JP5993290B2 - セルロースアシレートフィルム、積層フィルム、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、積層フィルム、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はセルロースアシレートフィルムおよび該セルロースアシレートフィルムを有する積層フィルムに関する。特に、位相差フィルムに用いるセルロースアシレートフィルムに関する。また、かかるセルロースアシレートフィルムや位相差フィルムを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。
さらに、かかるセルロースアシレートフィルムの製造方法に関する。
従来から、セルロースアシレートフィルムを基板とする位相差フィルムが検討されている。このような位相差フィルムに用いられるセルロースアシレートフィルムとしては、様々なものが知られており、その一例として、セルロースアシレートのアシル置換度が低いものが検討されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2010−79239号公報 特開2010−215733号公報
ここで、薄いセルロースアシレートフィルムでも高い面内レターデーションReを得るためには高い延伸倍率でフィルム中のセルロースアシレート分子鎖を揃えた高い配向度とすることで達成できる。
セルロースアシレートフィルムは、光学的や機械的な諸物性の向上や光学部材としての機能の複合化を目的として積層体として扱われることが多く、特に偏光板において位相差フィルムとしての機能と偏光板保護フィルムとしての機能を兼ねる目的で用いられることが知られている。
本発明者が検討したところ、この様な配向度の高いセルロースアシレートフィルムは偏光子との密着性が著しく低いことが分かった。さらに、用いるセルロースアシレートの置換度によっても密着性の低下の程度が異なり、低置換度であると密着性の低下が顕著であることも分かった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的としたものであって、セルロースアシレートを高配向させたセルロースアシレートフィルムであって、密着性に優れたセルロースアシレートフィルムを提供することを目的とする。特に、高いReを達成できるセルロースアシレートフィルムを提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、低アシル置換度のセルロースアシレートを高配向させた場合にフィルムの密着性が劣る原因が、セルロースアシレートを高配向させることによるセルロースアシレートの凝集破壊にあると推定された。そこで、かかるセルロースアシレートフィルムの表面を表面配向緩和処理することを検討した。しかしながら、セルロースアシレートフィルムの厚さが薄いと、例えば、特許文献1のように表層から厚さ方向に3μmまでの領域のセルロースアシレートを配向緩和させると、フィルム中のセルロースアシレートの配向度が低下してしまう。
かかる状況のもと、本発明者が検討したところ、本発明のフィルムは高配向、かつ、低アシル置換度であるため、溶剤の浸透性が変化し、溶剤がフィルムに浸み込みにくいことが分かった。そこで、溶剤を用いて表面処理をすると、ごく薄い表層の領域にしか溶剤が浸透しないことが分かった。すなわち、セルロースアシレートのごく薄い表層のみ表面処理することができ、セルロースアシレートの高い配向度を維持しつつ、表面処理が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下の手段<1>により、好ましくは<2>〜<17>により、上記課題は解決された。
<1>セルロースアシレートの平均アシル置換度DSが2.0≦DS≦2.6であり、下記要件を満たすセルロースアシレートフィルム;
フィルムの厚さd(単位:μm)が15≦d≦50;
フィルムのセルロースアシレートの平均配向度Sbが0.05≦Sb≦1.0;
フィルムの少なくとも一方の表面(表面A)のセルロースアシレートの配向度Ss1が0.00≦Ss1≦0.04(但し、配向度Ss1は、フィルムの一方の表面からフィルムの厚さ方向に0〜5%の領域のセルロースアシレートの平均配向度をいう)。
<2>前記表面Aからフィルムの厚さ方向に5〜10%の領域のセルロースアシレートの平均配向度Ss2が0.05≦Sb2≦0.75である、<1>に記載のセルロースアシレートフィルム。
<3>前記セルロースアシレートフィルムが、以下の式を満たすことを特徴とする<1>または<2>に記載のセルロースアシレートフィルム;
85≦Re≦150
−100≦Rth≦10
(ここで、Reは及びRthは、それぞれ、25℃、60%相対湿度で波長550nmの光で測定した面内レターデーション値(単位:nm)及び厚み方向のレターデーション値(単位:nm)である。)
<4>前記セルロースアシレートの両方の表面のセルロースアシレートの配向度Ss1が、それぞれ、0.00≦Ss1≦0.04である、<1>〜<3>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
<5><1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムと、前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の上に層を有する、積層フィルム。
<6>前記層が、ホメオトロピック配向した液晶層である、<5>に記載の積層フィルム。
<7>前記ホメオトロピック配向した液晶層と、セルロースアシレートフィルムの間に中間層を有する、<5>または<6>に記載の積層フィルム。
<8><1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムまたは<5>〜<7>のいずれかに記載の積層フィルムを有する偏光板。
<9>前記セルロースアシレートフィルムの前記表面A側に偏光子を有する、<8>に記載の偏光板。
<10><1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム、<5>〜<7>のいずれかに記載の積層フィルム、または、<8>または<9>に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
<11>平均アシル置換度2.0≦DS≦2.6のセルロースアシレートフィルムを少なくとも60%以上の倍率で搬送方向と垂直な方向に延伸し、少なくとも一方の表面にセルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤およびセルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤の少なくとも1種を含む溶剤を用いた表面配向緩和処理を行うことを含む、厚さd(単位:μm)が15≦d≦50のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
<12>前記セルロースアシレートフィルムが<1>〜<4>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムである、<11>に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
<13>前記溶剤が、酢酸メチルおよび/またはシクロヘキサノンを含む、<11>または<12>に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
<14>前記溶剤による表面配向緩和処理をフィルムの両方の表面に行う、<11>〜<13>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
<15>前記溶剤による表面配向緩和処理が溶剤塗布である、<11>〜<14>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
<16>前記溶剤による表面配向緩和処理が溶剤鹸化である、<11>〜<14>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
<17>前記溶剤による表面配向緩和処理がセルロースアシレートフィルムを偏光子と貼り合せる際の糊に溶剤を配合する方法である、<11>〜<14>のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
本発明により、セルロースアシレートのアシル置換度が低く、かつ、配向度が高く、膜厚が薄いセルロースアシレートフィルムであって、密着性に優れたフィルムを提供可能になった。
本発明のセルロースアシレートフィルムの一例を示す断面概略図である。 本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートの平均アシル置換度DSが2.0≦DS≦2.6であり、下記要件を満たすことを特徴とする。
