JP5988817B2 - 多孔質シリカ膜前駆体組成物、多孔質シリカ膜の製造方法及び多孔質シリカ膜並びに半導体素子 - Google Patents

多孔質シリカ膜前駆体組成物、多孔質シリカ膜の製造方法及び多孔質シリカ膜並びに半導体素子 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子の層間絶縁膜等として使用される多孔質シリカ膜前駆体組成物、多孔質シリカ膜の製造方法及び多孔質シリカ膜並びに半導体素子に関する。
半導体素子の層間絶縁膜等として、シリカ膜が使用されている。そして、近年、LSIの分野において低誘電率を特徴とする層間絶縁膜の導入が盛んに研究されており、多孔質の膜が提案されている。このような多孔質シリカ膜は、例えば、アルコキシシランと界面活性剤と溶媒とを原料とする塗布液を作製し、これを基材に塗布して膜を形成した後、加熱する方法により製造されている(特許文献1等参照)。
このような半導体素子の層間絶縁膜等として使用される多孔質シリカ膜は、後工程で、例えばCu等の配線のパターニングの際に使用したレジスト膜を剥離するために酸素等のプラズマ処理(アッシング処理)を施される場合がある。しかしながら、多孔質シリカ膜はプラズマ耐性が不十分で、プラズマ処理により多孔質シリカ膜の誘電率が上昇してしまうという問題がある。
WO2006/088036
本発明は、このような事情に鑑み、プラズマ耐性に優れた多孔質シリカ膜を形成することができる多孔質シリカ膜前駆体組成物、多孔質シリカ膜の製造方法及び多孔質シリカ膜並びに半導体素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の多孔質シリカ膜前駆体組成物は、テトラアルコキシシラン及びその重合体から選択される少なくとも一種のシリカ源Aと、アルキルアルコキシシランから選択される少なくとも一種のシリカ源Bと、界面活性剤と、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物と、溶媒とを含有することを特徴とする。
そして、前記主骨格に酸素原子を有さない包接化合物が、カリックスアレーン、カリックスピロール、チアカリックスアレーン及びシクロファンから選択される少なくとも一種であることが好ましく、さらに好ましくは、前記主骨格に酸素原子を有さない包接化合物が、下記式(1)で表されるカリックス[m]アレーン、下記式(2)で表される[n]メタシクロファン、下記式(3)で表される[u]パラシクロファン及び下記式(4)で表される[v,w]パラシクロファンから選択される少なくとも一種である。

(Rは水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基であり、Rは、水素、メチル基、エチル基、−COCH、−COC、−CHCOOCHまたは−CHCOOCであり、mは4〜8の整数である。)

(nは、3〜8の整数である。)

(uは、2〜8の整数である。)

(v及びwは、それぞれ独立に2〜6の整数である。)
また、前記シリカ源Aが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びメチルシリケートから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
また、前記シリカ源Bが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン及びデシルトリメトキシシランから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
そして、ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含有することが好ましく、さらに好ましくは、前記有機ケイ素化合物が、下記式(5)で表されるトリアルコキシフェニルシランである。

(R、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基である。)
また、本発明のシリカ膜の製造方法は、上記多孔質シリカ膜前駆体組成物を加水分解及び縮重合反応させた塗布液を基材上に塗布した後、加熱して焼成することを特徴とする。
そして、本発明のシリカ膜は、シリカ骨格(−Si−O−Si−)と、前記シリカ骨格が有するアルキル基のみを内包する、又はアルキル基とアリール基とを内包する、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物を含むことを特徴とする。
また、本発明の半導体素子は、上記多孔質シリカ膜を層間絶縁膜として具備することを特徴とする。
