JP5990451B2 - マルチコアファイバの接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各コアの接続損失のばらつきを抑制して、複数のマルチコアファイバを接続することができるマルチコアファイバの接続方法に関する。
近年、光ファイバ通信システムの普及に伴い、伝送される情報量が飛躍的に増大している。このような伝送される情報量の増大に伴い、光ファイバ通信システムにおいては、数十本から数百本といった多数の光ファイバが用いられることで、大容量の長距離光通信が行われている。
こうした光ファイバ通信システムにおける光ファイバ1本当たりの伝送容量を増大させるため、複数のコアの外周が1つのクラッドにより囲まれたマルチコアファイバを用いて、それぞれのコアを伝搬する光により、複数の信号を伝送させることが知られている。また、光ファイバ通信システムにおいては、長距離の光通信を行う場合に、複数の光ファイバを接続して用いる場合があり、マルチコアファイバを用いる場合においても、複数のマルチコアファイバを接続して用いる場合がある。
光ファイバ同士の接続においては、放電溶接を用いて、それぞれの光ファイバの端面同士を融着することがある。放電溶接においては、通常、接続される光ファイバの端面同士を突き合わせた溶接部位が、一対の電極間に配置され、この一対の電極間に放電がなされることにより、それぞれの光ファイバの端面が融着される(下記特許文献1参照)。マルチコアファイバ同士を接続する場合であっても、互いに接続されるマルチコアファイバのそれぞれのコアの位置を合わせて、それぞれのマルチコアファイバの端面同士を放電溶接により融着する場合がある。
特開2008− 3170号
しかし、マルチコアファイバ同士を放電による融着により接続すると、それぞれのコアを伝播する光の接続による損失にばらつきが生じる場合があることが、本発明者らにより見出された。
そこで、本発明は、各コアの接続損失のばらつきを抑制して、複数のマルチコアファイバを接続することができるマルチコアファイバの接続方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、マルチコアファイバ同士を放電による融着により接続すると、それぞれのコアの接続損失にばらつきが生じる原因を鋭意検討した。その結果、マルチコアファイバ同士が放電により融着される際、融着面内に温度分布が生じ、コア同士の接続の程度がそれぞれコアにより異なっており、これが原因となり、それぞれのコアの接続損失にばらつきが生じるとの結論に至った。そこで、本発明者らは、さらに鋭意検討を重ねて本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、一対のマルチコアファイバを接続するマルチコアファイバの接続方法であって、それぞれの前記マルチコアファイバのクラッドの中心軸同士を一致させて、一方の前記マルチコアファイバのそれぞれのコアと他方の前記マルチコアファイバのそれぞれのコアとが、互いに対向するように、それぞれの前記マルチコアファイバの端面同士を突き合わせる突き合わせステップと、それぞれの前記マルチコアファイバの突き合わせ位置を挟んで互いに対向する一対の放電電極により放電を行い、それぞれの前記マルチコアファイバ同士を融着する融着ステップと、を備え、前記融着ステップにおいて、前記放電電極の先端同士を結ぶ直線が前記中心軸に垂直な面を描いて移動するように、それぞれの前記放電電極の先端を移動させることを特徴とするものである。
このようなマルチコアファイバの接続方法によれば、融着の最中に放電電極の先端が移動することにより、放電によるエネルギーの分布が面を描くように移動する。従って、融着の最中に放電電極の位置が固定されている場合と比べて、放電による熱が、マルチコアファイバの融着される端面の一部に集中することを抑制することができる。従って、一部のコア同士の融着状態が良好となり、他のコア同士の融着状態が、この一部のコア同士の融着状態と比べて不良となることを抑制することができる。このようにして、それぞれのコアの融着状態のばらつきを抑制することで、各コアの接続損失のばらつきを抑制することができるのである。
なお、融着ステップ前において、互いに突き合わされたそれぞれのマルチコアファイバの端面同士は、融着ステップで融着できる限りにおいて、接触していても良く、接触していなくても良い。
また、前記放電電極の先端は、往復運動することとしても良い。例えば、放電電極の先端を振動させることで、放電電極の先端を往復運動させることができる。
また、前記直線の移動により描かれる前記面は、前記マルチコアファイバの前記端面を平面視する場合に、前記端面を覆うことが好ましい。
このように放電電極の先端が往復運動する幅が大きいことにより、マルチコアファイバの端面全体が加熱され、コアの融着状態のばらつきをより抑制することができる。
また、前記放電の強度は、前記一対の放電電極の先端の位置により変化することが好ましい。
放電の強度が放電電極の先端の位置により変化することで、マルチコアファイバの融着面へ与えられる放電のエネルギーの分布を調整することができる。例えば外的要因等により放電のエネルギーがマルチコアファイバの融着面全体に均一に伝わらない場合等に、放電のエネルギーがマルチコアファイバの融着面全体に均一に伝わるように調整することができる。
さらに、それぞれの前記マルチコアファイバは、前記中心軸が水平となるように配置されると共に、前記放電電極は、前記直線が水平となるように配置され、前記放電の強度は、それぞれの前記放電電極の先端が前記中心軸よりも下側にある状態で最も大きくされることが好ましい。
