JP5988946B2 - Cvtベルト組立装置及びcvtベルトの組立方法 - Google Patents

Cvtベルト組立装置及びcvtベルトの組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、CVTベルト組立装置及びCVTベルトの組立方法に関する。
従来、自動車等の動力伝達機構として、無段変速機(Continuously Variable Transmission、以下CVTという)が用いられている。CVTにおいては、厚さ方向に所定間隔をあけて配置される一対の金属リングと、これら一対の金属リングの間に配置され一対の金属リングを連結する複数の板状の金属エレメントと、により構成されるCVTベルトが用いられる。より具体的には、金属エレメントは、縦長の板状に形成されると共に、長手方向の一端側及び他端側にそれぞれ切り欠きが形成された形状を有する。そして、複数の金属エレメントそれぞれにおける一端側の切り欠きに一方の金属リングが挿入され、他端側の切り欠きに他方の金属リングが挿入されることで、CVTベルトは一体化される。
このようなCVTベルトを組み立てる場合には、まず、最終的に挿入すべき枚数よりも少ない所定枚数の金属エレメントを金属リングに挿入してCVTベルトの仮組を行う。次いで、仮組が行われたCVTベルトのクリアランスを測定し、測定されたクリアランスに基いて、更に挿入する金属エレメントの枚数(必要とされる金属エレメントの枚数)を決定する。次いで、CVTベルトのクリアランス部分に必要とされる枚数の金属エレメントを挿入する。これにより、CVTベルトは組み立てられる。
ところで、CVTベルトの組み立てにおいては、金属リングに挿入する金属エレメントの枚数は、金属リング及び金属エレメントの製造誤差等により、一定の枚数にはならない。そのため、適切な枚数の金属エレメントを挿入するために、クリアランスの測定には高い精度が要求され、また、クリアランス部分には、決定された枚数の金属エレメントを正確に挿入することが要求される。
このように、すべての製品に対して同一の条件で各工程を行うことができないため、CVTベルトの組み立ては、人手に頼る部分が多く、組み立て効率の向上が求められていた。
例えば、特許文献1には、仮組されたCVTベルトのクリアランスを測定する装置が提案されており、組み立て工程の一部を自動化することが可能となっている。
特開2007−292694号公報
しかしながら、クリアランスの測定を自動化できた場合であっても、このクリアランス部分に必要とされる枚数の金属エレメントを挿入する工程については、仮組された金属エレメントに干渉することなく金属エレメントを更に挿入することが困難であった。
従って、本発明は、精度よく組み立てられ、かつ組み立て効率を向上させられるCVTベルト組立装置及びCVTベルトの組立方法を提供することを目的とする。
本発明は、一対の金属リングと、一端側が一方の前記金属リングに挿入され他端側が他方の前記金属リングに挿入されて該一対の金属リングを連結する複数の金属エレメントと、を備えるCVTベルトを組み立てるCVTベルト組立装置であって、所定枚数の前記金属エレメントの一端側が一方の前記金属リングに挿入された状態において、前記金属エレメントの他端側に当接して該金属リングにおける前記金属エレメントが挿入されていないクリアランス部分を拡張及び保持するクリアランス拡張機構と、前記金属リングにおける前記クリアランス部分が直線状となるようにガイドするガイド機構と、前記金属エレメントの一端側をサポートするサポート機構と、前記クリアランス部分に必要枚数分の前記金属エレメントを挿入する挿入機構と、を備え、前記サポート機構は、前記ガイド機構により直線状とされた前記クリアランス部分の両端部近傍に位置する前記金属エレメントを前記クリアランス拡張機構側に移動させて前記金属エレメントの他端側における前記クリアランス部分の幅を拡張させ、前記挿入機構は、前記サポート機構により幅が拡張された前記クリアランス部分に前記金属エレメントを挿入するCVTベルト組立装置に関する。
この発明によれば、CVTベルト組立装置を、クリアランス拡張機構と、クリアランス部分が直線状になるように金属リングをガイドするガイド機構と、金属エレメントの他端側におけるクリアランス部分の幅を拡張させるサポート機構と、幅が拡張されたクリアランス部分に金属エレメントを挿入する挿入機構を含んで構成した。これにより、クリアランス部分を直線状にし、かつ金属エレメントの他端側のクリアランス部分の幅を拡張させた状態で、必要枚数分の金属エレメントを挿入できる。よって、クリアランス部分を直線状にした状態で金属エレメントを挿入できるので金属エレメントを挿入する精度を向上させられ、また、クリアランス部分を拡張させた状態で金属エレメントを挿入できるので、既に挿入されている金属エレメントに干渉することを防げる。その結果、CVTベルトを精度よく組み立てられ、かつ組み立て効率を向上させられる。
また、前記挿入機構により前記金属エレメントが挿入された後、前記サポート機構は、前記クリアランス拡張機構側に移動させた前記金属エレメントを元の位置に復帰させ、前記クリアランス拡張機構は、前記クリアランス部分の拡張及び保持を解除し、前記ガイド機構は、前記金属リングのガイドを解除することが好ましい。
この発明によれば、金属エレメントが挿入された後、サポート機構に、クリアランス拡張機構側に移動させた金属エレメントを元の位置に復帰させ、クリアランス拡張機構に、クリアランス部分の拡張及び保持を解除させ、ガイド機構に、金属リングのガイドを解除させた。これにより、クリアランス部分に金属エレメントが挿入された後に、サポート機構、クリアランス拡張機構及びガイド機構による規制を解除できるので、クリアランス部分に金属エレメントを挿入した後、速やかにCVTベルトを元の形状に復帰させられる。
また、CVTベルト組立装置は、前記挿入機構により必要枚数分の前記金属エレメントが挿入された前記金属リングを振動させる振動機構を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、CVTベルト組立装置を、クリアランス部分に金属エレメントが挿入された金属リングを振動させる振動機構を含んで構成した。これにより、クリアランス部分に金属エレメントが挿入された金属リングを振動させることで、金属リングに挿入された複数の金属エレメントを好適に整列させられる。よって、CVTベルトの組み立て精度をより向上させられる。
また、前記挿入機構は、複数の前記金属エレメントを重力方向に積層した状態で保持するエレメント保持機構と、前記エレメント保持機構に保持された前記金属エレメントを上部から所定枚数把持するエレメントクランプと、前記エレメントクランプを移動させるクランプ移動機構と、を備え、前記クランプ移動機構により前記エレメントクランプを前記クリアランス部分に移動させて必要枚数分の前記金属エレメントを挿入することが好ましい。
この発明によれば、挿入機構を、複数の金属エレメントを重力方向に積層した状態で保持するエレメント保持機構と、このエレメント保持機構に積層された金属エレメントを上部から把持するエレメントクランプと、このエレメントクランプを移動させるクランプ移動機構と、を含んで構成し、クランプ移動機構によりエレメントクランプを移動させてクリアランス部分に必要枚数分の金属エレメントを挿入させた。これにより、エレメント保持機構に金属エレメントを保持させつつ、このエレメント保持機構から必要枚数分の金属エレメントを把持してクリアランス部分に金属エレメントを挿入できる。よって、エレメント保持機構に金属エレメントを適宜補充することで、連続的に金属エレメントをクリアランス部分に挿入させられるので、CVTベルトの組み立て効率を更に向上させられる。
また、前記挿入機構は、前記ガイド機構による前記金属リングのガイドを解除する前に、前記クランプ移動機構により前記クリアランス部分に移動させた前記エレメントクランプを退避させることが好ましい。
この発明によれば、ガイド機構による金属リングのガイドを解除する前に、クランプ移動機構によりクリアランス部分に移動させたエレメントクランプを退避させた。これにより、直線状にガイドされた金属リングの形状が円弧状に復帰する前にエレメントクランプを退避させられる。
また、前記挿入機構は、前記エレメントクランプの下面を覆った状態と、該下面を覆わない状態との間で位置変更可能な落下防止機構を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、挿入機構を、エレメントクランプの下面を覆った状態と、該下面を覆わない状態との間で位置変更可能な落下防止機構を含んで構成した。これにより、金属エレメントを移動させる場合に落下防止機構によりエレメントクランプの下面を覆うことで、エレメントクランプの移動中に把持した金属エレメントが落下することを防げる。よって、CVT組み立て装置の精度をより向上させられる。
また、前記エレメント保持機構は、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成されることか好ましい。
