以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り(センターケース)28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成されている。
液晶枠飾り(センターケース)28は、発射された遊技球が入球可能な入口80と、該入口80に入った遊技球が通る遊技球通路と、該遊技球通路から排出された遊技球が横方向に揺動可能なステージと、該ステージ上に設けられた遊技球が入球可能なステージ穴81aと、該ステージ穴に入った遊技球を第1始動口31の上方に排出する始動口誘導通路81cとを備えており、ステージ穴81aに入球した遊技球はステージ穴81a内に配置された遊技球検出スイッチ81b(図2参照)に検出される構成となっている。なお、液晶枠飾り(センターケース)28が備える、入口80、遊技球通路、ステージ、ステージ穴81a、始動口誘導通路81cの構成が本願発明における誘導装置に該当し、遊技球検出スイッチ81bが、本願発明の遊技球検出スイッチに該当する。
液晶枠飾り(センターケース)28をこの様に構成することで、入口80に入球した遊技球は、当否判定結果報知の擬似演出を表示する演出図柄表示装置54bの前に配置されたステージ上を横方向に揺動し、ステージ穴81aに入球することによって遊技球検出スイッチ81bに検出された後、第1始動口31の直上に設けた始動口誘導通路81cから排出される。従って、常時演出図柄表示装置54b上の擬似演出に注目しながら遊技を進行する遊技者は、自然にステージ上の遊技球を認識することができ、ステージ上を揺動する遊技球を第1始動口31へ入球する確率が高い遊技球として期待するとともに、第1始動口31に入賞するまでの遊技球の動きを無理なく追える。
窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り(センターケース)28の左側には普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31(本願発明の始動口に該当)と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左側には、左一般入賞口35aが備えられる入賞口ユニット35が設けられ、大入賞口ユニット33の右側にも、右一般入賞口35aが備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。また、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と第2始動口32は3個、大入賞口33aは14個、左右一般入賞口35aは10個に設定されている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。停止した第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球が可能となるように構成されている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出す一般入賞口スイッチ35bと、が接続されている。
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ31a、第2始動口スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、カウントスイッチ33b、一般入賞口スイッチ35b)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチを用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイドと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイドとが接続されており、図柄表示装置中継端子板を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータと、が接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置とは払出制御装置51から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aと、前述した遊技球検出スイッチ81bとが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプと、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置とはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニットの演出図柄制御装置に出力する。また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチが備えられ、音量調節スイッチの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカへ送信する内容とを判断し、スピーカから出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。なお、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとが、本発明におけるサブ制御装置に該当する。
次に、図3を用いて、主制御装置50が実行するメインルーチンについて説明する。図3に示すフローチャートは、主制御装置50のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2mS毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S70までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75、S80の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S13)、残余処理に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、各種乱数についての更新処理が順次行なわれる。まず初期値乱数1の更新処理が実行される(S15)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S15の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S20)。この処理はS15の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。尚、初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