光ファイバ同士を接続する場合、それぞれの光ファイバの中心軸が水平となるようにして、光ファイバ同士を突き合わせることが、作業のし易さの観点から好ましい。この場合、マルチコアファイバ同士の突き合わせ位置を挟んで、水平方向にそれぞれの放電電極の先端が配置され、水平方向に放電がなされることが、融着器の構成を容易にする観点から好ましい。しかし、水平方向に放電がなされると、放電による熱により上昇気流が発生して、放電される位置を基準として、下側よりも上側の温度が高くなる傾向がある。そこで、上記のように、放電の強度が最も高くなる位置が、マルチコアファイバの中心軸よりも下側となるように、放電を制御することで、融着面における熱の偏在を抑制することができる。従って、それぞれのコアの融着状態のばらつきをより抑制することができる。なお、この場合、一対の放電電極の先端は、上下に往復運動することになる。
また、前記放電の強度は、前記マルチコアファイバの前記端面を平面視する場合に、前記直線が前記コアの何れとも交差しない位置において、最も大きくされることが好ましい。
このようなマルチコアファイバの接続方法によれば、コアが配置されている位置において、最も強度の大きな放電がなされないことにより、特定のコアの温度が過度に上昇することを抑制することができる。従って、特定のコアが他のコアに比べて変形することや、特定のコアに添加されるドーパントがコアに比べて拡散することを抑制することができる。このため、それぞれのコアの融着状態や屈折率のばらつきをより抑制することができる。
さらに、それぞれの前記マルチコアファイバは、それぞれの前記コアの外周面を囲む複数の第1クラッドと、それぞれの前記第1クラッドの外周面を囲み外周面が前記クラッドに囲まれる複数の第2クラッドと、を更に備え、前記コアの屈折率をnとし、前記第1クラッドの屈折率をnとし、前記第2クラッドの屈折率をnとし、前記クラッドの屈折率をnとする場合、
>n>n
>n
<n
の全てを満たし、
前記放電の強度は、前記マルチコアファイバの前記端面を平面視する場合に、前記直線が前記第2クラッドの何れとも交差しない位置において、最も大きくされることが好ましい。
このようなマルチコアファイバは、第2クラッドの屈折率nが最も低いために、屈折率の観点で見る場合に、第2クラッドによりトレンチ構造が形成されている。このトレンチ構造によりコアを伝播する光は、コアにより強く閉じ込められる。このようなトレンチ構造を有するマルチコアファイバにおいて、第2クラッドが配置されている位置に、最も強度の大きな放電がなされないことにより、特定の第2クラッドが変形することや、特定の第2クラッドの屈折率が変化することを抑制することができる。このため、マルチコアファイバ同士の接続部において、それぞれのコアの光の閉じ込め力がばらつくことをより抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、各コアの接続損失のばらつきを抑制して、複数のマルチコアファイバを接続することができるマルチコアファイバの接続方法が提供される。
本発明の第1実施形態において接続されるマルチコアファイバを示す断面図である。 図1のマルチコアファイバ同士を接続する方法を示すフローチャートである。 突き合わせステップ後の様子を示す図である。 融着ステップの様子を示す図である。 放電電極の先端を結ぶ直線の位置と放電の強度との関係を示す図である。 第1実施形態の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態において接続されるマルチコアファイバを示す断面図である。 第2実施形態において、放電電極の先端を結ぶ直線の位置と放電の強度との関係を示す図である。 第2実施形態の変形例を示す図である。
以下、本発明に係るマルチコアファイバの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図に記載のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るマルチコアファイバを示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ1は、複数のコア11と、コア11と、それぞれのコア11の外周面を囲むクラッド20と、クラッド20の外周面を被覆する内側保護層31と、内側保護層31の外周面を被覆する外側保護層32と、を備える。
本実施形態においては、コア11の数が7つとされ、中心に1つのコア11が配置されると共に、他の6つのコア11が外周側に互いに等間隔に配置されている。つまり、コア11が1−6配置されている。こうして複数のコア11は三角格子状に配置されている。このように配置された複数のコア11は、クラッド20の中心軸に対して対称とされている。
このマルチコアファイバ1を構成するそれぞれの部材の大きさは、特に限定されるわけではないが、コア11の直径は、例えば10μmとされる。なお、それぞれのコア11の直径は互いに等しい大きさでも良いが、互いに隣り合うコア11の直径が、例えば1.0%〜2.0%程度異なるようにされても良い。このように、互いに隣り合うコア11の直径が、物理的に僅かに異なっていても、コア11を伝播する光にしてみれば、それぞれのコア11の直径は、殆ど変わらず、略同等の光学特性となる。また、クラッド20の直径は、例えば181μmとされている。また、それぞれのコア11の中心間距離は、特に限定されないが、例えば43μmとされている。
また、それぞれのコア11の屈折率は、クラッド20の屈折率よりも高くされている。コア11は、例えばゲルマニウム(Ge)等の屈折率を高くするドーパントが添加された石英から成り、この場合、クラッドは、例えば純粋な石英から成る。なお、それぞれのコア11の屈折率は互いに等しくても良いが、互いに隣り合うコア11の屈折率が、例えば1.0%〜2.0%程度異なるようにされても良い。このように、互いに隣り合うコア11の屈折率が、物理的に僅かに異なっていても、コア11を伝播する光にしてみれば、それぞれのコア11の屈折率は、殆ど変わらず、略同等の光学特性となる。
