JP5990113B2 - 磁気バネ装置 - Google Patents

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この発明は、磁気の吸引力を磁気バネ力として用いる磁気バネ装置に関するものである。
従来より、この種の磁気バネ装置として、電磁石を利用した磁気バネ装置が提案されている。この電磁石を利用した磁気バネ装置では、電流を変化させることにより、バネ定数やバネ力などのバネの特性を変化させることができる。
例えば、バネ定数を任意かつ連続的に変化させることができるバネ定数可変磁気バネ装置は、例えば電子部品などの小型部品や精密部品の組み付けを行うロボットのアーム先端とワーク(あるいはハンド)との間などに取り付けられ、部品の破損を防ぐための緩衝装置として用いられる。
このような磁気バネ装置では、設置後の調整や設備の仕様変更などで、バネ定数やバネ力などのバネの特性の変更が必要になった場合に容易に対応できる。また、ロボットによる組み付けでは、位置決めの時には過大な接触力が部品に加わり破損してしまわないように弱い力が必要で、位置が決まった後は強い力で押し付けることが必要であるが、バネ定数可変磁気バネ装置によって位置決め時の弱い力設定と、位置が決まった後の強い力設定とを使い分けることが可能となる。さらに、1つのロボットアームで多種の仕事をする場合にも、それぞれに必要なバネの特性への変更が可能となる。
図12に従来の磁気バネ装置の一例を示す(例えば、特許文献1参照)。この磁気バネ装置400は、可動子21(可動子ヨーク22、永久磁石23)と固定子24(コイル25,26、ギャップ調整用固定子ヨーク27〜30、固定子コア31,32)と可動子21を支持するケース33と、可動子21と固定子24との間のギャップの間隔を変えるギャップ調整機構34〜37によって構成されている。
この磁気バネ装置400では、コイル25,26に電流が流されていない場合、永久磁石23による磁束40,41が固定子24のヨーク27〜32に流れ、可動子21の変位0で安定状態にある。そのため、可動子21がプラスに変位してもマイナスに変位しても可動子21を変位0の中心点(原点)に戻そうとする吸引力が発生する。これにより、永久磁石23の吸引力のみで、可動子21の軸方向移動に対するバネ力(磁気バネ力)が得られる。
これに対し、コイル25,26に電流を流すと、このコイル25,26に流れる電流(コイル電流)による磁束38,39が発生する。永久磁石23による磁束40,41をコイル電流による磁束38,39で弱めることで、磁気吸引力が減少し、バネ定数が小さくなる。逆に、永久磁石23による磁束40,41をコイル電流による磁束38,39で強めることで、磁気吸引力が増加し、バネ定数が大きくなる。
また、ギャップ調整機構34〜37により、可動子21と固定子24との間のギャップ(21−27間、21−28間、21−29間、21−30間)の間隔を大きくすることで、磁気抵抗が増加し、永久磁石23から固定子24のヨーク27〜32に流れる磁束が減少することで磁気吸引力が減少し、バネ定数が小さくなる。逆に、可動子21と固定子24との間のギャップ(21−27間、21−28間、21−29間、21−30間)の間隔を小さくすることで、磁気抵抗が減少し、永久磁石23から固定子24のヨーク27〜32に流れる磁束が増加することで磁気吸引力が増加し、バネ定数が大きくなる。
図13に従来の磁気バネ装置の他の例を示す(例えば、特許文献2参照)。この磁気バネ装置500は、円筒形状の固定軸51と、この固定軸51内に軸方向に移動可能に挿入された円柱形状の可動軸52と、固定軸51の内周に固定された円筒形状の固定側永久磁石53と、可動軸52の外周に固定された円筒形状の可動側永久磁石54とを備え、固定側永久磁石53および可動側永久磁石54は、N極着磁帯とS極着磁帯とが交互に着磁されて円周方向に分割され、固定側永久磁石53のN極着磁帯とS極着磁帯とをまたぐように鉄心55が固定され、この固定側永久磁石53に固定された鉄心55にコイル56が巻かれている。
この磁気バネ装置500では、固定側永久磁石53と可動側永久磁石54との間に、固定軸51と可動軸52との軸方向および円周方向の相対変位に反発するように吸引力が発生し、軸方向に作用する吸引力がバネ力としてバネ機能を発揮し、円周方向に作用する吸引力が可動軸52の回転止めとして機能する。また、コイル56,56に電流を流すことにより、このコイル56,56に流れる電流(コイル電流)によって発生する磁束が固定側永久磁石53の磁束に作用し、バネ力を変化させる。すなわち、固定側永久磁石53による磁束をコイル電流による磁束で弱めることで、磁気吸引力が減少し、バネ力が弱くなる。逆に、固定側永久磁石53による磁束をコイル電流による磁束で強めることで、磁気吸引力が増加し、バネ力が強くなる。