S20に続く大当り判定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
尚、通常確率状態時の当選値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
S25に続く当り判定用乱数更新処理(S30)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。尚、通常確率状態時の当選値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S35)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定され、第1特別図柄、第2特別図柄共に同じ大当り図柄を使用する構成になっている。
第1始動口31に入賞したことに起因して行われる大当り抽選(遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを抽選する)で大当りと判断される確率と第2始動口32に入賞したことに起因して行われる大当り抽選で大当りと判断される確率は、通常遊技状態では1/396.7、高確率遊技状態では1/ 39.67で同じであるが、大当りした際に行われる大当り遊技の内容が第1始動口31に入球して大当りになった場合よりも第2始動口32に入球して大当りになった場合のほうが、大当り遊技中に多く賞球が得られる大当りになる確率が高くなっている。なお、確変大当りになる確率は第1始動口31に入球して抽選が行われた場合と第2始動口32に入球して抽選が行われた場合とで変化はない(同じ確率である)。
小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。小当りを示す図柄は2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。尚、小当りを示す図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄とも同じになっている。また、ハズレを示す特別図柄も第1特別図柄、第2特別図柄で同じになっており、ハズレを示す図柄は「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。また、普通図柄の当り図柄もハズレ図柄も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21個で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5個で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6個で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数の更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。尚、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は第1始動口31又は第2始動口32に遊技球が入賞(第1始動口スイッチ31a又は第2始動スイッチ32aが遊技球を検出し入賞と判定)することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過(普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出し入賞と判定)することで抽出される。
続く入賞確認処理(S55)では、遊技領域26に設けられた各入賞口へ遊技球が正規に入球したか否か及び普通図柄作動ゲート42を遊技球が正規に通過したか否かを判定する処理である。この入賞確認処理において遊技球の正規入賞と判定されることによって、各入賞口への入賞に基づく賞球の払出し(払出制御装置51への賞球コマンド送信)、等が実施される。
続いては、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S60)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S65)行う。この特図当否判定処理(S60)、普図当否判定処理(S65)が終了すると、画像出力処理等の各出力処理(S70)が実行される。
各出力処理(S70)では、遊技の進行に応じて演出図柄制御装置54a、払出制御装置51、発射制御装置、サブ統合制御装置53、大入賞口ソレノイド、普電役物ソレノイド等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤8に設けた各入賞口へ遊技球が入賞したことが確認されたときには、賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置51に賞球データ(賞球コマンド)を出力する処理を、遊技機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置54a及びホールコンピュータ等にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S75)、初期値乱数2の更新処理(S80)から構成されるが、各々前述したS15、S20の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄(第1又は第2)の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
次に、図4に示したフローチャートを用いて、主制御装置50が実行する始動入賞処理を説明する。この処理は、本願発明における保留記憶手段、先読コマンド送信手段を含む処理となる。始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定なら(S100:yes)、第1保留記憶数が上限数(本実施例においては4個)よりも少ないか否か判定し(S105)、肯定判定(0個から3個)なら(S105:yes)、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出して、これらを保留記憶として第1保留記憶数に応じた各記憶領域に記憶するとともに、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。このS110で行われる処理が本願発明の保留記憶手段に該当する。