この発明によれば、エレメント保持機構を、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成した。これにより、エレメント保持機構に保持された金属エレメントのうちの所定枚数をエレメントクランプにより把持した後にエレメント保持機構を回転させることで、エレメントクランプに把持されていない金属エレメントのみを回転させられる。よって、エレメントクランプに把持された金属エレメントと把持されていない金属エレメントとの間に落下防止機構を位置させやすくできる。
また、前記エレメント保持機構は、第1の厚さの前記金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、前記第1の厚さとは異なる第2の厚さの前記金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、前記第1エレメント保持機構又は前記第2エレメント保持機構を前記エレメントクランプの下方に位置させるスライド機構と、を備えることが好ましい。
この発明によれば、エレメント保持機構を、第1の厚さの金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、第2の厚さの金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、これら第1エレメント保持機構及び第2エレメント保持機構をスライドさせるスライド機構と、を含んで構成した。これにより、クリアランス部分の幅に応じて2種類の厚さの金属エレメントを適宜組み合わせて挿入できるので、クリアランス部分に好適な厚さで金属エレメントを挿入できる。
また、前記エレメントクランプは、第1の枚数の前記金属エレメントを把持可能な第1クランプ部と、第1クランプ部に対して上下方向にスライド可能に配置されると共に、前記第1の枚数を超える枚数の前記金属エレメントを把持する場合に前記第1クランプ部に対して上方にスライドして少なくとも該第1の枚数を超えた分の前記金属エレメントを把持する第2クランプ部と、前記第1クランプ部と前記第2クランプ部とを連結し、前記第2クランプ部が前記第1クランプ部の上方にスライドした場合に該第2クランプ部を下方に付勢する付勢部材と、を備えることが好ましい。
この発明によれば、エレメントクランプを、第1の枚数の金属エレメントを把持可能な第1クランプ部と、第1クランプ部に対して上下方向にスライド可能に配置される第2クランプ部と、第1クランプ部と第2クランプ部とを連結し第2クランプ部が第1クランプ部の上方にスライドした場合に第2クランプ部を下方に付勢する付勢部材と、を含んで構成した。これにより、第2クランプ部を上方にスライドさせることで、第1の枚数を超える枚数の金属エレメントを好適に把持させられる。また、付勢部材により第2クランプを下方に付勢することで、把持した金属エレメントを第2クランプの上面と落下防止機構との間で厚さ方向に挟み込めるので、エレメントクランプにより安定的に金属エレメントを把持できる。
また、CVTベルト組立装置は、前記クリアランス部分の幅を測定するクリアランス測定機構と、前記クリアランス測定機構により測定されたクリアランス部分の幅に基いて、必要とされる前記金属エレメントの枚数を決定する制御装置と、を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、CVTベルト組立装置を、クリアランス測定機構と、このクリアランス測定機構により測定されたクリアランス部分の幅に基いて、必要とされる金属エレメントの枚数を決定する制御装置と、を含んで構成した。これにより、クリアランス部分に挿入する金属エレメントの枚数を制御装置により決定できるので、CVTベルト組立装置によるCVTベルトの組立をより自動化できる。
また、本発明は、一対の金属リングと、一端側が一方の前記金属リングに挿入され他端側が他方の前記金属リングに挿入されて該一対の金属リングを連結する複数の金属エレメントと、を備えるCVTベルトを組み立てるCVTベルトの組立方法であって、所定枚数の前記金属エレメントの一端側が一方の前記金属リングに挿入された状態において、前記金属エレメントの他端側に当接して該金属リングにおける前記金属エレメントが挿入されていないクリアランス部分を拡張及び保持するクリアランス拡張工程と、前記金属リングにおける前記クリアランス部分が直線状となるようにガイドするガイド工程と、前記金属エレメントの一端側をサポートするサポート部材により、前記ガイド工程により直線状とされた前記クリアランス部分の両端部近傍に位置する前記金属エレメントを他端側に移動させて前記金属エレメントの他端側における前記クリアランス部分の幅を拡張させるサポート部材移動工程と、前記サポート部材移動工程により幅が拡張された前記クリアランス部分に前記金属エレメントを挿入する挿入工程と、を備えるCVTベルトの組立方法に関する。
この発明によれば、CVTベルトの組立方法を、クリアランス拡張工程と、クリアランス部分が直線状になるように金属リングをガイドするガイド工程と、金属エレメントの他端側におけるクリアランス部分の幅を拡張させるサポート部材移動工程と、幅が拡張されたクリアランス部分に金属エレメントを挿入する挿入工程を含んで構成した。これにより、クリアランス部分を直線状にし、かつ金属エレメントの他端側のクリアランス部分の幅を拡張させた状態で、必要枚数分の金属エレメントを挿入できる。よって、クリアランス部分を直線状にした状態で金属エレメントを挿入できるので金属エレメントを挿入する精度を向上させられ、また、クリアランス部分を拡張させた状態で金属エレメントを挿入できるので、既に挿入されている金属エレメントに干渉することを防げる。その結果、CVTベルトを精度よく組み立てられ、かつ組み立て効率を向上させられる。
また、前記挿入工程は、複数の前記金属エレメントが重力方向に積層された状態で保持されるエレメント保持機構からエレメントクランプにより前記金属エレメントを所定枚数把持する工程と、前記金属エレメントを把持した前記エレメントクランプを前記クリアランス部分に挿入する工程と、を備えると共に、CVTベルトの組立方法は、前記挿入工程の後に設けられ、前記クリアランス拡張機構側に移動させた前記金属エレメントを元の位置に復帰させるサポート部材復帰工程と、前記クリアランス部分の拡張及び保持を解除する拡張解除工程と、前記金属リングのガイドを解除するガイド解除工程と、を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、挿入工程を、エレメントクランプにより金属エレメントを所定枚数把持する工程と、金属エレメントを把持したエレメントクランプをクリアランス部分に挿入する工程と、を含んで構成し、CVTベルトの組立方法を、挿入工程の後に設けられるサポート部材復帰工程、拡張解除工程、及びガイド解除工程を含んで構成した。これにより、クリアランス部分への金属エレメントの挿入を自動化できると共に、挿入工程後には、金属リング及び金属エレメントに加えられていた規制を速やかに解除できる。よって、挿入工程後に速やかにCVTベルトを元の形状に復帰させられるので、CVTベルトの組み立て効率をより向上させられる。
また、CVTベルトの組立方法は、前記ガイド解除工程の前に設けられ、前記クリアランス部分に挿入された前記エレメントクランプを退避させる工程を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、CVTベルトの組立方法を、ガイド解除工程の前に設けられクリアランス部分に挿入されたエレメントクランプを退避させる工程を含んで構成した。これにより、直線状にガイドされた金属リングの形状が円弧状に復帰する前にエレメントクランプを退避させられる。
また、CVTベルトの組立方法は、前記ガイド解除工程の後に設けられ、前記挿入工程により必要枚数分の前記金属エレメントが挿入された前記金属リングを振動させる振動工程を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、CVTベルトの組立方法を、ガイド解除工程の後に設けられ挿入工程により必要枚数分の金属エレメントが挿入された金属リングを振動させる振動工程を含んで構成した。これにより、クリアランス部分に金属エレメントが挿入された金属リングを振動させることで、金属リングに挿入された複数の金属エレメントを好適に整列させられる。よって、CVTベルトの組み立て精度をより向上させられる。
また、前記エレメント保持機構は、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成され、前記挿入工程は、前記エレメントクランプにより前記金属エレメントが所定枚数把持された後に前記エレメント保持機構を所定角度回転させる工程と、前記エレメント保持機構を所定角度回転させた後に前記エレメントクランプの下面を覆う落下防止機構を作動させる工程と、を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、エレメント保持機構を鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成し、挿入工程を、エレメントクランプにより金属エレメントが把持された後にエレメント保持機構を所定角度回転させる工程と、エレメント保持機構を所定角度回転させた後にエレメントクランプの下面を覆う落下防止機構を作動させる工程と、を含んで構成した。これにより、エレメント保持機構に保持された金属エレメントのうちの所定枚数をエレメントクランプにより把持した後にエレメント保持機構を回転させることで、エレメントクランプに把持されていない金属エレメントのみを回転させられる。よって、エレメントクランプに把持された金属エレメントと把持されていない金属エレメントとの間に落下防止機構を位置させやすくできるので、落下防止機構を好適に動作させられる。