特開2004−360747号公報 特開2004−84696号公報 特願2012−226045 特願2012−039628
しかしながら、このような従来の磁気バネ装置400や500によると、コイルに電流を流すことによってバネ定数やバネ力を変更することができるが、永久磁石の磁束にコイルからの磁束を作用させるために、電力を常時消費し続けることになり、省エネルギーの観点で不利である。また、消費電力の増大に伴って、発熱も大きくなり、発熱による支障を生じることもある。
このような問題に対して、本出願人は先に、図14にその要部を示すような磁気バネ装置を提案している(特許文献3(先願1))。図14(a)はこの磁気バネ装置の平面図、図14(b)は図14(a)におけるI−I線断面図である。
図14において、1はN極から出てS極に戻る磁束を発生する永久磁石、2および3は永久磁石1のN極から出てS極に戻る磁束の磁路を形成するための第1および第2のヨーク、4は第1のヨーク2および第2のヨーク3が形成する磁路中の空間にその軸心Oの位置が規制された状態で軸方向に移動可能に設けられた磁性体からなる可動子である。
この磁気バネ装置200において、第1のヨーク2および第2のヨーク3は、平板状とされ、間隔をあけてほゞ平行に対向して配置されている。可動子4は、四角柱状とされ、第1のヨーク2と第2のヨーク3との間に、その軸方向をヨーク2,3の対向方向に対してほゞ垂直として配置されている。
また、可動子4は、図示されていないガイドによって、その軸心Oの位置が規制された状態(軸心に対して垂直方向の動きが規制された状態)で、可動子4の軸方向とヨーク2,3の面方向を平行にして軸方向に移動可能に設けられている。すなわち、可動子4の外周面4a(上面4a1,下面4a2)をヨーク部2,3の内面2b,3cから離間させた状態で、可動子4がヨーク部2,3の間に配置されている。可動子4の長さLはヨーク部2,3の幅W(可動子4の近傍に位置するヨーク部2,3の可動子4の軸方向の長さ)と同程度以下とされている。
また、この磁気バネ装置200において、永久磁石1は直方体とされ、その厚み方向の一方がN極、他方がS極に着磁されている。この永久磁石1は、第1のヨーク2と第2のヨーク3との対向空間中、可動子4が設けられた側とは反対側の端部に、そのN極の面(上面)1aおよびS極の面(底面)1bを第1のヨーク部2の下面(内面)2bおよび第2のヨーク部3の上面(内面)3bに接触させるようにして、交換可能にあるいはその位置を変更可能に固定されている。
この磁気バネ装置200では、永久磁石1のN極から出てS極に戻る磁束5が第1のヨーク2、可動子4、第2のヨーク3の経路で流れ、第1のヨーク2および第2のヨーク3と可動子4との間に作用する磁力(吸引力)によって、(無負荷状態における)変位0の中心点(原点)に可動子4が戻ろうとするバネ力(磁気バネ力)が発生する。
図15を参照して、この磁気バネ装置200において、磁気バネ力が発生する原理について説明する。なお、図15は図14(b)におけるII−II線断面図である。
この磁気バネ装置200において、磁気バネ力は次のような原理によって発生する。すなわち、外力によって可動子4が対向したヨーク2,3間に押し込められると、可動子4の押し込められた側の端部と押し込められた側のヨーク2の端部間およびヨーク3の端部間における斜め方向の吸引力により、その吸引力の軸方向の分解ベクトルとして可動子4を中央にもどす垂直方向(軸方向)の磁気バネ力が発生する。なお、可動子4の押し出された側の端部と押し出された側のヨーク2の端部間およびヨーク3の端部間においても、わずかな斜め方向の吸引力が働き、その吸引力の軸方向の分解ベクトルとして可動子4を中央にもどす垂直方向(軸方向)のわずかな磁気バネ力が発生するが、押し込められた側の影響が大きい。
この磁気バネ装置200では、可動子4はそのままで、永久磁石1のみを形状、体積、材質などが異なる別の永久磁石と交換することにより、すなわち永久磁石1を磁力の強い磁石に交換したり、磁力の弱い磁石に交換したりすることにより、永久磁石の磁束にコイルからの磁束を作用させ続ける場合のような電力を常時消費し続ける必要性を生じさせることなく、バネ定数やバネ力などのバネの特性を必要に応じて変更することが可能となる。
また、本出願人は、別の例として、図16に示すように、磁石を円柱状の永久磁石1’とし、この永久磁石1’をその軸心Pを中心として回転させることによって、ヨーク2,3の内面に対向する永久磁石1’の磁極の位置を変化させることができるようにした磁気バネ装置300も提案している(特許文献4(先願2))。
