幾つかの例は、例示の実施形態が示される添付の図面を参照してより十分に以下に記述される。可能ならば常に、同じ参照番号は、図面全体を通して同じ又は類似の部品を指すために使用される。しかしながら、態様は、多くの異なる形態で具体化されることができ、ここで述べられる実施形態に制限されるものとして解釈されるべきではない。
図1を参照すると、本開示の態様に従って使用されることができる例示のガラス製造装置100の概略図がある。例示のガラス製造装置100は、ダウンドローフュージョン装置として描かれているが、更なる例では他の形成装置が使用されることができる。一例では、ガラス製造装置100は、ガラスリボン104を製造するための形成デバイス102を含むことができ、このガラスリボン104は、そのガラスリボン104の第1の縁部104aと第2の縁部104bの間に延在する幅“W”を含む。
図1に更に描かれているように、例示のガラス製造装置100は、溶融槽106、清澄槽108、混合槽110、送出槽112、形成デバイス102、引出ロールデバイス114、114a、114b、114c及び114d、及び分離デバイス116を含むことができる。溶融槽110は、ガラスバッチ材料が矢印118によって示されるように導入され、溶融ガラス120を形成するために溶融されるところである。清澄槽108は、溶融槽106から傾斜管121を介して溶融ガラス120(このポイントでは図示されず)を受領する高温処理エリアを備え、そのエリアでは泡が溶融ガラス120から除去される。清澄槽108は、撹拌室接続管122への清澄機によって混合槽106に接続される。混合槽110は、ボウル接続管124への撹拌室によって送出槽112に接続される。送出槽112は、下降管126を介して入口128に及び形成デバイス102内へ溶融ガラス120を送出する。
本開示の態様に従って使用されることができる種々の形成デバイスがある。例えば、図1及び図2に示されるように、例示の形成デバイス102は、トラフ132内に流れる溶融ガラス120を受領する開口130を含む。図2に最良に示されるように、次に、溶融ガラス120は、トラフ132から溢れ出て形成デバイス102の根本136で融合する前に二つの側部134aと134bを下方に流れる。根本136は、二つの側部1343aと134bが一体となる所であり、且つ二つの側部134aと134bの各々を越えて流れる溶融ガラス120の二つのオーバーフロー壁が融合して根本136から離れるように下方に引き出されるガラスリボン104を形成する所である。
ガラス製造装置100は、更に、両者が概略的に図1に描かれている引出ロールデバイス114、114a、114b、114c及び114d及び分離デバイス116を含む。図2に関して以下でより十分に論じられるように、引出ロールデバイス114は、根本136からガラスリボン104を引き出し且つガラスリボン104を望ましい厚さに引き取ることを助けるために設けられる。分離デバイス116は、ある時間にわたってガラスリボン104から複数のガラスシート140aと140b(二つだけが示されている)を逐次分離するために設けられる。分離デバイス116は、図示の移動アンビルマシンを備えていてもよいが、他のタイプの分離デバイスがある時間にわたってガラスリボン104から複数のガラスシート140aと140b(二つだけが示されている)を逐次分離するために利用されてもよい。他の代替例では、分離デバイス116は、存在せず、ガラスリボン104が巻き取られて巻き取りコイルのガラスを形成してもよい。
図2を参照すると、引出ロールデバイス114のより詳細な概略が、本開示の一例に従って提供されている。図2に示されるように、例示の引出ロールデバイス114は、第1のロール装置202、第2のロール装置204、第3のロール装置206、及び制御デバイス208(例えば、プログラマブル論理コントローラ208、プロセッサ・メモリ208)を含むことができる。この例では、第1のロール装置202は、ガラスリボン104の幅“W”に対して横切るように延在する引取り経路214に沿って形成デバイス102からガラスリボン104の第1の縁部104aと第2の縁部104bを夫々引き取るように構成される第1の上流対の引取りロール210と第2の上流対の引取りロール212を含む(注、引出ロール210と212は、ガラスリボン104に十字張力220aを印加する垂直下方へ傾斜されたロール210と212として示されているが、これらのロールは、水平方向への配向を有し、それらが水平方向への配向を有する場合、互いに接続されてもよい)。第2のロール装置204は、第1の中流対のロール216と第2の中流対のロール218を含み、それらは、夫々、第1の上流対の引取りロール210と第2の上流対の引取りロール212から引取り経路214に沿って下流に位置する(注:ロール216と218は、ガラスリボン104に十字張力220bを印加する垂直下方へ傾斜されたロール216と218として示されているが、それらのロールは、水平方向への配向を有し、それらが水平方向への配向を有する場合、互いに接続されてもよい)。第3のロール装置206は、第1の下流対の引取りロール222と第2の下流対の引取りロール224を含み、それらは、夫々、第1の中流対のロール216と第2の中流対のロール218から引取り経路214に沿って下流に位置する(注:引出ロール222と224は、ガラスリボン104に十字張力220cを印加する垂直下方へ傾斜されたロール222と224として示されているが、それらの引出ロールは、水平方向への配向を有し、それらが水平方向への配向を有する場合、互いに接続されてもよい)。制御デバイス208は、第1の上流対の引取りロール210の少なくとも一方が実質的に一定のトルクで回転し且つ第1の下流対の引取りロール222の少なくとも一方が実質的に一定の角速度で回転するように第1のロール装置202と第3のロール装置206を少なくとも独立して作動するように構成される。引出ロールデバイス114の異なる態様及び異なる処理用途についてのより詳細な議論は、図3と図4に関して以下で提供される。
図3A乃至図3Fを参照すると、本開示の幾つかの例に従う形成デバイス102と引出ロールデバイス114aと114bの種々の概略図がある。図3Aと図3Bに示されるように、引出ロールデバイス114は、形成デバイス102の根本136からガラスリボン104を粘性ゾーン302に引き取るように動作し、ガラスリボン104が最終厚さに薄くなり始める。次に、ガラスリボン104のその部分は、粘性ゾーン302から硬化ゾーン304へ引き出される。硬化ゾーン304において、ガラスリボン304のその部分は、粘性状態から望ましいプロファイルを有する弾性状態へ硬化される。硬化ゾーン404は、温度が以下の0.2秒<η(T)/G<10000秒を満たすゾーンとして定義され、そこでは、ηは、ガラス粘度(パスカル・秒)であり、Tは、温度(℃)であり、Gは、ガラスリボン104の室温せん断弾性率(パスカル)である。次に、ガラスリボン104のその部分は、硬化ゾーン304から弾性ゾーン306へ引き出される。弾性ゾーン306において、一旦、ガラスリボン104は、制限内で、ガラスリボン104のプロファイルを永久変形することなく変形されてもよい。この例では、引出ロールデバイス114aは、第1の上流対の引取りロール210と第2の上流対の引取りロール212が粘性ゾーン302に配置され、第1の中流対のロール216と第2の中流対のロール218が硬化ゾーン304に配置され、第1の下流対の引取りロール222と第2の下流対の引取りロール224が弾性ゾーン306に配置されるように構成される。分離デバイス116は、弾性ゾーン306に配置される。