このようなマルチコアファイバ1においては、例えば、それぞれのコア11を光がシングルモードで伝播する。
次に、マルチコアファイバ1同士を接続する方法について説明する。なお、本説明においては、図1に示すマルチコアファイバ1と同様の構成のマルチコアファイバ1a,1bを互いに接続するものとする。
図2は、図1のマルチコアファイバ1を接続する方法を示すフローチャートである。図2に示すように、マルチコアファイバ1を接続する方法は、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bの端面同士を突き合わせる突き合わせステップS1と、端面同士が付き合わされたマルチコアファイバ1aとマルチコアファイバ1bとを融着する融着ステップS2とを、主な段階として備える。
<突き合わせステップS1>
まず、図1のマルチコアファイバ1と同様の構成のマルチコアファイバ1a,1bを準備する。そして、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bの接続されるべき端部近傍の内側保護層31及び外側保護層32を剥離する。マルチコアファイバ1a,1bの接続されるべき端面の角度は、それぞれのクラッド20の中心軸に垂直な面に対して1度以下のずれであることが、融着ステップS2でそれぞれのマルチコアファイバ1a,1bを接続するときに、より適切に接続する観点から好ましい。このようにマルチコアファイバ1a,1bの端面が、端面近傍におけるクラッド20の中心軸に対して垂直に近い状態になっていない場合には、必要に応じて、切断や研磨等により、端面が、クラッド20の中心軸に対して垂直となるように調整をする。
図3は、本体を図示しない融着器にマルチコアファイバ1a,1bがセットされた様子を示す図である。具体的には、図3(a)は、融着器にセットされたマルチコアファイバ1a,1bを水平方向から見る図であり、図3(b)は、融着器にセットされたマルチコアファイバ1a,1bを真上から見る図である。なお、本実施形態において、融着器は、接続されるそれぞれの光ファイバが水平に配置されるものであり、先端同士の位置関係が水平とされる放電電極50a,50bを備える。
図3に示すように、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bの内側保護層31及び外側保護層32が剥離された側を融着器にセットして、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bのクラッド20の中心軸CA同士を一致させる。つまり、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bのクラッド20の中心軸CAが同一の直線上に位置するようにそれぞれのマルチコアファイバ1a,1bを配置する。このときそれぞれのマルチコアファイバ1a,1bは、中心軸CAが水平とされた状態で融着器にセットされる。なお、マルチコアファイバ1a,1bの中心軸を合わせる方法は次のようにすれば良い。例えば、本実施形態のようにクラッド20の中心軸上にコア11を有する場合には、マルチコアファイバ1a,1bそれぞれのクラッド20の中心に配されているコア11の中心位置を一致させてばよい。また、本実施形態とは異なり、クラッドの中心軸上にコアが配されていない場合には、それぞれのマルチコアファイバのクラッド20の外周面が面一となるようにすれば良い。
なお、図3(b)に示すように、融着器に装備されている一対の放電電極50a,50bのそれぞれの先端51a,51bを結ぶ直線SLが、マルチコアファイバ1a,1bの融着されるべき端面の間に位置することが好ましい。また、この放電電極50a,50bの先端51a,51b間の距離をGmmとして、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bのクラッド20の直径をDμmとする場合に、下記式(1)を満たすことが好ましい。
Figure 0005990451
更にこの場合、下記式(2)を満たすことが好ましい。
Figure 0005990451
次に、少なくとも一方のマルチコアファイバ1a,1bを軸中心に回転させて、マルチコアファイバ1aのそれぞれのコア11とマルチコアファイバ1bのそれぞれのコア11とが、互いに対向するようにする。このとき、マルチコアファイバ1aの端面とマルチコアファイバ1bの端面とがなす角度が0.5度以下であることが、融着ステップS2でそれぞれのマルチコアファイバ1a,1bを接続するときに、より適切に接続する観点から好ましい。マルチコアファイバ1aの端面とマルチコアファイバ1bの端面とがなす角度が0.5度以下にならない場合には、必要に応じて、少なくとも一方のマルチコアファイバを回転させて、他のコア11同士の組み合わせにより、コア11同士が対向するようにするか、少なくとも一方のマルチコアファイバを切断や研磨等して、端面の角度の調整を行う。
こうして、それぞれのマルチコアファイバ1a,1b同士が突き合わされる。なお、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bの端面同士が突き合わされた状態で、それぞれのマルチコアファイバの端面同士は、後述のように、融着ステップS2で、マルチコアファイバ1aとマルチコアファイバ1bとを融着できる限りにおいて、接触していても良く、接触していなくても良い。
<融着ステップS2>
