以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、センターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなり、図に示したA部まで到達した遊技球は、第2遊技領域誘導路101を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(本発明の演出表示装置に相当)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11(本発明の始動口に相当)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口31が設けられている。なお、この普通入賞口31は、常時入球率が変化しない普通入賞口である。
センターケース5の右の第2遊技領域3bには、普通図柄作動ゲート17が配置され、普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物15からなる第2始動口12(本発明の始動口に相当)が配置されており、この普通電動役物15は開閉可能な翼片を供えこの翼片が開放しなければ第2始動口12への入球は不可となっている。普通電動役物15からなる第2始動口12の左下には大入賞口14が配置されている。
第1始動口11は、植設された遊技釘及びセンターケース5を構成する成型樹脂により、第2遊技領域3bを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3aを流下した遊技球のみが入球可能となる。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技流を流下させた場合に限り第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図2参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(以下、第1特図とも記載)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
第2遊技領域3bに遊技流を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図2参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物15の翼片が開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図2参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12である普通電動役物15に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(以下、第2特図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
本実施例では、第2始動口12は普通電動役物15の翼片が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した擬似図柄の変動演出を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。なお、第1特別図柄の保留記憶数を示す保留図柄(本発明の保留図柄に相当)と第2特別図柄の保留記憶数を示す保留図柄(本発明の保留図柄に相当)は、演出図柄表示装置6の下部に表示される。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図2参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図2参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
普通図柄作動ゲート17、普通電動役物15からなる第2始動口12、及び大入賞口14とは、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に配置されているため、大当り遊技状態、及び開放延長状態(普通電動役物15が通常状態よりも長時間開放する状態)に移行した場合は、発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整することになる。
図2は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82(サブ制御装置)、サブ統合制御装置83(サブ制御装置)のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口31に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力され、裏配線中継端子板75を介して、前枠(ガラス枠)および内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図2では普電役物ソレノイドと表記)17bを制御することで普通電動役物15の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ67aの入力ならびに主制御装置80から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄制御装置82に出力する。
また、サブ統合制御装置83には、音量を調節する音量調節スイッチ83aが備えられ、音量調節スイッチ83aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ66へ送信する内容とを判断し、スピーカ66から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄等の演出画像を表示する。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図3の図表を用いて、遊技機の作動内容の概要について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常確率状態(低確率状態)と、該通常確率状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率状態とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。なお、小当り確率は、通常遊技状態と高確率遊技状態とで同一の1/150となり、当選すると大入賞口14が1.6秒間開放する。
また、普通電動役物15(第2始動口12)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物15は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物15は1.0秒の開放動作を3回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させている。よって、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
