以下、図面を参照しながら、本発明に係る弾球遊技機の実施形態を、パチンコ遊技機を例にして説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。またさらに上受け皿ユニット8には、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この枠演出ボタン13は、遊技者が操作可能な手操作手段として働く。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分部材(流路振分手段)として働く。本実施形態では、センター飾り48が遊技領域3aのほぼ中央部に配置されており、これにより、遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるようになっている。ただし、この実施形態の場合、センター飾り48は少し右側に膨出した形となっている。
センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、かつ固定ねじなどにより遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。鎧枠部48bは、その略全体が前面装着板48aから前側に突出しており、その内側、すなわち液晶表示装置36側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、この鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。このようなセンター飾り48は、遊技球の落下方向を変換する遊技球落下方向変換部材(落下方向変換手段)として働く。
なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。またセンター飾り48には、適所に、その動作態様により視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が設けられている。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。
上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、演出画像とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作(たとえば、シーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで当否が判明する)により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、大当り(「大当り」の詳細は後述する)に係る規定ラウンド数を報知するラウンド表示手段として機能し、たとえば、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、その規定ラウンド数が報知されるようになっている。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37が設けられている。この普通図柄始動口37(第3の始動手段)は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない形態となっているが、本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
下始動口35は、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属し、左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。しかし、下始動口35の可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)がその作動条件となっているので、実質的には右流下経路3cにのみに属するといえる。
また上始動口34については、概ね左流下経路3bまたは左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞が困難または不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球(センター飾り48のステージを経た遊技球を含む)について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段に対する(画像、光、音)演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20:主制御手段)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また図示はしていないが、主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに係る抽選用乱数を生成するための乱数生成回路、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路なども備えている。また主制御部20は、電源遮断時に、電源遮断前の遊技状態を復帰するのに必要な復帰情報をバックアップする機能部(バックアップ手段)を備えている。
ここでCPU201は、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。またCPU201は、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタを備えている。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cと、Vアタッカーを開閉制御するためのVアタッカーソレノイド(図示せず)とが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。上記のホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御部20側では、この払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、具体的には、賞球の払い出しに不具合(払い出しエラー:たとえば、玉詰まりや賞球の払い出し不足)が発生したか否かを監視している。
また主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報を乗せた演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。このような主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、およびタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、光演出や音演出を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物モータ61に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な枠演出ボタン13が接続され、演出制御部24は、枠演出ボタン13からの操作検出信号を受信可能となっている。また演出制御部24には、可動体役物の動作を制御するための可動体役物モータ61が接続され、演出制御部24は、可動体役物モータ61を制御するための制御信号を送信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示、予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動表示動作態様、種々の予告演出(背景演出、リーチ演出、疑似連演出などの演出シナリオを構成する要素)を含めた広義の演出パターンを指す。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
たとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。つまり、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが閉動作して大入賞口50が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。
大当り遊技は、特別図柄変動表示ゲームで大当りが確定し、装飾図柄変動表示ゲームで大当りの図柄態様が導出表示されて、該ゲームが終了した後で開始される。大当り遊技が開始すると、最初に、大当り遊技の開始を示すべく大当り開始インターバルが置かれ、ここでオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、開放扉52bの開動作により大入賞口が開放される「ラウンド遊技」が、予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回実行される。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間(最大開放時間)が経過するか、または大入賞口に予め定めた上限個数の遊技球が入賞するか、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。したがって、大入賞口の開閉動作パターン(ラウンド遊技動作パターン)は、ラウンド終了条件が成立するタイミングの相違により、必ずしもラウンド遊技ごとに同一とはならない。
この大当り遊技中の開放扉52bの開閉動作パターンには、大入賞口の最大開放時間を遊技球の入賞し易い第1の所定時間(たとえば、29.8秒)に設定することで、大入賞口を遊技球が入賞し易いように長開放(ロング開放)する長開放ラウンド遊技のものと、大入賞口の最大開放時間を遊技球の入賞し難い第2の所定時間(たとえば、0.1秒)に設定して、大入賞口を遊技球が入賞し難いように短開放(ショート開放)する短開放ラウンド遊技のものとがある。いずれのラウンド遊技の場合も、大入賞口の最大開放時間が経過するまでか、または大入賞口50への入賞球が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動により開きまたは拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、大入賞口50の入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記ラウンド遊技は規定ラウンド数を上限として複数回実行されるが、本実施形態の当り中遊技には2つのタイプがある。一つは、ラウンド遊技に最大開放時間が長開放(たとえば29.8秒)である長開放ラウンド遊技の一種類だけを用い、この長開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで複数回繰り返すようにした長開放形態(長開放ラウンド連続形態)のものである。他の一つは、ラウンド遊技に最大開放時間が長開放(たとえば29.8秒)のもの(長開放ラウンド遊技)と、短開放(たとえば0.1)のもの(短開放ラウンド遊技)との二種類を用い、規定ラウンド数の途中の所定ラウンドまでを長開放ラウンド遊技の繰り返しとし、当該所定ラウンドの次のラウンドから短開放ラウンド遊技の繰り返しに切り替え、この短開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで複数回繰り返すようにした長短開放形態(長短開放ラウンド連続形態)のものである。したがって、この長開放形態と長短開放形態との違いからも、大入賞口の開閉動作パターン(ラウンド遊技動作パターン)は、必ずしもラウンド遊技ごとに同一とはならない。さらにまた、本実施形態の場合、1ラウンド遊技中に1回のみ大入賞口の開放が行われるが、長開放の1ラウンド遊技中(たとえば最大29.8秒中)に複数回の開放を行うようにしたラウンド遊技動作パターンとなるように大入賞口を開閉制御してもよい。これらの点を含め、ラウンド遊技は「所定のパターン」で開閉制御される。
上記規定ラウンド数のラウンド遊技を繰り返すと、大当り遊技は大当り終了インターバルに移行する。大当り種別をエンディング演出の発生に着目して分類して、この大当り終了インターバルに対応させてエンディング演出が行われる大当り遊技を発生させる大当り種別(7図柄直当り:図41)を「第1の大当り」と称する。また、エンディング演出が大当り終了インターバルよりも前の時点から開始されて、大当り終了インターバルが終了するまで(特別図柄変動表示動作が発生する時点まで)流され続ける大当り遊技を発生させる大当り種別(7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5、7図柄当りC、7図柄以外当りD)を「第2の大当り」と称する。
上記第1の大当りは、大当り遊技の構成形態(演出を除く)で分類(グループ分け)すると、後述する第1群(グループ)に属する大当りである。また、上記第2の大当りのうち、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5、7図柄以外当りDは、当たり遊技の構成形態による分類からすると、後述する第2群(グループ)に属する大当りであり、7図柄当りCは第1群に属する大当りである。
大当り遊技は、大別すると、大当り開始インターバル、ラウンド遊技、および大当り終了インターバルの各遊技期間から構成され、この順序で生起するようになっている。大当り開始インターバルおよび大当り終了インターバルは、必要に応じて、そのインターバル時間をプログラム上の最短時間(主制御側タイマ割込周期の4msまたはその倍数)にすることにより、実質上省略される。そして大当りには、ラウンド遊技として、遊技球が入賞し易いように大入賞口を長開放してから閉鎖する長開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する「第1群に属する大当り」と、ラウンド遊技として、長開放ラウンド遊技を複数回実行した後に、遊技球が入賞し難いように大入賞口を短開放してから閉鎖する短開放ラウンド遊技を前記規定ラウンド数まで繰り返し実行する「第2群に属する大当り」とが含まれる。
一方の第1群に属する大当りには「7図柄直当り」と「7図柄当りC」の二種類があり(図41、図49)、このうちで「7図柄直当り(図41)」による大当り遊技の場合は、大当り終了インターバルに対応させて大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する(図41)。したがって、7図柄直当りは上記「第1の大当り」として作用する。「7図柄当りC(図49)」は第1の当りではなく、次に述べる第2の当りとして作用する。
他方の第2群に属する大当りには、「7図柄以外当りA」、「7図柄以外当りB」、「シナリオBB1〜BB5」、「7図柄以外当りD」がある。これらの大当りは、エンディング演出がこの大当り終了インターバルよりも前の時点から開始され、特別図柄変動表示動作が発生する時点まで、流され続ける。この点は第1群に属する7図柄当りCの場合も同様である。したがって、これらは上記「第2の大当り」として作用する。大当り終了インターバルよりも前の時点とは、具体的には、長開放ラウンド遊技における最後のラウンド遊技の終端ES2または短開放ラウンド遊技の最初のラウンド遊技の始端ES1であるが(図42〜図48参照)、長開放ラウンド遊技における最後のラウンド遊技の始端ES3や短開放ラウンド遊技の途中のラウンド遊技の始端ES4または終端であってもよい(図49〜図50参照)。
このようにエンディング演出をこの大当り終了インターバルよりも前の時点から開始した場合、短開放ラウンド遊技が複数回繰り返される期間中に実行する大当り終了インターバルまでのつなぎの演出が不要になるという利点が得られる。また、遊技者に大当り終了インターバルの到来を待たずして早期に大当りが終了したと認識させることができる。また、このエンディング演出が流れている間に、主制御部側から送信されるラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、大当り終了コマンドは、演出制御部側で無視され、当り中演出を構成する所定の演出(パーツシナリオ)の演出開始契機としてやラウンド表示演出契機としては利用されない。したがって、演出制御部は、ラウンド開始コマンドや大当り終了コマンドを受信しても、それに基づく開放演出やエンディング演出を実行しない。これについては後述する。なお、大入賞口閉状態である大当り開始インターバルと大当り終了インターバルとを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り(小当りを含む)」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選(当り)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」と、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報)を含む「装飾図柄指定コマンド」とを演出制御部24に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。
また各入賞口に入賞したことを示す演出制御コマンドとして、入賞コマンドがある。この入賞コマンドには、上始動口34、下始動口35、大入賞口50、普通図柄始動口37、または一般入賞口43等への入賞球を検出した場合に、それぞれの入賞口に対応する入賞コマンド(上始動口入賞コマンド、下始動口入賞コマンド、大入賞口入賞コマンド、一般入賞口コマンド)が所定のタイミングで送信される。これらの各入賞コマンドには、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数情報(たとえば、上始動口入賞コマンドは賞球数3個、下始動口入賞コマンドは賞球数3個、大入賞口入賞コマンドは13個、一般入賞口コマンドは賞球数10個等)が含まれる。これらの入賞コマンドは、後述する受信コマンド解析処理(図30参照)中の入賞コマンド受信処理(ステップS717)に含まれる獲得球数計数処理で利用される。
なお上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(後述のリーチ状態を経由するリーチ演出や、疑似変動表示動作を伴う疑似連演出など)の発生を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果情報に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえばリーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する疑似連演出指定用のリーチ変動パターン(疑似連有りリーチ変動パターン)、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない疑似連演出指定用の通常変動パターン(疑似連有り通常変動パターン)などがある。なお疑似連有り変動パターンの場合、疑似連回数を指定する情報も含むことができる。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていても良い(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)。また特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる図柄側の最大保留記憶数を多く設定しても良い。本実施形態では、特別図柄2に係る大当り抽選が、遊技者とり利益が高い大当り種が得られることから、たとえば特別図柄1側の最大保留記憶数を1個、特別図柄2側の最大保留記憶数をそれよりも多い4個に設定しても良い。
(3−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。なお、特別図柄確変機能の作動開始条件およびその作動終了条件の詳細については、追って説明する。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態(通常状態)」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また大当り中は、全機能が非作動となり、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。
なお本実施形態では、遊技状態に関連した演出の多様化を図るために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば上記「通常遊技状態(低確・電サポ無し)」には、「通常遊技状態A(通常A)」、「通常遊技状態B(通常B)」、および「通常遊技状態C(通常C)」といった複数種類の通常遊技状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。すなわち、同じ通常遊技状態であっても特別図柄の変動パターンを選択する際の条件(変動パターン選択モード:後述の図62の変動パターン振分指定番号(Tcode)参照)が異なるようにしている。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「通常遊技状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「通常A」〜「通常C」という複数種類の遊技状態(変動パターン選択モード)ごとに対応した変動パターンを選択できるので、演出制御部24側において、各遊技状態ごとに対応した演出モード下における演出を発生させることができるようになっている。また本実施形態では、内部遊技状態は同じ「潜確状態」でありながらも、演出の発生に関する遊技状態については、上記「通常A」、「通常B」、または「通常C」として管理し、通常遊技状態下の「通常A」〜「通常C」と同じ遊技状態に対応した演出を発生させることができるようなっている。
本実施形態において、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態(通常状態)、潜確状態、および確変状態が含まれる。他方、特別図柄の変動パターンの決定、換言すれば、演出の決定に着目した場合の「遊技状態(変動パターン選択モード(後述の変動パターン振分指定番号(Tcode)))」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、通常A、通常B、通常C、および確変状態が含まれる。このように本実施形態では、大当り抽選確率や電サポの有無に着目した遊技状態(内部遊技状態)と、演出の決定に着目した遊技状態とを異なるものとして管理することにより、内部遊技状態が同じであっても、複数種類の演出モードを実現させることができるようになっている。これにより、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態と演出の決定に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別:図38〜図40)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選を行うようになっている。この当り種別には、図39に示すように、特図1側について、7図柄直当り(16R長開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りB(12R長短開放条件付確変大当り)、シナリオBB1〜BB4(14R長開放条件付確変大当り)(シナリオBBはシナリオバトルボーナスの略で、場合によりscenarioBBと記する)、シナリオBB5(14R長短開放非確変大当り)、および2R短開放潜確大当りがある。また、図40に示すように、特図2側について、7図柄当りC(16R長開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りD(12R長短開放条件付確変大当り)がある。さらに、小当り(小当りA、小当りB、および小当りC)もこの複数種類の当りに含まれる。ここで「条件付確変大当り」となっているのは、その大当り遊技中の特別ラウンドにおいて、大入賞口内または大入賞口外に設けたV入賞口(特定入賞域:図示せず)に遊技球が入賞したこと、つまりV入賞したことを条件として確変状態への移行が確定され、V入賞しなかった場合には確変状態への移行が行われないためである。
このV入賞口は、図示はしていないが、その入賞領域が所定の開閉部材(Vアタッカー(V−AT):図示せず)の作動状態(作動または非作動)により、V入賞を容易とする開状態(V入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難または不可能にする閉状態(V入賞困難状態)とに変換可能に構成されている。またV入賞口には、V入賞口に入球した遊技球を検出するための検出スイッチ(V入賞スイッチ:図示せず)が設けられている。本実施形態では、Vアタッカーが非作動の場合、V入賞口への入賞が不可能とする閉状態(V入賞不可能状態)を保持している。
なお上記した「条件付き確変大当り」による当り遊技では、少なくとも特定のラウンド目にVアタッカーを長開放させ(V入賞させる可能性が十分にあると考えられる期間)、これにより遊技者がV入賞を確実に得ることができるようになっている。つまり、V入賞口を大入賞口内、大入賞口外のいずれに設けた場合であっても、Vアタッカーが長開放された場合には、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材の作用により、またV入賞口を大入賞口内に設けた場合には、その大入賞口内の物理的な内部構造により、遊技者が遊技球の発射を停止するなどの故意にV入賞させないようにしない限りは、実質的に100%の入賞率でV入賞を獲得できるようになっている。たとえば、V入賞口が大入賞口の内部に形成されている場合は、大入賞口の開放とともにVアタッカーが長開放され、大入賞口の内部構造により遊技球がV入賞口へと案内され、遊技者がV入賞を確実に得ることができるようになっている。また、V入賞口が大入賞口外(たとえば、センター飾り48の右側、大入賞口50の上部、または大入賞口50下部の所定の位置)に形成されている場合は、Vアタッカー(V入賞口)を特別変動入賞装置の一態様と捉えても良く、この場合、特別ラウンドにおいては開放扉52bに替えてVアタッカーを開放制御してV入賞容易状態を長時間(長開放)生起させ、遊技者がV入賞を確実に得ることができるように構成することができる。
なお本実施形態では、本発明の理解を容易なものとするために、説明の便宜上、大入賞口50内にV入賞口が設けられているものを一例として説明する。具体的には、特別ラウンドにおける大入賞口50の開放とともにVアタッカーが開放され、V入賞が発生した場合、VアタッカーによりV入賞口が閉鎖されるものとして説明する。したがって、本実施形態でのVアタッカーは、特別ラウンドにおける大入賞口50の長開放とともに開放され、当該長開放された大入賞口50が閉じる前に、V入賞により閉鎖されることになる。そして、このVアタッカーが開放される特別ラウンドは、大当り遊技中の長開放ラウンドの幾つかに割り付けられている。
図39および図40に示す当り種別において、Vアタッカーが長開放される特別ラウンド(以下、「V開放ラウンド」と略す)は、図39の7図柄直当りおよび7図柄以外当りAの欄や、図40の7図柄当りCおよび7図柄以外当りDの欄には示してないが、基本的には4R目、8R目、および12R目となっており、例外的にこれらが短開放ラウンドである場合にはV開放ラウンドに該当しないようになっている。図39の7図柄直当りの場合は4R目、8R目、および12R目であり、7図柄以外当りAの場合は4R目、8R目であり、図40の7図柄当りCの場合は4R目、8R目および12R目であり、7図柄以外当りDの場合は4R目である。
図38はこのうちの大当りについて、その当選確率を示したもので、特図1側の7図柄直当り、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1、シナリオBB2、シナリオBB3、シナリオBB4、シナリオBB5、2R短開放潜確大当りについて、その当選確率は2%、5%、5%、7%、7%、7%、17%。46%、4%となっている。ここでシナリオBB4の当選確率を17%として他のシナリオBB1〜BB3の場合(7%)より高くしているのは、大当り遊技中の演出上でチャレンジ演出に失敗しても復活演出を現出させ、その復活演出中においてVアタッカーを長開放(V入賞容易状態)してV入賞させるという「復活有り」を行う当り種別のものであるため、遊技者の緊張感を高めるため確率を高くしたものである。またシナリオBB5は、大当り遊技中の演出上でチャレンジ演出にて大入賞口内のVアタッカーが開放されるものの、その開放時間が非常に短く、V入賞口への入球がほぼ不可能なために、確変突入を実質的に不可能にし、演出上でチャレンジ演出失敗を現出させ、大当り遊技後に時短状態に移行させるという当り種別のものであるため、当選確率を46%と高くして、その生起する割合を高めている。このような当り種別を設けることにより、本実施形態では、確変突入率を約50%程度として、遊技者に適度に緊張感を与え、遊技の面白みを向上させている。
また特図2側の7図柄当りC、7図柄以外当りDについては、その当選確率が、85%、15%となっている。7図柄当りCは約2000発の出玉が得られる16R長開放の当りであるため、その当選確率を高くして、遊技者に魅力のある遊技性を提供するようにしている。7図柄以外当りDは、約500発の出玉が得られる実質4R長開放の当りであるため、その当選確率を相対的に低くしている。
これらの当りのうち、16R長開放条件付確変大当り(7図柄直当り)、16R長短開放確変大当り(7図柄以外当りA)、12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りB)、14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB1〜BB4)、14R長短開放非確変大当り(シナリオBB5)、および2R短開放潜確大当りや、16R長開放条件付確変大当り(7図柄当りC)、12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りD)は、条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、また「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置(手段)で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態への移行契機となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、16R長開放条件付確変大当り(7図柄直当り)、16R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りA)、12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りB)、14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB1〜BB4)、および2R短開放潜確大当りや、16R長開放条件付確変大当り(7図柄当りC)、12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りD)は、特別ラウンドにおいてV入賞が確実視されることから、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りとしての位置付けである。他方、「14R長短開放非確変大当り(シナリオBB5)」は、上述のようにV入賞が実質的に不可能とされることから、その大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態を伴う遊技状態に移行されずに、少なくとも低確率状態を伴う遊技状態に移行させる「非確変大当り」に属する大当りとしての位置付けである。本明細書中では、説明の便宜上、特に必要のない限り、各条件付き確変大当り種別を「確変大当り」と同列に扱い、またシナリオBB5を「非確変大当り」として同列に扱う。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
(4−2.当り遊技:図41〜図50)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。図39〜図40に、大当りの当り遊技について、当選種別毎の動作パターンと演出内容の概要を示し、図41〜図50にその詳細を示す。特図1の当り種別としては7図柄直当り、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜シナリオBB5があり、また特図2の当り種別としては7図柄当りCと7図柄以外当りDがある。
(4−2−1.7図柄直当りによる当り遊技:図41)
7図柄直当り(16R長開放条件付確変大当り)は第1群に属する当りであり、その大当り遊技は、規定ラウンド数が16ラウンドであって、その1Rから16Rまでの総てのラウンド遊技を長開放(ロング開放)時間の動作パターンとしたもの(「16Rフル開放」と記す)からなる。この16ラウンドのうち、Vアタッカーが長開放される特別ラウンド(V開放ラウンド)は、図39の7図柄直当りの欄には示してないが、4R目、8R目、および12R目となっており、当該ラウンドにおいては、Vアタッカーが長開放され、遊技者がV入賞を確実に得ることができるようになっている。なお本実施形態では、上記したように、大入賞口50内にV入賞口が設けられており、V入賞するとVアタッカーがV入賞口を閉鎖するようになっている。このとき、大入賞口50は、最大開放時間または最大入賞数に達した場合に閉鎖される。またV開放ラウンドは、大当り種別に応じて異なるラウンド数目に発生させることができ、その発生回数は、1または複数回設けることができる。なお、実際には、初回のV開放ラウンド(ここでは、4R目)において、実質的にV入賞が得られることができるので、以下では、特に必要のない限り、初回のV開放ラウンドにてV入賞が発生するものとして説明する。
この大当り遊技用の演出シナリオとして、直当り用の当り中演出を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P0参照)が対応付けられている。ここで「直当り」とは、その当選により、図柄変動表示ゲーム中の演出において、確変大当り確定を報知する演出(確変確定演出)が現出される、といった大当り種別であり、遊技者は、この確変確定演出が出現すると、今回のゲーム結果が「直当り」であることを知ることができる。つまり、上記「直当り」は、大当り遊技を通じて今回の大当りが確変大当りであるか否かを知ることがことできる「シナリオBB」とは異なり、演出上、大当り遊技開始前段階で確変大当りであることを知ることができるものとなっており、非確変大当りであるかもしれないと心配をする必要がない点で、遊技者が最も期待する大当り種別となっている。
また上記「長開放時間」とは、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間について、その時間内に大入賞口への入賞数が最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)ように定めた時間幅であり、本実施形態では、長開放時間として‘29.8秒’(図41〜図50にはこれを「29S」と略記している。)が設定される。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は、大入賞口50が閉鎖されて、今回のラウンド遊技が終了する。規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、所定時間のラウンド間インターバル(以下、ラウンド間INTと略す)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定のラウンド間インターバル時間が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。
つまり、ラウンド遊技が開始されて大入賞口50が開放された後、大入賞口への入賞数が最大入賞数(たとえば、9個)に達するか、または上記の最大開放時間が経過した場合は、大入賞口閉鎖条件(ラウンド終了条件)が成立して、大入賞口50が閉鎖され、今回のラウンド遊技が終了する。そして規定ラウンド数(ここでは、16ラウンド)に達していなければ、所定のラウンド間インターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行する。これは7図柄直当り(16R長開放条件付確変大当り)の場合だけでなく、後述の7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りB(12R長短開放条件付確変大当り)、シナリオBB1〜BB4(14R長開放条件付確変大当り)、シナリオBB5(14R長短開放非確変大当り)、および2R短開放潜確大当り、7図柄当りC(16R長開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りD(12R長短開放条件付確変大当り)における「長開放動作の当り遊技」についても同様である。
なお、ラウンド遊技後に続く上記「ラウンド間インターバル時間」は、基本的には、最終ラウンド遊技後のものを除き、「残存球排出時間」と、この残存球排出時間が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでの「開放前インターバル時間」との和からなる。また最終ラウンド遊技後の「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間」からなる。上記「残存球排出時間」とは、大入賞口の閉鎖後における大入賞口内部の残存球を排出するための余裕時間(たとえば、1980ms)を指し、その時間幅として、大入賞口が閉鎖される直前に入賞した遊技球が大入賞口内部に形成された入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)を通過するまでに要する十分な時間が確保されている。また「開放前インターバル時間」とは、上述の残存球排出時間が経過して大入賞口内の残存球が排出されたものとみなされた後、次のラウンド遊技における大入賞口が開放されるまでのインターバル区間を定めた時間幅(たとえば、20ms)を指す。この開放前インターバル時間中に大入賞口センサ52aが遊技球を検出しても、その遊技球は不正行為による不正入賞とみなし、無効なものとして扱われるようになっている。しかし、残存球排出時間と開放前インターバル時間の和ではなく、残存球排出時間の1980msのみによって、ラウンド間インターバル時間を構成することもできる。なお最終ラウンド遊技後においては、既に大当り判定フラグがOFF(00H)に下がっていることから、不正防止のために開放前インターバル時間を設ける必要がない。このため、最終ラウンド遊技後の「ラウンド間インターバル時間」は、「残存球排出時間(1.98秒)」のみからなるが、必要に応じ、たとえば演出時間の確保などのために、その時間幅を通常の1.98秒より長くすることもできる。
(4−2−2.7図柄以外当りAによる当り遊技:図42)
7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が16ラウンドであり、このうち1Rから10Rまでのラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの11Rから16Rまでのラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「短開放(ショート開放)時間」の‘0.1秒’に設定される。また図39の7図柄以外当りAの欄には示してないが、V開放ラウンドは4R目、8R目となっている。すなわち7図柄以外当りAによる当り遊技は、1R〜10Rの計10Rの総てを長開放ラウンド遊技としたもの(「10Rフル開放」と記す)と、これに続く11R〜16Rの計6Rの総てを短開放ラウンド遊技としたもの(「6Rショート開放」と記す)とからなる。以下、これを「10Rフル開放+6Rショート開放」と略記する。この大当り遊技用の演出シナリオとして「7図柄以外当りAの演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−PA参照)が対応付けられている。ここで「短開放時間」とは、大入賞口への入賞自体を困難とする開放時間として定めた時間幅である。本実施形態では、遊技球落下方向変換部材(センター飾り48や遊技くぎ)、または発射装置の性能(たとえば単位時間あたりの遊技球の連射速度性能)、あるいは大入賞口の形成位置などにより、上記「短開放時間」内に大入賞口閉鎖条件の一つである「最大入賞数」に達することが不可能なようになっている。短開放ラウンド遊技では、大入賞口50が短開放時間しか開放されないことから、実質的には賞球が殆ど得られないことになる。正確には、大入賞口50への入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は極めて低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない。したがって、この7図柄以外当りA(10Rフル開放+6Rショート開放)による大当り遊技(以下、「16R長短開放条件付確変大当り遊技A」と称する)は、7図柄直当り(16Rフル開放)による大当り遊技(以下、「16R長開放条件付確変大当り遊技1」と称する)よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、6ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.7図柄以外当りBによる当り遊技:図43)
7図柄以外当りB(12R長短開放条件付確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が12ラウンドであり、このうち1Rから10Rまでは、各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの11Rから12Rまでは、各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「短開放時間」の‘0.1秒’に設定される。また図39の7図柄以外当りBの欄には示してないが、V開放ラウンドは4R目、8R目となっている。すなわち7図柄以外当りBによる当り遊技は、1R〜10Rまでの計10Rの総てを長開放ラウンド遊技としたもの(10Rフル開放)と、これに続く11Rから12Rまでの計2Rの総てを短開放ラウンド遊技としたもの(2Rショート開放)とからなり(以下、これを「10Rフル開放+2Rショート開放」と略記する)、当該当り遊技用の演出シナリオとして「7図柄以外当りBの演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−PB参照)が対応付けられる。短開放ラウンド遊技時は賞球が殆ど得られないことから、この7図柄以外当りB(10R長開放+2R短開放)による大当り遊技(以下「12R長短開放条件付確変大当り遊技B」と称する)により得られる利益は、7図柄以外当りA(10Rフル開放+6Rショート開放)による16R長短開放条件付確変大当り遊技Aで得られる利益と同一またはほぼ同一になる。
(4−2−4.シナリオBB1による当り遊技:図44)
シナリオBB1(14R長開放条件付確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が14ラウンドであり、このうち1Rから10Rまでの各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの11R、12R、14Rの各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第1の短開放時間」の‘0.1秒’に、また13R目のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第2の短開放時間」の‘0.08秒’に設定される。またV開放ラウンドは4R目および8R目となっている(図39のシナリオBB1の欄(ロング(29S)×(V−AT))参照)。すなわちシナリオBB1による当り遊技は、1Rから10Rまでの計10Rの総てを長開放ラウンド遊技とした「10Rフル開放」と、11Rから14Rまでの総てを短開放ラウンド遊技とした「4Rショート開放」とからなり(以下、これを「10Rフル開放+4Rショート開放」と略記する)、当該当り遊技用の演出シナリオとして「シナリオバトルボーナス1回目成功の演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P1参照)が対応付けられる。短開放時は賞球が殆ど得られないことから、このシナリオBB1(10Rフル開放+4Rショート開放)による大当り遊技(以下「シナリオBB1遊技」と称する)により得られる利益は、7図柄以外当りAによる16R長短開放条件付確変大当り遊技A(10Rフル開放+6Rショート開放)や、7図柄以外当りBによる12R長短開放条件付確変大当り遊技B(10Rフル開放+2Rショート開放)の場合と同一またはほぼ同一になる。
(4−2−5.シナリオBB2による当り遊技:図45)
シナリオBB2(14R長開放条件付確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が14ラウンドであり、このうち1R〜3R、5R〜11Rのラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの4R目、12R目、14R目の各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第1の短開放時間」の‘0.1秒’に、また13R目のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第2の短開放時間」の‘0.08秒’に設定される。またV開放ラウンドは8R目となっている(図39のシナリオBB2の欄参照)。すなわちこのシナリオBB2は、1R〜3R、5R〜11Rの計10Rの総てを長開放ラウンド遊技とした「10Rフル開放」と、4R目と12Rから14Rまでの計4Rを短開放ラウンド遊技とした「4Rショート開放」とからなる。したがって、シナリオBB2もシナリオBB1と同じく「10Rフル開放+4Rショート開放」からなる。ただし、これには当該当り遊技用の演出シナリオとして「シナリオバトルボーナス2回目成功の演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P2参照)が対応付けられる。短開放時は賞球が殆ど得られないことから、このシナリオBB2(10Rフル開放+4Rショート開放)による大当り遊技(以下「シナリオBB2遊技」と称する)により得られる利益は、シナリオBB1遊技の場合と同一またはほぼ同一になる。
(4−2−6.シナリオBB3による当り遊技:図46)
シナリオBB3(14R長開放条件付確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が14ラウンドであり、このうち1R〜3R、5R〜7R、9R〜12Rのラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの4R目、8R目、14R目の各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第1の短開放時間」の‘0.1秒’に、また13R目のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第2の短開放時間」の‘0.08秒’に設定される。またV開放ラウンドは12R目となっている(図39のシナリオBB3の欄参照)。すなわちこのシナリオBB3は、1R〜3R、5R〜7R、9R〜12Rの計10Rを長開放ラウンド遊技とした「10Rフル開放」と、4R目、8R目と、13Rから14Rまでの計4Rを短開放ラウンド遊技とした「4Rショート開放」とからなる。したがって、シナリオBB3も「10Rフル開放+4Rショート開放」からなる。ただし、これには当該当り遊技用の演出シナリオとして「シナリオバトルボーナス3回目成功の演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P3参照)が対応付けられる。短開放時は賞球が殆ど得られないことから、このシナリオBB3(10Rフル開放+4Rショート開放)による大当り遊技(以下「シナリオBB3遊技」と称する)により得られる利益は、シナリオBB1遊技およびシナリオBB2遊技の場合と同一またはほぼ同一になる。
(4−2−7.シナリオBB4による当り遊技:図47)
シナリオBB4(14R長開放条件付確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技はシナリオBB3による大当り遊技と同じで「10Rフル開放+4Rショート開放」からなる。ただし当該当り遊技用の演出シナリオとして「シナリオバトルボーナス3回目成功(復活)の演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P4参照)が対応付けられる。このシナリオBB4による大当り遊技(以下「シナリオBB4遊技」と称する)により得られる利益も、シナリオBB3遊技の場合と同一またはほぼ同一になる。
(4−2−8.シナリオBB5による当り遊技:図48)
シナリオBB5(14R長短開放非確変大当り)は第2群に属する当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が14ラウンドであり、このうち1R〜3R、5R〜7R、9R〜11Rの各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの4R目、8R目、12R目、14R目の各ラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第1の短開放時間」の‘0.1秒’に設定され、また13R目のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「第2の短開放時間」の‘0.08秒’に設定される。ここでシナリオBB5の場合、V開放ラウンドは実質的に設けられていない。4R目、8R目、および12R目にVアタッカーが短開放(ショート開放)されるが、実質的にV入賞が不可能となっているからである(図39のシナリオBB5の欄参照)。すなわちこのシナリオBB5は、1R〜3R、5R〜7R、9R〜11Rの計9Rを長開放ラウンド遊技とした「9Rフル開放」と、4R目、8R目と、12Rから14Rまでの計5Rを短開放ラウンド遊技とした「5Rショート開放」とからなる(以下、「9Rフル開放+5Rショート開放」と称する)。したがって、この非確変大当りの場合のシナリオBB5(9Rフル開放+5Rショート開放)による当り遊技(以下「シナリオBB5遊技」と称する)により得られる利益は、確変当りの場合のシナリオBB1〜シナリオBB4(いずれも10Rフル開放+4Rショート開放)によるシナリオBB1遊技〜シナリオBB4遊技で得られる利益よりも低くなり、1ラウンド分の賞球数差がある。このシナリオBB5遊技用の演出シナリオとしては、「シナリオバトルボーナス3回目失敗の演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P5参照)が対応付けられる。
なお、この実施形態の場合、短開放時間として「第1の短開放時間」の‘0.1秒’と「第2の短開放時間」の‘0.08秒’の2種類を用いているが、いずれか一種類に統一して用いてもよい。
(4−2−9.7図柄当りCによる当り遊技:図49)
7図柄当りC(16R長開放条件付確変大当り)は第2群に属する大当りであり、7図柄即当りとも称せられる。その大当り遊技は、7図柄直当りと同じく規定ラウンド数が16ラウンドで、その16Rの総てを長開放ラウンド遊技をとした「16Rフル開放」からなり、またV開放ラウンドは、図40の7図柄当りCの欄には示されていないが、4R目、8R目、および12R目となっている。この大当り遊技用の演出シナリオとして、即当り用の当り中演出を発生させる「即当り演出(7図柄当りC演出)」演出シナリオ(図64のWINTBL−PC参照)が対応付けられている。ここで「即当り」とは、上記「直当り」と同じように、その当選により、図柄変動表示ゲーム中の演出において、確変大当り確定を報知する演出(確変確定演出)が現出される、といった大当り種別である。したがって「7図柄直当り」との違いとして、7図柄当りCによる当り遊技(以下、「16R長開放条件付確変大当り遊技C」と称する)は、特図2の当り抽選に当選したことに基づくもので、当該当り遊技には「7図柄当りC(即当り)の演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−PC)が対応付けられるのに対し、7図柄直当りによる当り遊技(16R長開放条件付確変大当り遊技1)は、「特図1」の当り抽選に当選したことに基づくもので、当該当り遊技には「直当りの演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P0)が対応付けられる、という点で両者は相違する。
(4−2−10.7図柄以外当りDによる当り遊技:図50)
7図柄以外当りD(12R長短開放条件付確変大当り)は第2群に属する大当りであり、その大当り遊技は規定ラウンド数が12ラウンドである。このうち1Rから4Rまでのラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定され、残りの5Rから12Rまでのラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が「短開放時間」の‘0.1秒’に設定される。またV開放ラウンドは、図40の7図柄以外当りDの欄には示されていないが、4R目、8R目となっている。すなわち7図柄以外当りDによる当り遊技は、1R〜4Rの計4Rを長開放ラウンド遊技としたもの(「4Rフル開放」と記す)と、これに続く5R〜12Rの計8Rを短開放ラウンド遊技としたもの(「8Rショート開放」と記す)とからる(以下、これを「4Rフル開放+8Rショート開放」と略記する)。この7図柄以外当りDによる当り遊技には、当該当り遊技用の演出シナリオとして「7図柄以外当りDの演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−PD参照)が対応付けられる。短開放のラウンド遊技では賞球が殆ど得られないことから、この7図柄以外当りD(4Rフル開放+8Rショート開放)による大当り遊技(以下、「12R長短開放条件付確変大当り遊技D」と称する)は、7図柄当りC(16Rフル開放)による当り遊技(16R長開放条件付確変大当り遊技C)よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、8ラウンド分の賞球数差がある)。
上記したように、特図2側の内部抽選(大当り抽選)対象とされる大当り種別は、すべて特別ラウンドの発生が約束された大当り種別となっている。この点、特別ラウンドの発生が約束されていない大当り種別(本実施形態では、シナリオBB5)が内部抽選対象となる特図1側とは異なる。つまり、特図2側は、特図1側よりも遊技者に有利な大当り抽選がなされるようになっている。遊技者は、特図1側で確変大当りを獲得し、特図2側の抽選機会を得るかに大きな期待を寄せながら遊技に興じるようになる。
(4−2−11.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りは、遊技球が入賞し難いように大入賞口を短開放してから閉鎖する短開放ラウンド遊技を規定ラウンド数だけ繰り返し実行する第3群に属する大当りであって、その大当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)の規定ラウンド数は2ラウンドである。本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口50の最大開放時間が、「短開放時間」の0.1秒(上述した大当り遊技における第1の短開放時間と同じ)に設定される。この2R潜確大当り遊技による当り遊技には、当該当り遊技用の演出シナリオとして仮確変状態であることが隠匿された潜確状態であることを期待させる「潜確期待演出」を発生させる演出シナリオ(図64のWINTBL−P7参照)が対応付けられる。ここで「短開放時間」とは、大入賞口への入賞自体を困難とする時間幅として定めたものである。本実施形態では、遊技球落下方向変換部材(センター飾り48や遊技くぎ)、または発射装置の性能(たとえば単位時間あたりの遊技球の連射速度性能)、あるいは大入賞口の形成位置などにより、上記「短開放時間」内に大入賞口閉鎖条件の一つである「最大入賞数」に達することが不可能なようになっている。2R潜確大当り遊技では、大入賞口50が短開放時間しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口50の入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は極めて低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
