JP5987933B2 - 機能性素子の製造方法および機能性素子 - Google Patents

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Description

本発明は、線状の細線部と細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有する機能層を有する機能性素子を製造する機能性素子の製造方法、および機能性素子に関する。
近年、電子デバイスにおける電極、配線、センサ等の機能層を、機能層の材料を含む機能層形成用塗工液を用いた塗布法または印刷法等により基板上にパターン状に形成する、いわゆるプリンテッドエレクトロニクスが注目を集めている。プリンテッドエレクトロニクスは、例えば、フォトリソグラフィ法を用いた従来の機能層の形成方法に比べて、製造コストを抑えることができ、また環境への負担についても少なくすることを可能とする。
プリンテッドエレクトロニクスにおいては、基板上に機能層形成用塗工液をパターン状に塗布することにより、機能層を形成する。また、機能層を形成する方法としては、例えば、基板表面に親水性領域および疎水性領域のパターンを描き、機能層形成用塗工液に対する基板表面の濡れ性の差を利用して機能層をパターン状に形成する方法が知られている(特許文献1〜2)。この方法においては、機能層形成用塗工液を基板上に単純に塗布することにより精細なパターンを形成することができるといった利点がある。
しかしながら、例えば、薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))に用いられる薄膜トランジスタ用基板(以下、TFT用基板と称して説明する場合がある。)における線状導電部および保持容量部を有するドレイン電極や、タッチパネルセンサ等における引き出し配線および外部接続端子を有する配線層等の、幅の異なる領域を有する機能層を形成する場合において、基板上に機能層形成用塗工液をパターン状に塗布して形成する場合、機能層形成用塗工液の塗布領域における幅の小さい領域では機能層の厚さが薄くなり、機能層形成用塗工液の塗布領域における幅の大きい領域では機能層の厚さが厚くなるという問題がある。また、機能層の厚さの差(膜厚ムラ)は、機能層形成用塗工液の塗布領域における幅の差が大きくなるほど顕著になるという問題がある。なお、機能層形成用塗工液の塗布領域とは、基板上にパターン状に機能層形成用塗工液が塗布されている領域をいう。また、以下の説明においては、機能層形成用塗工液の塗布領域を単に塗布領域と称して説明する場合がある。
特開2012−64662号公報 特開2009−212127号公報
上述した機能層の膜厚ムラの問題は、基板表面および機能層形成用塗工液の接触角は一定の値を有することから、塗布領域の幅が大きくなるほど塗布領域に塗布される単位面積当たりの機能層形成用塗工液の塗布量が多くなること、塗布領域に塗布された機能層形成用塗工液がその表面張力によって機能層形成用塗工液の塗布量の多い方へ凝集されることにより生じるものである。
本発明者らは、上記実情に鑑みて、鋭意研究を行い、機能層の設計として、機能層が線状の細線部と細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有する場合、機能層における広面積領域を機能層における細線部の幅と同等な幅を有する複数の広面積領域構成細線に分割して設けることにより、細線部および広面積領域に対応する塗布領域の幅の差により生じる機能層の膜厚ムラを好適に抑制して機能層を形成することができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
本発明は、機能層が線状の細線部と細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有する場合において、機能層の膜厚ムラを抑制して機能層を形成することが可能な機能性素子の製造方法および機能性素子を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程を有する機能性素子の製造方法であって、上記機能層は、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、広面積領域は、細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることにより、細線部に対応する塗布領域と広面積領域における広面積領域構成細線に対応する塗布領域との幅を同等とすることができる。よって、塗布領域内における機能層形成用塗工液の塗布量に差が生じることを抑制することができ、基板上に均一な厚さの機能層を形成することができる。よって、機能層の膜厚ムラを抑制して機能層を形成することができる。
上記発明においては、上記基板が、疎水性領域と親水性領域とが表面に形成された親疎水パターン基板であり、上記親水性領域は、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることが好ましい。親水性領域および疎水性領域の濡れ性の差を利用して高精細に機能層を形成することができるからである。また、基板上に機能層形成用塗工液を全面に塗布することにより、細線部および広面積領域を有する機能層を簡便な方法で形成することができるからである。
上記発明においては、上記複数の広面積領域構成細線の配列は、上記広面積領域の外周に開口を有する間隙部を挟む配列であることが好ましい。機能層形成用塗工液を塗布した場合に、隣り合う広面積領域構成細線上に塗布された機能層形成用塗工液が間隙部で接触することを抑制することができ、機能層における複数の広面積領域構成細線をより精細に配列させて機能層における広面積領域を形成することができるからである。
上記発明においては、上記機能層形成工程は、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布して導電性を有する導電層を形成する工程であることが好ましい。導電層の膜厚ムラを抑制して機能層を形成することができることから、細線部における断線、ショート等の電気的な欠陥の発生を抑制することができる。また、導電層における細線部および広面積領域の厚さを均一にすることができることから、良好な導電性を示す導電層を形成することができる。
上記発明においては、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることが好ましい。薄膜トランジスタの構成の一部である導電層を膜厚ムラを抑制して形成することができるからである。
本発明は、基板と、上記基板上に形成された機能層と、を有する機能性素子であって、上記機能層が、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることを特徴とする機能性素子を提供する。
本発明によれば、上述の広面積領域を有することにより、均一な厚さの機能層を形成することができるため、機能層の膜厚ムラが抑制された機能性素子とすることができる。
上記発明においては、上記機能層が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることが好ましい。導電層を膜厚ムラが抑制されたものとすることができ、薄膜トランジスタの構成の一部として好適に用いることができるからである。
本発明の機能性素子の製造方法は、線状の細線部と細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有する機能層において、機能層の膜厚ムラを抑制して機能層を形成することができるといった作用効果を奏する。
本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す概略断面図および概略平面図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す概略平面図である。 本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す概略断面図である。 本発明における親水性領域の一例について説明する説明図である。 本発明における親水性領域の他の例について説明する説明図である。 本発明における親水性領域の他の例について説明する説明図である。 本発明における親水性領域の他の例について説明する説明図である。 本発明における親水性領域の他の例について説明する説明図である。 本発明の機能性素子の一例を示す概略平面図である。 本発明の機能性素子の一例を示す概略断面図である。 基板および機能層形成用塗工液の接触角と塗布量との関係について説明する説明図である。 従来の機能性素子の一例を示す概略平面図である。 従来の機能層の形成過程における機能層形成用塗工液について説明する説明図である。 従来の機能性素子の一例を示す概略断面図である。 従来の親疎水パターン基板について説明する説明図である。
以下、本発明の機能性素子の製造方法、TFT用基板の製造方法、機能性素子、およびTFT用基板について説明する。
A.機能性素子の製造方法
本発明の機能性素子の製造方法は、基板上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程を有する製造方法であって、上記機能層は、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることを特徴とする製造方法である。
本発明において、「細線部」、「広面積領域」および「広面積領域構成細線」は機能層における部分、領域等を指すものであるが、後述する親疎水パターン基板における親水性領域についても、機能層の細線部に対応する親水性領域の部分を細線部と称して説明する場合があり、機能層の広面積領域に対応する親水性領域の領域を広面積領域と称して説明する場合があり、機能層の広面積領域構成細線に対応する親水性領域の部分を広面積領域構成細線と称して説明する場合がある。