特に、図3A乃至図3Cは、本開示の一態様に従う引出ロールデバイス114aの第1の例を描いているが、他の引出ロールデバイス構造体が更なる例において設けられてもよい。図示のように、引出ロールデバイス114aは、ガラスリボン104の幅“W”に対して横断するように延在する引取り経路214に沿って形成デバイス102からガラスリボン104の第1の縁部104aを引き取るように構成される第1の上流対の引取りロール210を含む第1のロール装置202を含むことができる。
図示のように、第1の上流対の引取りロール210は、第1の引出ロール部材307aと第2の引出ロール部材307bを含むことができる。第1と第2の引出ロール部材307aと307bは、各々、耐火ロール外被309aと309bとの間でガラスリボン104の第1の縁部104aに係合するように構成される耐火ロール外被309aと309bを備えることができる。第1の引出ロール部材307aと第2の引出ロール部材307bの少なくとも一方は、各モータ311aと311bを備えることができる。例えば、図示のように、第1の引出ロール部材307aと第2の引出ロール部材307bの両方は、夫々、モータ311aと311bを備える。更なる例では、第1の引出ロール部材307aと第2の引出ロール部材307bの一方のみがモータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2の引出ロール部材307a又は307bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。
他の例では、第1の上流対の引取りロール210に加えて又はその代わりに、第1の引出ロール装置202は、引取り経路214に沿って形成デバイス102からガラスリボン104の第2の縁部104bを引き取るように構成される第2の上流対の引取りロール212を含むことができる。図示のように、第2の上流対の引取りロール212は、第1の引出ロール部材315aと第2の引出ロール部材315bを含むことができる。第1と第2の引出ロール部材315aと315bは、各々、耐火ロール外被317aと317bとの間でガラスリボン104の第2の縁部104bに係合するように構成される耐火ロール外被317aと317bを備えることができる。第1と第2の引出ロール部材315aと315bの少なくとも一方は、各モータ319aと319bを備えることができる。例えば、図示のように、第1の引出ロール部材315aと第2の引出ロール部材315bの両方は、夫々、モータ319aと319bを備える。更なる例では、第1と第2の引出ロール部材の一方のみが、モータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2の引出ロール部材315aと315bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。
引出ロールデバイス114aは、更に、第1の上流対の引取りロール210から引取り経路214に沿って下流に位置する第1の中流対のロール216を含む第2のロール装置204を含む。この例では、第1の中流対のロール216は、垂直方向下方に傾斜され、横方向張力220b(十字張力220b)をガラスリボン104の第1の縁部104aに印加するように構成される。図示のように、第1のロール部材325aと第2のロール部材325bを含むことができる。第1と第2のロール部材325aと325bは、各々、耐火ロール外被327aと327bとの間でガラスリボン104の第1の縁部104aに係合するように構成される耐火ロール外被317aと317bを備えることができる。第1と第2のロール部材325aと325bの少なくとも一方は、各モータ329aと329bを備えることができる。例えば、図示のように、第1と第2のロール部材325aと325bの両方は、夫々、モータ329aと229bを備える。更なる例では、例えば、第1と第2のロール部材325aと325bの一方のみがモータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2のロール部材325aと325bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。幾つかの例では、第1の中流対のロール216は、モータによって駆動されないが、代わりに、ガラスリボン104の第1の縁部104aが間を通過する時に自由に回転するように空回りする。
他の例では、第1の中流対のロール216に加えて又はその代わりに、第2のロール装置204は、第2の上流対の引取りロール212から引取り経路214に沿って下流に位置する第2の中流対のロール218を含むことができる。この例では、第2の中流対のロール218は、垂直下方に傾斜され、横方向張力220b(十字張力220b)をガラスリボン104の第2の縁部104bへ印加するように構成される。図示のように、第2の中流対のロール218は、第1のロール部材333aと第2のロール部材333bを含むことができる。第1と第2のロール部材333aと333bは、各々、耐火ロール外被335aと335bを備えることができ、耐火ロール外被335aと335bは、両者の間でガラスリボン104の第2の縁部104bに係合するように構成される。第1と第2のロール部材333aと333bの少なくとも一方は、各モータ337aと337bを備えることができる。例えば、図示のように、第1と第2のロール部材333aと333bの両方が、各モータ337aと337bを備える。更なる例では、第1と第2のロール部材333aと333bの一方のみが、モータを備え、そこでは、他方のロール部材は、第1と第2のロール部材333aと333bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。幾つかの例では、第2の中流対のロール218は、モータによって駆動されず、代わりに、ガラスリボン104の第2の縁部104が間を通過する時に自由に回転するように空回りする。