大当り遊技は、大入賞口14が全ての大当り時に15ラウンド(1ラウンド最高29.0秒開放又は9カウント)の開放動作を行う。大当り図柄には確変図柄と通常図柄とがあり、確変図柄で大当りした場合は、大当り遊技終了後から次回の大当りまで高確率遊技状態に移行し、通常図柄で大当りした場合は、大当り遊技終了後は通常確率となり、特別図柄が100回の変動表示を行うまで時短(開放延長)状態となる。
次に、図4を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S85))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14への入賞、普通入賞口31への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)については、図5を用いて後述する。
続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図5を用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。本処理は、図4に示した入賞確認処理(S60)のサブルーチンの一つであり、本発明の保留記憶手段、先読判定手段を含む処理となる。
以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶(本発明の情報に相当)を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶(本発明の情報に相当)を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)、S130に進む。S100が肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を一時的に記憶し先読判定を行う(S110)(本発明の先読判定手段に相当)。
具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶を行う乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S110で一時記憶している乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数保留記憶処理(S115)を行う(本発明の保留記憶手段に相当)。
続いて、S110の確認結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S115で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。なお、S120とS125で生成したコマンドを合成し、1つのコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信してもよい。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を一時的に記憶し、S110と同様に先読判定を行う(S140)。
続いて、S140で一時記憶している乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する抽出乱数保留記憶処理(S145)を行う。
続いて、S140の確認結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S150)、S145で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。なお、S150とS155で生成したコマンドを合成し、1つのコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信してもよい。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は、第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上に保留図柄を表示する指示信号を演出図柄制御装置82に送信する(本発明の保留図柄表示手段に相当)。主制御装置80は、第1特別図柄保留数表示装置18又は第2特別図柄保留数表示装置19を直接制御して保留記憶数を報知する。また、サブ統合制御装置83が第1及び第2先読判定コマンドを受信すると、受信した先読判定コマンドの内容と、該受信時にサブ統合制御装置83が抽出した乱数等とに基づいて、擬似図柄の表示領域(及び保留図柄)の表示領域において先読演出を表示する(本発明の先読演出表示手段に相当)。
また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物15の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。本実施例では、始動入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を後述する特図の当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
また、本実施例の始動入賞処理の流れは、(1)始動口入球時に数値(乱数)を抽出し、(2)保留記憶が満杯でなければ、(3)保留記憶領域とは異なる所定の領域に数値を記憶し、(4)該数値の確認をしてから、(5)該数値を保留記憶領域に記憶したが、(1)の後、(2)保留記憶が満杯でなければ、(3)抽出した数値の所定の領域への記憶と、(3)保留記憶としての保留記憶領域への記憶とを行い、(4)所定の領域へ記憶した数値の確認を行う構成((2)の後、それぞれの(3)に枝分かれした処理を行う構成)としてもよいし、(1)の後、(2)抽出した数値を所定の領域に記憶し、(3)保留記憶が満杯でなければ、(4)所定の領域に記憶された値を保留記憶領域に記憶する構成(満杯であったら所定の領域に記憶した数値は削除)としてもよい。いずれの構成の場合も、保留記憶領域とは異なる所定の領域に記憶した数値を先読判定として確認するが、保留記憶領域に記憶した数値を先読判定として確認してもよい。
