JP5988946B2 - Cvtベルト組立装置及びcvtベルトの組立方法 - Google Patents
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Description
このように、すべての製品に対して同一の条件で各工程を行うことができないため、CVTベルトの組み立ては、人手に頼る部分が多く、組み立て効率の向上が求められていた。
例えば、特許文献1には、仮組されたCVTベルトのクリアランスを測定する装置が提案されており、組み立て工程の一部を自動化することが可能となっている。
本実施形態のCVTベルト組立装置1は、自動車等の動力伝達機構として用いられる無段変速機(Continuously Variable Transmission、以下CVTという)に使用されるCVTベルト100を組み立てるために用いられる。
CVTベルト100は、図1及び図2に示すように、一対の金属リング101,102と、これら一対の金属リング101,102を連結する複数の金属エレメント110と、を備える。
一対の金属リング101,102は、それぞれ、複数枚の金属板が積層されて構成されると共に、この積層された金属板が無端状に接合されて構成される。
金属エレメント110は、金属板が縦長状に打ち抜かれて形成される。この金属エレメント110は、図2に示すように、ボディ部111と、ヘッド部112と、これらボディ部111とヘッド部112とをつなぐネック部113と、を備える。
また、ヘッド部112の一方の面における中央部には、凸状のノーズ部115が形成される。そして、ヘッド部112の他方の面におけるノーズ部115に対応する位置には、ノーズ部115と略同形状に凹んだ凹部116が形成される。
クリアランス測定部12は、一対の測定針122が隣り合う2つの金属エレメント110の間に挿入される前進位置(図4参照)と、一対の測定針122が金属エレメント110よりも内側に位置する後退位置(図3参照)との間で位置変更可能に構成される。また、一対の測定針122は、これら一対の測定針122が近接した状態から互いに離間する方向に移動可能に構成される。
まず、一対のエレメント規制爪11が規制位置に移動され、クリアランスが形成された部分の両端に位置する2つの金属エレメント110の間に配置される。これにより、両端に位置する2つの金属エレメント110が倒れることが規制される。次いで、クリアランス測定部12が前進位置に前進させられ、その後、一対の測定針122が、2つの金属エレメント110に接触するまで離間される。そして、一対の測定針122が金属エレメント110に接触した状態における一対の測定針122間の距離がクリアランスの幅として測定される。
把持挿入機構20では、クリアランス測定機構10において測定されたクリアランスに基いて決定された枚数の金属エレメント110が把持され、把持された金属エレメント110が金属リング101のクリアランス部分に挿入される。
エレメント保持機構21は、回転テーブル24と、この回転テーブル24の上面に配置される一組のエレメントユニット25R,25Lと、を備える。
エレメントユニット25R,25Lは、回転テーブル24の回転中心を対称点として点対称に配置される。エレメントユニット25R,25Lは、同一の構成を有するため、以下、エレメントユニット25として構成を説明する。
可動ベース263は、円板状に形成される。可動ベース263の上面には、複数枚の金属エレメント110が積層される。この可動ベース263には、支持柱262が挿通される貫通穴265と、一対のスリット266と、が形成される(図5及び図6参照)。
一対のスリット266は、可動ベース263に配置された金属エレメント110の一対の切り欠き114に重なる位置に形成される。
以上のスライド機構28によれば、スライドテーブル282をスライドさせることで、第1エレメント保持機構26及び第2エレメント保持機構27をレール281の延びる方向にスライドさせられる。
エレメントクランプ22は、図5及び図6に示すように、エレメント保持機構21(第1エレメント保持機構26又は第2エレメント保持機構27)に保持された金属エレメント110を上部から所定枚数把持する。本実施形態では、エレメントクランプ22は、金属エレメント110の長手方向に沿う両側面(ボディ部111の側面及びヘッド部112の側面)を把持する。このエレメントクランプ22は、第1クランプ部221と、第2クランプ部222と、第3クランプ部225と、付勢部材223と、を備える。