フィルムの厚さd(単位:μm)が15≦d≦50;
フィルムのセルロースアシレートの平均配向度Sbが0.05≦Sb≦1.0;
フィルムの少なくとも一方の表面(表面A)のセルロースアシレートの配向度Ss1が0.00≦Ss1≦0.04(但し、配向度Ss1は、フィルムの一方の表面からフィルムの厚さ方向に0〜5%の領域のセルロースアシレートの平均配向度をいう)
このような構成とすることにより、薄くて高配向度のセルロースアシレートフィルムであって、密着性の高いフィルムとすることができる。本発明のフィルムは、高倍率の延伸により表面の面状が良化するので偏光子と貼りあわせた場合の密着性を顕著に向上させることができる上に、下地の面状に大きく影響を受ける塗布によって形成される隣接する層との密着性や面状も向上させることができる。
図1は、本発明のセルロースアシレートフィルムの一例を示す断面概略図である。図1におけるフィルムの尺度は実態には必ずしも沿っていない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムの厚さ方向で、セルロースアシレートの平均配向度が異なる領域が存在している。図1の例では、フィルムの表面から厚さ方向に0〜5%の領域のセルロースアシレートの平均配向度がそれぞれSs1であり(以下、「領域A」ということがある)、フィルムの表面から厚さ方向に5〜10%の領域のセルロースアシレートの平均配向度がそれぞれSs2であり(以下、「領域A'」ということがある)、フィルム全体のセルロースアシレートの平均配向度がSbとなっている。また、本発明のフィルムは、厚さ方向に領域によって、構成成分が異なっていてもよい。例えば、図1のフィルムでは、上側の領域Aには微粒子(マット剤と称することもある)が含まれている。このようなフィルムは、断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、微粒子が単層フィルム中の上方に偏在しているように観察される。
以下、本発明の詳細を説明する。
<セルロースアシレート>
本発明で用いるセルロースアシレートフィルムは、主成分としてセルロースアシレートを含む。本発明で用いるセルロースアシレートは、平均アシル置換度DSが2.0≦DS≦2.6である。このような低平均アシル置換度を有するセルロースアシレートを高配向させることによって、高いReおよびRthを達成でき、かつ、偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ時に、優れた表示特性を達成できる。
平均アシル置換度は、2.05≦DS≦2.5であることが好ましく、2.2≦DS≦2.45であることがより好ましい。
ここで、「主成分として」とは、セルロースアシレートフィルムが単一のポリマーからなる場合には、そのポリマーのことを示し、複数のポリマーからなる場合には、セルロースアシレートフィルムを構成するポリマーのうち、最も質量分率の高いポリマーのことを示す。
セルロースアシレートにおける、セルロースの水酸基への置換度の測定方法としては、ASTMD−817−91に準じて実施することができる。
<平均配向度Sb>
本発明のセルロースアシレートフィルムの平均配向度Sbは0.05≦Sb≦1.0である。このように平均配向度Sbの値を高く保ちつつ、表面配向度Ss1を小さくすることによって、高いレターデーションを発現でき、かつ、偏光板等との密着性に優れたフィルムが得られる。本発明のセルロースアシレートフィルムの平均配向度Sbは、0.06≦Sb≦0.6がより好ましく、0.07≦Sb≦0.5がさらに好ましく、0.08≦Sb≦0.2がよりさらに好ましい。
ここで配向度(以下「S」と表記することがある)とは、高分子フィルムの配向度、液晶の配向度を表す指標として用いられ、0≦S≦1の範囲で定義される。S=0は、液体状態のように完全にランダムな状態を示す。S=1は、結晶のように分子の揺らぎがなく一方向に完全に配向している状態を示す。一般に、結晶性高分子フィルムの配向秩序度は、X線回折パターンにより測定されるが、ネマチック液晶性のフィルムを測定する場合、この方法では深さ方向の配向度を採取する際に感度が悪く測定方法としては好ましくない。本明細書における「配向度」は、東京インスツルメンツ社製「Nanofinder」を利用して、励起レーザー波長を532nm、励起レーザー出力を試料部で約400uWとして、分光器前に偏光解消子を取り付けて測定を行い、得られた値である。測定試料として、測定対象のフィルムを、フィルム面に対して約0.5〜1度の角度で斜めに切削したものを用いる。
上記試料にレーザー偏光を入射して、層の偏光ラマン測定を行う。試料を回転させ、レーザー偏光が入射する試料の面の方位と入射レーザー偏光の電場方向がなす角度を変えていくつかの角度で測定を行い、散乱光の成分のうち入射レーザー偏光電場と平行な偏光成分(I平行)と垂直な偏光成分(I垂直)を、検光子を用いてそれぞれ分光検出する。さらに層中に含まれる分子の骨格に由来するピークをもつバンドに対し、理論的に導いた式により配向オーダーパラメータP2、P4をパラメータとして最小二乗法に基づくフィッティング解析を行い、配向度Sを得る。
上記測定方法により配向度を測定すると、深さ方向に区画された領域ごとに、配向度がそれぞれ得られる。それぞれの領域ごとに得られる配向度Sは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
なお、配向秩序度Sは、測定精度から±0.02の範囲であれば、実質的に同等である。
<表面配向度>
本発明のセルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の表面(表面A)の表面配向度Ss1は0.00≦Ss1≦0.04である。配向度Ss1は、フィルムの一方の表面からフィルムの厚さ方向に0〜5%の領域のセルロースアシレートの平均配向度をいう。ここで、本願明細書では、かかる表面配向度Ss1を有する表面を表面Aという。本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムの一方の面のみが上記Ss1の範囲を満たしていてもよいし、両方の面が上記Ss1の範囲を満たしていてもよい。両方の面が上記Ss1の範囲を満たす場合、それぞれの表面配向度Ss1は同じであってもよいし、異なっていてもよい。両方の面が上記Ss1の範囲を満たす場合、積層体としたときにより密着性が向上する。
本発明において、表面配向度Ss1は、0.00≦Ss1≦0.02が好ましく、0.00≦Ss1≦0.01がより好ましい。配向度がこの範囲にあれば、同等の表示性能を有する既存の光学補償シートよりも光学異方性層を薄膜化することができ、膜厚の増加に伴って生じる欠陥等の発生が軽減でき、生産性が向上された光学補償シートを提供することができる。
さらに、本発明のセルロースアシレートフィルムは、前記表面Aからフィルムの厚さ方向に5〜10%の領域のセルロースアシレートの平均配向度Ss2が0.05≦Sb2≦0.75であることが好ましい。このようにフィルムのごく薄い領域のみ、配向度を低くし、他の領域の平均配向度を高くすることにより、フィルム全体としての平均配向度を高く保ち、かつ、密着性に優れたフィルムが得られる。前記表面Aからフィルムの厚さ方向に5〜10%の領域のセルロースアシレートの平均配向度Ss2は、0.06≦Ss2≦0.6がより好ましく、0.07≦Ss2≦0.5がさらに好ましく、0.08≦Ss2≦0.2がよりさらに好ましい。
<セルロースアシレート>
セルロースアシレートとしては、セルロースアシレート化合物、及び、セルロースを原料として生物的或いは化学的に官能基を導入して得られるアシル置換セルロース骨格を有する化合物が挙げられる。
セルロースアシレートは、セルロースと酸とのエステルである。前記エステルを構成する酸としては、有機酸が好ましく、カルボン酸がより好ましく、炭素原子数が2〜22の脂肪酸がさらに好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸であることが特に好ましい。
セルロースアシレート原料綿
本発明に用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明に用いるセルロースアシレートに対しては特に限定されるものではない。