引出ロールデバイス114aは、更に、第1の中流対のロール216から引取り経路に沿って下流に位置する第1の下流対の引取りロール220を含む第3のロール装置206を含む。第1の下流対の引取りロール220は、引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第1の縁部104aを更に引き取るように構成される。図示のように、第1の下流対の引取りロール220は、第1の引出ロール部材343aと第2の引出ロール部材343bを含むことができる。第1と第2の引出ロール部材343aと343bは、各々、耐火ロール外被345aと345bを備えることができ、耐火ロール外被345aと345bは、両者の間でガラスリボン104の第1の縁部104aに係合するように構成される。第1と第2の引出ロール部材343aと343bの少なくとも一方は、各モータ347aと347bを備えることができる。例えば、図示のように、第1と第2の引出ロール部材343aと343bの両方は、夫々、モータ347aと347bを備える。更なる例では、第1と第2の引出ロール部材343aと343bの一方のみが、モータを備え、そこでは、他のロール部材は、第1と第2の引出ロール部材343aと343bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。
他の例では、第1の下流対の引取りロール220に加えて又はその代わりに、第3のロール装置206は、第2の中流対のロール218から引取り経路214に沿って下流に位置する第2の下流対の引取りロール222を含むことができる。第2の下流対の引取りロール222は、引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第2の縁部104bを更に引き取るように構成される。図示のように、第2の下流対の引取りロール222は、第1の引出ロール部材351aと第2の引出ロール部材351bを含むことができる。第1と第2の引出ロール部材351aと351bは、各々、耐火ロール外被353aと353bを備えることができ、耐火ロール外被353aと353bは、両者の間でガラスリボン104の第2の縁部104bに係合するように構成される。第1と第2の引出ロール部材351aと351bの少なくとも一方は、各モータ355aと355bを備えることができる。例えば、図示のように、第1と第2の引出ロール部材351aと351bの両方は、夫々、モータ355aと355bを備える。更なる例では、第1と第2の引出ロール部材351aと351bの一方のみがモータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2の引出ロール部材351aと351bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。
ガラス製造装置100の引出ロールデバイス114aは、更に、第1の上流対の引取りロール210の少なくとも一方が実質的に一定のトルクで回転し且つ第1の下流対の引取りロール220の少なくとも一方が実質的に一定の角速度で回転するように第1のロール装置202と第3のロール装置206を少なくとも独立して動作するように構成される制御デバイス208(例えば、プログラマブル論理コントローラ208、プロセッサ・メモリ208)を含むことができる。この開示の目的のために、第1と第3のロール装置202と206の独立した動作は、第1と第3の引出ロール装置202又は206の一方が、第1と第3のロール装置202又は206の他方の動作によって影響を及ぼされずに動作されることができることを意味する。従って、例えば、制御デバイス208で第1の引出ロール装置202を独立して動作することは、第3の引出ロール装置206の動作パラメータの変化を心配することなく制御デバイス208に第1の引出ロール装置202を動作させる。
前述のように、第1の上流対の引取りロール210は、第1又は第2の引出ロール部材307aと307bの一方と関連する単一のモータを含むことができる。そのような例では、制御デバイス208は、関連する第1又は第2の引出ロール部材307a又は307bが実質的に一定のトルクで回転するように単一のモータを動作できる。更に上記されたように、第1と第2の引出ロール部材307aと307bの各々は、対応するモータ311aと311bを備えることができる。そのような例では、制御デバイス208は、第1の上流対の引出ロール210の両方が実質的に一定のトルクで回転するようにモータ311aと311bを動作できる。第1の上流対の引取りロール210の引出ロール部材307aと307bの両方を実質的に一定のトルクで回転することは、ガラスリボン104の第1の縁部104aの両側で等しく力を印加するために望ましい。
前述のように、第1のロール装置202は、オプションの第2の上流対の引取りロール212を含んでもよい。このような例では、第2の上流対の引取りロール212は、第1の又は第2の引出ロール部材315a又は315bの一方と関連する単一のモータを含むことができる。そのような例では、制御デバイス208は、関連する第1又は第2の引出ロール部材315a又は315bが実質的に一定のトルクで回転するように単一のモータを動作できる。更に上述されたように、第1と第2の引出ロール部材315aと315bの各々は、対応するモータ319aと319bを備えることができる。そのような例では、制御デバイス208は、第2の上流対の引取りロール212の両方が実質的に一定のトルクで回転するようにモータ319aと319bを動作できる。第2の上流対の引取りロール212の両方の引出ロール部材315aと315bの両方を実質的に一定のトルクで回転することは、ガラスリボン104の第2の縁部104bの両側で等しい力を印加するために望ましい。
必要ではないが、幾つかの例では、制御デバイス208は、第1の上流対の引取りロール210に関連するモータ311aと311bの一方又は両方を実質的に一定の第1のトルクで動作でき且つ同時に第1のトルクと実質的に等しい第2のトルクで第2の上流対の引取りロール212に関連するモータ319aと319bの一方又は両方を動作できる。実質的に等しい第1と第2のトルクを提供することは、例えば、実質的に同じ力をガラスリボン104及び第1と第2の縁部104aと104bに印加するために望ましい。
前述のように、第1の下流対の引取りロール220は、第1又は第2のロール部材343aと343bの一方に関連する単一のモータを含むことができる。そのような例では、制御デバイス208は、関連する第1又は第2の引出ロール部材343a又は343bが実質的に一定の角速度で回転するようにその単一のモータを動作することができる。更に上記のように、第1と第2の引出ロール部材343aと343bの各々は、対応するモータ347aと347bを備えることができる。このような例では、制御デバイス208は、第1の下流対の引取りロール220の両方のような少なくとも一方が実質的に一定の角速度で回転するようにモータ347aと347bを動作することができる。第1の下流対の引取りロール220の引出ロール部材343aと343bの両方を実質的に一定の角速度で回転することは、ガラスリボン104の第1の縁部104aの両側でガラスリボンを等しく引き取るために望ましい。