また、前記エレメント保持機構は、第1の厚さの前記金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、前記第1の厚さとは異なる第2の厚さの前記金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、を備え、前記挿入工程において、前記エレメントクランプは、前記第1エレメント保持機構から所定枚数の前記金属エレメントを把持した後に、前記第2エレメント保持機構から所定枚数の前記金属エレメントを把持することが好ましい。
この発明によれば、エレメント保持機構を、第1の厚さの金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、第2の厚さの金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、を含んで構成し、挿入工程において、エレメントクランプに、第1エレメント保持機構から所定枚数の金属エレメントを把持させた後に、第2エレメント保持機構から所定枚数の金属エレメントを把持させた。これにより、エレメントクランプに、クリアランス部分の幅に応じて2種類の厚さの金属エレメントを適宜組み合わせて把持させられるので、クリアランス部分により好適な厚さで金属エレメントを挿入できる。
本発明によれば、クリアランス部分を直線状にした状態で金属エレメントを挿入できるので金属エレメントを挿入する精度を向上させられ、また、クリアランス部分を拡張させた状態で金属エレメントを挿入できるので、既に挿入されている金属エレメントに干渉することを防げる。よって、CVTベルトを精度よく組み立てられ、かつ組み立て効率を向上させられる。
本発明のCVTベルト組立装置及びCVTベルトの組立方法により組み立てられるCVTベルトを示す斜視図である。 CVTベルトの一部分を拡大して示す図である。 CVT組立装置のクリアランス測定機構を模式的に示した図であり、クリアランス測定部が後退位置に位置した状態を示す図である。 CVT組立装置のクリアランス測定機構を模式的に示した図であり、クリアランス測定部が前進位置に位置した状態を示す図である。 CVT組立装置の把持挿入機構を示した図である。 把持挿入機構の部分拡大図であり、第1エレメント保持機構をエレメントクランプの下方に位置させた状態を示す図である。 図6に示す状態から、可動ベースを上昇させて所定枚数の第1の厚さの金属エレメントをエレメントクランプに把持させた状態を示す図である。 図7に示す状態から、第1エレメント保持機構を90度回転させた状態を示す図である。 図8に示す状態から、落下防止機構を支持位置に移動させると共に、エレメントクランプを上昇させた状態を示す図である。 図9に示す状態から、スライド機構により第2エレメント保持機構をエレメントクランプの下方に位置させ、その後、エレメントクランプを下降させた状態を示す図である。 図10に示す状態から、落下防止機構を非支持位置に移動させた状態を示す図である。 図11に示す状態から、第2エレメント保持機構を90度回転させた状態を示す。 図12に示す状態から、可動ベースを上昇させて所定枚数の第2の金属エレメントをエレメントクランプに把持させた状態を示す図である。 図13に示す状態から、第2エレメント保持機構を90度回転させた状態を示す。 図14に示す状態から、落下防止機構を支持位置に移動させ、エレメントクランプを上昇させた状態を示す図である。 図15に示す状態から、水平アームを軸J2を回転中心として90度回転させた状態を示す図である。 図16に示す状態から、水平アームを軸J1を回転中心として180度回転させた状態を示す。 クリアランス拡張機構及びガイド機構を模式的に示した図であり、クリアランス拡張機構が規制位置に位置し、かつ、ガイド機構により金属リングがガイドされていない状態を示す図である。 クリアランス拡張機構及びガイド機構を模式的に示した図であり、クリアランス拡張機構が規制位置に位置し、かつ、ガイド機構により金属リングがガイドされた状態を示す図である。 クリアランス拡張機構、ガイド機構及びサポート機構を模式的に示した図であり、サポート機構が水平位置に位置している状態を示す図である。 図20に示す状態から、サポート機構を傾斜位置に移動させた状態を示す図である。 図21に示す状態から、エレメントクランプをクリアランス部分に降下させている状態を示す図である。 図22に示す状態から、エレメントクランプを更に降下させ、金属エレメントを金属リングに挿入した状態を示す図である。 図23に示す状態から、サポート機構を水平位置に移動させた状態を示す図である。 図24に示す状態から、クリアランス拡張機構を非規制位置に移動させた状態を示す図である。 図25に示す状態から、エレメントクランプによる金属エレメントの把持を解除させた状態を示す図である。 図26に示す状態から、エレメントクランプを上方に移動させた状態を示す図である。
以下、本発明のCVTベルト組立装置及びCVTベルトの組立方法の好ましい一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のCVTベルト組立装置1は、自動車等の動力伝達機構として用いられる無段変速機(Continuously Variable Transmission、以下CVTという)に使用されるCVTベルト100を組み立てるために用いられる。
まず初めに、CVTベルト100の構造について説明する。
CVTベルト100は、図1及び図2に示すように、一対の金属リング101,102と、これら一対の金属リング101,102を連結する複数の金属エレメント110と、を備える。
一対の金属リング101,102は、それぞれ、複数枚の金属板が積層されて構成されると共に、この積層された金属板が無端状に接合されて構成される。
金属エレメント110は、金属板が縦長状に打ち抜かれて形成される。この金属エレメント110は、図2に示すように、ボディ部111と、ヘッド部112と、これらボディ部111とヘッド部112とをつなぐネック部113と、を備える。
ボディ部111は、略矩形状に形成され金属エレメント110の幅方向の一方の側部に配置される。ヘッド部112は、略三角形状に形成され金属エレメント110の幅方向の他方の側部に配置される。ネック部113は、ボディ部111及びヘッド部112よりも幅狭に形成され、金属エレメント110の長手方向の中央部においてボディ部111とヘッド部112とをつなぐ。これにより、金属エレメント110には、ボディ部111とヘッド部112との間に、長手方向に切り欠かれた一対の切り欠き114が形成される。
また、ヘッド部112の一方の面における中央部には、凸状のノーズ部115が形成される。そして、ヘッド部112の他方の面におけるノーズ部115に対応する位置には、ノーズ部115と略同形状に凹んだ凹部116が形成される。
以上のCVTベルト100は、複数の金属エレメント110それぞれにおける一端側の切り欠き114に一方の金属リング101が挿入され、他端側の切り欠き114に他方の金属リング102が挿入されて一体化される。より具体的には、複数の金属エレメント110は、図1に示すように、ヘッド部112が外側を向くように並べられた状態で、一対の金属リング101,102を連結する。また、一対の金属リング101,102の間には、ほぼ隙間なく複数の金属エレメント110が挿入される。
本実施形態のCVTベルト組立装置1は、図3〜図5に示すように、エレメント仮組機構(図示せず)と、クリアランス測定機構10と、挿入機構としての把持挿入機構20と、クリアランス拡張機構30と、ガイド機構40と、サポート機構50と、振動機構(図示せず)と、これらの各機構の動作を制御する制御装置60と、を備える。
エレメント仮組機構では、一対の金属リング101,102のうちの一方の金属リング101に所定枚数の金属エレメント110が挿入される。このエレメント仮組機構は、金属リング101が載置される載置部(図示せず)と、この載置部に載置された金属リング101に所定枚数の金属エレメント110を挿入するエレメントフィーダ(図示せず)と、を備える。これにより、載置部に載置された金属リング101に金属エレメント110の一端側(下端側)の切り欠き114が挿入される(図3参照)。このエレメント仮組機構において挿入される金属エレメント110の枚数は、最終的に挿入すべき枚数よりも少ない枚数とされる。
クリアランス測定機構10では、エレメント仮組機構において所定枚数の金属エレメントが仮組された金属リング101のクリアランスが測定される。このクリアランス測定機構10は、図3及び図4に示すように、一対のエレメント規制爪11と、クリアランス測定部12と、を備える。
一対のエレメント規制爪11は、金属リング101に仮組された金属エレメント110の他端側(上端側)に配置される。そして、一対のエレメント規制爪11は、金属エレメント110の上端側に接触して金属エレメントが倒れるのを規制する規制位置と、金属エレメント110に接触しない非規制位置との間で位置変更可能に構成される。この一対のエレメント規制爪11は、規制位置に位置する場合、所定の隣り合う2つの金属エレメント110(クリアランスが形成された部分の両端に位置する2つの金属エレメント110)の間に配置される。また、一対のエレメント規制爪11は、金属リング101の周方向に移動可能に構成される。