本発明の機能性素子の製造方法について図を用いて説明する。
図1(a)〜(c)は本発明の機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。また、また、図1(a)〜図1(b)は、それぞれ図1(c)の概略平面図におけるX−X線断面図に相当する。
本発明の機能性素子の製造方法においては、図1(a)に示すように、基板1上に機能層形成用塗工液20をパターン状に塗布することにより、図1(b)に示すように、機能層2を形成する。
図1(b)、(c)に示すように、本発明においては、機能層2が、線状の細線部2aと、細線部2aの幅より幅広の領域である広面積領域2bとを有し、広面積領域2bは、細線部2aの幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線2cにより構成され、複数の広面積領域構成細線2cは、それぞれが連結し、かつ細線部2aとも結合していることを特徴とする。機能層2が上記形状を有することにより、図1(a)〜(c)に示すように、広面積領域2bに対応する塗布領域G2bを広面積領域構成細線2cに対応する塗布領域G2cに分割することができる。これにより、細線部2aに対応する塗布領域G2aおよび広面積領域2bに対応する塗布領域G2bにおける機能層形成用塗工液20の単位面積当たりの塗布量の差を小さくすることができる。よって、機能層2の膜厚ムラを抑制することができる。図1(a)〜(c)に示すように、本発明においては、さらに第2機能層3を形成してもよい。第2機能層3に対応する塗布領域3Gについては、第2機能層3の厚み等に応じて適宜選択される。
以上の工程により機能性素子10を製造することができる。
図1(b)、(c)においては、機能層2が導電性を有する導電層であり、機能性素子10がTFT用基板である例について示している。また、図1(b)、(c)においては、機能層2がドレイン電極であり、機能層2における細線部2aが線状導電部であり、機能層2における広面積領域2bが保持容量部である例について示している。また、機能層2における広面積領域2bは複数の機能層2における広面積領域構成細線2cで構成される。また、第2機能層3がソース電極である例について示している。
図2(a)〜(b)および図3(a)〜(b)は本発明の機能性素子の製造方法の他の例を示す概略平面図および概略断面図である。また、図3(a)〜図3(b)は、それぞれ図2(a)〜図2(b)のX−X線断面図である。
まず、図2(a)および図3(a)に示すように、疎水性領域Aと親水性領域Bとが表面に形成された親疎水パターン基板1aを準備する。本発明における親水性領域Bは、線状の細線部B2aと、細線部B2aの幅より幅広の領域である広面積領域B2bとを有し、広面積領域B2bは、細線部B2aの幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線B2cにより構成され、複数の広面積領域構成細線B2cは、それぞれが連結し、かつ細線部B2aとも結合していることを特徴とする。また、親疎水パターン基板1aにおいては、少なくとも上述した細線部B2aおよび広面積領域B2bを有する親水性領域Bが形成されていればよく、例えば、図2(a)および図3(a)に示すように第2親水性領域3Bをさらに有していてもよい。
次に、図2(b)および図3(b)に示すように、親疎水パターン基板1aの親水性領域B上に機能層形成用塗工液を塗布することにより、機能層2および第2機能層3を形成する。以上の工程により機能性素子10を製造することができる。
なお、図2(b)および図3(b)においては、機能層2が導電性を有する導電層であり、機能性素子10がTFT用基板である例について示している。また、図2(b)および図3(b)における機能層2の詳細については、図1(b)、(c)で記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、広面積領域は、細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることにより、基板上に均一な厚さの機能層を形成することができる。よって、機能層の膜厚ムラを抑制して機能層を形成することができる。
この理由について簡単に説明する。
まず、基板表面および機能層用形成用塗工液の接触角は、通常、一定の値を有することから、塗布領域に塗布される単位面積当たりの機能層形成用塗工液の塗布量は、塗布領域の幅が大きくなるほど多くなり、得られる機能層の厚さについても塗布領域の幅が大きくなるほど厚くなる。より具体的には、図11に示すように、基板1および機能層形成用塗工液20との接触角θは一定であることから、塗布領域4Gおよび5Gの幅が異なる場合、幅の小さい塗布領域4Gよりも幅の大きい塗布領域5Gに塗布される単位面積当たりの機能層形成用塗工液20の塗布量が多くなる。その結果、図示はしないが、得られる機能層の厚さについても、幅の広い塗布領域に形成されるものの方が厚くなる。
なお、図11は基板および機能層形成用塗工液の接触角と塗布量との関係について説明する説明図である。
また、図12に示すTFT用基板のドレイン電極のように、機能層2’において細線部2’aと広面積領域2’bとを有する場合、通常、広面積領域2’bは面状に形成される。
しかしながら、従来から、上述の細線部および広面積領域を有する機能層を機能層形成用塗工液を用いて形成する場合、上述した幅の差により機能層の厚さの差が生じるという問題に加えて以下の問題がある。
すなわち、基板上に塗布された機能層形成用塗工液は、通常、表面張力により塗布量の多い方に集まる性質を有する。そのため、図13に示すように、表面張力Tによって、機能層の細線部に対応する塗布領域G2’aにおいて基板1上に塗布された機能層形成用塗工液20が、機能層の広面積領域に対応する塗布領域G2’bにおいて基材1上に塗布された機能層形成用塗工液20の方に引き込まれるという問題がある。その結果、図14に示すように、機能層2’における細線部2’aと機能層2’における広面積領域2’bの厚さの差がさらに大きくなる。したがって、従来の機能層の形成方法においては、膜厚ムラを抑制して機能層を形成することが困難となるという問題がある。
なお、図12は従来の機能性素子の一例を示す概略平面図であり、図13は従来の機能層の形成過程における機能層形成用塗工液について説明する説明図であり、図14は図12のX−X線断面図である。
また、機能層における細線部と広面積領域との厚さの差が極端に大きくなると、例えば、機能層における細線部の厚さが薄くなりすぎる、または形成されない部分が生じる可能性がある。この場合は、上記細線部において機能層の機能を発揮することが困難となる可能性がある。具体的には、機能層が導電性を示す場合、細線部において十分な導電性を示すことができず、断線、ショート等の電気的な欠陥を生じる可能性がある。
また、機能層における広面積領域の厚さが厚くなりすぎることにより、機能層が形成された表面の凹凸が大きくなることから、機能層上に他の層を形成する場合において、例えば塗布法を用いた場合は塗膜を良好に形成することが困難となる可能性や、また例えば印刷法を用いた場合は正確なパターンを印刷することが困難になる可能性があるという問題がある。
これに対して、本発明者らは、機能層の設計として、機能層が線状の細線部と細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有する場合、機能層における広面積領域を機能層の細線部の幅と同等な幅を有する複数の広面積領域構成細線に分割して設けることにより、機能層の膜厚ムラを好適に抑制して機能層を形成することができることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。すなわち、本発明においては、機能層における広面積領域は、機能層における細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることにより、上記広面積領域を細線部との幅の差が小さい上記複数の広面積領域構成細線の集合で構成することができるため、上記細線部に対応する塗布領域および広面積領域に対応する塗布領域に塗布される単位面積当たりの機能層形成用塗工液の塗布量の差を小さくすることができ、機能層における細線部および広面積領域の厚さを均一にすることができる。よって、機能層の膜厚ムラを抑制して機能層を形成することができる。
また、機能層の細線部および広面積領域の厚さを均一に形成することができることにより、例えば、機能層における細線部の欠陥を防止することができる。また、機能層上に他の層を形成する場合において、例えば塗布法を用いた場合は塗膜を良好に形成することができ、また例えば印刷法を用いた場合は正確なパターンを良好に印刷することができる。
以下、本発明の機能性素子の製造方法の詳細について説明する。
I.機能層形成工程
本発明における機能層形成工程は、基板上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する工程である。
1.基板
本発明における基板は、機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成することができれば特に限定されない。また、基板としては、機能層形成用塗工液の塗布前に予め表面処理が施されていてもよく、表面処理が施されていなくてもよい。
表面処理としては、例えば、疎水性領域および親水性領域を基板表面に形成する親疎水パターン処理、基板表面に表面凹凸を形成する表面凹凸処理、基板表面に自己組織化単分子膜を形成するなどの化学的な修飾をする化学的修飾処理等を挙げることができる。