前述のように、第3のロール装置206は、オプションの第2の下流対の引取りロール222を含むことができる。そのような例では、第2の下流対の引取りロール222は、第1又は第2の引出ロール部材351aと351bの一方に関連する単一のモータを含むことができる。そのような例では、制御デバイス208は、関連する第1又は第2の引出ロール部材351a又は351bが実質的に一定の角速度で回転するようにその単一のモータを動作できる。更に上記のように、第1と第2の引出ロール部材351aと351bの各々は、対応するモータ355aと355bを備えることができる。そのような例では、制御デバイス208は、第2の下流対の引取りロール222の両方が実質的に一定の角速度で回転するように動作できる。第2の下流対の引取りロール222の引出ロール部材351aと351bの両方を実質的に一定の角速度で回転することは、ガラスリボン104の第2の縁部104bの両側でガラスリボン104を等しく引き取るために望ましい。
必要ではないが、幾つかの例では、制御デバイス208は、第1の下流対の引取りロール220に関連するモータ347aと347bの一方又は両方を実質的に一定の第1の角速度で動作することができると同時に第2の下流対の引取りロール222に関連するモータ355aと355bの一方又は両方を第1の角速度と実質的に等しい実質的に一定の第2の角速度で回転するように動作できる。実質的に等しい第1と第2の角速度を提供することは、例えば、第1と第2の縁部104aと104bで等しくガラスリボンを引き取るために望ましい。一般的に、第1と第2の角速度は、ガラスリボン104が真直ぐに進むことを保ち且つ望ましい厚さを維持するように調整される。第1と第2の角速度が実質的に異なる場合、ガラスリボン104は一方の側に湾曲する。しかしながら、ガラスリボン104の二つの側同士間で伸びに小さな差があるために、第1と第2の角速度が正確には同じではない。
更に、制御デバイス208(例えば、プログラマブル論理コントローラ208、プロセッサ・メモリ208)は、第1のロール装置202、第2のロール装置204、及び第3のロール装置206を動作するように構成されることができる。この場合、第2のロール装置204は、第1と第2の中流対のロール216と218の一方又は両方が一つ以上のモータ329a、329b、337a及び337bによって駆動されるように構成される。必要に応じて、制御デバイス208は、ロール325a、325b、333a及び333bの内の1つ以上のロールが実質的に一定のトルクで又は実質的に一定の角速度で回転するように第2のロール装置204を独立して動作するように構成されることができる。或いは、制御デバイス208は、第1のロール装置202と第3のロール装置206の一方又は両方の動作パラメータに従って第2のロール装置204を動作するように構成されることができる。
上述のように、少なくとも第1のロール装置202と第3のロール装置206は、少なくとも1つのモータを含む。第2のロール装置204は、少なくとも1つのモータを持っていても持っていなくてもよい。これらのモータは、夫々のロールを駆動するためにギアボックスを任意に備えることができるサーボモータよりなることができる。設けられる場合、サーボモータは、望ましい制御スキームを実施するために制御デバイス208(例えば、プログラマブル論理コントローラ208、プロセッサ・メモリ208)によって次に使用されることができるトルク及び/又は角速度測定を行って制御デバイス208に対して戻すために設けられることができる。或いは、制御デバイス208は、夫々のモータの角速度及び/又はトルクを制御するために可変周波数ドライブのような他のタイプのモータコントローラと相互作用することができる。この例では、トルクセンサ及び/又は角速度センサは、動作状態を検知し且つ制御デバイス208の検知状態のフィードバックを行うために使用されることができる。
幾つかの例では、本願全体を通して論じられるロール210、212、216、218、220及び222の対は、参照によって全体がここに組み込まれるAnderson氏等の2009年4月30に公開され本願と同じ譲受人の米国特許出願公開第2009/0107182号明細書に述べられたのと同様の構造と配向を有することができる。例えば、対のロール210、212、216、218、220及び222の何れかは、ガラスリボン104に関して垂直下方に傾斜された又は水平レベルのロールであることができる。更に、図3Dに示されるように、対のロール210、212、216、218、220及び222(水平レベルの又は垂直下方に傾斜した)の何れかは、ロール210、212、216、218、220及び222の夫々の面309a、309b、317a、317b、327a、327b、335a、335b、345a、345b、353a及び353bがガラスリボン104の夫々の主要面348と349に対して位置決めされる所定の水平角度θを有するように位置決めされることができる。水平角度0は、制御を助け、適切なレベルの十字引取り張力220a、220b及び220cを提供し及び/又は通常のロール摩耗中に生じるテーパー効果(先細りの影響)を調整するために望ましい。対照的に、図3Cは、所定の水平角度θを有さないが、代わりにロール210、212、216、218、220及び222の夫々の面309a、309b、317a、317b、327a、327b、335a、335b、345a、345b、353a及び353bがガラスリボン104の主要面348と349と十分に接触するように位置決めされた対のロール210、212、216、218、220及び222の平面図を描いている。
図3A乃至図3Bは、第1と第2の上流対の引取りロール210と212、第1と第2の中流対のロール216と218、及び第1と第2の下流対の引取りロール222の夫々の全ては、ガラスリボン104に関して垂直下方へ傾斜されたロールよりなる。任意の対の引取りロールの下方への傾き角度は、プロセス考察に従って、任意の他の対の引取りロールと異なっていても同じであってもよい。第1及び/又は第2の上流対の引取りロール210と212の下方への傾きは、2対の引取りロール210と212の間でガラスリボン104に望ましいレベルの十字引取り張力を提供できる。第1と第2の中流対の垂直下方に傾かされたロール216と218の下方への傾きは、2対の引取りロール216と218の間でガラスリボン104に望ましレベルの十字引取り張力を提供できる。同様に、第1及び/又は第2の下流対の引取りロール220と222の下方への傾きは、2対の引取りロール220と222の間でガラスリボン104に望ましいレベルの十字引取り張力220Cを提供できる。