以上のように本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り遊技中の賞球数、換言すれば、遊技者が獲得し得る遊技球数(獲得賞球数)が異なるように構成されている。なお、2R潜確大当り遊技では最大開放時間を上記短開放時間に設定すると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、大入賞口50への入賞がある程度許容されるように、16R長開放条件付確変大当り遊技1や16R長短開放条件付確変大当り遊技Aや12R長短開放条件付確変大当り遊技BやシナリオBB1遊技〜シナリオBB5遊技や16R長開放条件付確変大当り遊技Cや12R長短開放条件付確変大当り遊技Dと同じ長開放時間を設定しても良いし、上記最大入賞数に達することは困難または不可能であるが、大入賞口50への入賞球数をある程度確保できるような開放時間(長開放時間よりも短く、短開放時間よりも長い中間的な開放時間:たとえば、5秒)に設定しても良い。また、当りによる賞球数(特賞数:T1Y)を異ならせるために、大当りの種類に応じて、上記最大入賞数をそれぞれ異なる個数に設定しても良い。
(4−2−12.小当り(小当りA〜小当りC)による当り遊技)
小当りは第3群に属する当りであり、その当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、大入賞口50の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口50の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口50の閉鎖後、2回目の大入賞口50開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口50の閉鎖条件に関しては、最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。この点も2R潜確大当り遊技と同じである。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のような長開放ラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口50を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の当り中演出(当り遊技中に現出される演出)は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、2R短開放潜確大当りへの当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。
(4−3−1.16R・12R・14R条件付確変大当り後の遊技状態)
16R・12R・14R条件付確変大当り、つまり7図柄直当り、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB4、7図柄当りC、7図柄以外当りDの各確変大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず、大当り遊技中のV入賞を条件として「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が所定回数(本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)):たとえば70回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当り(小当りを除く)が確定するまで(「大当りが確定」するまでとは、特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示され、大当り遊技の発生が確定した場合や、大当りに当選した場合であっても良い。以下同様)当該確変状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常A(内部遊技状態は通常遊技状態)」に移行されるようになっている。本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当り(小当りは除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。
(4−3−2.14R非確変大当り遊技終了後の遊技状態)
14R非確変大当り、つまりシナリオBB5の大当り遊技においては、V開放ラウンドが発生されず、V入賞口に入球しないように物理的に構成されることにより、V入賞することが禁止されている。このため大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「時短状態」に移行されることになる。この「時短状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば50回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該時短状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該時短状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。なお、V入賞の禁止については、シナリオBB5の大当り遊技においては、たとえ、V入賞口に入球しても、上記V入賞スイッチによる検出信号を受け付けないことにより(たとえば、当該検出スイッチによる検出信号を無効扱いとする)、V入賞の発生を禁止することができる。
(4−3−3.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常A」〜「通常C」であった場合(内部遊技状態が通常遊技状態または潜確状態であった場合)には「通常C(内部遊技状態は潜確状態)」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。ここでの「通常C」は、先に述べたように、内部遊技状態が通常遊技状態の「通常C」と同じ遊技状態として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が潜確状態の「通常C(潜確)」である。
2R潜確大当り遊技終了後の「通常C」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が第1の所定回数(たとえば30回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常C」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常C」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行される。つまり、規定ST回数を前半区間と後半区間とで区切った場合、前半区間は「通常C」下に置かれ、後半区間は「通常A」下に置かれることになる。したがって、この「通常C」から「通常A」へと移行された場合は、内部遊技状態が潜確状態の「通常A」に移行される。
上記潜確状態の「通常A」となった後、前半区間の「通常C」中を含めた特別図柄変動表示ゲームの実行回数が規定ST回数(70回)終了するまでの間か、またはその規定ST回数内で大当り(小当りを含む)が確定するまで「通常A」が継続し、その規定ST回数内で大当り(小当りを含む)が確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、高確率状態が終了となり、次ゲームから通常遊技状態の「通常A」に移行される。つまり、2R潜確大当り遊技終了後に「通常C」となった後、上記規定ST回数(たとえば、70回)以内に大当りに当選しなかった場合は、内部遊技状態が潜確状態の「通常C(特別図柄変動表示ゲームの実行回数30回:通常C(潜確))」→同状態の「通常A(特別図柄変動表示ゲームの実行回数40回):通常A(潜確)」(ST規定回数終了)→内部遊技状態が通常遊技状態の「通常A(通常)」、といった遊技状態遷移となる。
これらの当選種別のうちで、特図1の当り抽選による「16R長短開放条件付確変大当り(7図柄直当り)」は、遊技球が入賞し易いように大入賞口を長開放してから閉鎖する長開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する第1群に属する大当りであり、遊技者に最も大きな利益(賞球数)を付与する第1の大当り遊技に移行させ、当該第1の大当り遊技の終了後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な第1の特典遊技状態(本実施形態では、確変状態)に移行させる「第1価値の大当り」として機能する。
また特図1の当り抽選による「16R・12R・14R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB4、7図柄以外当りD)」は、上記長開放ラウンド遊技を複数回実行した後に、遊技球が入賞し難いように大入賞口を短開放してから閉鎖する短開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する第2群に属する大当りであり、上記第1の大当り遊技よりも遊技者に供与する利益が相対的に少ない長開放回数(たとえば10R長開放)となるように大入賞口の開閉動作パターンが実行制御される第2の大当り遊技に移行させ、当該第2の大当り遊技の終了後に上記第1の特典遊技状態に移行させる「第2価値の大当り」として機能する。また特図1の当り抽選による「14R長短開放非確変大当り(シナリオBB5)」は、上記第2群に属する大当りであって、第2の大当り遊技に移行させ、当該第2の大当り遊技の終了後に通常遊技状態よりも遊技者に有利であるが上記第1の特典状態よりも遊技者にとり利益の少ない第2の特典遊技状態(本実施形態では、時短状態)に移行させる「第3価値の大当り」として機能する。
また特図2の当り抽選による16R長開放条件付確変大当り(7図柄当りC)は、上記第1群に属する大当りであって、遊技者に最も大きな利益を付与する上記第1の大当り遊技に移行させ、当該第1の大当り遊技の終了後に通常遊技状態よりも遊技者に有利な第1の特典遊技状態(本実施形態では、確変状態)に移行させる「第1価値の大当り」の一つとして機能する。また特図2の当り抽選による12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りD)は、上記第2群に属する大当りであって、上記第1の大当り遊技よりも遊技者に供与する利益が相対的に少ない長開放回数(たとえば4R長開放)となるように大入賞口の開閉動作パターンが実行制御される第2の大当り遊技に移行させ、当該第2の大当り遊技の終了後に上記第1の特典遊技状態に移行させる「第2価値の大当り」の一つとして機能する。
また上記の「2R短開放潜確大当り」は、遊技球が入賞し難いように大入賞口を短開放してから閉鎖する短開放ラウンド遊技を規定ラウンド数だけ繰り返し実行する第3群に属する大当りであって、上記第1〜第3の大当り遊技よりも遊技者に供与する利益が相対的に少なくなるように大入賞口の開閉動作パターンが実行制御される第4の大当り遊技に移行させ、当該第4の大当り遊技の終了後に上記第1〜第3の特典遊技状態よりも遊技者に供与する利益が相対的に少ない第4の特典遊技状態(本実施形態では、「潜確状態」)に移行させる「第価値4の大当り」として機能する。
なお本実施形態では、少なくとも高確率状態に移行された場合、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(規定ST回数)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定または当選するまで当該高確率状態が継続するものとして説明した。しかしこれに限らず、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次回の大当りが確定または当選するまで高確率状態を継続させる他の大当り(非ST確変大当り)を設けても良い(本実施形態の大当りの一種(たとえば、7図柄当りC)を非ST確変大当りとしても良い)。また本実施形態の長開放確変大当りまたは長短開放確変大当りのような回数切り確変への移行契機となる「ST確変大当り」、2R短開放潜確大当りのような潜確状態に移行契機となる「潜確大当り」、上記時短状態への移行契機となる「時短大当り」、または上記非STの確変状態に移行契機となる「非ST確変大当り」などは、それぞれ1または複数種類含むことができる。また、当り遊技後に何ら特典を付与しない、つまり通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」を設けても良い。
(4−4.小当り遊技終了後の遊技状態)
小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続され、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。しかし、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘遊技状態(変動パターン選択モード(後述の図62の変動パターン振分指定番号(Tcode)参照))’の移行制御は行うようになっている。これにより、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ遊技状態に移行させた場合には、双方で同じ演出モードに滞在させる、つまり小当り遊技後であっても、2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下の演出を発生させる。その結果、演出上から、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになっている。以下、図4を参照しながら、小当りA〜小当りCに当選した場合における各小当り遊技終了後の遊技状態について詳細に説明する。
(4−4−1.小当りAに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
「小当りA」による小当り遊技後は、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常A」〜「通常C」であった場合には「通常B」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。上記「通常B」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば100回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常B」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常B」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行されるようになっている。
(4−4−2.小当りBに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りBによる小当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常A」〜「通常C」であった場合には「通常C」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。この小当りBによる「通常C」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が第2の所定回数(たとえば15回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常C」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常C」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行されるようになっている。
(4−4−3.小当りCに当選した場合の小当り遊技終了後の遊技状態)
小当りCによる小当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常A」〜「通常C」であった場合には「通常C」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。この小当りCによる「通常C」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が第3の所定回数(好ましくは、「上記第2の所定回数<第3の所定回数」および「第1の所定回数=第3の所定回数」の少なくともいずれか一方の関係を満たす回数。本実施形態では、たとえば30回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該「通常C」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「通常C」が終了して、次ゲームから「通常A」に移行されるようになっている。したがって、上述の小当りC当選に起因して移行される「通常C」と上記小当りB当選に起因して移行される「通常C」とは同一の遊技状態である。ただし、「通常C」の滞在期間が、特別図柄変動表示ゲーム30回(図中の「通常C(30回)」)で終了するものであるか、15回(図中の「通常C(15回)」)で終了するものであるかという点が異なる。
ここで上述の「通常C」は、2R潜確大当り遊技終了後にも移行し得る遊技状態である。このため、2R短開放潜確大当り当選、小当りB当選、または小当りC当選に起因して「通常C」に移行された場合は、それぞれ「通常C」に関連した演出をなす演出モード(後述の「通常C演出モード」)に滞在することになり、演出上において、内部遊技状態が「潜確状態」であるか否か、つまり大当り抽選確率状態が高確率状態であるか否かが秘匿される。本実施形態では、通常遊技状態と潜確状態とで特別図柄確変機能の作動状況に違いはあるものの、外観上に現れる機械的な遊技動作状態が同じ状態になることに着目し(双方ともに‘電サポ無し状態’)、遊技者側に演出上からもどのような遊技状態であるかを察知されないようにすることで、高確率状態の期待感を遊技者に与えることができるようになっている。特に、大当りまたは小当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲーム15回を終了し、次ゲームも「通常C」に対応する演出をなす演出モードに滞在している場合には、小当りC当選か、または2R短開放潜確大当り当選かに限定されるため、「通常C(15回)」よりも「通常C(30回)」の方が高確率状態に突入したかも知れないという期待感がより一層高まる。
なお「通常C」から「通常A」に移行された場合であっても、遊技者に高確率状態の期待感を残すため、「通常C」の継続回数は、規定ST回数よりも少ない回数であることが好ましい。また特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)に応じて、上記「通常C」から「通常A」に移行させるだけなく、「通常C」に滞在中に特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数終了した後、特別図柄変動表示ゲーム実行毎に、所定の移行抽選を行い、その移行抽選に当選した場合には当該「通常C」から「通常A」へと移行させても良い。たとえば、2R短開放潜伏確変大当りまたは小当りCに当選した場合は第1の所定回数(たとえば30回)終了した後、上記移行抽選を行い、小当りBに当選した場合は第2の所定回数(たとえば15回)終了した後、上記移行抽選を行う。さらに、規定ST回数が終了するまで、上記移行抽選に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには、強制的に「通常A」に移行させることが好ましい。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。上記演出モードには、具体的には、「通常A」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常A演出モード」、「通常B」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常B演出モード」、「通常C」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常C演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」など、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。なお上記「通常C」に対応する「通常C演出モード」は、演出上、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態とし、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす「秘匿演出モード」としての役割を果たす。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド(本実施形態では、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、時短終了コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始コマンド」、「ラウンド開始コマンド」、「V入賞コマンド」、「ラウンド終了コマンド」、「大当り終了コマンド」)などがある)」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。具体的には、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、これを管理可能に構成されている。
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、たとえば「通常A演出モード」下では季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出:第1の背景演出)、「通常B演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出:第2の背景演出)、「通常C演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出:第3の背景演出)、「確変演出モード」下では季節‘冬’を連想させる背景演出(たとえば、雪山の背景画像を表示する背景演出:第4の背景演出)にそれぞれ切り替え制御される。
なお本実施形態の「通常C演出モード」は、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同じ演出モードであると説明したが、本発明はこれに限られない。内部遊技状態に応じた、潜確状態(高確率状態)下における「本物の通常C演出モード(第1の秘匿演出モード)」と、通常遊技状態(低確率状態)下における「ガセの通常C演出モード(第2の秘匿演出モード)」とを設け、これら演出モードに移行制御可能に構成しても良い。
具体的には、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に‘小当りB’または‘小当りC’に当選し、当該通常遊技状態が維持される場合には、その小当り遊技終了後に「通常C演出モード」のうち上記「ガセの通常C演出モード(低確)」に移行させ、他方、内部遊技状態が「通常遊技状態」中または「潜確状態」中に‘2R短開放潜確大当り’に当選し、潜確状態に移行される場合には、その2R潜確大当り遊技終了後に「通常C演出モード」のうち上記「本物の通常C演出モード(高確)」に移行制御可能な構成とすることができる。この場合、各演出モード下における演出に関しては、上記「本物の通常C演出モード(高確)」と上記「ガセの通常C演出モード(低確)」の双方の背景演出を同じにして(たとえば、双方ともに、季節‘秋’を連想させる背景演出)、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態としつつ、上記「本物の通常C演出モード(高確)」と上記「ガセの通常C演出モード(低確)」とで、特定の演出の発生確率を異ならせるようにし、高確率状態であるか否かの推測要素を遊技者に与えることができるようになる(たとえば、上記「ガセの通常C演出モード」よりも「本物の通常C演出モード」の方が特定の演出(潜確状態の可能性がある旨を示唆または暗示させるといった「潜確期待演出」)の発生確率を高める、といった形態があげられる)。このような潜確期待演出により、現在の内部遊技状態が潜確状態であるか否かの潜確期待感を遊技者に与え、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
(5−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、上述した演出モード下において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容(少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など))に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な予告演出を現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。斯様な予告演出態様には、「リーチ演出(リーチ変動パターンに係る演出態様)」に代表される予告演出の他、これらの演出に付随して、または単独的に発生するものが含まれる。これらの演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として機能する。上記当り当選期待度は、演出の出現率(選択率)の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の出現率(選択率)の高低に応じて変化する。具体的には、一のリーチ演出(たとえば、強SPリーチ)が出現する場合の当り当選期待度は、大当り時およびハズレ時を含めた当該リーチ演出が実行される割合(当該リーチ演出の全出現率)のうち、大当りの場合に当該リーチ演出が実行される割合(当選時の当該リーチ演出の出現率)で示される。つまり、リーチ演出に対する当り当選期待度は、「当選時の当該リーチ演出の出現率/当該リーチ演出の全出現率」で示され、この期待度が異なるように、大当り抽選結果に関連して各リーチ演出の選択率が定められている。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(5−2−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様)をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終結果を導出表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いことを遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示しているといった、いわゆる「聴牌状態(リーチ図柄)」を呈している。但し、最終的に導出される結果が必ずしも大当り発生を示す表示態様、たとえば「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」が導出されるとは限らない)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、大当りに当選したか否かの期待度を示す大当り当選期待度(大当りである可能性がある旨(大当りとなる旨を含む))を予告(示唆)するものであり、大当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ状態を伴うリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ状態(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’)を伴うリーチ演出が出現した場合に比べて、大当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ状態を伴うリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。このSPリーチの多くは、大当り期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。なお「リーチ演出」には、リーチ状態を経由するNリーチやSPリーチの他、あたかもリーチ状態を経由しない非リーチ演出(いわゆる、「通常変動」)の如く装い、最終的に導出された結果(装飾図柄の組合せ)が大当りを示す停止表示態様となる、といった遊技者の意表を突くリーチ演出(突然当りリーチ演出)や、リーチ状態を経由し、またはこれを経由せずに、所定の変動時間、大当りを示す表示態様を保持したままで変動表示を行い、大当り当選確定を予告するといったプレミアム的なリーチ演出(全回転リーチ演出)を含むことができる。これらの特殊なリーチ演出は、大当りとなること(大当り当選確定)を予告する演出態様として利用される。
本実施形態のリーチ演出には、次のような複数種類のリーチ演出が設けられている。まずリーチ演出を大別すると、「通常A」または「通常B」専用の「Nリーチ、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチA、および強SPリーチB」種別や、「通常C」専用の「特殊リーチ」種別や、「確変状態」専用の「確変中リーチ」種別などが設けられている。これらのリーチ演出種別は、1または複数種類の変動パターンを含む。たとえば「弱SPリーチA」種別には‘弱SPリーチA1〜A3’が、「弱SPリーチB種別」には‘弱SPリーチB1〜B3’が、「強SPリーチA種別」には‘強SPリーチA1〜A3’が、「強SPリーチB種別」には‘強SPリーチB1〜B3’が、「特殊リーチ」種別には‘特殊リーチ1〜3’が、「確変中リーチ」種別には‘確変中リーチ1〜3’が含まれる。
リーチ演出における大当り当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、異種のリーチ種別間では「Nリーチ<弱SPリーチA<弱SPリーチB<強SPリーチA<強SPリーチB」の関係で大当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(発生率)が定められており、また同種類のリーチ間では「弱SPリーチA1<弱SPリーチA2<弱SPリーチA3」というように番号が大きいほど大当り当選期待度が高くなるように、その選択率が定められている。なお、実際の大当り当選期待度は、他の予告演出が伴うか否かに応じて変化する。このため、たとえば、上記弱SPリーチが出現した場合であっても、大当り当選期待度の高い予告演出が絡めば、上記強SPリーチと同等もしくはそれ以上の大当り当選期待度となりうる。
(5−2−2.疑似連演出(疑似連))
「疑似連」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、具体的には、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態(見た目上、停止表示したかの如く装う変動停止動作)とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、見た目上、一セットとする変動表示動作があたかも複数回実行されているかの如く表現するような変動表示態様をいう。この点、複数回の変動表示動作に跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。
この疑似変動を行う場合には、仮リーチ状態(仮停止状態前にリーチ状態の可能性がある旨を示唆したり、リーチ図柄が停止するかの如く装ったりする変動表示状態)を形成しながら、一旦ハズレとなる図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を行ったり、または通常の装飾図柄に替えて特殊な装飾図柄(疑似連の発生可能性がある旨を示唆する特殊な装飾図柄(疑似連発動チャンス図柄))を含ませた図柄の組合せで仮停止状態としてから再変動表示動作を行ったりすることができる。斯様な「疑似連」は、主として、疑似連回数が多くなるほど大当り当選期待度が高まるようにその発生率(疑似連回数に応じた疑似連の発生確率)が定められている。この疑似連は、主に、リーチ演出を期待させる予告演出として利用され、疑似連回数が多くなるほど当り当選期待度が高い、つまり、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ種別の発生が期待できるようになっている。
したがって上記「疑似連」は、リーチ演出を含む演出シナリオの場合(疑似連有りリーチ変動パターンに基づく演出態様の場合)、リーチ状態が形成される前段階(リーチ演出の前段階)に発生され、たとえばリーチ演出の発生可能性がある旨の予告として、仮停止状態時の停止図柄の組合せを構成する一部または全部の停止図柄が、リーチ状態を形成するときの図柄の組合せ(リーチ図柄)を構成する可能性がある旨を示唆する疑似変動表示動作を行い、この疑似変動が終了した後、リーチ状態を経由して、最終的なゲーム結果が導出されることになる。なお、リーチ演出を含まない演出シナリオの場合(疑似連有り通常変動パターンに基づく演出態様の場合)、疑似変動が終了した後、リーチ状態を経由せずに最終的なゲーム結果が導出されることになる。ここで、上記疑似変動が終了した後に展開される変動表示を「本変動」とも称し、たとえばリーチ状態を経由する場合には、この本変動にてリーチ状態が形成されて、最終的なゲーム結果が導出される。なお、上記疑似連と上記リーチ演出とが伴う演出態様の場合、それぞれ別の演出態様である‘疑似連’と‘リーチ演出’とが複合したものとなっているが、説明の便宜上、本明細書では特に必要のない限り、疑似連有りリーチ演出を「リーチ演出」と同列に扱う。
(5−2−3.ボタン予告演出)
上記「ボタン予告演出」とは、遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る演出態様をいい、いわゆる、「遊技者参加型」の演出態様をいう。この「ボタン予告演出」では、所定の操作受付期間中、枠演出ボタン13が操作されたか否かに応じてその後の演出が変化するようになっている。たとえば、枠演出ボタン13の操作に起因して、現出中のキャラクタ表示が変化したり、特殊な効果音が発生したりする。「ボタン予告演出」では、枠演出ボタン13の操作前後で演出を変化させることを利用し、大当り当選期待度を示唆することができるようになっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
(5−3.先読み予告演出)
また演出には、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、大当りの当選可能性がある旨(大当り当選期待度)を事前に報知する先読み予告演出がある。この先読み予告演出については、まず主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に判定する「先読み当り判定」が行われる(図10のステップS317〜S318、図11のステップS337〜S338(乱数判定処理〜特別停止図柄データ作成処理)参照)。
さらに上記「先読み当り判定」結果を利用して、将来、その作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行に供された際の特別図柄の変動パターンを事前に判定する「先読み変動パターン判定」が行われる(図10のステップS323、図11のステップS343(始動口入賞時乱数判定処理)参照))。この事前に判定される特別図柄の変動パターンを「先読み変動パターン」と称する。この先読み変動パターン判定では、たとえば、どのようなリーチ状態を経由するリーチ演出指定用のリーチ変動パターン(リーチ変動パターン)となるのか、それともリーチ状態を経由しない非リーチ演出指定用の通常変動パターン(通常変動パターン)となるのかについて事前に判定される。なお上記先読み変動パターンは、少なくとも当落抽選結果を利用して判定されるため、演出制御部24側に送信される先読み変動パターン情報には、変動パターン種別だけでなく、変動開始時の変動パターンが、大当り(小当りを含む)当選時の「当り変動パターン」であるか、ハズレ当選時の「ハズレ変動パターン」であるかの情報も含まれる。この先読み変動パターンの情報が主制御部20から演出制御部24に送信されると、演出制御部24において先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。このように、先読み当り判定を経て先読み変動パターン判定する一連の処理を「先読み判定」と称する。
詳しくは、上記先読み判定結果の情報を含む「保留加算コマンド」が主制御部20から演出制御部24に送信され、当該保留加算コマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる先読み判定結果の内容に基づく先読み予告演出に関する演出制御処理が行われる。この保留加算コマンドは2バイトで構成され、先読み判定時の作動保留球数を指定する上位バイト側のデータと、先読み変動パターンの内容を特定可能とする下位バイト側データとから構成される(図5参照)。したがって、保留加算コマンドには、作動保留球情報と先読み変動パターン情報とが含まれる。ただし演出制御部24は、保留加算コマンドを受信した場合に必ずしも先読み予告演出を現出させるわけではなく、先読み予告演出の実行を抽選により決定し、作動保留球の発生したタイミングで、または先に行われる図柄変動表示ゲームの開始と同時に、あるいはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とした先読み予告演出を現出させることができる。
なお作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。たとえば、上記変動開始時の変動パターンが「強SPリーチA1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明する。このケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が、「強SPリーチA1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「強SPリーチA」種別である旨、具体的には、「強SPリーチA」という同系統の変動パターン(強SPリーチA1〜A3)を纏めて分類した「強SPリーチA種別」である旨を指定することができる。このケースに係る先読み予告演出では、先読みされた「強SPリーチA種別」に関連した演出態様が現出されることになる。したがって先読み予告演出により報知される主な情報は、将来的に実行される図柄変動表示ゲームに関し、大当り当選期待度が高い煽り演出(本ケースでは、強SPリーチA種別)が発生する可能性が高いか低いかといった情報、換言すれば、大当りの当選可能性が高いか低いかといった情報であり、このような情報を作動保留球が消化される前段階において事前に遊技者に報知することにより、今回の図柄変動表示ゲームだけでなく、将来的に実行される図柄変動表示ゲームにも遊技者の関心を向けさせて、遊技の面白みを向上させている。
(5−3−1.先読み予告演出態様:図5、図6)
次に図5および図6を参照しながら、先読み予告演出態様について説明する。図5および図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1における先読み予告演出の説明に供する説明図であり、先読み予告演出の一例を示したものである。
まず図5を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1では、液晶表示装置36の画面内の一部に(図示では、装飾図柄の表示エリアの下方)、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77とが設けられており、作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される(図5参照)。
この作動保留球の有無に関する表示(以下、「保留表示」と称する)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77には最大4個の保留表示が可能となっている(図5参照)。具体的には、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。本実施形態では、図示のように、液晶表示装置36の画面内の一部に、最大保留記憶数と同数(4個)だけ設けた保留アイコン(アイコン画像)からなる保留表示部a1〜d1(特図図柄1側に対応)、a2〜d2(特図図柄2側に対応)が設けられている。これらの保留表示部a1〜d1、a2〜d2は、通常は、先読み判定する際に存在する作動保留球数と同数、たとえば3個だけ、その表示態様が作動状態(点灯状態)に切り替える。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(専用保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる上記保留加算コマンドを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選に係る作動保留球が先読み予告演出の対象となった作動保留球となる(たとえば、図5のハッチングを施した保留表示部b2が該当する)。なお本実施形態では、先読み予告抽選実行条件として、現存する作動保留球に係る先読み変動パターンの中に、リーチ変動パターン種別がないことを条件とする。これは、連続的に発生している先読み予告演出の途中に他のリーチ演出が介在して、本来の先読み予告演出が寸断され、その演出効果が希薄になってしまうのを回避するためである。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示の青色から、予告表示の黄色、緑色、赤色、または虹色などの特殊な保留色に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの青色、黄色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、大当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。この保留色は、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。具体的には、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また大当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が大当り当選期待度が高い保留色が高確率で選択されるようになっている。なお「保留表示変化系」の先読み予告演出態様としては、上述のように保留色を変化させることに限らず、特殊なキャラクタを模したアイコンなどに変化するようにしても良い。このような「保留表示変化系」の先読み予告演出は、作動保留球発生時に現出されることから「入賞時変化系」の先読み予告演出と称される。
現存する作動保留球は、図柄変動表示ゲームの実行を契機に順次消化される。このとき、作動保留球が1つ消化したことを表現するべく、現存する作動保留球に対応した保留表示部の表示位置を繰り上げ移行され(順次左側にシフト)、その表示個数が減じられるといった表示制御が行われるが、上記した通常と異なる保留表示態様は、この間も保留表示の表示位置を変えながら連続的に表示され続ける。この点、上記の保留表示変化系(入賞時変化系)の先読み予告演出は、複数回の図柄変動表示ゲーム(複数回の図柄変動表示動作)に跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。この連続予告演出は複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行される点で、疑似連のように、1回の図柄変動表示動作中に行われる予告演出とは異なる。
また本実施形態では、上述の「入賞時変化系」の先読み予告演出とは異なり、図柄変動表示ゲームが開始したことを契機としてなされる「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出可能となっている。この「変動開始時変化系」の先読み予告演出とは、たとえば、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させ、これを複数回の図柄変動表示ゲームに跨って実行し連続表示させるといった「画像表示変化系」の先読み予告演出である。すなわち、「変動開始時変化系」の先読み予告演出は、一の図柄変動表示ゲーム中に始動口に遊技球が入賞して始動条件が成立した場合、その始動条件成立に係る図柄変動表示ゲームを実行する権利を一旦保留記憶するとともに、先読み予告演出を行うか否かに関し先読み予告抽選を行い、この先読み予告抽選に当選した場合には、その時点で現存する全ての保留記憶について、それらの図柄変動表示ゲームを何らかの関連性を有した表現にする。たとえば、記憶順にみて最も古い作動保留球から先読み予告対象の作動保留球までの現存する作動保留球に係る全ての図柄変動表示ゲームにおいて、液晶表示装置36の画面に先読み専用の予告画像を表示させる。この点、「変動開始時変化系」の先読み予告演出も「入賞時変化系」の先読み予告演出と同じく、複数回の特別図柄変動表示ゲームに跨って専用の予告演出を現出させるといった「連続予告演出」の一態様であるといえる。なお、上記先読み予告演出を他の演出手段により現出させても良く、たとえば、可動体役物(図示せず)を先読み専用の動作パターンで動作させて、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って先読み演出として現出可能に構成しても良い。
次に図6を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1が織り成す先読み予告演出態様について説明する。
図中(1)は、図柄変動表示ゲーム中(図示の「↓」は装飾図柄が変動表示中であることを示している)に上始動口34に入賞して特別図柄1側の作動保留球数が3個になったとし、その3個目のうち、第2番目に変動開始動作が実行される作動保留球が先読み予告演出の対象(ここでは、入賞時変化系の先読み予告抽選と変動開始時変化系の先読み予告抽選とに重複当選)となったケースを示している。またここでは、先に保留されていた第1番目と後に保留された第3番目の作動保留球については、先読み予告抽選非当選の作動保留球であったとする。
演出制御部24は、同図(1)示すように、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を通常とは異なる先読み専用の保留表示(以下、「専用保留表示」と称する)に変化させる。このとき、先読み予告の対象ではない第1番目および第3番目の作動保留球に対応する保留表示は、通常の保留表示(以下、「通常保留表示」と称する)のまま維持される。図示では、先読み予告の対象となった第2番目の作動保留球の保留表示を、通常保留表示(白丸(○)印)から専用保留表示(ハッチング付き丸印)に表示態様が変化した場合を示している。これにより、遊技者に対して先読み予告演出が開始された旨が報知される。なお同図(1)は、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して、装飾図柄が「246」で停止表示されたものを示している(結果は「ハズレ」とする)。
遊技進行は同図(2)に移り、主制御部20は、上記第1番目(最も古い作動保留球)であった特別図柄1側の作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化(1つ消化)し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、作動保留球が1つ消化された状態を示す保留表示態様とし、当該第1番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、液晶表示装置36の画面内に先読み予告演出用の背景画像(たとえば、稲妻を模した稲妻画像表示による稲妻演出:専用予告画像)を表示させる。これにより、液晶表示装置36の画面は、同図(2)に示すような表示態様となる。
そして遊技進行は同図(3)に移り、現在実行中であった図柄変動表示ゲームが終了して装飾図柄が「351」で停止表示されたとする(結果は「ハズレ」とする)。
続いて遊技進行は同図(4)に移り、主制御部20は、上記第2番目であった作動保留球、つまり先読み予告演出の対象となった作動保留球に基づく特別図柄変動表示ゲームを開始してその作動保留球を消化し、演出制御部24は、その特別図柄変動表示ゲームの開始とともに、各作動保留球に対応する保留表示態様をそれぞれ左へシフトさせ、当該第2番目であった作動保留球に基づく装飾図柄変動表示ゲームを開始させる。このとき、入賞時変化系の「専用保留表示」は上記シフト時に画面から消え、今回の図柄変動表示ゲームの開始を契機(その作動保留球の消化とともに)に終了される。また変動開始時変化系の専用予告画像(ここでは稲妻演出)も今回の図柄変動表示ゲーム中の発生を最後に終了される。なお同図(4)は、図柄変動表示ゲーム開始直後の液晶表示装置36の画面表示を示したものである。このようにして、一連の先読み予告演出が終了したことになる。その後、今回の図柄変動表示ゲーム中に、大当り当選期待度が相対的に高まる煽り演出(疑似連やリーチ演出(SPリーチ))が発生すれば、先読み予告演出の内容と相まって、大当りへの期待感はより一層高まることになる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機1では、連続予告演出の一態様として、上記のような先読み予告演出を発生可能に構成されている。これにより、演出のバリエーションを豊富なものとすることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
なお、パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。上記演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができる刺激伝達手段であれば、いずれも本発明における演出手段として採用することができる。装飾ランプ45やLED装置、スピーカ46、液晶表示装置36などの光発生手段、音響発生装置、演出表示装置、ないし操作者の体に振動を伝える加振装置、あるいは視覚的演出効果がある可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。また、枠演出ボタン13(手操作手段)の操作を、特定の期間(たとえば、大当りへの当選期待度が相対的に高い煽り演出が発生中の一部または全部の期間)操作不能状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下できないようにする)、または操作困難状態(たとえば、枠演出ボタン13の押下し難くする)に置く特殊演出手段を設けても良いし、手操作手段に対して振動を与える加振装置を設けても良い。
(5−4.当り遊技中の演出について:図63〜図64)
次に図63〜図64を参照して、各当り遊技中の演出(以下、「当り中演出」と称する)について説明する。
具体的な制御としては、図63の当り中演出テーブル選択テーブルから図64の当り中演出テーブルのテーブル番号情報が格納され、各コマンドを受信するたびに、この当り中演出テーブルに定められた各ラウンドに対応した演出データ(演出シナリオデータ:パーツシナリオ)が設定される。
(T−1.当り中演出テーブル選択テーブル:図63)
図63に、当り中演出テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の当り中演出テーブル選択テーブルには、図示のように、当選種別(ハズレを除く)に応じて、複数種類の当り中演出テーブルからいずれか一つの当り中演出テーブルが抽選により決定されるようになっている。たとえば、当り中演出テーブルのWINTBL−PO、WINTBL−PA、WINTBL−PBは、7図柄直当り(16R長開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りB(12R長短開放条件付確変大当り)の場合に選択される。また当り中演出テーブルのWINTBL−P1〜WINTBL−P4と、WINTBL−P5は、シナリオBB1〜BB4(14R長短開放条件付確変大当り)とシナリオBB5(14R長短開放非確変大当り)の場合に選択される。当り中演出テーブルのWINTBL−PC、WINTBL−PDは、7図柄当りC(16R長開放条件付確変大当り)、7図柄以外当りD(12R長短開放条件付確変大当り)の場合に選択される。そして、当り中演出7テーブルのWINTBL−P7は、2R短開放潜確大当り(2R低ベース確変大当り)か、または小当りの場合に選択される。なお図示していないが、1の当選種別に対して同種の2以上の当り中演出テーブルを用意し、所定の割合でいずれか1の当り中演出テーブルが選択されるようにすることもできる。
(T−2.当り中演出テーブル:図64)
図64に、上述した当り中演出テーブル選択テーブルに基づき選択される当り中演出テーブルの内容を示す。この当り中演出テーブルには、演出内容が異なる複数種類の当り中演出テーブルWINTBL−PO、WINTBL−PA、WINTBL−PB、WINTBL−P1〜WINTBL−P5、WINTBL−PC、WINTBL−PD、およびWINTBL−P7が含まれ、それぞれ、当り遊技の進行に伴い現出すべき演出内容(当り中演出)についての演出シナリオ(当り中演出シナリオ)が定められている。
ここで1のラウンド遊技にはその後にラウンド間INTが続くが、当該1のラウンド遊技から見ると、当該1のラウンド遊技の前側にラウンド間INTが置かれており、後側にもラウンド間INTが置かれていることになる。この点に着目すると、大当り中遊技の捉え方として、1の「ラウンド遊技」とこれに続く1の「ラウンド間INT」との和により、1単位の「ラウンドサイクル遊技」(以下、「サイクル遊技」と略す)が構成され、このサイクル遊技が規定ラウンド数に相当するサイクル数だけ繰り返され、これに対し当り中演出シナリオが付与されるものと捉えることができる。
ここで当り中演出シナリオを構成する個々の演出シナリオ(パーツシナリオ)について、それを何時開始して何時終わりにするかの始端および終端を考える。この場合、通常の定め方は、上記サイクル遊技の始端または終端に、つまりラウンド遊技の始端に、当該演出シナリオ(パーツシナリオ)の始端や終端を合わせる。すなわち、ラウンド開始コマンドを受信したことを契機として、演出シナリオ(パーツシナリオ)を開始させ、または終了させる。
しかし、このルールに厳格に従う必要性は必ずしもない。上記サイクル遊技の始端と終端の間においてラウンド終了コマンドを受信したことを契機として、演出シナリオ(パーツシナリオ)を開始させ、または終了させてもよい。つまり1サイクル遊技期間(1Rのラウンド遊技+ラウンド間INT)の途中で「ラウンド遊技の終端」が生起するので、このラウンド遊技の終端を演出シナリオ(パーツシナリオ)の開始点または終了点とすることができる。サイクル遊技の繰り返しの規則性から離れて、たとえば、1のラウンドサイクルに属する「ラウンド遊技の終端」から演出シナリオを開始させ、その後の1サイクル目または複数サイクル目に属する「サイクル遊技の始端または終端」にて、当該演出シナリオを終了させることができる。具体例として、図46のシナリオBB3の大当り遊技用演出シナリオの演出パーツシナリオ「失敗→2回目へ」の場合がある。ここでは、サイクル遊技で考えると、その3サイクル目の途中(3R目のラウンド遊技の終端)から「失敗→2回目へ」の演出シナリオを開始させ、その次の4サイクル目の終端(4R目のラウンド遊技後のラウンド間INTの終端)で当該演出シナリオを終了させている。したがって3サイクル目の途中から4サイクル目の終わり(以下、1のラウンド遊技の前後にラウンド間インターバルが置かれている形を「1.5サイクル」と称する)にかけて、「失敗→2回目へ」の演出を現出させている。