続いて、時短フラグが0か否かを判定する(S115)。時短フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、普通電動役物40の開放時間を通常時よりも長くする開放延長機能が未作動であることを、値が「1」のときは、開放延長機能が作動中であることを主制御装置50が判断するための値である。本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能(普通電動役物40の開放時間を長くするための機能)が作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能が終了する構成となっている。
S115が肯定判定なら(S115:yes)、先読み判定処理を行う(S120)。この先読判定処理では、S110で保留記憶した大当り判定用乱数が大当りを生起させる値か否か、ハズレであればリーチ決定用乱数がスーパーリーチ又はその他のリーチを実行する値であるか否かを後述する当否判定処理を実施する以前に確認する処理となる。この確認結果が本発明における抽選が未実施の乱数値の情報に該当する。なお、大当り判定用乱数が大当りを生起させる値であった場合、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2を基にして、大当り終了後に確率変動となる大当りか否か及び大当り遊技の内容(ラウンド数)まで判定する構成としてもよい。
S120に続いては、S120の判定結果に基づいて生成した先読コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S125)。このS125の処理が本発明の先読コマンド送信手段に該当する。S125の処理後又はS115が否定判定なら(S115:no)、S110で加算した第1保留記憶カウンタが示す値を第1保留数指示信号としてサブ統合制御装置53に送信する(S130)。
S130の処理後又はS100、S105の否定判定に続いては(S100:NO、S105:NO)、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)リターンし、肯定判定なら(S135:yes)、第2保留記憶数が上限数(本実施例においては4個)よりも少ないか否か判定する(S140)。否定判定なら(S140:no)リターンし、肯定判定(0個から3個)なら(S140:yes)、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を抽出して、これらを保留記憶として第2保留記憶数に応じた各記憶領域に記憶するとともに、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S145)、加算した第2保留記憶カウンタが示す値を第2保留数指示信号としてサブ統合制御装置53に送信し(S150)リターンする。
本実施例では、S115の判定にあるように、非時短状態に第1始動口31への入球に基づいて取得した乱数値のみ先読判定処理(先読判定手段)を実施し、先読コマンドをサブ統合制御装置53に送信したが、時短状態時にも同様に先読判定を行い先読コマンドをサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。また、遊技状態にかかわらず先読判定を実施し、判定結果をサブ統合制御装置53に送信するか否かを遊技状態に基づいて判定する構成としてもよい。また、第2始動口32への入球に基づいて取得した乱数値についても、同様に先読判定と先読コマンド送信処理を実施しても何ら問題ない。
次に、図5に示したフローチャートを用いて、主制御装置50が実行する当否判定処理を説明する。この当否判定処理は、本発明の表示制御コマンド送信手段を含む処理となる。当否判定処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S200)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1及び第2特図が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S200:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S205)。肯定判定なら(S205:yes)、S215に進み、否定判定なら(S205:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S210)。否定判定なら(S210:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S210:yes)、S215に進む。S205とS210の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。
S215では時短フラグの値が0か否か判定する(S215)。肯定判定なら(S215:yes)S220に進み、否定判定なら(S215:no)、時短状態中の処理に進む。時短状態中の処理は、当否判定結果に基づいて選択される変動パターンが、時短状態用の変動パターンテーブルから選択される処理部のみが異なるため説明は割愛する。
S220では、判定対象となる保留記憶のシフト処理を行う(S220)。これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算した残りの保留記憶数を示す保留数指示信号を、サブ統合制御装置53に送信する(S225)。サブ統合制御装置53は受信した保留数指示信号に応じて演出図柄表示装置54b上に表示する保留記憶を示す表示態様の数を変化させる。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S230)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率用と高確率用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