本発明によれば、テトラアルコキシシランやその重合体と、アルキルアルコキシシランと、界面活性剤と、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物と、溶媒とを含有する多孔質シリカ膜前駆体組成物とすることにより、アルキル基を有する多孔質シリカ膜が形成され、このアルキル基を、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物が内包しているためか、酸素等のプラズマ耐性に優れた多孔質シリカ膜を形成することができる。そして、さらにケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含有する多孔質シリカ膜前駆体組成物とすることで、エッチング耐性が良好で、高強度な多孔質シリカ膜を形成することができる。
本発明の多孔質シリカ膜の構造を示す模式図である。
本発明の多孔質シリカ膜前駆体組成物は、テトラアルコキシシラン及びその重合体から選択される少なくとも一種のシリカ源Aと、アルキルアルコキシシランから選択される少なくとも一種のシリカ源Bと、界面活性剤と、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物と、溶媒とを含有するものである。
シリカ源Aであるテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。そしてこれらの重合体としては、テトラメトキシシランの多量体であるメチルシリケート等が挙げられる。また、これらのテトラアルコキシシランやその重合体を、2種類以上用いてもよい。但し、得られる多孔質シリカ膜の緻密性を考慮すると、アルコキシ基の炭素数が少ないほうが好ましく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケートであることが好ましい。
シリカ源Bであるアルキルアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン及びデシルトリメトキシシランなどの3級アルキルアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどの2級アルキルアルコキシシランが挙げられる。また、2種類以上用いてもよい。
このようなシリカ源A及びシリカ源Bの含有量は特に限定されないが、例えば、モル比で、シリカ源Aの総量:シリカ源Bの総量=1:5〜9が好ましい。この範囲よりもシリカ源Bの量が少ないと得られる多孔質シリカ膜の疎水性が悪化し、比誘電率k値が上昇し、また、シリカ源Bの量が過剰すぎると、重合が不十分で膜荒れを生じる傾向があるためである。
そして、本発明の多孔質シリカ膜前駆体組成物は、上記シリカ源A及びシリカ源Bの他に、シリカ源として、ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含有することが好ましい。ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物としては、上記式(5)で表されるトリアルコキシフェニルシランが挙げられる。このようにケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含有した多孔質シリカ膜前駆体組成物とすることにより、得られる多孔質シリカ膜の炭素数が多くなるため、後工程での配線等のパターニングの際のエッチングに対する耐性(エッチング耐性)に優れ、且つ、高強度な多孔質シリカ膜を形成することができる。
このようなケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の含有量は、特に限定されないが、シリカ源A及びシリカ源Bのケイ素原子の全モル数:ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物のケイ素原子の全モル数=1:0.1〜1とすることが好ましい。この範囲よりもケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の量が少ないと得られる多孔質シリカ膜のエッチング耐性の効果が不十分となり、また、ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物の量が多いと、多孔質シリカ膜の比誘電率kを上昇させる傾向がある。
なお、これらのシリカ源A、シリカ源B及び必要に応じて添加するケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物が、縮重合反応して、多孔質シリカ膜の主骨格、すなわちシリカ骨格(−Si−O−Si−)を形成する。そして、シリカ源Bが有するアルキル基や、ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物が有するアリール基は、シリカ骨格のSiに結合した側鎖となり、多孔質シリカ膜の表面や、細孔(空孔)の内表面に露出する。