本発明においては、中でも、基板としては親疎水パターン処理が施された親疎水パターン基板であることが好ましい。親水性領域および疎水性領域の濡れ性の差を利用して高精細に機能層を形成することができるからである。また、基板上に機能層形成用塗工液を全面に塗布することにより、細線部および広面積領域を有する機能層を簡便な方法で形成することができるからである。
(1)親疎水パターン基板
本工程に用いられる親疎水パターン基板は、疎水性領域と親水性領域とがその表面に形成されたものである。
親疎水パターン基板においては、その表面に形成された親水性領域および疎水性領域の濡れ性の差を利用して親水性領域のみに機能層の材料を含む機能層形成用塗工液を塗布することによりパターニングが行われる。より具体的には、親水性領域と疎水性領域とにおいて機能層形成用塗工液の接触角に差を設けることによりパターニングが行われる。親水性領域および疎水性領域においては、機能層形成用塗工液との接触角が一定の値となるように調整されている。
よって、親水性領域および機能層形成用塗工液の接触角は一定であることから、図15(a)に示すように親水性領域4B、5Bの幅が異なる場合は、幅の大きい親水性領域5Bに塗布される単位面積当たりの機能層形成用塗工液20の塗布量が多くなる。さらに、図15(b)に示すように細線部B2’aおよび広面積領域B2’bを有する親水性領域B’においては、機能層形成用塗工液20の表面張力Tにより、細線部B2’aから広面積領域B2’bの方に機能層形成用塗工液20が凝集する。よって、図15(c)に示すように親疎水パターン基板1aを用いて従来の機能層2’を形成する場合においても、膜厚ムラを抑制して機能層2’を形成することは困難である。
これに対して、本発明においては、親水性領域における広面積領域を広面積領域構成細線に分割することができるため、機能層形成用塗工液の塗布量の差による機能層の膜厚ムラを抑制することができる。
なお、図15(a)〜(c)は親疎水パターン基板について説明する説明図である。また、図15(b)、(c)中のAは疎水性領域を示している。
本工程に用いられる親疎水パターン基板における疎水性領域は疎水性を示す領域であり、親水性領域は親水性を示す領域である。ここで、本発明における「疎水性」とは、25℃における水に対する接触角が50°以上である場合を指す。また、本発明における「親水性」とは、25℃の水の接触角が50°未満であることを指す。
なお、本発明における上記接触角は、例えば、基板上に1マイクロリットルの液体を滴下し、滴下した液滴の形状を側面より観測し、液滴と基板とのなす角を計測することにより測定することができる。本発明における接触角は、例えば、井元製作所製接触角測定装置を用いて測定することができる。また、本発明における接触角は、例えば、協和界面科学製接触角計 DM−901を用いて測定することができる。
本発明における疎水性領域は、疎水性が高いほど好ましいものである。より具体的には、本発明における疎水性領域は25℃における水に対する接触角が、50°以上であれば特に限定されないが、70°以上であることがより好ましく、80°以上であることがさらに好ましい。また本発明における親水性領域は、親水性が高いほど好ましいものである。より具体的には、本発明における親水性領域は、25℃における水に対する接触角が、50°未満であれば特に限定されないが、30°以下であることがより好ましく、20°以下であることがさらに好ましい。さらに、本発明における親水性領域および疎水性領域における上記接触角の差は、大きいほど好ましいものである。より具体的には、本発明における親水性領域および疎水性領域における上記接触角の差は10°以上であることが好ましく、40°以上であることがより好ましく、70°以上であることがさらに好ましい。
疎水性領域の疎水性および親水性領域の親水性が高いほど、親水性領域および疎水性領域における接触角の差を大きくすることができるため、親疎水パターン基板における機能層形成用塗工液の塗り分けを高精細に行うことができる。よって、より高精細な機能層を形成することができるからである。
(a)親水性領域
本発明における親水性領域は、細線部と、広面積領域とを有する領域である。
(i)広面積領域
本発明における広面積領域は、細線部よりも幅広の領域である。また、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成されるものである。
また、親水性領域の広面積領域は、その表面上に形成される機能層の広面積領域がその機能を発揮することが可能となるように設けられるものである。また、機能層の広面積領域は、細線部よりも幅広の面積で形成されることによりその機能を発揮することが可能となるものである。機能層の広面積領域の機能としては、例えばTFT用基板におけるドレイン電極の保持容量等を挙げることができる。
(広面積領域の形状等)
広面積領域は、細線部の幅より幅広の領域である。
「広面積領域が、細線部の幅より幅広の領域である」とは、細線部の幅方向と垂直方向における広面積領域の平面視外形形状の幅および細線部の幅方向と水平方向における広面積領域の平面視外形形状の幅の両方が細線部の幅よりも大きいことをいう。
ここで、「細線部の幅」とは、線状に形成された細線部の線幅をいい、例えば、図4(a)においてx1で示される距離をいう。
また、「広面積領域の平面視外形形状」とは、広面積領域の外周のなす形状をいう。また、広面積領域の平面視形状が後述する図4(a)および図5(a)に示すように広面積領域の外周に開口を有する間隙部F1を有する場合は、開口の間が連続したものとした場合の外周のなす形状をいう。「広面積領域の平面視外形形状」は、例えば、図4(a)および図5(a)において破線で示される形状をいい、より具体的には図4(b)および図5(b)において実線で囲まれた形状Cをいう。
また、「広面積領域の平面視外形形状の切り欠き部」とは、広面積領域の平面視外形形状を含む図形において、上記図形の一部が除去された部分をいい、より具体的には、図4(b)に示すように、平面視外形形状Cを含む図形D(一点鎖線で囲まれた形状D)において、図形Dの一部が除去された部分E(斜線で示される部分E)を有することをいう。
また、「細線部の幅方向と垂直方向における広面積領域の平面視外形形状の幅」とは、例えば図4(a)および図5(a)においてx2で示される距離をいう。「細線部の幅方向と水平方向における広面積領域の平面視外形形状の幅」とは、例えば、図4(a)および図5(a)においてx3で示される距離をいう。
また、ここで、「広面積領域の平面視形状」とは、広面積領域に形成された広面積領域構成細線と、広面積領域に配置され隣り合う広面積領域の間に配置された疎水性領域である間隙部とを有する平面視形状をいう。「広面積領域の平面視形状」とは、例えば、図4(a)、図5(a)、図6(a)〜(b)、図7、および図8において広面積領域構成細線B2cと、広面積領域に配置され隣り合う広面積領域構成細線B2cの間に配置された間隙部Fとを有する平面視形状をいう。
また、間隙部としては、広面積領域の外周に開口を有していてもよく、広面積領域の外周に開口を有していなくてもよい。
「広面積領域の外周に開口を有する間隙部」とは、広面積領域の外部に位置する疎水性領域と連続している部分を有する間隙部をいい、より具体的には、図4(a)、図5(a)、図6(a)〜(b)および図7においてF1で示される部分をいう。また、「広面積領域の外周に開口を有さない間隙部」とは、より具体的には図7および図8においてF2で示される部分をいう。
なお、図4(a)〜(b)、図5(a)〜(b)、図6(a)〜(b)、図7および図8は本発明における親水性領域の例について説明する説明図である。
「広面積領域が、細線部の幅より幅広の領域である」とは、より具体的には、図4(a)、図5(a)等に示される親水性領域Bにおいて、x2およびx3で示される距離の両方がx1で示される距離よりも大きいことをいう。
細線部の幅を1とした場合の広面積領域の平面視外形形状の幅の比率については、機能性素子の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、2以上、なかでも5以上、特に10以上であることが好ましい。
細線部の幅に対する広面積領域の平面視外形形状の幅の比率が上述した範囲に満たない場合は、広面積領域を複数の広面積領域構成細線で構成することが困難となる可能性や、広面積領域を複数の広面積領域構成細線で構成した場合に広面積領域が所定の機能を有することが困難となる可能性があるからである。
具体的な広面積領域の平面視外形形状の幅としては、本発明の機能性素子の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、40μm〜5000μmの範囲内、なかでも80μm〜1000μmの範囲内、特に100μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。種々の機能性素子の機能層を形成することができるからである。
広面積領域の平面視外形形状としては、本発明の機能性素子の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、正方形、長方形等の四角形状であることが好ましい。広面積領域の平面視外形形状が四角形状である場合は、複数の細線部により良好に構成することができるからである。
また、この場合、広面積領域の平面視外形形状としては、切り欠き部を有するものであってもよい。