この磁気バネ装置300によれば、永久磁石1’の磁極の位置を変化させることによって、ヨーク2,3を通して永久磁石1’から可動子4へ供給される磁束の量と、永久磁石1’から可動子4へ供給されない磁束の量との配分を変化させて、バネ定数やバネ力などのバネの特性を変化させることが可能である。
また、この特許文献4では、例えば図14に示したような構成において、永久磁石1から可動子4に供給されない磁束の磁路に磁性体を配置し、この磁性体の配置状態を変化させることによって磁束の配分を変化させて、バネ定数やバネ力などのバネの特性を変化させるようにした例も示されている。
〔先願の技術で生じた新たな問題点〕
実際の使用条件においては、特に可動子の位置(変位)によって力の変化が小さい、力一定に近い特性(バネ定数≒0)が要求される場合も多い。
可動子に働く力は位置(変位)により変化し、可動子がヨーク間から外れる位置付近で、位置に対する力の変化が小さい領域、および、発生力が最大となる領域が得られる。
図17に可動子の位置と発生力(磁気バネ力)との関係を示す。この図17に示した関係は、図18に示すように柱状の可動子4に外力を作用させて、この可動子4の位置を図示点線で示す初期位置0からヨーク2,3間から外れるまで変化させた場合のものである。図18は可動子4を途中の位置Mで停止させた状態を力の発生状態と合わせて示している。
なお、この例では、上下方向3箇所しか力の発生状態を示していないが、可動子4の両側面の全箇所で同様の力が発生する。また、図18において、可動子4の長さLはヨーク2,3の幅Wのほゞ1/2としている。図17に示された関係から分かるように、可動子4がヨーク2,3間から外れる位置Xの付近で、位置に対する力の変化が小さい領域、および、発生力が最大となる領域が得られる。
しかし、このような構造において、可動子4に流れる磁束を多くして発生力を大きくすると、最大発生力付近で力の変化が小さい位置範囲が狭くなるという問題があった。つまり、可動子4に働く最大発生力と、力の変化が小さい位置範囲(変位範囲)の大きさの両方を同時に向上させることが困難であった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、可動子に働く最大発生力と、力の変化が小さい位置範囲の大きさの両方を同時に向上させることが可能な磁気バネ装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、磁気の吸引力を磁気バネ力として用いる磁気バネ装置において、一方の磁極から出て他方の磁極に戻る磁束を発生する永久磁石と、永久磁石の一方の磁極から出て他方の磁極に戻る磁束の磁路を形成するための第1および第2のヨークと、第1および第2のヨークとともに磁路を形成するように配置され、その軸心の位置が規制された状態で軸方向に移動可能に設けられた磁性体からなる可動子とを備え、第1および第2のヨークは、対向するほゞ平行な内壁面を有し、可動子は、第1および第2のヨークの対向する内壁面に対して平行移動方向を軸心として平行移動可能な形状とされ、その軸方向を第1および第2のヨークの対向方向に対してほゞ垂直として当該ヨーク間に配置されており、かつその軸方向に透磁率の高い層と低い層とを交互に備えていることを特徴とする。
本発明では、可動子として、単なる柱状の可動子ではなく、軸方向に透磁率の高い層と低い層とを交互に備えた構造の可動子を用いる。例えば、板状の磁性体を可動子片とし、この可動子片を間隔を空けて積層したり、この可動子片と板状の非磁性体又は透磁率の低い磁性体とを交互に積層したりするなどして、透磁率の高い層(磁気抵抗の低い層)と透磁率の低い層(磁気抵抗の高い層)とを交互に形成した構造とする。
このような構造にすると、それぞれの可動子片(透磁率の高い層)ごとに、ヨーク間から外れる位置付近で発生力がピークになる。よって、複数の可動子片間の距離と可動子片の形状を調節することにより、それぞれの可動子片に発生する力特性の合計として、発生力が高い状態を可動子の広い位置(移動)範囲において維持でき、位置に対する発生力の変化を低減できる。つまり、可動子に働く最大発生力と、力の変化が小さい位置範囲(変位範囲)の大きさの両方を同時に向上させることが可能となる。
本発明によれば、軸方向に透磁率の高い層と低い層とを交互に備えた構造の可動子を用いるようにしたので、発生力が高い状態を可動子の広い位置(移動)範囲において維持し、位置に対する発生力の変化を低減させることができるようになり、可動子に働く最大発生力と、力の変化が小さい位置範囲の大きさの両方を同時に向上させることが可能となる。