第3クランプ部225は、金属エレメント110の一対の切り欠き114のうちの他方の切り欠き114(図6に示す下側の切り欠き)に対応する位置に配置される。第3クランプ部225は、切り欠き114に挿入可能な板状に形成される。また、第3クランプ部225の高さは、第1クランプ部221及び第2クランプ部222の高さよりも高く構成される。
一対の支持部材292は、エレメントクランプ22に把持された金属エレメント110の長手方向の両端部近傍の下面を支持する位置に配置される。
本体部231は、この本体部231の軸J1を回転中心として回転可能に構成される。また、一対の水平アーム232は、水平アーム232の軸J2を回転中心として回転可能に構成される。更に、一対の水平アーム232は、水平状態を保ったまま上下方向に移動可能に本体部231に連結される。
まず、制御装置60において決定された枚数の第1の厚さの金属エレメント110及び第2の厚さの金属エレメント110が、エレメントクランプ22により把持される。
ここでは、初めに、図5に示すように、スライド機構28により、複数の第1の厚さの金属エレメント110が積層された第1エレメント保持機構26がエレメントクランプ22の下方に移動され、その後、エレメントクランプ22は下方に移動される。次いで、図6及び図7に示すように、可動ベース263が、エレメントクランプ22に把持させる第1の厚さの金属エレメント110の枚数に対応する高さ上昇された後、エレメントクランプ22により所定枚数の第1の厚さの金属エレメント110が把持される。
本実施形態では、金属エレメント110が積層される可動ベース263を上昇させてエレメントクランプ22に金属エレメント110を把持させている。これにより、エレメントクランプ22を、金属エレメント110を把持するために上下方向に移動させる機構を含むことなく構成できるので、エレメントクランプ22を軽量化できる。よって、エレメントクランプ22を移動させるクランプ移動機構23にかかる負荷を軽減できる。
次いで、スライド機構28により、複数の第2の厚さの金属エレメント110が積層された第2エレメント保持機構27がエレメントクランプ22の下方に移動された後、エレメントクランプ22が下降される(図10参照)。この状態では、第2エレメント保持機構27に保持された金属エレメント110の向きは、エレメントクランプ22に把持された金属エレメント110の向きと90度ずれた状態となっている。次いで、図11に示すように、落下防止機構29がエレメントクランプ22から離間する側に移動されて、一対の支持部材292が非支持位置に移動される。
次いで、図12及び図13に示すように、可動ベース273が、エレメントクランプ22に把持させる第2の厚さの金属エレメント110の枚数に対応する高さ上昇される。ここで、エレメントクランプ22に把持される金属エレメント110が第1クランプ部221で把持できる第1の枚数を超えた場合には、最も上部に保持された金属エレメント110が第2クランプ部222の突出部224に接触することで、第2クランプ部222は、付勢部材223の付勢力に抗して第1クランプ部221に対して上方にスライドする。これにより、エレメントクランプ22によって第1の枚数を超える枚数の金属エレメント110を把持することが可能となる。この場合、把持される金属エレメント110のうちの第1の枚数を超えた部分については、第2クランプ部222及び第3クランプ部225により把持されることとなる。
ここでは、まず、図14及び図15に示すように、落下防止機構29が支持位置に移動された後、エレメントクランプ22が上方に移動される。次いで、図15及び図16に示すように、水平アーム232が軸J2を回転軸として90度回転され、金属エレメント110は、一方の切り欠き114が下方を向くように姿勢が変更される。
また、本実施形態では、エレメント保持機構21を、回転テーブル24と、この回転テーブル24の上面に配置される一組のエレメントユニット25R,25Lと、を含んで構成している。これにより、一方のエレメントユニット25Rに保持された金属エレメント110の枚数が少なくなった場合には、回転テーブル24を回転させて他方のエレメントユニット25Lから金属エレメント110を供給できるので、金属エレメント110の把持挿入機構20を連続的に稼動させられる。
一対の外側ガイド部材42は、金属リング101の外側におけるクリアランス部分の周方向の外側に対応する位置にそれぞれ配置される。
ガイド部材移動機構は、内側ガイド部材41と外側ガイド部材42とが近接する方向又は離間する方向にこれら内側ガイド部材41及び外側ガイド部材42を移動させる。
サポート部材51は、ガイド機構40により直線状とされた状態のクリアランス部分の両端部近傍に配置される複数枚(例えば5枚程度)の金属エレメント110の下部に配置され、これら複数枚の金属エレメント110の下端部を支持する。