クリアランス測定部12は、測定部本体121と、この測定部本体121に取り付けられた一対の測定針122と、を備える。測定部本体121は、金属リング101の内側に配置される。一対の測定針122は、測定部本体121から金属リング101に挿入された金属エレメント110側に突出するように配置される。
クリアランス測定部12は、一対の測定針122が隣り合う2つの金属エレメント110の間に挿入される前進位置(図4参照)と、一対の測定針122が金属エレメント110よりも内側に位置する後退位置(図3参照)との間で位置変更可能に構成される。また、一対の測定針122は、これら一対の測定針122が近接した状態から互いに離間する方向に移動可能に構成される。
以上のクリアランス測定機構10は、以下のように動作する。
まず、一対のエレメント規制爪11が規制位置に移動され、クリアランスが形成された部分の両端に位置する2つの金属エレメント110の間に配置される。これにより、両端に位置する2つの金属エレメント110が倒れることが規制される。次いで、クリアランス測定部12が前進位置に前進させられ、その後、一対の測定針122が、2つの金属エレメント110に接触するまで離間される。そして、一対の測定針122が金属エレメント110に接触した状態における一対の測定針122間の距離がクリアランスの幅として測定される。
次に、把持挿入機構20について説明する。
把持挿入機構20では、クリアランス測定機構10において測定されたクリアランスに基いて決定された枚数の金属エレメント110が把持され、把持された金属エレメント110が金属リング101のクリアランス部分に挿入される。
クリアランス部分に挿入する金属エレメント110の枚数は、制御装置60により決定される。本実施形態では、制御装置60は、クリアランスの長さと、必要とされる金属エレメントの枚数と、を対応付けたテーブルを記憶している。そして、制御装置60は、クリアランス測定機構10において測定されたクリアランスに対応付けて記憶された金属エレメント110の枚数を、必要とされる金属エレメント110の枚数として決定する。
より詳細には、本実施形態では、クリアランス部分をより適切に埋めるべく、第1の厚さの金属エレメント110と、第1の厚さとは異なる第2の厚さの金属エレメント110の2種類の金属エレメント110を使用している。そのため、制御装置60は、クリアランスの長さと、必要とされる第1の厚さの金属エレメント110の枚数及び第2の厚さの金属エレメント110の枚数と、を対応付けたテーブルを記憶している。そして、制御装置60は、クリアランス測定機構10において測定されたクリアランスの長さに基いて、第1の厚さの金属エレメント110の枚数及び第2の厚さの金属エレメント110の枚数をそれぞれ決定する。
把持挿入機構20は、図5に示すように、エレメント保持機構21と、エレメントクランプ22と、落下防止機構29と、クランプ移動機構23と、を備える。
エレメント保持機構21は、回転テーブル24と、この回転テーブル24の上面に配置される一組のエレメントユニット25R,25Lと、を備える。
回転テーブル24は、床面に配置される。
エレメントユニット25R,25Lは、回転テーブル24の回転中心を対称点として点対称に配置される。エレメントユニット25R,25Lは、同一の構成を有するため、以下、エレメントユニット25として構成を説明する。
エレメントユニット25は、第1エレメント保持機構26と、第2エレメント保持機構27と、これら第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27をスライドさせるスライド機構28と、を備える。
第1エレメント保持機構26は、第1の厚さの金属エレメント110を複数枚重力方向に積層した状態で保持する。この第1エレメント保持機構26は、後述のスライド機構28の上部に配置される。第1エレメント保持機構26は、固定ベース261と、この固定ベースから上方に延びる支持柱262と、この支持柱262に連結される可動ベース263と、固定ベース261の上方に延びるように配置される一対のエレメント整列板264と、を備える。
固定ベース261は、後述のスライド機構28に設置される。支持柱262は、下端部が固定ベース261に連結され、鉛直方向上方に延びる。
可動ベース263は、円板状に形成される。可動ベース263の上面には、複数枚の金属エレメント110が積層される。この可動ベース263には、支持柱262が挿通される貫通穴265と、一対のスリット266と、が形成される(図5及び図6参照)。
貫通穴265は、可動ベース263における金属エレメント110が配置されない位置に形成される。この貫通穴265には、支持柱262が挿入される。可動ベース263の貫通穴265に支持柱262を挿入することで、可動ベース263は支持柱262に上下方向にスライド可能に連結される。
一対のスリット266は、可動ベース263に配置された金属エレメント110の一対の切り欠き114に重なる位置に形成される。
一対のエレメント整列板264は、可動ベース263の一対のスリット266に対応する位置に配置され、一対のスリット266を貫通する。一対のエレメント整列板264の下端部は、固定ベース261に連結される。即ち、一対のエレメント整列板264は、可動ベース263の移動に伴って上下方向には移動しない。
以上の第1エレメント保持機構26によれば、可動ベース263の上面に積層された複数の金属エレメント110は、一対のエレメント整列板264が金属エレメント110における一対の切り欠き114に挿入されることで、位置決めされる。また、この第1エレメント保持機構26は、鉛直方向に延びる軸を回転中心として回転可能に構成される。第1エレメント保持機構26の動作については後述する。
第2エレメント保持機構27は、第2の厚さの金属エレメント110を複数枚重力方向に積層した状態で保持する。この第2エレメント保持機構27は、第1エレメント保持機構26から所定の距離離間した位置に配置される。第2エレメント保持機構27の構成は、第1エレメント保持機構26の構成と同一であるため、説明を省略する。
スライド機構28は、回転テーブル24の上面に配置されるレール281と、このレールに案内されて移動可能なスライドテーブル282と、を備える。上述の第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27は、スライドテーブル282の上面に配置される。
以上のスライド機構28によれば、スライドテーブル282をスライドさせることで、第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27をレール281の延びる方向にスライドさせられる。
次に、エレメントクランプ22及び落下防止機構29について説明する。
エレメントクランプ22は、図5及び図6に示すように、エレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26又は第2エレメント保持機構27)に保持された金属エレメント110を上部から所定枚数把持する。本実施形態では、エレメントクランプ22は、金属エレメント110の長手方向に沿う両側面(ボディ部111の側面及びヘッド部112の側面)を把持する。このエレメントクランプ22は、第1クランプ部221と、第2クランプ部222と、第3クランプ部225と、付勢部材223と、を備える。
第1クランプ部221は、第1の枚数以下の金属エレメント110を把持可能に構成される。本実施形態では、第1クランプ部221は、第1の枚数の金属エレメント110の厚さに対応する高さの把持面を有する部材により構成され、金属エレメント110の長手方向の両端側の側面を把持する位置に配置される。
第2クランプ部222は、第1クランプ部221と同じ高さの把持面を有する部材により構成され、金属エレメント110の長手方向の中央部の側面を把持する位置に配置される。この第2クランプ部222は、第1クランプ部221に対して上下方向にスライド可能に配置される。また、第2クランプ部222の上端部には、金属エレメント110の上面に接触するように突出した突出部224が形成される。
第3クランプ部225は、金属エレメント110の一対の切り欠き114のうちの他方の切り欠き114(図6に示す下側の切り欠き)に対応する位置に配置される。第3クランプ部225は、切り欠き114に挿入可能な板状に形成される。また、第3クランプ部225の高さは、第1クランプ部221及び第2クランプ部222の高さよりも高く構成される。
付勢部材223は、第1クランプ部221と第2クランプ部222とを連結する。この付勢部材223は、外力を加えない自然状態において、第1クランプ部221の高さと第2クランプ部222の高さとが一致するように第1クランプ部221と第2クランプ部222とを連結する。そして、付勢部材223は、第2クランプ部222が第1クランプ部221の上方にスライドした場合に第2クランプ部222を下方に付勢する。本実施形態では、付勢部材223は、コイルばねにより構成される。