本発明に係る磁気バネ装置の一実施の形態の概念図である。 この磁気バネ装置における可動子の位置(可動子位置)と発生力(磁気バネ力)との関係を示す図である。 図1におけるA−A線断面図(可動子片を間隔を空けて積層した構造とした可動子を途中の位置Mで停止させた状態を力の発生状態と合わせて示す図)である。 ヨークの対向方向の磁気抵抗を異ならせた可動子片を用いた場合の図3に対応する図である。 ヨークの対向方向の磁気抵抗を異ならせた可動子片を用いた場合の図2に対応する図である。 可動子片と板状の非磁性体(又は透磁率の低い磁性体)とを交互に積層した可動子を示す図である。 厚さ、長さ、幅などを異ならせた可動子片を示す図である。 ヨークの対向方向の長さを部分的に変化させた可動子片を示す図である。 磁気特性の異なる材料を長さ方向や幅方向に組み合わせて構成した可動子片を示す図である。 一部に非磁性体を使用した(または、一部に穴が空けられた)可動子片を示す図である。 ヨークと対向する端面の形状を変化させた可動子片を示す図である。 従来の磁気バネ装置の一例を示す図である。 従来の磁気バネ装置の他の例を示す図である。 特許文献3(先願1)に示された磁気バネ装置の要部を示す図である。 特許文献3の磁気バネ装置において磁気バネ力が発生する原理を説明する図である。 特許文献4(先願2)に示された磁気バネ装置の要部を示す図である。 柱状の可動子の位置(可動子位置)と発生力(磁気バネ力)との関係を示す図である。 柱状の可動子を途中の位置Mで停止させた状態を力の発生状態と合わせて示す図である。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は本発明に係る磁気バネ装置の一実施の形態の概念図である。同図において、図16と同一符号は図16を参照して説明した構成要素と同一或いは同等の構成要素を示し、その説明は省略する。
この実施の形態において、その基本構造は図16に示した磁気バネ装置300と同じであるが、可動子として、単なる柱状の可動子ではなく、軸方向に透磁率の高い層と低い層とを交互に備えた構造の可動子6を用いている。この例では、板状の磁性体を可動子片61とし、この可動子片61を間隔を空けて積層した構造としている。
なお、図1において、永久磁石1’および可動子6は、図16と同様、第1のヨーク2と第2のヨーク3との間の空間に配置されている。また、図1では、説明を簡単とするために、可動子片61を可動子片61−1(可動子片1),61−2(可動子片2),61−3(可動子片3)の3つとし、この3つの可動子片61−1,61−2,61−3を間隔を空けて積層した構造を示している。
この可動子6では、可動子片61−1,61−2,61−3を間隔を空けて積層することにより、可動子片61−1,61−2,61−3が透磁率の高い層(磁気抵抗の低い層)とされ、可動子片61−1と61−2との間および可動子片61−2と61−3との間の空間が透磁率の低い層(磁気抵抗の高い層)とされている。
図2に可動子6の位置(可動子位置)と発生力(磁気バネ力)との関係を特性IVとして示す。この特性IVは、図3に示すように可動子6に外力を作用させて、可動子6の位置を図示点線で示す初期位置0からヨーク2,3間から外れるまで変化させた場合のものである。図3は可動子6を途中の位置Mで停止させた状態を力の発生状態と合わせて示している。
この磁気バネ装置100では、可動子片61−1,61−2,61−3ごとに力が発生し、可動子片61−1,61−2,61−3がヨーク2,3間から外れる位置付近でそれぞれの発生力がピークを持つ。すなわち、図2中に、可動子片61−1の位置と発生力と関係を特性I、可動子片61−2の位置と発生力との関係を特性II、可動子片61−3の位置と発生力との関係を特性IIIとして示すように、可動子片61−1がヨーク2,3間から外れる位置X1の付近でその発生力がピークを持ち、可動子片61−2がヨーク2,3間から外れる位置X2の付近でその発生力がピークを持ち、可動子片61−3がヨーク2,3間から外れる位置X3の付近でその発生力がピークを持つ。
このため、可動子片61−1,61−2,61−3間の距離を調整し、それらの力を合成すると、可動子6の位置と発生力との関係が特性IVのようになり、発生力が高い状態を可動子6の広い位置(移動)範囲において維持でき、位置に対する発生力の変化を低減することができる。これにより、可動子6に働く最大発生力と、力の変化が小さい位置範囲(変位範囲)の大きさの両方を同時に向上させることが可能となる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、可動子片61−1,61−2,61−3として同一の可動子片61を用いているが、このように複数の可動子片を同様のもので構成すると、ヨーク間から外れる順番が遅い可動子片(図1では下側の可動子片61−3)での(ヨーク間から外れる位置での)磁束集中が大きく、ヨーク間から外れる順番が早い可動子片(図1では上側の可動子片61−1)に比べて発生力も大きくなってしまい(発生力の比較:可動子片1<可動子片2<可動子片3)、位置による力の変化を抑えるのに限界がある。