また、サポート部材51を傾斜位置から水平位置に復帰させることで、上端側が外側に傾いた金属エレメント110は元の姿勢に復帰する。
次いで、図24及び図25に示すように、一対のエレメント規制爪31が非規制位置に移動された後、エレメントクランプ22による金属エレメント110の把持が解除される(拡張解除工程)。
次いで、図26及び図27に示すように、エレメントクランプ22が上昇されて退避され、その後、一対の内側ガイド部材41及び一対の外側ガイド部材42が離間する方向に移動されて、金属リング101におけるクリアランス部分が元の形状に復帰される(ガイド解除工程)。
10 クリアランス測定機構
20 把持挿入機構(挿入機構)
21 エレメント保持機構
22 エレメントクランプ
23 クランプ移動機構
26 第1エレメント保持機構
27 第2エレメント保持機構
28 スライド機構
29 落下防止機構
30 クリアランス拡張機構
40 ガイド機構
60 制御装置
50 サポート機構
100 CVTベルト
101,102 金属リング
110 金属エレメント
221 第1クランプ部
222 第2クランプ部
223 付勢部材
Claims (16)
- 一対の金属リングと、一端側が一方の前記金属リングに挿入され他端側が他方の前記金属リングに挿入されて該一対の金属リングを連結する複数の金属エレメントと、を備えるCVTベルトを組み立てるCVTベルト組立装置であって、
所定枚数の前記金属エレメントの一端側が一方の前記金属リングに挿入された状態において、前記金属エレメントの他端側に当接して該金属リングにおける前記金属エレメントが挿入されていないクリアランス部分を拡張及び保持するクリアランス拡張機構と、
前記金属リングにおける前記クリアランス部分が直線状となるようにガイドするガイド機構と、
前記金属エレメントの一端側をサポートするサポート機構と、
前記クリアランス部分に必要枚数分の前記金属エレメントを挿入する挿入機構と、を備え、
前記サポート機構は、前記ガイド機構により直線状とされた前記クリアランス部分の両端部近傍に位置する前記金属エレメントを前記クリアランス拡張機構側に移動させて前記金属エレメントの他端側における前記クリアランス部分の幅を拡張させ、
前記挿入機構は、前記サポート機構により幅が拡張された前記クリアランス部分に前記金属エレメントを挿入するCVTベルト組立装置。 - 前記挿入機構により前記金属エレメントが挿入された後、
前記サポート機構は、前記クリアランス拡張機構側に移動させた前記金属エレメントを元の位置に復帰させ、
前記クリアランス拡張機構は、前記クリアランス部分の拡張及び保持を解除し、
前記ガイド機構は、前記金属リングのガイドを解除する請求項1に記載のCVTベルト組立装置。 - 前記挿入機構により必要枚数分の前記金属エレメントが挿入された前記金属リングを振動させる振動機構を更に備える請求項2に記載のCVTベルト組立装置。
- 前記挿入機構は、
複数の前記金属エレメントを重力方向に積層した状態で保持するエレメント保持機構と、
前記エレメント保持機構に保持された前記金属エレメントを上部から所定枚数把持するエレメントクランプと、
前記エレメントクランプを移動させるクランプ移動機構と、を備え、
前記クランプ移動機構により前記エレメントクランプを前記クリアランス部分に移動させて必要枚数分の前記金属エレメントを挿入する請求項1〜3のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。 - 前記挿入機構は、前記ガイド機構による前記金属リングのガイドを解除する前に、前記クランプ移動機構により前記クリアランス部分に移動させた前記エレメントクランプを退避させる請求項4に記載のCVTベルト組立装置。
- 前記挿入機構は、前記エレメントクランプの下面を覆った支持位置と、該下面を覆わない非支持位置との間で位置変更可能な落下防止機構を更に備える請求項4又は5に記載のCVTベルト組立装置。
- 前記エレメント保持機構は、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成される請求項4〜6のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。
- 前記エレメント保持機構は、
第1の厚さの前記金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、