セルロースアシレートが有するアシル基としては、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基でもよく特に限定されず、単一でも2種類以上の混合物でもよい。例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、又は芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、へプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、i−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基がより好ましい。更に好ましい基はアセチル基、プロピオニル基であり、最も好ましい基はアセチル基である。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が該上限値以下であれば、セルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなりすぎることがなく流延によるフィルム作製が容易にできるので好ましい。重合度が該下限値以上であれば、作製したフィルムの強度が低下するなどの不都合が生じないので好ましい。粘度平均重合度は、宇田らの極限粘度法{宇田和夫、斉藤秀夫、「繊維学会誌」、第18巻第1号、105〜120頁(1962年)}により測定できる。この方法は特開平9−95538号公報にも詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、2.0〜4.0であることがさらに好ましく、2.3〜3.4であることが最も好ましい。
<添加剤>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、重縮合エステル、糖エステル、レターデーション発現剤、酸化防止剤、剥離促進剤、微粒子、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤等を含んでいても良い。
重縮合エステルの例としては、特開2012−226276号公報の段落番号0034〜0049の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。このような化合物の添加によって、疎水性の付与による透湿性や含水率の調整や可塑性の付与による機械的物性の調整などが容易となる。本発明では特に、少なくとも一種の芳香族ジカルボン酸残基を含む平均炭素数が5.5以上10.0以下のジカルボン酸残基を含む重縮合エステルが好ましい。
糖エステルの例としては、特開2012−226276号公報の段落番号0050〜0080の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。このような化合物の添加によって、疎水性の付与による透湿性や含水率の調整や可塑性の付与による機械的物性の調整などが容易となる。本発明では特に、ヒドロキシル基の少なくとも1つが芳香族エステル化されたピラノース構造またはフラノース構造を1個〜12個含む糖エステルが好ましい。
レターデーション発現剤としては、含窒素芳香族化合物が好ましい。レターデーション発現剤の例としては、特開2012−226276号公報の段落番号0081〜0109の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
その他の添加剤については、特開2012−226276号公報の段落番号0109〜0112の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、国際公開WO2008−126535号パンフレットに記載の化合物を採用できる。
<セルロースアシレートフィルムの厚さ>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、d(単位:μm)が15≦d≦50である。本発明では、低アシル置換度のセルロースアシレートを高配向させることができるため、薄膜化しても十分な光学特性を発揮できる。フィルムの膜厚は、20≦d≦45が好ましく、25≦d≦40がさらに好ましい。
<セルロースアシレートフィルムのレターデーション>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、上記配向度とすることにより、以下の式を満たすフィルムとすることができる。
85≦Re≦150
−100≦Rth≦10
(ここで、Reは及びRthは、それぞれ、25℃、60%相対湿度で波長550nmの光で測定した面内レターデーション値(単位:nm)及び厚み方向のレターデーション値(単位:nm)である。)
このようなレターデーション値を有するセルロースアシレートフィルムを位相差フィルムに用いると、表示性能に優れた液晶表示装置を提供できる。特に、ホメオトロピック配向している液晶層を形成した位相差フィルムとした場合に、特に優れた表示性能を提供できる。
Reは90≦Re≦140が好ましく、95≦Re≦135がより好ましい。Rthは−90≦Rth≦0が好ましく、−80≦Rth≦−10がさらに好ましい。
本発明のフィルムは、一軸性であっても二軸性であってもよい。
なお、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。本願明細書においては、特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたは
WRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(3)及び式(3')よりRthを算出することもできる。
Figure 0005993290
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
式(3)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
式(3')
Rth={(nx+ny)/2−nz}xd
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
なお、本発明のセルロースアシレートフィルムの面内遅層軸は、長手方向及び幅方向のいずれの方向であってもよい。
本発明におけるレターデーションは特に述べない限り、25℃、60%相対湿度で測定した値をいう。
<セルロースアシレートフィルムの製造方法>
本発明では、平均アシル置換度2.0≦DS≦2.6のセルロースアシレートフィルムを少なくとも60%以上の倍率で搬送方向と垂直な方向に延伸し、少なくとも一方の表面に溶剤による表面配向緩和処理を行うことを含む、セルロースアシレートの平均配向度Sbが0.05≦Sb≦1.0、かつ、厚さd(単位:μm)が15≦d≦50のセルロースアシレートフィルムの製造方法も開示する。
(製膜工程)
延伸前の平均アシル置換度2.0≦DS≦2.6のセルロースアシレートフィルムの製造方法としては、溶液流延法および溶融流延法のいずれも好ましく、溶液流延法がさらに好ましい。製膜工程の詳細については、特開2011−162769号公報の段落番号0065〜0083の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、図1のように厚さ方向に領域によって構成成分が異なるフィルムは、微粒子等の添加剤の配合量が異なるセルロースアシレート溶液を共流涎することによって製造できる。
(乾燥工程)
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、延伸前および/または延伸後、ならびに、延伸工程を兼ねた乾燥工程を設けても良い。乾燥工程の詳細については、特開2011−162769号公報の段落番号0076〜0078の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(延伸工程)
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、少なくとも60%以上の倍率で搬送方向と垂直な方向に延伸する。このような延伸を行うことにより、セルロースアシレートを高配向度で配向させることが可能になる。
本発明セルロースアシレートフィルムの製造では、金属支持体から剥離したウェブ(フィルム)を、ウェブ中の残留溶剤量が120質量%未満の時に延伸することが好ましい。
なお、残留溶剤量は下記の式で表せる。
残留溶剤量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。ウェブ中の残留溶剤量が多すぎると延伸の効果が得られず、また、少なすぎると延伸が著しく困難となり、ウェブの破断が発生してしまう場合がある。ウェブ中の残留溶剤量のさらに好ましい範囲は70質量%以下であり、より好ましくは10質量%〜50質量%、特に好ましくは12質量%〜35質量%である。また、延伸倍率が小さすぎると十分な位相差が得られず、大きすぎると延伸が困難となり破断が発生してしまう場合がある。
フィルムの搬送方向と垂直な方向の延伸倍率は、60%以上であり、70%以上が好ましい。上限は特に定めるものではないが、200%以下が好ましく、150%以下がより好ましい。本発明では、溶液流延製膜したものは、特定の範囲の残留溶剤量であれば高温に加熱しなくても延伸可能であるが、乾燥と延伸を兼ねると、工程が短くてすむので好ましい。延伸温度は、150〜250℃が好ましく、165〜220℃がより好ましく、170〜210℃がさらに好ましい。
フィルムの搬送方向の延伸は行っても良いし、行わなくても良い。
(熱処理工程)