上記当り中演出は、主に、大当り開始時のオープニング演出(以下、「OP演出」と略す)、1.5サイクルのサイクル遊技に渡るラウンド演出、2サイクル以上の複数サイクル遊技に渡るラウンド演出(以下、「統合ラウンド演出」と称する)、および最終ラウンド遊技終了後のエンディング演出(以下、「ED演出」と略す)などからなる。上記当り中演出シナリオは、これらの構成要素に対する部分シナリオをパーツシナリオとして構成される。本実施形態の当り中演出は、OP演出〜ED演出を通じて物語性を有した、いわゆる「ストーリー形式」の演出が展開されるようになっている。ここでは、主人公と敵キャラクタとが戦いを繰り広げていき、その戦闘結果に応じて、今回の大当りの種類を推測する楽しみを遊技者に与える「バトル(戦闘)演出」を採用している。
なお本実施形態においては、1.5サイクルのサイクル遊技に渡るラウンド演出の場合、その演出の始端または終端が、必ずしもサイクル遊技の始端または終端に対応しておらず、ずれていることがあるが、説明の便宜上、図64およびその説明では、この対応関係のずれを無視することにする。
(当り中演出テーブル:WINTBL−P0)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−P0」は、7図柄直当り(16R長開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−P0」が選択された場合、まず「OP演出」では、大当り遊技開始時の演出として、バトル演出が開始される旨を報知する「戦闘開始演出」が現出される。
1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「大当り演出1」のパーツシナリオに従い、「大当り演出1」として、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘ってから主人公が勝利するまでの演出が現出される。大当り開始インターバル中の「OP演出」およびこの大当り演出1中の1R目の少なくともいずれか一方においては、右大入賞口50への入賞を促すための指示情報(たとえば、「右打ちせよ」の文字表示や、右大入賞口50が開放される旨の表示:当り中発射位置誘導演出)も併せて報知される。これにより遊技者は、右大入賞口50側が開放される旨を知ることができる。また現在のラウンドが何ラウンド目であるかが画面右上に順次に表示され、かつラウンド目が切り替わる毎に現在が何ラウンド目であるかが切り替え表示される(この段階目は1ラウンド目〜3ラウンド目が表示される)。また現在のラウンド中に獲得しつつある遊技球数または現在のラウンドまでに獲得した遊技球数が、賞球1個の払い出しを単位として、または入賞球1個に対する所定個数分の払い出しを単位として、その払い出し個数の積算値も表示される。また通常遊技状態以外の所定の遊技状態中、本実施形態では、電サポ有り状態中(確変状態中または時短状態中)に、再び大当り連荘の計数対象となり得る大当り(条件付確変大当り・非確変大当り)に当選して、後述する連荘カウンタにより連荘回数が1加算された場合の連荘回数も表示される。
続いて、4R目のサイクル遊技は、V開放ラウンド(特別ラウンド)となり、この4R目においてV入賞が発生(V入賞口への遊技球の入球)すると「確変状態」への移行が確定することになる。このため、4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出(V開放ラウンド用の当り演出シナリオ)では、V入賞が発生したことに基づき、V入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出される。この確変GET演出は、後述の「V入賞コマンド(ステップS569で送信される)」を受信したことを契機に現出される。
なお、4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、Vアタッカーが開放状態中において、V入賞が発生するまでの現出される演出態様(V開放ラウンド用演出)として、遊技者に対してV入賞口への入球を促すための「V入賞獲得可能報知演出(たとえば、「V入賞を狙え!」などの表示演出)」が現出され、V入賞が発生した場合には、上記「確変GET演出」が現出されるようになっている。ここでのV入賞獲得可能報知演出は、換言すれば、「確変GET演出」の獲得ができることを示唆するチャンス演出(確変GETチャンス演出)となっている。なお、図64では、確変GETチャンス演出および確変GET演出を含めて「確変GET(確変GET演出)」と略称表示している。
ここで「V入賞」とは、既に説明したように、大入賞口50内またはセンター飾り48の右側に開閉可能に設けられたV入賞口(図示せず)が開いている状態下に制御され(本実施形態では、大入賞口50内にV入賞口が設けられている)、大入賞口50に入った入賞球がこのV入賞口に入ることをいい、7図柄直当り等の条件付確変大当りであればV開放ラウンド(特別ラウンド:4R、8R、12Rなど)でV入賞口が開かれて、ここに所定個数の遊技球(たとえば1個または複数個)が入賞することで、物理的に通常100%の確率でV入賞するように構成されている。なお本実施形態では、V開放ラウンドにおいて、V入賞口に遊技球が1個入球すると直ちにVアタッカーが閉鎖され、当該V開放ラウンド中では、それ以降のV入賞口への入球が阻止されるようになっている。なお、正確には、Vアタッカーが短開放される場合にも極めて低確率でV入賞口に遊技球が入球する場合があるが、この場合も同様である(後述の図22のステップS566〜S569参照)。また、1度V入賞が発生すると、そのV入賞による確変獲得権利が保留され、今回の大当り遊技中において何度V入賞があっても、その権利が積算されることはない(今回の大当り終了によりV通過フラグがOFFにされる:図24のS597参照)。このため、演出に関して、今回の大当り遊技中において、V入賞が発生して「確変GET演出」が1度でも現出されると、それ以降に仮にV入賞が再度発生しても、当該V入賞演出が現出されないようになっている(後述の「V入賞演出」も同様)。これにより、大当り遊技期間を通じて確変GET演出が1度しか現出されることがなく、仮に今回の大当り遊技中においてV入賞が複数回発生しても、遊技者がV入賞の権利を複数回獲得したと勘違いしてしまうことを防止し、遊技機に対する不信感を与えないようになっている。
続いて、5R目〜6R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「パートナー選択演出」のパーツシナリオに従い、遊技者が主人公となって闘う側となるパートナー、たとえば闘う二人のキャラクタのうちの一方を選択させる「パートナー選択演出」が現出される。
続いて、7R目〜16R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「大当り演出2」のパーツシナリオに従い、「大当り演出2」として、たとえば、主人公と敵キャラクタと闘って大当りが決着した後の主人公勝利演出が現出される。
そして、最終ラウンド遊技終了後の大当り終了インターバルに入るとED演出のパーツシナリオに従い、ED演出が現出される。
(当り中演出テーブル:WINTBL−PA)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−PA」は、7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。当り中演出テーブル「WINTBL−P0」の場合と同じく、この当り中演出テーブル「WINTBL−PA」が選択された場合も、まず「OP演出」で戦闘開始演出が現出され、1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「大当り演出1」が現出され、4R目のサイクル遊技に係るV開放ラウンドで、V入賞コマンドを受信して、V入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出される。しかし、当り中演出テーブル「WINTBL−P0」の場合と異なり、5R目〜10R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「大当り演出3」のパーツシナリオに従い、上記の大当り演出2と同種の演出であるが上記の大当り演出2とは異なる「大当り演出3」が現出される。
そして、本発明の特徴である特異な点として、11R目〜16R目のサイクル遊技および大当り終了インターバルにかけて、ED演出のパーツシナリオに従い「ED演出」が現出される。すなわち、大当り終了インターバルが到来する時点より時間軸上の前の時点である11Rのサイクル遊技から「ED演出」が開始され、最終の16Rのサイクル遊技までの間および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が継続して流されるシナリオとなっている。このようにすると、その利点として、11R〜16Rの各サイクル遊技において大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出、たとえばそれぞれに対応するラウンド演出を用意する必要がなくなる。
(当り中演出テーブル:WINTBL−PB)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−PB」は、7図柄以外当りB(12R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−PB」の演出内容は、2ラウンド分短くなっている点を除き、7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)の場合と同じである。大当り遊技期間の終わりが2ラウンド分短くなっているので、ED演出については、11R目〜12R目のサイクル遊技の間および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が現出される。このため、11R〜12Rの各サイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出テーブル:WINTBL−P1)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−P1」は、シナリオBB1(14R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−P1」が選択された場合、まず「OP演出」では、大当り遊技開始時の演出として、バトル演出が開始された旨を報知する「戦闘開始演出」などは、特には現出されない。すなわち、ここでの大当り開始インターバル時間は主制御側割込周期の最短時間(たとえば4ms、またはその整数倍の20msまでの秒数)に設定され、この最短時間は遊技者に視認できないため、実質上「OP演出」は現出されず、遊技者には第1ラウンド目の演出から開始したように、つまり直ちにバトル演出が開始したように見えることになる。換言すれば、シナリオBB1〜BB5における大当り開始インターバル時間は、第1ラウンド目の演出から開始したように見えるという作用効果が得られる秒数の範囲であれば、主制御側割込周期の整数倍の秒数の範囲内で任意の値に設定することができる。後述する、特図2の大当り(7図柄当りC、7図柄以外当りD)の場合も、同様の考え方に基づいて、実質的に大当り終了インターバル時間をなくすことができる。つまり右打ちにより大当りが連荘する場合の大当り終了インターバル時間についても、大当りが連荘するつまりバトル演出が継続するように見えるという作用効果が得られる秒数の範囲であれば、主制御側割込周期の整数倍の秒数の範囲内で任意の値に設定することができる。
このように大当り開始INTや大当り終了INTを省いた形態を得ようとする場合に、大当り開始インターバル時間や大当り終了インターバル時間の値を、遊技者に視認できない非常に短い時間幅(プログラム上の最短時間)に設定して、実質上大当り開始INTや大当り終了INTをなくしている(たとえば、図52、図57中の「ソフト上の最短秒数」の記載)。これは文字通り大当り開始INTや大当り終了INTを省略することにすると、その際にプログラムによる分岐処理等を追加することでプログラムの容量の増加やバグ等の問題が発生する可能性があるため、大当り開始INTや大当り終了INTをそのまま残し、プログラムを変更せずに、そのインターバル時間の値を小さくすることとし、たとえば大当り開始インターバル時間や大当り終了インターバル時間として主制御側割込周期の最短時間(たとえば4ms、またはその整数倍の20msまでの秒数)をセットすることで、実質的に大当り開始INTや大当り終了INTを省略するようにしたものである。この手法は、新機種を設計する場合(たとえば、新たな仕様を開発する際にプログラムを大幅に変更することがなく(旧機種と新機種との互換性)、機種開発・設計が容易になる)や、当りの種別によって文字通り大当り開始INTや大当り終了INTを省く場合に有利となる。また、闇雲にプログラムの容量が増加してしまうことを防止することができ、遊技動作の制御負担軽減に寄与することができる。
1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「チャレンジ演出1回目成功」のパーツシナリオに従い、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘う「バトル演出」が展開される。このバトル演出では、主人公が敵キャラクタに勝利するか否かにより、V入賞の獲得権利を得ることができるか否か、換言すれば、今回の大当りがV開放ラウンドの発生する大当りであるか否かを報知しうるようになっている。ここでは、V入賞を狙うV入賞ゲームにチャレンジする「チャレンジ演出1回目」として、主人公が敵キャラクタに勝利して、V入賞の獲得権利が得られたことを事前報知する「チャレンジ演出1回目成功演出(勝利演出)」が現出される。これにより、遊技者は、次回ラウンド以降にV開放ラウンドが発生する、つまり、V入賞の獲得権利を得たこと(今回の大当りがV開放ラウンドの発生する大当りであること)を知ることができる。
なお、シナリオBB1では、4R目および8R目がV開放ラウンドとなっており(図39のシナリオBB1の欄参照)、たとえば、4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、V開放ラウンド用演出の一環として、「V入賞を狙え!」などの遊技者にV入賞を促す(V入賞口への入球させることを促す)V入賞獲得可能報知演出が現出される。ここでのV入賞獲得可能報知演出は、換言すれば、後述の「V入賞演出」の獲得ができることを示唆するチャンス演出となっている。なお、図64では、V入賞獲得可能報知演出およびV入賞演出を含めて「V入賞(V入賞演出)」と略称表示している。
続いて、4R目はV開放ラウンドとなり、当該4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、V入賞したことに基づき、「V入賞演出」のシナリオに従い(ここでは、初回のV開放ラウンド時に、V入賞が確実に発生するものとして説明しているため)、当該大当り遊技後の遊技状態が次回確変状態となることが確定する旨を報知する「V入賞演出」が現出されることになる。この「V入賞演出」は、V入賞したことに基づき発生する演出態様であることから、上記確変GET演出の内容と同じような意味を示唆する演出態様となっている。また、V入賞が発生するまでは、上記「V入賞を狙え!」のV入賞獲得可能報知演出が継続して現出されており、V入賞が発生すると「V入賞演出」が現出されるようになっている。なお、別の仕様として、シナリオバトルボーナスの種類として、その長開放大当りのラウンド数が異なるものを複数用意しておき、上記「V入賞演出」の発生により、ロング開放数の多い当り遊技の当り種別に当選したことを確定的に報知するようにしてもよい。
続いて、5R目〜10R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、大当り演出2のパーツシナリオに従い「大当り演出2」が現出される。そしてED演出については、11R目〜14R目のサイクル遊技の間および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が現出される。このため、11R〜14Rの各サイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出テーブル:WINTBL−P2)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−P2」は、シナリオBB2(14R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−P2」が選択された場合、大当り開始インターバル時間はプログラム上の最短時間(たとえば割込周期4msの5倍の20ms)とされ、実質上「OP演出」は現出されない。
1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「チャレンジ演出1回目失敗」のパーツシナリオに従い、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘うバトル演出が展開される。ここでは、V入賞を狙うV入賞ゲームにチャレンジする「チャレンジ演出1回目」として、主人公が敵キャラクタに敗北(たとえば、主人公が敵の攻撃を受ける様を模した演出態様)して、V入賞の獲得権利を得られなかったことを事前報知する「チャレンジ演出1回目失敗演出(敗北演出)」が現出される。
ここで1R目〜3R目のサイクル遊技で「チャレンジ演出1回目失敗」となり、対応する「チャレンジ演出1回目失敗演出」が発生する理由は、次回以降のラウンド遊技(ここでは、4R目)においてVアタッカーが開閉動作するが(図39のシナリオBB2の欄参照)、その時間が極めて短時間である短開放(ショート開放(開放時間0.1s):図45の4R目参照)であるため、当該4R目においては、大入賞口50に遊技球が入球することが極めて稀であり、たとえ大入賞口50内に入賞球が入ってもVアタッカーが短開放動作に制御されるため、実質的にV入賞が不可能なためである。以下の述べるシナリオBB3〜シナリオBB5の当り中演出テーブル「WINTBL−P3」〜「WINTBL−P5」において、敗北演出が現出される理由、つまりV入賞ゲームに失敗する理由、あるいは「チャレンジ演出X回目失敗演出」)が現出する理由も、これと同じである。
続いて、4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、2回目のV入賞ゲームにチャレンジする移行演出「2回目へ演出」が、パーツシナリオに従い現出される。この「2回目へ演出」の演出内容としては、たとえば、1R目〜3R目のサイクル遊技での主人公が敵キャラクタに敗北(チャレンジ演出1回目失敗)したが、主人公が敵キャラクタに再度闘いを挑む様を模した演出内容である。
続いて、5R目〜7R目の統合ラウンド演出では、「チャレンジ演出2回目成功」のパーツシナリオに従い、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘うバトル演出が展開される。ここでは、V入賞を狙うV入賞ゲームにチャレンジする「チャレンジ演出2回目」として、主人公が再び敵キャラクタに闘いを挑み勝利する「チャレンジ演出2回目成功演出」が現出される。このチャレンジ演出2回目成功演出は、既に説明した「チャレンジ演出1回目成功演出」の内容と同じような意味を示唆する演出態様となっており、この演出により、遊技者は次回以降のラウンド(ここでは、8R目)でV開放ラウンドが発生することを知ることができる。
続いて、8R目はV開放ラウンドとなり、当該8R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、V入賞獲得可能報知演出が現出され、そしてV入賞したことに基づく「V入賞演出」のパーツシナリオに従い、当該大当り遊技後の遊技状態が次回確変状態となることが確定する旨を報知する「V入賞演出」が現出される。この点については、シナリオBB1におけるV入賞演出の発生過程と同じである。
続いて、9R目〜11R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、大当り演出2のパーツシナリオに従い「大当り演出2」が現出される。そしてED演出については、12R目〜14R目のサイクル遊技および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が現出される。このため、12R〜14Rのサイクル遊技にて、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出テーブル:WINTBL−P3)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−P3」は、シナリオBB3(14R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−P3」において、大当り開始インターバルおよび1R〜4Rのラウンド遊技までの演出は、当り中演出テーブル「WINTBL−P2」の場合と同じであり、大当り開始インターバル時間はプログラム上の最短時間(たとえば割込周期4msの5倍の20ms)とされ、実質上「OP演出」は現出されない。そして、1R目〜3R目の統合ラウンド演出では「チャレンジ演出1回目失敗演出」が現出される。また4R目のラウンド演出で、2回目のV入賞ゲームにチャレンジする移行演出「2回目へ演出」が現出される。
そして、5R目〜7R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「チャレンジ演出2回目失敗」のパーツシナリオに従い、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘うバトル演出が展開される。ここでは、V入賞を狙うV入賞ゲームにチャレンジする「チャレンジ演出2回目」として、主人公が再び敵キャラクタに闘いを挑むが敗北(たとえば、主人公が、再度、敵の攻撃を受ける様を模した演出態様)して、V入賞の獲得権利を得られなかったことを事前報知する「チャレンジ演出2回目失敗演出」が現出される。
続いて、8R目のサイクル遊技に係るラウンド演出で、3回目のV入賞ゲームにチャレンジする移行演出「3回目へ演出」が、パーツシナリオに従い現出される。この「3回目へ演出」の演出内容は、「2回目へ演出」の内容と実質的に同じ演出内容(主人公が敵キャラクタに再度闘いを挑む様を模した演出内容)である。
そして、9R目〜11R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「チャレンジ演出3回目成功」のパーツシナリオに従い、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘うバトル演出が展開される。ここでは、V入賞を狙うV入賞ゲームにチャレンジする「チャレンジ演出3回目」として、主人公が敵キャラクタ闘いを挑み、辛うじて勝利する「チャレンジ演出3回目成功演出」が現出される。このチャレンジ演出3回目成功演出は、既に説明した「チャレンジ演出1回目成功演出」または「チャレンジ演出2回目成功演出」の内容と同じような意味を示唆する演出態様となっており、この演出により、遊技者は次回以降のラウンド(ここでは、12R目)でV開放ラウンドが発生することを知ることができる。
続いて、12R目はV開放ラウンドとなり、当該12R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、V入賞したことに基づく「V入賞演出」のパーツシナリオに従い、当該大当り遊技後の遊技状態が次回確変状態となることが確定する旨を報知する「V入賞演出」が現出される。この点、シナリオBB1やシナリオBB2におけるV入賞演出の発生過程と同じである。
続いて、13R目〜14R目のサイクル遊技および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が現出される。このため、13R〜14Rのサイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出テーブル:WINTBL−P4)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−P4」は、シナリオBB4(14R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−P4」における大当り開始インターバルおよび1R〜8Rのサイクル遊技までの演出は、当り中演出テーブル「WINTBL−P3」の場合と同じである。大当り開始インターバル時間はプログラム上の最短時間(たとえば割込周期4msの5倍の20ms)とされ、「OP演出」は現出されない。1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では「チャレンジ演出1回目→失敗」演出が、4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出で「2回目へ演出」が、5R目〜7R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「チャレンジ演出2回目→失敗」演出が、8R目のサイクル遊技に係るラウンド演出で「失敗→3回目へ」演出が現出される。
しかし、9R目〜11R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出では、「チャレンジ演出3回目→失敗」演出のパーツシナリオに従い、主人公と敵キャラクタとが対峙して闘うバトル演出が展開される。ここでは、V入賞を狙うV入賞ゲームにチャレンジする「チャレンジ演出3回目」として、主人公が再び敵キャラクタに闘いを挑むが敗北(ここでは、たとえば、主人公が昏倒する様を模した演出)して、V入賞の獲得権利を得られなかったことを事前報知する「チャレンジ演出3回目失敗演出」が現出される。この「チャレンジ演出3回目失敗演出」が現出されると、一旦は非確変大当りである可能性が高いことを示唆することになり、遊技者は、今回の大当りでV入賞が得られなかった可能性が高いものであると推測し落胆することになる。
しかし、シナリオBB4による当り遊技の12R目は、V開放ラウンドとなるため、当該12R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では、9R目〜11R目のサイクル遊技で展開された「チャレンジ演出3回目失敗演出」からの繋ぎの演出シナリオとして、12R目開始主人公が昏倒するが意識を取り戻して立ち上がる様を模した「復活演出」が現出される。
この「復活演出」は、シナリオBB1における4R目のサイクル遊技に係るラウンド演出と演出態様自体は異なるが、それが意味する内容は実質的に同じ内容のものとなっている。すなわち、Vアタッカーが開放状態中において、V入賞が発生するまでの現出される演出態様として「V入賞獲得可能報知演出」が現出され、これにより、Vアタッカーが開放された旨が遊技者に報知され、V入賞が発生した場合には、他のシナリオBBと同じく、上記「V入賞演出」が現出されるようになっている。この当り中演出テーブル「WINTBL−P4」が当り中演出テーブル「WINTBL−P3」と異なる点は、当り中演出テーブル「WINTBL−P3」では前回のサイクル遊技に係る演出シナリオでV開放ラウンドの発生が事前報知されるのに対し、この当り中演出テーブル「WINTBL−P4」では、前回のサイクル遊技に係る演出シナリオにて、一旦はV開放ラウンドが発生しないことを示唆する演出が現出されるが、次回のサイクル遊技に係る演出シナリオでV開放ラウンドが発生した旨が報知され、V入賞することを条件として「V入賞演出」が現出される、といった「復活演出→V入賞演出」という演出が現出することで、今回の大当りが確変大当りである旨を報知することにある。
続いて、13R目〜14R目のサイクル遊技および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が現出される。このため、13R〜14Rのサイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出テーブル:WINTBL−P5)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−P5」は、シナリオBB5(14R長短開放非確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−P5」における大当り開始インターバルおよび1R〜11Rのサイクル遊技までの演出は、当り中演出テーブル「WINTBL−P4」の場合と同じであり、大当り開始インターバル時間はプログラム上の最短時間(たとえば割込周期4msの5倍の20ms)とされ、「OP演出」は現出されない。また全ラウンドを通じてV入賞が発生しないように構成されている。1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「チャレンジ演出1回目→失敗」演出が、4R目のラウンド演出で「失敗→2回目へ」演出が、5R目〜7R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「チャレンジ演出2回目→失敗」演出が、8R目のラウンド演出で「失敗→3回目へ」演出が、9R目〜11R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「チャレンジ演出3回目→失敗」演出が、そして12R目のサイクル遊技に係るラウンド演出で、当該大当りが非確変大当りのため確変状態に移行される旨を示唆する「終了演出」が現出される。
ここで9R目〜11R目のサイクル遊技で「チャレンジ演出3回目失敗」となり、対応する「チャレンジ演出3回目→失敗」演出が発生するのは、既に述べたように、Vアタッカーが開閉動作するが(図39のシナリオBB5の欄参照)、その時間が極めて短時間である短開放(ショート開放(開放時間0.1s):図48の4R目参照)であるため、大入賞口50に遊技球が入球することが極めて稀であり、たとえ大入賞口50内に入賞球が入ってもVアタッカーが短開放動作に制御されるため、実質的にV入賞が不可能なためである。
続いて、13R目〜14R目のサイクル遊技および大当り終了インターバルにかけて「ED演出」が現出される。このため、13R〜14Rのサイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出テーブル:WINTBL−PC)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−PC」は、特図2の当り抽選で7図柄当りC(16R長開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。この当り中演出テーブル「WINTBL−PC」における大当り開始インターバルおよび1R〜15Rのサイクル遊技までの演出は、当り中演出テーブル「WINTBL−P0」の場合と同じであり、「OP演出」で「戦闘開始演出」が現出され、1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「大当り演出1」が現出され、4R目にはV開放ラウンドとなりV入賞が発生し、当該4R目のサイクル遊技に係るV開放ラウンドでV入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出され、続いて、5R目〜6R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「パートナー選択演出」が現出され、7R目〜15R目のサイクル遊技に係るラウンド演出では「大当り演出2」が現出される。
しかし、当り中演出テーブル「WINTBL−P0」の場合と異なり、この当り中演出テーブル「WINTBL−PC」の場合、大当り終了インターバルより前の16Rのサイクル遊技(最終サイクル遊技)に入ると、直ぐに「ED演出」のパーツシナリオに従い、「ED演出」としての「即撃チャレンジ演出」が現出される。すなわち、大当り終了インターバルが到来する時点より時間軸上の前の時点である16Rのサイクル遊技から「ED演出」が開始され、当該16Rのサイクル遊技終了後の大当り終了インターバルまで「ED演出」が継続して流される。したがって16Rのサイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
ここでの大当り終了インターバル時間は主制御側割込周期の最短時間(たとえば4ms、またはその整数倍の20msまでの秒数)に設定され、この最短時間は遊技者に視認できないため、実質上「ED演出」は現出されず、遊技者には大当り終了インターバルなしに終了したように、つまりラウンド遊技期間から続いている即撃チャレンジ演出が継続しているように見えることになる。これは特図2の大当り(7図柄当りC、7図柄以外当りD)の場合に共通するものであり、右打ちにより大当りが連荘する場合の大当り終了インターバル時間について、大当りが連荘してバトル演出が継続するように見えるという作用効果が得られるものである。したがって、かかる作用効果が得られる秒数の範囲であれば、主制御側割込周期の整数倍の秒数の範囲内で任意の値に設定することができる。
(当り中演出テーブル:WINTBL−PD)
図64を参照して、当り中演出テーブル「WINTBL−PD」は、特図2の当り抽選で7図柄以外当りD(12R長短開放条件付確変大当り)に当選した場合に選択される。当り中演出テーブル「WINTBL−PA」の場合に類似しており、この当り中演出テーブル「WINTBL−PD」が選択された場合も、まず「OP演出」で戦闘開始演出が現出され、1R目〜3R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「大当り演出1」が現出され、4R目にはV開放ラウンドとなりV入賞が発生し、当該4R目のサイクル遊技に係るV開放ラウンドでV入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出される。しかし、当り中演出テーブル「WINTBL−PA」の場合と異なり、5R目〜8R目のサイクル遊技に係る統合ラウンド演出で「大当り演出3」が現出される。ここでの大当り終了インターバル時間もプログラム上(主制御側割込周期)の最短時間(たとえば4ms、またはその整数倍の20msまでの秒数)に設定される。
そして、本発明の特徴である特異な点として、9R目〜12R目のサイクル遊技および大当り終了インターバルにかけて、ED演出パーツシナリオに従い「ED演出」としての「即撃チャレンジ演出」が現出される。したがって、9R〜12Rのサイクル遊技において、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意する必要がない。
(当り中演出7テーブル:WINTBL−P7)
2R短開放潜確大当り(2R低ベース確変大当り)または小当りに当選した場合には、当り中演出テーブルの「WINTBL−P7」が選択される。この当り中演出テーブルにより展開される当り中演出は、上述の「バトル演出」とは異なる専用の演出態様となっている。その内容は、遊技状態に着目すれば、大当り遊技後の遊技状態が潜確状態となる可能性がある旨を報知する、演出モードに着目すれば、秘匿演出モードに移行する旨を報知、といったものである。換言すれば、2R低ベース確変大当り当選可能性がある旨を報知する(当選期待感を与える)「潜確移行期待演出」となっている。したがって、2R低ベース確変大当りまたは小当りに当選した場合、これらの当り遊技中の動作態様が双方ともに同一または酷似する動作態様で制御されるとともに、当り中演出も同一の演出態様を現出させ、さらに当り遊技終了後の演出モードを秘匿演出モードに移行させることで、当り終了後の遊技状態を秘匿状態とし、遊技者に対して潜確状態の期待感を与えることができるようになっている。
(5−4−1.7図柄直当りの当り中演出:図41)
7図柄直当り(16Rフル開放)による当り中演出は大当り直前の特別図柄変動表示ゲーム中において、確変大当り確定を事前報知する、「7図柄直当り」に当選した場合の大当り遊技中の演出であり、図64のWINTBL−P0で選択される演出シナリオが対応付けられる。大当り開始INT(10秒以上)の期間に「OP演出」が行われ、大当り終了INT(18秒以上)の期間に「大当りED演出」が行われる。したがって上記第1の大当りとして作用する。
ところで本実施形態においては、複数の当り種別のうちのうちで、長開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する「第1群に属する大当り」に係る大当り遊技の場合には、規定ラウンド数終了後の大当り終了インターバルにてED演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する(図41参照)。しかし、長開放ラウンド遊技を複数回実行した後に、短開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する「第2群に属する大当り」に係る大当り遊技の場合には、連続する短開放ラウンド遊技のうちの最初の短開放ラウンド遊技の始端または終端から、ED演出が行われ、これにより実質的な大当り遊技の終了であること、つまり実質的に出玉の有るラウンド遊技が終了していることが遊技者に報知される(図42〜図50参照)。
この関係をサイクル遊技の概念を用いて表現すると、一方の「第1群に属する大当り」の場合には、規定ラウンド数終了サイクル目である最後のサイクル遊技に続く大当り終了INTの期間にて、ED演出が行われ、これにより大当り遊技およびその演出が終了する(図41参照)。他方の「第2群に属する大当り」の場合には、規定ラウンド数が終了する1つ前または複数個前のサイクル目から始まる短開放ラウンドのサイクル遊技の連続に対して、そのうちの最初のサイクル遊技の始端から、または当該最初のサイクル遊技に属するラウンド遊技の始端または終端から、ED演出が行われ、これにより実質的な大当り遊技の終了が報知される(図42〜図50参照)。
したがって、上記した「第2群に属する大当り」の場合には、遊技者は、大当り終了インターバルの到来前、正確には上記短開放ラウンド遊技の繰り返しが始まる時点から大当りが終了したことを認識することになる。また、上記した「第2群に属する大当り」の場合には、ED演出が開始される契機となったコマンド(ラウンド開始コマンドまたはラウンド終了コマンド)を受信した後は、その後に主制御部側から送信されて来るラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンドおよび大当り終了コマンドを受信しても、演出制御側はそれらのコマンドを全て無視(無効化処理)し、ED演出を流し続ける。
7図柄直当り(16Rフル開放)による当り中演出は、このうちの前者の第1群に属する大当りに係るもので、図41に示すように、規定ラウンド数終了後の「大当り終了INT(18秒以上)」の期間に対応させて、ED演出が行われる。そして、OP演出とED演出とに係らない残りのラウンドのサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_P0の演出シナリオに従い、1サイクルまたは2サイクル以上のサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえば大当り演出1、確変GETチャンス演出(V入賞獲得可能報知演出)、確変GET演出、バトルパートナー選択演出、大当り演出2など)が行われる。なお、図41〜図43、図49〜図50では、確変GETチャンス演出および確変GET演出を含めて「確変GET演出」と略称表示している。
具体的に説明すると、7図柄直当りにおける当り中演出はバトル演出となっており、そのパーツ演出シナリオを切り替える境界となるラウンド遊技の最大開放時間を時系列の順に記すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が長開放‘最大29.8秒’、5R〜6Rが長開放‘最大29.8秒’、7R〜16R目が長開放‘最大29.8秒’であり、1R〜16Rの全てが長開放‘最大29.8秒’の動作パターンとなっている。またラウンド間INTについては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、16R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが1.98秒、他のラウンド遊技後のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバルの期間で「OP演出」が出現し、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のサイクル遊技の終端までの期間で「大当り演出1」の演出が現出し、4R目のサイクル遊技の期間(V開放ラウンド)で「確変GET演出」の獲得ができることを示唆するチャンス演出(確変GETチャンス演出)が、そしてV入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出し(ここでは、初回のV開放ラウンド時に、V入賞が確実に発生するものとして説明している。以下同様)、5R目〜6R目のサイクル遊技の期間で「バトルパートナー選択演出」が現出し、7R目〜16R目のサイクル遊技の期間で「大当り演出2」が現出し、その後の大当り終了INTの期間で「ED演出」が現出するようになっている。
大当り開始INTおよび大当り終了INT以外の、つまりラウンド遊技のサイクル遊技期間に対する演出(OP演出およびED演出以外の演出)については、当り中演出テーブルの演出シナリオに従って1または複数サイクルのサイクル遊技期間に跨るように定められ、仮に当該サイクル遊技期間中にラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドが受信されても、これらのコマンドは無効扱い(無効化処理)されて、当該サイクル遊技期間中に流れている演出に影響を与えない。この関係は、7図柄直当りの「少なくとも一の当り種別」だけでなく、後述する7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜シナリオBB5、7図柄当りC、7図柄以外当りDといった他の第2群に属する大当り種別に関しても当て嵌まる。
(5−4−2.7図柄以外当りAの当り中演出:図42)
7図柄以外当りA(16R長短開放条件付確変大当り)による当り中演出は、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図42に示すように、11R目から始まり16R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の11R目のサイクル遊技の始端(ラウンド開始時)からED演出が開始される。そして、OP演出とED演出とに係らない残りのラウンドのサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_PAの演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえば大当り演出1、確変GETチャンス演出、確変GET演出、大当り演出3など)が行われる。
具体的に説明すると、7図柄以外当りAにおける当り中演出もバトル演出となっており、そのパーツシナリオを切り替える境界となるラウンド遊技の開放時間を時系列の順に記すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が長開放‘最大29.8秒’、5R〜10Rが長開放‘最大29.8秒’、11R〜16R目が短開放‘最大0.1秒’の動作パターンとなっている。またラウンド間INTについては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、16R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが1.98秒、他のラウンド遊技後のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバル(10秒以上)の期間で「OP演出」が出現し、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のサイクル遊技の終端までの期間で「大当り演出1」の演出が現出し、4R目のサイクル遊技の期間(V開放ラウンド)で「確変GET演出」の獲得ができることを示唆するチャンス演出(確変GETチャンス演出)が、そしてV入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出し、5R目〜10R目のサイクル遊技の期間で「大当り演出3」が現出し、11R目〜16R目の短開放のサイクル遊技の期間およびその後の大当り終了INT(5秒以上)の期間にわたり「ED演出」が現出するようになっている。したがって上記第2の大当りとして作用する。
大当り開始INTおよび大当り終了INT以外の、つまりラウンド遊技のサイクル遊技期間中に、後からラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドが受信された場合、これらのコマンドは無視(無効化処理)され、当該サイクル遊技期間中に流れている演出に影響を与えない。
この7図柄以外当りAの場合、他の7図柄以外当りBやシナリオBB1〜5などと共通する特異点として、大当り遊技における、長開放ラウンド遊技を複数回実行する期間中に、ラウンド開始コマンドまたはラウンド終了コマンドを演出開始契機とする大当り中演出の所定の演出(パーツシナリオ)を実行し、短開放ラウンド遊技の繰り返しの最初の短開放ラウンド遊技が開始される際に、上記所定の演出を終了して替わりにエンディング演出を開始する。
よって7図柄以外当りAの場合も、他の7図柄以外当りBやシナリオBB1〜5などと共通する特異点として、「ED演出」の現出する開始時点が、大当り終了インターバルの開始点よりも時間系列的に前にあり、したがって7図柄以外当りAも上記第2の大当りとして作用する。この図42の場合、11R〜16Rの各サイクル遊技におけるラウンド遊技が短開放動作パターンで行われるが、これらの各短開放ラウンドのサイクル遊技に対し、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意して実行することは行っていない。長開放動作のラウンド遊技に係る最後の10R目のサイクル遊技が終了すると、直ちに短開放動作のラウンド遊技に係る11R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を現出させるため、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を特に用意する必要はないからである。
(5−4−3.7図柄以外当りBの当り中演出:図43)
7図柄以外当りB(12R長短開放条件付確変大当り)による当り中演出も、上記した後者の「第2群に属する大当り」に係るもので、図43に示すように、11R目から始まり12R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の11R目のサイクル遊技の始端からED演出が行われる。そして、OP演出とED演出とに係らない残りのラウンドのサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_PBの演出シナリオに従い、1または複数のラウンドにかけて連続する所定の当り中演出(たとえば大当り演出1、確変GETチャンス演出、確変GET演出、大当り演出3など)が行われる。
7図柄以外当りAとの違いは、7図柄以外当りBの場合は全体が12Rのラウンド数であって、11R目〜12R目が短開放のサイクル遊技となっている点と、12R目が最終のサイクル遊技に相当するため、そこでのラウンド間INTが残存球排出時間の1.9秒となっている点であり、他は7図柄以外当りAと同じである。
(5−4−4.シナリオBB1による当り中演出:図44)
シナリオBB1(14R長開放条件付確変大当り)による当り中演出も、上記した後者の「第2群に属する大当り」に係るもので、図44に示すように、11R目から始まり14R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の11R目のサイクル遊技の始端からED演出が行われる。そして、大当り開始INTと大当り終了INTとに係らない残りのラウンドのサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_P1の演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえばチャレンジ演出1回目→成功の演出、V開放ラウンド用演出(V入賞獲得可能報知演出)、V入賞演出(V入賞口への入球を条件に現出)、大当り演出2など)が行われる。なお、図44〜図46では、V開放ラウンド用演出およびV入賞演出を含めて「V入賞演出」と略称表示している。
具体的に説明すると、シナリオBB1における当り中演出はバトル演出となっており、そのパーツシナリオを切り替える境界となるラウンド遊技の開放時間を時系列の順に記述すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が長開放‘最大29.8秒’、5R〜10Rが長開放‘最大29.8秒’、11R〜14R目が短開放(11R〜12R目が短開放‘最大0.1秒’、13R目が短開放‘最大0.08秒’、14Rが短開放‘最大0.1秒’)の動作パターンとなっている。またラウンド間INTについては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、14R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが1.98秒、他のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、図44では最初の大当り開始INTに対して「OP演出」が存在するように示されているが、この「OP演出」は実際には出現しない。大当り開始インターバルの期間はプログラム上の最短時間(4msまたはその倍数、ここでは20ms)に設定され、大当り開始INTは実質上存在しないからである。この点は図44〜図48のシナリオBB1〜シナリオBB5について同じである。1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出1回目→成功」の演出が現出し、3R目のラウンド遊技の終端〜5R目のサイクル遊技の始端までの期間で「V入賞演出」を獲得できることを示唆する「V開放ラウンド用演出(V入賞獲得可能報知演出)」が、そしてV入賞したことを報知する「V入賞演出」が現出し、5R目のサイクル遊技の始端〜10R目のサイクル遊技の終端までの期間で「大当り演出2」が現出し、11R目のサイクル遊技の始端から14R目のサイクル遊技を経て大当り終了INTまでの期間で「ED演出」が現出するようになっている。
注目すべき点は、「ED演出」の現出する時点が、大当り終了インターバルの開始点よりも前であり、したがって上記第2の大当りとして作用することである。これは7図柄直当りの場合を除き、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5、7図柄当りC、7図柄以外当りDに共通する特異点である。この図44の例の場合、11R〜14Rのサイクル遊技における各ラウンド遊技が短開放‘最大0.1秒’の動作パターンで行われるが、ここでの各短開放‘最大0.1秒’のラウンド遊技のサイクル遊技期間に対し、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意して実行することは行っていない。長開放‘最大29.8秒’の動作パターンによる最後のラウンド遊技である10R目のサイクル遊技が終了すると、直ちに、短開放動作のラウンド遊技に係る11R目のサイクル遊技の始端にて、「ED演出」が現出するため、不要であるからである。「ED演出」が流れている間に、後からラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドが受信や大当り終了コマンドされても、これらは全て無視され、演出開始契機コマンドとしては作用しない。このため、たとえば、ラウンド開始コマンドや大当り終了コマンドが受信されても、これらに対応するラウンド開始演出(開放演出)やエンディング演出は実行されない。
(5−4−5.シナリオBB2による当り中演出:図45)
シナリオBB2(14R長開放条件付確変大当り)による当り中演出も、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図45に示すように、12R目から始まり14R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の12R目のサイクル遊技の始端からED演出が行われる。そして、OP演出(実際上は現出しない)とED演出とに係らない残りのラウンドのサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_P2の演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の演出(たとえばチャレンジ演出1回目→失敗、失敗→2回目へ、チャレンジ演出2回目→成功、V開放ラウンド用演出、V入賞演出、大当り演出2など)が行われる。
このシナリオBB2の場合、シナリオBB1との違いとして、4R目のラウンド遊技の開放時間が長開放の‘最大29.8秒’ではなく、短開放の‘最大0.1秒’となっている点がある。シナリオBB2におけるラウンド遊技の開放時間を演出期間で区切って時系列的に記述すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が短開放‘最大0.1秒’、5R〜7Rが長開放‘最大29.8秒’、8R目が長開放‘最大29.8秒’、9R〜11Rが長開放‘最大29.8秒’、12R〜14R目が短開放(12R目が短開放‘最大0.1秒’、13R目が短開放‘最大0.08秒’、14Rが短開放‘最大0.1秒’)の動作パターンとなっている。またラウンド間INTの時間幅については、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、14R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが1.98秒、他のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバル(4msまたはその倍数、ここでは20ms)での「OP演出」は実際には出現せず、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出が現出し、3R目のラウンド遊技の終端〜4R目のサイクル遊技の終端までの期間で「失敗→2回目へ」の演出が出現し、5R目のサイクル遊技の始端〜7R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出2回目→成功」の演出が現出し、7R目のラウンド遊技の終端〜8R目のサイクル遊技の終端までの期間で、「V入賞演出」を獲得することのできることを示唆するV開放ラウンド用演出が、そしてV入賞したことを報知する「V入賞演出」が現出し9R目のサイクル遊技の始端から11R目のサイクル遊技の終端までの期間で「大当り演出2」が現出し、12R目のサイクル遊技の始端から14R目のサイクル遊技を経て大当り終了INT(11秒以上)が終わるまでの期間で「ED演出」が現出するようになっている。
このシナリオBB2の場合も、他のシナリオBBなどと共通する特異点として、「ED演出」の現出する開始時点が、大当り終了インターバルの開始点よりも時間系列的に前にあり、したがって上記第2の大当りとして作用する。この図45の例の場合、長開放動作のラウンド遊技に係る最後の11R目のサイクル遊技が終了すると、直ちに短開放動作のラウンド遊技に係る12R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を現出させる。12R〜14Rの各サイクル遊技においてラウンド遊技が短開放動作パターンで行われ、したがって各短開放ラウンド遊技の始端および終端でラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドが受信され、その後に大当り終了コマンドが受信されても、これらは全て無視され、演出開始契機コマンドとしては作用しない。このため、たとえば、ラウンド開始コマンドや大当り終了コマンドが受信されても、これらに対応するラウンド開始演出(開放演出)やエンディング演出は実行されない。よって、12R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を早期に現出させることにより、12R〜14Rの各サイクル遊技に対して個別にまたは全体として専用の演出を用意し実行をする必要がなくなる、という利点が得られる。