幾つかの例では、制御デバイス208は、自動位置決め装置(図示せず)を起動するように構成されてもよく、又は手動機構がガラスリボン104を横切るように平均十字引取り張力220a、220b及び220cを制御する(調整する)ようにロール210、212、216、218、220及び222の下方傾き位置を調整するために使用されることができる。
更なる例において、引出ロール210、212、220及び222の対の内の少なくとも1つ以上は、ガラスリボン104に関して垂直下方へ傾斜されたロールの代わりに、水平レベルのロールであってもよい。例えば、図3Eと図3Fは、夫々、ガラスリボン104に関して水平レベルである対のロール210’、212’、216’、218’、220’及び222’を含む引出ロールデバイス114bの正面図と幾つかの平面図であり、そこでは、回転軸は、ガラスリボン104の引取り経路214に対して実質的に垂直に延在している。水平レベルロールとして引出ロールデバイス114bの対のロール210’、212’、216’、218’、220’及び222’の一つ以上の対を設けることは、十字張力が対のロール210’、212’、216’、218’220’及び222’に沿ってガラスリボン104の幅“W”を横切る必要がない場合、望ましい。実際に、水平ロール210’、212’、216’、218’220’及び222’は、それらが垂直に傾斜していない場合でも、なお小量の十字張力220a、220b及び220cを保証することが認識されるべきである。
特に、図3Eと図3Fは、第1の引出ロール部材350aと第2の引出ロール部材350bを夫々含む上流対の引取りロール210’と212’を含む第1のロール装置202’(この特定の用途では、粘性ゾーン302に配置される)を有する引出ロールデバイス114bを含む他の例のガラス製造装置100aを描いている。第1の引出ロール部材350aは、第1の上部シャンク354に結合される第1と第2の耐火ロール外被352aと352bを含むことができる。同様に、第2の引出ロール部材350bは、第2の上部シャンク357に結合された第1と第2の耐火ロール外被356aと356bを含むことができる。第1の耐火ロール外被352aと356aは、両者の間でガラスリボン104の第1の縁部104aと係合して引き取るように構成される。同様に、第2の耐火ロール外被352bと356bは、両者の間でガラスリボン104の第2の縁部104bと係合して引き取るように構成される。
第1と第2の引出ロール部材350aと350bの少なくとも一方は、夫々、モータ358aと358bを備える。例えば、図示のように、第1と第2の引出ロール部材350aと350bの両方は、夫々、モータ358aと358bを備える。モータ358aは、第1の上部シャンク354に結合された第1と第2の耐火ロール外被352aと352bと共に第1の上部シャンク354を回転できる。同様に、モータ358bは、第2の上部シャンク357に結合された第1と第2の耐火ロール外被356aと356bと共に第2の上部シャンク357を回転できる。更なる例では、第1と第2の引出ロール部材350a又は350bの一方のみがモータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2の引出ロール部材350aと350bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。
引出ロールデバイス114bは、更に、第1の上流対の引取りロール210’と212’から引取り経路214に沿って下流に位置する第1の引出ロール部材360aと第2の引出ロール部材360bを夫々含む中流対のロール216’と218’を含む第2のロール装置204’(この特定の用途では、硬化ゾーン304に配置される)を含む。第1の引出ロール部材360aは、第1の中流シャンク364に結合された第1と第2の耐火ロール外被362aと362bを含むことができる。同様に、第2の引出ロール部材360bは、第2の中流シャンク367に結合された第1と第2の耐火ロール外被366aと366bを含むことができる。第1の耐火ロール外被362aと366aは、両者の間でガラスリボン104の第1の縁部104aに少なくとも係合するように構成される。同様に、第2の耐火ロール外被362bと366bは、両者の間でガラスリボン104の第2の縁部104bに少なくとも係合するように構成される。
必要に応じて、第1と第2の引出ロール部材360aと360bの少なくとも一方は、夫々、モータ368aと368bを備えている。例えば、図示のように、第1と第2の引出ロール部材360aと360bの両方は、夫々、モータ368aと368bを備えている。モータ368aは、第1の中流シャンク364に結合された第1と第2の耐火ロール外被362aと362bと共に第1の中流シャンク364を回転できる。同様に、モータ368bは、第2の中流シャンク367に結合された第1と第2の耐火ロール外被366aと366bと共に第2の中流シャンク367を回転できる。更なる例では、第1と第2の引出ロール部材360aと360bの一方のみがモータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2の引出ロール部材360aと360bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。他の例では、第1と第2の引出ロール部材360a又は360bは、それらの部材を駆動する一つのモータや複数のモータを有さず、代わりに、下方へ移動するガラスリボン104に従って自由に回転する(空転する)。
引出ロールデバイス114bは、更に、中流対のロール216’と218’から引取り経路214に沿って下流に位置する第1の引出ロール部材370aと第2の引出ロール部材370bを夫々含む下流対の引取りロール220’と222’を含む第3のロール装置206’(この特定の用途では、弾性ゾーン306に配置される)を含む。第1の引出ロール部材370aは、第1の上部シャンク374に結合された第1と第2の耐火ロール外被372aと372bを含むことができる。同様に、第2の引出ロールデバイス370bは、第2の上部シャンク377に結合された第1と第2の耐火ロール外被376aと376bを含むことができる。第1の耐火ロール外被372aと376aは、両者の間でガラスリボン104の第1の縁部104aと係合するように構成される。同様に、第2の耐火ロール外被372bと376bは、両者の間でガラスリボン104の第2の縁部104bと係合するように構成される。