次に、図6,7,8を用いて、主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理を開始すると、条件装置が作動中か否か、即ち、大当り中か否か判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)リターンし、否定判定なら(S200:no)、第1又は第2特別図柄が変動中か否か判定し(S205)、否定判定なら(S205:no)、第1又は第2特別図柄が確定表示中か否か判定し(S210)、否定判定なら(S210:no)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S215)。肯定判定なら(S215:yes)、S225に進み、否定判定なら(S215:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S220:yes)S225に進む。S215とS220の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果に変わりはない。また、2種類の特図が同時に変動可能な構成であっても本発明の効果に変わりはない。
S225では時短フラグの値が0か否か判定する(S225)。時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「1」のときは時短状態、及び開放延長状態であることを、値が「0」のときは非時短状態、非開放延長状態であることを主制御装置80が判断するための値である。肯定判定なら(S225:yes)S230に進み、否定判定なら(S225:no)時短状態中の処理に進む。時短状態中の処理は、特図の変動時間を設定する変動パターン選択テーブルのみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S230では、保留記憶のシフト処理を行い(S230)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。本実施例では、保留数が増加した時のみ保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する構成としているが、この減算に応じて、サブ統合制御装置83に減少を示す保留数指示コマンドを送信する構成としてもよい。
S230に続いては、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数の値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S235)。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS240の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S235)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S240:yes)、図柄モード設定処理を行う(S245)。図柄モード設定処理では、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S250)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)と大当り図柄との関連付けを行うために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS245で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S255)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S245で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S260)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S265)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S375が否定判定なら(S375:no)、ハズレ図柄を選択し(S385)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S365)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S370)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S240が否定判定、即ちハズレなら(S240:no)、S235の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S280)、肯定判定なら(S280:yes)、特図の種類、遊技状態、及び小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択し(S285)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S260)、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S265)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S280が否定判定なら(S280:no)、ハズレ図柄を選択し(S290)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S265)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、S205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図7のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S265で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判断なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS250,S285又はS290で選択した確定図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と、演出図柄表示装置6に表示される擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
S305に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が、大当り図柄か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か(高確率状態か否か)判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットし(S325)、S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S330)、肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットし(S335)、S335、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S340)と、役物連続作動装置作動開始処理(S345)とを行うことで大当り遊技を開始し、大当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S350)。