落下防止機構29は、エレメントクランプ22の下面を覆った支持位置(図9参照)と、下面を覆わない非支持位置(図6参照)との間で位置変更可能に構成される。本実施形態では、落下防止機構29は、エレメントクランプ22の側方に配置され上下方向に延びる板状部材291と、この板状部材291の下端部からエレメントクランプ22側に延びる一対の支持部材292と、を備える。
一対の支持部材292は、エレメントクランプ22に把持された金属エレメント110の長手方向の両端部近傍の下面を支持する位置に配置される。
以上の落下防止機構29によれば、板状部材291をエレメントクランプ22の側面から離間する側に移動させることで、一対の支持部材292を非支持位置に位置させられる。また、板状部材291をエレメントクランプ22の側面に近づく側に移動させることで、一対の支持部材292を支持位置に位置させられる。
また、以上のエレメントクランプ22によれば、把持する金属エレメント110が第1の枚数以下の場合には、第1クランプ部221、第2クランプ部222及び第3クランプ部225により金属エレメント110は把持される(図7参照)。一方、把持する金属エレメント110が第1の枚数を超えた場合には、最も上部に保持された金属エレメント110が第2クランプ部222の突出部224に接触することで、第2クランプ部222は、付勢部材223の付勢力に抗して第1クランプ部221に対して上方にスライドする(図13参照)。これにより、エレメントクランプ22によって第1の枚数を超える枚数の金属エレメント110を把持することが可能となる。この場合、把持される金属エレメント110のうちの第1の枚数を超えた部分については、第2クランプ部222及び第3クランプ部225により把持されることとなる。
次に、クランプ移動機構23について説明する。クランプ移動機構23は、エレメントクランプ22を、金属エレメント110を把持する位置と、把持した金属エレメント110を金属リング101のクリアランス部分に挿入する位置との間で位置変更させる。このクランプ移動機構23は、図5に示すように、鉛直方向に延びる本体部231と、この本体部231の上部から略水平方向に延びると共に先端側にそれぞれエレメントクランプ22及び落下防止機構29が取り付けられる一対の水平アーム232と、を備える。
本体部231は、この本体部231の軸J1を回転中心として回転可能に構成される。また、一対の水平アーム232は、水平アーム232の軸J2を回転中心として回転可能に構成される。更に、一対の水平アーム232は、水平状態を保ったまま上下方向に移動可能に本体部231に連結される。
以上の把持挿入機構20は、以下のように動作する。
まず、制御装置60において決定された枚数の第1の厚さの金属エレメント110及び第2の厚さの金属エレメント110が、エレメントクランプ22により把持される。
ここでは、初めに、図5に示すように、スライド機構28により、複数の第1の厚さの金属エレメント110が積層された第1エレメント保持機構26がエレメントクランプ22の下方に移動され、その後、エレメントクランプ22は下方に移動される。次いで、図6及び図7に示すように、可動ベース263が、エレメントクランプ22に把持させる第1の厚さの金属エレメント110の枚数に対応する高さ上昇された後、エレメントクランプ22により所定枚数の第1の厚さの金属エレメント110が把持される。
本実施形態では、金属エレメント110が積層される可動ベース263を上昇させてエレメントクランプ22に金属エレメント110を把持させている。これにより、エレメントクランプ22を、金属エレメント110を把持するために上下方向に移動させる機構を含むことなく構成できるので、エレメントクランプ22を軽量化できる。よって、エレメントクランプ22を移動させるクランプ移動機構23にかかる負荷を軽減できる。
次いで、図8に示すように、第1エレメント保持機構26が鉛直方向に延びる軸を回転中心として90度回転される。本実施形態では、第1エレメント保持機構26は、積層された金属エレメント110のノーズ部115の位置を回転軸J3として回転される。これにより、エレメントクランプ22により把持されていない金属エレメント110は、90度回転される。その結果、エレメントクランプ22の下面側における把持された金属エレメント110の長手方向の両端部に対応する部分には、落下防止機構29の一対の支持部材292が挿入可能な空間が形成される。
次いで、図9に示すように、落下防止機構29がエレメントクランプ22側に移動されて一対の支持部材292が支持位置に移動された後、エレメントクランプ22が上昇される。
次いで、スライド機構28により、複数の第2の厚さの金属エレメント110が積層された第2エレメント保持機構27がエレメントクランプ22の下方に移動された後、エレメントクランプ22が下降される(図10参照)。この状態では、第2エレメント保持機構27に保持された金属エレメント110の向きは、エレメントクランプ22に把持された金属エレメント110の向きと90度ずれた状態となっている。次いで、図11に示すように、落下防止機構29がエレメントクランプ22から離間する側に移動されて、一対の支持部材292が非支持位置に移動される。
次いで、図12に示すように、第2エレメント保持機構27が90度回転されて、第2エレメント保持機構27に保持された金属エレメント110の向きとエレメントクランプ22に把持された金属エレメント110の向きとが一致される。
次いで、図12及び図13に示すように、可動ベース273が、エレメントクランプ22に把持させる第2の厚さの金属エレメント110の枚数に対応する高さ上昇される。ここで、エレメントクランプ22に把持される金属エレメント110が第1クランプ部221で把持できる第1の枚数を超えた場合には、最も上部に保持された金属エレメント110が第2クランプ部222の突出部224に接触することで、第2クランプ部222は、付勢部材223の付勢力に抗して第1クランプ部221に対して上方にスライドする。これにより、エレメントクランプ22によって第1の枚数を超える枚数の金属エレメント110を把持することが可能となる。この場合、把持される金属エレメント110のうちの第1の枚数を超えた部分については、第2クランプ部222及び第3クランプ部225により把持されることとなる。
次いで、図14に示すように、第2エレメント保持機構27が鉛直方向に延びる軸を回転中心として90度回転された後、落下防止機構29がエレメントクランプ22側に移動されて一対の支持部材292が支持位置に移動される。これにより、必要とされる枚数の金属エレメント110がエレメントクランプ22により把持され、また、落下防止機構29により、把持された金属エレメント110の落下が防止される。
次いで、エレメントクランプ22により把持された金属エレメント110がクランプ移動機構23により金属リング101が配置されている場所に移動される。
ここでは、まず、図14及び図15に示すように、落下防止機構29が支持位置に移動された後、エレメントクランプ22が上方に移動される。次いで、図15及び図16に示すように、水平アーム232が軸J2を回転軸として90度回転され、金属エレメント110は、一方の切り欠き114が下方を向くように姿勢が変更される。
次いで、図16及び図17に示すように、軸J1を回転軸として水平アーム232が180度回転され、金属エレメント110が把持されたエレメントクランプ22が金属リング101が配置された場所に移動される。
次いで、エレメントクランプ22により把持された金属エレメント110が金属リング101のクリアランス部分に挿入される。金属エレメント110をクリアランス部分に挿入する工程の詳細については、クリアランス拡張機構30、ガイド機構40、及びサポート機構50の説明の後に説明する。
本実施形態では、把持挿入機構20は、一対の水平アーム232と、これら一対の水平アーム232それぞれの先端側に取り付けたエレメントクランプ22と、を含んで構成している。これにより、一方のエレメントクランプ22により金属エレメント110を把持している間に、他方のエレメントクランプ22により把持しておいた金属エレメント110を金属リング101に挿入させられる。よって、金属エレメント110を把持し、金属リング101に挿入する工程を効率化できる。
また、本実施形態では、エレメント保持機構21を、回転テーブル24と、この回転テーブル24の上面に配置される一組のエレメントユニット25R,25Lと、を含んで構成している。これにより、一方のエレメントユニット25Rに保持された金属エレメント110の枚数が少なくなった場合には、回転テーブル24を回転させて他方のエレメントユニット25Lから金属エレメント110を供給できるので、金属エレメント110の把持挿入機構20を連続的に稼動させられる。
次に、クリアランス拡張機構30及びガイド機構40について説明する。クリアランス拡張機構30では、金属エレメント110が仮組された金属リング101のクリアランス部分が拡張及び保持される。このクリアランス拡張機構30は、図18に示すように、一対のエレメント規制爪31と、この一対のエレメント規制爪31の位置を移動させる規制爪移動機構(図示せず)と、を備える。