そこで、実施の形態2では、図4に示すように、可動子片62−1,62−2,62−3のヨーク2,3の対向方向の磁気抵抗をそれぞれ異ならせ、磁気バネ力が発生する方向に沿って磁気抵抗が高くなる順に並べて配置している。すなわち、可動子片62−1,62−2,62−3の厚さを異ならせ、ヨーク2,3間から外れる順番が遅い可動子6側での磁気抵抗が高くなるように、可動子片62を並べて配置している。
このようにすると、ヨーク2,3間から外れる順番が遅い可動子6側への(ヨーク2,3間から外れる位置での)磁束集中が緩和され、図5に図2に対応する可動子位置と発生力(磁気バネ力)との関係を示すように、実施の形態1よりも可動子6の広い位置(移動)範囲において発生力が高い状態を維持でき、位置に対する発生力の変化を低減することができるようになる。
〔実施の形態3〕
実施の形態1では、可動子片61を間隔を空けて積層した可動子6を用いるようにしたが、図6に示すように、可動子片61と板状の非磁性体(又は透磁率の低い磁性体)63とを交互に積層した可動子6を用いるようにしてもよい。
この例では、可動子片61−1と61−2との間に板状の非磁性体(又は透磁率の低い磁性体)63−1を挟み、可動子片61−2と61−3との間に板状の非磁性体(又は透磁率の低い磁性体)63−2を挟み、可動子片61間(移動軸方向)の磁束を遮断または抑制するようにしている。
〔実施の形態4〕
実施の形態2では、厚さの異なる可動子片62を用いるようにしたが、図7に示すように、厚さだけではなく、長さ、幅なども異ならせた可動子片64を用いるようにしたり、図8に示すように、ヨーク2,3の対向方向の長さを部分的に変化させた可動子片65を用いたりしてもよい。また、図9に示すように、磁気特性の異なる材料を長さ方向や幅方向に組み合わせて構成した可動子片66を用いたり、図10に示すように、一部に非磁性体を使用した、または、一部に穴が空けられた可動子片67を用いたりしてもよい。また、図11に示すように、ヨーク2,3と対向する端面の形状を変化させた可動子片68を用いたりしてもよい。このような可動子片64〜68を用いることにより、実施の形態2と同様に、可動子片毎の磁気抵抗を変化させるようにして、位置に対する力特性を変化させることが可能となる。
図7に示した可動子片64では、その幅全体で磁気抵抗を調整しようとすると、力特性の変化が激しく調整が難しい。これに対し、図8に示した可動子片65では、可動子片64の幅(ヨーク2,3の対向方向の長さ)を部分的に変化させるだけで、ヨークとの距離を変えて、磁束が通過しやすい部分(磁気抵抗が小さい)、磁束が通過しにくい部分(磁気抵抗が大きい)を作り、微調整することが可能である。
また、図9に示した可動子片66では、磁束が通過しやすい材料(高透磁率、磁気抵抗が小さい)と磁束が通過しにくい材料(低透磁率、磁気抵抗が大きい)とを組み合わせて可動子片を形成することにより、可動子片の磁気抵抗を設定することが可能である。
また、図10に示した可動子片67では、一部に非磁性体を使用したり、穴を空けることにより、可動子片内側での磁束の流れを制限することが可能である。また、図11に示した可動子片68では、可動子片の端面形状を変化させることで、磁気抵抗を調整することが可能である。
なお、上述した実施の形態では、可動子片を積層した構造の可動子を使用するようにしたが、可動子片を積層するのではなく、その軸方向に透磁率の高い層と低い層が交互になっている一体の部材で可動子を構成してもよい。また、永久磁石は、例えば、ネオジムやサマリウムコバルトなどの希土類磁石またはフェライト磁石などが好ましい。
また、上述した実施の形態において、磁性体は、飽和磁束密度や透磁率が大きく、保磁力が小さく、磁気ヒステリシスの小さい軟磁性材料(例えば、電磁鋼板、電磁軟鉄、パーマロイなど)からなる。また、非磁性体は、例えば、SUS316、アルミニウム、真鍮などや、その他、磁気回路への磁気的影響が無視できるレベルの材料からなる。また、可動子片同士の積層方法としては、ボルトによる固定や、接着剤による接着などがある。
