JP5987697B2 - 尿素水添加装置の制御装置 - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
図2に示す排気浄化装置10は、例えば車両に搭載されている内燃機関11から排出される排気に尿素水を添加し、排気に含まれるNOxを還元するSCRシステムを構成している。内燃機関11から排出される排気は、排気管部材12が形成する排気通路13を経由して大気に放出される。内燃機関11は、例えばディーゼルエンジンである。なお、排気浄化装置10は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンやガスタービンエンジンなどに適用してもよい。また、排気浄化装置10は、車載の内燃機関11に限らず、例えば発電ユニットなどの据置型の内燃機関11に適用してもよい。
排気浄化装置10は、上記に加えて尿素水噴射弁としてのインジェクタ20を備えている。尿素水配管部16は、尿素水ポンプ15と反対側の端部がインジェクタ20に接続している。尿素水ポンプ15から吐出された尿素水は、尿素水通路18を経由してインジェクタ20に供給される。インジェクタ20は、排気管部材12に設けられている。インジェクタ20は、この排気管部材12を貫いて、先端が排気通路13に露出している。インジェクタ20に供給された尿素水は、排気通路13を流れる排気へ噴射される。内燃機関11から排出された排気とインジェクタ20から噴射された尿素水とは、排気通路13において混合され、還元触媒17へ流入する。排気に含まれるNOxは、還元触媒17において尿素水に含まれる尿素と反応することにより還元される。
制御ユニット31は、内燃機関11の運転中において所定の時期になると、図5に示す処理を実行する。制御ユニット31は、例えば10msごとに処理を実行する。処理が開始されると、融点推定部41は、尿素水の温度Tuを取得する(S101)。融点推定部41は、尿素水タンク14に貯えられている尿素水の温度Tuを温度センサ34から取得する。また、融点推定部41は、尿素水の温度Tuだけでなく、尿素水の濃度Cuを取得する(S102)。融点推定部41は、尿素水タンク14に貯えられている尿素水の濃度Cuを濃度センサ32から取得する。
第2実施形態による制御ユニット31による処理を図9〜図11に基づいて説明する。
第2実施形態による制御ユニット31は、その構成が第1実施形態と共通し、処理の流れが第1実施形態と相違する。第2実施形態の場合、制御ユニット31を構成するRAMは特許請求の範囲の一時記憶手段に相当し、不揮発性メモリで構成されている記憶部45は不揮発性記憶手段に相当する。制御ユニット31のRAMは、濃度センサ32で取得した尿素水の濃度を一時的に記憶する。これに対し、記憶部45は、RAMに記憶されている尿素水の濃度を取得して不揮発的に保持する。
制御ユニット31は、図示しないバッテリなどの電源から電力が供給されている。尿素水添加装置30を車両に搭載する場合、制御ユニット31は、例えば車両のイグニッションスイッチなどのスイッチをオンまたはオフすることにより、電源と接続または遮断される。図9に示すように制御ユニット31は、電源からの電力の供給が停止されたか、すなわち電源がオフになったか否かを判断する(S201)。制御ユニット31は、電源から制御ユニット31への電力の供給が遮断されると(S201:Yes)、制御ユニット31のRAMに記憶していた尿素水の濃度Cuxを記憶部45へ保存する(S202)。すなわち、記憶部45は、制御ユニット31がオフされると、RAMに記憶されている尿素水の濃度Cuxを取得して不揮発的に保存する。制御ユニット31へ電力が供給されているとき、制御ユニット31は定期的に尿素水の濃度Cuを取得する。そして、取得した尿素水の濃度Cuは、取得するごとに更新された濃度CuxとしてRAMに一時的に保存される。したがって、RAMに一時的に記憶されている尿素水の濃度Cuxは最新の濃度である。これにより、記憶部45に保存される尿素水の濃度Cuxは、制御ユニット31への電力の供給が遮断される直前に取得した尿素水の濃度に対応する。
一方、制御ユニット31は、電源から電力の供給が開始されると、記憶部45に保存されている尿素水の濃度Cuxを取得してRAMに保存する。図10に示すように制御ユニット31は、電源からの電力の供給が開始されたか、すなわち電源がオンになったか否かを判断する(S301)。制御ユニット31は、電源から制御ユニット31へ電力が供給されると(S301:Yes)、電源が遮断される直前に取得され記憶部45に保存された尿素水の濃度Cuxを記憶部45から取得する(S302)。そして、制御ユニット31は、この記憶部45に保存されていた尿素水の濃度Cuxを用いて凍結判定温度Dtを設定する。
制御ユニット31は、内燃機関11の運転中に第1実施形態と同様に図11に示す処理を定期的に実行する。第1実施形態と共通の処理は詳細な説明を省略する。処理が開始されると、融点推定部41は、尿素水の温度Tuを取得する(S401)。また、融点推定部41は、尿素水の濃度Cuxを取得する(S402)。ここで、第2実施形態の場合、融点推定部41は、図10に示す処理により制御ユニット31の電源がオンされたときに記憶部45から読み出された尿素水の濃度Cuxを取得する。
第3実施形態による尿素水添加装置による処理を図12に基づいて説明する。
第3実施形態は、第2実施形態による処理の変形である。そのため、第3実施形態の場合、制御ユニット31は、図9および図10に示す尿素水の濃度Cuの保存および読み出し処理も実行する。