一対のエレメント規制爪31は、金属リング101に仮組された金属エレメント110の他端側(上端側)に配置される。そして、一対のエレメント規制爪31は、規制爪移動機構により、金属エレメント110の上端側に接触して金属エレメントが倒れるのを規制する規制位置(図18参照)と、金属エレメント110に接触しない非規制位置(図25参照)との間で位置変更される。この一対のエレメント規制爪31は、規制位置に位置する場合、所定の隣り合う2つの金属エレメント110(クリアランスが形成された部分の両端に位置する2つの金属エレメント110)の間に配置される。また、一対のエレメント規制爪31は、規制爪移動機構により、金属リング101の周方向に移動可能とされる。これにより、クリアランス部分が拡張された状態が保持される。
尚、クリアランス拡張機構30は、上述のクリアランス測定機構10を構成する一対のエレメント規制爪11を用いて構成してもよい。
ガイド機構40は、図18及び図19に示すように、金属リング101におけるクリアランス部分が直線状となるように金属リング101をガイドする。このガイド機構40は、一対の内側ガイド部材41と、一対の外側ガイド部材42と、これら内側ガイド部材41及び外側ガイド部材42を移動させるガイド部材移動機構(図示せず)と、を備える。
一対の内側ガイド部材41は、金属リング101の内側におけるクリアランス部分の周方向の内側に対応する位置にそれぞれ配置される。内側ガイド部材41は、エレメント規制爪31の動作に干渉しない高さに構成される。
一対の外側ガイド部材42は、金属リング101の外側におけるクリアランス部分の周方向の外側に対応する位置にそれぞれ配置される。
ガイド部材移動機構は、内側ガイド部材41と外側ガイド部材42とが近接する方向又は離間する方向にこれら内側ガイド部材41及び外側ガイド部材42を移動させる。
以上のガイド機構40によれば、図19に示すように、内側ガイド部材41と外側ガイド部材42とが近接する方向に移動されることで、これら内側ガイド部材41と外側ガイド部材42とにより金属エレメント110が仮組された金属リング101におけるクリアランス部分の周方向の外側の部分が挟み込まれて、クリアランス部分が直線状に変形される。また、図18に示すように、内側ガイド部材41と外側ガイド部材42とが離間する方向に移動されることで、クリアランス部分が元の形状に復帰される。
サポート機構50は、金属リング101に仮組された金属エレメント110の一端側(下端側)をサポートする。このサポート機構50は、金属リング101の下方に配置される。サポート機構50は、一対のサポート部材51と、一対のサポート部材51の位置を移動させるサポート部材移動機構(図示せず)と、を備える。
サポート部材51は、ガイド機構40により直線状とされた状態のクリアランス部分の両端部近傍に配置される複数枚(例えば5枚程度)の金属エレメント110の下部に配置され、これら複数枚の金属エレメント110の下端部を支持する。
サポート部材移動機構は、サポート部材51における金属エレメント110を支持する支持面511が略水平となった水平位置(図20参照)と、この支持面511がクリアランス部分側に向かって上り傾斜した傾斜位置(図21参照)との間で位置変更される。
以上のサポート機構50によれば、図20及び図21に示すように、サポート部材51が水平位置に位置された状態から、サポート部材51のクリアランス部分側の端部の位置が上昇されて傾斜位置に位置されることにより、サポート部材51に押し上げられた金属エレメント110がクリアランス拡張機構30側に移動される。これにより、クリアランス部分の両端部近傍に配置される金属エレメント110の上端側が周方向の外側に傾き、金属エレメント110の他端側(上端側)の幅が拡張される。
また、サポート部材51を傾斜位置から水平位置に復帰させることで、上端側が外側に傾いた金属エレメント110は元の姿勢に復帰する。
本実施形態では、上述のクリアランス拡張機構30、ガイド機構40及びサポート機構50は、以下のように動作して、把持挿入機構20(エレメントクランプ22)により把持された複数枚の金属エレメント110がクリアランス部分に挿入される。
まず、図18及び図19に示すように、一対のエレメント規制爪31が規制位置に位置されてクリアランス部分が拡張及び保持された状態において、一対の内側ガイド部材41及び一対の外側ガイド部材42が近接する方向に移動されて、金属リング101におけるクリアランス部分が直線状に変形される(クリアランス拡張工程及びガイド工程)。
次いで、図20及び図21に示すように、サポート部材51が水平位置に位置された状態から傾斜位置に位置されることにより、サポート部材51に押し上げられた金属エレメント110の上端側が周方向の外側に傾き、金属エレメント110の他端側(上端側)の幅が拡張される(サポート部材移動工程)。
次いで、図22及び図23に示すように、他端側(上端側)の幅が拡張されたクリアランス部分に、複数枚の金属エレメント110が把持されたエレメントクランプ22が降下され、複数枚の金属エレメント110が挿入される(挿入工程)。ここで、クリアランス部分は、クリアランス拡張機構30により好適に保持され、また、ガイド機構40により直線状とされ、更に、サポート機構50により上端側の幅が拡張されている。これにより、エレメントクランプ22により把持された複数枚の金属エレメント110を、仮組された金属エレメント110に干渉させることなく精度よく挿入できる。
次いで、図23及び図24に示すように、サポート部材51が傾斜位置から水平位置に復帰され、上端側が外側に傾いた金属エレメント110は元の姿勢に復帰する(サポート部材復帰工程)。これと同時に、クリアランス拡張機構30も周方向の内側に移動する。
次いで、図24及び図25に示すように、一対のエレメント規制爪31が非規制位置に移動された後、エレメントクランプ22による金属エレメント110の把持が解除される(拡張解除工程)。
次いで、図26及び図27に示すように、エレメントクランプ22が上昇されて退避され、その後、一対の内側ガイド部材41及び一対の外側ガイド部材42が離間する方向に移動されて、金属リング101におけるクリアランス部分が元の形状に復帰される(ガイド解除工程)。
次に、振動機構について説明する。振動機構は、クリアランス部分に金属エレメント110が挿入された金属リング101を振動させる。この振動機構は、例えば、金属リング101が設置された設置台(図示せず)を振動させることで、金属リング101を振動させる。これにより、金属リング101に挿入された複数枚の金属エレメント110が好適に整列される(振動工程)。
即ち、金属エレメント110は、凸状のノーズ部115と、凹状の凹部116とを有しており、ノーズ部115が隣り合って配置された金属エレメント110の凹部116に入り込むことで複数の金属エレメント110は整列する。しかしながら、上述の工程を経て金属リング101に挿入された複数の金属エレメント110では、ノーズ部115が凹部116に入り込まない場合が生じる。そこで、振動機構により金属リング101を振動させることで、複数の金属エレメント110に振動を与え、ノーズ部115を凹部116に入り込ませ、複数の金属エレメント110を整列させられる。
以上説明した本実施形態のCVTベルト組立装置1及びCVTベルトの組立方法によれば、以下のような効果を奏する。
(1)CVTベルト組立装置1を、クリアランス拡張機構30と、クリアランス部分が直線状になるように金属リング101をガイドするガイド機構40と、金属エレメント110の他端側(上端側)におけるクリアランス部分の幅を拡張させるサポート機構50と、幅が拡張されたクリアランス部分に金属エレメント110を挿入する把持挿入機構20を含んで構成した。これにより、クリアランス部分を直線状にし、かつ金属エレメント110の上端側のクリアランス部分の幅を拡張させた状態で、必要枚数分の金属エレメント110を挿入できる。よって、クリアランス部分を直線状にした状態で金属エレメント110を挿入できるので金属エレメント110を挿入する精度を向上させられ、また、クリアランス部分を拡張させた状態で金属エレメント110を挿入できるので、既に挿入されている金属エレメント110に干渉することを防げる。その結果、CVTベルト100を精度よく組み立てられ、かつ組み立て効率を向上させられる。
(2)金属エレメント110が挿入された後、サポート機構50に、クリアランス拡張機構30側に移動させた金属エレメント110を元の位置に復帰させ、クリアランス拡張機構30に、クリアランス部分の拡張及び保持を解除させ、ガイド機構40に、金属リング101のガイドを解除させた。これにより、クリアランス部分に金属エレメント110が挿入された後に、サポート機構50、クリアランス拡張機構30及びガイド機構40による規制を解除できるので、クリアランス部分に金属エレメント110を挿入した後、速やかにCVTベルト100を元の形状に復帰させられる。
(3)CVTベルト組立装置1を、クリアランス部分に金属エレメント110が挿入された金属リング101を振動させる振動機構を含んで構成した。これにより、クリアランス部分に金属エレメント110が挿入された金属リング101を振動させることで、金属リング101に挿入された複数の金属エレメント110を好適に整列させられる。よって、CVTベルト100の組み立て精度をより向上させられる。