また、上述した実施の形態では、磁石として円柱状の永久磁石を用いたタイプの磁気バネ装置(図16)への適用例として説明したが、直方体状の永久磁石を用いたタイプの磁気バネ装置(図14)へも同様にして適用することが可能である。
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1’…永久磁石、2…第1のヨーク、3…第2のヨーク、5…磁束、6…可動子、61,62,64〜68…可動子片、63…板状の非磁性体(又は透磁率の低い磁性体)、100…磁気バネ装置。

Claims (9)

  1. 磁気の吸引力を磁気バネ力として用いる磁気バネ装置において、
    一方の磁極から出て他方の磁極に戻る磁束を発生する永久磁石と、
    前記永久磁石の一方の磁極から出て他方の磁極に戻る磁束の磁路を形成するための第1および第2のヨークと、
    前記第1および第2のヨークとともに磁路を形成するように配置され、その軸心の位置が規制された状態で軸方向に移動可能に設けられた磁性体からなる可動子とを備え、
    前記第1および第2のヨークは、
    対向するほゞ平行な内壁面を有し、
    前記可動子は、
    前記第1および第2のヨークの対向する内壁面に対して平行移動方向を軸心として平行移動可能な形状とされ、その軸方向を前記第1および第2のヨークの対向方向に対してほゞ垂直として当該ヨーク間に配置されており、かつその軸方向に透磁率の高い層と低い層とを交互に備えている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  2. 請求項1に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子は、
    板状の磁性体を可動子片とし、この可動子片を間隔を空けて積層することにより、前記透磁率の高い層と低い層とが交互に形成されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  3. 請求項1に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子は、
    板状の磁性体を可動子片とし、この可動子片と板状の非磁性体又は透磁率の低い磁性体とを交互に積層することにより、前記透磁率の高い層と低い層とが交互に形成されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  4. 請求項2又は3に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子を形成する複数の可動子片は、
    前記第1および第2のヨークの対向方向の磁気抵抗がそれぞれ異なり、磁気バネ力が発生する方向に沿って前記磁気抵抗が高くなる順に並んで配置されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  5. 請求項4に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子片は、磁気特性の異なる材料を組み合わせて構成することにより前記磁気抵抗が調整されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  6. 請求項4に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子片は、長さ、幅、厚さなどの形状を変化させることにより前記磁気抵抗が調整されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  7. 請求項4に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子片は、前記第1および第2のヨークの対向方向の長さを部分的に変化させることにより前記磁気抵抗が調整されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  8. 請求項4に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子片は、一部に非磁性体が使用されていることにより前記磁気抵抗が調整されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
  9. 請求項4に記載された磁気バネ装置において、
    前記可動子片は、前記第1および第2のヨークと対向する端面の形状を変化させることにより前記磁気抵抗が調整されている
    ことを特徴とする磁気バネ装置。
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