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S360)、確変フラグが1か否か判定し(S365)、肯定判定なら(S365:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S370)、確変カウンタが0か否か判定し(S375)、肯定判定なら(S375:yes)、確変フラグに0をセットする(S380)。続いて、S380、又はS365,S375が否定判定なら(S365:no,S375:no)、時短フラグが1か否か判定し(S385)、肯定判定なら(S385:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S390)、時短カウンタが0か否か判定し(S395)、肯定判定なら(S395:yes)、時短フラグに0をセットする(S400)。S365からS400によって、特別図柄が当否判定に応じたハズレ確定表示を行うごとに、高確率状態を規制する確変カウンタと時短(開放延長)状態を規制する時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで遊技状態が変化(時短(開放延長)状態が終了し、通常状態(通常確変状態で、且つ、通常開放状態)に移行)する。
続いて、S400、又はS385,S395が否定判定なら(S385:no,S395:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、小当り遊技の作動開始を行う処理を行い(S410)、S350,S410、又はS405の否定判定(S405:no)に続いては、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S355)リターンする。
図6に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図8のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、確定図柄表示終了処理(S455)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示信号を送信してリターンする。
次に、図9に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。本処理は、本発明の保留図柄表示手段に相当する処理となる。本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)、リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、サブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに+1し(S505)、演出図柄制御装置82に保留数表示信号を送信し(S510)、リターンする。演出図柄制御装置82は、保留数表示信号を受信すると、受信時の保留数カウンタ値に応じて演出図柄表示装置6上に保留図柄を表示する。本実施例では1個の保留記憶に対して1個の保留図柄を表示する構成となる。なお、保留数カウンタの値は、後述する変動指示コマンド受信処理において変動指示コマンドを受信するごとにデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置50が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
また、サブ統合制御装置83に保留数カウンタを備えない構成も考えられる。この構成では、主制御装置80が送信する保留数指示コマンドが保留記憶数を示しサブ統合制御装置83は指示された数を保留記憶数として表示し、保留数指示コマンドは、変動開始時と、保留記憶発生時に主制御装置80から送信される構成となる。この構成でも、保留記憶図柄の増減タイミングは主制御装置80の保留数指示コマンドの送信タイミングと同じとなり演出図柄表示装置6上でも正確な保留数を報知することが可能となる。
次に、図10に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する先読判定コマンド受信処理1を説明する。本処理は、本発明の先読演出表示手段に相当する。本処理を開始すると、先読判定コマンド(図5、S120、又はS150に基づく)を受信したか否か判定し(S550)、否定判定なら(S550:no)、リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、振分乱数を抽出し(S560)、受信した先読判定コマンドの内容(大当り(確変、非確変)、スーパーリーチ、リーチ、ハズレ等)とS560で抽出した振分乱数の値とに基づいて、先読演出を実行するか否かを判定する先読演出実行判定処理を行う(S565)。
続いて、S565の判定結果が先読演出の実行か否か判定し(S570)、否定判定なら(S570:no)リターンし、肯定判定なら(S570:yes)、先読演出選択処理を行う(S575)。先読演出選択処理では、サブ統合制御装置83が備える複数の先読演出実行態様から、受信した先読判定コマンドの内容等に応じていずれか一つを選択する。
続いて、演出図柄表示装置6上に保留図柄表示領域(図13を用いて後述する保留図柄を表示する領域)が配設され保留図柄が表示可能な状態か否か、即ち、図14を用いて後述する保留図柄を非表示にして行う予告演出、又はリーチ演出等が実施中ではないか否か判定し(S580)、肯定判定なら(S580:yes)、当該先読演出(図13を用いて後述)の対象である保留図柄の残りの表示時間が、先読演出の実施時間よりも長いか否か判定する(S583)。これは、先読演出の対象となる保留図柄(保留記憶)を遊技者が容易に認識可能とするための判定処理となる。S583が否定判定なら(S583:no)リターンし、肯定判定なら(S583:yes)演出図柄制御装置82に先読演出の表示指示を行い(S585)リターンする。
一方、S580が否定判定、即ち、保留図柄を非表示にして行う予告演出、又はリーチ演出等が実施中なら(S580:no)、保留記憶数が所定数よりも多いか否か判定し(S590)、否定判定なら(S590:no)リターンし、肯定判定なら(S590:yes)、S575で選択した先読演出の実施を保留する処理を行い(S595)、先読演出保留フラグに1をセットして(S600)リターンする。先読演出保留フラグは、サブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1なら先読演出を保留した状態であることを、値が0なら保留していないことをサブ統合制御装置83が判断する。