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法では、熱処理工程を設けても良い。熱処理工程の詳細については、特開2011−162769号公報の段落番号0084〜0093の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(表面処理工程)
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法は、延伸後に、少なくとも一方の表面に特定の溶剤による表面配向緩和処理を行う。特定の溶剤による表面配向緩和処理を行うことにより、密着性に優れ、かつ、セルロースアシレートの平均配向度Sbが0.05≦Sb≦1.0と高く、厚さd(単位:μm)が15≦d≦50と薄いセルロースアシレートフィルムを製造できる。このメカニズムは、本発明では低アシル置換度のセルロースアシレートを60%以上延伸させたフィルムに溶剤を用いて表面処理を行っていることにある。このようなフィルムは、低アシル置換度のセルロースアシレートが高い配向度で配向しているので、溶剤が浸み込みにくく、フィルムのごく表面だけが表面処理される。結果として、フィルム全体の高い配向度を維持できる。溶剤を用いて表面処理することは知られているが、本発明の様に薄いフィルムで、そのごく薄い表面のみを処理できた点に本発明の技術的意義がある。
溶剤を用いた表面配向緩和処理の方法について述べる。本発明の表面配向緩和処理に用いる溶剤は、セルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤およびセルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤の少なくとも1種を含む溶剤である。
本発明の表面配向緩和処理はこれらの溶剤を用いて行う限り特に定めるものではないが、例えば、フィルムの表面に溶剤を塗布する方法、フィルムを溶剤に浸漬する方法、フィルムの表面を鹸化する際の鹸化処理液に溶剤を配合する方法(溶剤鹸化)、偏光子と貼り合せる際の糊に溶剤を配合する方法等が例示される。本発明では、溶剤の適用量が、フィルム1m2あたり0.5〜10mlとなるようにすることが好ましい。
[セルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤]
セルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤とは、24mm×36mm(厚み80μm)の大きさのセルロースアシレートフィルムを該溶剤の入った15cm3の瓶に室温下(25℃)で60秒浸漬させて取り出した後に、浸漬させた溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析したとき、セルロースアシレートのピーク面積が400mV/sec以上である溶剤のことを意味する。若しくは24mm×36mm(厚み80μm)の大きさのセルロースアシレートフィルムを該溶剤の入った15cm3の瓶に室温下(25℃)で24時間経時させ、適宜瓶を揺らすなどして、フィルムが完全に溶解して形をなくすものも、セルロースアシレートに対して溶解能を有する溶剤を意味する。
セルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤としては、1種類でも2種類以上用いてもよい。
セルロースアシレートに対して溶解能を有する溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸メチル、アセトン、メチレンクロライドが挙げられ、酢酸メチル、アセトンが好ましい。
[セルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤]
セルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤とは、24mm×36mm(厚み80μm)の大きさのセルロースアシレートフィルムを該溶剤の入った15cm3の瓶に縦に入れ、25℃で60秒浸漬し、適宜該瓶を揺らしながら観察し、折れ曲がりや変形が見られる溶剤を意味する(フィルムは膨潤した部分の寸度が変化し折れ曲がりや変形として観察される。膨潤能の無い溶媒では折れ曲がりや変形といった変化が見られない)。
セルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤としては、特開2008−112177号公報の段落番号0026に記載された溶剤を用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等の炭素数が3〜12のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の炭素数が3〜12のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等の炭素数が3〜12のエステル類、2種類以上の官能基を有する有機溶媒等の溶媒を用いることができ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記溶剤の効果を制御するために、セルロースアシレートフィルムに対して溶解能も膨潤能も持たない溶剤を併用することができる。
溶解能も膨潤能も持たない溶剤としては、特開2008−112177号公報の段落番号0027に記載された溶剤を用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
例えば、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、酢酸イソブチルが挙げられる。
溶解能も膨潤能も持たない溶剤の添加量は、使用する全溶剤に対して90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。
セルロースアシレートフィルムを膨潤させ、密着性を向上する観点から、溶剤には、酢酸メチル、アセトン及びメチルエチルケトンの少なくとも1種を含むことが好ましい。好ましくは、酢酸メチル又はアセトンと、メチルエチルケトンとを含む混合溶剤である。
フィルムの表面に溶剤を塗布する方法は、10〜35℃の環境下で行うことが好ましく、18〜30℃の環境下で行うことがより好ましい。溶剤には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で添加剤やセルロースアシレートを配合してもよい。溶剤を塗布した場合、塗布後に乾燥することが好ましい。この場合の乾燥温度としては、溶剤の沸点にもよるが、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。乾燥時間としては、1秒〜5分が好ましく、1秒〜1分がより好ましく、10秒〜50秒がより好ましい。
フィルムの表面に溶剤を塗布する方法の場合、用いる溶剤は、酢酸メチルおよびシクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、酢酸メチルおよび/またはシクロヘキサノンがより好ましい。
フィルムを溶剤に浸漬する方法は、10〜35℃の環境下で行うことが好ましく、18〜30℃の環境下で行うことがより好ましい。浸漬時間は、1秒〜7分が好ましく、10秒〜4分がより好ましく、20秒〜1分がより好ましい。溶剤に浸漬した場合、浸漬後に乾燥することが好ましい。この場合の乾燥温度としては、溶剤の沸点にもよるが、60〜180℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。乾燥時間としては、1秒〜5分が好ましく、20秒〜2分がより好ましく、30秒〜90秒がより好ましい。
フィルムを浸漬する場合、用いる溶剤は、用いる溶剤は、メチルイソブチルケトン、酢酸メチルおよびシクロヘキサノンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、メチルイソブチルケトンおよび酢酸メチルの混合溶剤がより好ましい。
鹸化処理液に配合する場合、鹸化処理液の50〜90質量%が溶剤であることが好ましく、60〜80質量%が溶剤であることがより好ましい。鹸化処理液に配合する溶剤としては、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、アセトンが好ましい。鹸化処理液の他の成分は、鹸化に必要なアルカリの他は特に定めるものではなく、溶剤とアルカリのみからなっていてよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、水酸化カリウムがより好ましい。他の成分としては、純水が挙げられる。
鹸化処理をした後、通常、水洗いを行う。水洗いは、1秒〜5分が好ましく、1秒〜1分がより好ましい。水洗い後乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は、80〜150℃が好ましく、90〜140℃がより好ましい。乾燥時間は、10秒〜5分が好ましく、30秒〜2分がより好ましい。
