患者Ａ１…太股部Ａ２…腰部Ａ３…臀部Ａ４…肩部 α…デカパン α１…履口 α２…足通し口 β…防水ジャケット１Ａ，１Ｂ…空気袋帯２…防水チャック３Ａ，３Ａ’…注口３Ｂ…排口４Ａ…給気三股チューブ４Ｂ…排出チューブ５…排水６…排水溜め容器６’…空気ぬき６Ａ…吐出し口７…取り付け孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】全体を防水材質で構成したデカパンツにお
いて、内部に温風・温水を注入自在な注口を設け、履口
に防水チャックを周着するとともに、履用した人の太股
部・腰部・下腹部・臀部周りに当る内側面に取り付け延
在した空気袋帯で人の当該部所を圧迫・漏水防止自在な
封水堤を形成し、当該封水堤で囲まれた内部全体を前記
温風・温水が駆けめぐり洗浄・乾燥し、かつ前記温風・
温水を排出自在に人の肛門に臨む内側面に排口を開口し
たことを特徴とする寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパン
ツ。
【請求項２】履口は、その全周に亙り、上体を包み込み
密封着用自在な防水ジャケットの下端縁全域と防水チャ
ックで水密連結自在に構成したことを特徴とする請求項
１記載の寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパンツ。
【請求項３】空気袋帯は、腰部周りにおいて、臀部の膨
拡断面積が下腹部の膨拡断面積よりも大きく膨らみ、臀
部を若干持ち上げ自在に構成したことを特徴とする請求
項１または２記載の寝たきり垂れ流し等洗浄用デカパン
ツ。