(4)把持挿入機構20を、複数の金属エレメント110を重力方向に積層した状態で保持するエレメント保持機構21と、このエレメント保持機構21に積層された金属エレメント110を上部から把持するエレメントクランプ22と、このエレメントクランプ22を移動させるクランプ移動機構23と、を含んで構成し、クランプ移動機構23によりエレメントクランプ22を移動させてクリアランス部分に必要枚数分の金属エレメント110を挿入させた。これにより、エレメント保持機構21に金属エレメント110を保持させつつ、このエレメント保持機構21から必要枚数分の金属エレメント110を把持してクリアランス部分に金属エレメント110を挿入できる。よって、エレメント保持機構21に金属エレメントを適宜補充することで、連続的に金属エレメント110をクリアランス部分に挿入させられるので、CVTベルト100の組み立て効率を更に向上させられる。
(5)ガイド機構40による金属リング101のガイドを解除する前に、クランプ移動機構23によりクリアランス部分に移動させたエレメントクランプ22を退避させた。これにより、直線状にガイドされた金属リング101の形状が円弧状に復帰する前にエレメントクランプ22を退避させられる。
(6)把持挿入機構20を、エレメントクランプ22の下面を覆った状態と、該下面を覆わない状態との間で位置変更可能な落下防止機構29を含んで構成した。これにより、金属エレメント110を移動させる場合に落下防止機構29によりエレメントクランプ22の下面を覆うことで、エレメントクランプ22の移動中に把持した金属エレメント110が落下することを防げる。よって、CVT組み立て装置1の精度をより向上させられる。
(7)エレメント保持機構21を、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成した。これにより、エレメント保持機構21に保持された金属エレメント110のうちの所定枚数をエレメントクランプ22により把持した後にエレメント保持機構21を回転させることで、エレメントクランプ22に把持されていない金属エレメント110のみを回転させられる。よって、エレメントクランプ22に把持された金属エレメント110と把持されていない金属エレメント110との間に落下防止機構29を位置させやすくできる。
(8)エレメント保持機構21を、第1の厚さの金属エレメント110を保持する第1エレメント保持機構26と、第2の厚さの金属エレメント110を保持する第2エレメント保持機構27と、これら第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27をスライドさせるスライド機構28と、を含んで構成した。これにより、クリアランス部分の幅に応じて2種類の厚さの金属エレメント110を適宜組み合わせて挿入できるので、クリアランス部分に好適な厚さで金属エレメント110を挿入できる。
(9)エレメントクランプ22を、第1の枚数の金属エレメント110を把持可能な第1クランプ部221と、第1クランプ部221に対して上下方向にスライド可能に配置される第2クランプ部222と、第1クランプ部221と第2クランプ部222とを連結し第2クランプ部222が第1クランプ部221の上方にスライドした場合に第2クランプ部222を下方に付勢する付勢部材223と、を含んで構成した。これにより、第2クランプ部222を上方にスライドさせることで、第1の枚数を超える枚数の金属エレメント110を好適に把持させられる。また、付勢部材223により第2クランプ部222を下方に付勢することで、把持した金属エレメント110を第2クランプ部222の上面と落下防止機構29との間で厚さ方向に挟み込めるので、エレメントクランプ22により安定的に金属エレメント110を把持できる。
(10)CVTベルト組立装置1を、クリアランス測定機構10と、このクリアランス測定機構10により測定されたクリアランス部分の幅に基いて、必要とされる金属エレメント110の枚数を決定する制御装置60と、を含んで構成した。これにより、クリアランス部分に挿入する金属エレメント110の枚数を制御装置60により決定できるので、CVTベルト組立装置1によるCVTベルトの組立をより自動化できる。
(11)CVTベルト100の組立方法を、クリアランス拡張工程と、クリアランス部分が直線状になるように金属リング101をガイドするガイド工程と、金属エレメント110の他端側(上端側)におけるクリアランス部分の幅を拡張させるサポート部材移動工程と、幅が拡張されたクリアランス部分に金属エレメント110を挿入する挿入工程を含んで構成した。これにより、クリアランス部分を直線状にし、かつ金属エレメント110の上端側のクリアランス部分の幅を拡張させた状態で、必要枚数分の金属エレメント110を挿入できる。よって、クリアランス部分を直線状にした状態で金属エレメント110を挿入できるので金属エレメント110を挿入する精度を向上させられ、また、クリアランス部分を拡張させた状態で金属エレメント110を挿入できるので、既に挿入されている金属エレメント110に干渉することを防げる。その結果、CVTベルト100を精度よく組み立てられ、かつ組み立て効率を向上させられる。
(12)挿入工程を、エレメントクランプ22により金属エレメント110を所定枚数把持する工程と、金属エレメント110を把持したエレメントクランプ22をクリアランス部分に挿入する工程と、を含んで構成し、CVTベルト100の組立方法を、挿入工程の後に設けられるサポート部材復帰工程、拡張解除工程、及びガイド解除工程を含んで構成した。これにより、クリアランス部分への金属エレメント110の挿入を自動化できると共に、挿入工程後には、金属リング101及び金属エレメント110に加えられていた規制を速やかに解除できる。よって、挿入工程後に速やかにCVTベルト100を元の形状に復帰させられるので、CVTベルト100の組み立て効率をより向上させられる。
(13)CVTベルト100の組立方法を、ガイド解除工程の前に設けられクリアランス部分に挿入されたエレメントクランプ22を退避させる工程を含んで構成した。これにより、直線状にガイドされた金属リング101の形状が円弧状に復帰する前にエレメントクランプ22を退避させられる。
(14)CVTベルト100の組立方法を、ガイド解除工程の後に設けられ挿入工程により必要枚数分の金属エレメント110が挿入された金属リング101を振動させる振動工程を含んで構成した。これにより、クリアランス部分に金属エレメント110が挿入された金属リング101を振動させることで、金属リング101に挿入された複数の金属エレメント110を好適に整列させられる。よって、CVTベルト100の組み立て精度をより向上させられる。
(15)エレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27)を鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成し、挿入工程を、エレメントクランプ22により金属エレメント110が把持された後にエレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27)を所定角度回転させる工程と、エレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27)を所定角度回転させた後にエレメントクランプ22の下面を覆う落下防止機構29を作動させる工程と、を含んで構成した。これにより、エレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27)に保持された金属エレメント110のうちの所定枚数をエレメントクランプ22により把持した後にエレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27)を回転させることで、エレメントクランプ22に把持されていない金属エレメント110のみを回転させられる。よって、エレメントクランプ22に把持された金属エレメント110と把持されていない金属エレメント110との間に落下防止機構29を位置させやすくできるので、落下防止機構29を好適に動作させられる。
(16)エレメント保持機構21を、第1の厚さの金属エレメント110を保持する第1エレメント保持機構26と、第2の厚さの金属エレメント110を保持する第2エレメント保持機構27と、を含んで構成し、挿入工程において、エレメントクランプ22に、第1エレメント保持機構26から所定枚数の金属エレメント110を把持させた後に、第2エレメント保持機構27から所定枚数の金属エレメント110を把持させた。これにより、エレメントクランプ22に、クリアランス部分の幅に応じて2種類の厚さの金属エレメント110を適宜組み合わせて把持させられるので、クリアランス部分により好適な厚さで金属エレメント110を挿入できる。
以上、本発明のCVTベルト組立装置1及びCVTベルトの組立方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、クリアランス部分に挿入する金属エレメント110として、2種類の厚さの金属エレメント110を用いたが、これに限らない。即ち、クリアランス部分に挿入する金属エレメントとして一種類の厚さの金属エレメントを用いてもよく、また、3種類以上の厚さの金属エレメントを用いてもよい。
また、本実施形態では、エレメントクランプ22により金属エレメント110を把持させる場合に、エレメント保持機構(第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27)を上下させて把持させる枚数を調整したが、これに限らない。即ち、エレメントクランプを上下方向に移動させて把持させる金属エレメントの枚数を調整してもよい。