図4は、融着ステップの様子を示す図であり、図5は、放電電極50a,50bの先端51a,51bを結ぶ直線SLの位置と放電の強度との関係を示す図である。図4に示すように、それぞれのマルチコアファイバ1a,1b同士が突き合わされた状態で、融着器の放電電極50a,50bを上下方向に繰り返し揺動運動させる。従って、放電電極50a,50bの先端51a,51bは、上下方向に円弧を描きながら移動し往復運動する。このような先端51a,51bの往復運動として、先端51a,51bが振動することを挙げることができる。
この先端51a,51bの往復運動により、先端51a,51b同士を結ぶ直線SLが、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bのクラッド20の中心軸CAに垂直な面を描いて移動する。別言すれば、放電電極50a,50の先端51a,51b同士を結ぶ直線SLが中心軸CAに垂直な面を描いて移動するように、それぞれの放電電極50a,50の先端51a,51bを往復運動させるのである。
このとき、放電電極50a,50bが互いに同期して揺動運動をするため、それぞれの先端51a,51bは、互いに水平な相対的位置を保って往復運動をする。このため、それぞれの先端51a,51bを結ぶ直線SLは、水平な状態を保って上下方向に移動する。このように直線SLが水平な状態を保って上下方向に移動するように、先端51a,51bを往復運動させることで、放電による熱の強度の分布が把握し易い。従って、後述のように先端51a,51bの位置により放電の強度を変化させる場合に、先端51a,51bの位置と放電の強度との関係を容易に定めることができる。
また、それぞれの先端51a,51bが往復運動する幅Wの中点は、クラッド20の中心軸CAに対して水平な位置とされる。従って、直線SLが往復運動する幅Wの中心は中心軸CAを通る線とされる。さらに、それぞれの先端51a,51bが移動する幅Wは、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bのクラッド20の直径よりも大きくされる。つまり、直線SLの移動により描かれる面は、マルチコアファイバ1a,1bの端面を平面視する場合に、端面を覆っている。この場合、幅Wは、クラッド20の直径Dの1.2倍〜1.8倍であることが好ましく、1.4倍〜1.6倍であることがより好ましい。
そして、放電電極50a,50bの先端51a,51bが上下方向に往復運動している状態で、一対の放電電極50a,50b間に高電圧をかけて放電を行う。
このとき、本実施形態においては、図5に示すように、放電の強度が、放電電極50a,50bの先端51a,51bの位置により変化するように制御される。この放電の強度は、それぞれの先端51a,51bを結ぶ直線SLが、マルチコアファイバ1bのクラッド20の中心軸CAよりも下側にある状態で最も大きくなるように制御される。具体的には、放電の強度が最も大きくなる位置は、クラッド20の直径をDとする場合に、中心軸より下方で中心軸CAから0.4Dの間に位置することが好ましく、さらに、中心軸CAの下方0.15Dから0.3Dの間に位置することが好ましい。また、放電の強度は、図5のようにマルチコアファイバ1bの端面を平面視する場合に、先端51a,51bを結ぶ直線SLが、マルチコアファイバ1bのコア11の何れとも交差しない位置において、最も大きくされることが好ましい。従って、放電の強度は、中心軸より下方で中心軸CAから0.4D下方まで間におけるコア11が配置されない位置において、最も強くされることが好ましく、放電の強度は、中心軸CAの下方0.15Dから0.3Dの間におけるコア11が配置されない位置において、最も強くされることがより好ましい。なお、この位置関係は、マルチコアファイバ1a,1bのどちらの端面を平面視する場合であっても同様である。
こうして放電電極50a,50bから放電されることにより、放電のエネルギーが、熱に変換されて、互いに突き合わされたマルチコアファイバ1a,1bの端面同士が融着され、マルチコアファイバ1aのそれぞれのコア11と、マルチコアファイバ1bのそれぞれのコア11とが、光学的に結合する。
以上説明したように、本実施形態のマルチコアファイバ1a,1bの接続方法によれば、放電電極50a,50bの先端51a,51bが上下方向に往復運動している状態で、先端51a,51b間に放電を行うことにより、放電によるエネルギーの分布が、面を描くように移動する。従って、融着の最中に放電電極の位置が固定されている場合と比べて、放電による熱が、マルチコアファイバ1a,1bの径方向の一部に集中することを抑制することができる。従って、一部のコア同士の融着状態が良好となり、他のコア同士の融着状態が、この一部のコア同士の融着状態と比べて不良となることを抑制することができる。従って、各コア11の接続損失のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態のように、それぞれの先端51a,51bが移動する幅が、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bの直径よりも大きくされ、直線SLの移動により描かれる面が、マルチコアファイバ1a,1bの端面を覆うことで、放電によるエネルギーは、マルチコアファイバ1a,1bの端面全体的に分布し、マルチコアファイバ1a,1bの端面は全体的に加熱される。従って、より適切にそれぞれのマルチコアファイバ1a,1bを融着することができる。