S235の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S230)の結果が大当りであるか否か判定する。肯定判定なら(S235:yes)、図柄モード設定処理を行う(S240)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。次に、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて、大当り図柄選択処理を行う(S245)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS240で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S250)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容を複数種類記憶したテーブルの中から図柄モードの値によって選択される遊技内容を、該遊技内容に対応した値として記憶する構成となっている。
次に、S240で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S255)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S260)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、表示指示コマンドとしてサブ統合制御装置53へ送信し(S265)(本願発明における表示制御コマンド送信手段に該当)、リターンする。この表示指示コマンドを受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bに表示する態様を選択し(本発明の擬似演出選択手段)、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御してS260で選択した特図の変動を開始する(図示省略)。
S235が否定判定、即ちハズレなら(S235:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S230)の結果が小当りであるか否か判定し(S270)、肯定判定なら(S270:yes)、小当り図柄を選択し(S275)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S255)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S260)、小当り図柄および変動パターンの情報となる表示指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S265)(本願発明における表示制御コマンド送信手段)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bに表示する態様を選択し(本発明の擬似演出選択手段)、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御してS260で選択した特図の変動を開始する。
S270が否定判定なら(S270:no)、ハズレ図柄を選択し(S280)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S260)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる表示指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S265)(本願発明における表示制御コマンド送信手段)。この情報を受信したササブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bに表示する態様を選択し(本発明の擬似演出選択手段)、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御してS260で選択した特図の変動を開始する。
以上が当否判定処理の説明となり、抽選の結果に応じた表示制御コマンドが表示制御コマンド送信手段によってサブ統合制御装置53に送信される構成となっている。
次に、図6に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この変動指示コマンド受信処理は、主制御装置50から受信した表示制御コマンドに基づいて、演出図柄表示装置54bに表示する特別図柄に対応した擬似演出を、複数の擬似演出の中から選択する擬似演出選択手段を含む処理となる。
変動指示コマンド受信処理を開始すると、第2特別図柄の変動開始に応じた第2変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S300)。肯定判定なら(S300:yes)、第2変動指示コマンド受信処理を行う。本実施例では、第1特別図柄の遊技が主となる通常確率状態の開放延長機能未作動時に前兆演出及び前兆先読演出(本発明における大当り期待度演出)を実施する構成であるため、第2特別図柄の処理については従来技術と変わりなく詳細な説明は割愛するが、第2特別図柄の変動表示が遊技の主となる開放延長機能作動時に前兆演出及び前兆先読演出を行う構成を付加することも考えられる。
S300が否定判定なら(S300:no)、第1特別図柄の変動開始に応じた第1変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S305)。肯定判定なら(S305:yes)、演出変動態様を選択するための振分乱数を抽出し(S310)、時短フラグが0か否か判定する(S315)。否定判定なら(S315:no)、開放延長機能作動時の第1特別図柄の変動態様を選択する処理を行うが、この処理は従来技術と変わりないため説明は割愛する。
S315が肯定判定なら(S315:yes)、受信した変動指示コマンドに含まれる変動パターンに対応するサブ統合制御装置53が記憶する複数の演出(変動)態様の中からS310で抽出した乱数値に応じた1つの演出態様を選択し(S320)、上記処理によって選択された演出態様を、演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する演出図柄変動処理を行い(S325)、リターンに抜ける。従って、S320が、本発明における擬似演出選択手段に該当する。
次に、図7に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する前兆演出実行判定処理を説明する。この前兆演出実行判定処理は、本発明の前兆演出実行手段を含む処理となる。前兆演出実行判定処理を開始すると、時短フラグが0か否か判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S400:yes)、後述する保留先読演出フラグが0か否か判定する(S403)。否定判定なら(S403:no)、リターンに抜け、肯定判定なら(S403:yes)、S405に進むが、このS403の判定により保留先読演出を実行中の場合は、前兆演出が実行されない構成となっている。S405では、前兆演出フラグが0か否か判定する(S405)。前兆演出フラグはサブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が「0」のときは、前兆演出が未実施中であることを、値が「1」のときは、前兆演出が実施中であることをサブ統合制御装置53が判断するための値である。