なお、S590で判定する所定数は本実施例では「1」としている。従って、2個以上の保留記憶数があれば先読演出の実施を保留する。保留記憶数が当該先読演出に係る1個のみだと(この場合、所定数=0)、保留図柄の非表示状態が終了して先読演出を開始する場合、先読判定の対象となる保留図柄の表示時間が短く、遊技者が先読演出の対象となる保留図柄(保留記憶)を容易に認識することが不可な状況となる虞があるため、この状況を防ぐための判定処理となる。従って、S590が否定判定、即ち、当該処理時に所定数よりも多い保留図柄が表示されていなければ、先読判定コマンドと振分乱数との値が先読演出の実施値であっても、先読演出は実施されない。
次に、図11を用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留先読演出開始処理を説明する。この処理は、先読演出を保留していた場合、非表示状態であった保留図柄が表示状態に切替わった時点(先読演出を保留した後の変動表示の終了、若しくは次の変動表示の開始に関わらず)で、保留していた先読演出の表示を開始する処理となり、本発明の先読演出表示手段に相当する。
本処理を開始すると、先読演出保留フラグが1か否か、即ち、先読演出の実施を保留しているか否か判定し(S650)、否定判定なら(S650:no)リターンする。肯定判定なら(S650:yes)、保留図柄が表示されているか否か判定し(S655)、否定判定なら(S655:no)リターンし、肯定判定なら(S655:yes)、保留していた先読演出の表示を開始する指示を演出図柄制御装置82に行い(S660)、先読演出保留フラグに0をセットして(S665)リターンする。
次に、図12を用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理1を説明する。本処理は、主制御装置80からの変動指示コマンドの受信に基づいて、演出図柄表示装置6の表示を制御する処理となる。本処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S700)。否定判定なら(S700:no)リターンし、肯定判定なら(S700:yes)、振分乱数を抽出し(S705)、受信した変動指示コマンドの内容と、S705で抽出した振分乱数とに基づいて、サブ統合制御装置83が備える複数の演出態様の中から演出図柄表示装置6に表示する一つの演出態様を選択する処理を行う(S710)。この演出態様選択処理において、実施する予告演出、及びリーチ演出が選択される。S710に続いては、選択した擬似図柄の演出態様を演出図柄制御措置82に表示する指示を行い(S715)リターンする。
次に、図13から図16を用いて、演出図柄表示装置6で実施する演出表示の表示例を説明する。図13の1は、擬似図柄変動時の基本の画面構成を示している。この場合、画面の略中央が擬似図柄表示領域となり、この擬似図柄表示領域において、左中右の3列の擬似図柄群が上から下方向に変動表示を行う。左右図柄が同図柄で停止するとリーチが成立し、画面構成が変化したりキャラクタ等が出現するリーチに発展する場合がある。
画面下部には保留記憶数表示領域を配し(左側は第1特図保留記憶数(主に第1遊技領域3aに遊技球を流下させる通常遊技状態で保留図柄が表示される)、右側は第2特図保留記憶数(主に第2遊技領域3bに遊技球を流下させる大当り遊技状態、開放延長状態で保留図柄が表示される)、保留記憶数表示領域内の保留図柄の数で保留記憶数を報知する。図は、通常の表示態様(大当り期待度を示唆しない)の保留図柄が3個表示されていることで、3個の保留記憶があることを報知している。
図13の2は、先読演出の一つである「花吹雪演出」の表示例となる。図に示す花吹雪演出(先読演出)は、第1、2保留記憶数表示領域が配設された状態(保留図柄の表示可能状態)の場合に実施される。この場合、第1始動口11への入球に基づいて、保留図柄Aの表示が開始されると、画面全体に花びらが舞い散る表示演出が所定時間行われる。保留図柄Aの表示態様は、通常の表示態様と同じであってもよいし、図のように異なる表示態様であってもよい。保留図柄Aの表示態様が図のように通常とは異なることで、遊技者が先読演出に対応する保留図柄を容易に認識することが可能となる。なお、この花吹雪演出では、画面全体に出現する花びらの量(数)が多ければ多いほど該当する保留記憶の大当り期待度が高いことを示唆してもよい。
図14の3は、第1、第2保留図柄表示領域が画面上に非配設となる(保留図柄が非表示となる)演出を示し、(1)は、その一つである予告演出Aとなる。この場合の予告演出Aは、変動開始からリーチが成立するタイミングまでの期間で実施される。予告演出Aを開始すると、左中右の擬似図柄を表示する擬似図柄表示領域が上方向に移動すると共に、第1、2保留図柄表示領域を配置していた画面下部にキャラクタが出現し、第1、第2保留図柄表示領域が非配設状態、即ち保留記憶の有無に拘わらず保留図柄の非表示状態となる。予告演出Aでは、キャラクタのセリフの種類を複数備え、何れかのセリフが画面に表示されることで、リーチに発展する期待度、及び大当り期待度を示唆する。
図14の3(2)は、(1)と同様に第1、第2保留図柄表示領域が画面上に非配設となるリーチ演出Aの表示例となる。リーチ演出Aを開始すると、左中右の擬似図柄を表示する擬似図柄表示領域が下方向に移動し、画面上部にキャラクタが出現する。この画面配置に切替わることで第1、第2保留図柄表示領域が非配設となり、保留記憶の有無に拘わらず保留図柄の非表示状態となる。リーチ演出Aでは、キャラクタの表情が変化したり、キャラクタのセリフが画面に表示されることで、リーチ変動中の図柄の大当り期待度を示唆する。
図15の4は、保留図柄の非表示状態中(第1、第2保留図柄表示領域の非配設状態中)に、本来なら花吹雪演出を実施可能な先読判定コマンドを受信した場合の表示例となり、(1)は、予告演出A実施時に先読判定コマンドを受信した場合となる。予告演出Aの実施中、即ち、保留図柄が非表示状態中にサブ統合制御装置83が受信した先読判定コマンドの内容が花吹雪演出を実施するコマンド内容及び振分乱数の値であっても、予告演出Aの実施により第1、第2保留図柄表示領域が非配設状態(保留図柄が非表示状態)であるため、保留記憶(保留図柄)の大当り期待度を示唆する先読演出(花吹雪演出)は実施されない。
図15の4(2)は、リーチ演出A実施時に先読判定コマンドを受信した場合となる。リーチ演出A実施中、即ち、保留図柄が非表示状態中にサブ統合制御装置83が受信した先読判定コマンドの内容が花吹雪演出を実施するコマンド内容及び振分乱数の値であっても、リーチ演出Aの実施により第1、第2保留図柄表示領域が非配設状態(保留図柄が非表示状態)であるため、保留記憶(保留図柄)の大当り期待度を示唆する先読演出(花吹雪演出)は実施されない。