また、本実施形態においては、放電の強度が、放電電極50a,50bの先端51a,51bの位置により変化するため、マルチコアファイバ1a,1bの融着面へ与えられる放電のエネルギーの分布を調整することができる。特に、本実施形態のように、マルチコアファイバ1a,1bが水平に配置され、それぞれの放電電極50a,50bの先端51a,51bの位置関係が、水平となる場合には、放電による熱により上昇気流が発生して、放電される位置を基準として、下側よりも上側の温度が高くなる傾向がある。そこで、本実施形態のように、放電の強度が最も高くなる位置が、放電電極50a,50bの先端51a,51bがマルチコアファイバ1a,1bの中心軸CAよりも下側となるように、放電の強度を制御することで、融着面における熱の偏在を抑制することができる。このように放電の強度を制御することで、一定の強度で放電する場合よりも、それぞれのコア11の融着状態のばらつきをより抑制することができる。
また、本実施形態では、マルチコアファイバ1a,1bの端面を平面視する場合に、先端51a,51bを結ぶ直線SLが、コア11の何れとも交差しない位置において、放電の強度が最も大きくされる。つまり、コア11が配置されている位置において、最も強度の大きな放電がなされない。このため、本実施形態のマルチコアファイバ1a,1bの接続方法によれば、特定のコアの温度が過度に上昇することを抑制することができる。従って、特定のコアが変形することや、特定のコアに添加されるドーパントが拡散することを抑制することができる。このため、それぞれのコアの融着状態のばらつきをより抑制することができる。
なお、本実施形態では、融着ステップS2において、クラッド20の中心に配されるコア11を挟んで水平方向に一組の外周側のコア11が配置されるように、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bがその長手方向が水平となるように配置されたが、次のようにマルチコアファイバ1a,1bが配置されても良い。図6は、第1実施形態の変形例を示す図である。図6に示すように、クラッド20の中心に配されるコア11を挟んで上下方向に一組の外周側のコア11が配置されるように、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bがその長手方向が水平となるように配置される。この場合であっても、放電の強度は、それぞれの先端51a,51bを結ぶ直線SLが、マルチコアファイバ1bのクラッド20の中心軸CAよりも下側にある状態で、最も大きくされることが好ましく、マルチコアファイバ1a,1bの端面を平面視する場合に、マルチコアファイバ1a,1bのコア11の何れとも交差しない位置において、最も大きくされることがより好ましい。
また、マルチコアファイバ1a,1bは、それぞれのマルチコアファイバ1a,1bのコア11が互いに対向している限りにおいて、その他の角度で中心軸CA周りに回転されて配置されても良い。このように融着ステップS2において、マルチコアファイバ1a,1bを中心軸CA周りに所望の角度で配置することで、放電パワーが最大となる位置とそれぞれのコア11の位置との相対的な位置関係の設定の自由度をより向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図7を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図7は、本発明の第2実施形態において接続されるマルチコアファイバを示す断面図である。図7に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ2は、複数のコア要素10を備え、コア11がそれぞれのコア要素10内に設けられている点において、第1実施形態のマルチコアファイバ1と異なる。
それぞれのコア要素10は、コア11と、コア11の外周面を囲む第1クラッド12と、第1クラッド12の外周面を囲み、外周面がクラッド20に囲まれる第2クラッド13とを有している。本実施形態においては、それぞれの第1クラッド12の外径は互いに等しく、それぞれの第2クラッド13の外径は互いに等しくされている。従って、それぞれの第1クラッド12の厚さは互いに等しく、それぞれの第2クラッド13の厚さは互いに等しくされている。また第1クラッド12の外径は、特に限定されるわけではないが、例えば、20μmとされ、第2クラッド13の外径は、特に限定されるわけではないが、例えば、30μmとされる。
また、それぞれのコア11の屈折率をnとする場合に、第1クラッド12の屈折率nはコア11の屈折率nよりも低くされて、第2クラッド13の屈折率nは第1クラッド12の屈折率nよりも更に低くされている。また、クラッド20の屈折率nは、コア11の屈折率nよりも低くされ、第2クラッド13の屈折率nより高くされる。別言すれば、それぞれの屈折率n〜nは、
>n>n
>n
<n
を全て満たしている。従って、それぞれのコア要素10を屈折率の観点から見る場合に、それぞれのコア要素10は、トレンチ構造を有している。
このように第2クラッド13の屈折率nが、第1クラッド12の屈折率n及びクラッド20の屈折率nよりも小さくされることで、コア11への光の閉じ込め効果が大きくなり、コア11を伝播する光がそれぞれのコア要素10から漏えいすることを防止することができる。そして、屈折率の低い第2クラッド13及びクラッド20が障壁となり、互いに隣り合うコア11同士のクロストークをより防止することができる。
このようなトレンチ構造を有するマルチコアファイバ2同士を接続するには、次のように行えば良い。まず、第1実施形態の突き合わせステップS1と同様にして、突き合わせステップS1を行う。
次に、融着ステップS2を行う。図8は、本実施形態において、放電電極50a,50bの先端51a,51bを結ぶ直線SLの位置と放電の強度との関係を示す図である。図8に示すように、本実施形態の融着ステップS2は、放電の強度が、マルチコアファイバ2の端面を平面視する場合に先端51a,51bを結ぶ直線SLが、コア11の何れとも交差しない位置において最も大きくされることが好ましく、第1クラッド12の何れとも交差しない位置において最も大きくされることがより好ましく、第2クラッド13の何れとも交差しない位置において最も大きくされることが更に好ましい。そして、他の点においては、第1実施形態の融着ステップS2と同様とされる。