S405が肯定判定なら(S405:yes)、演出図柄の変動による擬似演出を実行中か否か判定する(S410)。否定判定なら(S410:no)、リターンし、肯定判定なら(S410:yes)、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出したか否か判定する(S415)。否定判定なら(S415:no)、リターンし、肯定判定なら(S415:yes)、実行中の演出図柄の変動による擬似演出が終了するまでの時間が15秒以上あるか否か判定する(S420)。
S420が否定判定なら(S420:no)、リターンし、肯定判定なら(S420:yes)、前兆演出を実行するためにS425に進む。S425では、前兆演出を演出図柄表示装置54bに表示する指示を演出図柄制御装置54aに送信し(S425)(本発明における前兆演出実行手段に該当)、前兆演出フラグに1を設定し(S430)、前兆演出の演出時間を規制するカウンタ(前兆演出タイマ)に15秒を示す値を設定して(S435)リターンする。
上記したS410及びS420の判定とS435のタイマ設定によって、本発明の「前兆演出実行手段は、特別図柄が変動中であることを条件に、遊技球検出スイッチが遊技球を検出すると前兆演出を実行し、当該特別図柄の変動が終了する以前に当該前兆演出を終了する」の構成が実施される。なお、本実施例の前兆演出は毎回15秒の一定時間が設定されるが、演出時間を複数備え、毎回選択する構成も考えられる。
S405が否定判定なら、即ち前兆演出の実行中なら(S405:no)、S435でセットしたカウンタから−1するデクリメント処理を行い(S440)、前兆演出タイマとなるカウンタが0か否か、即ち前兆演出の演出時間が終了したか否か判定する(S445)。肯定判定なら(S445:yes)、前兆演出及び後述する前兆演出を変化させた前兆先読演出(本発明における大当り期待度演出)を終了させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S450)、前兆演出フラグに0を設定する(S455)。続いて、前兆先読演出フラグが1か否か判定し(S460)、否定判定なら(S460:no)リターンし、肯定判定なら(S460:yes)、前兆先読演出フラグに0を設定して(S465)リターンする。前兆先読演出フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が「0」のときは、前兆演出を変化させて大当り期待度を報知する前兆先読演出が未実施中であることを、値が「1」のときは、前兆先読演出が実施中であることを、サブ統合制御装置53が判断するための値である。
S445が否定判定、即ち前兆演出の終了時間に至っていなければ(S445:no)、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出したか否か判定する(S470)。否定判定なら(S470:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S470:yes)、実行中の演出図柄の変動が終了するまでの時間が15秒以上あるか否か判定する(S475)。肯定判定なら(S475:yes)、前兆先読演出フラグが1か否か判定し(S480)、肯定判定なら(S480:yes)、前兆先読演出を終了する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S485)、前兆先読演出フラグに0を設定し(S490)、前兆演出の表示を指示する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S493)。S493又はS480の否定判定、即ち前兆先読演出の未実施(S480:no)に続いては、実行中の前兆演出タイマの計測を終了し、前兆演出タイマの再設定(前兆演出の演出時間を規制するカウンタに再度15秒を示す値を設定)を行い(S495)、リターンする。
以上が、サブ統合制御装置53が実行する前兆演出実行判定処理となる。この処理では、S435及びS495によって、前兆演出は予め定められた演出時間で実行される構成となる。具体的に本実施例の前兆演出は、その開始から終了までの時間が15秒となる。また、S420とS475とにおいて、変動中の擬似演出の残り時間が15秒より長いか否かを判定し、肯定判定の場合に前兆演出が実施されることにより、変動中の擬似演出が終了する以前に前兆演出が終了する構成となる。
また、S445の否定判定からS465にかけての処理によって、前兆演出の演出時間が終了時間に達すると前兆演出を終了させるが、前兆演出が前兆先読演出に変化している場合であっても、前兆先読演出を終了させる構成となっている。
また、S470の肯定判定からS495にかけての処理によって、前兆演出又は前兆先読演出が実行中の場合に、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、前兆先読又は前兆先読演出を実行している場合は終了し、前兆演出タイマ(15秒)を新たに設定して前兆演出を最初から開始する構成となっている。
次に、図8に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する先読演出実行判定手段を説明する。この処理は、本発明における先読演出実行手段を含む処理となり、「先読演出実行手段は、大当り期待度演出を実行中に先読コマンドを受信すると、該先読コマンドが示す情報に応じて実行中の大当り期待度演出の演出態様を変化させ、演出時間が経過するまで大当り期待度演出を継続する」を満たす構成となっている。先読演出実行判定手段を開始すると、時短フラグが0か否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)、リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、主制御装置50から先読コマンドを受信したか否か判定する(S505)。否定判定なら(S505:no)リターンし、肯定判定なら(S505:yes)、先読判定内容記憶処理を行う(S515)。