界面活性剤としては、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物を使用することが好ましい。ポリアルキレンオキサイド構造としては、ポリエチレンオキシド構造、ポリプロピレンオキシド構造、ポリメチレンキシド構造、ポリブチレンオキシド構造等が挙げられる。このようなポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエーテルエステル型化合物等を挙げることができる。また、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、電気的特性を考慮すると、非イオン性の界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤の状態は問われず、固体状態でも、溶媒に溶解した状態でもよい。
上記界面活性剤は、溶液中でミセルを形成し、規則的に配列する。このミセルをテンプレートとして、シリカと複合体をつくり、後段の工程でテンプレートを除去すると、均一で規則的な細孔を有する多孔質シリカ膜を製造することができる。このようにして形成される細孔の大きさは界面活性剤の分子量と相関があるため、細孔径を大きくしたい場合は分子量の大きな界面活性剤を用い、細孔径を小さくしたい場合は分子量の小さな界面活性剤を用いればよい。そして、多孔質の膜とすることにより、例えば、比誘電率(k)≦2.5の低誘電率及び低屈折率を有する膜となる。
多孔質シリカ膜前駆体組成物に混合する包接化合物は、主骨格に酸素原子を有さないもの、換言すると、環を形成する元素として酸素原子を有さない包接化合物である。このような主骨格に酸素原子を有さない包接化合物を多孔質シリカ膜前駆体組成物に混合することにより、得られる多孔質シリカ膜の酸素等のプラズマ耐性(アッシング耐性)が向上し、プラズマ処理による誘電率の上昇を抑制することができる。
このように、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物を多孔質シリカ膜前駆体組成物に含有させることにより、プラズマ処理による誘電率の上昇を抑制することができる機構は、以下のように推測される。酸素等のプラズマ処理を行うと、多孔質シリカ膜の表面や、細孔の内表面に露出した疎水基であるシリカ源B由来のアルキル基が脱離する。また、ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含有する多孔質シリカ膜前駆体組成物とした場合は、多孔質シリカ膜の表面や、細孔の内表面に露出した疎水基であるアリール基も脱離する。したがって、疎水性が低下するため、吸湿して誘電率が上昇してしまう。しかしながら、本発明においては、図1の模式図に示すように、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物1が、多孔質シリカ膜のシリカ骨格が有するアルキル基やアリール基(図1において、Rはアルキル基またはアリール基(疎水基)を表す。)を内包する、すなわち、保護する。したがって、プラズマ処理の際に生じる多孔質シリカ膜からの該アルキル基やアリール基の脱離を抑制することができる。よって、本発明においては、プラズマ処理の際に多孔質シリカ膜からのアルキル基やアリール基が脱離することにより生じる誘電率の上昇を抑制することができる。なお、シクロデキストリン等の主骨格に酸素原子を含む包接化合物では、酸素等のプラズマ処理をした際に、包接化合物の主骨格が切断されやすいためか、本発明のプラズマ耐性に優れるという効果を発揮できない。
なお、このような主骨格に酸素原子を有さない包接化合物は、製造された多孔質シリカ膜に残存するものであり、上記界面活性剤のように製造中に除去されるものではない。
主骨格に酸素原子を有さない包接化合物としては、ホルムアルデヒドとフェノール誘導体とを反応させて得られる環式化合物であるカリックスアレーン、ピロール単位がつながった環式化合物であるカリックスピロール、カリックスアレーンのメチレンのブリッジ部分を硫黄原子に変えたチアカリックスアレーンや、炭素鎖(上記式(2)〜(4)においては、順に−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−)でベンゼン環のパラまたはメタ位を結んだ環式化合物であるシクロファンが挙げられる。勿論これらを2種類以上用いてもよい。カリックスアレーンやシクロファンとしては、例えば、上記式(1)で表されるカリックス[m]アレーン、上記式(2)で表される[n]メタシクロファン、上記式(3)で表される[u]パラシクロファンや、上記式(4)で表される[v,w]パラシクロファンが挙げられる。なお、上記式(1)において、mは4、5、6又は8であることが好ましい。また、上記式(2)において、nは3、4、5、6又は8であることが好ましい。そして、上記式(3)において、uは2、3、4、6又は8であることが好ましい。また、上記式(4)において、v及びwが、それぞれ独立に2、3、4又は6であることが好ましい。勿論、これらの主骨格に酸素原子を有さない包接化合物は2種類以上用いてもよい。