広面積領域の平面視形状については、後述する複数の広面積領域構成細線の配列に応じて適宜決定される。広面積領域の平面視形状としては、広面積領域構成細線と間隙部を有する形状であればよく、図4(a)、図5(a)、図6(a)〜(b)に示すように、広面積領域B2bの外周に開口を有する間隙部F1のみを有する形状であってもよく、図8に示すように広面積領域B2bの外周に開口を有しない間隙部F2のみを有する形状であってもよく、図7に示すように両者F1およびF2を有する形状であってもよい。本発明においては、なかでも、図4(a)、図5(a)、図6(a)〜(b)、図7に示すように少なくとも広面積領域B2bの外周に開口を有する間隙部F1を有する形状であることが好ましく、図4(a)、図5(a)、図6(a)〜(b)に示すように広面積領域B2bの外周に開口を有する間隙部F1のみを有する形状であることが好ましい。広面積領域の外周に開口を有する間隙部を有する形状とすることにより、機能層形成用塗工液を塗布した場合に、隣り合う広面積領域構成細線上に塗布された機能層形成用塗工液が間隙部で接触することを抑制することができ、機能層における複数の広面積領域構成細線をより精細に配列させて機能層における広面積領域を形成することができるからである。
広面積領域の平面視形状として、より具体的にはストライプを含む形状や、メッシュ状を挙げることができる。
(広面積領域構成細線)
広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成されるものである。また、複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合しているものである。
ここで、「複数の広面積領域構成細線がそれぞれ連結している」とは、隣り合う広面積領域が直に結合している場合だけでなく、他の広面積領域構成細線により結合している場合を含む。
「複数の広面積領域構成細線がそれぞれ連結している」とは、例えば、図4(a)に示すように複数の広面積領域構成細線B2c1〜B2c8において隣り合う広面積領域細線B2c1およびB2c2、B2c2およびB2c3、B2c3およびB2c4、B2c4およびB2c5、B2c5およびB2c6、B2c6およびB2c7、ならびにB2c7およびB2c8が広面積領域構成細線B2C9により結合されている場合を含む。
「広面積領域構成細線が細線部の幅と同等の幅を有する」とは、広面積領域構成細線の幅と細線部の幅との差が、細線部に塗布される機能層形成用塗工液の塗布量と、広面積領域構成細線に塗布される機能層形成用塗工液の塗布量とが同等となる程度の差であることをいう。
また、「細線部に塗布される機能層形成用塗工液の塗布量と、広面積領域構成細線に塗布される機能層形成用塗工液の塗布量とが同等となる」とは、両者の塗布量の差が、機能層形成用塗工液が表面張力で親水性領域間を移動することにより生じる機能層における細線部および広面積領域の厚さの差によって細線部および広面積領域の両方の機能が阻害されない程度の差となることをいう。
「広面積領域構成細線が細線部の幅と同等の幅を有する」とは、より具体的には、細線部の幅を1とした場合の広面積領域構成細線の幅の比率が、0.5〜2.0の範囲内であることをいい、なかでも0.7〜1.5の範囲内であることが好ましく、特に0.8〜1.2の範囲内であることが好ましい。
細線部の幅に対する広面積領域構成細線の幅の比率が小さすぎる場合は、機能層における広面積領域の厚さが薄くなり、広面積領域において所定の機能を発揮することが困難となる可能性があるからである。また、細線部の幅に対する広面積領域構成細線の幅の比率が大きすぎる場合は、複数の広面積領域構成細線で広面積領域を構成した場合であっても、機能層における細線部および広面積領域の厚さの差を十分に小さくすることが困難となる可能性があるからである。
具体的な広面積領域構成細線の幅としては、機能層形成用塗工液の種類等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、2μm〜200μmの範囲内、なかでも5μm〜100μmの範囲内、特に10μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。基材上に機能層の広面積領域構成細線を良好に形成することができるからである。
「広面積領域構成細線の幅」とは、線状に形成された広面積領域構成細線の線幅をいい、例えば、図4(a)においてx4で示される距離をいう。
具体的な広面積領域構成細線の長さについては、広面積領域の平面視外形形状に応じて適宜選択される。
複数の広面積領域構成細線の配列としては、広面積領域の平面視外形形状に応じて適宜選択され、特に限定されないが、広面積領域の外周が広面積領域構成細線により閉鎖されていない配列、すなわち広面積領域の外周に開口を有する間隙部を挟んだ配列であることが好ましい。複数の広面積領域構成細線の配列が広面積領域の外周に開口を有する間隙部を挟んだ配列であることにより、機能層形成用塗工液を塗布した場合に、隣り合う広面積領域構成細線上に塗布された機能層形成用塗工液が間隙部で接触することを抑制することができ、機能層における複数の広面積領域構成細線をより精細に配列させて機能層における広面積領域を形成することができるからである。本工程においては、特に、コーティング法により機能層形成用塗工液を親疎水パターン基板の全面に塗布する場合、複数の広面積領域構成細線の配列を上述の配列とすることにより、上記間隙部における機能層形成用塗工液の接触を好適に抑制することができる。
また、広面積領域の外周に開口を有する間隙部を挟んだ配列としては、例えばストライプ配列を含む配列であることが好ましい。このような複数の広面積領域構成細線の配列としては、例えば、図4(a)、図5(a)に示すように細線部B2aの幅方向と水平方向に複数の広面積領域構成細線B2cをストライプ状に配列し、ストライプ配列の一端で隣り合う広面積領域構成細線B2c同士を結合して構成された配列や、図6(a)に示すように細線部B2aの幅方向と垂直方向に複数の広面積領域構成細線B2cをストライプ状に配列し、ストライプ配列の一端で隣合う広面積領域構成細線B2c同士を結合して構成された配列等を挙げることができる。また、図6(b)に示すように、細線部B2aの幅方向と水平方向に複数の広面積領域構成細線B2cが配列されたストライプ配列と、細線部B2aの幅方向と垂直方向に複数の広面積領域構成細線B2cが配列されたストライプ配列とを組み合わせた配列であってもよい。また、細線部の幅方向と水平方向および垂直方向以外の方向に複数の広面積領域構成細線をストライプ状に配列し、ストライプ配列の一端で各広面積領域構成細線を結合して構成された配列であってもよい。
また、上記の説明においては、複数の広面積領域構成細線の配列がストライプ配列を含む配列である場合、ストライプ配列の一端で各広面積領域構成細線が結合して構成された配列について説明したが、これに限定されず、ストライプ配列における任意の箇所で隣合う広面積領域構成細線同士が結合して構成された配列であってもよい。
複数の広面積領域構成細線の配列がストライプ配列を含む場合、ストライプ配列のピッチ幅としては、機能層形成用塗工液の種類等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、4μm〜400μmの範囲内、なかでも10μm〜200μmの範囲内、特に20μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。上記ストライプ配列のピッチ幅が狭すぎる場合は、隣り合う広面積領域構成細線同士が疎水性領域で接触する可能性があるからである。また、上記ストライプのピッチ幅が広すぎる場合は、広面積領域に所定の機能を付与することが困難となる可能性があるからである。
なお、上記ストライプ配列のピッチ幅とは、隣り合う広面積領域構成細線の中心間の距離をいい、例えば図4(a)等においてx5で示される距離をいう。
複数の広面積領域構成細線の配列がストライプ配列を含む場合、ストライプ配列の間隔としては、機能層形成用塗工液の種類等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、2μm〜200μmの範囲内、なかでも5μm〜100μmの範囲内、特に10μm〜40μmの範囲内であることが好ましい。上記ストライプ配列の間隔が狭すぎる場合は、隣り合う広面積領域構成細線同士が疎水性領域で接触する可能性があるからであり、上記ストライプ配列の間隔が広すぎる場合は、広面積領域に所定の機能を付与することが困難となる可能性があるからである。
なお、上記ストライプ配列の間隔とは、隣り合う広面積領域構成細線間の距離をいい、例えば図4等においてx6で示される距離をいう。
また、複数の広面積領域構成細線の配列としては、広面積領域の外周が広面積領域構成細線により閉鎖された配列、すなわち広面積領域の外周に開口を有さない間隙部を挟んだ配列を挙げることができる。広面積領域の外周に開口を有さない間隙部F2を挟んだ配列としては、例えば図7に示すようにメッシュ状の配列や、図8に示すように、広面積領域B2bの外周に開口を有さない間隙部F2をストライプ状に挟んだ配列を挙げることができる。なお、この場合の広面積領域構成細線の幅、ピッチ幅、および広面積領域構成細線の間隔については、上述したストライプ配列を含む配列と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(その他)
広面積領域内において広面積領域構成細線が形成されている面積(以下、広面積領域構成細線の面積と称して説明する場合がある。)としては、広面積領域の機能を確保することができれば特に限定されず、機能性素子の種類に応じて適宜選択することができる。
本発明において、広面積領域全体の面積に対する広面積領域構成細線の面積の比率としては、0.10〜0.95の範囲内、なかでも0.30〜0.90の範囲内、特に0.40〜0.70の範囲内であることが好ましい。上記広面積領域構成細線の面積の比率が大きすぎる場合は、各広面積領域構成細線の間に配置される間隙部を十分に確保することができず、機能層形成用塗工液を塗布した場合に、隣り合う広面積領域構成細線上に塗布された機能層形成用塗工液が間隙部で接触する可能性があるからである。