本実施形態のマルチコアファイバ2の接続方法によれば、第2クラッド13が配置されている位置に、最も強度の大きな放電がなされないことにより、特定の第2クラッド13が変形することや、特定の第2クラッド13の屈折率が変化することを抑制することができる。このため、マルチコアファイバ2の接続部において、それぞれのコア11の光の閉じ込め力がばらつくことをより抑制することができる。
なお、本実施形態では、融着ステップS2において、クラッド20の中心に配されるコア要素10を挟んで水平方向に一組の外周側のコア要素10が配置されるように、一組のマルチコアファイバ2が水平に配置されたが、次のようにマルチコアファイバ2が配置されても良い。図9は、第2実施形態の変形例を示す図である。図9に示すように、クラッド20の中心に配されるコア要素10を挟んで上下方向に一組の外周側のコア要素10が配置されるように、一組のマルチコアファイバ2が水平に配置される。この場合であっても、放電の強度は、それぞれの先端51a,51bを結ぶ直線SLが、マルチコアファイバ2のクラッド20の中心軸CAよりも下側にある状態で、最も大きくされることが好ましく、マルチコアファイバ2の端面を平面視する場合に、マルチコアファイバ2のコア11の何れとも交差しない位置において、最も大きくされることがより好ましい。また、放電の強度は、それぞれの先端51a,51bを結ぶ直線SLが、第1クラッド12の何れとも交差しない位置において最も大きくされることが更に好ましく、第2クラッド13の何れとも交差しない位置において最も大きくされることがまた更に好ましい。本変形例において直線SLが第1クラッド12や第2クラッド13と交差しないようにするには、それぞれの第1クラッド12や第2クラッド13の外径を小さくしたり、それぞれのコア11の中心間距離を大きくすれば良い。
また、マルチコアファイバ2は、それぞれのマルチコアファイバ2のコア11が互いに対向している限りにおいて、その他の角度で中心軸CA周りに回転されて配置されても良い。このように本実施形態においても融着ステップS2において、それぞれのマルチコアファイバ2を中心軸CA周りに所望の角度で配置することで、放電パワーが最大となる位置とそれぞれのコア11の位置との相対的な位置関係の設定の自由度をより向上させることができる。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、第1,第2実施形態おいて、コア11が1−6配置される例を示したが、コアの数や配置に特に制限はない。
また、上記実施形態では、それぞれのマルチコアファイバ1a,1b及び一対の放電電極50a,50bがそれぞれ水平に配置されたが、本発明では、マルチコアファイバ1a,1b及び一対の放電電極50a,50bは、融着出来る限りにおいて水平に配置されなくても良い。
また、上記実施形態では、一対の放電電極50a,50bが繰り返し揺動運動することで、放電電極50a,50bの先端51a,51bは、上下方向に円弧を描きながら往復運動した。しかし、本発明では、直線SLが中心軸CAに垂直な面を描いて移動するように、それぞれの放電電極50a,50bの先端51a,51bが移動すればよいため、往復運動しなくても良い。例えば、直線SLが中心軸CAを一度のみ通過するように、先端51a,51bが移動しても良い。更に、放電電極50a,50bの先端51a,51bが、例えば、直線状に移動しても良く、この場合に直線状に往復運動しても良い。また、この先端51a,51bの往復運動の幅Wは、クラッド20の直径よりも小さくても良い。
また、上記実施形態では、放電の強度が、放電電極50a,50bの先端51a,51bの位置により変化するように、放電を制御したが、放電の強度は一定であっても良い。また、放電の強度が変化する場合において、上記実施形態のように、放電の強度が最も大きくなる位置が、クラッド20の中心軸CAよりも下方でなくても良い。また、マルチコアファイバ1bの端面を平面視する場合に、先端51a,51bを結ぶ直線SLが、コア11の何れかと交差する位置において、放電の強度が最も大きくされても良い。また、第2実施形態において、マルチコアファイバ1bの端面を平面視する場合に、先端51a,51bを結ぶ直線SLが、第2クラッド13の何れかと交差する位置において、放電の強度が最も大きくされても良い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1)
第2実施形態と同様の構造を有するマルチコアファイバを複数本準備して、内側保護層、外側保護層を剥離した。このマルチコアファイバは、クラッドの直径が181μmであり、それぞれのコア要素において、コアの直径が10μmであり、第1クラッドの外径が20μmであり、第2クラッドの外径が30μmであり、コアの中心間距離は43μmであった。なお、第1クラッドの屈折率はクラッドと同じであり、コアのクラッドに対する比屈折率差は0.27%で、第2クラッドのクラッドに対する比屈折率差は−0.75%であり、波長1.55μmの光に対するモードフィールド径は12.1μmであった。
次に、第1トライアルとして、2本のマルチコアファイバを選択し、クラッドの中心軸に垂直な面に対する融着される端面の角度を測定した。そして、これらのマルチコアファイバを左右に水平に並べて、融着器にセットし、それぞれのクラッドの中心軸を一致させて、それぞれのコアを対向させ、それぞれのマルチコアファイバと突き合わせた。なお、この融着器は、一対の放電電極の先端が2.0mmの間隔をあけて、互いに水平な相対的位置関係で設置されているものである。そして、それぞれのマルチコアファイバを融着にセットする際、マルチコアファイバの突き合わせ位置を挟んで、放電電極の先端が位置するものとした。