主骨格に酸素原子を有さない包接化合物の含有量は特に限定されないが、例えば、モル比で、シリカ源Bの総量:主骨格に酸素原子を有さない包接化合物の総量=1:1〜5である。この範囲よりも主骨格に酸素原子を有さない包接化合物の量が少ないと、シリカ源B由来のアルキル基、あるいは有機ケイ素化合物のアリール基が主骨格に酸素原子を有さない包接化合物に十分内包されず、また、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物の量が多いと、高強度なシリカ膜が得られない傾向があるためである。
溶媒は、シリカ源A、シリカ源B、界面活性剤、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物、及び必要に応じて添加するケイ素原子に結合するアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物等の添加剤を、溶解または分散させることができるものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノールなどの一級アルコール;2−プロパノール、2−ブタノールなどの二級アルコール;ターシャリーブチルアルコールなどの三級アルコール;アセトン、アセトニトリル等が挙げられる。また、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなシリカ源A、シリカ源B、界面活性剤、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物、及び必要に応じて添加するケイ素原子に結合するアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物等の添加剤を溶媒に溶解または分散させることにより、多孔質シリカ膜前駆体組成物が形成される。
この多孔質シリカ膜前駆体組成物を用いることにより、多孔質シリカ膜を形成することができる。具体的には、まず、この多孔質シリカ膜前駆体組成物に触媒及び水を添加して、シリカ源A、シリカ源B、必要に応じて添加するケイ素原子に結合するアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を、加水分解反応及び縮重合反応を生じさせて、塗布液(ゾル液)を形成する。加水分解反応や縮重合反応は、触媒及び水を添加することにより生じるが、必要に応じて加熱や撹拌等してもよい。
触媒は、酸触媒でも塩基性触媒でもよく、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸や、アンモニアを挙げることができる。また、触媒の添加と同時または添加後に、pH調整剤を添加して、所望のpHになるようにしてもよい。
そして、この塗布液(ゾル液)を基材に塗布して膜を形成した後は、加熱して焼成することにより、多孔質シリカ膜を製造することができる。
基材に特に限定はないが、例えば、ガラス、石英、シリコンウェハー、ステンレス等が挙げられ、その形状は板状、皿状等のいずれであってもよい。
塗布液を基材に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法等が挙げられる。スピンコート法の場合、スピナー上に基材を置き、この基材上に塗布液を滴下し、例えば、500〜10000rpmで回転させて行えばよい。
加熱条件も特に限定はなく、例えば、250〜600℃とすればよい。また、加熱する雰囲気にも特に限定はなく、例えば真空雰囲気、窒素雰囲気、酸素含有雰囲気のいずれでもよい。このような加熱による焼成により膜が緻密化され、また、界面活性剤が消失することにより細孔(空孔)が形成される。なお、焼成工程の前に、例えば80〜150℃程度の温度に膜を加熱するプリベーク工程を行ってもよい。
また、界面活性剤は焼成によりある程度消失して細孔を形成するが、加熱による焼成と同時または焼成の後に、紫外線を照射する等して、界面活性剤の残渣を除去するようにしてもよい。そして、加熱による焼成と同時または焼成の後に、紫外線、プラズマ、EB(電子線)の照射や、さらに加熱することにより、膜を硬化(キュア)させる工程を行ってもよい。例えば、172nmの紫外線を10〜60秒照射することにより、界面活性剤の残渣を除去及び膜の硬化を行うことができる。
ここで、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物は、この加熱による焼成工程、界面活性剤を除去する工程や、硬化させる工程の時に、消失しないものである。換言すると、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物が消失しない条件で、加熱による焼成工程、界面活性剤を除去する工程や、硬化させる工程を行う。