偏光子と貼り合せる際の糊に溶剤を配合する場合、糊溶剤の3〜40質量%が溶剤であることが好ましく、5〜30質量%が溶剤であることがより好ましい。この場合の溶剤としては、DMSOおよび/またはNMPが例示される。糊は、フィルムの貼り合せに用いられる糊を広く採用でき、ポリビニルアルコール糊や、特開2010−91603号公報に記載の紫外線接着剤が好ましい。
<セルロースアシレートフィルムの用途>
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板の保護フィルムとして好ましく用いることができる。この場合、単層のフィルムとして用いてもよいが、他の層を設けた積層フィルムとしても用いることができる。特に、液晶層を設けた位相差フィルムとして好ましく用いることができる。以下、図2に従って、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた例を示すが、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。また、図2における尺度は必ずしも実態に沿っているものでは無い。
図2は、本発明のセルロースアシレートフィルム1を用いた偏光板10の一例を示したものであって、上側から順に、液晶層1、中間層2、セルロースアシレートフィルム3、貼合層4、偏光子5、貼合層6、保護フィルム7を示している。本実施形態では、本発明のセルロースアシレートフィルム3は、液晶層1と偏光子5の間のフィルムとして用いられているが、保護フィルム7のフィルムとして用いることも可能である。
従来の低アシル置換度のフィルムでは、偏光子との密着性が悪く、貼合層4に対応する部分で剥がれてしまう場合があった。特に、高い配向度のフィルムでその傾向が認められた。しかしながら、本発明では、セルロースアシレートフィルム1に配向度をSs1とした領域Aを設けることによって、この問題を解決している。本実施形態では、偏光子5側のみに領域Aを設けているが、反対側にも領域A、すなわち、表面配向緩和処理をした領域を設けても良い。このような構成とすることにより、本発明のフィルムの表面が良化され、密着性がより向上する傾向にある。
本発明のセスロースアシレートフィルムは、偏光板の保護フィルムとしての位相差フィルムとして好ましく用いられるが、かかる位相差フィルム8は、液晶層1、中間層2、セルロースアシレートフィルム3を有することが好ましい。
本発明では位相差フィルム8は、その厚さが、15〜50μmであることが好ましく、18〜45μmであることがより好ましく、20〜40μmであることがさらに好ましい。
Reは90≦Re≦140が好ましく、95≦Re≦135がより好ましい。Rthは−90≦Rth≦0が好ましく、−80≦Rth≦−10がさらに好ましい。
以下、液晶層1、中間層2、貼合層4・6、偏光子5、保護フィルム7の詳細について説明する。
<液晶層>
液晶層は、液晶化合物の配向状態を固定した液晶層である。本発明の液晶層は、液晶化合物がホメオトロピック配向している状態を固定した層であることが好ましい。
ホメオトロピック配向とは層の法線方向に液晶分子が配向し、遅相軸が層の法線方向と平行となる配向状態である。なお、液晶層の遅相軸は層の法線方向と平行であることが特に好ましいが、液晶分子の配向状態により傾きをもつ場合がある。この傾きは3.5°以内であれば面内位相差を10nm以下とできるため好ましい。
(液晶化合物)
液晶化合物としては、位相差フィルムの光学特性の観点から、棒状液晶化合物を主成分として含む組成物のホメオトロピック配向を固定してなる層が好ましい。
棒状液晶化合物のホメオトロピック配向を固定した層は、正のC−プレートとして機能することができる。
使用可能な棒状液晶化合物については、例えば、特開2009−217256号公報の段落番号[0045]〜[0066]に記載があり、参照することができる。本発明における液晶層に使用可能な添加剤、使用可能な配向膜、及び前記ホメオトロピック液晶層の形成方法については、例えば、特開2009−237421号公報の段落番号[0076]〜[0079]に記載があり、参照することができる。
光学発現性の観点から、液晶層を形成する重合性液晶化合物が下記一般式(IIA)で表される化合物、及び下記一般式(IIB)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
一般式(IIA)
Figure 0005993290
一般式(IIB)
Figure 0005993290
1〜R4は、各々独立に、−(CH2n−OOC−CH=CH2で、nは2〜5の整数を表す。X及びYは各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。
結晶析出を抑止する観点から、前記一般式(IIA)又は(IIB)において、X及びYがメチル基を表すことが好ましい。更に結晶化析出を抑止する観点から、液晶層を形成する液晶化合物は液晶層中に70質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。さらに、液晶化合物として前記一般式(IIA)で表される化合物、及び前記一般式(IIB)で表される化合物を用いる場合は、液晶層の全固形分に対してそれぞれ3質量%以上含むことが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることが特に好ましい。
(一般式(I)で表されるオニウム化合物)
本発明における液晶層は、下記一般式(I)で表されるオニウム化合物を含むことが好ましい。該オニウム化合物は、液晶化合物の配向膜界面におけるホメオトロピック配向を促進する垂直配向剤として作用するとともに、液晶層と中間層との界面の密着性改善にも寄与する。液晶層は、必要に応じて、空気界面側の配向を制御する空気界面側配向制御剤(例えば、フルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む共重合体)を含有していてもよい。
一般式(I)で表されるオニウム化合物は、液晶化合物の中間層界面における配向を制御することを目的として添加され、液晶化合物の分子の中間層界面近傍におけるチルト角を増加させる作用がある。
Figure 0005993290
一般式(I)中、環Aは含窒素複素環からなる第4級アンモニウムイオンを表し、Xはアニオンを表し;L1は二価の連結基を表し;L2は単結合又は二価の連結基を表し;Y1は5又は6員環を部分構造として有する2価の連結基を表し;Zは2〜20のアルキレン基を部分構造として有する2価の連結基を表し;P1及びP2はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、アンモニウム基、シアノ基、および重合性エチレン性不飽和基を有する一価の置換基を表す。
一般式(I)で表されるオニウム化合物の詳細は、特開2012−208397号公報の段落番号0028〜0059の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<中間層>
中間層は、配向膜層とも呼ばれる層であり、該中間層の表面に設ける液晶化合物を適切に配向させる役割を果たす。中間層の材料はかかる目的を達成する限り特に定めるものではないが、変性又は未変性のポリビニルアルコールが例示される。垂直配向膜として公知の材料のみならず、水平配向膜として公知の材料から選択することもできる。変性又は未変性ポリビニルアルコールは、水平配向膜としても用いられているが、後述するオニウム化合物を光学異方性層形成用組成物中に添加することで、オニウム化合物と当該中間層との作用、及びオニウム化合物と液晶化合物との作用等により、液晶分子を配向膜界面で垂直配向させることができる。変性ポリビニルアルコールの中でも、重合性基を有する単位を含む変性ポリビニルアルコールを含有する配向膜を用いると、液晶層との密着性をさらに改善できるので好ましい。ビニル部分、オキシラニル部分またはアジリジニル部分を有する基で、少なくとも一個のヒドロキシル基が置換されたポリビニルアルコールが好ましく、例えば、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールが好ましい。
中間層の材料として、極性基を有するアクリル樹脂を用いることもできる。中間層を極性基を有するアクリル樹脂を用いて形成する場合、支持体であるセルロースアシレートフィルムに鹸化処理を施さなくても十分な密着性が得られるため、位相差フィルムの製造プロセスが簡略化でき、生産性の観点で好ましい。
極性基を有するアクリル樹脂は、極性基と(メタ)アクリロイル基を含有する化合物に由来する繰り返し単位を含む樹脂であることが好ましい。
なお、本発明においてアクリロイル基およびメタクリロイル基の総称として「(メタ)アクリロイル基」と表記する。