第4実施形態による制御ユニット31を図13に示す。
第4実施形態による制御ユニット31は、故障判定部46を備えている。故障判定部46は、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせによって実現されている。故障判定部46は、濃度センサ32の故障の有無を判定する。具体的には、故障判定部46は、濃度センサ32から出力される電気信号に基づいて濃度センサ32の故障の有無を判定する。濃度センサ32は、尿素水タンク14における尿素水の濃度を検出する。そのため、濃度センサ32は、尿素水の濃度として想定される値、つまり理想的な濃度である32.5質量%に近い値に対応する電気信号を出力する。したがって、この値から大きく外れる電気信号を濃度センサ32が出力するとき、故障判定部46は濃度センサ32が故障していると判定する。温度設定部42は、故障判定部46において濃度センサ32が故障であると判定されたとき、予め設定された判定温度を凍結判定温度Dtに設定する。温度設定部42は、図3および図4に示すように尿素水の濃度と凍結判定温度とが関連づけられているとき、凍結判定温度として想定される最も高い温度を判定温度に設定する。図4に示す例の場合、温度設定部42は最も高い「−3.5℃」を判定温度と設定する。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
Claims (6)
- 排気通路(13)を流れる排気に噴射する尿素水を貯える尿素水タンク(14)と、
前記尿素水タンク(14)に貯えられている尿素水の濃度を検出する濃度検出手段(32)と、を備える尿素水添加装置(30)の制御装置(31)であって、
前記濃度検出手段(32)で検出した尿素水の濃度から尿素水の融点を推定する融点推定手段(41)と、
前記融点推定手段(41)で推定した融点を、前記尿素水が凍結しているか融解しているかを判断する凍結判定温度に設定する温度設定手段(42)と、
前記温度設定手段(42)で設定した前記凍結判定温度に基づいて前記尿素水が凍結しているか否かを判断する判断手段(43)と、
前記濃度検出手段(32)で検出した尿素水の濃度を一時的に記憶する一時記憶手段(31)と、
電源がオフされると、前記一時記憶手段(31)に記憶した尿素水の濃度を取得して保持する不揮発性記憶手段(45)と、を備え、
前記温度設定手段(42)は、電源がオンされると、前記不揮発性記憶手段(45)に記憶された尿素水の濃度に基づいて前記凍結判定温度を設定するとともに、
前記温度設定手段(42)は、前記融点推定手段(41)で尿素水の濃度に基づいて推定した融点と、前記不揮発性記憶手段(45)に記憶された尿素水の濃度に基づいて推定した融点とが異なるとき、温度が高い方を前記凍結判定温度に設定する尿素水添加装置の制御装置。 - 前記濃度検出手段(32)の故障を判定する故障判定手段(46)をさらに備え、
前記温度設定手段(42)は、前記故障判定手段(46)で前記濃度検出手段(32)が故障であると判定されると、予め設定された判定温度を、前記凍結判定温度に設定する請求項1記載の尿素水添加装置の制御装置。 - 前記温度設定手段(42)は、推定された融点または前記判定温度のうち、最も高いものを前記凍結判定温度に設定する請求項2記載の尿素水添加装置の制御装置。
- 排気通路(13)を流れる排気に噴射する尿素水を貯える尿素水タンク(14)と、
前記尿素水タンク(14)に貯えられている尿素水の濃度を検出する濃度検出手段(32)と、を備える尿素水添加装置(30)の制御装置(31)であって、
前記濃度検出手段(32)で検出した尿素水の濃度から尿素水の融点を推定する融点推定手段(41)と、
前記融点推定手段(41)で推定した融点を、前記尿素水が凍結しているか融解しているかを判断する凍結判定温度に設定する温度設定手段(42)と、
前記温度設定手段(42)で設定した前記凍結判定温度に基づいて前記尿素水が凍結しているか否かを判断する判断手段(43)と、
前記濃度検出手段(32)の故障を判定する故障判定手段(46)と、備え、
前記温度設定手段(42)は、前記故障判定手段(46)で前記濃度検出手段(32)が故障であると判定されると、予め設定された判定温度を、前記凍結判定温度に設定するとともに、
前記温度設定手段(42)は、推定された融点または前記判定温度のうち、最も高いものを前記凍結判定温度に設定する尿素水添加装置の制御装置。 - 前記濃度検出手段(32)で検出した尿素水の濃度を一時的に記憶する一時記憶手段(31)と、
電源がオフされると、前記一時記憶手段(31)に記憶した尿素水の濃度を取得して保持する不揮発性記憶手段(45)と、をさらに備え、
前記温度設定手段(42)は、電源がオンされると、前記不揮発性記憶手段(45)に記憶された尿素水の濃度に基づいて前記凍結判定温度を設定する請求項4記載の尿素水添加装置の制御装置。 - 前記尿素水タンク(14)に貯えられている尿素水を加熱するヒータ(33)と、
前記尿素水タンク(14)に貯えられている尿素水の温度を検出する温度センサ(34)と、をさらに備える尿素水添加装置(30)の制御装置(31)であって、
前記判断手段(43)で前記尿素水の温度が前記凍結判定温度未満であると判断されると前記ヒータ(33)へ通電し、前記判断手段(43)で前記尿素水の温度が前記凍結判定温度以上と判断されると前記ヒータ(33)への通電を停止するヒータ制御手段(44)を備える請求項1から5のいずれか一項記載の尿素水添加装置の制御装置。
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