第1と第2の引出ロール部材370aと370bの少なくとも一方は、夫々、モータ378aと378bを備えることができる。例えば、図示のように、第1と第2の引出ロール部材370aと370bの両方は、夫々、モータ378aと378bを備えている。モータ378aは、第1の上部シャンク374に結合された第1と第2の耐火ロール外被372aと372bと共に第1の上部シャンク374を回転できる。同様に、モータ378bは、第2の上部シャンク377に結合された第1と第2の耐火ロール外被376aと376bと共に第2の上部シャンク377を回転できる。更なる例では、第1と第2の引出ロール部材370aと370bの一方のみがモータを備え、そこでは、他方の引出ロール部材は、第1と第2の引出ロール部材370aと370bの一方のみが駆動されるようにベアリングを備えることができる。
図3Eと図3Fに示されるように、ガラス製造装置100aは、更に、第1の上流対の引取りロール210’と212’の少なくとも一方が実質的に一定のトルクで回転し且つ第1の下流対の引取りロール220’と222’の少なくとも一方が実質的に一定の角速度で回転するように第1のロール装置202’と第3のロール装置206’を少なくとも独立して動作するように構成された制御デバイス208’(例えば、プログラマブル論理コントローラ208’、プロセッサ・メモリ208’)を含むことができる。更に、制御デバイス208’は、中流対のロール216’と218’の少なくとも一方が実質的に一定のトルクで又は実質的に一定の角速度で回転するように第2のロール装置204’を独立して動作するように構成されることができる。或いは、制御デバイス208’は、第1のロール装置202’と第3のロール装置206’の一方又は両方の動作パラメータによって、第2のロール装置204’を動作するように構成されることができる。更に他の代替として、制御デバイス208’は、駆動する1つのモータ又は複数のモータを有さないが、代わりに、ガラスリボン104により自由に回転する(又は空転する)ように構成される中流対のロール216’と218’の回転を監視するように構成されることができる。
上述のように、少なくとも第1のロール装置202’と第3のロール装置206’は、少なくとも1つのモータを含む。第2のロール装置204’は、少なくとも1つのモータを有していても有していなくてもよい。これらのモータは、夫々のロールを駆動するためのギアボックスを任意に備えることができるサーボモータよりなる。サーボモータが設けられる場合、サーボモータは、望ましい制御スキームを実施するために制御デバイス208’(例えば、プログラマブル論理コントローラ208’、プロセッサ・メモリ208’)によって次に使用されることができるトルク及び/又は角速度測定を行って制御デバイス208’に戻すために設けられることができる。或いは、制御デバイス208’は、夫々のモータの角速度及び/又はトルクを制御するために可変周波数ドライブのような他のタイプのモータコントローラと相互作用することができる。この例では、トルクセンサ及び/又は角速度センサが動作状態を検知し且つ制御デバイス208’の検知状態のフィードバックを行うために使用されることができる。
図4A乃至図4Cを参照すると、本開示の幾つかの例に従う形成デバイス102及び引出ロールデバイス114cと114dの概略図がある。図4Aに示されるように、引出ロールデバイス114cは、第1のロール装置202、第2のロール装置204、第3のロール装置206、及び制御デバイス208(例えば、プログラマブル論理コントローラ208、プロセッサ・メモリ208)を含む。実際、引出ロールデバイス114cは、この例において、第1のロール装置202と第2のロール装置204が両方とも硬化ゾーン304に配置され且つ第3のロール装置206が弾性ゾーン306に配置されることを除いて上述の引出ロールデバイス114aと同じ構造を有する。図示のように、第1のロール装置202は、ガラスリボン104の幅“W”に対して横切るように延在する引取り経路212に沿って形成デバイス102からガラスリボン104の第1の縁部104aと第2の縁部104bを夫々引き取るように構成される第1の上流対の引取りロール210と第2の上流対の引取りロール212を含む(注、引出ロール210と212は、垂直下方に傾斜されたロール210と212であり且つガラスリボン104に十字張力220aを印加するとして示されているが、これらのロールは、水平方向への配向を有してもよく、それらが水平方向への配向を有する場合、互いに接続されてもよい)。第2のロール装置204は、第1の上流対の引取りロール210と第2の上流対の引取りロール212から引取り経路214に沿って下流に夫々位置する第1の中流対のロール216と第2の中流対のロール218を含む(注、ロール216と218は、垂直下方に傾斜されたロール216と218であり且つガラスリボン104に十字張力220bを印加するとして示されているが、これらのロールは、水平方向への配向を有してもよく、それらが水平方向への配向を有する場合、互いに接続されてもよい)。第3のロール装置206は、第1の中流対のロール216と第2の中流対のロール218から引取り経路214に沿って下流に夫々位置する第1の下流対のロール222と第2の下流対のロール224を含む(注、引出ロール222と224は、垂直下方に傾斜されたロール222と224であり且つガラスリボン104に十字張力220cを印加するとして示されているが、これらの引出ロールは、水平方向への配向を有してもよく、それらが水平方向への配向を有する場合、互いに接続されてもよい)(第1のロール装置202、第2のロール装置204、及び第3のロール装置206に関連するコンポーネントについての更なる詳細は図3A乃至図3Cを参照)。制御デバイス208は、第1の上流対の引取りロール210の少なくとも一方が実質的に一定のトルクで回転し且つ第1の下流対の引取りロール222の少なくとも一方が実施的に一定の角速度で回転するように第1のロール装置202と第3のロール装置206を少なくとも独立して動作するように構成される。