次に放電電極の先端を上下に往復運動させながら放電を行い、マルチコアファイバ同士を融着した。このとき、放電電極の先端の往復運動の幅を270μmとし、往復運動の中心をクラッドの中心軸と水平な位置とし、放電の強度が最も大きくなる位置を往復運動の中心よりも35μm下方とした。この場合、放電の強度が最も大きくなる位置は、マルチコアファイバの端面を平面視する場合に、放電電極の先端同士を結ぶ直線がコアと交差する位置である。
この第1トライアルと同様のマルチコアファイバの選択及び融着を第2トライアル〜第5トライアルとしてさらに行った。
次に、それぞれのトライアルにおける接続損失を測定した。このとき波長1.5μmの光を用いた。そこで、外周側のコアの接続損失の平均、及び、中心のコアを含めた全てのコアの接続損失の平均、外周側のコアの最大の接続損失と最小の接続損失との差を、上記端面の角度と共に表1に示す。
Figure 0005990451
(実施例2)
実施例1と同様のマルチコアファイバを複数本準備した。そして、第1トライアルとして、2本のマルチコアファイバを選択し、クラッドの中心軸に垂直な面に対する融着される端面の角度を測定した後、放電電極の先端の間隔を2.2mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれのマルチコアファイバの融着を行った。さらに同様のマルチコアファイバの選択及び融着を第2トライアルとして行った。
次に、実施例1と同様にして、それぞれのトライアルにおける接続損失を測定した。そこで、外周側のコアの接続損失の平均、及び、中心のコアを含めた全てのコアの接続損失の平均、及び、外周側のコアの最大の接続損失と最小の接続損失との差を、端面の角度と共に表2に示す。
Figure 0005990451
(実施例3)
クラッドの直径が195μmであり、コアの中心間距離は49μmでああり、コアのクラッドに対する比屈折率差は0.23%で、第2クラッドのクラッドに対する比屈折率差は−0.88%であり、波長1.55μmの光に対するモードフィールド径は11.6μmであること以外は、実施例1と同様のマルチコアファイバを複数本準備し、内側保護層及び外側保護層を剥離した。
次に、第1トライアルとして、2本のマルチコアファイバを選択し、クラッドの中心軸に垂直な面に対する融着される端面の角度を測定し、放電電極の先端の間隔が2.1mmの融着器に実施例1と同様にして、それぞれのマルチコアファイバをセットした。そして、放電電極の先端の往復運動の幅を292μmとし、放電の強度が最も大きくなる位置を往復運動の中心よりも56μm下方としたこと以外は、実施例1と同様にしてそれぞれのマルチコアファイバを融着した。この放電の強度が最も大きくなる位置は、マルチコアファイバの端面を平面視する場合に、放電電極の先端同士を結ぶ直線が、第2クラッドと交差するもののコアとは交差しない位置である。
この第1トライアルと同様のマルチコアファイバの選択及び融着を第2トライアル、第3トライアルとしてさらに行った。
次に、実施例1と同様にして、それぞれのトライアルにおける接続損失を測定した。そこで、外周側のコアの接続損失の平均、及び、中心のコアを含めた全てのコアの接続損失の平均、及び、外周側のコアの最大の接続損失と最小の接続損失との差を、端面の角度と共に表3に示す。
Figure 0005990451
(実施例4)
実施例3と同様のマルチコアファイバを複数本準備した。そして、第1トライアルとして、2本のマルチコアファイバを選択し、クラッドの中心軸に垂直な面に対する融着される端面の角度を測定した後、放電の強度が最も大きくなる位置を往復運動の中心よりも49μm下方としたこと以外は、実施例5と同様にして、それぞれのマルチコアファイバの融着を行った。この放電の強度が最も大きくなる位置は、マルチコアファイバの端面を平面視する場合に、放電電極の先端同士を結ぶ直線がコアと交差する位置である。さらに第1トライアルと同様のマルチコアファイバの選択及び融着を第2トライアル、第3トライアルとして行った。
次に、実施例1と同様にして、それぞれのトライアルにおける接続損失を測定した。そこで、外周側のコアの接続損失の平均、及び、中心のコアを含めた全てのコアの接続損失の平均、及び、外周側のコアの最大の接続損失と最小の接続損失との差を、端面の角度と共に表4に示す。
Figure 0005990451
(実施例5)
第2実施形態と同様のコア要素を12個有するマルチコアファイバを複数本準備した。これらのマルチコアファイバにおいて、それぞれのコア要素は、互いに隣り合うコアの中心間距離が等しくされて、各コアの中心を結ぶ線が略正六角形となるように配置されていた。すなわち正六角形の各頂点に1つずつコアの中心が位置し、各辺の中点に1つずつコアの中心が位置するようにそれぞれのコア要素が配置されていた。各コアの直径は10μmであり、第1クラッドの外径が17μmであり、第2クラッドの外径が38μmであり、互いに隣り合うコアの中心間距離は37μmであり、クラッドの外径は225μmであった。また、また、第1クラッドの屈折率はクラッドの屈折率と同じであり、コアのクラッドに対する比屈折率差は0.34%であり、第2クラッドのクラッドに対する比屈折率差は−0.7%であった。更に、それぞれのコアにおいて、波長1.55μmの光に対するモードフィールド径は10.1μmであった。