なお、上記広面積領域構成細線の面積の比率が小さい場合は、広面積領域の機能を確保するために、機能層の広面積領域上に他の層を形成して補うことができるが、生産性の観点から、上記広面積領域構成細線の面積の比率については単層で形成されるように調整されていることが好ましい。
(ii)細線部
本発明における細線部は、線状に形成され、上述した広面積領域構成細線と結合しているものである。
細線部の具体的な幅については、上述した広面積領域構成細線の幅と同等とすることができるため、ここでの説明は省略する。
細線部の長さ、平面視形状等については、機能性素子の種類に応じて適宜選択される。なお、「細線部の長さ」とは、例えば図4(a)等においてx7で示される距離をいう。
(b)第2親水性領域
本工程に用いられる親疎水パターン基板は、細線部および広面積領域を有する親水性領域を有していればよく、必要に応じて例えば図2(a)および図3(a)に示すように細線部のみを有する第2親水性領域3Bがその表面上に形成されていてもよい。第2親水性領域の幅については、上述した細線部の幅と同等とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(c)疎水性領域
本発明における疎水性領域は、通常、親疎水パターン基板の表面において親水性領域および必要に応じて形成される第2親水性領域以外の領域に形成される。
(d)親疎水パターン基板の構成
本工程に用いられる親疎水パターン基板としては、所望の親水性を有する親水性領域と所望の疎水性を有する疎水性領域とが、所望のパターンで形成された構成を有するものであれば特に限定されるものではない。このような親疎水パターン基板としては、表面が疎水性材料を含む疎水性基板の上記表面に所望のパターンで親水性領域が形成された構成を有するもの(第1態様の親疎水パターン基板)と、表面が親水性を示す親水性基板と、上記親水性基板上に形成され、疎水性を示す疎水層とを有し、当該疎水層がパターン状に除去され、上記親水性基板の表面がパターン状に露出した構成を有するもの(第2態様の親疎水パターン基板)とを挙げることができる。
以下、これらの各態様の親疎水パターン基板について説明する。
(i)第1態様の親疎水パターン基板
第1態様の親疎水パターン基板は、表面が疎水性材料を含む疎水性基板の上記表面に所望のパターンで親水性領域が形成された構成を有するものである。
本態様における疎水性基板としては、少なくともその表面が、所定の親水性処理を行うことにより親水性を付与することが可能な疎水性材料を含むものであればよく、疎水性基板自体が疎水性材料で構成されるものであってもよく、ガラス、SiO、SiN、SiON等の親水性基板上に疎水性材料を含む層が形成されたものであってもよい。
本態様における疎水性材料としては、有機材料であってもよく、あるいは無機材料であってもよい。本態様における疎水性基板に用いられる疎水性材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリジメチルシロキサン等を挙げることができる。本態様においてはこれらの疎水性材料のいずれであっても好適に用いることができる。また本態様においては単一種類の疎水性材料のみが用いられていてもよく、あるいは、複数種類の疎水性材料が用いられていてもよい。
本態様における疎水性基板の厚さとしては、本発明の機能性素子の用途等に応じて、疎水性基板に所望の自己支持性、可撓性等を付与することができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様における疎水性基板の厚さは1μm〜5mmの範囲内であることが好ましく、10μm〜1.5mmの範囲内であることがより好ましく、25μm〜1.0mmの範囲内であることがさらに好ましい。
本態様の親疎水パターン基板の形成方法としては、本態様における疎水性基板にパターン状の親水性領域を形成する方法を挙げることができ、より具体的には、上記疎水性基板の表面をパターン状に親水化処理する方法を挙げることができる。
疎水性基板の表面を親水化処理する方法としては、上記疎水性基板を構成する疎水性材料の種類等に応じて、所望の親水性を備える親水性領域を形成できる処理方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記疎水性基板の表面にフォトマスクを介して、紫外線、電子線あるいはレーザーを照射する方法や、疎水性基板の表面に直接パターン状に、紫外線などの活性放射線を照射する方法等を挙げることがきる。例えば、上記疎水性基板に用いられる疎水性材料が、紫外線等を照射されることにより一部分解しOH基を生じる性質を有するものである場合は、疎水性基板の表面に紫外線をパターン状に照射することによって、表面にOH基が生成されることにより親水化された親水性領域を形成することができる。
(ii)第2態様の親疎水パターン基板
第2態様の親疎水パターン基板は、表面が親水性を示す親水性基板と、上記親水性基板上に形成され、疎水性を示す疎水層とを有し、当該疎水層がパターン状に除去され、上記親水性基板の表面がパターン状に露出した構成を有するものである。
(親水性基板)
第2態様の親疎水パターン基板に用いられる親水性基板を構成する材料(以下、「親水性材料」)としては、所望の親水性を有する親水性基板を作製できるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本態様に用いられる親水性材料は、無機材料であってもよく、あるいは有機材料であってもよい。このような親水性材料としては、例えば、ガラス、SiO、SiN、SiONを挙げることができる。また、親水性材料としては、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン等の疎水性材料を表面に含む疎水性基板に紫外光、電子ビーム、あるいはレーザー等を用いて親水化処理を施したもの等を挙げることができる。本態様においては、これらのいずれの親水性材料からなる親水性基板であっても好適に用いることができるが、なかでも上記疎水性基板を紫外光、電子ビーム、あるいはレーザー等を用いて親水化処理を施したものを用いることが好ましい。
第2態様の親疎水パターン基板に用いられる親水性基板の厚さとしては、本発明の機能性素子の用途等に応じて、親水性基板に所望の自己支持性、可撓性等を付与することができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様に用いられる親水性基板の厚さは1μm〜5mmの範囲内であることが好ましく、10μm〜1.5mmの範囲内であることがより好ましく、25μm〜1.0mmの範囲内であることがさらに好ましい。
(疎水層)
第2態様の親疎水パターン基板に用いられる疎水層は上記疎水性を有するものであれば特に限定されるものではないが、なかでもパターン状に除去することが可能であるものが好ましい。上述したように、疎水層は親水性基板上に形成されるものであるため、疎水層をパターン状に除去することにより親水性基板表面をパターン状に露出させることができ、これをもって親疎水パターン基板とすることができるからである。このような観点からすると、本態様に用いられる疎水層は、自己組織化単分子膜材料からなる自己組織化単分子膜であることが好ましい。上記疎水層が自己組織化単分子膜であることにより、上記疎水層を高精細なパターン状に除去することが容易になるからである。
自己組織化単分子膜材料としては、所望の疎水性を有する自己組織化単分子膜からなる疎水層を形成できるものであれば特に限定されるものではない。このような自己組織化単分子膜材料としては、例えば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、OTS(オクチルトリクロロシラン)、ODTS(オクタデシルトリクロロシラン)、FAS(フッ素化アルキルシラン)、アルキルトリメトキシシシラン、アルキルトリエトキシシラン等を挙げることができる。本態様においてはこれらのいずれの自己組織化単分子膜材料であっても好適に用いることができるが、なかでもHMDS(ヘキサメチルジシラザン)、OTS(オクチルトリクロロシラン)、ODTS(オクタデシルトリクロロシラン)を用いることが好ましい。
疎水層の厚さは特に限定されるものではなく、疎水層を形成するために用いる材料等に応じて、適宜決定することができる。もっとも、第2態様における親水性基板は、上記疎水層をパターン状に除去することによって、親疎水パターン基板を作製することが可能なものであるため、上記疎水層の厚さはパターン状に除去することが容易な程度であることが好ましい。このような観点からすると本態様に用いられる疎水層の厚さは、0.1nm〜1μmの範囲内であることが好ましく、0.1nm〜100nmの範囲内であることがより好ましく、0.1nm〜10nmの範囲内であることがさらに好ましい。
(親疎水パターン基板の形成方法)
本態様の親疎水パターン基板の形成方法としては、例えば、上述の親水性基板を用いる場合、上記疎水層をパターン状に除去して、上記親水性基板の表面をパターン状に露出させる方法を挙げることができる。
また、上記親水性基板を用いる場合において、疎水層をパターン状に除去することにより、親水性基板の表面をパターン状に露出させる方法としては、上記疎水層の構成に応じて、当該疎水層を除去できる方法であれば特に限定されるものではない。もっとも、この方法においては、親水性基板の表面が露出されることによって、親水性領域が形成されるものであるため、疎水層を除去する方法は当該疎水層をほぼ完全に除去できる方法であることが好ましい。このような方法としては、例えば、上記疎水層の表面に、フォトマスクを介して紫外線を照射することにより、上記疎水層を分解除去する方法や、疎水層の表面に紫外線、電子線あるいはプラズマ等の活性放射線をパターン状に照射する方法により、上記疎水層を分解除去する方法等を挙げることがきる。