図4Bと図4Cに示されるように、引出ロールデバイス114dは、第1のロール装置202’、第2のロール装置204’、第3のロール装置206’、及び制御デバイス208’(例えば、プログラマブル論理コントローラ208’、プロセッサ・メモリ208’)を含む。実際、引出ロールデバイス114dは、この例において、第1のロール装置202’と第2のロール装置204’が両方とも硬化ゾーン304に配置され且つ第3のロール装置206’が弾性ゾーン306に配置されることを除いて上述の引出ロールデバイス114bと同じ構造を有する。図示のように、第1のロール装置202’は、ガラスリボン104の一方の主要な側349に配置される第1の上流ロール210’(耐火ロール外被352aと352bを含む)とガラスリボン104の他方の主要な側348に配置される第2の上流ロール212’(耐火ロール外被356aと356bを含む)を含む。第2のロール装置204’は、ガラスリボン104の一方の主要な側349に配置される第1の中流ロール216’(耐火ロール外被362aと362bを含む)とガラスリボン104の他方の主要な側348に配置される第2の中流ロール218’(耐火ロール外被366aと366bを含む)を含む。第3のロール装置206’は、ガラスリボン104の一方の主要な側349に配置される第1の下流ロール220’(耐火ロール外被372aと372bを含む)とガラスリボン104の他方の主要な側348に配置される第2の下流ロール222’(耐火ロール外被376aと376bを含む)を含む(第1のロール装置202’、第2のロール装置204’、及び第3のロール装置206’に関連するコンポーネントについての更なる詳細は図3E及び図3Fを参照)。制御デバイス208’は、第1の上流ロール210’と第2の上流ロール212’の少なくとも一方が実質的に一定のトルクで回転し且つ第1の下流ロール220’と第2の下流ロール222’の少なくとも一方が実質的に一定の角速度で回転するように第1のロール装置202’と第3のロール装置206’を独立して動作するように少なくとも構成される。
ガラスリボン104を製造するための方法は、図3A乃至図3Dに描かれた引出ロールデバイス114aに関してここで記述され、同一のような類似の方法が図3Eと図3F及び図4A乃至図4Cに描かれた引出ロールデバイス114b、114c、及び114dでガラスリボン104を製造するために実行されること理解される。
図3A乃至図3Dを参照すると、本方法は、第1の上流対の引取りロール210を含む第1のロール装置202を提供する工程を含むことができる。他の一例では、第1の引出ロール装置202は、任意ではあるが、第2に上流対の引取りロール212を備えることができる。
本方法は、更に、第1の上流対の引取りロール210から引取り経路に沿って下流に位置する第1の中流対のロール216を含む第2のロール装置204を提供する工程を含む。更なる例では、第2のロール装置204は、任意ではあるが、第2に上流対の引取りロール212から引取り経路214に沿って下流に位置する第2の中流対のロール218を備えることができる。
本方法は、更に、第1の中流対のロール216から引取り経路214に沿って下流に位置する第1の下流対の引取りロール220を含む第3のロール装置206を提供する工程を含む。更なる例では、第3のロール装置206は、任意ではあるが、第2の中流対のロール218から引取り経路214に沿って下流に位置する第2の下流対の引取りロール222を備えることができる。
本方法は、更に、第1の縁部104aと第2の縁部104bとの間に延在する幅“W”を有するガラスリボン104を形成する工程を含む。第1のロール装置202は、例えば、第3のロール装置206からの入力無しで、制御デバイス208で独立して動作されることができる。例えば、第1のロール装置202は、第1の上流対の引取りロールの少なくとも一方のロールが実質的に一定のトルクで回転して引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第1の縁部104aを引き取るように独立して動作されることができる。一例では、第1のロール装置202は、第1の上流対の引取りロール210の両方のロールが実質的に一定のトルクで回転するように動作されることができる。
設けられる場合、第2の上流対の引取りロール212は、第2の上流対の引取りロール212の少なくとも一方のロールが実質的に一定のトルクで回転して引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第2の縁部104bを引き取るように独立して動作されることができる。一例では、第1のロール装置202は、第2の上流対の引取りロール212の両方のロールが実質的に一定のトルクで回転するように動作されることができる。更に、第1のロール装置202は、第1と第2の上流対の引取りロール210と212の両方が実質的に同じ一定のトルクで回転するように動作されることができる。従って、引取り経路214と同じ方向への望ましい下方への張力が根本136と第1のロール装置202との間でガラスリボン104に維持されることができる。
本方法は、更に、第1の中流対のロール216の少なくとも一方のロールが実質的に一定の角速度で又は実質的に一定のトルクで回転して引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第1の縁部104aを引き取るように第2のロール装置204を独立して動作することができる。一例では、本方法は、第1の中流対のロール216の両方のロールが実質的に一定の角速度で又は実質的に一定のトルクで回転するように第2のロール装置204を動作する工程を含むことができる。或いは、本方法は、第1のロール装置202と第3のロール装置206の一方又は両方の動作パラメータに従って第1の中流対のロール216を動作する。更に他の代替では、本方法は、第1の中流対のロール216を動作する必要がない又は必要ならば駆動する1つのモータ又は複数のモータを有さないが、代わりに、ガラスリボン104により自由に回転する(又は空転する)ように構成される第1の中流対のロール216の回転を監視するように構成されることができる。
設けられる場合、第2の中流対の引取りロール218は、第2の中流対のロール218の少なくとも一方のロールが実質的に一定の角速度で又は実質的に一定のトルクで回転して引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第2の縁部104bを更に引き取るように独立して動作されることができる。一般的に、最も下の組のロールを一定の角速度で及びその他のロールを一定のトルクで駆動することが望ましい。しかしながら、瞬間的な起動状態や回復状態では、他の構成を必要とする可能性がある。一例では、本方法は、第2の中流対の引取りロール218の両方のロールが実質的に一定の角速度で又は実質的に一定のトルクで回転するように第2の中流対のロール218を動作する工程を含むことができる。従って、引取り経路214と同じ方向への望ましい下方への張力は、第1のロール装置202と第2のロール装置204との間でガラスリボン104において維持されることができる。或いは、本方法は、第1のロール装置202と第3のロール装置206の一方又は両方の動作パラメータに従って第2の中流対のロール218を動作する。更に他の代替では、本方法は、第2の中流対のロール218を動作する必要がないか又は必要ならば、駆動する1つのモータ又は複数のモータを有さないがガラスリボン104に従って自由に回転する(空転する)ように構成される第2の中流対のロール218の回転を監視することができる。