極性基とは、互いに結合している2原子の電気陰性度の差が大きいことを示し、具体的には、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、アンモニウム基、及びシアノ基からなる群より選択される少なくとも1つの極性基が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
本発明における極性基を有するアクリル樹脂は、極性基を有さない繰り返し単位を含んでいてもよいし、(メタ)アクリロイル基を含有する化合物に由来する繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。
極性基を有するアクリル樹脂は、支持体であるセルロースアシレートフィルムとの密着性が向上する観点から、1分子中に3つ以上の官能基を有する化合物に由来する繰り返し単位と、極性基と1つの(メタ)アクリロイル基を含有する化合物に由来する繰り返し単位とを有する樹脂であることが好ましい。
(1分子中に3つ以上の官能基を有する化合物)
1分子中に3つ以上の官能基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の重合性官能基(重合性の不飽和二重結合)を有する化合物が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基及び−C(O)OCH=CH2を有する化合物が好ましい。特に好ましくは下記の1分子内に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物である。
重合性の官能基を有する化合物の具体例としては、アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類、エポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
1分子中に3つ以上の官能基を有する化合物としては市販されているものを用いることもできる。例えば、(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類としては、日本化薬(株)製KAYARAD PET30、KAYARAD DPHA、同DPCA−30、同DPCA−120を挙げることができる。また、ウレタンアクリレートとしては、新中村化学工業(株)製U15HA、同U4HA、A−9300、ダイセルUCB(株)製EB5129等を挙げることができる。
中間層が極性基を有するアクリル樹脂を含有する層であり、該アクリル樹脂は、アクリルモノマーを光又は熱により架橋した層であり、前記極性基が水酸基であることが特に好ましい。これにより、後述する液晶層において、棒状液晶化合物を効果的にホメオトロピック配向させることができる。
(中間層の形成方法)
中間層は、支持体であるセルロースアシレートフィルム上に、直接又は他の層を介して、中間層形成用組成物を塗布し、乾燥させることで形成することができる。
中間層の材料がポリビニルアルコール樹脂の場合は、水、アルコール系溶剤を主成分として、有機溶剤を適宜加えた溶剤を使用することが好ましい。
中間層の材料が極性基を有するアクリル樹脂の場合は、セルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤、及びセルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤を用いることが好ましい。
<偏光子>
偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子を用いることができる。ヨウ素系偏光子及び染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光子の吸収軸は、フィルムの延伸方向に相当する。従って、縦方向(搬送方向)に延伸された偏光子は長手方向に対して平行に吸収軸を有し、横方向(搬送方向と垂直方向)に延伸された偏光子は長手方向に対して垂直に吸収軸を有す。
<貼合層>
貼合層は、本発明のセルロースアシレートフィルム1と偏光子5を貼り合せるために、また、偏光子5と保護フィルム7を貼り合せるために用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルム1の表面配向緩和処理を偏光子5と貼り合せる際の糊に溶剤を配合する方法によって行う場合、上述の表面配向緩和処理の貼合方法に従う。一方、本発明における表面配向緩和処理を偏光子と貼り合せる際の糊に溶剤を配合する方法以外の方法によって行う場合および偏光子と保護フィルム7を貼り合せるためには、公知の接着剤、粘着剤、糊等を広く採用できる。貼合については、特開2008−256749号公報の記載等を参酌できる。
<保護フィルム>
偏光板の保護フィルムのうち、図2の保護フィルム7に対応する側の保護フィルムは、本発明のセルロースアシレートフィルムであってもよいし、他のセルロースアシレートフィルムであってもよい。また、環状ポリオレフィンフィルム、アクリル樹脂からなるフィルム等も例示される。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、上記本発明のセルロースアシレートフィルムを含む、位相差フィルム又は偏光板を有する。
本発明の位相差フィルムは、横電界モードの液晶表示装置に有利に用いることができる。 かかる横電界モードの液晶表示装置では、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に面内に水平に配向しているのが特徴であり、これが電圧印加の有無で液晶の配向方向を変えることでスイッチングするのが特徴である。具体的には特開2004−365941号公報、特開2004−12731号公報、特開2004−215620号公報、特開2002−221726号公報、特開2002−55341号公報、特開2003−195333号公報に記載のものなどを使用できる。
これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<セルロースアシレートフィルムの作製>
以下の方法で、セルロースアシレートフィルムをそれぞれ作製した。
(1)ドープ調製
セルロースアシレート溶液の調製:
下記表に記載した置換度を有するセルロースアシレート、添加剤、及び溶剤をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、さらに90℃に約10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した。
なお、添加剤の添加量は、表中に、セルロースアシレート100質量部に対する質量部で表した。溶剤1と溶剤2の組成比は質量比で表中に記載した。また、セルロースアシレート溶液の固形分濃度(単位:質量%)を表中の「濃度」の欄に記載した。
(2)流延
上述のドープを、バンド流延機を用いて流延した。なお、流延支持体であるバンドはステンレス製であった。フィルム1は、アセチル基置換度2.43のセルローストリアセテートを流延支持体側表層(空気界面側表面の反対側)に、アセチル基置換度2.81のセルローストリアセテートを空気界面側表面になるようにフィルムを共流延にて作製した。フィルム1のセルローストリアセテートの全体のアセチル基置換度は2.45であった。
(3)乾燥
流延されて得られたウェブ(フィルム)を、バンドから剥離後、パスロールを搬送させ、乾燥温度120℃で20分間乾燥した。なお、ここでいう乾燥温度とは、フィルムの膜面温度のことを意味する。
(4)延伸
得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、固定端一軸延伸の条件で、下記表に記載の延伸温度および延伸倍率でテンターを用いてフィルム搬送方向(MD)に直交する方向(TD)に延伸した。
<フィルムの膜厚の測定>
フィルムの厚みは、接触式膜厚測定計(アンリツ製)を用いて行い、フィルムの平均厚みを調べるために、フィルムの幅方向に20mmピッチ全点の測定を、押出方向に100mmピッチで5回繰り返し、全測定値の平均値よりフィルムの厚みを求めた。
<レターデーション値の測定>
得られたセルロースアシレートフィルムについて、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)で25℃、60%RHで波長550nmの光で測定した面内レターデーション値(Re)及び厚み方向のレターデーション値(Rth)を測定した。
<配向度の測定>
東京インスツルメンツ社製「Nanofinder」を利用して、励起レーザー波長を532nm、励起レーザー出力を試料部で約400uWとして、分光器前に偏光解消子を取り付けて測定した。
測定試料として、測定対象のフィルムを、フィルム面に対して約0.5〜1度の角度で斜めに切削したものを用いた。