前記第1の厚さとは異なる第2の厚さの前記金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、
前記第1エレメント保持機構又は前記第2エレメント保持機構を前記エレメントクランプの下方に位置させるスライド機構と、を備える請求項4〜7のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。 - 前記エレメントクランプは、
第1の枚数の前記金属エレメントを把持可能な第1クランプ部と、
第1クランプ部に対して上下方向にスライド可能に配置されると共に、前記第1の枚数を超える枚数の前記金属エレメントを把持する場合に前記第1クランプ部に対して上方にスライドして少なくとも該第1の枚数を超えた分の前記金属エレメントを把持する第2クランプ部と、
前記第1クランプ部と前記第2クランプ部とを連結し、前記第2クランプ部が前記第1クランプ部の上方にスライドした場合に該第2クランプ部を下方に付勢する付勢部材と、を備える請求項4〜8のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。 - 前記クリアランス部分の幅を測定するクリアランス測定機構と、
前記クリアランス測定機構により測定されたクリアランス部分の幅に基いて、必要とされる前記金属エレメントの枚数を決定する制御部と、を更に備える請求項1〜9のいずれかに記載のCVTベルト組立装置。 - 一対の金属リングと、一端側が一方の前記金属リングに挿入され他端側が他方の前記金属リングに挿入されて該一対の金属リングを連結する複数の金属エレメントと、を備えるCVTベルトを組み立てるCVTベルトの組立方法であって、
所定枚数の前記金属エレメントの一端側が一方の前記金属リングに挿入された状態において、前記金属エレメントの他端側に当接して該金属リングにおける前記金属エレメントが挿入されていないクリアランス部分を拡張及び保持するクリアランス拡張工程と、
前記金属リングにおける前記クリアランス部分が直線状となるようにガイドするガイド工程と、
前記金属エレメントの一端側をサポートするサポート部材により、前記ガイド工程により直線状とされた前記クリアランス部分の両端部近傍に位置する前記金属エレメントを他端側に移動させて前記金属エレメントの他端側における前記クリアランス部分の幅を拡張させるサポート部材移動工程と、
前記サポート部材移動工程により幅が拡張された前記クリアランス部分に前記金属エレメントを挿入する挿入工程と、を備えるCVTベルトの組立方法。 - 前記挿入工程は、
複数の前記金属エレメントが重力方向に積層された状態で保持されるエレメント保持機構からエレメントクランプにより前記金属エレメントを所定枚数把持する工程と、
前記金属エレメントを把持した前記エレメントクランプを前記クリアランス部分に挿入する工程と、を備えると共に、
前記挿入工程の後に設けられ、前記他端側に移動させた前記金属エレメントを元の位置に復帰させるサポート部材復帰工程と、
前記クリアランス部分の拡張及び保持を解除する拡張解除工程と、
前記金属リングのガイドを解除するガイド解除工程と、を更に備える請求項11に記載のCVTベルトの組立方法。 - 前記ガイド解除工程の前に設けられ、前記クリアランス部分に挿入された前記エレメントクランプを退避させる工程を更に備える請求項12に記載のCVTベルトの組立方法。
- 前記ガイド解除工程の後に設けられ、前記挿入工程により必要枚数分の前記金属エレメントが挿入された前記金属リングを振動させる振動工程を更に備える請求項12又は13に記載のCVTベルトの組立方法。
- 前記エレメント保持機構は、鉛直方向に延びる軸を中心に回転可能に構成され、
前記挿入工程は、前記エレメントクランプにより前記金属エレメントが所定枚数把持された後に前記エレメント保持機構を所定角度回転させる工程と、
前記エレメント保持機構を所定角度回転させた後に前記エレメントクランプの下面を覆う落下防止機構を作動させる工程と、を更に備える請求項12〜14のいずれかに記載のCVTベルトの組立方法。 - 前記エレメント保持機構は、
第1の厚さの前記金属エレメントを保持する第1エレメント保持機構と、
前記第1の厚さとは異なる第2の厚さの前記金属エレメントを保持する第2エレメント保持機構と、を備え、
前記挿入工程において、前記エレメントクランプは、前記第1エレメント保持機構から所定枚数の前記金属エレメントを把持した後に、前記第2エレメント保持機構から所定枚数の前記金属エレメントを把持する請求項12〜15のいずれかに記載のCVTベルトの組立方法。
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