(その他)
本発明においては、上述した第1態様の親疎水パターン基板および第2態様の親疎水パターン基板のいずれも用いることができるが、第2態様の親疎水パターン基板を用いることがより好ましく、疎水性領域に自己組織化単分子膜からなる疎水層が形成されているものであることが好ましい。自己組織化単分子膜からなる疎水層は紫外線照射等によって用意にパターン状に除去することができるため、高精細な親水性領域および疎水性領域のパターンを有する親疎水パターン基板とすることができるからである。
(2)その他の基板
本工程に用いられる基板としては、上記親疎水パターン基板に限られず、機能性素子の種類に応じて適宜選択することができる。また、基板としては一般的なガラス基板、樹脂基板を用いることができる。また、基板としては、シート状、フィルム状、板状の形態を有するものを用いることができる。
2.機能層形成用塗工液
本工程に用いられる機能層形成用塗工液は、通常、機能層の材料と、溶剤とを含有する。
機能層の材料としては、機能性素子の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。本発明においては、機能層の材料としては、導電性材料であることが好ましい。機能層として導電性を有する導電層を形成することができ、導電層の膜厚ムラを抑制することができることから、細線部における断線、ショート等の電気的な欠陥の発生を抑制することができる。また、導電層における細線部および広面積領域の厚さを均一にすることができることから、良好な導電性を示す導電層とすることができる。
導電性材料としては、例えば、Au、Cu、Ag、ITO、Pt等の金属粒子もしくは金属酸化物粒子、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、PEDOT/PSS等の導電性高分子材料などが挙げられる。
機能層形成用塗工液における溶媒としては、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカヒドロナフタレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
3.機能層の形成方法
本工程に用いられる機能層の形成方法としては、基板上に機能層形成用塗工液を塗布して、細線部と複数の広面積領域構成細線を有する広面積領域とを有する機能層を形成することができれば特に限定されない。例えば、機能層形成用塗工液をパターン状に塗布する方法を挙げることができ、具体的には、インクジェット法、ノズルジェット法等を挙げることができる。
また、基板として上述の親疎水パターン基板を用いる場合は、本工程に用いられる機能層の形成方法としては、親疎水パターン基板の親水性領域上に機能層形成用塗工液を塗布することができれば、特に限定されない。
機能層形成用塗工液を親疎水パターン基板上に塗布する方法としては、上記親疎水パターン基板の親水性領域上に機能層形成用塗工液の塗膜を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。機能層形成用塗工液を塗布する方法としては、上記親疎水パターン基板の全面に対して塗布する方法が用いられることが好ましい。親疎水パターン基板の表面における親水性および疎水性の差を利用して親水性領域に選択的に機能層形成用塗工液を塗布することができることから、簡便な方法で機能層を形成することができるからである。このような塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャピラリーコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビアオフセット印刷等の一般的に公知の塗布方法を用いることができる。また、機能層形成用塗工液を親疎水パターン基板上に塗布する方法としては、上述した機能層形成用塗工液をパターン状に塗布する方法を用いることもできる。
4.機能層
本工程において形成される機能層は、上述した基板上に形成されるものである。また、機能層は、細線部と、複数の広面積領域構成細線で構成される広面積領域とを有するものである。細線部、広面積領域および広面積領域構成細線については、上述した「1.基板 (1)親疎水パターン基板 (a)親水性領域」の項で説明した内容と同様とすることができる。
また、機能層の厚さとしては本発明の機能性素子の種類に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、30nm〜500nm程度で設定することができる。
また、本発明における機能層は、上述した広面積領域を有することにより、機能層における細線部の厚さおよび広面積領域の厚さの差を小さくして、機能層の厚さを均一にすることができる。より具体的には、機能層における細線部の厚さおよび広面積領域の厚さの差の絶対値が、200nm以下であり、なかでも100nm以下であることが好ましく、特に30nm以下であることが好ましい。
機能層における細線部の厚さおよび広面積領域の厚さの差の絶対値が大きいと、例えば機能層における細線部において所定の導電性を示すことが困難となる可能性や、また例えば機能層における広面積領域上に他の層を良好に形成することが困難となる可能性があるからである。
機能層における細線部の厚さ、および広面積領域の厚さについては、例えば株式会社小坂研究所製 サーフコーダーSE4000で測定することができる。
また、機能層における広面積領域の厚さは、広面積領域を構成する複数の広面積領域構成細線の厚さをそれぞれ測定し、得られた測定値を平均することにより得られた平均値とする。
本発明における機能層としては、上述した細線部および広面積領域を有するものであれば特に限定されないが、例えば、図1(b)、(c)、図2(b)、図3(b)に例示するTFT用基板におけるドレイン電極を挙げることができる。機能層が上記ドレイン電極である場合、例えば、線状導電部が細線部に該当し、保持容量部が広面積領域に該当する。
また、機能層としては、例えば図9〜図10に例示するタッチパネルセンサにおける配線層およびセンサ部を挙げることができる。
ここで、図9は本発明により製造される機能性素子の他の例を示す概略平面図であり、図10は図9のX−X線断面図である。図9および図10においては機能性素子10が、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサである例について示している。まず、図9および図10に例示するタッチパネルセンサについて説明する。図9および図10に示すタッチパネルセンサにおいては、絶縁基材11と、絶縁基材11上に形成されたセンサ部23と、配線層24とを有する。センサ部23は、タッチパネルセンサにおけるアクティブエリアに形成され、通常、第1電極21bおよび第2電極22bを有するセンサ電極と、第1電極21b同士を接続する第1導電部21aおよび第2電極22b同士を接続する第2導電部22aを有する導電部とを有する。また、配線層24は、アクティブエリアの外側に形成されセンサ電極と接続された引き出し配線24aと、引き出し配線24aと接続された外部接続端子24bとを有する。また、図9および図10においては、2枚の絶縁基材11上にそれぞれ、第1電極21b、第1導電部21a、第1電極21bと接続された引き出し配線24aおよび外部接続端子24bと、第2電極22b、第2導電部22a、第2電極22bと接続された引き出し配線24aおよび外部接続端子24bとが形成され、2枚の絶縁基材11が絶縁層4を介して貼り合わされている例について示している。
本発明における機能層2が上述の配線層24である場合、絶縁基材11が親疎水パターン基板1aに該当し、引き出し配線24aが細線部2aに該当し、外部接続端子24bが広面積領域2bに該当する。
また、本発明における機能層2が上述のセンサ部23である場合、絶縁基材11が親疎水パターン基板1aに該当し、第1導電部21aおよび第2導電部22aが細線部2aに該当し、第1電極21bおよび第2電極22bが広面積領域2bに該当する。
なお、タッチパネルセンサにおけるセンサ電極、導電部、引き出し配線、外部接続端子等の態様、その他タッチパネルセンサの詳細については、一般的なものと同様とすることができ、例えば、特開2013−210732号公報、特開2013−210733号公報に記載されているものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、機能層としては、例えば、表示パネルにおける配線層を挙げることができる。なお、配線層については、一般的な表示パネルに用いられるものと同様とすることができ、通常、引き出し配線と外部接続端子とを有する。この場合、引き出し配線が細線部に該当し、外部接続端子が広面積領域に該当する。
5.その他
本発明における機能層形成工程は、基板上に機能層を形成することができればよく、例えば、親疎水パターン基板が第2親水性領域を有する場合は、第2親水性領域上に第2機能層を同時に形成することができる。
第2親水性領域上に形成される第2機能層としては、例えば、TFT用基板におけるソース電極、表示パネル用基板における画素電極等を挙げることができる。
II.その他の工程
本発明の機能性素子の製造方法は、上述した機能層形成工程を有していれば特に限定されず、必要に応じて、他の工程を適宜選択して追加することができる。
このような工程としては、例えば、親疎水パターン基板を形成する工程や、機能層上に他の層と形成する工程等を挙げることができる。
III.機能性素子