上記試料にレーザー偏光を入射して、偏光ラマン測定を行った。試料を回転させ、レーザー偏光が入射する試料の面の方位と入射レーザー偏光の電場方向がなす角度を変えていくつかの角度で測定を行い、散乱光の成分のうち入射レーザー偏光電場と平行な偏光成分(I平行)と垂直な偏光成分(I垂直)を、検光子を用いてそれぞれ分光検出した。さらに層中に含まれる分子の骨格に由来するピークをもつバンドに対し、理論的に導いた式により配向オーダーパラメータP2、P4をパラメータとして最小二乗法に基づくフィッティング解析を行い、配向度を得た。
フィルムの一方の表面から厚さ方向に5〜10%の領域については、フィルムを厚さ方向に5%の領域まで削ってから上記と同様に測定した。
Figure 0005993290
上記表において、表面処理前配向度は、フィルムのそれぞれの領域のセルロースアシレートの平均配向度を示している。
上記表において、領域Aは、フィルムの一方の表面(フィルム1については流延支持体側表層(空気界面側表面の反対側))から厚さ方向に0〜5%の領域を、領域A'は、フィルムの一方の表面(フィルム1については流延支持体側表層(空気界面側表面の反対側))から厚さ方向に5〜10%の領域を、それぞれ示している。
使用した化合物を各々以下に示す。
添加剤1および添加剤2は下記のとおりである。
B1:テレフタル酸55モル%とコハク酸45モル%からなるジカルボン酸とエチレングリコール50モル%と1,2−プロパンジオール50モル%からなるグリコールをモル比1:1で反応させ、末端を酢酸で封止した(分子量800)。
B2:下記化合物
Figure 0005993290
上記分子中の繰り返し単位のnは2である。
L1:下記化合物
Figure 0005993290
M1:微粒子(日本アエロジル株式会社製、AEROSIL R972)
<中間層の形成>
<<中間層の組成>>
下記アクリル系化合物100質量部(ACR1:ACR2=100:50(質量比))
光重合開始剤(イルガキュア127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4質量部
溶剤(酢酸メチル:アノン=45:55(質量比))固形分濃度30質量%となる量
ACR1:ブレンマーGLM、日油(株)製、下記構造の化合物。
Figure 0005993290
ACR2:KAYARAD PET30、日本化薬(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物。
上記セルロースアシレートフィルム1〜11に、上記成分を有する中間層形成用組成物を調製した。中間層形成用組成物を、ワイヤーバーコーター#1.6で塗布し、50℃、1分乾燥後、120W/cm高圧水銀灯を用いて、25℃で60J/cm2の紫外線を照射し中間層を架橋した。
<液晶層の作成>
<<液晶層の組成>>
液晶化合物(液晶化合物B01:液晶化合物B02=80:20(質量比)で含む混合物):100質量部
垂直配向剤(S01):1質量部
垂直配向剤(S02):0.5質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製):8質量部
光重合開始剤 イルガキュアー907(BASF製):3質量部
増感剤(カヤキュアーDETX):日本化薬(株)製、1質量部
B03:0.4質量部
溶剤:メチルエチルケトン/シクロヘキサン(=85/15(質量%))固形分濃度33質量%となる量
Figure 0005993290
Figure 0005993290
Figure 0005993290
Figure 0005993290
Figure 0005993290
上記中間層の表面に、上記組成の溶液を、#3.2のワイヤーバーで塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、70℃の恒温槽中で1分間加熱し、棒状液晶化合物を配向させた(ホメオトロピック配向)。次に、40℃に冷却した後に、窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度190mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させた。その後、室温まで放冷した。
得られた液晶層の厚みは1.3μm、Re=0nm、Rth=−158nmであった。尚、屈折率は1.53であった。
<位相差フィルムの評価>
得られた各位相差フィルムについて、厚さおよびReおよびRthを上記と同様に測定した。結果を下記表に示す。
Figure 0005993290
<表面配向緩和処理>
上記で得られた位相差フィルムの液晶層を設けた側と反対側について、下記表に示す処理液を用いて、表面配向緩和処理を行った。表面配向緩和処理は、処理液をフィルムの表面に塗布または浸す工程(処理液表面塗布浸漬工程)、鹸化処理工程、糊貼合工程のいずれかで行った。
処理液表面塗布浸漬工程は、後述する鹸化処理工程の前に行った。処理液表面塗布浸漬工程における、「本処理」はかかる処理を行ったことを、「なし」はかかる工程を行っていないことを意味する。塗布浸漬工程では、下記表に記載の手法(塗布または浸し)を行った。浸した場合は浸した時間(秒)も示した。
鹸化処理工程は、下記表における「本処理」と記載されている場合は、後述する鹸化処理工程において、鹸化処理液、処理温度、処理後の乾燥時間および温度を下記表に示す通り変えて行ったことを意味する。
糊貼合工程は、後述する偏光子との貼合工程において、糊を下記表における処理液に変えて行った。下記表における「本処理」とは、後述する貼合工程において、糊として下記表に示す処理液を用いて行ったことを意味する。
Figure 0005993290
上記表中、成分1〜成分5の欄に記載の数字は、各成分の配合量(質量比)を示している。
PVA−117H:下記式において、a=96、b=2、c=2である。
Figure 0005993290
化合物(1)
Figure 0005993290
<鹸化処理工程>
表面配向緩和処理の後、鹸化処理として、以下の処理を行った。
フィルムを1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液(鹸化処理液)に55℃(処理温度)で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し(30秒)、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに120℃の乾燥温度の温風で60秒間乾燥した。
なお、表面配向緩和処理工程としての鹸化処理工程を行った場合、鹸化処理液を上述の処理液に変更した。
<偏光子との貼合工程>
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光子を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記鹸化処理したフィルムと、上記通常の鹸化処理したフジタックTD60UL(富士フイルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光子側となるようにして偏光子を間に挟んで貼り合わせ、セルロースアシレートフィルム、偏光子、TD60ULがこの順に貼り合わせてある偏光板をそれぞれ得た。この際、各フィルムのMD方向およびTD60ULの遅相軸が、偏光子の吸収軸と平行になるように貼り付けた。
但し、表面配向緩和処理を本貼合工程で行う場合、前記鹸化処理したフィルムと偏光子の貼り合せは上記表に記載の処理液を貼り合せるための糊として用いた。
<偏光板の評価>
(密着性の評価)
隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて100個の升目状の切り傷を付け、粘着テープを升目状の切り傷面に貼り付け、ガーゼを1重に巻きつけたプラスチック棒でこすって完全に付着させた。次に粘着テープを垂直に引き剥がし、テープ剥離面を目視により観察する評価を10回繰り返し、結果を下記表に示した。
A:剥がれなし
B:80個以上、100個未満
C:60個以上、80個未満
D:60個未満
(面状)
偏光子に密着させた状態でクロスニコル環境下でのシャーカステン観察、蛍光灯反射環境下での表面形状・カール観察を実施し、下記の通り評価した。
A:シャーカステンで視認できるムラがなく、カールもない。
B:シャーカステンでムラ・欠陥が略視認できない。もしくは、カールが弱い。
C:シャーカステンでムラ・欠陥がわずかに視認できる。もしくは、カールが強い。
D:シャーカステンで光が大きく漏れる、欠陥状の故障が見えるもしくは、カールが極めて強い。
<液晶表示装置の作製>
IPSモード液晶セル(液晶層のd・Δnの値は300nm)の表示面側に、上記で作製した位相差フィルムを有する各偏光板を実装し、且つバックライト側に上記で作製したZ−TACフィルムを有する偏光板を実装して、IPSモード液晶表示装置を作製した。但し、実験No.30については、フィルム2についてフィルムの両面を上記表のA−4の表面配向処理を行った。