この先読判定内容記憶処理では、受信した先読コマンドそのものを、受信した順番が特定可能に各記憶領域に格納する処理であり、受信した先読コマンドの対象となる保留記憶の変動指示コマンドを受信すると先読コマンドを消去し、他に先読コマンドの記憶が有る場合は、記憶領域のシフト処理が行われる。なお、先読コマンドそのものを記憶するのではなく、先読コマンドが示す内容を判断可能に記憶する構成でもよい。
S515に続いては、前兆先読演出フラグが0か否か、即ち、前兆演出を変化させて大当たり期待度を報知する前兆先読演出を非実行中か否か判定する(S520)。否定判定なら(S520:no)、S535に進み、肯定判定なら(S520:yes)、保留先読演出フラグが0か否か判定する(S525)。保留先読演出フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が「0」のときは、保留記憶表示の態様を変化させて該当する保留記憶の大当り期待度を予告報知する保留先読演出が未実施中であることを、値が「1」のときは、保留先読演出が実施中であることを、サブ統合制御装置53が判断するための値である。
S525が肯定判定、即ち保留先読演出が未実施中であれば(S525:yes)、前兆演出フラグが1か否か判定する(S530)。肯定判定なら、即ち前兆演出を実行中であれば(S530:yes)、又はS520が肯定判定、即ち前兆先読演出を実行中であれば(S520:no)、前兆演出タイマの残り時間が1秒以上か否か判定し(S535)、否定判定なら(S535:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S535:yes)、前兆先読演出の表示態様を選択するために用いる振分け乱数を抽出し(S537)、抽出した振分け乱数と、S515で記憶した最も新しい先読コマンドの内容に応じて前兆先読演出として表示する表示態様を選択する(S540)。
S540で行う最も新しい先読コマンドの内容に応じた前兆先読演出の表示態様の選択は、大当り期待度「高」「中」「低」の3種類の中から選択される。具体的には、図9の表に示すように、S505で受信を確認した先読コマンドの内容が「大当り」であり、S537で抽出した振分け乱数の値が「0、1、3、5、7、8、9」の7種類の中のいずれかであった場合は、大当り期待度「高」の表示態様が選択され、振分け乱数の値が「2、5」の2種類のいずれかであった場合は、大当り期待度「中」の表示態様が選択され、振分け乱数の値が「4」であった場合は、大当り期待度「低」の表示態様が選択される。同様に、先読コマンドの内容が「スーパーリーチ(はずれ)」、「リーチ(はずれ)」、「はずれ」、であった場合も、振分け乱数の値に応じて大当り期待度の表示態様が選択され、受信した先読コマンドの内容が、大当り又は特殊演出(スーパーリーチ等)の場合ほど、大当り期待度「高」を選択する確率が高く、はずれの場合は大当り期待度「低」を選択する確率が高い。従って、前兆先読演出として大当り期待度「高」の態様が表示されると、「中」「低」が表示された場合よりも大当りとなる確率が高く、「中」「低」となるほどその確率が下がる。
S540に続いては、演出図柄表示装置54bに表示中の前兆演出表示又は前兆先読演出表示をS540で選択した前兆先読演出の表示態様に変更する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S545)、前兆先読演出フラグが0か否か判定する(S547)。否定判定なら(S547)、リターンし、肯定判定なら(S547)、前兆先読演出フラグに1を設定して(S550)、リターンする。
S525又はS530が否定判定なら(S525:no、S530:no)、保留先読演出の表示態様を選択するために用いる振分け乱数を抽出し(S553)、抽出した振分け乱数と、S515で記憶した最も新しい先読コマンドの内容に応じて保留先読演出を実施するか否かの判定及び実施する場合の保留先読演出の表示態様を選択する(S555)。
S555で、保留先読演出を実施すると判定した場合に行う、最も新しい先読コマンドの内容に応じた保留先読演出の表示態様の選択は、大当り期待度「高」「中」「低」の3種類の中から選択され、具体的な表示態様は図17を用いて後述する。
S555に続いては、保留先読演出を実施するか否かを判定し(S560)、否定判定なら(S560:no)リターンし、肯定判定なら(S560:yes)、S555で選択した保留先読演出の表示態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S565)、保留先読演出フラグに1を設定して(S570)リターンする。なお、この保留先読演出フラグは、該当する保留記憶が変動表示を開始した時点で0に設定される。
以上が、サブ統合制御装置53が実行する先読演出実行判定処理となる。この処理において、S520、S525及びS530の判定によって前兆先読演出は、保留先読演出が未実施で尚且つ前兆演出が実施中の場合のみ実行される構成となる。従って、先読演出実行判定処理は、先読演出の種類(前兆先読又は保留先読)を決定する先読演出決定手段を備える構成といえる。また、S535では前兆先読演出の実行可能な時間が1秒以上あるか否かを判定し、肯定判定の場合に前兆先読演出を実行する構成としたが、これにより前兆先読演出の時間が短すぎるために遊技者が見落とす虞を防いでいる。なお、表示態様の変化が容易に認識可能であるなら1秒以上でなくともよく、変化する態様が確認し易いか否かによってS535の判定時間を設定するのが好適である。
次に、前兆演出の基本的な実行例を図10に示すタイミングチャートを用いて説明する。図10に示すように、特別図柄変動中(非時短状態中)において、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、該検出した時点(A)から変動中の特別図柄が変動を終了するまでの時間が15秒よりも長いことを条件(15秒+α)に、(A)時点から15秒間の前兆演出を実施する。
図11は、特別図柄の変動中に遊技球検出スイッチ81bが遊技球を複数回検出した場合に実施される前兆演出の実行例を示すタイミングチャートである。特別図柄が変動を開始し、(A1)の時点で遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、(A1)から15秒間の前兆演出を開始するが、(A1)から8秒後の(A2)で再び遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、(A2)時点で実行中の前兆演出タイマの計測を終了し、新たに前兆演出タイマを再設定(図7、S495)し、前兆演出を(A2)から15秒間延長して実施する。続いて、(A2)から12秒後の(A3)時点で再び遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出するが、(A3)時点は変動中の特別図柄が終了するまでに13秒しかないため、実行中の前兆演出タイマの終了と再設定は行われず、前兆演出の実行時間は延長されない。