予告演出A、及びリーチ演出Aの実施時のように、保留図柄が表示されていない状況で、保留図柄の大当り期待度を示唆する先読演出(本実施例では花吹雪演出)を行っても、遊技者は変動中の図柄の期待度と混同しやすく、表示されていない保留図柄に対応した保留記憶の大当り期待度であることを感覚的に理解し難い。そのため、画面に保留図柄が表示されない演出の実施中(保留図柄の非表示状態中)は、保留図柄に係る期待度を示唆する先読演出(花吹雪演出)は行わない。
図16の5は、保留していた先読演出の表示を開始した場合の表示例となり、(1)は、予告演出Aの実施後に保留図柄の表示を再開したことによって保留していた先読演出を再開した場合となる。この場合、予告演出Aの実施後にリーチ演出Aに発展しなければ、当該変動中において予告演出Aが終了した時点で保留図柄の非表示状態が表示状態に変化し、当該変動表示中に保留図柄が表示されたことで保留していた花吹雪演出(先読演出)を擬似図柄表示領域において開始する。
この場合、保留図柄の表示が再開するのとほぼ同時に花吹雪演出が行われるが、この花吹雪演出が何に対する期待度演出かを遊技者が容易に認識可能とするために、花吹雪演出によって大当り期待度を示唆される保留図柄(図保留図柄B)の表示態様を他の保留図柄とは識別可能に変化(例えば、点滅表示等)させるのが好適である。これは、図に示すように、花吹雪演出(先読演出)の保留中に新たな保留記憶が発生した場合(先読演出に対応する保留図柄が最後の保留図柄ではない場合)においてより効果を発揮する。
図16の5(2)は、リーチ演出Aが終了し、擬似図柄のハズレ確定表示の実施時から保留図柄の表示を再開したことにより、保留していた花吹雪演出(先読演出)を開始した場合となる。この場合も、花吹雪演出によって大当り期待度を示唆される保留図柄(図保留図柄B)の表示態様を他の保留図柄とは識別可能に変化(例えば、点滅表示)させるのが好適である。
(2)のリーチ演出Aの図例では、変動演出終了による確定表示の実施時に保留図柄の非表示状態から表示状態への切り替えが行われたが、保留図柄の非表示状態から表示状態への切り替えが行われるのが、確定表示を実施するタイミングよりも前であってもよいし、確定表示を終了して次回の変動を開始する時点であってもよい。この場合も、保留図柄の非表示状態から表示状態への切り替えが行われると、保留していた花吹雪演出(先読演出)を開始する。
次に、図17、18を用いて、保留図柄の非表示状態から表示状態への切り替えが行われる時期の違いに応じた異なる処理内容を、変形例として説明する。図17に示した変動指示コマンド受信処理2のフローチャートは、変動表示中に保留図柄が非表示になると、当該変動の確定表示が終了するまで非表示状態を継続し、次回の変動表示を開始すると保留図柄の表示状態に切替わる構成、即ち、花吹雪演出(先読演出)を保留した場合、次回の変動表示の開始を契機に花吹雪演出(先読演出)を開始する構成となる。
変動指示コマンド受信処理2を開始すると、S750の変動指示コマンドの受信判定からS760の演出態様選択処理までは、変動指示コマンド受信処理1と同様であり、S760に続いては、先読演出保留フラグが0か否か判定し(S765)、肯定判定なら(S765:yes)、演出図柄制御措置82に選択した擬似図柄の演出態様を表示する指示を行い(S770)リターンする。
S765が否定判定、即ち、変動指示コマンド受信時(変動開始時)に花吹雪演出(先読演出)を保留していたなら(S765:no)、S760で選択した演出態様が保留図柄を表示状態で実施するものか否か判定し(S775)、肯定判定、即ち、花吹雪演出(先読演出)の実施が可能な演出態様であれば(S775:yes)、演出図柄制御装置82に表示を保留していた花吹雪演出(先読演出)を表示する指示を行い(S780)、先読演出保留フラグに0をセットして(S785)S770に進む。
S775が否定判定、即ち、S765で選択した演出態様が、保留図柄を非表示とするものであるなら(変動開始直後、又は変動開始から所定経過後に保留図柄の非表示状態となるものであるなら)、S770に進みリターンする。但し、この場合(2回の変動表示に亘って先読演出保留を行う場合)は、花吹雪演出(先読演出)の保留をキャンセルしてもよい。また、当該処理時の先読演出に対応する保留記憶の記憶順(記憶位置)を参照し、次回の変動時にも保留記憶として残る記憶順であれば、そのまま花吹雪演出(先読演出)の保留を継続してもよい。
次に、図18を用いて変形例を説明する。図18に示した先読判定コマンド受信処理2のフローチャートは、受信した先読判定コマンドの内容と抽出した振分乱数の値とが花吹雪演出(先読演出)を実施するものであっても、先読判定コマンド受信時に保留図柄が非表示であった場合は、花吹雪演出(先読演出)を実施せず、演出の保留も行わない構成となる。
先読判定コマンド受信処理2を開始すると、S800からS825の肯定判定に続くS830の判定、及びS835までは、先読判定コマンド受信処理1のS550からS585までの流れと同一内容であり、異なるのは、S825が否定判定(S825:no)の場合の処理となる。この変形例では、S825が否定判定であったなら、受信した先読判定コマンドの内容と抽出した振分乱数の値とが花吹雪演出(先読演出)を実施するものであっても、花吹雪演出(先読演出)の実施も保留も行わずにリターンに抜ける。この処理により、この変形例では、保留図柄が非表示状態の場合は、花吹雪演出(先読演出)は行わない(行う契機(保留)も発生しない)構成となる。
以上が実施例の説明となる。主制御装置80が実行する図5を用いて説明した始動入賞処理では、第1始動口11、又は第2始動口12への遊技球の入球に起因して、第1、第2先読判定コマンドをサブ統合制御装置83に送信するが、この場合、第1又は第2保留記憶が無い状態(始動口入球に基づいてすぐに当否判定が行われる状態)であれば先読演出は実施しないため第1又は第2先読判定コマンドの送信は行わない構成が好適である。
また、図10を用いて説明した先読判定コマンド受信処理1では、S590が否定判定であれば、S575で選択した先読演出を実施も保留もせずにリターンに抜けるが、S590が否定判定であっても一時的にS575で選択した先読演出を保留し、当該処理時に非表示状態であった保留図柄が表示状態に切替わった時点で、保留した先読演出の対象となる保留図柄の残りの表示時間が先読演出の実施時間よりも長ければ、一時的に保留していた先読演出を開始し、短ければ一時的に保留していた先読演出の保留をキャンセルする構成としてもよい。この構成を付加することにより、演出の機会を得られた場合、より効率よく演出を実施することができる。
また、図10の先読判定コマンド受信処理1のS575で行う先読演出選択処理は、受信した先読判定コマンドの内容に応じて、遊技者に示唆する大当り期待度に差を持たせる処理であり、この差は、図13の2を用いて説明した花吹雪演出で表示される花びらの数の差で示唆してもよい。
図10、の先読判定コマンド受信処理1、及び図18の先読判定コマンド受信処理2では、先読演出の実行判定処理、及び実行する先読演出の選択処理よりも、保留図柄が表示されているか否かを先に判定する構成としてもよい。