(5−4−6.シナリオBB3による当り中演出:図46)
シナリオBB3(14R長開放条件付確変大当り)による当り中演出も、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図46に示すように、13R目から始まり14R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の13R目のサイクル遊技の始端からED演出が行われる。そして、OP演出(実際上は現出しない)とED演出とに係らない残りのラウンドのサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_P3の演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえばチャレンジ演出1回目→失敗、失敗→2回目へ、チャレンジ演出2回目→失敗、失敗→3回目へ、チャレンジ演出3回目→成功、V開放ラウンド用演出、V入賞演出など)が行われる。
このシナリオBB3においては、シナリオBB2の場合と異なり、4R目だけでなく、8R目のラウンド遊技の開放時間も短開放の‘最大0.1秒’となっている。シナリオBB3におけるラウンド遊技の開放時間を演出期間で区切って時系列的に記述すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が短開放‘最大0.1秒’、5R〜7Rが長開放‘最大29.8秒’、8R目が短開放‘最大0.1秒’、9R〜11Rが長開放‘最大29.8秒’、12R目が長開放‘最大29.8’、13R目〜14R目が短開放(13R目が短開放‘最大0.08秒’、14Rが短開放‘最大0.1秒’)の動作パターンとなっている。またラウンド間INTについては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、14R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが1.98秒、他のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバル(4msまたはその倍数、ここでは20ms)での「OP演出」は実際には出現せず、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出が現出し、3R目のラウンド遊技の終端〜4R目のサイクル遊技の終端までの期間で「失敗→2回目へ」の演出が出現し、5R目のサイクル遊技の始端〜7R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出2回目→失敗」の演出が現出し、7R目のラウンド遊技の終端〜8R目のサイクル遊技の終端までの期間で「失敗→3回目へ」の演出が現出し、9R目のサイクル遊技の始端から11R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出3回目→成功」の演出が現出し、11R目のラウンド遊技の終端から12R目のサイクル遊技の終端までの期間で「V入賞演出」を獲得することのできることを示唆するV開放ラウンド用演出が、そしてV入賞したことを報知する「V入賞演出」が現出し、13R目のサイクル遊技の始端から14R目のサイクル遊技を経て大当り終了INT(13秒以上)が終了するまでの期間で「ED演出」が現出するようになっている。
このシナリオBB3の場合も、他のシナリオBBなどと共通する特異点として、「ED演出」の現出する開始時点が、大当り終了インターバルの開始点よりも時間系列的に前にあり、したがって上記第2の大当りとして作用する。この図46の例の場合、13R〜14Rの各サイクル遊技におけるラウンド遊技が短開放動作パターンで行われるが、これらの各短開放ラウンドに対応する演出を用意して実行することは行っていない。長開放動作のラウンド遊技に係る最後の12R目のサイクル遊技が終了すると、直ちに13R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を現出させる。このため、13R〜14Rの各サイクル遊技に対して個別にまたは全体として専用の演出を用意し実行をする必要がなくなる、という利点が得られる。
(5−4−7.シナリオBB4による当り中演出:図47)
シナリオBB4(14R長開放条件付確変大当り)による当り中演出も、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図47に示すように、その演出シナリオの内容は、シナリオBB3の場合と比較すると、9R目〜11R目のサイクル遊技の演出が「チャレンジ演出3回目成功」から「チャレンジ演出3回目失敗」に変わっている点と、12R目のサイクル遊技の演出が「V開放ラウンド用演出」(図44〜図46では「V入賞演出」と略称表示している)から「復活→V入賞演出」に変わっている点とが相違しているだけで、他はシナリオBB3による当り中演出と同じになっている。よって説明を省略する。
(5−4−8.シナリオBB5による当り中演出:図48)
シナリオBB5(14R長短開放非確変大当り)による当り中演出も、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図48に示すように、13R目から始まり14R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の13R目のサイクル遊技の始端からED演出が行われる。そして、OP演出(実質的には出現しない)とED演出とに係らない残りのラウンド(1R〜12R)のサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_P5の演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえばチャレンジ演出1回目→失敗、失敗→2回目へ、チャレンジ演出2回目→失敗、失敗→3回目へ、チャレンジ演出3回目→失敗、終了演出など)が行われる。
このシナリオBB5においては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技の開放時間が短開放の‘最大0.1秒’となっている。シナリオBB5におけるラウンド遊技の開放時間を演出期間で区切って時系列的に記述すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が短開放‘最大0.1秒’、5R〜7Rが長開放‘最大29.8秒’、8R目が短開放‘最大0.1秒’、9R〜11Rが長開放‘最大29.8秒’、12R目〜14R目が短開放(12R目が短開放‘最大0.1秒’、13R目が短開放‘最大0.08秒’、14Rが短開放‘最大0.1秒’)の動作パターンとなっている。またラウンド間INTについては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、14R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが1.98秒、他のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバル(4msまたはその倍数、ここでは20ms)での「OP演出」は実際には出現せず、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出が現出し、3R目のラウンド遊技の終端〜4R目のサイクル遊技の終端までの期間で「失敗→2回目へ」の演出が出現し、5R目のサイクル遊技の始端〜7R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出2回目→失敗」の演出が現出し、7R目のラウンド遊技の終端〜8R目のサイクル遊技の終端までの期間で「失敗→3回目へ」の演出が現出し、9R目のサイクル遊技の始端から11R目のラウンド遊技の終端までの期間で「チャレンジ演出3回目→失敗」の演出が現出し、11R目のラウンド遊技の終端から12R目のサイクル遊技の終端までの期間で「終了演出」の演出が現出し、13R目のサイクル遊技の始端から14R目のサイクル遊技を経て大当り終了INT(11秒以上)が終了するまでの期間で「ED演出」が現出するようになっている。
すなわち、非確変大当りであるシナリオBB5の場合は、長開放動作の最後のラウンドである11R目のラウンド遊技が終了し、短開放動作の12R〜14Rのラウンド遊技に係るサイクル遊技の連続に入っても、直ぐには「ED演出」は発生しない。その短開放動作のサイクル遊技の連続(12R〜14R)の途中である13R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を現出させる。ただし、12R〜14Rの短開放ラウンド遊技に係るサイクル遊技の連続に入ると、すぐに終了演出が発生し、その終了演出が終わると、それに続く形でED演出が開始されるので、遊技者に大当りが終了したことを認識させるという意味では、実質上、12R〜14Rの短開放ラウンド遊技に係るサイクル遊技の開始とともにED演出が開始されたのと同等になる。
このシナリオBB5の場合も、他のシナリオBBなどと共通する特異点として、「ED演出」の現出する開始時点が、大当り終了インターバルの開始点よりも時間系列的に前にあり、したがって上記第2の大当りとして作用する。この図48の例の場合、13R〜14Rの各サイクル遊技におけるラウンド遊技が短開放動作パターンで行われるが、これらの各短開放ラウンドのサイクル遊技に対応する演出を用意して実行することは行っていない。このため、13R〜14Rの各サイクル遊技に対して個別にまたは全体として専用の演出を用意し実行をする必要がなくなる、という利点が得られる。
(5−4−9.7図柄当りCの当り中演出:図49)
7図柄当りC(16R長開放条件付確変大当り)による当り中演出は、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図49に示すように、1R目から始まり16R目まで続く長開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最後の16R目のサイクル遊技の始端からED演出が開始される。そして、OP演出とこのED演出とに係らない残りのラウンド(1R〜15R)のサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_PCの演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえば大当り演出1、確変GETチャンス演出、バトルパートナー選択演出、大当り演出2など)が行われる。
具体的に説明すると、7図柄当りCにおける当り中演出もバトル演出となっており、そのパーツシナリオを切り替える境界となるラウンド遊技の開放時間を演出期間で区切って時系列的に記載すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が長開放‘最大29.8秒’、5R〜6Rが長開放‘最大29.8秒’、7R〜15R目が長開放‘最大29.8秒’、16R目が長開放‘最大29.8秒’であり、1R〜16Rの全てが長開放‘最大29.8秒’の動作パターンとなっている。またラウンド間INTについては、4R目、8R目、12R目のラウンド遊技後のラウンド間INTが3秒、他のラウンド間INTが2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバル(10秒以上)の期間で「OP演出」が出現し、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のサイクル遊技の終端までの期間で「大当り演出1」の演出が現出し、4R目のサイクル遊技の期間(V開放ラウンド)で「確変GET演出」が、そしてV入賞したことを報知する「確変GET演出」が現出し、5R目〜6R目のサイクル遊技の期間で「バトルパートナー選択演出」が現出し、7R目〜15R目のサイクル遊技の期間で「大当り演出2」が現出し、16R目のサイクル遊技の始端から大当り終了INT(4msまたはその倍数、ここでは20ms)が終了するまでの期間にかけて「ED演出」が現出するようになっている。したがって、特図1の抽選に係る7図柄以外当りAの場合には11R目のサイクル遊技から「ED演出」が流され、大当り終了INTは省略されないのに対して、この特図2の抽選に係る7図柄当りCの場合には16R目のサイクル遊技から「ED演出」が流され、大当り終了INTは、その設定時間がプログラム上の最短時間にセットされることで、実質上省略される点で相違する。したがって、最後のラウンド遊技に対するED演出として現出させる即撃チャレンジ演出を以て大当り演出を終了させ、遊技者に連荘しているとの緊張感を持続させることができる。
この7図柄当りCの場合も、「ED演出」の現出する開始時点が、終了インターバルの開始点よりも時間系列的に前にあり、したがって上記第2の大当りとして作用する。この「ED演出」が流されている期間中に、後からラウンド終了コマンドや大当り終了コマンドが受信されても、これらのコマンドは無視(無効化処理)されるだけであり、当該サイクル遊技期間中に流れている演出(ED演出)に影響を与えない。このことは、16Rのサイクル遊技に対して専用の演出(大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出)を用意し実行をする必要がないことを意味し、また大当り終了INT期間を省略することができることを意味する。
(5−4−10.7図柄以外当りDの当り中演出:図50)
7図柄以外当りD(12R長短開放条件付確変大当り)による当り中演出は、上記した「第2群に属する大当り」に係るもので、図50に示すように、5R目から始まり12R目まで続く短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、その途中の9R目のサイクル遊技の始端からED演出が開始される。そして、OP演出(10秒以上)とED演出とに係らない残りのラウンド(1R〜8R)のサイクル遊技については、図64の当り中演出テーブルで選択されたWINTBL_PDの演出シナリオに従い、1または複数のラウンドのサイクル遊技にかけて連続する所定の当り中演出(たとえば大当り演出1、確変GETチャンス演出、確変GET演出、大当り演出3など)が行われる。
具体的に説明すると、7図柄以外当りDにおける当り中演出もバトル演出となっており、その大当り中の演出(パーツシナリオ)を切り替える境界となるラウンド遊技の開放時間を時系列の順に記述すると、1R〜3Rが長開放‘最大29.8秒’、4R目が長開放‘最大29.8秒’、5R〜8Rが短開放‘最大0.1秒’、9R〜12R目が短開放‘最大0.1秒’の動作パターンとなっている。また4R目、8R目のラウンド遊技後のラウンド間INTは3秒、他のラウンド間INTは2秒となっている。
そして、最初の大当り開始インターバル(10秒以上)の期間で「OP演出」が出現し、1R目のサイクル遊技の始端〜3R目のサイクル遊技の終端までの期間で「大当り演出1」の演出が現出し、4R目のサイクル遊技の期間(V開放ラウンド)で「確変GET演出」の獲得ができることを示唆する確変GETチャンス演出が出現し、5R目〜8R目のサイクル遊技の期間で「大当り演出3」が現出し、9R目〜12R目の短開放のサイクル遊技の期間およびその後の大当り終了INT(4msまたはその倍数、ここでは20ms)が終了するまでの期間にわたり「ED演出」が現出するようになっている。この特図2の抽選に係る7図柄以外当りDの場合には9R目の短開放サイクル遊技から「ED演出」が流され、大当り終了INTは、その設定時間がプログラム上の最短時間にセットされることで、実質上省略される。したがって、最後のラウンド遊技に対するED演出として現出させる即撃チャレンジ演出を以て大当り演出を終了させ、遊技者に連荘しているとの緊張感を持続させることができる。
この7図柄以外当りDの場合も、他の7図柄以外当りBやシナリオBB1〜5などと共通する特異点として、「ED演出」の現出する開始時点が、大当り終了インターバルの開始点よりも時間系列的に前にあり、したがって上記第2の大当りとして作用する。この図50の場合、連続する短開放ラウンド遊技の途中の9R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を現出させる。この9R目〜12R目の短開放のサイクル遊技の期間およびその後の大当り終了INTの期間中に、後からラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドが受信された場合、これらのコマンドは無視(無効化処理)され、当該サイクル遊技期間中に流れている演出(ED演出)に影響を与えない。すなわち9R〜12Rの各短開放ラウンドのサイクル遊技に対し、大当り終了インターバルまでの繋ぎの演出を用意して実行することは行っていない。
<主制御部側の処理:図7〜図16>
次に図7〜図16を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図7)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図8)とを含んで構成される。
<6.主制御側メイン処理:図7>
図7は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理が開始されるのは、停電状態からの復旧時のように初期化スイッチ(図示せず)が操作されることなく電源がON状態になる場合と、初期化スイッチがON操作されて電源がON状態になる場合とがある。いずれの場合でも、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図7に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、主制御部20(CPU201)は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。たとえば、最初に自らを割込み禁止状態に設定すると共に、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定する。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号の状態(ON、OFF)を判定する(ステップS012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店の店員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
ここでは、RAMクリア信号がON状態であったと仮定すると、ステップS012の判定結果が‘YES’となり、RAMの全領域がゼロクリアされる(ステップS016)。したがって、電源遮断時にセットされたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなる。
次に、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリア表示コマンド」が初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS017)。そして、RAMクリア報知タイマに、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、たとえば、30秒を格納する(ステップS018)。なお演出制御部24が上記RAMクリア表示コマンドを受けると、RAMクリアされた旨を報知する初期化報知演出をRAMクリア報知タイマ(30秒)が経過するまで実行し、初期状態の演出モードとして、演出モードを通常演出モードに設定するようになっている。
次に、タイマ割込み動作を起動する割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS019)、CPUを割込み許可状態に設定する。
その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。この各種乱数更新処理(ステップS021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、または変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ、などが設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS021の各種乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタなどを更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。たとえば、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が0〜238とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に1を加算した結果が239であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行するようになっている。
ステップS012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、初期化スイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS012:YES)。そこで、このような場合、ステップS012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS013)。なお、バックアップフラグは、電源遮断時にON状態(バックアップフラグ=5AH(‘XXH’は任意の16進数の意)に設定され、電源復帰後の最初のタイマ割込み処理の処理でOFF状態(バックアップフラグ=00H)にリセットされるよう構成されている。
したがって、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS013:NO)、ステップS016の処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻す。
一方、バックアップフラグがON状態であれば(ステップS013:YES)、チェックサム値を算出するためのチェックサム演算を実行する。ここで、チェックサム演算とは、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算である。そして、チェックサム値が算出されたら、この演算結果を、RAM203のSUM番地の記憶値と比較をする(ステップS014)。上記SUM番地には、電源遮断時に、同じチェックサム演算によるチェックサム値が記憶されている。そして、記憶された演算結果は、RAM203の他のデータと共に、バックアップ電源によって維持されている。したがって、本来は、ステップS014の判定によって両者が一致するはずである。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS014:NO)、ステップS016の処理に進みRAMクリア処理を実行し、遊技機の動作状態を初期状態に戻す。一方、チェックサム演算によるチェックサム値と、SUM番地の記憶値とが一致する場合には(ステップS014:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を行う(ステップS015)。また遊技復旧処理では、バックアップ情報から遊技復旧のための所定の情報を取得し、その情報を含ませた各種の演出制御コマンド(以下、遊技動作復旧時に主制御部20から送信される各種の演出制御コマンドを「電源復帰用コマンド」と略称する)を演出制御部24に送信し、演出制御部24に電源遮断時の遊技進行状態を知らせるようになっている。
上記電源復帰用コマンドには、電源復帰を報せる演出を指定(実行開始を指定)する「復帰用表示コマンド(BA03H)」、電源遮断時における特図1作動保留球数を指定する「復帰用特図1作動保留球数指定コマンド(B4XXH:XXHは、作動保留球数に応じた値)」、電源遮断時における特図2作動保留球数を指定する「復帰用特図2作動保留球数指定コマンド(B5XXH)」、電源遮断時における変動パターン振分指定番号(Tcode)を指定する「復帰用変動パターン振分指定番号コマンド」、電源遮断時に客待ち待機状態(作動保留球無し状態:後述の特別図柄変動開始処理(図12のステップS402:YESのルート参照)であれば、これを指定する「デモ表示コマンド」、といった複数種類の演出制御コマンドが含まれる。演出制御部24は、これらの演出制御コマンドに内容に基づいて、電源遮断時の処理状態を把握し、演出動作の復帰処理(たとえば、演出モードを、電源遮断時の演出モードに復帰させる)を行うようになっている。
ステップS015の遊技復旧処理を終えると、ステップS019の処理に進み、CTCを初期設定してCPUを割込み許可状態に設定し、その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、上述した各種乱数更新処理を実行する(ステップS020〜S022)。
<7.主制御側タイマ割込処理:図8>
次に図8を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図8は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。以下では説明の便宜上、CPU201がRAMやROMなどのメインメモリを読み書きする際のアドレス値(そのアドレスに記述されているデータ類を含む)やプログラム上の演算処理により得られた結果情報などを、CPU内蔵のレジスタ内に読み込んだり取り込んだりするなどの処理を「取得」と称し、またCPU201がRAMのワーク領域にアクセスして、所定のデータを記憶させることを「格納」と称する場合がある。
図8において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板31からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視する。ここでは、たとえば、電断が生じるなどの異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAMに格納するバックアップ処理などが行われる。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマ(たとえば、後述の特別図柄役物動作タイマなど)のタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を入賞カウンタに格納する。ここでの各種センサによる検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)である。これにより、各入賞口において入賞を検出(入賞が発生)したか否かが割込みごとに監視される。また上記「入賞カウンタ」とは、各々の入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS054)。この定期乱数更新処理では、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。たとえば、特別図柄判定用乱数カウンタの値を所定範囲で更新(+1加算)し、特別図柄判定用乱数カウンタが1周するごとに、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を読み出し、その生成用カウンタの値を特別図柄判定用乱数カウンタに格納する。これにより、特別図柄判定用乱数カウンタのスタート値が上記の生成用カウンタの値に応じて変更されるので、更新周期は一定でありながらも特別図柄判定用乱数カウンタのカウント値はランダムになる。
次いで、遊技動作状態の異常の有無を監視するエラー管理処理を行う(ステップS055)。このエラー管理処理では、遊技動作状態の異常を監視し、異常(エラー)が発生した場合には、所定のエラー処理を行う。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS056)。この賞球管理処理では、上記入力管理処理で格納したデータを把握して、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞があった場合は、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板(払出制御部)29に送信する。この払出制御コマンドを受信した払出制御基板29は、遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数の払い出し動作を行わせる。これにより、それぞれの入賞口に対応した賞球数(入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの所定の賞球数×入賞カウンタの値分の賞球数)が払い出されるようになっている。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける補助当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したり、所定時間毎に点滅を繰り返す普通図柄のデータ(普通図柄変動中のLED点滅表示用データ)を作成し、普通図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(普通図柄停止表示中のLED点滅表示用データ)を作成したりする。なお普通図柄管理処理は、補助遊技抽選手段、普通図柄の変動表示動作を制御する普通図柄表示手段(普通図柄表示制御手段)として機能する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS058)。この普通電動役物管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS057)の補助当り抽選の抽選結果に基づき、普電開放遊技発生に必要な普通電動役物ソレノイド41aに対するソレノイド制御用の励磁信号の生成およびそのデータ(ソレノイド制御データ)の設定を行う。ここで設定されたデータに基づき、後述のソレノイド管理処理にて、励磁信号が普通電動役物ソレノイド41aに対して出力され、これにより可動翼片47の動作が制御される。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS059)。この特別図柄管理処理(大当り判定手段)では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄などを決定する。なお、特別図柄管理処理の詳細は図9にて後述する。
次いで、特別電動役物管理処理を行う(ステップS060)。この特別電動役物管理処理では、主に、大当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合、その当りに対応した当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。なお、特別電動役物管理処理の詳細は図16にて後述する。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS061)。この右打ち報知情報管理処理では、「電サポ有り状態」の高ベース遊技状態が生起する遊技状態である場合、右打ち指示情報(右流下経路3cを狙う旨を指示する情報(普通図柄始動口37に入賞を促す指示情報))を報せる「発射位置誘導演出(右打ち報知演出)」を現出させるための処理を行う。この右打ち情報が報知されるケースとしては、電サポ有り状態下において遊技者が誤って発射位置を左流下経路3b側に狙いを定めていると推定されるケースで、電サポ有り状態下において、上始動口34に入賞が発生した場合や、所定時間経過しても普通図柄始動口37へ入賞が発生しない場合などが挙げられる。このような場合、右打ち報知情報管理処理において、上記発射位置誘導演出の開始を指示する「右打ち指示コマンド」が演出制御部24に送信され、このコマンドを受けて、演出制御部24が上記発射位置誘導演出を現出制御する構成となっている。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39aや特別図柄表示装置38a,38bに対して表示データを出力する。これにより、普通図柄や特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。なおステップS057の普通図柄管理処理で作成された普通図柄の表示データや、ステップS059の特別図柄管理処理中の特別図柄表示データ更新処理(後述の図9のステップS309)で作成される特別図柄の表示データは、このLED管理処理で出力される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS063)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報(当り遊技開始情報、図柄変動表示ゲーム開始・終了情報、入賞発生情報、賞球払い出し情報など)をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS064)。このソレノイド管理処理では、ステップS058の普通電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく普通電動役物ソレノイド41cに対する励磁信号の出力処理、ステップS060の特別電動役物管理処理で作成されたソレノイド制御データに基づく大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力処理を行う。これにより、可動翼片47や開放扉52bが所定のパターンで動作し、下始動口35や大入賞口50が開閉される。
以上のステップS051〜ステップS064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
(8.特別図柄管理処理:図9)
次に、図8中の特別図柄管理処理(ステップS059)について説明する。図9は、ステップS059の特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図9において、CPU201は、まず特別図柄1側(上始動口34側)に関する特図1始動口チェック処理を行い(ステップS301)、次いで、特別図柄2側(下始動口35側)に関する特図2始動口チェック処理を行う(ステップS302)。
ステップS301〜S302の始動口チェック処理を終えると、小当り中フラグの状態を判定する(ステップS303)。この「小当り中フラグ」とは、小当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には小当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には小当り遊技中ではない旨を示す。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS303:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS304)。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
上記条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS304:≠5AH)、すなわち、小当り遊技中でもなく大当り遊技中でもない場合(ステップS303:≠5AH、かつステップS304:≠5AH)、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて、特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS305:特別図柄動作ステータス分岐処理)。一方、小当り遊技中(ステップS303:=5AH)、または大当り遊技中である場合には(ステップS304:=5AH)、ステップS306〜S308の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS309の特別図柄表示データ更新処理に進む。したがって、小当り遊技中または大当り遊技中のいずれかである場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、小当り後または大当り後に確定表示されたままの状態が保持されている)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS305の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」のいずれのステータス値であるかに応じて、それぞれに対応する処理を実行する。
具体的には、特別図柄動作ステータスが「待機中(00Hまたは01H)」である場合には、特別図柄変動開始処理(ステップS306)を、「変動中(02H)」である場合には、特別図柄変動中処理(ステップS307)を、「確認中(03H)」である場合には、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)を実行する。ここで上述の「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を示し、「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を示し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を示す。これらの処理により、特別図柄の変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作が実現されることになる。なお上記の特別図柄変動開始処理(ステップS306)、特別図柄変動中処理(ステップS307)、および特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細は、後述する。
上記ステップS306〜S308のいずれかの処理を終えると、後述のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行う。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、所定時間(たとえば0.5秒)毎に点滅を繰り返す特別図柄のデータ(特別図柄変動中の7セグ点滅表示用データ)を作成し、特別図柄が変動中でなければ、停止表示用のデータ(特別図柄停止表示中の7セグ点滅表示用データ)を作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS062)で出力され、特別図柄表示装置38a、38b上における特別図柄の変動表示および停止表示が実現される。これにより特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(8−1.特図1始動口チェック処理:図10)
まず、特図1始動口チェック処理(図9のステップS301)について説明する。図10は、上記のステップS301の特図1始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特図1側の入賞時処理)として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などが行われる。なお後述の特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)も特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、および保留加算コマンドの作成処理などが行われ、次に述べる特図1始動口チェック処理と同じ処理手順を踏む。
図10において、CPU201は、まず上始動口34において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS311)。
上始動口34の入賞を検出した場合(ステップS311:YES)、特別図柄1の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS312)。すなわち、特別図柄1に係る作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)未満であるか否かを判定する。なお、上始動口34の入賞検出がなかった場合は(ステップS311:NO)、何もしないで特図1始動口チェック処理を抜ける。
特図1作動保留球数が4以上である場合(ステップS312:YES)、後述のステップS325の処理に進み、特図1作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図1作動保留球数に1加算(+1)して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。
ステップS314の処理に進むと、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する(ステップS314)。具体的には、乱数カウンタから大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。なお上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア(特別図柄1に対応する特図1保留記憶エリア(第1の保留記憶エリア)と、特別図柄2に対応する特図2保留記憶エリア(第2の保留記憶エリア))とが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大作動保留球数:本実施形態では、n=4)が設けられており、それぞれ最大作動保留球数分の保留データを格納可能となっている(保留記憶順番は、保留1記憶エリア、保留2記憶エリア、・・・、保留n−1記憶エリア、保留n記憶エリアの順に格納されるようになっている)。
なお上記各種乱数のうち、特別図柄判定用乱数および変動パターン用乱数は、それぞれに対応したソフトウェア的に乱数を生成する乱数カウンタから抽出される。これら乱数カウンタの乱数値は、RAM203に設けられた各々に対応したカウント値記憶領域において、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメイン処理において乱数的に更新されているので、その値がそのまま取得されるようになっている。
他方、大当り判定用乱数値は、ハードウェア的に乱数を生成する乱数生成回路(大当り判定用乱数値をカウントするための大当り判定用乱数カウンタ:図示せず)から抽出される。この乱数生成回路は、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ34aから遊技球の検出信号が入力されると、このタイミングにおけるカウント値をラッチして、そのカウント値がマイクロコンピュータに入力されるようになっている。このカウント値は、大当り判定用乱数値として、RAM203の保留記憶エリアと別個に設けられたRAM203の大当り判定用乱数値用の記憶領域(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納され、CPU201は、必要なタイミングで、その特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファに格納された大当り判定用乱数値を読み出し利用する。
次いで、保留加算コマンド(詳細は後述する)を作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得し(ステップS315)、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS316)。上記「特図1先読み禁止条件」とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図1先読み禁止条件が成立している場合(ステップS316:YES)、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず(ステップS315の処理により保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなる)、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS316:YESの処理ルート参照)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ有り状態’を伴う遊技状態中である場合に、特別図柄1側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ有り状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄1側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
第1の理由としては、‘電サポ有り状態’下に置かれた場合は、下始動口35への入賞率が通常遊技状態よりも著しく向上し得る「高ベース遊技状態(可動翼片47の作動率向上状態:補助当りの当選確率が256分の255となり、開放延長機能が作動する)」となるため、遊技者が普通図柄始動口37へ入賞させるように発射位置を狙い定めた場合(本実施形態では、右流下経路3cを遊技球が通過するように狙いを定めた場合)、特別図柄2に係る作動保留球数(以下、「特図2作動保留球」と称する)が頻繁に発生するものと推定される。これに対し、電サポ無し状態下に置かれた場合は、可動翼片47の作動率が低い「低ベース遊技状態(補助当りの当選確率が256分の1となり、開放延長機能が未作動となる)」となり、また本実施形態では、遊技くぎなどの落下方向変換部材に起因して、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっており、遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合には、特に不利益をもたらす、という遊技性となっている。このため、電サポ有り状態中に遊技者が左流下経路3b側を遊技球が通過するように発射位置を定めることはないものと推定され、特図1作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、そのような発生率の低い特図1作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
また第2の理由としては、技術介入性の問題がある。技術介入性の問題が生じる例としては、現在、特図1作動保留球を対象とした何らかの先読み予告演出(特に、大当り当選期待度が高い先読み予告演出)だけが発生した場合、遊技者がこれを認識すれば、特図2作動保留球を途切れないようにして優先変動側である特別図柄変動表示ゲーム2を継続的に実行させることで、特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選の恩恵を最大限受けながらゲームを進行させていくことができてしまう。本実施形態では、特別図柄1側の図柄抽選を受けるよりも特別図柄2側の図柄抽選を受けた方が、利益の高い「12R長開放確変大当り」や「16R長開放条件付確変大当り」が高確率で当選するようになっている(詳細は後述する)。このため、特別図柄1側(特別図柄変動表示ゲーム1側)の大当り抽選を受けるよりも特別図柄2側(特別図柄変動表示ゲーム2側)の大当り抽選を受ける方が、遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。これを利用し、特図1作動保留球の大当り当確が判明している場合には、電サポ有り状態が終了するまで特別図柄2側の大当り抽選の恩恵を最大限受けた後、その当選に係る特図1作動保留球を消化させて容易に大当りを得る、といった技術介入性の問題が生じ、遊技者間の不平等を招来する。
そこで本実施形態では、上記のような問題点に鑑み、特図1側と特図2側の先読み判定を禁止する区間(先読み禁止状態)を設け、遊技状態に応じて、これらの区間を切り替え制御可能に構成されている。
再びステップS316の説明に戻り、特図1先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS316:YES)、先読み判定に関する処理(ステップS317〜S319)は行わずに、ステップS320の処理に進む。
特図1先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS316:NO)、次いで、乱数判定処理を行う(ステップS317)。この乱数判定処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「当落抽選」を事前に判定する‘先読み当落判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別電動役物作動判定用乱数判定処理(後述の図12のS409参照)」の抽選結果(変動開始時の当落抽選結果)を先読み判定する。
ステップS317の乱数判定処理に入ると、まずRAM203(特別電動役物作動判定用乱数ラッチバッファ)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、次いで、後述の特図1用当り乱数判定テーブルを取得する。そして、取得した大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした当落判定(大当り、小当り、およびハズレの別の判定)を行う。
(T−1.当り乱数判定テーブル)
上記当り乱数判定テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る「特図1用当り乱数判定テーブル(図示せず)」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「特図2用当り乱数判定テーブル(図示せず)」とが含まれる。
これらの当り乱数判定テーブルには、大当り抽選確率状態(高確率状態(高確)と低確率状態(低確))別に、当落種別(大当りか、小当りか、ハズレかの別)を決定するための判定領域(判定値)と、大当り判定用乱数値(大当り判定用乱数の大きさ:65536)とが関連付けて定められており、具体的には、大当り判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、大当り、小当り、またはハズレのいずれかが決定されるようになっている。したがって、取得した大当り判定用乱数値が同じ判定値に属する場合(大当り判定用乱数値が同じ値)であっても、現在の大当り抽選確率状態が、高確率状態であるか低確率状態であるかにより、一方では「大当り」、他方では「ハズレ」といったように当落種別が異なる場合がある。本実施形態の大当り当選確率は、低確率状態では約1/397で、高確率状態ではそれよりも10倍程度上昇した約1/39.7で大当りに当選するようになっており、小当りの当選確率は、大当り抽選確率状態にかかわらず、約1/200となっている。つまり、小当りの当選確率は大当り抽選確率状態にかかわらず一定であり、この点、大当り抽選確率状態により当選確率が変動する上記の大当りと性格を異にする。
この当落抽選(先読み当落判定)により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH(大当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「大当り非当選(大当り判定フラグがOFF状態)」となる。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグが「5AH(小当り判定フラグがON状態)」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「小当り非当選(小当り判定フラグがOFF状態)」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ(大当り判定フラグおよび小当り判定フラグがOFF状態)’となる。
なお特別図柄変動表示ゲーム2による当落抽選(特図2始動口チェック処理中のステップS337(図11参照))では、別途設けた上記「特図2用当り乱数判定テーブル」を利用した抽選が行われる。本実施形態の特図2用当り乱数判定テーブルにおいては、大当り当選の判定領域は同じ(大当りの当選確率は同じ)であるが、小当り当選となる判定値自体を定めていない。すなわち、特別図柄変動表示ゲーム1では、大当り、小当り、およびハズレが当落抽選対象とされるが、特別図柄変動表示ゲーム2では、大当りとハズレだけが当落抽選対象とされる。勿論、特図2用当り乱数判定テーブルについても、小当りを当落抽選対象として定めても良い。
上記したステップS317の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS318)。この特別停止図柄データ作成処理は、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る「図柄抽選」を事前に判定する‘先読み図柄判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別停止図柄作成処理(後述の図11のS410参照)」の抽選結果(変動開始時の図柄抽選結果)を先読み判定する。なお上記乱数判定処理(ステップS317)〜特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)が‘先読み当り判定’に係る処理となる。
ステップS318の特別停止図柄データ作成処理に入ると、まずステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果を取得し、この当落抽選結果(大当り、小当り、ハズレの別)に応じた図柄テーブル(後述の大当り図柄テーブル、小当り図柄テーブル、またはハズレ図柄テーブル:図示せず)を選択する。そして、ステップS314で取得した特別図柄判定用乱数値を取得して、選択した図柄テーブルと特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の作動保留球を対象とした先読み図柄判定(当り(当選)種別の先読み判定)を行う。
(T−2.図柄テーブル)
上記の各図柄テーブルには、「特別図柄判定用乱数値(特別図柄判定用乱数値の大きさ:200)」と、当選種別を決定するための判定領域(判定値)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。
上記「特別図柄判定データ」とは当選種別(当選の種類:大当り種別、小当り種別、およびハズレ種別)を識別するデータであり、具体的には、7図柄直当り、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜シナリオBB5、7図柄当りC、7図柄以外当りD、2R短開放潜確大当り、小当り、ハズレA〜Bのいずれに当選したのかを識別するためのデータである。この特別図柄判定データは、当選種別情報が必要とされる処理(たとえば、後述の図12のステップS411の遊技状態移行準備処理、ステップS412の特別図柄変動パターン作成処理、大当り遊技の実行制御に関する処理(図6の特別電動役物管理処理(ステップS060)など)において利用されるデータである。また上記の「特別停止図柄番号」とは、特別図柄表示装置に停止表示する特別停止図柄態様を指定するデータであり、主制御部20側において特別図柄の停止図柄種を特定する際に利用される。
(T−2−1.大当り図柄テーブル)
本実施形態の大当り図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「大当り図柄テーブル1」と特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「大当り図柄テーブル2」とが含まれる。各大当り図柄テーブルには、特別図柄判定用乱数値と、大当り種別を決定するための判定値(判定値0〜199)とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定用乱数値がいずれの判定値に属するか否かにより、複数種類の大当りのうちからいずれか一つの大当りが決定されるようになっている。