図12は、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出しても前兆演出を実施しない場合の例を示したタイミングチャートである。(B)の時点で遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出した場合は、特別図柄が変動を実施していないため前兆演出は実行されない。(C)の時点で遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出した場合は、特別図柄の変動中ではあるが、(C)の時点から変動中の特別図柄の変動が終了するまでの時間Hsが15秒よりも短いため前兆演出は実行されない。
図13は、前兆演出の実行中に先読コマンドの受信に応じて前兆先読演出を実施する場合の例を示すタイミングーチャートである。特別図柄の変動中に(D1)の時点で遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、15秒間の前兆演出を開始する。(D1)からX秒後の(D3)の時点で先読コマンドを受信すると、(D3)の時点から(D1)で開始された前兆演出が終了する(D4)のまでの期間(15s−Xs)、前兆先読演出が行われる。また、前兆演出の開始から先読コマンドの受信までの期間が図のYsのように長い場合でも、15s−Ysが1秒以上であれば、先読コマンドを受信した時点(D7)から、(D5)の時点で開始された前兆演出が終了する(D8)のまでの期間(15s−Ys)まで、前兆先読演出を行う。
本実施例の遊技盤構成では、(D1)で遊技球検出スイッチ81bに検出され前兆演出の起因となった遊技球が、誘導装置により第1始動口31に誘導され、(D2)の時点で第1始動スイッチ31aに検出されたことに基づいて、(D3)で先読コマンドを送信し前兆先読演出の起因となる場合が発生する(1個の遊技球が、他方の演出を実施するための前提条件となる一方の演出を実施する起因となると共に、他方の演出を実施する起因ともなる。1個の遊技球で普通図柄と特別図柄の両方を変動させることもあるが、一方の図柄の変動が他方の図柄を変動させるための条件とはならない)。この構成は、発射した遊技球が、先読演出の前提条件となる前兆演出を実行する起因になるとともに、当該遊技球が始動口に入賞した場合に取得した乱数の期待度を報知する起因ともなる構成となっている。これは、直近で保留記憶した乱数値の大当り期待度を、前兆演出開始時に設定された時間における残り時間に限って報知する構成ともいえる。また、遊技球が前兆演出を実行させた場合は、始動口への誘導装置に入球したことを示すため、当該遊技球は始動口に入賞する機会が増幅されている。
従って、前兆演出の未実行時においては(特別図柄変動時)、流下する遊技球の始動口への入賞ルートによって先読演出(本発明における大当り期待度演出)を実行するか否かを決定する構成となり、前兆演出の実行中か否かによって先読演出の種類を決定する構成となる。具体的には、誘導装置を通って始動口に入球すると前兆演出を変化させる先読演出(本発明における、大当り期待度演出)が行われ、誘導装置を通らずに(前兆演出を実施させずに)始動口に入球すると保留記憶数表示を変化させる先読演出が所定の確率で行われる。
図14は、前兆先読演出の実行中に遊技球入球スイッチ81bでの遊技球検出と先読コマンドの受信とを行った場合(大当り期待度演出の実行中に遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、該大当り期待度演出を終了し、新たに前兆演出を開始する)の例を示すタイミングチャートである。特別図柄の変動中に遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出(E1)し、5秒後に先読コマンドを受信すると(E2)、その時点から前兆先読演出を開始(前兆演出の演出表示態様が変化し、変化した態様に応じて期待度を報知)する。
続いて、この前兆先読演出の実行中、例えば、(E1)から8秒後に、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、特図変動時間の終了まで15秒以上あるため、実行中の前兆先読演出を終了し(図7、S485)、新たに15秒間の前兆演出を開始する。引き続き、該前兆演出の実行中、例えば(E3)から5秒後に先読コマンドを受信すると、その時点から前兆先読演出を開始し、前兆演出の開始時(E3)から15秒経過すると前兆演出から変化した前兆先読演出が終了する。
本実施例では、前兆先読演出の実行中に、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、前兆先読演出を一旦終了する構成となっているが、終了することで表示態様が消えることはなく、表示態様が前兆先読演出態様から前兆演出態様に変化する。但し、前兆先読演出を遊技者が認識可能な程度に一度消してから再度前兆演出を表示する構成も考えられる。また、前兆先読演出を実行中に遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出しても、該検出を無効とし実行中の前兆先読演出を継続する構成も考えられる。このような構成とすることで、実行されている前兆先読演出の時間が短すぎるものになってしまい遊技者が見落とすといったことはなくなる。
図15は、前兆先読演出の実行中に先読コマンドの受信を行った場合(大当り期待度演出を実行中に先読コマンドを受信すると、該先読コマンドが示す情報に応じて実行中の大当り期待度演出の演出態様を変化させ、演出時間が経過するまで大当り期待度演出を継続する)の例を示すタイミングチャートである。例えば、特別図柄の変動中に遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出し、3.5秒後に先読コマンドを受信すると(F1)、その時点から前兆演出が前兆先読演出に変化し、(F1)から7秒後に再度先読コマンドを受信すると、その時点(F2)で受信した先読コマンドの内容に応じて、再度前兆先読演出の表示態様を変化させ、前兆演出開始時にセットされた15秒に達するまで継続する。