本発明により製造される機能性素子としては、上述した機能層を有するものであれば特に限定されず、例えば、TFT用基板、タッチパネルセンサ、表示パネル用基板等を挙げることができる。また、タッチパネルセンサが図9および図10に示すように2枚の絶縁基材を有する場合は、各導電部およびセンサ電極が形成された絶縁基材を有するタッチパネル用部材についても機能性素子とすることができる。
B.TFT用基板の製造方法
本発明のTFT用基板の製造方法は、上述した「A.機能性素子の製造方法」において、上記機能層が導電性を有する導電層であり、上記導電層が、TFTの構成の一部であることを特徴とする製造方法である。
すなわち、本発明のTFT用基板の製造方法は、基板上に導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布して導電性を有する導電層を形成する導電層形成工程を有する製造方法であって、上記導電層は、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることを特徴とする製造方法である。
本発明のTFT用基板の製造方法について図を用いて説明する。図1(a)〜(c)、図2(a)〜(b)および図3(a)〜(b)は本発明のTFT用基板の製造方法の一例および他の例を示す概略平面図および概略断面図である。なお、図1(a)〜(c)、図2(a)〜(b)および図3(a)〜(b)の詳細については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、広面積領域は、細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることにより、基板上に均一な厚さの導電層を形成することができる。よって、導電層の膜厚ムラを抑制して導電層を形成することができる。
すなわち、本発明においては薄膜トランジスタの構成の一部である導電層を膜厚ムラを抑制して形成することができる。
本発明における導電層形成工程に用いられる基板、導電層形成用塗工液に用いられる導電性材料および溶剤、塗布方法、および導電層については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.機能性素子
本発明の機能性素子は、基板と、上記基板上に形成された機能層と、を有するものであって、上記機能層が、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることを特徴とするものである。
本発明の機能性素子について図を用いて説明する。図1(b)、(c)、図2(b)および図3(b)、ならびに図9および図10は本発明の機能性素子の一例および他の例を示す概略平面図および断面図である。なお、これらの図の詳細については、「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上述の広面積領域を有することにより、均一な厚さの機能層を形成することができるため、機能層の膜厚ムラが抑制された機能性素子とすることができる。
機能層における細線部、広面積領域および広面積領域構成細線については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した親水性領域における細線部、広面積領域および広面積領域構成細線と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明の機能性素子の構成については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
D.TFT用基板
本発明のTFT用基板は、上述した「C.機能性素子」において、上記機能層が、導電性を有する導電層であり、上記導電層が、TFTの構成の一部であることを特徴とするものである。
すなわち、本発明のTFT用基板は、基板と、上記基板上に形成された導電性を有する導電層と、を有するものであって、上記導電層が、線状の細線部と、上記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、上記広面積領域は、上記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、上記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ上記細線部とも結合していることを特徴とするものである。
本発明のTFT用基板について図を用いて説明する。
図1(b)、(c)、図2(b)および図3(b)は本発明のTFT用基板の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、これらの図の詳細については、「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上述の広面積領域を有することにより、均一な厚さの導電層を形成することができるため、導電層の膜厚ムラが抑制された薄膜トランジスタ用基板とすることができる。
すなわち、本発明においては、導電層を膜厚ムラが抑制されたものとすることができ、薄膜トランジスタの構成の一部として好適に用いることができる。
導電層における細線部、広面積領域および広面積領域構成細線については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した親水性領域における細線部、広面積領域および広面積領域構成細線と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明のTFT用基板の構成については、上述した「A.機能性素子の製造方法」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の機能性素子の詳細について説明する。
[実施例1]
(メタルマスクの作製)
図2に例示されるソースドレイン電極の平面視形状に対応する開口部を有するメタルマスクを作製した。上記メタルマスクの開口部においては、図2(a)のドレイン電極のB2aに対応する線幅を20μm、B2cに対応する線幅を20μmとした。また、メタルマスクのドレイン電極に対応する開口部の平面視形状の詳細については、後述するドレイン電極の平面視形状と同様とした。
(親疎水パターン基板の作製)
スチレンポリマー(和光純薬)をプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート(関東化学 鹿特級)に濃度5wt%で溶解させてスチレンポリマー溶液を得た。上記スチレンポリマー溶液をガラス基板上にスピンコーター(Mikasa MS-A100)で塗布し、120℃のホットプレート(アズワン ND−1)で加熱し、ガラス基板上にポリスチレン膜を形成した。このポリスチレン膜の表面の純水接触角を協和界面科学 DM−901を用いて測定したところ、25℃において85°±2°であった。
次いで、上記ガラス基板の上記ポリスチレン膜が形成された表面(ポリスチレン表面)に上記メタルマスクを固定した状態でUVオゾン処理(Filgen UV253)することで、メタルマスクの開口部のみにUVを透過させて、ポリスチレン表面を親水化させた。
以上の手順により、ポリスチレン表面に親水性領域および疎水性領域を有する親疎水パターン基板を作製した。親水化されたポリスチレン表面の純水接触角を測定したところ、27°±3°であった。
(TFT用基板の作製)
上記親疎水パターン基板のポリスチレン表面にナノAgコロイド(Sigma-Aldrich 730785)をバーコート(小林製作所 M50)で塗布し、親水疎水効果によってAg層のパターン形成を行った。この基板を150℃のホットプレートで1時間焼成した。
以上の手順により、図2に例示される平面視形状のソースドレイン電極を有するTFT用基板を作製した。
得られたTFT用基板のドレイン電極においては、図4(a)中、x1に相当する距離が20μm、x2に相当する距離が300μm、x3に相当する距離が300μm、x4に相当する距離が20μm、x5に相当する距離が40μm、x6に相当する距離が20μm、x7に相当する距離が180μmであった。
また、ドレイン電極(Ag層)の厚さを小坂研究所製 サーフコーダーSE4000で測定したところ、細線部(図3(b)中、2a)の厚さが140nm±12nmに対して広面積領域(図3(b)中、2b)の厚さ(複数の広面積領域構成細線(図3(b)中、2c)の厚さの平均)は150nm±4nmであり、両者の厚さの差は、10nmであった。
[実施例2]
下記のメタルマスクを作製して用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTFT用基板を作製した。
メタルマスクにおいて、図2(a)のB2aに対応する線幅を20μm、B2cに対応する線幅を10μmとした。また、メタルマスクのドレイン電極に対応する開口部の平面視形状の詳細については、後述するドレイン電極の形状と同様とした。
得られたTFT用基板のドレイン電極においては、図4(a)中、x1に相当する距離が20μm、x2に相当する距離が150μm、x3に相当する距離が150μm、x4に相当する距離が10μm、x5に相当する距離が20μm、x6に相当する距離が10μm、x7に相当する距離が110μmであった。
また、得られたドレイン電極の厚さを実施例1と同様の測定方法で測定したところ、細線部(図3(b)中、2a)の厚さが140nm±12nmに対して広面積領域(図3(b)中、2b)の厚さ(複数の広面積領域構成細線(図3(b)中、2c)の厚さの平均)は270nm±15nmであり、両者の厚さの差は、130nmであった。
[実施例3]
下記のメタルマスクを作製して用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTFT用基板を作製した。