上記大当り図柄テーブル1では、たとえば、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜3の範囲に属する場合には「16R長開放条件付確変大当り(7図柄直当り)」当選となり(図柄選択率:4/200)、判定値4〜13の範囲に属する場合には「16R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りA)」当選となり(図柄選択率:10/200)、判定値14〜23の範囲に属する場合には「12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りB)」当選となり(図柄選択率:10/200)、判定値24〜37の範囲に属する場合は「14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB1)」当選となり(図柄選択率:14/200)、判定値38〜51の範囲に属する場合は「14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB2)」当選となり(図柄選択率:14/200)、判定値52〜65の範囲に属する場合は「14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB3)」当選となり(図柄選択率:14/200)、判定値66〜99の範囲に属する場合は「14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB4)」当選となり(図柄選択率:34/200)、判定値100〜191の範囲に属する場合は「14R長短開放非確変大当り(シナリオBB5)」当選となり(図柄選択率:92/200)、判定値192〜199の範囲に属する場合には「2R短開放潜確大当り」当選となり(図柄選択率:8/200)、大当り種別が所定の図柄選択率(図38の大当り確率)で決定され、これに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が定まる。
また上記大当り図柄テーブル2は、上述の大当り図柄テーブル1と基本的な構成は同じであるが、大当り図柄テーブル1と次の点が異なる。大当り図柄テーブル2では、大当り図柄テーブル1と比較し、特定の大当りの図柄選択率(図柄抽選確率)が異なる。具体的には、特別図柄判定用乱数値が判定値0〜169の範囲に属する場合には「16R長開放条件付確変大当り(7図柄当りC)」当選となり(図柄選択率:170/200)、判定値170〜199の範囲に属する場合には「12R長開放条件付確変大当り(7図柄以外当りD)」当選となり(図柄選択率:30/200)、「2R短開放潜確大当り」が当選となる判定値が存在しない構成としてある。つまり、大当り図柄テーブル1による図柄抽選よりも大当り図柄テーブル2による図柄抽選の方が相対的に高い利益の大当りの種類が選択される確率が高く(大当り図柄テーブル2では、約2000発の出玉が得られる7図柄当りCの当選確率が相対的に高く定めてあり、また「2R短開放潜確大当り」が当選となる判定値が存在しない(2R短開放潜確大当りが大当り抽選対象外となっている)、遊技者にとって有利な図柄抽選となっている。これにより、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の抽選を受ける方が遊技者にとって有利なゲーム展開とされる。
(T−2−2.小当り図柄テーブル)
本実施形態の小当り図柄テーブルは、特別図柄変動表示ゲーム1と特別図柄変動表示ゲーム2とで兼用され、上記の大当り図柄テーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、小当り種別(小当りA〜Cのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお小当りA〜Cの図柄選択率は、自由に設定することができる。
(T−2−3.ハズレ図柄テーブル)
本実施形態のハズレ図柄テーブルには、特別図柄変動表示ゲーム1に係る特図1用の「ハズレ図柄テーブル1」と、特別図柄変動表示ゲーム2に係る特図2用の「ハズレ図柄テーブル2」とが含まれる。
上記ハズレ図柄テーブル1、2は、上記の大当り図柄テーブルや小当りテーブルの構成と同じように、特別図柄判定用乱数値がいずれかの判定領域(判定値)に属するか否かにより、ハズレ種別(ハズレAまたはハズレBのいずれか)が所定の図柄選択率で決定され、またこれに対応する特別図柄判定データおよび特別停止図柄番号が決定されるようになっている。なお、ハズレ図柄テーブル1とハズレ図柄テーブル2とは、ハズレA〜Bの当選に係る判定値が異なっており、したがって特別図柄判定用乱数値が同じ値であっても、ハズレ図柄テーブル1が参照される場合と、ハズレ図柄テーブル2が参照される場合とでは、当選となるハズレ種別が異なる場合がある。本実施形態では、ハズレAの当選確率よりもハズレBの当選確率の方が低く定められている。
上記したステップS318の特別停止図柄データ作成処理を終えると、次いで、ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理も、上記乱数判定処理(ステップS317)や特別停止図柄データ作成処理(ステップS318)と同じく、‘先読み判定’処理の一環として行われるものであり、ここでは、今回の作動保留球に係る変動開始時の変動パターンを先読みする‘先読み変動パターン判定’を行う。具体的には、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される「特別図柄変動パターン作成処理(後述の図12のS412参照)」の結果(変動開始時の変動パターン内容)を先読み判定する。
上記始動口入賞時乱数判定処理に入ると、ステップS317の乱数判定処理で得られた当落抽選結果と、ステップS318の特別停止図柄データ作成処理で得られた図柄抽選結果と、変動パターン用乱数とを利用し変動開始時の変動パターンの先読み判定を行い、その判定結果に基づいて、後述の「保留加算コマンド」の作成に利用される入賞コマンドデータ(2バイト目(EVENT):下位バイト)の作成処理を行う。この始動口入賞時乱数判定処理において決定される入賞コマンドデータ(EVENT)により、先読み変動パターン(保留球数情報は除く)の内容が指定される。
ステップS319の始動口入賞時乱数判定処理を終えると、「保留加算コマンド」を作成し(ステップS320)、これを演出制御部24に送信する(ステップS321)。これにより、特図1始動口チェック処理を抜けて、続いて、図11の特図2始動口チェック処理(ステップS302)を行う。
上記保留加算コマンドは、2バイトの制御データで構成される。具体的には、作動保留球数と特別図柄種別(特別図柄1および特別図柄2)とに応じて作成される上位バイト(1バイト目(MODE)の「BXH(たとえば、B6H〜B9Hは、特別図柄1の作動保留球数1〜4個にそれぞれ対応し、BBH〜BEHは特別図柄2の作動保留球数1〜4個にそれぞれ対応する)」)と、ステップS316の始動口入賞時乱数判定処理で作成される下位バイト(2バイト目(EVENT)の「XXH(XXはコマンドごとに対応する数値)」で、先読み変動パターンの内容に対応する)とから構成される。したがって、この保留加算コマンドには、先読み判定に関する一連の処理(ステップS315〜S317)において得られた先読み判定結果情報、具体的には、先読み変動パターンを特定しうる情報が含まれる。ただし、下位バイト((EVENT))値が特定の値(たとえば、「01H」)の場合は、先読み禁止が指定される。
上記保留加算コマンドが主制御部20から送信されると、これを受けた演出制御部24は、その保留加算コマンドに含まれる情報に基づく先読み予告演出の実行可否に関する抽選(先読み予告抽選)を行い、その抽選結果により実行可と決定された場合(先読み予告抽選に当選した場合)、図柄変動表示ゲームの開始と共に、またはそのゲーム中の所定のタイミングで、今回の作動保留球を対象とする先読み予告演出を現出させる。また演出制御部24は、保留加算コマンドを受けた場合、先読み予告演出を現出させるか否かにかかわらず、始動口に入賞があった旨を報知する「入賞演出」を現出させることができる。
なお、作動保留球数が4以上の場合に新たな入賞があった場合にもオーバーフロー(overflow)入賞時の保留加算コマンド(以下、「OF保留加算コマンド」と略す)が作成され、演出制御部24に送信されるようになっている。上記「OF保留加算コマンド」は、オーバーフローの作動保留球であるため、先読み判定には利用されずに、専ら上述の「入賞演出」に利用されるが、以下のような演出を現出させるように構成することができる。
たとえば、演出制御部24が上記OF保留加算コマンドを受信した場合において、現在の作動保留球の中に「大当り(小当りを含んでも良い)」となるものが存在している場合、その旨を報知する予告演出(OF入賞時保留内予告演出)を現出可能に構成しても良い。この場合、演出制御部24は、保留加算コマンドを受信した場合、これに含まれる先読み判定情報を記憶する先読み判定情報記憶手段と、OF保留加算コマンドを受信した場合、現在の作動保留球の中に「大当り(小当りを含んでも良い)」となるものが存在している場合、大当りの可能性がある旨を報知する(所定の報知抽選により報知するか否かを決定しても良い)保留内予告演出手段と、を含むことができる。また、現在実行中の図柄変動表示ゲームの結果が「大当り(小当りを含んでいても良い)」である場合、その旨を報知する予告演出(OF入賞時変動中予告演出)を現出可能に構成しても良い。この場合、演出制御部24は、OF保留加算コマンドを受信した場合、現在の図柄変動に係るゲーム結果が「大当り(小当りを含んでも良い)」の可能性がある旨を報知する(所定の報知抽選により報知するか否かを決定しても良い)変動中予告演出手段を含むことができる。 斯様なOF保留加算コマンドによる予告演出は、オーバーフロー入賞の発生を契機に現出される入賞演出に準ずるものであるが、未だ最終結果が導出されていない図柄変動表示ゲームの結果を先読み的に報知するという点で、先読み予告演出と同じ役割を果たす。
(8−2.特図2始動口チェック処理:図11)
次、特図2始動口チェック処理(図9のステップS302)について説明する。図11は、特図2始動口チェック処理の詳細を示すフローチャートである。
上記特図2始動口チェック処理は、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、ここでは、特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理として、先に述べた特図1始動口チェック処理の流れと同じように、作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、保留加算コマンドの作成処理などの処理が行われる。以下、上記特図1始動口チェック処理(ステップS301)と同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図11において、CPU201は、まず下始動口35において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS331)。
下始動口35の入賞検出がなかった場合は(ステップS331:NO)、何もしないで特図2始動口チェック処理を抜ける。しかし下始動口35の入賞を検出した場合は(ステップS331:YES)、特別図柄2の作動保留球数が4以上であるか否か判定する(ステップS332)。
特図2作動保留球数が4以上である場合(ステップS332:YES)、ステップS345に進む。一方、特図2作動保留球数が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS312:NO)、特図2作動保留球数を1加算(+1)し(ステップS333)、ステップS334の処理に進む。
ステップS334の処理に進むと、今回発生した特図2作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム2に利用される各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、および変動パターン用乱数)の乱数カウンタの現在値を取得し、それぞれRAM203の保留記憶エリアに格納する(ステップS334)。この処理は、図10のステップS314の処理の仕方と同じである。この特図2作動保留球は、特別図柄2の変動表示動作に供されるまで、最大保留記憶数を所定の上限値として、始動条件の成立順に保留記憶される。
次いで、入賞コマンドデータとして、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(下位バイト「01H」)を取得し(ステップS335)、「特図2先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する(ステップS336)。上記「特図2先読み禁止条件」とは、特図2作動保留球を対象とした先読み判定を禁止するための条件である。
上記特図2先読み禁止条件が成立している場合(ステップS336:YES)、今回の特図2作動保留球を対象とした先読み判定が実行されず、これにより、先読み予告演出も実行されないことになる(ステップS336:YESの処理ルート)。本実施形態では、現在の遊技状態に基づき、先読み禁止か否かを判定するようになっている。具体的には、‘電サポ無し状態を伴う遊技状態’を伴う遊技状態中である場合、つまり内部遊技状態が、通常遊技状態中または潜確状態中である場合は、特別図柄2側の先読み判定を禁止する。このように、電サポ無し状態を伴う遊技状態中である場合に特別図柄2側の先読み判定を禁止する理由は、次の通りである。
「通常遊技状態」または「潜確状態」であるならば、‘電サポ無し状態’下に置かれ、下始動口35の入賞率が著しく低下する。また既に説明したように、本実施形態では、上記電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めた場合、左流下経路3bを遊技球が通過するように狙いを定めた場合よりも上始動口34の入賞率が著しく低下してしまう、といった遊技者にとって不利益をもたらす遊技性となっている。このため、電サポ無し状態中に遊技者が普通図柄始動口37側に発射位置を狙い定めることはないものと推定される。したがって、電サポ無し状態中においては、特図2作動保留球を対象とした先読み予告演出を発生させる必要性に乏しく、また発生率の低い特図2作動保留球を対象として先読み判定を一々行うようにすると、制御負担が増大してしまうといった問題が生じるからである。
なお本実施形態では、遊技状態に応じて、特別図柄1側の先読み禁止区間(先読み禁止状態の期間)と特別図柄2側の先読み禁止区間とを切り替え可能に構成されているが、本発明はこれに限られない。たとえば、遊技状態に応じて、特別図柄1側および特別図柄2側のいずれか一方の先読み判定は一切実施しないという構成としても良い。特にCZ中において、先読み判定を一切実施しない構成としても良い。
再びステップS336の説明に戻り、特図2先読み禁止条件が成立している場合には(ステップS336:YES)、ステップS340の処理に進む。しかし特図2先読み禁止条件が成立していない場合には(ステップS336:NO)、ステップS337の処理に進み、乱数判定処理を行う(ステップS337)。この乱数判定処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み当落判定」が行われる。また基本的な処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS317の乱数判定処理と同じである。
ステップS337の乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄データ作成処理を行う(ステップS338)。この特別停止図柄データ作成処理では、特別図柄変動表示ゲーム2に係る「先読み図柄判定」が行われる。また基本的な処理の仕方は、図10の特図1始動口チェック処理中のステップS318の特別停止図柄データ作成処理と同じである。
次いで、特図1始動口チェック処理中と同様の始動口入賞時乱数判定処理を行い(ステップS339)、入賞コマンドデータと作動保留球数に基づき、保留加算コマンドを作成し(ステップS340)、作成した保留加算コマンドを演出制御部24に送信して(ステップS341)、特図2始動口チェック処理を抜ける。
(8−3.特別図柄変動開始処理:図12)
次に、特別図柄変動開始処理(ステップS305)について説明する。図12は、図9の特別図柄変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、CPU201は、まず特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS401)、特図2作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS401:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS403〜S416)を行う。一方、特図2作動保留球数がゼロの場合には(ステップS401:YES)、続いて特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し(ステップS402)、特図1作動保留球数がゼロでない場合には(ステップS402:NO)は、ステップS403の処理に進み、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S416)を行う。このステップS401とS402の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。ステップS401とS402の処理は、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球を優先的に消化させる「優先変動手段」として機能する。
本実施形態では、上記優先変動手段により、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている。より詳しくは、特別図柄1または特別図柄2が停止表示されたことを条件に、上記第1の保留記憶エリア(第1の保留記憶手段(特別図柄1側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄1に関する保留データ(第1の保留記憶:特図1作動保留球)が記憶されており上記第2の保留記憶エリア(第2の保留記憶手段(特別図柄2側の作動保留球に係る保留記憶エリア))に特別図柄2に関する第2の保留データ(第2の保留記憶:特図2作動保留球)が記憶されていない場合には、当該第1の保留データのうちの最も先に記憶された保留データに基づく第1の特別図柄の変動表示を開始させる一方、当該第2の保留記憶エリアに当該第2の保留データが記憶されている場合には、その第1の保留記憶エリアに上記第1の保留データが記憶されているか否かにかかわらず、当該第2の保留データのうち最も先に記憶された保留データに基づく当該第2の特別図柄の変動表示を開始させるようになっている。
なお特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合(ステップS401:YES、かつステップS402:YES)、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、かつ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、デモ画面表示に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS417に進み、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H)」であるか否かを判定する。この「待機中(00H)」は、上記「作動保留球なし」の状態を示す動作ステータスである。初めてステップ417の判定処理を通過する場合には、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」となっている(後述の図15Aの特別図柄確認時間中処理中のステップS472参照)。この「待機中(01H)」の場合には、ステップ418の処理に進み、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに00Hを格納:ステップS418)、演出制御コマンドとして、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信して(ステップS419)、特別図柄変動開始処理を抜ける。演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなし、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示」を行うこととしている。
特図1作動保留球数または特図2作動保留球数がゼロでない場合は(ステップS401:NOまたはS402:NO)、今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS403〜S417)を行っていく。なお、以下に説明するステップS403〜S417の処理については、上記のステップS401の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS402の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理なのか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理なのかという区別せずに説明していく。
ステップS403に進むと、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1:ステップS403)、減算後の作動保留球数情報が含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS404)。
次いで、特別図柄作動確認データを格納する(ステップS405)。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、たとえば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H」を特別図柄作動確認データに格納する。
次いで、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトして(ステップS406)、保留4記憶エリアをゼロクリアする(ステップS407)。このステップS406〜S407の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS406)、保留4記憶エリアをクリアする(ステップS407)。つまり、保留1記憶エリアの保留データを判定用乱数記憶エリアにシフトするとともに、保留2記憶エリア以降の保留データを1つずつ下位側の番号(保留2記憶エリア→保留1記憶エリア、保留3記憶エリア→保留2記憶エリア、保留4記憶エリア→保留3記憶エリア)にそれぞれシフトして上書きし、保留4記憶エリアに空き領域を設ける(新たな作動保留球が発生しない場合は、ステップS407の処理を行うごとに空き領域が順次シフトされていくので、全作動保留球消化時には、全保留記憶エリアが空き領域となる)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球がいずれの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、残り時短回数コマンド送信処理を行う(ステップS408)。ここでは、後述の特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタ)がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「残り時短回数コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS408)。この「残り時短回数コマンド」は、演出制御部24側において、残りの時短回数情報を報知する際に利用される。
次いで、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う(ステップS409)。この特別電動役物作動判定用乱数判定処理では、大当り判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「当落抽選」を行う。なお特別電動役物作動判定用乱数判定処理は、「当落抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「当落抽選」を行う。特別電動役物作動判定用乱数判定処理の処理手順は、乱数判定処理(図10のステップS319、図11のステップS339)と実施的に同じ処理手順であるので、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データに基づき、今回の変動表示側に対応する当り乱数判定テーブルを取得する。この当り乱数判定テーブルは、乱数判定処理(図10のステップS317、図11のステップS337)で利用した当り乱数判定テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と当り乱数判定テーブルとに基づく、大当り、小当り、およびハズレの別の当落抽選を行う。
この当落抽選により、「大当り」当選となった場合には大当り判定フラグが「5AH」に設定され、それ以外の判定値に属する場合には「大当り非当選」となる。また「小当り」当選となった場合には小当り判定フラグが「5AH」となり、それ以外の判定値に属する場合には「小当り非当選」となる。したがって大当り判定用乱数値が、大当り判定フラグ「00H」、かつ小当り判定「00H」となる判定値に属する場合、「大当り」および「小当り」のいずれにも当選しなかったことになり、今回の当落判定結果は‘ハズレ’となる。
ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理を終えると、次いで、特別停止図柄作成処理を行う(ステップS410)。この特別停止図柄作成処理では、ステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理の当落抽選結果と特別図柄判定用乱数値を利用し、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行う。なお特別停止図柄作成処理は、「図柄抽選」を行うといった点において‘先読み判定’処理の一つである「特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)」と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした‘変動開始時の判定’における「図柄抽選」を行う。特別停止図柄作成処理の基本的な処理手順は、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)と同じであるので、重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
ここではまず、特別図柄作動確認データとステップS409の特別電役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果(上記大当り判定フラグと小当り判定フラグ)と、を取得し、これらに基づき、今回の変動表示側に対応する図柄テーブルとして、大当り図柄テーブル1、2、小当り図柄テーブル、ハズレ図柄テーブル1、2のいずれかを選択する。この図柄テーブルは、特別停止図柄データ処理(図10のステップS318、図11のステップS338)で利用した図柄テーブルと同じものである。次いで、判定用乱数記憶エリアに格納された特別図柄判定用乱数値を取得し、上記選択した図柄テーブルと、特別図柄判定用乱数値とに基づき、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る「図柄抽選」を行い、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別を決定する。
ステップS410の特別停止図柄作成処理を終えると、次いで、遊技状態移行準備処理を行う(ステップS411)。この遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。なお、この遊技状態移行準備処理の詳細は図13にて後述する。
ステップS411の遊技状態移行準備処理を終えると、次いで、特別図柄変動パターン作成処理を行う(ステップS412)。この特別図柄変動パターン作成処理では、変動パターン振分指定番号(現在の遊技状態)、特別電動役物作動判定用乱数判定処理で得られた当落抽選結果、特別停止図柄作成処理の図柄抽選結果、および変動パターン用乱数などを利用し、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。そして、その変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターンの内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信する。なお、特別図柄変動パターン作成処理は、特別図柄の変動パターンを決定するといった点において‘先読み判定’処理の一つである始動口入賞時乱数判定処理および保留加算コマンドに関する作成処理(図10のステップS319〜S320、図11のステップS339〜S340)と同じような働きをする処理であるが、ここでは、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした特別図柄の変動パターン、つまり変動開始時の変動パターンが決定される。
ここではまず、変動パターン用乱数値を取得し、次いで、大当り抽選結果(当落抽選、図柄抽選)に基づき、下記の当り変動パターン振分テーブル(図示せず)またはハズレ変動パターン振分テーブル(図示せず)を取得する。そして、この変動パターン振分テーブルと変動パターン用乱数値と基づき、特別図柄の変動パターンを抽選により決定する。
(T−3.変動パターン振分テーブル)
本実施形態の変動パターン振分テーブルには、当り(大当りまたは小当り)に当選した場合に選択される「当り用変動パターン振分テーブル」と、ハズレに当選した場合に選択される「ハズレ用変動パターン振分テーブル」とが含まれる。
各変動パターン振分テーブルには、変動パターン振分指定番号(現在の遊技状態)、作動保留球数(今回変動表示動作に供される作動保留球を除く、残りの作動保留球数「0個」〜「3個」)、大当り抽選結果(特別停止図柄作成処理(ステップS410)の図柄抽選結果)、および変動パターン用乱数値(乱数値の大きさ:239)などが関連付けて定められており、変動パターン用乱数による抽選により複数種類の変動パターンのうちからいずれかの変動パターンが選択されるようになっている。
また変動パターンの決定に伴い、その変動パターンに対応した「変動時間決定テーブル」も決定される。この「変動時間決定テーブル」には、変動時間(図柄変動表示動作時間)が定められており、上記決定された変動パターンに対応した変動時間決定テーブルを参照することにより、今回の変動パターンの変動時間が定まることになる。なお、この変動時間は、特別図柄変動表示ゲームと同調して実行される装飾図柄変動表示ゲームの遊技時間(装飾図柄の変動表示時間(演出時間))となる。
このようにして決定された変動パターンに関する情報には、主に、当り・ハズレの別の当落抽選結果(詳細な図柄抽選結果情報は、装飾図柄指定コマンドに含まれる)、現在の遊技状態種別、変動時間、特定の予告演出の実行指定情報(リーチ演出種(Nリーチ、通常中SPリーチ1〜7など)の指定情報、および疑似連回数の指定情報など)が含まれる。CPU201は、その内容を特定可能とする「変動パターン指定コマンド」を作成し、これを演出制御部24側へと送信し、演出制御部24は、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、今回の図柄変動表示ゲーム中の演出を現出制御するようになっている。
(2R短開放潜確大当り当選・小当り当選時の当り変動パターンについて)
本実施形態では、2R短開放潜確大当り当選した場合と小当りに当選した場合とで、同じ当り変動パターン(通常中2R潜確・小当り1、通常中2R潜確・小当り2が選択されるようになっている。これは、2R短開放潜確大当り当選した場合と小当りに当選した場合とで、同じ変動時間(演出時間)が決定されるようにし、演出選択する上で、どちらの当りに当選したかを不明確にさせる演出処理を行うためである。
再び図12の説明に戻り、ステップ412の特別図柄変動パターン作成処理を終えると、次いで、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する(ステップS413)。上記「特別図柄N変動中フラグ」とは特別図柄1、2のどちらの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄が停止中である旨を示す。なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応する。
次いで、ステップS410の特別停止図柄作成処理で得られた図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し(ステップS414)、演出制御部24に送信する(ステップS415)。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、大当り種別、小当り種別、ハズレ種別を指定する下位バイト(EVNET)の2バイトで構成される。したがって、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。たとえば、上位バイト(MODE)側には、変動側の特別図柄が特図1の場合は「BBH」、特図2の場合は「BCH」が設定され、下位バイト(EVENT)側には、当選種別がハズレA〜Bの場合は「01H」〜「02H」、小当りA〜Cの場合は「03H」〜「05H」、大当りの場合は16R長開放条件付確変大当り(7図柄直当り)が「06H」、16R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りA)が「07H」、12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りBが「08H」)、14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB1)が「09H」、14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB2)が「0AH」、14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB3)が「0BH」、14R長短開放条件付確変大当り(シナリオBB4)が「0CH」、14R長短開放非確変大当り(シナリオBB5)が「0DH」、16R長開放条件付確変大当り(7図柄当りC)が「0EH」、12R長開放条件付確変大当り(7図柄以外当りD)が「0FH」、2R短開放潜確大当りが「10H」が設定される。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せを決定する際に利用される。たとえば、7図柄直当りであれば、装飾停止図柄を「777」の組合せで停止させる。
そして、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS416)。
以上により、この特別図柄変動開始処理を抜けると、図9の特別図柄表示データ更新処理(ステップS309)を行い、かくして特別図柄の変動表示が開始されることになる。これにより、特別図柄管理処理(ステップS059)を抜けて、図8の特別電動役物管理処理(ステップS060)に進む。
(8−3−1.遊技状態移行準備処理:図13)
次に、上記の遊技状態移行準備処理(ステップS411)について説明する。図13は、図12の遊技状態移行準備処理の詳細を示すフローチャートである。
図13において、CPU201は、まず大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS431)。大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS431:≠5AH)、何もしないで遊技状態移行準備処理を抜ける。
大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS431:=5AH)、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図58)を取得する(ステップS432)。
次いで、取得した遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、遊技状態判定番号(YJ)と大当り種別(特別図柄判定データ)とに応じた遊技状態移行テーブル(図59A)を取得し(ステップS433)、この遊技状態移行テーブルに定められたデータを後述の各種バッファに格納する(ステップS434:状態バッファ設定処理)。これらバッファに格納された値は、後述する特別電動役物管理処理中の大当り終了処理(図16のステップS509)で読み出され、RAM203の所定の記憶領域(各々のバッファに対応したフラグ記憶領域やカウンタ記憶領域)に格納される。ステップS434の処理を終えると、遊技状態移行準備処理を抜けて、図15の特別図柄変動パターン作成処理(ステップS412)に進む。なお、この遊技状態移行準備処理では、大当りに当選した場合の遊技状態の移行に関する設定処理が行われ、小当りに当選した場合の遊技状態の移行に関する設定処理は、後述の電動役物管理処理中の小当り処理(図16のステップS504参照)で行われるようになっている。
(T−4.大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図58)
図58に、大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の大当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、遊技状態判定番号(YJ)と当選種別(特別図柄判定データ:ここでは大当り種別)とに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブルが定められており、具体的には、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに基づき、図59Aに示す複数種類の遊技状態移行テーブルのうちからいずれかの遊技状態移行テーブル(大当り用の遊技状態移行テーブル)が選択されるようになっている。
また図60に、小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブル(「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」:図61参照)が定められている。具体的には、遊技状態判定番号(YJ)と特別図柄判定データとに基づき、図61に示す複数種類の小当り用遊技状態移行テーブルのうちからいずれか一つの小当り用遊技状態移行テーブルが決定されるようになっている。
ここで「遊技状態判定番号(YJ)」とは、内部遊技状態を識別するためのデータである。図62の変動パターン振分指定番号表を参照して説明すれば、遊技状態判定番号(YJ)が「00H」の場合は「通常遊技状態(電サポ無し状態、低確)」を、「01H」の場合は「潜確状態(電サポ無し状態、高確)」を、「02H」の場合は「時短状態(電サポ有り状態、低確)」、「03H」の場合は「確変状態(電サポ有り状態、高確率)」をそれぞれ示す。したがって、遊技状態判定番号(YJ)は上記のような内部遊技状態を識別する点で、変動パターン振分指定番号(Tcode)のように遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
(T−5.遊技状態移行テーブル:図59A)
図59Aに、上述の大当り用遊技状態移行テーブルを示す。本実施形態の遊技状態移行テーブルには、大当りの場合に選択されうる大当り用遊技状態移行テーブルの「JTTBL−1」〜「JTTBL−4」(図59A)とが含まれる。
これら遊技状態移行テーブルには、当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するための複数種類データ群が定められている。具体的には、普電役物開放延長移行状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特別図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短回数カウンタバッファ、特別図柄確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号バッファ、および特別図柄変動回数カウンタバッファに格納するための各種のデータが定められている。これらのバッファに格納された値は、必要なタイミングで読み出され、RAM203に設けられた所定のフラグ記憶領域や所定のカウンタ記憶領域に設定される。この各バッファに各遊技状態移行テーブルにより指定される各種データが格納されると、当り遊技終了後の遊技状態が定まることになる。
本実施形態の「JTTBL−1」は‘条件付確変状態’に、「JTTBL−2」は‘潜確状態’に、「JTTBL−4」は‘時短状態’に移行させるための遊技状態移行テーブルである。以下に、上述の各種バッファの役割について説明する。
(普電役物開放延長移行状態バッファ)
「普電役物開放延長移行状態バッファ」は、普電役物開放延長状態フラグの設定を行うために利用される。「普電役物開放延長状態フラグ」とは、開放延長機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には開放延長機能作動中の「電サポ有り状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には開放延長機能非作動の「電サポ無し状態」である旨を示す。
(普通図柄時短移行状態バッファ)
「普通図柄時短移行状態バッファ」は、普通図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄時短状態フラグ」とは、普通図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄時短機能作動中の「普通図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄短機能非作動の「普通図柄非時短状態」である旨を示す。
(普通図柄確変移行状態バッファ)
「普通図柄確変移行状態バッファ」は、普通図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「普通図柄確変状態フラグ」とは、補助当り抽選確率状態、つまり普通図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には普通図柄確変機能作動中の「補助当り確変状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には普通図柄確変機能非作動の「補助当り低確率状態」である旨を示す。
(特別図柄時短状態移行状態バッファ)
「特別図柄時短状態移行状態バッファ」は、特別図柄時短状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄時短状態フラグ」とは、特別図柄時短機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄時短機能作動中の「特別図柄時短状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄時短機能非作動の「特別図柄非時短状態」である旨を示す。
(特別図柄確変移行状態バッファ)
「特別図柄確変移行状態バッファ」は、特別図柄確変状態フラグの設定を行うために利用される。「特別図柄確変状態フラグ」とは、特別図柄確変機能の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には特別図柄確変機能作動中の「高確率状態」である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には特別図柄確変機能非作動の「低確率状態」である旨を示す。
また図13の遊技状態移行準備処理で遊技状態移行テーブルが参照される際には、大当り遊技中でV入賞して確変状態に移行するかどうかがまだ定かでないため、特別図柄確変移行状態バッファには値が格納されていない。特別図柄確状態フラグが如何なる値を取るべきかは、大当り終了時(図24のステップS595)において判明する。大当り終了時に、大当り遊技中にV入賞したことが確認された場合(V通過フラグがONの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、確変状態とする値(5AH)が特別図柄確状態フラグにセットされ、また、V入賞したことが確認されなかった場合(V通過フラグがOFFの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、時短状態とする値(00H)が特別図柄確状態フラグにセットされる。
(特別図柄時短回数カウンタバッファ)
「特別図柄時短回数カウンタバッファ」は、特別図柄時短回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄時短回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄時短機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「特別図柄時短状態」が終了するまでの残り回数を計数するためのカウンタである。なお本実施形態では、特別図柄時短状態の終了に伴い、電サポ有り状態である高ベース遊技状態も終了されるようになっている(図15BのステップS481参照)。
また図13の遊技状態移行準備処理で参照される際には、大当り遊技中でV入賞して確変状態に移行するかどうかがまだ定かでないため、特別図柄時短回数カウンタには値が格納されていない。特別図柄時短回数カウンタが如何なる値を取るべきかは、大当り終了時(図24のステップS595)において判明し、大当り遊技中にV入賞したことが確認された場合(V通過フラグがONの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、確変状態とする値(70回)が特別図柄時短回数カウンタにセットされ、また、V入賞したことが確認されなかった場合(V通過フラグがOFFの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、時短状態とする値(50回)が特別図柄時短回数カウンタにセットされる。
(特別図柄確変回数カウンタバッファ)
「特別図柄確変回数カウンタバッファ」は、特別図柄確変回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄確変回数カウンタ」とは、特別図柄の変動回数(特別変動表示ゲームの実行回数)により「特別図柄確変機能」の作動が終了するまでの残り回数、つまり「高確率状態」が終了するまでの残り回数(残りST回数)を計数するためのカウンタである。
また図13の遊技状態移行準備処理で参照される際には、大当り遊技中でV入賞して確変状態に移行するかどうかがまだ定かでないため、特別図柄確変回数カウンタには値が格納されていない。特別図柄確変回数カウンタが如何なる値を取るべきかは、大当り終了時(図24のステップS595)において判明し、大当り遊技中にV入賞したことが確認された場合(V通過フラグがONの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、確変状態とする値(70回)が特別図柄確変回数カウンタにセットされ、また、V入賞したことが確認されなかった場合(V通過フラグがOFFの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、時短状態とする値(0回)が特別図柄確変回数カウンタにセットされる。
なお上述したように、JTTBL−1とJTTBL−4に関しては、図13の遊技状態移行準備処理で参照される際には、大当り遊技中でV入賞して確変状態に移行するかどうかがまだ定かでないので、確変状態または時短状態を定めるための設定値として、特別図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短回数カウンタバッファ、特別図柄確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号バッファ、および特別図柄変動回数カウンタバッファについては、大当り終了時(図24のステップS595)に図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、V通過フラグON・OFFに応じた値を設定すると説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図13の遊技状態移行準備処理で参照される際には、JTTBL−1が参照される場合は確変状態に移行するものと一旦仮定して、各バッファに対し確変状態に移行させるための該当値を設定し、JTTBL−4が参照される場合は時短状態に移行するものと一旦仮定して、各バッファに対し時短状態に移行させるための該当値を設定し、大当り終了時において図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、V通過フラグON・OFFに応じた値に書き換えるように構成しても良い。
(変動パターン振分指定番号バッファ)
「変動パターン振分指定番号バッファ」は、変動パターン振分指定番号(Tcode)の設定を行うために利用される。この変動パターン振分指定番号(Tcode)は、遊技状態を特定するための遊技状態データである。変動パターン振分指定番号(Tcode)は、RAM203の変動パターン振分指定番号格納領域に設定され、遊技状態が移行されると、この変動パターン振分指定番号が変更される、ことにより管理されている(ことにより管理されている(特別図柄確認時間中処理(図15B)のステップS481、S486、S490、遊技状態移行準備処理(図12のS411、図13のS434、特別電動役物管理処理(図16)など)。
図13の遊技状態移行準備処理で参照される際には、大当り遊技中でV入賞して確変状態に移行するかどうかがまだ定かでないため、変動パターン振分指定番号(格納領域)には値が格納されていない。変動パターン振分指定番号が如何なる値を取るべきかは、大当り終了時(図24のステップS595)において判明し、大当り遊技中にV入賞したことが確認された場合(V通過フラグがONの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、確変状態とする値(03H)が変動パターン振分指定番号(格納領域)にセットされ、また、V入賞したことが確認されなかった場合(V通過フラグがOFFの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、時短状態とする値(04H)が変動パターン振分指定番号(格納領域)にセットされる。
(特別図柄変動回数カウンタバッファ)
「特別図柄変動回数カウンタバッファ」は、特別図柄変動回数カウンタの設定を行うために利用される。上記「特別図柄変動回数カウンタ」とは、遊技状態移行条件となる特別図柄の変動回数(以下、「遊技状態移行規定回数」と称する)を計数するためのカウンタである。本実施形態では、たとえば、「小当り」や「2R短開放潜伏確変大当り」に当選した場合、「通常C(通常または潜確)」、「通常B(通常または潜確)」から「通常A」の遊技状態移行条件として、遊技状態移行規定回数の15回、30回、100回などが設定される(図59A、図60参照)。
また図13の遊技状態移行準備処理で参照される際には、大当り遊技中でV入賞して確変状態に移行するかどうかがまだ定かでないため、特別図柄変動回数カウンタには値が格納されていない。特別図柄変動回数カウンタが如何なる値を取るべきかは、大当り終了時(図24のステップS595)において判明し、大当り遊技中にV入賞したことが確認された場合(V通過フラグがONの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、確変状態用の値(0回)が特別図柄変動回数カウンタにセットされ、また、V入賞したことが確認されなかった場合(V通過フラグがOFFの場合)には図59Bに示す大当り終了時移行テーブルを参照して、時短状態用の値(0回)が特別図柄変動回数カウンタにセットされる。
(8−4.特別図柄変動中処理:図14)
次に、特別図柄変動中処理(ステップS307)について説明する。図14は、図9の特別図柄変動中処理(ステップS307)の詳細を示すフローチャートである。
図14において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。特別図柄役物動作タイマがゼロでない場合は(ステップS451:NO)、未だ特別図柄の変動時間が経過していない、つまり特別図柄が変動中であるので、何もしないでこの特別図柄変動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS451:YES)、演出制御コマンドとして、特別図柄の変動が終了したことを示す「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS452)。この変動停止コマンドにより、演出制御部24側では、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したことを把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示(確定表示)させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。
次いで、特別図柄の変動停止時の設定処理として、RAM203の特別図柄確定タイマに、特別図柄確定信号出力時間(たとえば、100ms)を格納し、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(たとえば、500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄変動中フラグに00H(OFF状態)を格納し(ステップS453)、この特別図柄変動中処理を抜ける。上記「特別図柄確定信号出力時間」とは、枠用外部端子基板21からホールコンピュータHCに対し、特別図柄が確定表示された旨を報知する特別図柄確定信号の出力時間を確保するための余裕時間である。また「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
ステップS453の処理を終えると、この特別図柄変動中処理を抜けて、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(8−5.特別図柄確認時間中処理(変動停止時処理):図15Aおよび図15B)
次に、特別図柄確認時間中処理(ステップS308)について説明する。図15Aおよび図15Bは、図9の特別図柄確認時間中処理(ステップS308)の詳細を示すフローチャートである。
図15Aおよび図15Bにおいて、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS471)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「確定表示時間」が設定されている(図14のステップS453参照)。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS471:NO)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS471:YES)、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)(ステップS472)、現在の遊技状態に応じた遊技状態判定番号(YJ)をRAM203の遊技状態判定領域に格納する(ステップS473)。
次いで、大当り判定フラグを取得し、大当り判定フラグの状態を判定する(ステップS474)。