このようにして得られた多孔質シリカ膜は、多孔質シリカ膜が有するシリカ源B由来のアルキル基や、ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物由来のアリール基が、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物に内包されて保護されるため、プラズマ処理の際に多孔質シリカ膜からの該アルキル基やアリール基の脱離が抑制される。したがって、プラズマ処理による誘電率の上昇を抑制することができる。よって、半導体装置の層間絶縁膜等として、好適に用いることができる。
なお、加熱して焼成する工程の後に、ヘキサメチルジシラザンなどのシリル化剤によりシリル化処理をしてもよい。本発明においては、プラズマ処理による誘電率の上昇を抑制することができるため、シリル化処理をしなくても低誘電率の多孔質シリカ膜が得られるが、シリル化処理をすることにより、さらに誘電率を低下させることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<多孔質シリカ膜前駆体組成物の作製>
テトラエトキシシラン(TEOS)0.012モルと、メチルトリメトキシシラン0.009モルと、フェニルトリメトキシシラン0.009モルと、非イオン性界面活性剤(商品名:エパン450、第一工業製薬株式会社製、平均分子量:2400、HO(CHCHO)13(CH(CH)CHO)20(CHCHO)13H) 0.00023モル、4−tert−ブチルカリックス[4]アレーン(上記式(1)において、R=H、R=tert−ブチル基) 0.009モルを、エタノール91mLに加え、25℃で30分間撹拌して、多孔質シリカ膜前駆体組成物を得た。
<塗布液の作製>
上記で得られた多孔質シリカ膜前駆体組成物に、0.5質量%硝酸18mLを加え、25℃で3時間撹拌した。その後さらに水酸化トリメチルアンモニウム0.0002モルのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液63mLを加えて、24時間撹拌することで、透明で均一な溶液(ゾル液)を得て、これを塗布液とした。
<多孔質シリカ膜の作製>
上記塗布液を用いて、シリコン基板上に1200rpmでスピンコートして膜を形成した。次いで、この膜が形成されたシリコン基板を、10−2〜10−3Paの真空雰囲気下、35秒で350℃まで昇温し、この温度で172nmの紫外線(照度:40mW/cm)を20秒間照射して、多孔質シリカ膜を得た。
得られた多孔質シリカ膜について、膜厚をエリプソメータで測定し、水銀プローブ法によるC−V特性から比誘電率を算出し、また、膜強度(ヤング率)をナノインデンターで測定した。この結果、膜厚は200nm、比誘電率は2.0、ヤング率は5.1GPaであった。
(比較例1)
<多孔質シリカ膜前駆体組成物の作製>
テトラエトキシシラン(TEOS)0.024モルと、メチルトリメトキシシラン0.018モルと、フェニルトリメトキシシラン0.018モルと、非イオン性界面活性剤(商品名:エパン450、第一工業製薬株式会社製、平均分子量:2400、HO(CHCHO)13(CH(CH)CHO)20(CHCHO)13H) 0.0003モルを、エタノール111mLに加え、25℃で30分間撹拌して、多孔質シリカ膜前駆体組成物を得た。
<塗布液の作製>
上記で得られた多孔質シリカ膜前駆体組成物に、0.5質量%硝酸34mLを加え、25℃で3時間撹拌した。その後さらに水酸化トリメチルアンモニウム0.0002モルのプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液21mLを加えて、24時間撹拌することで、透明で均一な溶液(ゾル液)を得て、これを塗布液とした。
<多孔質シリカ膜の作製>
上記塗布液を用いて、シリコン基板上に1200rpmでスピンコートして膜を形成した。次いで、この膜が形成されたシリコン基板を、10−2Paの真空雰囲気下、35秒で350℃まで昇温し、この温度で172nmの紫外線(照度:40mW/cm)を20秒間照射して、多孔質シリカ膜を得た。
得られた多孔質シリカ膜について、実施例1と同様の方法で、膜厚、比誘電率及び強度を測定した。この結果、膜厚は200nm、比誘電率は2.1、ヤング率は6.4GPaであった。
(比較例2)
4−tert−ブチルカリックス[4]アレーン 0.009モルの代わりに、シクロデキストリン(トリメチル-β-シクロデキストリン)0.007モルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた多孔質シリカ膜の膜厚は191nm、比誘電率は2.5、ヤング率は7.5GPaであった。
(試験例1)
実施例1及び比較例1〜2の多孔質シリカ膜をアッシング機構を備えたチャンバにセットし、O:100sccm、圧力:10Pa、RFパワー:1kWで、酸素プラズマ処理を行った。酸素プラズマ処理後の各多孔質シリカ膜の膜厚及び比誘電率を、実施例1と同様の方法で測定した。