メタルマスクにおいて、図2(a)のB2aに対応する線幅を20μm、B2cに対応する線幅を40μmとした。また、メタルマスクのドレイン電極に対応する開口部の平面視形状の詳細については、後述するドレイン電極の形状と同様とした。
得られたTFT用基板のドレイン電極においては、図4(a)中、x1に相当する距離が20μm、x2に相当する距離が440μm、x3に相当する距離が440μm、x4に相当する距離が40μm、x5に相当する距離が60μm、x6に相当する距離が20μm、x7に相当する距離が340μmであった。
また、得られたドレイン電極の厚さを実施例1と同様の測定方法で測定したところ、細線部(図3(b)中、2a)の厚さが140nm±12nmに対して広面積領域(図3(b)中、2b)の厚さ(複数の広面積領域構成細線(図3(b)中、2c)の厚さの平均)は60nm±3nmであり、両者の厚さの差は、80nmであった。
[比較例1]
(親疎水パターン基板の作製)
広面積領域構成細線を含まないソースドレイン電極の平面視形状(図21)に対応する開口部を有するメタルマスクを作製して用いたこと以外は、実施例1と同様にしてTFT用基板を作製した。
メタルマスクのドレイン電極に対応する開口部の平面視形状の詳細については、後述するドレイン電極の形状と同様とした。
また、得られたTFT用基板のドレイン電極においては、細線部の幅、細線部の長さ、細線部の幅方向と垂直方向における広面積領域の平面視外形形状の幅、細線部の幅方向と水平方向における広面積領域の平面視外形形状の幅については、実施例1と同様であった。
ドレイン電極(Ag層)の膜厚を実施例1と同様にして測定したところ、細線部(図15(c)中、2’a)の厚さが70nm±10nmに対して広面積領域(図15(c)中、2’b)の厚さは2.1μm±0.1μmとなり、広面積領域の厚さは細線部の厚さに対しての20倍以上の厚さとなった。
[実施例4]
実施例1と同様の方法で親疎水パターン基板を作製した。
親疎水パターン基板のポリスチレン表面にナノAgコロイド(Sigma-Aldrich 730785)をインクジェット装置(Fujifilm社製、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP-3000)を用いて塗布し親水疎水効果によってAg層のパターン形成を行った。この基板を150℃のホットプレートで1時間焼成した。以上の手順によりTFT用基板を作製した。
得られたTFT用基板のドレイン電極における図4(a)中、x1〜x7に相当する距離は、実施例1におけるx1〜x7に相当する距離と同様であった。
ドレイン電極(Ag層)の膜厚を実施例1と同様にして測定したところ、細線部(図3(b)中、2a)の厚さが140nm±5nmに対して広面積領域(図3(b)中、2b)の厚さ(複数の広面積領域構成細線(図3(b)中、2c)の厚さの平均)は150nm±10nmであり、両者の厚さの差は、10nmであった。
[実施例5]
メタルマスクのドレイン電極に対応する開口の形状、およびドレイン電極の形状を、図8に示す形状としたこと以外は、実施例4と同様にしてTFT用基板を作製した。
メタルマスクのドレイン電極に対応する開口部の平面視形状の詳細については、後述するドレイン電極の形状と同様とした。
得られたTFT用基板のドレイン電極においては、図8中、x1〜x7に相当する距離は、実施例1におけるx1〜x7に相当する距離と同様であった。
ドレイン電極(Ag層)の膜厚を実施例1と同様にして測定したところ、細線部(図3(b)中、2a)の厚さが140nm±5nmに対して広面積領域(図3(b)中、2b)の厚さ(複数の広面積領域構成細線(図3(b)中、2c)の厚さの平均)は146nm±5nmであり、両者の厚さの差は、6nmであった。
[比較例2]
親疎水パターン基板のポリスチレン表面にナノAgコロイド(Sigma-Aldrich 730785)をインクジェット装置(Fujifilm社製、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP-3000)を用いて塗布したこと以外は、比較例1と同様の方法によりTFT用基板を作製した。
ドレイン電極(Ag層)の膜厚を実施例1と同様にして測定したところ、細線部(図15(c)中、2’a)の厚さが90nm±15nmに対して広面積領域(図15(c)中、2’b)の厚さは2.0μm±100nmとなり、広面積領域の厚さは細線部の厚さに対しての20倍以上の厚さとなった。
下記の表1に、実施例1〜5、比較例1〜2のTFT用基板におけるドレイン電極の形態等を示す。なお、表1中の比較例1〜2における厚み差において「20倍以上」は細線部の厚さに対して広面積領域の厚さが20倍以上の厚さとなったことを示すものである。
Figure 0005987933
[評価]
(TFT特性)
実施例1〜実施例5、および比較例1〜2のTFT用基板を用いて下記の手順によりTFTを作製し、TFT特性を測定した。
実施例1〜実施例5、および比較例1〜2のTFT用基板のソースドレイン電極のチャネル部に有機半導体溶液(Sigma-Aldrich Plexcore OS2100)をスピンコートし、有機半導体層を形成した。その表面にポリスチレンの溶液を上述のように成膜することでゲート絶縁層を形成し、さらにゲート電極としてAlを真空蒸着し、トップゲート型の薄膜トランジスタを形成した。また、同じ基板に20個の薄膜トランジスタが配置する状態となった。
これらのトランジスタ特性を測定した結果、実施例1〜5においては、20個のうち全てが正常に動作し、移動度はいずれも0.01cm/Vs±0.004cm/Vsの範囲を示した。
一方、比較例1においては、トランジスタ特性の測定をした結果、20個の薄膜トランジスタの内、動作したのは3個のみであった。
また、比較例2においても、トランジスタ特性の測定をしたところ、動作しないものが含まれていた。
これは細線部の厚さ不足によって導通ができず半導体に電荷を注入できないことが原因であった。この結果から細線部と広面積領域を親水疎水効果で同時に形成することの困難さが明確に示された。
[実施例6]
実施例1と同様にして、ガラス基板上にポリスチレン膜を形成した。上記ポリスチレン膜の表面に、親疎水パターンの形成をせずに、ナノAgコロイド(Sigma-Aldrich 730785)をインクジェット装置(Fujifilm社製、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP-3000)で実施例1と同じ電極パターン状に塗布し、150℃のホットプレートで1時間焼成した。
得られたドレイン電極(Ag層)の厚さを実施例1と同様にして測定したところ、細線部(図1(b)中、2a)の厚さが140nm±12nmに対して広面積領域(図1(b)中、2b)の厚さ(複数の広面積領域構成細線(図1(b)中、2c)の厚さの平均)は150nm±4nmであり、両者の厚さの差は、10nmであった。
[比較例4]
実施例1と同様にして、ガラス基板上にポリスチレン膜を形成した。上記ポリスチレン膜の表面に、親疎水パターンの形成をせずに、ナノAgコロイド(Sigma-Aldrich 730785)をインクジェット装置(Fujifilm社製、ダイマティックス・マテリアルプリンターDMP-3000)で比較例1と同じ電極パターン状に塗布し、150℃のホットプレートで1時間焼成した。
得られたドレイン電極(Ag層)の膜厚を実施例1と同様にして測定したところ、細線部(図14中、2’a)の厚さが60nm±10nmに対して広面積領域(図14中、2’b)の厚さは2.5μm±0.1μmとなり、広面積領域の厚さは細線部の厚さに対しての40倍以上の厚さとなった。
1 … 基板
1a … 親疎水パターン基板
2 … 機能層
2a … 細線部
2b … 広面積領域
2c … 広面積領域構成細線
10 … 機能性素子
A … 疎水性領域
B … 親水性領域
2a … 細線部
2b … 広面積領域
2c … 広面積領域構成細線

Claims (4)

  1. 基板上に機能層形成用塗工液を塗布して機能層を形成する機能層形成工程を有する機能性素子の製造方法であって、
    前記機能層は、線状の細線部と、前記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、
    前記広面積領域は、前記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、
    前記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ前記細線部とも結合しており、
    前記複数の広面積領域構成細線の配列は、前記広面積領域の外周に開口を有する間隙部を挟む配列であることを特徴とする機能性素子の製造方法。
  2. 前記基板が、疎水性領域と親水性領域とが表面に形成された親疎水パターン基板であり、
    前記親水性領域は、線状の細線部と、前記細線部の幅より幅広の領域である広面積領域とを有し、
    前記広面積領域は、前記細線部の幅と同等の幅を有する複数の広面積領域構成細線により構成され、
    前記複数の広面積領域構成細線は、それぞれが連結し、かつ前記細線部とも結合していることを特徴とする請求項1に記載の機能性素子の製造方法。
  3. 前記機能層形成工程は、導電性材料を含む導電層形成用塗工液を塗布して導電性を有する導電層を形成する工程であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能性素子の製造方法。
  4. 前記導電層が、薄膜トランジスタの構成の一部であることを特徴とする請求項3に記載の機能性素子の製造方法。
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