(大当り判定フラグがON状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS474:=5AH)、大当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS475)。ここでは、大当り図柄停止時の各種設定処理(大当り遊技の開始前処理)として、大当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、条件装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、さらに、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、および特別図柄変動回数カウンタの各々に00H(OFF状態)を格納し、変動パターン振分指定番号(Tcode)に00H(通常状態指定)を格納し、遊技状態報知LED(図示せず)の点灯・消灯を指定する遊技状態報知LED出力番号に00Hを格納して、この特別図柄確認時間中処理を抜ける。上記「遊技状態報知LED」とは、現在の遊技状態情報を報知する状態報知手段である。本実施形態の遊技状態報知LED(状態報知手段)は、特別図柄時短状態であるか否かを報知するために利用される。CPU201は、遊技状態報知LED出力番号に応じて、遊技状態報知LED(状態報知手段)の報知態様を変化させる。たとえば、上記遊技状態報知LED出力番号が「00H」の場合、現在、特別図柄時短状態ではない旨が(遊技状態報知LED:消灯状態(非特別図柄時短状態報知)、「01H」の場合には、現在、特別図柄時短状態である旨が報知される(遊技状態報知LED:点灯状態(特別図柄時短状態報知)。
(大当り判定フラグがOFF状態の場合)
上記ステップS474の判定で、大当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS474:≠5AH)、次いで、小当り判定フラグを取得し、小当り判定フラグの状態を判定する(ステップS476)。小当り判定フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS476:≠5AH)、ステップS478の処理に進む。小当り判定フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS476:=5AH)、小当り図柄停止時の各種設定処理を行う(ステップS477)。ここでは、小当り図柄停止時の各種設定処理(小当り遊技開始前処理)として、小当り判定フラグに00H(OFF状態)を格納し、小当り中フラグに5AH(ON状態)を格納する。上記小当り図柄停止時の各種設定処理を終えると、ステップS478の処理に進む。
ステップS478の処理に進むと、特別図柄時短回数カウンタ(特別図柄時短状態の残り回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS478)。特別図柄時短回数カウンタがゼロである場合(ステップS478:YES)、何もしないでステップS483の処理に進む。
特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS478:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄時短回数カウンタを1減算し(ステップS479)、減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS480)。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロでない場合(ステップS480:NO)、特別図柄時短状態の終了回数(時短状態であれば50回、確変状態であれば70回)に達していないので、何もしないでステップS483の処理に進む。
減算後の特別図柄時短回数カウンタがゼロの場合(ステップS480:YES)、特別図柄時短状態の終了回数に達したとして、時短終了時の設定処理を行う(ステップS481)。ここでは、時短終了時の設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、および特別図柄時短状態フラグの各々に00H(OFF状態)を、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより次ゲームから、電サポ無し状態下に置かれることになる。
ステップS481の時短終了時の設定処理を終えると、演出制御コマンドとして、特別図柄時短状態が終了した旨を示す(電サポ無し状態移行情報)「時短終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS482)。演出制御部24は、この時短終了コマンドを受信することで、次ゲームから‘電サポ無し状態’となる旨を把握する。なお本実施形態では、電サポ有り状態から電サポ無し状態に移行する場合は、通常状態に移行することと同じであるので、演出制御部24がこの「時短終了コマンド」を受けると、通常状態に移行される旨を把握し、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替えて当該通常演出モード下に係る演出制御処理を行う。
次いでステップS483の処理に進むと、特別図柄確変回数カウンタ(残りST回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS483)。
特別図柄確変回数カウンタがゼロである場合(ステップS483:YES)、ステップS488の処理に進む。
特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS483:NO)、今回の特別図柄の変動回数消化分として、特別図柄確変回数カウンタを1減算し(ステップS484)、その減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS485)。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロでない場合(ステップS485:NO)、ST規定回数(本実施形態では、70回)に達していないので、何もせずにステップS487の処理に進む。
減算後の特別図柄確変回数カウンタがゼロの場合(ステップS485:YES)、特別図柄の変動回数がST規定回数に達したとして、確変終了時の設定処理を行う(ステップS486)。ここでは、潜確状態終了または確変状態終了に伴う通常遊技状態への移行設定処理として、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、および特別図柄確変状態フラグの各々に00H(OFF状態)を格納し、また変動パターン振分指定番号(Tcode)に00Hを、遊技状態報知LED出力番号に00H(非特別図柄時短状態指定)を格納する。これにより、次ゲームから、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態下に置かれることになる。
上記ステップS486の確変終了時の設定処理を終えると、ステップS487の処理に進み、特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否か、つまり遊技状態移行規定回数(CZ継続回数)がゼロであるか否かを判定する(ステップS487)。
特別図柄変動回数カウンタがゼロである場合(ステップS487:YES)、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS487:NO)、今回の変動回数の消化分として、特別図柄変動回数カウンタを1減算し(ステップS488)、その減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS489)。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロでない場合(ステップS489:NO)、遊技状態移行規定回数に達していないとして、何もしないでこの特別図柄確認時間中処理を抜ける。
減算後の特別図柄変動回数カウンタがゼロの場合(ステップS489:YES)、特別図柄の変動回数が遊技状態移行規定回数に達したとして、遊技状態の移行設定処理を行う(ステップS490:変動パターン振分指定番号設定処理)。ここでは、「通常A」への移行設定処理として、変動パターン振分指定番号(Tcode)に「00H(通常A指定)」を格納する。これにより、特別図柄の変動パターンの選択条件が変更されることになる。具体的には、今回の特別図柄変動表示ゲームで「通常B」または「通常C」が終了して、次回の特別図柄変動表示ゲームでは、「通常A」における特別図柄の変動パターンが選択されることになる。このステップS490処理は、所定の選択変更条件の成立に基づき、特別図柄の変動パターンの選択条件を切替制御するための選択条件切替手段として働く。
次いで、演出制御コマンドとして、移行先の遊技状態情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS491)。この「遊技状態指定コマンド」により演出制御部24は、「通常B」または「通常C」が終了し、次ゲームから「通常A」となる旨を把握する。これにより、演出制御部24は、次に行われる装飾図柄変動表示ゲームを開始する際、「通常A演出モード」用の背景画像(背景演出)に切り替え、当該演出モード下での演出制御処理を行う。
以上により、この特別図柄確認時間中処理を抜けると、図9のステップS309の特別図柄表示データ更新処理を行った後、特別図柄管理処理を抜けて、図8のステップS060の特別電動役物管理処理に進む。
(9.特別電動役物管理処理:図16)
次に、図8中の特別電動役物管理処理(ステップS060)について説明する。図16は、ステップS060の特別電動役物管理処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、CPU201は、まず小当り中フラグの状態を判定する(ステップS501)。上記小当り中フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS501:=5AH)、小当り遊技に係る特別変動入賞装置52の一連の動作を制御するための小当り処理を行い(ステップS504)、この特別電動役物管理処理を抜ける。
上記小当り中フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS501:≠5AH)、次いで、条件装置作動フラグの状態を判定する(ステップS502)。条件装置作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS502:≠5AH)、この場合は、小当り遊技中ではなく(ステップS501:≠5AH)、大当り遊技中でもないので、何もしないでこの特別電動役物管理処理を抜ける。
条件装置作動フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS502:=5AH)、
特別電動役物動作ステータス(00H〜04H)に応じた処理を行う(ステップS503:特別電動役物ステータス分岐処理)。なお「特別電動役物動作ステータス」とは、特別変動入賞装置52の挙動を示すステータス値であり、このステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別電動役物動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS503の特別電動役物動作ステータス分岐処理では、特別電動役物動作ステータス値に応じた処理を呼び出して実行させる。具体的には、特別電動役物動作ステータスが「開始処理中(00H)」の場合には、大当り開始処理(ステップS505)を、「作動開始処理中(01H)」の場合には、特別電動役物作動開始処理(ステップS506)を、作動中(02H)」の場合には、特別電動役物作動中処理(ステップS507)を、「継続判定中(03H)」の場合には、特別電動役物作動継続判定処理(ステップS508)を、「終了処理中(04H)」の場合には、大当り終了処理(ステップS509)を呼び出して実行させる。これらの処理により大当り遊技に係る特別変動入賞装置52の動作が制御される。ここで、上述の「開始処理中(00H)」とは、大当り遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動開始処理中(01H)」とはラウンド遊技開始前の待機状態である旨を示し、「作動中(02H)」とはラウンド遊技が実行中である旨を示し、「継続判定中(03H)」とは次回のラウンド遊技を継続させるか否かの判定中である旨を示し、「大当り終了処理中(04H)」とは大当り遊技終了時の終了処理中である旨を示す。上記ステップS505〜S509のいずれかの処理を終えると、特別電動役物管理処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
以下に、大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)と、小当り遊技制御処理(ステップS504)とについて説明する。
<大当り遊技制御処理(ステップS505〜S509)>
まず、大当り開始処理(図16のステップS505)について説明する。図17は、大当り開始処理の詳細を示すフローチャートである。
(9−1.大当り開始処理:図17)
大当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、大当りとなった場合には、まず最初に、この大当り開始処理が行われるようになっている。
図17において、CPU201は、まず、大当り遊技を開始する際に必要な大当り開始時の設定処理を行う(ステップS511:大当り開始時の設定処理)。ここでは、大当り開始時の設定処理として、役物連続作動装置作動フラグに5AH(ON状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、連続回数カウンタに01Hを格納する。上記「役物連続作動装置作動フラグ」とは、役物連続作動装置の作動状態を指定するためのフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には役物連続作動装置作動中(ラウンド遊技継続可)である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には役物連続作動装置非作動(ラウンド遊技継続不可)である旨を示す。また「連続回数カウンタ」とは、ラウンド遊技の連続実行回数を管理するためのカウンタであり、現在のラウンド数はここに記憶される。ここでの連続回数カウンタは「01H」が設定されるので、現在のラウンド数は1R目を示している。
次いで、大当り開始設定テーブル(図52)を取得し(ステップS512)、その大当り開始設定テーブルを参照して、特別図柄判定データ(大当り種別)に応じて、最大ラウンド数(規定ラウンド数)、ラウンド表示LED番号をそれぞれに対応するRAM203の記憶領域に格納し、また特別図柄役物動作タイマに「大当り開始インターバル時間」を格納する(ステップS513:特別図柄判定データ別設定処理)。以下では、場合により「インターバル」を「INT」と略す。
(T−13.大当り開始設定テーブル:図52)
本実施形態の大当り開始設定テーブルには、大当り種別を識別する「特別図柄判定データ」と、「最大ラウンド数、大当り開始インターバル時間、およびラウンド表示LED番号」とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定データに応じて「最大ラウンド数、大当り開始インターバル時間、およびラウンド表示LED」が決定されるようになっている。ここで「大当り開始インターバル時間」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して大当りが確定した後(図14のステップS453の、図15AのステップS471参照)、特別変動入賞装置52が作動して1R目のラウンド遊技が開始するまでのインターバル(開始INT)区間についての時間幅、通常はオープニング(ファンファーレ)演出が行われる区間(1回目のラウンド遊技が行われる前の初回演出区間)についての時間幅を指す。また「ラウンド表示LED番号」とは、ラウンド数表示装置39b(ラウンド数表示手段)の報知態様を指定するデータで、今回の大当り遊技の最大ラウンド数(規定ラウンド数)を示す。
この図52の大当り開始設定テーブルにおいて、大当り開始インターバル時間の欄に「ソフト上の最短秒数」と記載されているのは、プログラム上の最短時間(主制御側のタイマ割込周期の4msまたはその倍数)に設定することを意味しており、人が視認し得ない値にすることにより、実質上「大当り開始インターバル」を省略するものである。
上記ステップS513の特別図柄判定データ別設定処理を終えると、当り中演出の開始つまりOP演出の開始を指示する「大当り開始コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS514)。なお「大当り開始コマンド」には、OP演出の開始を指示する役割の他、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とを特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技中に展開される一連の当り演出態様(大当り種別ごとに対応するOP演出、ラウンド演出、ラウンド終了演出、およびED演出などを含む一連の「当り中演出シナリオ」)を遂行する際にも利用される。
以上により、この大当り開始処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−2.特別電動役物作動開始処理:図18)
次に、特別電動役物作動開始処理(図16のステップS506)について説明する。図18は、特別電動役物作動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図18において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS521)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、「ラウンド遊技開始前のインターバル時間」が設定されている。このインターバル時間としては、初回のラウンド(1R目)では、図17のステップS513で設定された「大当り開始インターバル時間」が監視されるが、1R目以降でこのステップS521を通過するときは、残存球排出時間(1980ms)に続く「開放前インターバル時間(後述の図23のステップS575で設定されるインターバル時間)の20ms」が監視される。この特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS521:NO)、何もしないでこの特別電動役物作動開始処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ、つまり開放前インターバル時間が経過したならば(ステップS521:YES)、ラウンド遊技の開始となる大入賞口開放開始動作に伴い、「大入賞口開放コマンド(ラウンド開始コマンド)」を演出制御部24に送信する(ステップS522)。この「大入賞口開放コマンド」は、ラウンド遊技開始情報や現在のラウンド数情報を含み、演出制御部24側において、ラウンド数に対応するラウンド演出を現出させる場合に利用可能となっている。
次いで、大入賞口動作時間設定テーブル(図53参照)を取得し(ステップS523)、大入賞口開放動作時間設定処理を行う(ステップS524)。この大入賞口開放動作時間設定処理では、大入賞口開放動作時間設定テーブルを参照して、特別図柄判定データと現在のラウンド数とに応じた大入賞口開放動作時間を特別図柄役物動作タイマに格納し、これにより特別図柄判定データ(大当り種別)と現在のラウンド数とに応じた大入賞口50の開閉動作パターンを設定する。
(T−14.大入賞口動作時間設定テーブル:図53)
図53に、大入賞口動作時間設定テーブルを示す。本実施形態の大入賞口動作時間設定テーブルには、図示のように、特別図柄判定データと現在のラウンド数とに関連付けられた大入賞口開放動作時間が定められており、特別図柄判定データと現在のラウンド数とに応じた大入賞口開放動作時間が決定されるようになっている。大入賞口開放動作時間は、図示のように、16R長開放条件付確変大当り(7図柄直当り、7図柄当りC)の場合には、初期値として長開放時間に相当する29800msが、2R短開放潜確大当りの場合には、初期値として短開放時間に相当する100msが設定される。また、16R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りA)、12R長短開放条件付確変大当り(7図柄以外当りB)、14R長短開放条件付確変大当り(バトルボーナスBB1〜5)、12R長短開放確変(7図柄以外当りD)の場合には、初期値として、長開放時用に29800msが、短開放時用に100msまたは80msが設定される。
このように大入賞口開放動作時間設定処理では、長開放時間であれば最大29.8秒、短開放時間であれば最大0.1秒または最大0.08秒を特別図柄役物動作タイマに格納し、大入賞口ソレノイド52cを制御するためのソレノイド用制御データを設定する。これにより、大入賞口ソレノイド52cを動作させ、大入賞口50が上記大入賞口開閉動作時間を上限に開放される。
次いで、大入賞口入賞数カウンタに00Hを格納する(ゼロクリアする)(ステップS525)。上記「大入賞口入賞数カウンタ」とは、RAM203に設けられ、大入賞口50の入賞球数を計数するためのカウンタである。
次いで、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS526)。この大入賞口開閉動作設定処理では、大入賞口ソレノイド52c用のソレノイド制御データの作成を行う。ここで設定されたデータは、図8のソレノイド管理処理(ステップS064)で利用される。なお、大入賞口開閉動作設定処理の詳細は図19にて後述する。
ステップS526の大入賞口開閉動作設定処理を終えると、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)、特別電動役物管理処理を抜け、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−2−1.大入賞口開閉動作設定処理:図19)
次に、大入賞口開閉動作設定処理(図18のステップS526)について説明する。図19は、上記ステップS526の大入賞口開閉動作設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図19において、CPU201は、まず大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブル(図54参照)を取得し(ステップS531)、その大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブルを参照して、特別図柄判定データと現在のラウンド数とに応じた大入賞口開閉動作設定テーブル(図55)を取得する(ステップS532)。
(T−15.大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブル:図54)
図54に、上記大入賞口開放動作設定テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の大入賞口開放動作設定テーブル選択テーブルには、特別図柄判定データ(01[H]〜0B[H])と現在のラウンド数(1R〜16R)とに関連付けられた図55(イ)の大入賞口開閉動作設定テーブル(「OPENTBL−D1」、「OPENTBL−D2」、「OPENTBL−D3」)が定められており、これにより特別図柄判定データと現在のラウンド数とに応じた大入賞口開閉動作設定テーブルが決定されるようになっている。なお上述の大入賞口開閉動作設定テーブルの詳細は、説明の便宜上、図55にて後述する。
次いで、特別図柄役物動作タイマを取得する(ステップS533)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記大入賞口開放動作時間の初期値が設定されている(図19の特別電動役物開始処理のステップS524参照)。つまり、ここでの特別図柄役物動作タイマには、「29800ms」、「100ms」、「80ms」のいずれかが設定されていることになる。
次いで、ソレノイド設定処理を行う(ステップS534)、このソレノイド設定処理では、主に、大入賞口開閉動作設定テーブルを参照して、大入賞口ソレノイド52c用のソレノイド制御データの作成を行い、大入賞口の開閉動作パターンを指定する。ソレノイド設定処理についての詳細は、図20にて後述する。
以上により、ステップS534のソレノイド処理を終えると、特別電動役物作動開始処理を抜け、図9のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−2−2.ソレノイド設定処理:図20)
図20は、上記のステップS534のソレノイド設定処理の詳細を示すフローチャートである。ソレノイド設定処理の理解を容易なものとするために、先ず、ステップS532で取得される大入賞口開閉動作設定テーブルについて説明しておく。
(T−16.大入賞口開閉動作設定テーブル:図55)
図55に、大入賞口開閉動作設定テーブルを示す。なお図55(イ)は、大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルを、同図(ロ)は、小当り用大入賞口開閉動作設定テーブルを例示した図である。
(T−16−1:大当り用大入賞口開閉動作設定テーブル:図55(イ))
図55(イ)を参照して、大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルについて説明する。本実施形態の大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルには、複数種類の大当り用大入賞口開閉動作設定テーブル「OPENTBL−D1」「OPENTBL−D2」「OPENTBL−D3」が含まれる。
各大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルOPENTBL−D1、−D2、−D3には、大当り遊技に係る大入賞口の開閉動作パターンを指定するために必要なデータが定められている。具体的には、特別電動役物作動フラグの状態を指定するデータと、特別図柄役物動作タイマ値に応じて大入賞口開放用フラグの状態を指定するためのデータとが定められている。
上記「特別電動役物作動フラグ」とは、特別変動入賞装置52が作動中か否かを確認するために利用されるフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には、特別変動入賞装置52が作動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には、特別変動入賞装置52が未作動中である旨を示す。なおラウンド遊技間において特別電動役物作動フラグがON状態(=5AH)となる期間、つまり特別変動入賞装置が作動中とされる期間は、大入賞口が開放してからその大入賞口が閉鎖された後、残存球排出時間(第1の所定時間:1980ms)が経過するまでの期間となっている。他方、ラウンド遊技間において特別電動役物作動フラグがOFF状態(=00H)となる期間、つまり特別変動入賞装置が未作動中とされる期間は、上述の残存球排出時間(1980ms)が経過してから次のラウンド遊技が開始されるまでのインターバル時間(第2の所定時間:20ms)中の期間となっている。また上記特別電動役物作動フラグがOFF状態(=00H)の期間中に大入賞口に入賞が発生した場合は、不正入賞とみなし、スピーカー46から警報音を鳴らすなどの所定のエラー処理(不正入賞検出エラー処理)が実行されるようになっている。
また上記「大入賞口開放用フラグ」とは、大入賞口ソレノイド52c用のソレノイド制御データを作成するために利用されるフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合にはソレノイド制御用の励磁信号出力(大入賞口開放)を指定し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には当該励磁信号出力停止(大入賞口閉鎖)を指定する。
また図示の「タイマ値」とは、後述のステップS533で取得される特別図柄役物動作タイマのタイマ値を示し、そのタイマ値に対応する「設定値」とは、大入賞口開放用フラグの設定値を示している。すなわち、ステップS533で取得される特別図柄役物動作タイマが図示のタイマ値となったとき、これに対応する「設定値」が大入賞口開放用フラグに格納される。たとえば図示「OPENTBL−D2」を参照すると、特別図柄役物動作タイマが「29800ms」の場合、対応する設定値は「5AH」であるので、大入賞口開放用フラグに「5AH」が格納される。その後は、特別図柄役物動作タイマが「0ms」となるまで大入賞口開放用フラグに「5AH」が格納される。特別図柄役物動作タイマが「0ms」となった場合、対応する設定値は「00H」であるので、大入賞口開放用フラグに「00H」が格納される。上記の設定値は、ソレノイド制御データとして、図8のソレノイド管理処理(ステップS64)中で確認され、大入賞口開放用フラグに「5AH」が格納されている場合には、大入賞口ソレノイド52cに励磁信号を出力し、これにより開放扉52bを作動させ大入賞口50が開放されるようになっている。一方、大入賞口開放用フラグに「00H」が格納されている場合には、上記励磁信号の出力を停止し、これにより開放扉52bが元の位置に戻って大入賞口50が閉鎖されるようになっている。したがって、長開放用の「OPENTBL−D2」が選択された場合において、大入賞口50の開放後に最大入賞数に達しなければ、大入賞口50の最大開放時間は29800msの長開放時間となる。また短開放用の「OPENTBL−D1」が選択された場合において、大入賞口50の開放後に最大入賞数に達しなければ、大入賞口50の最大開放時間は100msの短開放時間となる。同様に短開放用の「OPENTBL−D3」が選択された場合において、大入賞口50の開放後に最大入賞数に達しなければ、大入賞口50の最大開放時間は80msの短開放時間となる。
(T−16−2:小当り用大入賞口開閉動作設定テーブル:図55(ロ))
次に図55(ロ)を参照して、小当り用大入賞口開閉動作設定テーブルについて説明する。本実施形態の小当り用大入賞口開閉動作設定テーブル(OPENTBL−D5)は、小当り遊技に係る大入賞口の開放パターンを指定するために必要なデータが定められており、テーブルの基本的構成は、上述した図55(イ)の大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルと同じである。この小当り用大入賞口開閉動作設定テーブルは、後述の図25の小当り処理中のステップS608の処理で取得され、ステップS610のソレノイド処理で利用される。
図示の「OPENTBL−D5」は、大入賞口開放用フラグの設定に関して、上述した大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルの「OPENTBL−D1」「OPENTBL−D2」「OPENTBL−D3」と次の点が異なる。「OPENTBL−D5」では、タイマ値が「2200ms」のときに「5AH」が、「2100ms」のときには「00H」が、「100ms」のときに「5AH」が、「0ms」のときには「00H」が大入賞口開放用フラグに格納されるよう指定されていることから、大入賞口50の開閉動作は、100ms間開放した後、2000ms間閉鎖し、再び100ms間開放し、その後閉鎖するといった内容となる。
ここで図54の大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブルを参照すれば、「OPENTBL−D1」は、2R短開放潜確大当りの1R目〜2R目に選択されるようになっている。また「OPENTBL−D1」の場合、大入賞口50の最大開放時間は100msであり、本実施形態では、この開放時間内に最大入賞数には達し得ないようになっている。このため2R潜確大当り遊技中の大入賞口50の開閉動作は、100ms間開放した後、ラウンド遊技間のインターバル時間(残存球排出時間と開放前インターバル時間の合計時間)の2000ms間で閉鎖し、次のラウンド遊技に移行して再び100ms間開放し、その後閉鎖するといった内容となる。また後述するが、2R潜確大当り遊技と小当り遊技は、双方ともに、大当り開始インターバル時間つまりOP演出時間に1000msが、また大当り終了インターバル時間つまりエンディング演出時間に5000msが設けられている(後述の図57、図26参照)。かくして小当り遊技の挙動と2R潜確変大当り遊技の挙動とは実質的に同一となる。
図20の説明に戻り、ソレノイド設定処理について説明する。図20において、CPU201は、まず図19のステップS532で取得した大入賞口開閉動作設定テーブルを参照して、特別電動役物作動フラグに5AHを格納する(ステップS541)。ここでは、図55(イ)の大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルOPENTBL−D1またはPENTBL−D2またはPENTBL−D3が参照される。
次いで、大入賞口開閉動作設定テーブルを参照して、ステップS533で取得した特別図柄役物動作タイマと、テーブルのタイマ値とを比較し(ステップS542)、対応する「設定値」を大入賞口開放用フラグに格納する(ステップS543)。ここで、ステップS533で取得した特別図柄役物動作タイマには、既に説明したように、大入賞口開放動作時間の初期値である「29800ms」または「100ms」または「80ms」が設定されている(図19の特別電動役物開始処理のステップS524参照)。つまり、ここでは、大入賞口50の開放が指定されるだけとなっている(図55の大入賞口開閉動作設定テーブルの大入賞口用開放フラグの欄参照)。
以上により、このソレノイド処理を抜けると、特別電動役物作動開始処理を抜け、図9のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。なお、大入賞口開閉動作設定処理(ステップS526)は、後述の図21の特別電動役物作動中処理中の大入賞口開閉動作設定処理(ステップS552)において、共通の処理モジュールとして利用される。これにより、大入賞口の開閉動作に関する処理を効率化させて、プログラム量やメモリ量の削減に寄与することができる。
なお図示はしていないが、V入賞口の開閉動作に関しては、Vアタッカーの動作を管理するVアタッカー用タイマと、V入賞口の開閉動作パターンを指定するための「Vアタッカー開閉動作設定テーブル」として、Vアタッカーの短開放(最大開放時間0.1s)動作を実現するための「非V開放ラウンド用Vアタッカー開閉動作設定テーブル」と、Vアタッカーの長開放(最大開放時間29s)動作を実現するための「V開放ラウンド用Vアタッカー開閉動作設定テーブル」とが設けられており、さらに、特別図柄判定データと現在のラウンド数とに応じて、これら開閉動作設定テーブルのいずれかを選択する「V入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブル」が設けられている。なお上記各開閉動作設定テーブルの基本的構成は、上述した大当り用大入賞口開閉動作設定テーブルや小当り用大入賞口開閉動作設定テーブルと同じであり、「V入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブル」の基本的構成は、上述した大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブルと同じである。重複記載を避けるために詳細な説明は省略するが、端的に言えば、V入賞口する開閉動作制御は、大入賞口50の開閉制御と同じ制御手法を採用することができる。上記の各テーブルを利用して、大当り種別に応じたVアタッカーの開閉動作を実現している。
なお本実施形態では、既に説明したように、V入賞口に遊技球が入球した場合には、直ちにV入賞口が閉鎖されるようになっている。この点については、大入賞口50の開閉制御と同じ制御手法であり、具体的には、大入賞口50への入賞球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合、大入賞口50が開放扉52bにより直ちに閉鎖される制御手法(特別電動役物動作タイマをクリアして大入賞口50を閉鎖する構成:後述の図22のS565)と同じであり、V入賞口に関しては、その最大入賞数を「1個」として設定している。勿論、V入賞口に対する最大入賞数を複数個に定めても良い。また、大入賞口50内部にV入賞口を形成する場合、各ラウンド遊技において大入賞口50を開閉動作させ、この大入賞口の開閉動作と連動してVアタッカーを開閉動作させることができる。つまり、大入賞口が短開放であればVアタッカーも短開放となり、大入賞口が長開放であればVアタッカーも長開放される。このようにして、大当り種別に応じて、図39〜図50に示すような、V開放ラウンド(V入賞口長開放)と非V開放ラウンド(V入賞口短開放)とを含む大当り遊技動作態様を実現することができる。なおこの場合には、Vアタッカーの開閉動作制御を、大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブル(図54)および大当り用大入賞口開閉動作設定テーブル(図55)をそのまま利用して行うことができる。つまり、大入賞口50の大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力タイミングと同じタイミングでVアタッカーソレノイドに対して励磁信号(Vアタッカーソレノイド用の励磁信号)を出力すれば良く、これにより、大入賞口と連動するVアタッカーの開閉制御を実現することができる。また大入賞口開閉動作設定テーブル選択テーブル(図54)および大当り用大入賞口開閉動作設定テーブル(図55)をそのまま利用するので遊技動作に係る制御負担を軽減することができる。
(9−3.特別電動役物作動中処理:図21)
次に、特別電動役物作動中処理(図16のステップS507)について説明する。図21は、特別電動役物作動中処理の詳細を示すフローチャートである。
図21において、CPU201は、まず大入賞口最大入賞数確認処理を行う(ステップS551)。この大入賞口最大入賞数確認処理では、主に、大入賞口50への入賞球数をカウントし、その入賞球数が最大入賞数に達したか否かを確認する。なお、大入賞口最大入賞数確認処理の詳細は、図22にて後述する。
ステップS551の大入賞口最大入賞数確認処理を終えると、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS552)。ここでの大入賞口開閉動作設定処理は、図18の特別電動役物作動開始処理中の大入賞口開閉動作設定処理(ステップS526)の仕方と同じであるため、重複記載を避けるため詳細な説明は省略する。
次いで、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS553)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記大入賞口開放動作時間が設定されているので、ステップS533の判定処理では、大入賞口動作時間が経過したか否かが判定されることになる。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS553:NO)、何もしないでこの特別電動役物作動中処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(大入賞口開放動作時間経過)になったならば(ステップS553:YES)、今回のラウンド遊技における大入賞口が閉鎖されたとして、「ラウンド終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS554)。このラウンド終了コマンドは、ラウンド間INT側から見るとその始端を意味するので「ラウンド間インターバルコマンド」とも称される。この「ラウンド終了コマンド(ラウンド間INTコマンド)」は、演出制御部24側において、たとえば当該ラウンド遊技に続くラウンド間インターバル期間中の演出として「ラウンド終了演出」を現出する際に利用したり、ラウンド間インターバルの始端から開始する演出、たとえば「ラウンド間INT」+「1R開放」+「ラウンド間INT」の3者にわたる演出である後述する「失敗→2回目へ」「V入賞演出(V開放ラウンド用演出)」「失敗→3回目へ」(図46参照)などの演出を現出させる契機として利用することができる。
次いで、ラウンド遊技が終了した際の各種設定処理を行う(ステップS555)。ここでは、ラウンド遊技終了時の各種設定処理として、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(たとえば、1980ms)を格納する。
なお本実施形態では、各ラウンド遊技後に設定される残存球排出時間がすべて同じ時間幅(1980ms)となっているがこれに限られない。上記残存球排出時間は、大入賞口の閉鎖後の大入賞口内の残存球を排出するための余裕時間として定めたものであることから、大入賞口の内部構造(たとえば、大入賞口センサ52aが遊技球を検出するまでの最大経路長)を考慮して、大入賞口センサ52aが遊技球を検出するまで(または大入賞口内から遊技球が外部に排出されるまで)に要する最大時間を見込んだ時間幅が設定される。しかし、ラウンド遊技が複数種類の動作態様に制御される場合にあっては、それぞれの動作態様に着目して異なる残存球排出時間が設定されるように構成しても良い。たとえば、短開放時間に係るラウンド遊技中は大入賞口への入賞率が相対的に低い点に着目し、開閉扉52bによる遊技球の玉噛み頻度や大入賞口内において多数の遊技球による混雑が予想されないことから、長開放時間に係るラウンド遊技中よりも相対的に短い時間幅の残存球排出時間としても良い。
以上により、この特別電動役物作動中処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−3−1.大入賞口最大入賞数確認処理:図22)
次に、大入賞口最大入賞数確認処理(図21のステップS551)について説明する。図22は、大入賞口開閉動作設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図22において、CPU201は、まず特別電動役物作動フラグの状態を判定する(ステップS561)。特別電動役物作動フラグがOFF状態(=00H)の場合(ステップS561:≠5AH)、つまり特別変動入賞装置52が作動中でない場合、何もしないでこの大入賞口最大入賞数確認処理を抜ける。なお、ここでの「特別変動入賞装置52が作動中でない場合」とは、開放前インターバル時間中(開始INT中またはラウンド間INT中)の場合である。
上記特別電動役物作動フラグがON状態(=5AH)の場合(ステップS561:=5AH)、大入賞口50において入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する(ステップS562)。
大入賞口50において入賞を検出していない場合(ステップS562:NO)、何もしないで大入賞口最大入賞数確認処理を抜ける。一方、大入賞口50において入賞を検出した場合(ステップS562:YES)、大入賞口入賞カウンタを1加算し(ステップS563)、ステップS564に進む。このステップS563で大入賞口入賞カウンタが1加算される度に、入賞コマンドが送信される。つまりラウンド遊技中において大入賞口50に入賞球が発生する度に入賞コマンドが送信される。この大入賞口入賞コマンドには、入賞球1個当りの所定の賞球数情報(たとえば13個)が含まれる。
次いで、上記加算後の大入賞口入賞カウンタが最大入賞数(たとえば、9個)に達したか否かを判定する(ステップS564)。最大入賞数に達していない場合(ステップS565:NO)、ステップS566へ進む。
一方、最大入賞数に達した場合(ステップS564:YES)、特別図柄役物動作タイマをクリアする(ステップS565)。最大入賞数に達した場合に特別図柄役物動作タイマをクリアすることで、後続のステップS552の大入賞口開閉動作設定処理中で特別図柄役物動作タイマを取得したときのタイマ値がゼロになり(図19のステップS533参照)、その次に実行されるソレノイド設定処理において、大入賞口開放用フラグに「00H」が格納されるため(図20のステップS542〜S543参照)、最大入賞数に達したことをもって開放中の大入賞口50が閉鎖されることになる。
次いで、V入賞口が開かれるラウンド(特別ラウンド)であるか否かを判断する(ステップS566)。特別ラウンドのうち、大当り種別応じて、V入賞口が長開放される「V開放ラウンド」と、V入賞口が短開放される「非V開放ラウンド」とが混在するが、これらが特別ラウンドの中でも、V入賞するか否かが結着するという意味で特に着目すべきV開放ラウンドである。特別ラウンドである場合(ステップS566:YES)、V入賞口に設けたV入賞スイッチが、V入賞口に入球した遊技球によりONしたかを判断する。V入賞スイッチがONした場合(ステップS567:YES)、V入賞したことの情報を保持するためV通過フラグをONし(ステップS568)、V入賞した旨のV入賞コマンドを送信して、大入賞口最大入賞数確認処理を抜ける。このV通過フラグは、後述する大当り終了処理中のステップS597でクリアされる。
特別ラウンドでない場合(ステップS566:NO)、何もしないで大入賞口最大入賞数確認処理を抜ける。特別ラウンドであるにも関わらずV入賞スイッチがONされなかった場合(ステップS566:YES、ステップS567:NO)は、シナリオBB4(非確変大当り)において12R目のラウンドでV入賞し得なかった場合である。この場合も、何もしないで大入賞口最大入賞数確認処理を抜ける。
なお、特別ラウンドであるにも関わらずV入賞スイッチがONされないケース(ステップS566:YES、ステップS567:NO)には、条件付確変大当りの場合において、流路がぶどう詰まりにより塞がれていたか、遊技者が故意に打ち出しを停止していたか等の理由により、V入賞口に入球し得なかったケースが含まれる。そこで、特別ラウンドの判定においては、条件付確変大当りの場合と非確変大当りの場合のいずれの特別ラウンドであるかを区別し、条件付確変大当りの特別ラウンドであるにも関わらずV入賞スイッチがONされなかった場合には、その旨のコマンドを演出制御部側に送信し、演出制御部側は、これを受けて、正常時のV入賞を報知する演出シナリオから、V入賞を報知しない別の演出シナリオに差し替えることが好ましい。
本実施形態では、すべての特別ラウンドにおけるV入賞を有効なものとして扱う構成となっている。これは、非V開放ラウンドのようにVアタッカーが短開放される場合にも極めて低確率であるが、V入賞口に遊技球が入球する可能性があることを考慮したものであり、非V開放ラウンドにおいて遊技者が運良くV入賞させた場合には、その特典として、確変状態に移行させることができるようにし、「非確変大当り」の場合も確変状態に移行しうる状況を作り出している。これにより、「非確変大当り」であったにもかかわらず、確変状態に移行させることができ、意外性のある遊技性を創出することができる。非確変大当りの場合においてV入賞が発生した場合、通常(確変大当り時のV入賞(確変GET演出やV入賞演出)とは異なる特別なV入賞演出を現出させることが好ましい。
なお、特別ラウンドのうち、V開放ラウンドにおいてV入賞口に遊技球が入球した場合に限り、V通過フラグをONにしても良い。
以上により、この大入賞口最大入賞数確認処理を抜けると、図21のステップS552の大入賞口開閉動作設定処理に進む。これは図19で述べたものと共通の処理モジュールによる。
(9−4.特別電動役物作動継続判定処理:図23)
次に、特別電動役物作動継続判定処理(図16のステップS508)の詳細について説明する。図23は、特別電動役物作動継続判定処理の詳細を示すフローチャートである。
図23において、CPU201は、まず特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS571)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、大入賞口閉鎖後の残存球排出時間が設定されているので(図21のステップS555参照)、ステップS571の判定処理では、残存球排出時間が経過したか否かが判定されることになる。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS5571:NO)、何もしないでこの特別電動役物作動継続判定処理を抜ける。
一方、特別図柄役物動作タイマがゼロ(残存球排出時間経過)になったならば(ステップS571:YES)、連続回数カウンタを取得して現在のラウンド数が規定ラウンド数(最大ラウンド数)に達したか否かを判定する(ステップS572)。
最大ラウンド数に達していない場合には(ステップS572:NO)、ラウンド遊技継続時の処理として、ステップS573〜S576の処理(ラウンド継続処理)を行う。しかし最大ラウンド数に達した場合には(ステップS572:YES)、ラウンド遊技継続終了時の処理として、ステップS577〜S580の処理(ラウンド継続終了処理)を行う。
(ラウンド継続処理:ステップS573〜S576)
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達していない場合(ステップS572:NO)、ステップS573〜S576の処理ルートに入る。
まずステップS573の処理では、連続回数カウンタに1加算(+1)する(ステップS573)。
次いで、特別電動役物終了インターバル設定テーブルを取得し(ステップS574)、この特別電動役物終了インターバル設定テーブルを参照して、特別図柄判定データと加算後の連続回数カウンタとに応じた「開放前インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納する(ステップS575)。
(T−17.特別電動役物終了インターバル設定テーブル:図56)
図56に、特別電動役物終了インターバル(開放前インターバル)設定テーブルを示す。本実施形態の特別電動役物終了インターバル設定テーブルには、特別図柄判定データと連続回数カウンタとに関連付けられた開放前インターバル時間が定められている。具体的には、特別図柄判定データと連続回数カウンタの現在値(ステップS573の加算処理後の連続回数カウンタ値)とに応じた開放前インターバル時間が決定されるようになっている。そこで本明細書においては、特別電動役物終了インターバル設定テーブルを「開放前インターバル設定テーブル」とも称する。
(T−17−1:7図柄直当りの場合)
図56の開放前インターバル設定テーブルを参照して、「7図柄直当り」(16R長開放)の場合では、最終ラウンド遊技後を除く1R〜15Rの各ラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間がすべて同じ時間幅20msとなっている。したがって、残存球排出時間(1980ms)とこの開放前インターバル時間(20ms)との和として、最終の16R遊技後を除き、1R〜15Rの各ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が2000ms(2秒)に定まることになる。
図41のタイミングチャートには、16ラウンド遊技後のラウンド間INTとして「2秒」ではなく「1.98秒」が置かれており、図56の開放前インターバル設定テーブルには16ラウンド目(連続回数カウンタ値=17)が載っていない。その理由として、「最終ラウンド遊技後のラウンド間INT」は、図21のステップS555で残存球排出時間が1980msに設定されることでのみ定まる時間幅、すなわち開放前インターバル時間が加算されていない時間幅のものであるため、図56の開放前インターバル設定テーブルとは無関係であるからである。なお、最終ラウンド遊技後のラウンド間INTは、開放前インターバル時間を含んでいない点で他のラウンド間INTと異なるため、開放前インターバル時間を含む他のラウンド間INTと同列に説明することが適当でない場合があることから、場合により「最終ラウンド後インターバル」とも称する。
本例の場合、図21のステップS555で設定される時間値は残存球排出時間1980msであり固定となっている。しかし、これを可変の再設定できる変数として扱い、ステップS555で1980ms以外の他の値たとえば2000msに再設定することにより、最終ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間として残存球排出時間1980msよりも長い、たとえば「2秒」を造り出すこともできる。また本例の場合、最終ラウンド遊技後のラウンド間INTは開放前インターバル時間を含まないものであるが、他のラウンド間INTと同様に、開放前インターバル設定テーブルにおいてたとえば20msを設定しておき、この値20msと残存球排出時間1980msとを合わせたものを以て、残存球排出時間1980msよりも長いラウンド間インターバル時間(この例では2秒)を造り出すこともできる。これらの変形例は、7図柄直当りの場合だけでなく、後述する他の当り種別(7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB4、シナリオBB5、7図柄当りC、7図柄以外当りD、および2R短開放潜確大当り)における最終ラウンド後のラウンド間INTについても当て嵌まる。
上記の開放前インターバル時間中は、後述のステップS576の処理において、特別電動役物作動フラグがOFF状態(=00H)に設定される。したがって、開放前インターバル時間内は、大入賞口への入賞を無効とする大入賞口入賞無効期間(大当り中不正入賞監視期間)となる。上記開放前インターバル時間に特に制限はないが、残存球排出時間(本実施形態では、1980ms)を含めたラウンド遊技間のインターバル時間を定めるものとして設ける以上、その時間を極端に長い時間、たとえば、数秒程度にしてしまうと、ラウンド遊技間の待ち時間が増加し、遊技者が煩わしく感じてしまう。特に最大ラウンド数が16Rの大当り遊技では、ラウンド遊技間の待ち時間の合計が数十秒〜1分近くも要することになり好ましくない。
そこで本実施形態では、基本として開放前インターバル時間を20msという短時間に設定する。これは、遊技球が実際に入賞口に入球して入賞検出スイッチのON信号が出力された場合、その出力時間(信号継続期間)は、入賞球の転動時間に長短があるものの最長で20ms程度であることを考慮したものである。ゴト行為(たとえば、大入賞口に対してプラスチック板やピアノ線を用いて過剰入賞狙うゴト行為(セルゴト)や、不正行為者が不正器具を用いてスイッチを誤作動させて過剰入賞を狙うゴト行為など)による不正な連続入賞があった際には、大入賞口センサ52aから頻繁にON信号が出力されることが予想される。したがって、開放前インターバル時間を適正なON信号の信号継続期間である20ms程度に定めても、ラウンド遊技間の不正入賞の監視には問題がないと考えられる。それよりも長時間とする方が不正行為を検出し易くなると考えられるが、ラウンド遊技間の待ち時間を踏まえれば、開放前インターバル時間は、約20ms〜数百ms程度の範囲、長くても1020ms(ラウンド間インターバル時間が3秒)までの値に定めることが適切であると考えられる。また本実施形態では、残存球排出時間を固定値の1980msとしているが、変更可能な値(変数)として捉え、大入賞口の形態(内部構造など)に応じて、残存球排出時間を比較的短時間としても良い場合がある。この場合は、「残存球排出時間≦開放前インターバル時間」としても良い。たとえば、ラウンド遊技間のインターバル時間を2000msと定める場合、「残存球排出時間を1000ms、開放前インターバル時間を1000ms」としたり、「残存球排出時間を500ms、開放前インターバル時間を1500ms」としたりしても良い。
(T−17−2:7図柄以外当りAの場合)
図56の開放前インターバル設定テーブルを参照して、「7図柄以外当りA」(16R長短開放:10R長開放+6R短開放)の場合では、4ラウンド、8ラウンド、12ラウンドの各ラウンド遊技後の開放前インターバル時間が1020msに、最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技後の開放前インターバル時間が20msに設定される。したがって残存球排出時間との和として、1R〜15Rのうちの4R、8R、12Rの各ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が3000ms(3秒)に、また他のラウンド遊技(1R〜3R、5R〜7R、9R〜11R、13R〜15R)後のラウンド間インターバル時間が2000ms(2秒)に定められる。なお、最終の16R遊技後のラウンド間INT(最終ラウンド後インターバル)は、図21のステップS555で残存球排出時間1980msに設定されることで定まる。
(T−17−3:7図柄以外当りBの場合)