次に第1トライアルとして、2本のマルチコアファイバを選択し、それぞれのマルチコアファイバについてクラッドの中心軸に垂直な面に対する融着される端面の角度を測定したところ、一方のマルチコアファイバの端面の角度及び他方のマルチコアファイバの端面の角度が共に0.5度以下であった。そして、放電電極の先端の間隔が2.1mmの融着器に実施例1と同様にして、それぞれのマルチコアファイバをセットした。そして、放電電極の先端の往復運動の幅を338μmとし、放電の強度が最も大きくなる位置を往復運動の中心よりも56μm下方としたこと以外は、実施例1と同様にしてそれぞれのマルチコアファイバを融着した。
次に、実施例1と同様にして、それぞれのトライアルにおける接続損失を測定した。その結果、12個全てのコアの接続損失の平均が0.11dBとなり、最大の接続損失と最小の接続損失との差は0.09dBとなった。
(比較例1)
放電電極の先端の間隔が1.5mmであり、放電電極の位置がクラッドの中心軸と水平な位置に固定されていること以外は、実施例1と同様にして、マルチコアファイバの選択及び融着を第1トライアル〜第5トライアルまで行った。
次に、実施例1と同様にして、それぞれのトライアルにおける接続損失を測定した。そこで、外周側のコアの接続損失の平均、及び、中心のコアを含めた全てのコアの接続損失の平均、及び、外周側のコアの最大の接続損失と最小の接続損失との差を、端面の角度と共に表6に示す。
Figure 0005990451
表1〜表5から明らかなように、本発明のマルチコアファイバの接続方法である実施例1〜実施例4の接続損失は、従来のマルチコアファイバの接続方法である比較例1の接続損失よりも、ばらつきが小さいことが確認された。この結果、本発明のマルチコアファイバの接続方法によれば、各コアの接続損失のばらつきを抑制できることが確認された。さらに、実施例3のように、マルチコアファイバの端面を平面視する場合に、放電電極の先端同士を結ぶ直線が、コアと交差しない位置において、放電の強度が最も大きくなる場合、各コアの接続損失のばらつきをより抑制できることが確認された。なお、マルチコアファイバの端面を平面視する場合に、放電電極の先端同士を結ぶ直線が、第2クラッドと交差しない位置において、放電の強度が最も大きくなる場合、さらに各コアの接続損失のばらつきを抑制できると考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、各コアの接続損失のばらつきを抑制して、複数のマルチコアファイバを接続することができるマルチコアファイバの接続方法が提供され、大容量長距離通信等に良好に利用することができる。
1,1a,1b,2・・・マルチコアファイバ
10・・・コア要素
11・・・コア
12・・・第1クラッド
13・・・第2クラッド
20・・・クラッド
31・・・内側保護層
32・・・外側保護層
50a,50b・・・放電電極
51a,51b・・・先端

Claims (6)

  1. 一対のマルチコアファイバを接続するマルチコアファイバの接続方法であって、
    それぞれの前記マルチコアファイバのクラッドの中心軸同士を一致させて、一方の前記マルチコアファイバのそれぞれのコアと他方の前記マルチコアファイバのそれぞれのコアとが、互いに対向するように、それぞれの前記マルチコアファイバの端面同士を突き合わせる突き合わせステップと、
    それぞれの前記マルチコアファイバの突き合わせ位置を挟んで互いに対向する一対の放電電極により放電を行い、それぞれの前記マルチコアファイバ同士を融着する融着ステップと、
    を備え、
    前記融着ステップにおいて、前記放電電極の先端同士を結ぶ直線が前記中心軸に垂直な面を描いて移動するように、それぞれの前記放電電極の先端を往復運動するように移動させ
    前記往復運動する幅は、前記クラッドの直径の1.2〜1.8倍とされる
    ことを特徴とするマルチコアファイバの接続方法。
  2. 前記直線の移動により描かれる前記面は、前記マルチコアファイバの前記端面を平面視する場合に、前記端面を覆うことを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバの接続方法。
  3. 前記放電の強度は、前記一対の放電電極の先端の位置により変化することを特徴とする請求項1または2に記載のマルチコアファイバの接続方法。
  4. それぞれの前記マルチコアファイバは、前記中心軸が水平となるように配置されると共に、前記放電電極は、前記直線が水平となるように配置され、
    前記放電の強度は、それぞれの前記放電電極の先端が前記中心軸よりも下側にある状態で最も大きくされる
    ことを特徴とする請求項に記載のマルチコアファイバの接続方法。
  5. 前記放電の強度は、前記マルチコアファイバの前記端面を平面視する場合に、前記直線が前記コアの何れとも交差しない位置において、最も大きくされることを特徴とする請求項3または4に記載のマルチコアファイバの接続方法。
  6. それぞれの前記マルチコアファイバは、
    それぞれの前記コアの外周面を囲む複数の第1クラッドと、
    それぞれの前記第1クラッドの外周面を囲み外周面が前記クラッドに囲まれる複数の第2クラッドと、
    を更に備え、
    前記コアの屈折率をnとし、前記第1クラッドの屈折率をnとし、前記第2クラッドの屈折率をnとし、前記クラッドの屈折率をnとする場合、
    >n>n
    >n
    <n
    の全てを満たし、
    前記放電の強度は、前記マルチコアファイバの前記端面を平面視する場合に、前記直線が前記第2クラッドの何れとも交差しない位置において、最も大きくされることを特徴とする請求項に記載のマルチコアファイバの接続方法。
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