具体的には、IPSモードの液晶セルを備えるiPad2[商品名;Apple社製]から、液晶パネルを取り出し、液晶セルのフロント側(表示面側)とリア側(バックライト側)に配置されていた光学フィルムをフロント側(表示面側)のみ取り除いて、液晶セルの表ガラス面を洗浄した。
上記IPSモード液晶セルの表示面側表面に位相差フィルム付きの偏光板を貼合した。
この様にしてIPSモード液晶表示装置LCDを作製した。
<液晶表示装置の評価>
作製したLCDを取り出したiPad2に戻し、以下の評価を実施した。
(光漏れ)
上記作製したiPad2のバックライトを点灯し、各々について測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて、暗室内で黒表示時の輝度を測定し、極角0〜80°、方位角0〜360°をそれぞれ5°ずつ、各点の黒輝度値を評価した。結果を下記の通り示した。
A:0.1cd/ 未満
B:0.1cd/ 以上〜0.2cd/ 未満
C:0.2cd/ 以上〜0.4cd/ 未満
D:0.4cd/ 以上
(カラーシフト(視野角色味)評価)
上記作製したIPSモードの液晶表示装置それぞれについて、バックライトを設置し、測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて、黒表示における正面に対して極角60度方向から観察し、方位角0〜90度(第1象元)、90〜180度(第2象元)、180〜270度(第3象元)、270〜360度(第4象元)の各象元の最大のΔEを平均した指標をカラーシフトと定義するとともに、以下の基準で評価した。
A:カラーシフトほとんどない。
B:カラーシフトは観察されたが、少なかった。
C:カラーシフトが多く観察された。
(総合評価)
上記結果に基づき、下記の通り評価した。
A:密着・面状・表示性能共にすべて優れる。
B:表示性能の少なくとも一方がAで、もう一方がBで、密着・面状でB以上の評価である。
C:表示性能が両方ともBもしくは、密着・面状評価でCである。
D:それ以外(表示性能の少なくとも一方にCがある、もしくは密着・面状の評価にDがある。
<偏光板加工後の位相差フィルムのレターデーションの測定>
偏光板加工した後のフィルムの液晶層側ガラス板に液晶表示装置用の粘着剤を用いて貼合し、Axometrics社製、AxoScanを用いて、波長550nmで光学測定した。この光学測定結果を、Axometrics社製、AxoScan Multi-Layer Analysisソフトを用いて、1層目にガラス、2層目に液晶層の光学特性(屈折率1.53、膜厚1.3μm、Re=0nm、Rth=−158nm)、3層目を二軸のBプレート、4層目を偏光子、5層目をセルロースアシレートフィルム(屈折率1.48、膜厚60μm、Re/Rth=0/40)を代入し、3層目の2軸のBプレートのRe、Rthを算出した。同処理後の2軸のBプレート光学特性Re/RthをRe処理後/Rth処理後として、Re処理後−Re処理前(支持体単体)=ΔRe(処理)
Rth処理後−Rth処理前(支持体単体)=ΔRth(処理)
を算出した。
表3に記載の位相差フィルムのレターデーション(Re、Rth)から、処理による差ΔRe(処理)およびΔRth(処理)を引いた値(Re−ΔRe(処理)、Rth−ΔRth(処理))を計算し、下記表に記載した。
Figure 0005993290
上記結果から明らかなとおり、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は、密着性に優れ、面状に優れていることが分かった。さらに、かかる偏光板を組み込んだ液晶表示装置は、光漏れが少なく、カラーシフトが観察されにくかった。さらに、総合的に評価したときに、本発明のセルロースアシレートフィルムは優れたものであることが分かった。
また、セルロースアシレートフィルムに溶剤塗布による表面配向緩和処理を行った後、鹸化処理を行い、その後に、中間層および液晶層を形成した場合も、上記実施例と同様の傾向が確認できた。さらに、セルロースアシレートフィルムに表面配向緩和処理としての鹸化処理を行い、その後に、中間層および液晶層を形成した場合も、上記実施例と同様の傾向が確認できた。
1 液晶層
2 中間層
3 セルロースアシレートフィルム
4 貼合層
5 偏光子
6 貼合層
7 保護フィルム
8 位相差フィルム
10 偏光板

Claims (17)

  1. セルロースアシレートの平均アシル置換度DSが2.0≦DS≦2.6であり、下記要件を満たすセルロースアシレートフィルム;
    フィルムの厚さd(単位:μm)が15≦d≦50;
    フィルムのセルロースアシレートの平均配向度Sbが0.05≦Sb≦1.0;
    フィルムの少なくとも一方の表面(表面A)のセルロースアシレートの配向度Ss1が0.00≦Ss1≦0.04(但し、配向度Ss1は、フィルムの一方の表面からフィルムの厚さ方向に0〜5%の領域のセルロースアシレートの平均配向度をいう)。
  2. 前記表面Aからフィルムの厚さ方向に5〜10%の領域のセルロースアシレートの平均配向度Ss2が0.05≦Sb2≦0.75である、請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
  3. 前記セルロースアシレートフィルムが、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム;
    85≦Re≦150
    −100≦Rth≦10
    (ここで、Reは及びRthは、それぞれ、25℃、60%相対湿度で波長550nmの光で測定した面内レターデーション値(単位:nm)及び厚み方向のレターデーション値(単位:nm)である。)
  4. 前記セルロースアシレートの両方の表面のセルロースアシレートの配向度Ss1が、それぞれ、0.00≦Ss1≦0.04である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の上に層を有する、積層フィルム。
  6. 前記層が、ホメオトロピック配向した液晶層である、請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 前記ホメオトロピック配向した液晶層と、セルロースアシレートフィルムの間に中間層を有する、請求項5または6に記載の積層フィルム。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムまたは請求項5〜7のいずれか1項に記載の積層フィルムを有する偏光板。
  9. 前記セルロースアシレートフィルムの前記表面A側に偏光子を有する、請求項8に記載の偏光板。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム、請求項5〜7のいずれか1項に記載の積層フィルム、または、請求項8または9に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
  11. 平均アシル置換度2.0≦DS≦2.6のセルロースアシレートフィルムを少なくとも60%以上の倍率で搬送方向と垂直な方向に延伸し、少なくとも一方の表面にセルロースアシレートに対する溶解能を有する溶剤およびセルロースアシレートに対する膨潤能を有する溶剤の少なくとも1種を含む溶剤を用いた表面配向緩和処理を行うことを含む、厚さd(単位:μm)が15≦d≦50のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  12. 前記セルロースアシレートフィルムが請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムである、請求項11に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  13. 前記溶剤が、酢酸メチルおよび/またはシクロヘキサノンを含む、請求項11または12に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  14. 前記溶剤による表面配向緩和処理をフィルムの両方の表面に行う、請求項11〜13のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  15. 前記溶剤による表面配向緩和処理が溶剤塗布である、請求項11〜14のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  16. 前記溶剤による表面配向緩和処理が溶剤鹸化である、請求項11〜14のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  17. 前記溶剤による表面配向緩和処理がセルロースアシレートフィルムを偏光子と貼り合せる際の糊に溶剤を配合する方法である、請求項11〜14のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
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