図56の開放前インターバル設定テーブルを参照して、「7図柄以外当りB」(12R長短開放:10R長開放+2R短開放)の場合では、4ラウンド、8ラウンドの各ラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間が1020ms、最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間が20msなっている。したがって、これと残存球排出時間との和であるラウンド間インターバル時間は、1R〜11Rのうちの4R、8Rの各ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が3000ms(3秒)に、また他のラウンド遊技(1R〜3R、5R〜7R、9R〜11R)後のラウンド間インターバル時間が2000ms(2秒)に定められる。なお、最終ラウンドの12R遊技後のラウンド間インターバル(最終ラウンド後インターバル)時間は、図21のステップS555で残存球排出時間1980msに設定されることで定まる。
(T−17−4:シナリオBB1〜シナリオBB5の場合)
図56の開放前インターバル設定テーブルを参照して、「シナリオBB1」(14R長短開放:10R長開放+4R短開放)、「シナリオBB2」(14R長短開放:11R長開放+3R短開放)、「シナリオBB3」(14R長短開放:12R長開放+2R短開放)、「シナリオBB4」(14R長短開放:12R長開放+2R短開放)、「シナリオBB5」(14R長短開放:11R長開放+3R短開放)の場合では、4ラウンド、8ラウンドの各ラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間が1020ms、最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間が20msなっている。したがって、残存球排出時間との和として、1R〜13Rのうちの4R、8R、12Rの各ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が3000ms(3秒)に、また最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技(1R〜3R、5R〜7R、9R〜11R、13R)後のラウンド間インターバル時間が2000ms(2秒)に定められる。なお、最終ラウンドの14R遊技後のインターバル(最終ラウンド後インターバル)時間は、図21のステップS555で残存球排出時間1980msに設定されることで定まる。
(T−17−5:7図柄以外当りCの場合)
図56の開放前インターバル設定テーブルを参照して、「7図柄以外当りC」(16R長短開放)の場合では、4ラウンド、8ラウンド、12ラウンドの各ラウンド遊技後の開放前インターバル時間が1020msに、最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技後の開放前インターバル時間が20msに設定される。したがって残存球排出時間との和として、1R〜15Rのうちの4R、8R、12Rの各ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が3000ms(3秒)に、また最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技(1R〜3R、5R〜7R、9R〜11R、13R〜15R)後のラウンド間インターバル時間が2000ms(2秒)に定められる。なお、最終ラウンドの16R遊技後のインターバル(ラウンド後インターバル)時間は、図21のステップS555で残存球排出時間1980msに設定されることで定まる。
(T−17−6:7図柄以外当りDの場合)
図56の開放前インターバル設定テーブルを参照して、「7図柄以外当りD」(12R長短開放:4R長開放+8R短開放)の場合では、4ラウンド、8ラウンドの各ラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間が1020ms、最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技後に設定される開放前インターバル時間が20msなっている。したがって、残存球排出時間との和として、ラウンド間インターバル時間が、1R〜11Rのうちの4R、8Rの各ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が3000ms(3秒)に、また最終ラウンド遊技後を除く他のラウンド遊技(1R〜3R、5R〜7R、9R〜11R)後のラウンド間インターバル時間が2000ms(2秒)に定められる。なお、最終ラウンドの12R遊技後のインターバル(ラウンド後インターバル)時間は、図21のステップS555で残存球排出時間1980msに設定されることで定まる。
上記から判るように、本実施形態では、各ラウンド遊技後に設定されるラウンド間インターバル時間を、基本的には所定時間の2秒(最終ラウンド遊技後は1.98秒)として設定する。一方、1ラウンドを単位長さとして計数して得られる全ラウンド総長(大当り中の期間)を複数の区間に区切り(たとえば16Rの場合、その総長を3つに分け)、その区切り目において(たとえば16Rの総長を3つに分けた区切り目の4R目、8R目、12R目において)、当該ラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間が、基本の2秒より長い3秒(3000ms)となるように設定している。このようにして大当り中の期間中に、ラウンド間インターバル時間が他のものと異なる区間(本例では3秒と長いもの)を周期的または非周期的に混在させておくと、これを演出現出区間の区切り(たとえば確変GETチャンス演出やV開放ラウンド用演出のための区間)として利用し、あるいは演出の長さを確保するための時間調整区間として利用することができる。
なお、本実施形態の場合、4R後、8R後、12R後のラウンド間インターバル時間をそれぞれ通常値(2秒)と異なる値(3秒)に定めたが(図41〜図50参照)、これに限られない。たとえば、これらと異なる時間幅の値に設定したり、各ラウンド遊技後に設定されるラウンド間INT時間をすべて同じ時間幅(2000ms)とすることもできる。
再び図23の説明に戻り、ステップS575の処理を終えると、ラウンド継続時の各種設定処理を行う(ステップS576)。ここでは、今回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技を開始させるため設定処理として、特別電動役物作動フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)。
以上のステップS573〜S576(ラウンド継続処理)を終えると、特別電動役物作動継続判定処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(ラウンド継続終了処理:ステップS577〜S580)
現在のラウンド数が最大ラウンド数に達した場合(ステップS572:YES)、ステップS577〜S580の処理ルートに入る。
まずステップS577の処理では、役物連続作動装置作動終了インターバル設定テーブルを取得し(ステップS577)、この役物連続作動装置作動終了インターバル設定テーブルを参照して、特別図柄判定データと加算後の連続回数カウンタとに応じた「大当り終了インターバル時間」を特別図柄役物動作タイマに格納する(ステップS578)。
(T−18.役物連続作動装置作動終了インターバル設定テーブル:図57)
図57に、役物連続作動装置作動終了インターバル(大当り終了インターバル)設定テーブルを示す。本実施形態の役物連続作動装置作動終了インターバル設定テーブルには、特別図柄判定データと大当り終了インターバル時間とが関連付けて定められており、具体的には、特別図柄判定データに応じて大当り終了インターバル時間が決定されるようになっている。上記「大当り終了インターバル時間」とは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了して残存球排出時間が経過した時点(最後のラウンド間INTの終端)から大当り遊技が終了するまでのインターバル区間であって、一般的にはED演出が行われる区間を定めた時間幅を指す(本実施形態では、図41の7図柄直当りの場合のED演出だけが、このケースに該当する)。
この図57中に、大当り終了インターバル時間として「ソフト上の最短秒数」と記載されているのは、プログラム上の最短時間(主制御側タイマ割込周期の4msまたはその倍数)に設定することを意味しており、このような値にすることにより、実質上「大当り終了インターバル」を省略するものである。
なお大当り終了インターバル時間中は、後述のステップS579の処理において特別電動役物作動フラグがOFF状態(=00H)に設定される。したがって、大当り終了インターバル時間内は、開放前インターバル時間内と同じく、大入賞口への入賞を無効とする大入賞口入賞無効期間となる。
ステップS578の処理を終えると、ラウンド終了時の各種設定処理を行う(ステップS579)。ここでは、最大ラウンド到達時の設定処理として、特別電動役物作動フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに04Hを格納)。
次いで、ED演出の開始を指示する「大当り終了コマンド」を演出制御部24に送信する(ステップS580)。この「大当り終了コマンド」には、今回の大当り種別とその大当り当選時の遊技状態とに関する情報、つまり大当り遊技終了後の遊技状態(内部遊技状態を含む)を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、大当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この「大当り終了コマンド」は、図41の7図柄直当りの場合のED演出の開始を指示する役割の他、大当り遊技終了後の遊技状態を特定しうることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割も担っている。演出制御部24は、大当り終了コマンドに含まれる情報に基づき、演出モードを決定することで、上記大当り終了後の遊技状態と、その遊技状態に係る演出モードとの整合性を取ることができるようになっている。
なお、上述の大当り当選時の遊技状態を特定可能な情報には、変動パターン振分指定番号に関する情報、または変動パターン振分指定番号に関する情報と内部遊技状態とに関する情報を含むことができる。また、大当り終了コマンドは、単一のコマンドであっても良いし、複数のコマンドであっても良い。複数のコマンドとする場合には、たとえば、一の大当り終了コマンドに今回の大当り種別を特定可能とする情報を含ませ、他の大当り終了コマンドにその大当り当選時の遊技状態を特定可能とする情報が含ませて、これらのコマンドを同時あるいは順次に必要なタイミングで演出制御部24に送信することができる。本実施形態では、演出制御コマンドに複数種類の情報を含ませて演出制御部24に送信する場合、それら情報を単一の演出制御コマンドに含ませて演出制御部24に送信する構成としても良いし、一の情報を含む演出制御コマンドと、他の情報を含む演出制御コマンドとに分けて、上述の単一の演出制御コマンドが有する役割を複数の演出制御コマンドに分担させる形態で演出制御部24に送信する構成としても良い。
以上により、この特別電動役物作動継続判定処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−5.大当り終了処理:図24)
次に、大当り終了処理(図16のステップS509)について説明する。図24は、大当り終了処理の詳細を示すフローチャートである。
図24において、CPU201は、特別図柄役物動作タイマがゼロであるか否かを判定する(ステップS591)。ここでの特別図柄役物動作タイマには、上記大当り終了インターバル時間が設定されているので、ステップS591の判定処理では、大当り終了インターバル時間が経過したか否かが判定されることになる。上記特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS591:NO)、何もしないでこの大当り終了処理を抜ける。
特別図柄役物動作タイマがゼロ(大当り終了インターバル時間経過)になったならば(ステップS591:YES)、大当り終了時の各種設定の一環として、各移行状態バッファの値を各状態フラグに格納する(ステップS592)。具体的には、特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理(図12のステップS411、その詳細を示す図13参照)で設定した移行状態バッファの各々の値を、遊技状態を指定するための、普電役物開放延長状態フラグ、普通図柄時短状態フラグ、普通図柄確変状態フラグ、特別図柄時短状態フラグ、特別図柄確変状態フラグ、特別図柄時短回数カウンタ、特別図柄確変回数カウンタ、変動パターン振分指定番号、および特別図柄変動回数カウンタにそれぞれ格納する。これにより、大当り遊技後の遊技状態が特定される。
続いて、大当り終了時の各種設定処理を行う(ステップS593)。ここでは、大当り遊技制御処理中に利用した各種のデータとして、条件装置作動フラグ、役物連続作動装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大ラウンド数(規定ラウンド数)、普通電役物開放延長状態バッファ、普通図柄時短移行状態バッファ、普通図柄確変移行状態バッファ、特別図柄時短状態移行状態バッファ、特図確変移行状態バッファ、特図時短回数カウンタバッファ、特図確変回数カウンタバッファ、変動パターン振分指定番号バッファ、特図変動回数カウンタバッファ、ラウンド表示LED番号、および遊技状態判定番号(YJ)をそれぞれクリア(00Hを格納)し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)。
なおステップS593の処理において、今回の大当り遊技の際に利用された特別図柄判定データはクリアされないようになっているが、この特別図柄判定データについては、今回の大当り遊技が終了した後に図12の特別図柄変動開始処理中のステップS412の特別図柄作成処理が行われた際、新たな特別図柄判定データがRAM203(特別図柄判定データ記憶領域)に上書きされるようになっているため問題はない。このようにすることで、大当り遊技終了時に特別図柄判定データをクリアするために要するプログラム量を削減することができる。勿論、処理の関係上、必要であるならば、ステップS593の処理において、特別図柄判定データをクリアし、新たな特別図柄判定データが作成されたときに、その作成された特別図柄判定データをRAM203(特別図柄判定データ記憶領域)に格納しても良い。また各移行状態バッファについては、ステップS593の処理において各移行状態バッファの値をクリアしない構成とすることができる。この場合、今回の大当り遊技が終了した後、図12の特別図柄変動開始処理中のステップS411の遊技状態移行準備処理が行われた際、新たな移行状態バッファの値を上書きする処理でも良い。各移行状態バッファは、ステップS592の処理で利用されるだけであるからである。このようにすることで、大当り遊技終了時に各移行状態バッファをクリアするために要するプログラム量を削減することができる。
次いでV通過フラグの内容をチェックする(ステップS594)。図22のステップS568においてV通過フラグがONされている場合は、大当り遊技中の所定の特別ラウンドにてV入賞したことが確認されているので、確変状態へ移行させるべく、ステップS595の確変移行状態処理に進む。この確変移行状態処理では、図59Bに示す大当り終了時移行テーブル「JTTBLB10」を参照して、特別図柄確状態フラグに「5AH」が、特別図柄時短回数カウンタに「70回」が、特別図柄確変回数カウンタに「70回」が、変動パターン振分け指定番号に「03H」が、特別図柄変動回数カウンタに「70回」が、それぞれセットされる。そしてV通過フラグがクリアされる(ステップS597)。
図22のステップS568においてV通過フラグがONされずOFFのままのときは、所定の特別ラウンドでのV入賞が確認されなかった場合(非確変大当りのシナリオBB5)であるので、時短状態へ移行させるべく、ステップS596の時短移行状態処理に進む。この時短移行状態処理では、図59Bに示す大当り終了時移行テーブル「JTTBLB40」を参照して、特別図柄確状態フラグに「00H」がセットされ、特別図柄時短回数カウンタに「50回」が、特別図柄確変回数カウンタに「0回」が、変動パターン振分け指定番号に「04H」が、特別図柄変動回数カウンタに「0回」がセットされる。
なお、図示はしていないが、2R短開放潜確大当りの場合は特殊な大当り種別として定めており、2R短開放潜確大当りに当選した場合は、図13の遊技状態移行準備処理において図59Aの「JTTBL−2」に示す該当値が各種の移行状態バッファに格納され、その該当値を各状態フラグに格納された後は(ステップS592)、V通過フラグがON・OFFによらず、その各状態フラグに格納された値が保持されるようになっている。すなわち2R短開放潜確大当りは、V通過フラグがON・OFFによらず、大当り遊技後の遊技状態を大当り抽選確率状態が高確率状態となる「潜確状態」に移行される点で、条件付き確変大当りのようにV通過フラグがON・OFFに依存して高確率状態に移行されるものとは異なる。この点で、2R短開放潜確大当りは、本来の「確変大当り」として機能するものといえる。
このように、特定の大当り種別の場合には、V通過フラグがON・OFFによらず、大当り遊技後の遊技状態を定めることができる。この特定の大当りに係る大当り遊技中は、Vアタッカーを開閉させても良いし、開閉させなくても良い。これは、V通過フラグのON・OFFが無関係な大当り種別だからである。
本実施形態のように、条件付き確変大当りと本来の確変大当りとを含む複数種類の大当り種別を内部抽選対象とすることにより、遊技の面白みをより一層向上させることができる。なお、上述の特定の大当り種別は、1または複数種類設けることができ、また、その特定の大当りによる大当り遊技中(ラウンド遊技またはサイクル遊技)に係る大入賞口開放パターン、Vアタッカーの開放パターン、規定ラウンド数など)は適宜定めることができる。また、2R短開放潜確大当りのような特定の大当り種別(本来の確変大当り)を設けなくとも良い。
次いで、遊技状態報知情報を更新する遊技状態報知情報更新処理を行う(ステップS598)。ここでの処理は、特別図柄時短状態フラグがON状態(=5AH)かOFF状態(≠5AH)かを確認し、ON状態の場合、遊技状態報知LEDを点灯させるデータ、具体的には、遊技状態報知LED出力番号に01Hを格納する。
以上により、大当り遊技に関する一連の制御処理が終了したことになる。この大当り終了処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<小当り遊技制御処理>
(9−6.小当り処理:図25)
次に図25を参照して、小当り処理(図16のステップS504)について説明する。図25は、小当り処理の詳細を示すフローチャートである。
図25において、CPU201は、まず特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」であるか否かを判定する(ステップS601)。
特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」でない場合(ステップS601:≠02H)、ステップS603の処理に進む。特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」である場合(ステップS601:=02H)、大入賞口最大入賞数確認処理を行った後(ステップS602)、ステップS603の処理に進む。なお上記ステップS602の大入賞口最大入賞数確認処理は、図21の特別電動役物作動中処理の大入賞口最大入賞数確認処理(ステップS551)と同じ処理内容であるので、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。
ステップS603の処理に進むと、特別図柄役物動作タイマがゼロか否かを判定する(ステップS603)。特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間は(ステップS603:NO)、ステップS607の処理に進む。
特別図柄役物動作タイマがゼロになったならば(ステップS603:YES)、小当り中コマンド送信処理を行う(ステップS604)。この小当り中コマンド送信処理では、特別電動役物動作ステータスに基づく演出制御コマンドを演出制御部24に送信する。具体的には、特別電動役物動作ステータスが開始処理中(00H)の場合には、OP演出の開始を指示する「小当り開始コマンド」を、継続判定中(03H)の場合には、ED演出の開始を指示する「小当り終了コマンド」を、これら以外であれば、何も送信せずに処理を抜ける。なお「小当り終了コマンド」には、今回の小当り種別情報と小当り当選時の遊技状態情報とが含まれ、演出制御部24側において、小当り遊技後の演出モードを決定する際にも利用される。したがって、この「小当り終了コマンド」は、遊技状態指定コマンドとしての役割も担っている。演出制御部24は、小当り終了コマンドに含まれる情報に基づき、小当り遊技終了後の演出モードを決定することで、小当り終了後の遊技状態と、その遊技状態に係る演出モードとの整合性を取ることができるようになっている。
ステップS604の小当り中コマンド送信処理を終えると、特別電動役物動作ステータス別処理を行う(ステップS605)。この特別電動役物動作ステータス別処理では、特別電動役物動作ステータスに応じた処理を行う。なお、この特別電動役物動作ステータス別処理についての詳細は、図26にて後述する。
ステップS605の特別電動役物動作ステータス別処理を終えると、小当り時遊技状態移行準備処理を行う(ステップS606)。この小当り時遊技状態移行準備処理では、遊技状態を移行させるための設定として、小当り遊技後の遊技状態を指定するために必要な設定処理を行う。ここで設定されたデータに基づき、小当り遊技後の遊技状態が特定される。
ステップS605の当り時遊技状態移行準備処理を終えると、特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」であるか否かを判定する(ステップS607)。
特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」でない場合(ステップS607:≠02H)、何もしないでこの小当り処理を抜ける。
特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」である場合(ステップS607:=02H)、既に説明した図55(ロ)の小当り用大入賞口開閉動作設定テーブルを取得すし(ステップS608)、次いで、特別図柄役物動作タイマを取得する(ステップS609)。
次いで、ソレノイド設定処理を行う(ステップS610)。このソレノイド設定処理は、図16の特別電動役物作動開始処理(ステップS506)(図18、ステップS524)における大入賞口開閉動作設定処理(図19)中のステップS534のソレノイド設定処理と処理の仕方が同じであるので、重複記載を避けるために詳細な説明は省略する。なお、ステップS610のソレノイド設定処理では、小当り用大入賞口開閉動作設定テーブル(図55(ロ))に基づく、特別電動役物作動フラグの状態と、大入賞口開放用フラグの状態とが指定される。
以上により上記ステップS609のソレノイド処理を終えると、小当り処理を抜けて、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
(9−6−1(a).小当り開始処理:ステップS612)
小当り遊技開始時には、特別電動役物動作ステータスが初期ステータス値の「開始処理中(00H)」に設定されている。したがって、小当りとなった場合は、まず最初に、ステップS612の小当り開始処理が行われるようになっている。
図26において、CPU201は、まず小当り遊技を開始する際に必要な設定処理を行う(ステップS612:小当り開始処理)。ここでは、小当り開始時の設定処理として、特別図柄役物動作タイマに「作動前インターバル時間」を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動開始処理中(01H)」に切り替え(特別電動役物動作ステータスに01Hを格納)、これにより、この小当り処理を抜けて、ステップS607の処理に進む。上記「作動前インターバル時間」とは、特別図柄の確定表示時間が経過して大当りが確定した後(図14のステップS453の、図15AのステップS471参照)、特別変動入賞装置52が作動するまでのインターバル区間であって、OP演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。上記作動前インターバル時間は、2R短開放潜確大当りの大当り開始インターバル時間と同じ「1000ms」である(図52の大当り開始設定テーブルの「2R短開放潜確」の欄参照)。
(9−6−1(b).小当り特別電動役物作動開始処理:ステップS613)
次に、小当り特別電動役物作動開始処理(ステップS613)について説明する。この小当り特別電動役物作動開始処理は、上記ステップS612の処理で設定された作動前インターバル時間が経過して(図25のステップS603:YES)、特別電動役物動作ステータス別処理に入った場合である(この場合は特別電動役物動作ステータスが「作動開始処理中(01H)」となっている(ステップS612参照))。
この小当り特別電動役物作動開始処理では、大入賞口入賞数カウンタに00Hを格納し(ゼロクリア)、特別図柄役物動作タイマに「大入賞口作動時間(2200ms)」を格納し、特別電動役物動作ステータスを「作動中(02H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに02Hを格納)。なお、大入賞口作動時間(2200ms)が経過して特別図柄役物動作タイマがゼロになるまでの間か、または、ステップS602の大入賞口最大入賞数確認処理において最大入賞数に達したと判定されるまでの間(ステップS602、ステップS603:NO、ステップS607:=作動中(02H))は、ステップS608〜S610の処理が行われ、図55(ロ)の小当り用大入賞口開閉動作設定テーブル(OPENTBL−D5)に基づいて、大入賞口50の開閉動作が制御される。
(9−6−1(c).小当り特別電動役物作動中処理:ステップS614)
次に、小当り特別電動役物作動中処理(ステップS614)について説明する。この小当り特別電動役物作動中処理が行われるのは、上記ステップS613の処理で設定された大入賞口作動時間が経過して経過して(図25のステップS603:YES)、特別電動役物動作ステータス別処理に入った場合である(この場合は特別電動役物動作ステータスが「作動中(02H)」となっている(ステップS613参照))。
この小当り特別電動役物作動中処理では、大入賞口開放用フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別図柄役物動作タイマに残存球排出時間(1980ms)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「継続判定中(03H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに03Hを格納)。
(9−6−1(d).小当り継続判定処理:ステップS615)
次に、小当り継続判定処理(ステップS615)について説明する。この小当り継続判定処理は、上記ステップS614の処理で設定された残存球排出時間が経過して(図25のステップS603:YES)、特別電動役物動作ステータス別処理に入った場合である(この場合は特別電動役物動作ステータスが「継続判定中(03H)」となっている(ステップS614参照))。
この小当り継続判定処理では、特別電動役物作動フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別図柄役物動作タイマに「小当り終了インターバル時間(5000ms)」を格納し、特別電動役物動作ステータスを「終了処理中(04H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに04Hを格納)。ここで上記「小当り終了インターバル時間」とは、大入賞50が閉鎖して残存球排出時間が経過した後、小当り遊技が終了するまでインターバル区間であって、ED演出が行われる区間を定めた時間幅を指す。上記小当り終了インターバル時間は、2R短開放潜確大当りの大当り終了インターバル時間と同じ「5000ms」である(図57の物連続作動装置作動終了インターバル設定テーブルの「2R短開放潜確」の欄参照)。
(9−6−1(e).小当り終了処理:ステップS616)
次に、小当り終了処理(ステップS616)について説明する。この小当り終了処理は、上記ステップS615の処理で設定された小当り終了インターバル時間が経過して(図25のステップS603:YES)、特別電動役物動作ステータス別処理に入った場合である(この場合は特別電動役物動作ステータスが「終了処理中(04H)」となっている(ステップS615参照)))。
この小当り終了処理では、小当り遊技終了時の各種設定処理として、小当り中フラグに00H(OFF状態)を格納し、特別電動役物動作ステータスを「開始処理中(00H)」に切り替える(特別電動役物動作ステータスに00Hを格納)。
以上のステップS612〜S616のいずれかの処理を終えた後は、図25のステップS606の小当り時遊技状態移行準備処理に進む。
<9−6−2.小当り時遊技状態移行準備処理>
次に、上述の小当り時遊技状態移行準備処理(ステップS606)について説明する。
小当り時遊技状態移行準備処理では、小当り遊技後の遊技状態を指定すべく、小当り遊技後の遊技状態を指定するための設定処理を行う。具体的には、まず変動パターン振分指定番号(Tcode)を取得し、次いで小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル(図60)を取得する。そして、上記小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを参照して、変動パターン振分指定番号と小当り種別(特別図柄判定データ)とに基づき、図61に示す遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」のいずれかを取得し、この遊技状態移行テーブルを参照して、該当するデータをRAM203の所定領域(変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタ)に格納する。これにより、小当り遊技後の遊技状態が決定されるようになっている。
(T−19.小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブル:図60)
図60に、小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルを示す。本実施形態の小当り用遊技状態移行テーブル選択テーブルには、変動パターン振分指定番号(Tcode)と当選種別(特別図柄判定データ:ここでは、小当り種別)とに関連付けられた複数種類の遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」(図61参照)が定められており、具体的には、変動パターン振分指定番号(Tcode)と特別図柄判定データとに基づき、複数種類の遊技状態移行テーブルのうちからいずれかの遊技状態移行テーブル(小当り用の遊技状態移行テーブル)が決定されるようになっている。
(T−20.小当り用遊技状態移行テーブル:図61)
図61を参照して、小当り用遊技状態移行テーブル「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」について説明する。これらの小当り用遊技状態移行テーブルには、小当り遊技後に移行すべき遊技状態を指定するためのデータとして、変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタに格納するためのデータが定められている。これらデータ値が変動パターン振分指定番号格納領域および特別図柄変動回数カウンタが格納されると、小当り遊技終了後の遊技状態が特定される。ここで上記「JTTBL−5」〜「JTTBL−7」には、変動パターン振分指定番号バッファおよび特別図柄変動回数カウンタバッファに格納するためのデータだけが定められているので、小当りに当選しても内部遊技状態の移行はなく、変動パターン選択モードとしての遊技状態の移行(変動パターン振分指定番号(Tcode)の変更)が行われるだけとなる。なお「JTTBL−5」は‘通常B(遊技状態移行規定回数100回)’に、「JTTBL−6」は‘通常C(遊技状態移行規定回数15回)’に、「JTTBL−7」は‘通常C(遊技状態移行規定回数30回)’に移行させるための遊技状態移行テーブルとなっている。
以上の小当り処理を抜けると、図8のステップS061の右打ち報知情報管理処理に進む。
<演出制御部側の処理:図27〜図37>
次に、図27〜図37を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、主に、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図27)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図29)とを含んで構成される。
<10.演出制御側メイン処理:図27>
図27は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図27に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。ここでは、初期設定処理として、たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、CTCの初期設定、タイマ割込みの許可、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS71の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS080の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図29のステップS096)で更新されるカウンタである。なお本実施形態では、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、各種演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、保留加算コマンド、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、変動停止コマンド、大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、V入賞コマンド、大当り終了コマンドなどが含まれる。
たとえば変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドとが受信され、それらが受信バッファに格納されている場合、コマンド解析処理において、これらコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選種別情報)に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。続いて、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお、決定された演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込む場合、枠演出ボタン13が操作されなかった場合の「非操作用演出シナリオ」を基本演出シナリオとして構築しておく。ボタン予告演出実行中に枠演出ボタン13が操作された場合は、その非操作用演出シナリオを差し替えて、枠演出ボタン13が操作された場合の「操作用演出シナリオ」に変更する必要が生じるが、このようなシナリオ変更に関する処理は、次に述べるステップS074の「シナリオ更新処理」で行うようになっている。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。たとえば、特別図柄が変動表示されている変動期間(特別図柄変動期間)内と実質的に同一期間内である、装飾図柄が変動表示されている変動期間(装飾図柄変動期間)内において、その時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。斯様な演出シナリオタイマは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)や演出役物制御データ更新処理(ステップS077)においても利用される。ここでは、この演出シナリオタイマを監視し、一の演出の発生時期が到来すると、スピーカ46用の音データと、画像表示制御用の液晶コマンドとを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用のLEDデータに関しては後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用のモータ制御データに関しては後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
またシナリオ更新処理では、上述の受信コマンド解析処理(ステップS073)において決定された基本演出シナリオを必要に応じて書き換える場合がある。既に説明したように、基本演出シナリオの中に「ボタン予告演出」を組み込んだ場合は、現在の非操作用予告演出シナリオとは異なる操作用演出シナリオに変更する必要が生じる。ここでは、ボタン予告演出中に枠演出ボタン13が操作されたことを確認した場合、「操作用演出シナリオ」に変更し(たとえば、パーツ演出を組み替える)、その変更した演出シナリオデータを上記シナリオ設定領域に再設定する。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ部45やLEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に格納する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出LED管理処理(図29のステップS095)で利用される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、ステップS074のシナリオ更新処理で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46から効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、可動体役物モータ61の制御データを作成する。ここで作成されたデータは、後述するタイマ割込処理中の演出役物動作管理処理(図29のステップS094)で利用される。
次いで、音源LSIなどの誤作動を監視するノイズ対策管理処理を行う(ステップS078)。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。これにより、メインループ処理を終了して、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS080の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(11.コマンド受信割込処理:図28)
次に図28を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図28は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図29)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図27に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(12.演出制御側タイマ割込処理:図29)
次に図29を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図29は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(1ms程度)ごとの割込みで起動され、演出制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図29において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出ボタン入力管理処理を行う(ステップS092)。この演出ボタン入力管理処理では、枠演出ボタン13からの操作(ON操作)検出信号の入力の有無を監視し、当該操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この情報は、上記ボタン予告演出に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS093)。この液晶コマンド送信処理では、図27の演出制御側メイン処理中のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS094)。この演出役物動作管理では、演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用のモータ制御データに基づき、駆動制御部を通じて可動体役物モータ61に制御信号を出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物による視覚的演出が実現される。
次いで、演出LED管理を行う(ステップS095)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータに基づき、光表示制御部を通じて装飾ランプ部45やLEDを点灯点滅させる。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS096)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS096の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS097)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。
<13.受信コマンド解析処理:図30〜図36>
(13−1.受信コマンド解析処理の概要:図30)
図30は、受信コマンド解析処理(図27のステップS073)で実行される処理を示すフローチャートである。まず、受信コマンドを解析し(ステップS711)、その解析結果であるコマンド種別に応じ(ステップS712)、「大当り開始コマンド」である場合は大当り開始コマンド受信処理を行い(ステップS713)、「ラウンド開始コマンド」である場合はラウンド開始コマンド受信処理を行い(ステップS714)、「ラウンド終了コマンド」である場合はラウンド終了コマンド受信処理を行い(ステップS715)、「大当り終了コマンド」である場合は大当り終了コマンド受信処理を行う(ステップS716)。また入賞コマンドを受信した場合は入賞コマンド受信処理を行う(ステップS717)。これ以外のコマンドを受信した場合は、その他のコマンド受信処理を行う(ステップS718)。
(T−21.当り中コマンド決定テーブル:図51)
図51は、上記の大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンドおよび大当り終了コマンドの具体的なデータ例を示した当り中コマンド決定テーブルである。上段の(イ)の「command_TBL1」〜「command_TBL8」が、特図1用の7図柄直当り、7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5についての当り中コマンド決定テーブルであり、下段の(ロ)の「command_TBL9」および「command_TBL10」が、特図2の7図柄当りCおよび7図柄以外当りDについての当り中コマンド決定テーブルである。これらの当り中コマンド決定テーブルにおいて「ラウンド終了コマンド」についてデータが記載してあるのは、シナリオBB1〜シナリオBB5について、3R目と7R目と11R目のみであり、他のラウンドについてはデータを掲げていない。他のラウンドについて「ラウンド終了コマンド」のデータを掲げなかったのは、データが存在しないからではない。ラウンド終了コマンドは各ラウンド遊技について個々に存在し、その全てが送信されるが、それらのラウンド終了コマンドが受信側で演出切替契機として利用されるのは上記のシナリオBB1〜シナリオBB5についての3R目と7R目と11R目の場合のみであり(図44〜図48参照)、これ以外の他のラウンドについては、送信されたデータが全て受信側で無視されて、演出切替契機として利用されないため、その記載を省略してテーブルを簡略化しただけである。
当り中コマンド決定テーブルの内容としては次の点が記載されている。たとえば7図柄直当りのcommand_TBL1では、大当り開始インターバルの始端で「大当り開始コマンド」としてF901[H]が送信され、1R目〜16R目の各ラウンド遊技の始端で「ラウンド開始コマンド」としてF101[H]〜F110[H]が送信され、大当り終了インターバルの始端で「大当り終了コマンド」としてF911[H]が送信される。そして特には示していないが、1R目〜16R目の各ラウンド遊技の終端で「ラウンド終了コマンド」も送信される。他のcommand_TBL2〜command_TBL3、command_TBL9、command_TBL10も同様である。
また、たとえばシナリオBB1のcommand_TBL4では、大当り開始コマンドとしてF903[H]が送信され、1R目〜14R目のラウンド開始コマンドとしてF131[H]〜F13E[H]が送信され、大当り終了コマンドとしてF941[H]が送信される。そして特には示していないが、1R目〜14R目の各ラウンド遊技についてのラウンド終了コマンドも送信される。このうち図51には、3R目、7R目、11R目のラウンド終了コマンドとして、それぞれF133[H]、F337[H]、F33B[H]が送信されることが示してある。他のcommand_TBL5〜command_TBL6も同様である。
このようにラウンド遊技の1つ1つについて、その始端でラウンド開始コマンド(大入賞口開放コマンド)を送信し、その終端でラウンド終了コマンドを送信することとしている。このため、ラウンド開始コマンドとラウンド終了コマンドのいずれをもED演出開始の契機として利用することができる。つまり、ラウンド遊技の始まり(始端)または終わり(終端)のいずれの時点からでも、ED演出を開始させることが可能になっている。また、受信側の演出制御部では、ED演出の開始契機として必要な場合にのみ、つまりED演出を開始させるラウンド遊技の始端または終端となっている場合のみ、ラウンド開始コマンドまたはラウンド終了コマンドを取り込んで処理に利用し、それ以降のラウンド遊技においてはラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドのいずれも不必要となるので、これらのコマンドを無視し、最初から受け付けない処理を行う。したがってED演出の開始のために、ラウンド開始コマンドおよびラウンド終了コマンドの総てを受け付けて処理を行う場合に比べ、それだけCPUによる処理負担が軽くなる。
(13−2.大当り開始コマンド受信処理:図31)
図31は、図17の大当り開始処理のステップS514で送信される大当り開始コマンドを受信した場合の処理を示すフローチャートである。この大当り開始コマンドは、大当り遊技開始時に送られてくる演出制御コマンドである。
図31において、演出制御部24(CPU241)は、大当り開始コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析して、その内容である今回の大当り種別情報を取得する(ステップS721)。次いで、連荘カウンタの値を確認する(ステップS722)。「連荘カウンタ」は、上記電チューサポート中、つまり確変・時短状態中(規定ST回数中)または時短状態(低確率・開放延長状態)中に、大当り連荘の計数対象となり得る大当り(条件付確変大当り・非確変大当り)に再度当選して、大当りを連荘した場合に、下記ステップS724にて1加算され、その後遊技状態が通常遊技状態(低確率・非時短・非開放延長状態)に戻ったときに内容がクリアされるカウンタである。その後、当り中演出テーブル選択テーブルを参照し、大当り種別と連荘回数とに応じた当り中演出テーブルを選択する(ステップS723)。
初当りの場合、ステップS723では、図63の当り中演出テーブル選択テーブルを参照し、図64に示す当り中演出テーブルWINTBL−P0〜WINTBL−P7の中から、大当り種別に応じた当り中演出テーブルを選択する(ステップS723)。本実施形態では、一の大当り種別に対して一の当り中演出テーブルが対応しているが、一の大当り種別に対して同種の当り中演出テーブルが複数用意されていてもよく、この場合は、演出用乱数を利用した抽選を行い、そのうちの一の当り中演出テーブルを選択する。
次いで、連荘回数加算手段としての連荘カウンタを1加算して、加算後の結果を連荘回数とする(ステップS724)。その後、当該当り中演出テーブルで選択された当り中演出テーブル情報、つまり当り中演出の演出シナリオデータと、上記連荘回数のデータとを格納し(ステップS725)、大当り開始コマンド受信処理を抜ける。これにより、大当り遊技開始に伴いOP演出が発生するとともに、そのOP演出画面に連荘回数が表示されることになる。
具体的な制御としては、当り中演出テーブル選択テーブルから当り中演出テーブルのテーブル番号情報が格納され、各コマンドを受信するたびに、この当り中演出テーブルに定められた各ラウンドに対応した演出データ(演出シナリオデータ)が設定される。
ここで、当り中演出テーブルは、あらかじめ連荘回数を複数種類に区分した当り中演出テーブルが用意されている。この例では連荘回数を‘1〜4回’‘5〜9回’‘10回以上’の3つのクラスに分け、その各クラス毎に当り中演出テーブルA〜Cを用意している。そして、当り中演出テーブルA、B、Cの順に、背景および楽曲が高揚感の高まるものになるように順位が設定されている。上記ステップS724にて連荘カウンタが1加算されて、その加算結果の値が上記クラス分けした閾値(数値範囲)を超えると、上記ステップS723で参照される当り中演出テーブルの順位が1段階レベルアップする。たとえば、連荘回数が5回目になると、選択される当り中演出テーブルがクラスAからクラスBに昇級し、これにより背景および楽曲がクラスAの場合よりも高揚感の高まるものに変更される。
上記ステップS723では、当り中演出テーブル選択テーブルにより、これらの当り中演出テーブルA〜Cのうちから、連荘回数のクラス順位に応じた1の当り中演出テーブルが選択され、当該テーブル上で、大当り種別に応じた当り中演出テーブル(演出シナリオ)が選択される。これにより、液晶表示装置36の画面上において、大当りを開始した際に、すなわちOP演出中にまたはOP演出中から1R目の長開放ラウンド遊技中にかけて、連荘回数が画像表示される。また、上記クラス順位のレベルアップがあった場合には、液晶表示装置36の画面上で背景演出がたとえば別の色の背景演出に切り替わり、あるいは楽曲がハイテンポのものに変化し、また光演出や音響演出も黄色から緑色や赤色あるいは点滅状態などに変化することになる。
この例の場合、連荘カウンタは大当り開始コマンドの受信時にステップS724で1加算され、OP演出中にまたはOP演出中からその直後の1R目の長開放ラウンド遊技中にかけて連荘回数が表示されるが、上記連荘回数の画像表示は必ずしもOP演出中に行う必要はない。OP演出中は連荘回数を画像表示させずに、その後の1R目のラウンド遊技中または1R目のサイクル遊技中等において、連荘回数を画像表示するようにしてもよい。
(13−3.ラウンド開始コマンド受信処理:図32)
図32はラウンド開始コマンド(大入賞口開放コマンド)を受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。このラウンド開始コマンドは、図18の特別電動役物作動開始処理のステップS522で送信される演出制御コマンドである。
まずED演出フラグがセットされていないことを確認する(ステップS730)。この「ED演出フラグ」は、ED演出が流されている間だけ、ステップS734でセット(5AH)されているフラグであり、当り中演出シナリオの終了時に、シナリオ更新処理(図35)中のステップS766でクリアされる。ED演出フラグがセットされていないこと(≠5AH)、つまりED演出中でないことを確認後、ラウンド開始コマンドを取得して解析し(ステップS731)、当該ラウンド開始コマンドがED演出の開始契機コマンドとして作用するコマンドであるか否かをチェックする(ステップS732)。そして、受信したラウンド開始コマンドがED演出開始契機コマンドでない場合は、ステップS735へ進み、受信したラウンド開始コマンドが、演出シナリオの開始または更新を指示する内容のコマンド(以下、「該当演出開始契機コマンド」と言う)であるか否かをチェックする。
(13−3−1.該当演出開始契機コマンドを受信した場合)
受信したラウンド開始コマンドが上記の該当演出開始契機コマンドである場合(ステップS735:YES)は、ステップS736に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、新たに演出を開始すべき該当する演出シナリオを設定する。たとえば、7図柄以外当りBの場合(図43)において、当該演出シナリオに従い、1R目のラウンド遊技の始端でラウンド開始コマンドを受けたときは「大当り演出1」の該当演出開始契機コマンドであると理解し、4R目のラウンド遊技の始端でラウンド開始コマンドを受けたときは「確変GET演出」の獲得ができるチャンス演出(確変GETチャンス演出)の該当演出開始契機コマンドであると理解し、5R目のラウンド遊技の始端でラウンド開始コマンドを受けたときは「大当り演出3」の該当演出開始契機コマンドであると理解し、それぞれの該当する演出シナリオを設定する。なお、その他のコマンド受信処理において、確変GETチャンス演出中にV入賞コマンドを受信するが、このときは、V入賞したことを報知する確変GET演出のシナリオをセットする。したがって確変GETチャンス演出のシナリオが途中から確変GET演出のシナリオに差し替えられる。
本実施形態においてラウンド開始コマンドが上記「該当演出開始契機コマンド」として受信される時点は、次の通りである。
(i)7図柄直当り(16Rフル開放)の場合:1R、4R、5R、7Rの始端(1R目、4R目、5R目、7R目の各ラウンド遊技の開始点を略記したもの、以下同じ)。
(ii)7図柄以外当りA(10Rフル開放+6Rショート開放)の場合:1R、4R、5R、7Rの始端。
(iii)7図柄以外当りB(10Rフル開放+2Rショート開放)の場合:1R、4R、5Rの始端。
(iv)シナリオBB1(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:1R、5Rの始端。
(v)シナリオBB2(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:1R、4R、9Rの始端。
(vi)シナリオBB3(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:1R、4R、9Rの始端。
(vii)シナリオBB4(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:1R、4R、9Rの始端。
(viii)シナリオBB5(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:1R、4R、9Rの始端。
(ix)7図柄当りC(16Rフル開放)の場合:1R、4R、5R、7Rの始端。
(x)7図柄以外当りD(4Rフル開放+8Rショート開放)の場合:1R、4R、5Rの始端。
上記演出の開始処理とは別に、当り中演出シナリオの実行中は、ラウンド開始コマンドを受信する毎に、ラウンド表示内容を1Rづつアップさせて、液晶表示装置36に画像表示する。ただしED演出が開始されると、このラウンド表示は行われなくなる。本実施形態の場合、ED演出が開始されるのは、実質的に出玉のある長開放ラウンドの繰り返しが終わった後、つまり短開放ラウンド遊技の繰り返しが開始されてからであり、短開放ラウンド遊技時間はたとえば最大0.1秒と短いので、このような短時間のラウンド遊技中に、しかもED演出が流されている期間中にラウンド表示を行っても、殆ど意味がないからである。ラウンド表示は出玉の得られる長開放ラウンドである場合のみ、その長開放ラウンド遊技中または長開放サイクル遊技中に渡って行われ、次の長開放ラウンド遊技が開始されることで、表示内容のラウンド数が1Rアップされる。