この結果、酸素プラズマ処理後の実施例1の多孔質シリカ膜は、膜厚は197nm、比誘電率は2.5であり、酸素プラズマ処理前後での比誘電率の上昇は0.5であった。一方、酸素プラズマ処理後の比較例1の多孔質シリカ膜は、膜厚は182nm、比誘電率は4.8であり、酸素プラズマ処理前後での比誘電率の上昇は2.7であった。また、酸素プラズマ処理後の比較例2の多孔質シリカ膜は、膜厚は146nm、比誘電率は4.0であり、酸素プラズマ処理前後での比誘電率の上昇は1.5であった。
したがって、実施例1の多孔質シリカ膜の酸素プラズマ処理前後での比誘電率の上昇は、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物を含有させなかった多孔質シリカ膜前駆体組成物を用いた比較例1と比較して、顕著に低いことが確認された。また、実施例1の多孔質シリカ膜の酸素プラズマ処理前後での比誘電率の上昇は、主骨格に酸素原子を有する包接化合物であるシクロデキストリンを含有させた多孔質シリカ膜前駆体組成物を用いた比較例2と比較しても、顕著に低かった。なお、4−tert−ブチルカリックス[4]アレーン 0.009モルのかわりに、シクロファン([2,2]パラシクロファン) 0.009モルを用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったものについても、実施例1とほぼ同様の比誘電率の上昇であった。
1 主骨格に酸素原子を有さない包接化合物

Claims (10)

  1. テトラアルコキシシラン及びその重合体から選択される少なくとも一種のシリカ源Aと、アルキルアルコキシシランから選択される少なくとも一種のシリカ源Bと、界面活性剤と、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物と、溶媒とを含有することを特徴とする多孔質シリカ膜前駆体組成物。
  2. 前記主骨格に酸素原子を有さない包接化合物が、カリックスアレーン、カリックスピロール、チアカリックスアレーン及びシクロファンから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物。
  3. 前記主骨格に酸素原子を有さない包接化合物が、下記式(1)で表されるカリックス[m]アレーン、下記式(2)で表される[n]メタシクロファン、下記式(3)で表される[u]パラシクロファン及び下記式(4)で表される[v,w]パラシクロファンから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物。
    (Rは水素、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基であり、Rは、水素、メチル基、エチル基、−COCH、−COC、−CHCOOCHまたは−CHCOOCであり、mは4〜8の整数である。)
    (nは、3〜8の整数である。)
    (uは、2〜8の整数である。)
    (v及びwは、それぞれ独立に2〜6の整数である。)
  4. 前記シリカ源Aが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びメチルシリケートから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物。
  5. 前記シリカ源Bが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン及びデシルトリメトキシシランから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物。
  6. ケイ素原子に結合したアリール基及びアルコキシ基を有する有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物。
  7. 前記有機ケイ素化合物が、下記式(5)で表されるトリアルコキシフェニルシランであることを特徴とする請求項6に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物。
    (R、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基である。)
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載する多孔質シリカ膜前駆体組成物を加水分解及び縮重合反応させた塗布液を基材上に塗布した後、加熱して焼成することを特徴とする多孔質シリカ膜の製造方法。
  9. シリカ骨格(−Si−O−Si−)と、
    前記シリカ骨格が有するアルキル基のみを内包する、又はアルキル基とアリール基とを内包する、主骨格に酸素原子を有さない包接化合物を含むことを特徴とする多孔質シリカ膜。
  10. 請求項9に記載する多孔質シリカ膜を層間絶縁膜として具備することを特徴とする半導体素子。
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