1 CVTベルト組立装置
10 クリアランス測定機構
20 把持挿入機構(挿入機構)
21 エレメント保持機構
22 エレメントクランプ
23 クランプ移動機構
26 第1エレメント保持機構
27 第2エレメント保持機構
28 スライド機構
29 落下防止機構
30 クリアランス拡張機構
40 ガイド機構
60 制御装置
50 サポート機構
100 CVTベルト
101,102 金属リング
110 金属エレメント
221 第1クランプ部
222 第2クランプ部
223 付勢部材

Claims (16)

  1. 一対の金属リングと、一端側が一方の前記金属リングに挿入され他端側が他方の前記金属リングに挿入されて該一対の金属リングを連結する複数の金属エレメントと、を備えるCVTベルトを組み立てるCVTベルト組立装置であって、
    所定枚数の前記金属エレメントの一端側が一方の前記金属リングに挿入された状態において、前記金属エレメントの他端側に当接して該金属リングにおける前記金属エレメントが挿入されていないクリアランス部分を拡張及び保持するクリアランス拡張機構と、
    前記金属リングにおける前記クリアランス部分が直線状となるようにガイドするガイド機構と、
    前記金属エレメントの一端側をサポートするサポート機構と、
    前記クリアランス部分に必要枚数分の前記金属エレメントを挿入する挿入機構と、を備え、
    前記サポート機構は、前記ガイド機構により直線状とされた前記クリアランス部分の両端部近傍に位置する前記金属エレメントを前記クリアランス拡張機構側に移動させて前記金属エレメントの他端側における前記クリアランス部分の幅を拡張させ、
    前記挿入機構は、前記サポート機構により幅が拡張された前記クリアランス部分に前記金属エレメントを挿入するCVTベルト組立装置。
  2. 前記挿入機構により前記金属エレメントが挿入された後、
    前記サポート機構は、前記クリアランス拡張機構側に移動させた前記金属エレメントを元の位置に復帰させ、
    前記クリアランス拡張機構は、前記クリアランス部分の拡張及び保持を解除し、
    前記ガイド機構は、前記金属リングのガイドを解除する請求項1に記載のCVTベルト組立装置。
  3. 前記挿入機構により必要枚数分の前記金属エレメントが挿入された前記金属リングを振動させる振動機構を更に備える請求項2に記載のCVTベルト組立装置。
  4. 前記挿入機構は、
    複数の前記金属エレメントを重力方向に積層した状態で保持するエレメント保持機構と、
    前記エレメント保持機構に保持された前記金属エレメントを上部から所定枚数把持するエレメントクランプと、
    前記エレメントクランプを移動させるクランプ移動機構と、を備え、
    前記クランプ移動機構により前記エレメントクランプを前記クリアランス部分に移動させて必要枚数分の前記金属エレメントを挿入する請求項1〜3のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。
  5. 前記挿入機構は、前記ガイド機構による前記金属リングのガイドを解除する前に、前記クランプ移動機構により前記クリアランス部分に移動させた前記エレメントクランプを退避させる請求項4に記載のCVTベルト組立装置。
  6. 前記挿入機構は、前記エレメントクランプの下面を覆った支持位置と、該下面を覆わない非支持位置との間で位置変更可能な落下防止機構を更に備える請求項4又は5に記載のCVTベルト組立装置。
  7. 前記エレメント保持機構は、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成される請求項4〜6のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。
  8. 前記エレメント保持機構は、
    第1の厚さの前記金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、
    前記第1の厚さとは異なる第2の厚さの前記金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、
    前記第1エレメント保持機構又は前記第2エレメント保持機構を前記エレメントクランプの下方に位置させるスライド機構と、を備える請求項4〜7のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。
  9. 前記エレメントクランプは、
    第1の枚数の前記金属エレメントを把持可能な第1クランプ部と、
    第1クランプ部に対して上下方向にスライド可能に配置されると共に、前記第1の枚数を超える枚数の前記金属エレメントを把持する場合に前記第1クランプ部に対して上方にスライドして少なくとも該第1の枚数を超えた分の前記金属エレメントを把持する第2クランプ部と、
    前記第1クランプ部と前記第2クランプ部とを連結し、前記第2クランプ部が前記第1クランプ部の上方にスライドした場合に該第2クランプ部を下方に付勢する付勢部材と、を備える請求項4〜8のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。
  10. 前記クリアランス部分の幅を測定するクリアランス測定機構と、
    前記クリアランス測定機構により測定されたクリアランス部分の幅に基いて、必要とされる前記金属エレメントの枚数を決定する制御部と、を更に備える請求項1〜9のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。
  11. 一対の金属リングと、一端側が一方の前記金属リングに挿入され他端側が他方の前記金属リングに挿入されて該一対の金属リングを連結する複数の金属エレメントと、を備えるCVTベルトを組み立てるCVTベルトの組立方法であって、
    所定枚数の前記金属エレメントの一端側が一方の前記金属リングに挿入された状態において、前記金属エレメントの他端側に当接して該金属リングにおける前記金属エレメントが挿入されていないクリアランス部分を拡張及び保持するクリアランス拡張工程と、
    前記金属リングにおける前記クリアランス部分が直線状となるようにガイドするガイド工程と、
    前記金属エレメントの一端側をサポートするサポート部材により、前記ガイド工程により直線状とされた前記クリアランス部分の両端部近傍に位置する前記金属エレメントを他端側に移動させて前記金属エレメントの他端側における前記クリアランス部分の幅を拡張させるサポート部材移動工程と、
    前記サポート部材移動工程により幅が拡張された前記クリアランス部分に前記金属エレメントを挿入する挿入工程と、を備えるCVTベルトの組立方法。
  12. 前記挿入工程は、
    複数の前記金属エレメントが重力方向に積層された状態で保持されるエレメント保持機構からエレメントクランプにより前記金属エレメントを所定枚数把持する工程と、
    前記金属エレメントを把持した前記エレメントクランプを前記クリアランス部分に挿入する工程と、を備えると共に、
    前記挿入工程の後に設けられ、前記他端側に移動させた前記金属エレメントを元の位置に復帰させるサポート部材復帰工程と、
    前記クリアランス部分の拡張及び保持を解除する拡張解除工程と、
    前記金属リングのガイドを解除するガイド解除工程と、を更に備える請求項11に記載のCVTベルトの組立方法。
  13. 前記ガイド解除工程の前に設けられ、前記クリアランス部分に挿入された前記エレメントクランプを退避させる工程を更に備える請求項12に記載のCVTベルトの組立方法。
  14. 前記ガイド解除工程の後に設けられ、前記挿入工程により必要枚数分の前記金属エレメントが挿入された前記金属リングを振動させる振動工程を更に備える請求項12又は13に記載のCVTベルトの組立方法。
  15. 前記エレメント保持機構は、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成され、
    前記挿入工程は、前記エレメントクランプにより前記金属エレメントが所定枚数把持された後に前記エレメント保持機構を所定角度回転させる工程と、
    前記エレメント保持機構を所定角度回転させた後に前記エレメントクランプの下面を覆う落下防止機構を作動させる工程と、を更に備える請求項12〜14のいずれかに記載のCVTベルトの組立方法。
  16. 前記エレメント保持機構は、
    第1の厚さの前記金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、
    前記第1の厚さとは異なる第2の厚さの前記金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、を備え、
    前記挿入工程において、前記エレメントクランプは、前記第1エレメント保持機構から所定枚数の前記金属エレメントを把持した後に、前記第2エレメント保持機構から所定枚数の前記金属エレメントを把持する請求項12〜15のいずれかに記載のCVTベルトの組立方法。
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