また入賞コマンド受信処理(図30のステップS717)において、図22のステップS563により、入賞球が発生する度に送信される大入賞口入賞コマンドが受信される。この大入賞口入賞コマンドは、入賞球1個当りの所定の賞球数情報を含んでいる。この大入賞口入賞コマンドを受けて、入賞コマンド受信処理中の獲得球数計数処理により獲得球数が算出される。その際、液晶表示装置36には、今回のラウンド遊技で獲得されて行く賞球数を逐次表示すると共に、前回までのラウンド遊技で獲得した獲得球数に、当該ラウンド遊技で獲得されて行く賞球数を累積加算して行く途中経過の値および加算結果の値が画像表示(ダイナミック表示)され、この獲得球数の積算値が1ラウンド毎に表示されて行く。その際に用いられる獲得球数の算出式は、1ラウンド分の獲得球数の計算式として、入賞球1個に対する払出賞球数を単位とし、これを入賞個数分だけ単純加算する方法、または、入賞球1個当りの払出賞球数から入賞球1個を減算した値を単位とし、これを入賞個数分だけ積算する方法の、いずれかが用いられる。また計数対象区間の態様としては、1ラウンド遊技中で入賞球が発生する時点を捉え、入賞球が1個発生する毎に対応する賞球数を逐次加算表示(ダイナミック表示)する方法の他に、1ラウンド遊技の区切りを計数する時点として捉え、1ラウンド進む毎に、1ラウンド遊技分の獲得球数を累積加算して静止的に表示(スタティック表示)する方法であっても良い。
いずれの表示方法による場合も、上記の獲得球数の数値表示は、長開放ラウンド遊技の繰り返しが終了することで、つまりED演出が開始された時点で行われなくなる。ED演出が流されるのは短開放ラウンド遊技の繰り返し期間中であり、その各短開放ラウンド遊技時間はたとえば最大0.1秒と短いため、この短時間のラウンド遊技中に入賞球が発生することはまれであり、この間も打ち出しを続けている場合にはむしろ獲得球数の積算値が減少してしまい、遊技者に違和感を与えてしまう可能性があるからである。しかし実際に入賞球が発生した場合は、これを無視することなく、その払い出し分を獲得球数に加算して、次回の獲得球数表示をより正確なものにする。
(13−3−2.ED演出の開始契機コマンドを受信した場合)
その後、ED演出の開始契機コマンドの内容を持つラウンド開始コマンドを受信した場合は(ステップS732:YES)、ステップS733に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて「ED演出」の演出シナリオを設定する(ステップS733)。たとえば、7図柄以外当りBの場合(図43)において、当該演出シナリオに従い、11R目のラウンド遊技の始端でラウンド開始コマンドを受けた場合は「ED演出」の開始契機コマンドであると理解し、そのエンディング演出シナリオを設定する。次いでED演出フラグをセットして(ステップS734)、このラウンド開始コマンド受信処理を抜ける。これにより該当する「ED演出」が開始されることになる。このED演出フラグは、ED演出が経過した後の当該演出シナリオの終了時に、シナリオ更新処理(図35)中のステップS766でクリアされる。
本実施形態においてラウンド開始コマンドが上記「ED演出の開始契機コマンド」として受信される時点は、次の通りである。
(イ)特図1の抽選における、7図柄直当り(16Rフル開放)の場合:該当なし。
(ロ)7図柄以外当りA(10Rフル開放+6Rショート開放)の場合:11Rの始端(図42中のES1点)。
(ハ)7図柄以外当りB(10Rフル開放+2Rショート開放)の場合:11Rの始端(図43中のES1点)。
(ニ)シナリオBB1(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:11Rの始端(図44中のES1点)。
(ホ)シナリオBB2(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:12Rの始端(図45中のES1点)。
(ヘ)シナリオBB3(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:13Rの始端(図46中のES1点)。
(ト)シナリオBB4(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:13Rの始端(図47中のES1点)。
(チ)シナリオBB5(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合は13Rの始端(図48中のES1点)。
(リ)7図柄当りC(16Rフル開放)の場合:16Rの始端(図49中のES3点)。
(ヌ)7図柄以外当りD(4Rフル開放+8Rショート開放)の場合:9Rの始端(図50中のES4点)。
上記(ロ)7図柄以外当りAから上記(チ)のシナリオBB5は、開放ラウンド遊技が繰り返される場合でも、その途中に短開放ラウンド遊技が介在する場合がある。しかし、そのいずれの場合でも、ED演出は、長開放ラウンド遊技が発生することのなくなった最後の長開放ラウンド遊技に続く一連の短開放ラウンド遊技について、その最初の短開放ラウンド遊技の始端(図中のES1点)から開始される(図42〜図48参照)。ED演出は、上記一連の短開放ラウンド遊技が行われている間およびこの各短開放ラウンドに続くラウンド間INT中も流され続ける。そして上記一連の短開放ラウンド遊技の最後の短開放ラウンド遊技に続くラウンド間INTが終わると、最後の大当り終了インターバルに入る。ED演出はこの最後の大当り終了インターバル中も流されて、当該大当り終了インターバルが終了することで終了する。したがって上記一連の短開放ラウンド遊技およびこれに続くラウンド間INTに対する演出は、大当り終了インターバルに対する演出と同じ共通のED演出でまかなわれることになり、対応する演出を特に用意する必要がなくなる。また、このED演出が流されている間に演出制御部側に送られて来るラウンド開始コマンドは全て無効化扱いされるため、演出制御部側の制御負担も対応して軽くなることになる。
ED演出で画像表示される内容としては、「FUJI」のロゴ表示画面を主体とし、次回の特別図柄変動表示が確変状態であるのかまたは通常状態であるのかまたは時短状態であるのかを示唆する演出、たとえば特定のキャラクタや背景色を出現させる。また当該が面内に、今回の大当りにおいて、実行されたラウンド数値や、長開放ラウンド遊技の全ラウンドで獲得した獲得球数の最終的なトータル値などを表示する。また大当りを連荘している場合には、その連荘回数や、連荘により得られたトータル獲得球数も表示される。上記したダイナミックに変動するラウンド数や獲得球数の表示については、これを終了する。
ところで、上記(リ)7図柄当りCにおけるED演出は、「即撃チャレンジ演出」として出現されるもので、最後の16Rの長開放ラウンド遊技の始端から開始され(図49のES3点)、当該長開放ラウンド遊技が行われている間(最大29.8秒間:図中には29Sと概略値で示す)およびこれに続くラウンド間INT(1.98秒)中も流され続け、さらにこれに続く大当り終了インターバル中も流されて、当該大当り終了インターバルが終了することで終了する。
ここで心配になるのは、ED演出が長開放ラウンド遊技中から開始されている点である。つまり16Rの長開放ラウンド遊技中に入球する頻度が高く、上記29.8秒の到来を待たずに大入賞口最大入賞数に達して大入賞口が閉鎖される場合と、入球する頻度が低く、大入賞口最大入賞数に達しないために上記29.8秒が到来して大入賞口が閉鎖される場合とで、エンディング演出終了時間に長短の違いが生まれる可能性がある。主制御部と演出制御部との間はオープン制御となっており、演出制御部側は主制御部からの指示(ラウンド開始コマンド)に従い、単に大当り開始時に決定した大当りエンディングを流すだけであるため、大当りエンディングが一定時間幅のものであるとすると、上記長短の違いに対応できない、つまり時間内に終了しないことが危惧される。
そこで本実施形態では、ED演出を流すべき全期間よりも時間長の短い演出を1単位の演出として用意して、これを繰り返し使用する。すなわち7図柄当りCの場合、連続的に演出を繰り返すための1単位となるエンディング用演出(以下、「ED用単位演出」と称する)として、その時間長が16R目始端〜大当り終了INT終端までの合計期間(被エンディング演出付与期間)よりも短いものを使用する。たとえば被エンディング演出付与期間が40秒であるとすると、ED用単位演出として、これより時間幅が短い演出(たとえば9秒の勝利演出)を用意し、この9秒のED用単位演出を被エンディング演出付与期間の全長(40秒間)にわたり4回繰り返し現出させて終わりを4秒間延ばすか、または5回繰り返し現出させて5回目の途中で、次の特別図柄変動パターン指定コマンドが到来することで、ED演出を終了する。このようにすると、大入賞口50の閉鎖タイミングに29.8秒の到来前であるか到来後であるかの違いが生まれたとしても、必ず大当りエンディング用単位演出が1回は最後まで流されるため、ED演出が最後まで流れずに途中で切れてしまう場合に比べ、演出上の不自然さが少なくなる。
(13−4.ラウンド終了コマンド受信処理:図33)
図33はラウンド終了コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。このラウンド終了コマンドは、図21の特別電動役物作動中処理のステップS554で送信される演出制御コマンドである。
まずED演出フラグが成立していないことを確認した後(ステップS740)、ラウンド終了コマンドを取得し(ステップS741)、当該ラウンド終了コマンドがED演出の開始契機コマンドであるか否かをチェックする(ステップS742)。そして、受信したラウンド終了コマンドがED演出開始契機コマンドでない場合は、ステップS745へ進み、受信したラウンド終了コマンドが、演出シナリオの開始または更新を指示する内容のコマンド(該当演出開始契機コマンド)であるか否かをチェックする。受信したラウンド開始コマンドが上記の該当演出開始契機コマンドである場合(ステップS745:YES)は、ステップS746に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、新たに演出を開始すべき該当する演出シナリオを設定する。たとえば、シナリオBB1の場合(図44)において、3R目のラウンド遊技の終端でラウンド終了コマンドを受けたときは、「V開放ラウンド用演出(V入賞演出が発生し得る)」の該当演出開始契機コマンドであると理解し、該当する演出シナリオを設定する。
その後、ED演出の開始契機コマンドの内容を持つラウンド終了コマンドを受信すると、ステップS742の判断がYESとなる。ステップS743に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて「ED演出」の演出シナリオを設定する。これにより「ED演出」が開始される。そしてED演出フラグをセットして(ステップS744)、このラウンド開始コマンド受信処理を抜ける。このED演出フラグは、ED演出が経過した後の当該演出シナリオの終了時に、シナリオ更新処理(図35)中のステップS766でクリアされる。
本実施形態においてラウンド終了コマンドが上記該当演出開始契機コマンドとして受信される時点は、次の通りである。
(i)7図柄直当り(16Rフル開放)の場合:該当なし。
(ii)7図柄以外当りA(10Rフル開放+6Rショート開放)の場合:該当なし。
(iii)7図柄以外当りB(10Rフル開放+2Rショート開放)の場合:該当なし。
(iv)シナリオBB1(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:3Rの終端。
(v)シナリオBB2(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:3R、7Rの終端。
(vi)シナリオBB3(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:3R、7R、11Rの終端。
(vii)シナリオBB4(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:3R、7R、11Rの終端。
(viii)シナリオBB5(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:3R、7R、11Rの終端。
(ix)7図柄当りC(16Rフル開放)の場合:該当なし。
(x)7図柄以外当りD(4Rフル開放+8Rショート開放)の場合:該当なし。
本実施形態においては、ラウンド終了コマンドが上記ED演出の開始契機コマンドとして受信されるケースはない。しかし、他の実施形態として、次の(ロ)〜(チ)のように、ラウンド終了コマンドをED演出の開始契機コマンドとして作用させる形態、つまりラウンド遊技の終端からED演出を開始させる形態としてもよい。この場合のED演出の開始点を、図42〜図48にES2点として示す。
(イ)特図1の抽選における、7図柄直当り(16Rフル開放)の場合:該当なし。
(ロ)7図柄以外当りA(10Rフル開放+6Rショート開放)の場合:10Rの終端(図42中のES2点)。
(ハ)7図柄以外当りB(10Rフル開放+2Rショート開放)の場合:10Rの終端(図43中のES2点)。
(ニ)シナリオBB1(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:10Rの終端(図44中のES2点)。
(ホ)シナリオBB2(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:11Rの終端(図45中のES2点)。
(ヘ)シナリオBB3(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:12Rの終端(図46中のES2点)。
(ト)シナリオBB4(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:12Rの終端(図47中のES2点)。
(チ)シナリオBB5(10Rフル開放+4Rショート開放)の場合:12Rの終端(図48中のES2点)。
(リ)7図柄当りC(16Rフル開放)の場合:該当なし。
(ヌ)7図柄以外当りD(4Rフル開放+8Rショート開放)の場合:該当なし。
(13−5.大当り終了コマンド受信処理:図34)
図34は大当り終了コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この大当り終了コマンドは、図23の特別電動役物作動継続判定処理のステップS580で送信される演出制御コマンドである。
まずED演出フラグが成立していないことを確認した後(ステップS750)、大当り終了コマンドを取得し(ステップS741)、当該大当り終了コマンドがED演出の開始契機コマンドであるか否かをチェックする(ステップS752)。そして、受信した大当り終了コマンドがED演出開始契機コマンドでない場合は、何もせずに大当り終了コマンド受信処理を抜ける。すなわちED演出開始契機コマンドとして作用しない大当り終了コマンドは無視される。
ステップS752の判断としてED演出の開始契機コマンドであった場合は(ステップS752:YES)、ステップS753に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて「ED演出」の演出シナリオを設定する。これにより「ED演出」が開始される。そしてED演出フラグをセットして(ステップS734)、このラウンド開始コマンド受信処理を抜ける。このED演出フラグは、ED演出が経過した後の当該演出シナリオの終了時に、シナリオ更新処理(図35)中のステップS766でクリアされる。
本実施形態の場合、ED演出開始契機コマンドとして大当り終了コマンドが受け付けられるのは、7図柄直当り(図41)における16Rのラウンド遊技後の場合だけ、正確にはその後のインターバル1.98sが経過した時点で大当り終了コマンドが到来した場合だけであり、これ以外の図42〜図50の大当りのケースにおいては、たとえ大当り終了コマンドが到来しても全て受け付けられずに無効扱いとなる。
<14.シナリオ更新処理:図35>
図27において、上記受信コマンド解析処理(ステップS073、図30)を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理する演出シナリオタイマである。この演出シナリオタイマにより、大当り遊技中において、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールが管理される。
図35を参照して、シナリオ更新処理では、まず何らかのシナリオが実行中であるかをチェックする(ステップS760)。上記コマンド受信処理中で何らかの演出シナリオデータが設定された場合、シナリオが実行中と判断し、何もしないでこの処理を抜ける。シナリオが実行中でなければ、演出シナリオタイマを更新し(ステップS761)、その結果の演出シナリオタイマ値に対応して、今回の演出シナリオ中のパーツ演出群の更新をする(シナリオ演出更新処理:ステップS762)。次いで、演出制御部側のタイマ割込処理のステップS093で送信される液晶コマンドの設定、およびステップS076で出力される音データの設定をする(ステップS763〜S764)。
そして、演出シナリオが終了したか否かを判断する(ステップS765)。演出シナリオがまだ終了していない間は、そのまま直ぐにシナリオ更新処理を抜ける。演出シナリオが終了したときは(ステップS765:YES)、ED演出シナリオ終了処理に入り(ステップS766)、ここでED演出フラグをクリアする。また、ここで演出モード背景表示データを設定する処理も行う。次いで、他のシナリオ終了処理を行う(ステップS767)。
次に、演出シナリオをループ再生するか否かを判断する(ステップS768)。ここで大当り終了インターバル(大当り終了INT)の時間経過後の状況について、保留球がある場合とない場合を考えてみる。一方において、大当り終了インターバルの時間経過後、保留球があるケースであれば、その最初の保留球が消化されるタイミングで、必ず変動パターン指定コマンドが主制御部から演出制御部に送信され、これにより演出制御部側は、ED演出を強制的に終了する、という関係にある。これにより、たとえば、ED演出の最後に表示される「FUJI」のロゴ表示の画面から、変動表示画面に切り替わる。
他方において、保留球が無いケースであれば、大当り終了インターバルの時間経過後、主制御部側からは、なにも演出制御コマンドが送信されて来ない。したがって演出制御部側が現状を把握するには、演出制御部自身で、つまりシナリオ更新処理中で、ED演出の時間経過を監視して、所定の時間経過があったことを条件にED演出を終了させ、画面の背景表示を切り替える制御を行い(確変演出モード、または時短演出モード、潜確当選時は秘匿演出モードに応じた背景表示)、主制御部側から変動パターン指定コマンドが送信されて来るのを待つことになる。
いずれにしても、ステップS768での判断としては、後続のコマンド(変動パターン指定コマンド)を受信すれば強制的に新たな変動用の演出が設定されるので、この時点が到来するまでは再生ループを実行する、という判断になる。このループ再生をすると判断した場合は(ステップS768:YES)、ステップS769の演出シナリオループ設定処理に進み、ループ再生のために演出シナリオを最初から再生する設定処理を行う(ステップS769)。このように演出シナリオが終了する度に、後続のコマンド(変動パターン指定コマンド)を受信したかどうかをチェックしてループ再生をするか否かを判断し、後続のコマンドが来ていなければループ再生をすべきと判断し、この演出シナリオループ設定処理を繰り返す。かくするうちに、変動パターン指定コマンドが送信されて来る。これにより、ステップS768の判断がループ再生をしないとの判断に変わる(ステップS768:NO)。そこで、新たに演出シナリオループ設定処理をすることなく、仕掛かり中の演出シナリオを終了する。以上で図35のシナリオ更新処理を終了して、図27のステップS074にリータンする。
<15.具体例>
次に当り中演出の具体例について説明する。ここでは、当り中演出として「シナリオBB2」の当り中演出テーブル「WINTBL−P2」が選択された場合(ケース1)を例にする。この当り中演出テーブル「WINTBL−P2」は、図31のステップS723において、図64の当り中演出テーブルの中から選択される。
図32のラウンド開始コマンド受信処理においては、図41の1R目の始端において1R目のラウンド開始コマンド“F141[H]”を受信する。ステップS732の判断として、当該コマンドはED演出を開始すべき12R目のラウンド開始コマンドの“F14C[H]”と合致しない(図51参照)。そこでステップS732の判断はNO(ED演出開始契機コマンドではない)となり、ステップS735に進む。
(チャレンジ演出1回目→失敗の演出について)
ステップS735では、受信したラウンド開始コマンドが、演出シナリオを開始または更新すべき「該当演出開始契機コマンド」であるか否かをチェックする。このケース1の場合、ステップS735では、1R目の始端で受信したラウンド開始コマンド“F141[H]”が、演出シナリオ上で定めた2.5サイクルに渡る「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出を開始すべきラウンド開始コマンド“F141[H]”と一致するか否かを判断する。1R目の始端で受信したラウンド開始コマンド“F141[H]”はこれに該当するので、ステップS735の判断はYES(該当演出開始契機コマンドである)となる。ステップS736に進み、図64の当り中演出テーブルデータ(当り中演出シナリオ:WINTBL−P2)に基づいて、該当演出用の演出シナリオ(パーツシナリオ)を設定する。ケース1の場合、この1R目の始端で「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出シナリオを設定する。
この「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出は、1R目の始端から3R目の終端までの期間にわたり継続して流される。この間には、1R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、2R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、3R目のラウンド遊技(最大29.8秒)が経過することになる。この間において、図45における1R目の終端、2R目の始端および終端、3R目の始端で、それぞれコマンド(ラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンド)が受信されるが、これらは全て無視される。
詳しくは、この「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出期間中、まず図45の1R目の終端において、図33のラウンド終了コマンド受信処理により、ラウンド終了コマンド“F341[H]”(図51に記載なし)が受信される。次いで2秒のラウンド間INTを置いて、2R目の始端で、図32のラウンド開始コマンド受信処理によりラウンド開始コマンド“F142[H]”が受信され、その後端で図33のラウンド終了コマンド受信処理によりラウンド終了コマンド“F342[H]”が受信される。さらに2秒のラウンド間INTを置いて、3R目の始端で図32のラウンド開始コマンド受信処理によりラウンド開始コマンド“F143[H]”が受信され、その後端で図33のラウンド終了コマンド受信処理によりラウンド終了コマンド“F343[H]”が受信される。
これらのコマンドのうち、図32のラウンド開始コマンド受信処理により、2R目の始端および3R目の始端で受信されるラウンド開始コマンド“F142[H]”〜“F143[H]”については、ED演出開始契機コマンドでも該当演出開始契機コマンドでもないので、ステップS732およびステップS735の判断がNOとなり、何もせずにリターンする。つまりラウンド開始コマンド“F142[H]”〜“F143[H]”は無視される。また図33のラウンド終了コマンド受信処理により、1R目の終端、2R目の終端および3R目の終端で受信されるラウンド終了コマンド“F341[H]”〜“F343[H]”についても、これらはED演出開始契機コマンドでも該当演出開始契機コマンドでもないので、ステップS732およびステップS735の判断がNOとなり、何もせずにリターンする。つまりラウンド終了コマンド“F341[H]”〜“F343[H]”も無視される。
(失敗→2回目への演出について)
続いて図45における3R目の終端において、図33のラウンド終了コマンド受信処理により、ラウンド終了コマンド“F343[H]”が受信される。ステップS745において、このラウンド終了コマンド“F343[H]”が演出シナリオ上で定めた1.5サイクルに渡る「失敗→2回目へ」の演出を開始すべきラウンド終了コマンド“F343[H]”と一致するか否かが判断される。一致するのでステップS745の判断がYES(該当演出開始契機コマンドである)となり、ステップS746に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、「失敗→2回目へ」の演出用の演出シナリオが設定される。これにより「チャレンジ演出1回目→失敗」の演出から「失敗→2回目へ」の演出に切り替わる。
この「失敗→2回目へ」の演出は、3R目のラウンド遊技の終端から4R目のサイクル遊技の終端(5R目の始端)までの1.5サイクル遊技の期間にわたり継続して流される。この1.5サイクル遊技の間に、3R目のラウンド遊技後のラウンド間INT(2秒)と、3R目のラウンド遊技(最大0.1秒)と、これに続くラウンド間INT(3秒)とからなる期間が経過することになる。このように「失敗→2回目へ」の演出について、4R目のラウンド遊技期間(最大0.1秒)およびその前後のラウンド間INT(2秒と3秒)の期間を合わせた期間(5.1秒)を演出展開用の期間として確保している。これは、4R目のラウンド遊技期間については、大入賞口50の開放時間が最大0.1秒と短く、この0.1秒の時間幅だけでは「失敗→2回目へ」の演出を展開するのに不十分であると考えたことによる。したがって、この演出を展開するのに必要な時間長さが確保されるのであれば、前後のインターバル区間の双方を加えることは、必ずしも必要でなく、前後のインターバル区間のいずれか一方を加えた期間長さとすることもできる。またこの実施形態では、4R目の後端に続くラウンド間INTを3秒として、他の2秒の場合よりも長くしているが、これは演出シナリオのおおまかに区分する節目の一つであることを明らかにするためであり、他と同じ2秒にすることもできる。
上記の「失敗→2回目へ」の演出が流れている期間中、図45における4R目の始端において、図32のラウンド開始コマンド受信処理により、ラウンド開始コマンド“F144[H]”が受信され、また同4R目の終端において、図33のラウンド終了コマンド受信処理によりラウンド終了コマンド“F344[H]”(図51に記載なし)が受信されるが、これらのコマンドは無視される。
(チャレンジ演出2回目→成功の演出について)
続いて図45における5R目の始端において、図32のラウンド開始コマンド受信処理が、ラウンド開始コマンド“F145[H]”を受信する。ステップS732からステップS735と進み、受信したラウンド開始コマンド“F145[H]”が、演出シナリオ上で定めた2.5サイクルに渡る「チャレンジ演出2回目→成功」の演出を開始すべきラウンド開始コマンド“F145[H]”と一致するか否かを判断する。一致するのでステップS735の判断がYES(該当演出開始契機コマンドである)となり、ステップS736に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、「チャレンジ演出2回目→成功」の演出用の演出シナリオを設定する。これにより「失敗→2回目へ」の演出から「チャレンジ演出2回目→成功」の演出に切り替わる。
この「チャレンジ演出2回目→成功」の演出は、5R目の始端から7R目の終端までの期間(2.5サイクル遊技期間)にわたり流される。この間には、5R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、6R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、7R目のラウンド遊技(最大29.8秒)の期間が経過することになる。この「チャレンジ演出2回目→成功」の演中、図45における5R目の終端、6R目の始端および終端、7R目の始端で、それぞれ図32のラウンド開始コマンド受信処理または図33のラウンド終了コマンド受信処理が、ラウンド開始コマンドまたはラウンド終了コマンドを受信するが、これらは全て無視される。
(V開放ラウンド用演出について)
続いて図45における7R目の終端において、図33のラウンド終了コマンド受信処理がラウンド終了コマンド“F347[H]”を受信する。図33のステップS745において、このラウンド終了コマンド“F347[H]”が演出シナリオ上で定めた「V開放ラウンド用演出」を開始すべきラウンド終了コマンド“F347[H]”と一致するかが判断される。一致するのでステップS745の判断はYES(該当演出開始契機コマンドである)となり、ステップS746に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、「V開放ラウンド用演出」の演出シナリオが設定される。これにより「チャレンジ演出2回目→成功演出」から「V開放ラウンド用演出」に演出が切り替わる。このV開放ラウンド用演出は、7R目の終端から9R目の始端までの期間(1.5サイクル遊技期間)にわたり流される。この間にV入賞コマンドが送信され、これを受信することでV入賞演出が現出する。
このV開放ラウンド用演出が展開される期間中には、7R目のラウンド遊技後のラウンド間INT(2秒)、8R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(3秒)の期間が経過することになる。このように「V開放ラウンド用演出」について、8R目のラウンド遊技期間(最大29.8秒)およびその前と後のラウンド間INT(2秒と3秒)の期間を合わせた期間(1.5サイクル遊技期間)を演出展開用の期間としているのは、4R目のサイクル遊技における「失敗→2回目へ」の演出の場合と同様に、V開放ラウンド(特別ラウンド)として働くため、「V開放ラウンド用演出」を展開するのに十分な時間を確保するためである。また8R目の後端に続くラウンド間INTを3秒として、他の2秒の場合よりも長くしているのは、演出シナリオのおおまかな区分となる節目の一つであることを明らかにするためでもある。この機能からすると、当り中演出シナリオ全体をおおまかに区分する一つの節目として遊技者が認識するように作用させていればよく、そのように実際に遊技者が認識しなくてもよい。したがって、この8R目の後端に続くラウンド間INTを他と同じ2秒にすることも自由である。
遊技者は、上記の「V開放ラウンド用演出」の演出中において、画面上に映像として現れるまたは映像として定かには現れないV入賞ゲームにチャレンジし、通常右打ちをしていれば、必ず遊技球が大入賞口50内に在る継続入賞口に入球してV入賞が確定し、そのことを報知するV入賞演出が発生することになる。
このV入賞ゲームが行われる7R目の終端から9R目の始端までの「V開放ラウンド用演出」の期間中において、図45における8R目の始端では、図32のラウンド開始コマンド受信処理によりラウンド開始コマンド“F148[H]”が受信され、また同8R目の後端では、図33のラウンド終了コマンド受信処理によりラウンド終了コマンド“F348[H]”(図51では省略)が受信されるが、これらのコマンドは無視される。
(大当り演出2について)
続いて図45における9R目の始端において、図32のラウンド開始コマンド受信処理がラウンド開始コマンド“F149[H]”を受信する。ステップS732からステップS735と進み、受信したラウンド開始コマンド“F149[H]”が、演出シナリオ上で定めた「大当り演出2」の演出を開始すべきラウンド開始コマンド“F149[H]”と一致するかを判断する。一致するのでステップS735の判断はYES(該当演出開始契機コマンドである)となり、ステップS736に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、「大当り演出2」の演出用の演出シナリオを設定する。これにより「V開放ラウンド用演出またはV入賞演出」から「大当り演出2」へと演出が切り替わる。
この「大当り演出2」の演出は、9R目の始端から12R目の始端までの期間(3サイクル遊技期間)にわたり継続して流される。したがって、その間に、9R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、10R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、11R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(2秒)の期間が経過することになる。この「大当り演出2」の期間中、図45における9R目の終端、10R目の始端および終端、および11R目の始端および終端で、それぞれラウンド開始コマンドまたはラウンド終了コマンドを受信されるが、これらは全て無視される。
(エンディング演出について)
続いて図45における12R目の始端において、図32のラウンド開始コマンド受信処理がラウンド開始コマンド“F14C[H]”を受信する。ステップS732に進み、受信したラウンド開始コマンド“F14C[H]”が、演出シナリオ上で定めた「ED演出」を開始すべきラウンド開始コマンド“F14C[H]”と一致するかを判断する。一致するのでステップS732の判断はYES(ED演出開始契機コマンドである)となり、ステップS733に進み、図64の当り中演出テーブルデータに基づいて、「ED演出」の演出シナリオを設定する。そしてED演出フラグをセットする(ステップS734)。これにより「大当り演出2」から「ED演出」の演出に切り替わる。
この「ED演出」の演出は、12R目の始端から大当り終了INTの始端までの期間(短開放の3サイクル遊技期間)および大当り終了INT期間にわたり継続して流される。したがって、その間に、12R目のラウンド遊技(最大0.1秒)、その後のラウンド間INT(3秒)、13R目のラウンド遊技(最大0.08秒)、その後のラウンド間INT(2秒)、14R目のラウンド遊技(最大29.8秒)、その後のラウンド間INT(1.98秒)の期間が経過することになる。12R目の後端に続くラウンド間INTを3秒としているのは、V開放ラウンド(特別ラウンド)とするためではなく、演出シナリオをおおまかに区分する節目の一つであることを明らかにするためであり、他と同じ2秒にすることもできる。また12R目のラウンド遊技期間の最大を0.08秒として他の0.1秒より短くしているが、他と同じ0.1秒に合わせることもできる。
この「ED演出」の期間中、図45の12R目の終端においてラウンド終了コマンド“F34C[H]”(図51に図示せず)を受信するが、無視される。また13R目の始端および終端において、ラウンド開始コマンド“F14D[H]”およびラウンド終了コマンド“F34E[H]”(図51に図示せず)を受信するが、無視される。また14R目の始端および終端において、ラウンド開始コマンド“F14E[H]”およびラウンド終了コマンド“F34E[H]”を受信するが、無視される。また、その後、大当り終了INTの始端において大当り終了コマンド“F951[H]”を受信するが、これも無視される。
このように「ED演出」が、大当り終了INTより前の12R目のラウンド遊技の段階から、つまり出玉の得られる長開放ラウンドの繰り返しが終了した段階から、既に開始されることは非常に特徴的である。実質的に出玉が得られなくなる短開放ラウンドの繰り返しが始まるとすぐに(12R目の始端から)ED演出が開始され、このED演出が大当り終了INTの終端までの期間全体にわたって展開される。したがって遊技者には、短開放ラウンドの繰り返しが始じまった時点から、実質的に出玉の有るラウンド遊技が終了していることを明確に知らされることになる。よって、遊技の状態を把握しやすい弾球式遊技機が提供される。
また、12R目の始端から一のED演出だけが展開されるということは、12R目、13R目および14R目のラウンド遊技やその後のラウンド間INTに対する個別のラウンド演出を用意しておく必要がないこと、つまり、短開放のラウンド遊技を繰り返している期間について、エンディング演出までの繋ぎの演出を必要としない弾球遊技機が提供されることを意味する。また図45の12R目の終端、13R目の始端および終端、14R目の始端および終端においては、ラウンド開始コマンドやラウンド終了コマンドが受信されるが、これらのコマンドは受け付けずに無視される。よって、CPUが無駄な制御処理をしなくて済み、それだけCPUの制御負担を軽くすることができる。
また当り中演出の全体から見ると、ラウンド間の区切りの演出が無いため、遊技者は各ラウンド遊技の区切りを意識することなく、連続した演出シナリオに沿って、すなわちチャレンジ演出の成否やV入賞の有無などの演出変化とその演出結果の推移にのみ留意しながら、バトル演出を楽しむことができる。シナリオBB1〜BB5において、長開放動作の最終ラウンドが、シナリオBB1では10R目、シナリオBB2では11R目、シナリオBB3およびシナリオBB4では12R目、シナリオBB5では11R目である、というように変化を付けているのも、最終的に長開放動作の最終ラウンドがどこになるのか、途中のラウンドで推測する楽しみを遊技者に与えるためである。よって、制御負荷を軽減しつつ弾球遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
<その他のコマンド受信処理の内容:図36〜図37>
図36〜図37は、図30のステップS718(その他のコマンド受信処理)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深いものを示したものである。以下、「変動パターン指定コマンド」、「大当り終了コマンド」、「小当り終了コマンド」、および「装飾図柄指定コマンド」を受信した場合についてそれぞれ説明する。
(16.変動パターン指定コマンドの受信処理:図36)
図36は、変動パターン指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この変動パターン指定コマンドは、図19の特別図柄変動パターン作成処理のステップS450で送信される演出制御コマンドである。
図36において、演出制御部24(CPU241)は、変動パターン指定コマンドを受信した場合、まずそのコマンドの内容を解析し(ステップS831)、その内容である特別図柄の変動パターン情報を取得し、RAM243の所定領域に格納する(ステップS832)。図柄変動表示ゲーム中の演出シナリオは、まだこの時点では決定せず、変動パターン指定コマンドに続いて送られてくる装飾図柄指定コマンドを受信した場合に決定される。つまり、ここで格納された変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる情報(特別図柄判定データ情報)とに基づき、図柄変動表示ゲーム(装飾図柄変動表示ゲーム)中の演出シナリオが決定されるようになっている。
(17.装飾図柄指定コマンドの受信処理:図37)
図37は、装飾図柄指定コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。この装飾図柄指定コマンドは、図15の特別図柄変動開始処理のステップS415で送信される演出制御コマンドである。ここでは、図36の変動パターン指定コマンド受信処理で得られた変動パターン情報と、装飾図柄指定コマンドにより得られる情報とに基づいて、図柄変動表示ゲーム中の演出(各種の予告演出)、装飾図柄の表示態様(疑似連中の仮停止図柄、リーチ図柄、停止装飾図柄など)が決定され、今回の変動表示ゲームに係る演出シナリオが構成される。
図37において、演出制御部24(CPU241)は、まず装飾図柄指定コマンドの内容を解析し、その内容を取得する(ステップS871)。
次いで、装飾図柄停止図柄抽選処理を行う(ステップS872)。この装飾図柄停止図柄抽選処理では、ステップS732の処理で得られた変動パターン情報と装飾図柄指定コマンドに含まれる当選種別情報とに基づき、最終的に停止させる左図柄・中図柄・右図柄(装飾図柄停止図柄の組合せ)を抽選により決定する。たとえば、変動パターンの内容がリーチ演出指定の当り変動パターンあり、かつ当選種別情報が16R長開放条件付確変大当りである場合、当該16R長開放条件付確変大当りに関連した装飾図柄の停止表示態様を決定するべく、まず左図柄を抽選により決定し、次いで、その左図柄とリーチ状態が形成可能な装飾図柄を右図柄として決定(リーチ図柄の決定)して、その決定された左図柄と右図柄とに基づき、16R長開放条件付確変大当りに関連した装飾図柄列(大当り図柄)が最終的に停止されるように中図柄を決定する。これにより、今回の装飾図柄変動表示ゲームが完了したときの装飾図柄の組合せが定まる。この決定された装飾図柄データは、RAM243の装飾図柄データ格納領域に格納され利用される。
次いで、先読み予告演出処理を行う(ステップS873)。先読み予告演出処理では、今回の図柄変動表示ゲーム中における「変動開始時変化系」の先読み予告演出を現出させるための演出処理を行う。ここでは、「変動開始時変化系」の先読み予告演出として、専用予告画像(稲妻を模した稲妻画像)表示による稲妻演出用演出データ作成し、これをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。これにより、液晶表示装置36の画面に稲妻画像表示による稲妻演出が現出される(図6(2)参照)。なお、作動保留球発生時に現出される「入賞時変化系」の先読み予告演出は、保留加算コマンド(図10のステップS321で送信されるコマンド)を受信した際、「入賞時変化系」の先読み予告演出として、保留色の表示を変化させるための演出処理が行われる(図5、図6参照)。
次いで、演出モードに応じた演出処理を行う(ステップS875:演出モード分岐処理)。ステップS875の演出モード分岐処理では、現在の演出モードに応じた演出シナリオ設定処理(ステップS876〜S880)を呼び出して実行させる。これらの演出シナリオ設定処理では、各演出モード下における演出パターン(パーツ演出)を決定する。そして決定された演出パターンに基づき、今回の図柄変動表示ゲームで現出する演出シナリオを構成し、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に格納する。
上述の演出モードに対応した演出シナリオ設定処理を終えると、装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定処理を行う(ステップS881)。ここでは、作動保留球の消化に伴う保留表示のシフト処理(保留表示シフト処理)を含めた装飾図柄変動表示ゲーム開始に要する各種の設定を行う。上記保留表示シフト処理では、保留表示データn記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留表示データ記憶エリア(保留2表示データ記憶エリア、保留3表示データ記憶エリア、保留4表示データ記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留表示データ記憶エリアに上書きし、保留4表示データ記憶エリアに空き領域を設ける。空き領域となっている保留表示データ記憶エリアには保留表示用の演出シナリオデータが格納されていないため、この場合は、保留表示演出は行われずに該当表示箇所は消灯状態として表示される(図5参照)。これによりCPU241は、保留表示データ記憶エリア内に格納されている保留表示用演出シナリオを参照して、現存する保留表示部の位置が全体として古い記憶位置側に1つシフトされる演出表示を行い、装飾図柄変動表示ゲーム開始時には作動保留球が消化された状態を表現した保留表示を行うようになっている。なお、RAM203の先読み情報記憶エリアに関しても、上述の保留表示データ記憶エリアのシフト処理と同様にして、保留n先読み情報記憶エリア(n=2、3、4)に対応する先読み情報記憶エリアに格納されている先読み判定結果情報を、それぞれ‘n−1’に対応する先読み情報記憶エリアに上書きし、保留4先読み情報記憶エリアに空き領域を設け、次の保留加算コマンドを受信した場合の先読み判定結果情報を格納する領域を確保するようになっている。
ステップステップS881の処理を終えると、装飾図柄指定コマンド受信処理を抜けて、以後、演出シナリオに沿った装飾図柄変動表示ゲームが開始されることになる。
(変形例1)
以上のように、本実施形態で扱うED演出は、長開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する第1群に属する大当りのうちの一つ(7図柄直当り:図41)の場合のみ大当り終了INT期間にED演出が対応しており、他の大当り種別、つまり長開放ラウンド遊技を複数回実行した後に、短開放ラウンド遊技を規定ラウンド数まで繰り返し実行する第2群に属する大当り(7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5、7図柄以外当りD)や第1群に属する7図柄当りCの場合には、大当り終了インターバルよりも前の時点からED演出が開始されて、上記第2の大当りとして作用する。
しかし、第2群に属する大当りの場合に、当り遊技の何時の時点からED演出を開始させるかは、その後に短開放ラウンド遊技が繰り返されるという条件が満たされる状態であれば、比較的自由に定めることができる。すなわち、従来の大当り終了INT期間に対応させてED演出を現出させるというルールに束縛されず、サイクル遊技の始端および終端だけでなく、その途中のラウンド遊技の終端についても、すべて「ED演出」を流す開始点として扱うことができる。
たとえば図45のシナリオBB2の例では、同図45中に「ES1」として示すように、短開放ラウンドのサイクル遊技の連続のうち、最初の12R目のサイクル遊技の始端から「ED演出」を流しているが、同図45中に「ES2」として示すように、その直前の長開放ラウンドである11R目のラウンド遊技の終端から「ED演出」を流すこともできる。このように「ES2」の時点からED演出を流す形態は、長開放ラウンド遊技と長短開放ラウンド遊技が含まれている第2群に属する当り(図42の7図柄以外当りA、図44のシナリオBB1、図46のシナリオBB3、図47のシナリオBB4、図48のシナリオBB5、7図柄以外当りDなど)であれば、採用することができる。
また長開放ラウンドのみからなる図49の7図柄当りCの場合(連荘時)には、「ES3」として示すように、長開放ラウンドの16R目の始端から「即撃チャレンジ演出」などを内容とする「ED演出」を流すこともできる。しかし、長開放ラウンドと短開放ラウンドが混在している場合(たとえば図50の7図柄以外当りDの場合)において、その長開放ラウンドの始端(たとえば4R目のラウンド遊技の始端)から「ED演出」を流すこともできる。
また図50の7図柄以外当りDの場合において「ES4」として示すように、5R〜12Rの一群の短開放ラウンドの途中、つまり短開放のサイクル遊技の連続の途中(図50では9R目のサイクル遊技の始端)から「ED演出」を流すこともできる。
(変形例2)
また上記実施形態の場合、最終のラウンド遊技後のラウンド間インターバル時間は、図21のステップS555で設定される「残存球排出時間(ここでは1.98秒)」のみにより定まる固定値であり、図56の開放前インターバル設定テーブルで設定される「開放前インターバル時間」は加算されていないものとして説明した。しかし残存球排出時間を可変のものと考え、図21のステップS555(ラウンド遊技終了時の各種設定処理)において、残存球排出時間を1.98秒より長い値の2秒に再設定してもよい。また図56の開放前インターバル設定テーブルを用いて開放前インターバル20msを残存球排出時間(1.98秒)に付加することにより、最終の16R遊技後に残存球排出時間より長い2秒のラウンド間インターバル時間を置くこともできる。また図56の開放前インターバル設定テーブルを用いて開放前インターバル(1.02秒)を残存球排出時間(1.98秒)に付加することにより、ラウンド遊技後にラウンド間インターバル時間の3秒を置く替わりに、図21のステップS555で設定される「残存球排出時間」を3秒に設定することもできる。
(変形例3)
また上記実施形態の場合、大当りの種別として、初めはすべて確変状態となることが明らかでない当り(そのまま放っておくとV入賞せずに非確変状態となってしまう当り)であって、「当り遊技中でV入賞すること」という条件が成立すると、大当り後に確変状態への移行が確定する、という種類の大当り種別(条件付確変大当り)について説明した。すなわち、上記実施形態では、大当り抽選により大当り種別の一つに当選し、その当り遊技中のV開放ラウンドにおいてV入賞した場合に始めて確変大当りであることが確定して、その当り遊技後に確変状態に移行し、またV入賞しない場合は非確変大当りが確定して、その当り遊技後に低確率状態(延長開放機能付きの時短状態または延長開放状機能なしの通常状態)に移行するという形態について、説明した。しかし、大当りの種別として、条件付きでない大当り種別(条件無し確変大当り(V入賞の発生によらずに、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(たとえば、潜確状態または確変状態)に移行させる大当り(本来の確変大当り))、または条件無し非確変大当り(V入賞の発生によらずに、少なくとも低確率状態を伴う遊技状態(たとえば、時短状態または通常状態)に移行させる大当り(本来の非確変大当り))が1または複数種類含んでいても良いし、または条件付きでない大当り種別のみを1または複数種類設けた形態であっても良い。したがって、この変形例3の場合には、条件付きでない大当り種別である場合は、確認的にV入賞およびこれを報知する演出(確変GET演出やV入賞演出)が発生することになる。また条件付きでない大当り種別のみで構成される場合、上記した実施形態とは異なりV入賞が発生したか否かにより確変状態への移行が定まるといった形態ではないので、V入賞口を設けていない弾球遊技機について適用することができる。
<好ましい実施形態>
本発明の好ましい実施形態を掲げると、次のようになる。
(1)遊技動作全般の制御を中心的に司る主制御部(20)と、遊技に伴う演出を現出するための表示手段(液晶表示装置36)と、前記表示手段における演出制御を司る演出制御部(24)と、を備え、前記表示手段における表示演出または音響演出を実行可能に構成した弾球遊技機において、
前記主制御部は、
始動口に遊技球が入球したことを契機として、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な大当り遊技に移行する大当りとするか否かの抽選をする大当り遊技抽選手段(図12のS409)と、
前記大当り抽選に当選したことを条件に、大入賞口(50)を所定のパターンで開閉する操作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技をあらかじめ定めた規定ラウンド数まで繰り返し実行させて、前記大当り遊技を実行制御する大当り遊技制御手段(S501〜S509)と、
前記大当り遊技制御手段によって前記大入賞口が開放されたことを通知するラウンド開始コマンド、前記大入賞口が閉鎖されたことを通知するラウンド終了コマンド、および全ラウンド遊技が終了したことを通知する大当り終了コマンドを作成し、これを前記演出制御部に送信する送信手段(S522、S554、S580)と、を備え、
前記大当りは、前記ラウンド遊技として、遊技球が入賞し易いように大入賞口を長開放してから閉鎖する長開放ラウンド遊技を前記規定ラウンド数まで繰り返し実行する第1群に属する大当り(7図柄直当り:図41、7図柄当りC:図49)と、前記ラウンド遊技として、前記長開放ラウンド遊技を複数回実行した後に、遊技球が入賞し難いように大入賞口を短開放してから閉鎖する短開放ラウンド遊技を前記規定ラウンド数まで繰り返し実行する第2群に属する大当り(7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5、7図柄以外当りD)と、を含み、
前記送信手段は、前記第1群に属する大当りと前記第2群に属する大当りのいずれの場合でも、前記大当り遊技において前記ラウンド遊技が開始された際に前記ラウンド開始コマンドを送信し、前記ラウンド遊技が終了した際に前記ラウンド終了コマンドを送信し、前記規定ラウンド数のラウンド遊技が終了した際に前記大当り終了コマンドを送信するように構成され(S522、S554、S580)、
前記演出制御部は、
前記第1群に属する大当りの少なくとも一つ(7図柄直当り:図41)について、前記大当り終了コマンドに基づいてエンディング演出を開始させる第1の演出制御手段と、
前記第2群に属する大当りの少なくとも一つ(7図柄以外当りA、7図柄以外当りB、シナリオBB1〜BB5、7図柄以外当りDのいずれか)について、最後の前記長開放ラウンド遊技が終了した際(ES2時点)に送信される前記ラウンド終了コマンドに基づいて、または前記短開放ラウンド遊技の繰り返しにおける最初の短開放ラウンド遊技が開始した際(ES1時点)に送信される前記ラウンド開始コマンドに基づいて、エンディング演出を開始させる第2の演出制御手段と、を含み、
前記第2の演出制御手段は、前記エンディング演出の実行中に前記ラウンド開始コマンド、前記ラウンド終了コマンド、前記大当り終了コマンドを受けても、これらを開始契機とする演出(それに基づく開放演出およびエンディング演出)を実行しない、
ことを特徴とする弾球遊技機。
(2)前記主制御部は、
前記大当り遊技抽選手段として、始動条件の成立に基づき、大当りに関する当否抽選を行なう大当り抽選手段(図12のS409)と、前記大当り抽選手段の抽選結果に基づき、大当りとなる場合の種別を複数の種別情報の中から抽選する種別抽選手段(図12のS409)と、
前記大当り終了後の遊技状態を前記種別抽選手段で抽選された種別に対応した所定の遊技状態に移行制御する遊技状態移行制御手段(S431〜S434、図58〜図59A、図59B)と、を有し、
前記大当りには、大当り連荘の計数対象となり得る大当り(条件付確変大当り(または確変大当り)・非確変大当り)と、大当り連荘の計数対象とならない大当り(潜伏確変大当り)と、が含まれ、
前記演出制御部は、
前記遊技状態のうち通常遊技状態以外の所定の遊技状態中(開放延長機能が働いている確変・時短状態中または時短状態中)に前記大当り抽選手段による抽選で前記大当り連荘の計数対象となり得る大当りに当選したことを条件として連荘回数を加算する連荘回数加算手段(図31のS724:連荘カウンタ)を、有し、
前記連荘回数加算手段により加算された連荘回数を、前記大当り遊技が開始する際に(オープニング演出の画面、またはオープニング演出〜1R目のラウンド遊技にかけての演出画面、または1R目のラウンド遊技の演出画面において)、または前記エンディング演出の一部として前記表示手段に表示する(図31のステップS724〜S725)、
ことを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
(3)前記送信手段は、
前記大当り遊技中において前記大入賞口に遊技球が入賞した場合、入賞球1個当りの所定の賞球情報を含む大入賞口入賞コマンドを送信する手段(ステップS563)を含み、
前記演出制御部は、
前記大入賞口入賞コマンドを受信する毎に、規定数値の球数を加算単位として累積加算することにより獲得球数を計数する獲得球数演算手段(入賞コマンド受信処理(図30のステップS717)中の獲得球数計数処理)と、
前記獲得球数演算手段により、前記ラウンド遊技中に逐次計数されて行くまたは計数された獲得球数を、前記表示手段に表示(ダイナミック表示またはスタティック表示)するとともに、次のラウンド遊技中において、この獲得球数の上に、当該ラウンド遊技中で逐次計数されて行くまたは計数された獲得球数を累積加算して、その加算結果を前記表示手段に表示(ダイナミック表示またはスタティック表示)することにより、大当り遊技中に獲得される獲得球数を報知すべく前記表示手段に対して報知制御する獲得球数報知制御手段(演出制御部24)と、を有し、
前記獲得球数報知制御手段は、前記長開放ラウンド遊技が繰り返される期間中においては前記表示手段に対する報知制御を通じて前記獲得球数の報知を行い、前記短開放ラウンド遊技の繰り返しが開始された後は前記獲得球数の報知を行わない、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の弾球遊技機。