本方法は、更に、第1の下流対の引取りロール220の少なくとも一方のロールが実質的に一定の角速度で回転して引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第1の縁部104aを更に引き取るように第3のロール装置206を独立して動作する。一例では、本方法は、第1の下流対の引取りロール220の両方のロールが実質的に一定の角速度で回転するように第3のロール装置206を動作する工程を含むことができる。
設けられる場合、第2の下流対の引取りロール222は、また、第2の下流対の引取りロール222の少なくとも一方のロールが実質的に一定の角速度で回転して引取り経路214に沿ってガラスリボン104の第2の縁部104bを更に引き取るように独立して動作されることができる。一例では、本方法は、第2の下流対の引取りロール222の両方のロールが実質的に一定の角速度で回転するように第2のロール装置206を動作する工程を含むことができる。更に、第2のロール装置206は、第1と第2の下流対の引取りロール220と222の両方が実質的に同じ角速度で回転するように動作されることができる。従って、引取り経路214と同じ方向への望ましい下方への張力が、第2のロール装置204(又は第1のロール装置202)と第3のロール装置206との間でガラスリボン104に維持されることができる。
本方法は、更に、第1の下流対の引取りロール220と設けられる場合第2の下流対の引取りロール222から引取り経路214に沿って下流の位置である時間にわたってガラスリボン104から複数のガラスシート140aと140b(例えば)を逐次分離する工程を含むことができる。例えば、図1に示されるように、分離デバイス116は、ガラスリボン104が形成デバイス102から引き取られるときに複数のガラスシート140aと140bを逐次分離するように周期的に起動されることができる。
図5A乃至図5Cを参照すると、例示の引出ロールデバイス114aを利用して形成デバイス102から下方へガラスリボンを引き取る実験結果を描く幾つかの図がある。これらの実験において、引出ロールデバイス114aは、第1のロール装置202が垂直下方へ傾斜された引出ロール210と212を駆動し、第2のロール装置204が垂直下方へ傾斜されたロール216と218を空回りし(駆動せず)、且つ第3のロール装置206が垂直下方へ傾斜された引出ロール220と222を駆動するように構成された。
図5Aに描かれているように、ある時の引出ロールデバイス114aは、非駆動垂直下方に傾斜されたロール216と218が19lbsのガラスリボン104に十字張力220bを提供するように第2のロール装置204が構成された配置であった場合の二つの異なる時でのガラスリボン104の湾曲の大きさを表すグラフがある(プロット“A”を参照)。そして、引出ロールデバイス114aは、非駆動垂直下方に傾斜されたロール216と218が3.5lbs(約1.586kg)のガラスリボン104に十字張力220bを提供するように第2のロール装置204が構成された第2の時の配置であった(プロット“B”を参照)。プロット“A”と“B”は、ガラスリボン104における湾曲の大きさ(単位はmm)を表すy軸を有し、x軸は、(単位mm)を表す。破線502は、第1のロール装置202の位置を表す。破線504は、第2のロール装置204の位置を表す。そして、破線506は、第2のロール装置206の位置を表す。湾曲の大きさの減少は、分離デバイス116がガラスリボン104を分離する時に引き起こされるガラスリボン104の動きがガラスリボン104の品質に悪影響を及ぼす硬化ゾーン304に伝搬しない又はあまり伝搬しないために、望ましい。基本的に、プロット“A”と“B”は、z方向におけるガラスリボン変位の外形プロットである。y方向は、アイソパイプの根本136から下方への距離である。x方向は、ゼロがアイソパイプの根本136の中心であるガラスリボン104の幅を横切る水平方向である。y軸は、重力に平行に配向される。z方向は、アイソパイプの根本136と重力によって画定される平面に対して垂直である。
図5Bに描かれているように、ある時の引出ロールデバイス114aが、非駆動垂直下方に傾斜されたロール216と218が19lbs(約8.607kg)のガラスリボン104に十字張力220bを提供するように第2のロール装置204が構成された配置であった場合の二つの異なる時でのガラスリボン104の面外のガラス位置(又は動き)を表すグラフがある(線508を参照)。そして、引出ロールデバイス114aは、非駆動垂直下方に傾斜されたロール216と218が3.5lbs(約1.586kg)のガラスリボン104に十字張力220bを提供するように第2のロール装置204が構成された第2の時の配置であった(線510を参照)。このグラフは、ガラスリボン104の中心線(0,67”)に沿うリボンの動き(mm)を表すy軸と時間(秒)を表すx軸を有する。このグラフでは、リボンの動きの大きさの増加は、ガラスリボン104の形状の変動の望ましくない増加になる。
図5Cに描かれているように、引出ロールデバイスの非駆動の垂直方向に傾斜されたロール216と218の下方への傾きの調節によって引き起こされる十字張力220bにおける増加でリボンの動きの減少(線512を参照)を示すグラフがある。線514において、y1軸の面外のリボン位置(単位:mm)は、x軸の硬化ゾーン304におけるリボンの中心線に基づいて時間(5分)に対してプロットされる。線516において、y2軸の面外のリボン位置の移動標準偏差(単位:mm)がx軸の時間(5分)に対してプロットされる。特に、軸は、16時間48分間カバーしており、y1の5分の移動平均位置とy2軸の5分の標準偏差がプロットされた。これらの実験結果は、特定のガラス組成が使用された一応用例からのものであるが、他のガラス組成に対しても同様であると思われる。
更に、引出ロールデバイス114、114a、114b、114c及び114dは、フュージョンプロセスを使用してガラスリボン104を製造するガラス製造システムに込み込まれるものとして上述されたことが認識されるべきである。引出ロールデバイス114、114a、114b、114c及び114dは、任意のタイプのガラス製造システム内に組み込まれて使用されることができることが理解されるべきである。例えば、引出ロールデバイス114、114a、114b、114c及び114dは、ヒュージョンドロー、スロットドロー、ダウンドロー及び連続ガラスシート形成及び分離プロセスを有する他のガラスシート形成方法との組み合わせで使用されることができる。従って、ここで記述された引出ロールデバイス114、114a、114b、114c及び114dは、制限的に解釈されるべきではない。
本発明の幾つかの実施形態が添付の図面に描かれ且つ前述の詳細な説明で記述されたが、本発明は、開示された実施形態に制限されず、以下の特許請求の範囲に述べられ且つ定義された発明から逸脱することなく、多くの、再構成、変更及び置き換えが可能であることが理解される。