本実施例では、前兆先読演出中に先読コマンドを受信すると、実施中の前兆先読演出を受信した先読コマンドの内容に応じて再度変化させる構成としたが、一旦、実施中の先読演出を消して、新たに前兆先読演出を開始する構成にしてもよい。また、前兆先読演出の実施中に第1始動口31入賞に応じた先読コマンドを受信しても、実施中の前兆先読演出には何も影響を及ぼさずに無効とする構成も考えられる。このような構成にすることで、実行されている前兆先読演出の時間が短すぎるものになってしまい遊技者が見落とすといったことはなくなる。
次に、図16を用いて本実施例において演出図柄表示装置54bに表示される前兆演出の表示内容について説明する。演出図柄表示装置54bでは、画面中央に左図柄、中図柄、右図柄の演出図柄が配置され、特別図柄の変動に応じて各演出図柄が上から下への変動表示を実施する。また、画面左下には第1保留記憶数(最高4個まで)を表示する第1保留記憶数表示領域と、画面右下には第2保留記憶数(最高4個まで)を表示する第2保留記憶数表示領域とを設けている。
特別図柄(演出図柄)が変動中に、遊技球検出スイッチ81bが遊技球を検出すると、中図柄の上部に熊のキャラクター(達吉)の顔(通常表情)が前兆演出として表示される。前兆演出中には表示態様(表情)は変化せず同一の表示内容を15秒間表示する。図17は、前兆演出又は前兆先読演出の実施中に受信した先読コマンドの内容によって、前兆演出又は前兆先読演出から変化する前兆先読演出の表示内容を示す図である。(1)は、受信した先読コマンドが示す情報が、取得した乱数値の大当り期待度が低い場合に多く表示(稀に大当りとなる場合もある)される表示態様となる。この場合の表示内容は、前兆演出で表示した通常表情の達吉(又は前兆先読演出に変化した達吉の表情)が笑顔(口を開く)に変化する。
(2)は、受信した先読コマンドが示す情報が、取得した乱数値の大当り期待度が中程度の場合に多く表示(大当りとなる場合もある)される表示態様となる。この場合の表示内容は、前兆演出で表示した通常表情の達吉(又は前兆先読演出に変化した達吉の表情)が目を細めて(1)よりも更に笑顔に変化する。
(3)は、受信した先読コマンドが示す情報が、取得した乱数値の大当り期待度が大きい場合に多く表示(ハズレとなる場合もある)される表示態様となる。この場合の表示内容は、前兆演出で表示した通常表情の達吉(又は前兆先読演出に変化した達吉の表情)が目を細め周りに星が輝き(2)よりも更に笑顔に変化する。従って遊技者は、(1)(2)(3)の順に大当り期待度が高くなると認識しながら遊技を進行する。
期待度表示の選択(S540(図8))は、受信した先読コマンドの内容と、S537(図8)で抽出した振分け乱数に基づいて決定されるため、受信内容がハズレであっても期待度大の表示態様を選択する場合もあるし、受信内容が大当りであっても期待度小の表示態様を選択する場合もある(先読コマンドの内容によって表示内容が固定されているわけではない)。
次に、図18を用いて、保留記憶数表示の個々の表示態様を用いた保留先読演出の表示内容を説明する。保留記憶数表示は、1個の保留記憶に対して1個の態様が表示される構成となっており、図に示す(A)から(D)までの4個種類の態様を備えている。(A)は、通常の保留記憶(保留先読予告未実施)を示す表示態様であり、(B)は、受信した先読コマンドが示す情報が、取得した乱数値の大当り期待度が低い場合に多く表示(稀に大当りとなる場合もある)される表示態様となる。(C)は、受信した先読コマンドが示す情報が、取得した乱数値の大当り期待度が中程度の場合に多く表示(大当りとなる場合もある)される表示態様となる。(D)は、受信した先読コマンドが示す情報が、取得した乱数値の大当り期待度が大きい場合に多く表示(ハズレとなる場合もある)される表示態様となる。従って遊技者は、(A)(B)(C)(D)の順に大当り期待度が高きくなると認識しながら遊技を進行する。
以上が保留先読演出の表示内容となるが、上述したように、この保留先読演出は、前兆先読演出が実施中(前兆先読演出フラグ=1)の場合には実施されず、保留先読演出が実施中(保留先読演出フラグ=1)の場合には、前兆先読演出が実施されない構成となっている。
どちらの先読演出も、表示する態様を選択する場合は、受信した先読コマンドの内容と抽出した乱数値を用いて決定しているため、2種類の先読演出を同時に実施した場合、抽出した乱数値によっては同じ保留記憶に対して異なる期待度を表示してしまうことがある。この様に異なる期待度を表示した場合、遊技者に不信感を与えてしまうが、本実施例ではどちらか一方しか表示しないためその虞はない。
なお、前兆先読演出は所定の時間が経過すると画面から消えるが、該前兆先読演出において受信した先読コマンドの内容よりも大当り期待度の低い表示が行われた場合(例えば、先読コマンドの内容は大当りだが中程度の表示である図17(2)を表示した場合)は、前兆先読演出が終了した時点から、対応する保留記憶数表示の態様を変化させ、前兆先読演出で報知された以上の大当り期待度演出を行う構成も考えられる。この構成では、一つの保留記憶に対して期待度が上昇するという遊技性を付加することが可能となる。
以上が実施例の説明となる。本実施例では、図8で説明した先読演出実行判定処理において、前兆先読演出の表示態様は受信した先読コマンドの内容と抽出した振分け乱数の値とに応じて選択したが、振分け乱数を用いずに受信した先読コマンドの内容のみに合わせた大当り期待度演出を表示する構成も考えられる。この構成は、振分け乱数を使用する保留先読演出よりも精度の高い大当り期待度表示を実施することで、前兆先読演出を行う意欲を掻き立てることができる。
また、前兆演出を実施するための前提条件として、特別図柄が変動状態であることとしたが、特別図柄の変動と停止とに関係なく実施される構成としてもよい。これにより前兆演出及び前兆先読演出の発生頻度が増え、遊技意向を増加させることができる。また、前兆先読演出は、前兆演出の演出時間が終了すると同様に終了する構成としたが、前兆演出の演出時間が終了しても、前兆先読演出を終了せずに継続する構成としてもよい。
本実施例では、液晶枠飾り(センターケース)28のステージ穴81aの内部に検出スイッチ81bを設け、第1始動口38の上方に備えた始動口誘導通路81cから遊技球を排出することによりステージ穴81aに入球した遊技球が、入球しない遊技球よりも第1始動口31に入球する確率が高くなる構成としたが、第1始動口31よりも上流に前兆演出を開始させるための検出スイッチを備えていれば、第1始動口31への入球率は変化してもしなくてもよい。変化しない場合、より多くの遊技球を検出スイッチに検出させられることができるため、前兆演出の実施機会を増加させることができる。