JP6108534B2 - 排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法 - Google Patents

排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法に関する。特に、尿素水溶液の固化に起因した還元剤噴射弁や還元剤供給経路の詰まりや破損等の発生を回避し得る排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法に関する。
従来、車両に搭載される内燃機関の排気ガス中には、窒素酸化物(以下、「NO」と称する。)や微粒子状物質(以下、「PM」と称することがある。)が含まれている。このうち、NOを還元して排気ガスを浄化するための装置として尿素SCRシステムがある。尿素SCRシステムは、圧送ポンプによって貯蔵タンク内から汲み上げた還元剤としての尿素水溶液を還元剤噴射弁から排気管内に供給するための還元剤供給装置と、アンモニアを吸着可能な排気浄化触媒の一種であるSCR触媒とを備えて構成される。斯かる尿素SCRシステムでは、尿素水溶液の分解により生成されるアンモニアをSCR触媒に吸着させ、排気ガス中のNOをSCR触媒中でアンモニアと反応させて、排気ガスを浄化する。
一方、PMを捕集して排気ガスを浄化するための装置としてディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPF」と称する。)がある。DPFは、内燃機関の排気管に配設され、排気ガスが当該DPFを通過する際に排気ガス中のPMを捕集する。DPFを備えた排気浄化システムでは、DPFの目詰まりを防止するために、DPFの温度を500℃乃至600℃程度に上昇させてDPFに堆積したPMを強制的に燃焼させる強制再生制御が適時に行われる。
近年、排気ガスの浄化基準が高められていることに伴い、DPF及びSCR触媒の両方を備えた排気浄化システムが増えてきている。
尿素SCRシステムにおいては、通常、内燃機関が停止した際に還元剤供給経路に残存する尿素水溶液を回収するように構成されている。これにより、尿素水溶液が還元剤供給経路に残存したまま凍結し、還元剤供給経路に詰まりや破損等が発生するのを回避しようとするものである。
しかし、還元剤供給装置においては、その構造上、還元剤即ち尿素水溶液を完全には回収できないのが通常である。
そのため、還元剤供給経路、特に還元剤噴射弁内に残存した尿素水溶液が内燃機関の停止後に加熱されて濃縮されることにより固化温度が上昇し、その後に冷却される過程で尿素水溶液が固化してしまい、その結果、排気浄化システムにおいては、内燃機関の始動時に、尿素水溶液の供給が阻害され、排気浄化効率が低下してしまうという問題が発生し得る。
この問題を解決するために、従来の排気浄化システムのなかには、還元剤噴射弁の周囲に配設した電気ヒータ(例えば、特許文献1を参照)や、加熱されたエンジン用冷却水を流通させるために還元剤供給経路に沿って配設した冷却水ライン(例えば、特許文献2を参照)を用いて、還元剤噴射弁内に残存して固化した尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御を行うことにより、上記問題を回避しようとするものがある。
特開2011−74889号公報 特開2012−7511号公報
しかしながら、電気ヒータや冷却水ラインを備えた上記従来の排気浄化システムにおいては、還元剤噴射弁内で固化した残存尿素水溶液を加熱し溶解する解凍制御実施の際に、内燃機関の出力上昇やDPFの強制再生制御に起因するさらなる温度上昇が還元剤噴射弁に発生した場合、残存尿素水溶液が過剰に加熱されてさらに濃縮され、当該残存尿素水溶液の固化温度がさらに上昇して固化し易くなり、残存尿素水溶液の固化による上記問題がさらに発生し易くなるという問題があった。
具体的に説明すると、排気浄化システムでは、内燃機関の停止時に、還元剤供給装置の還元剤供給経路に充填されていた尿素水溶液を貯蔵タンクに回収するパージ処理が一般に行われるものの、貯蔵タンク及び還元剤噴射弁を接続する還元剤通路等の構造上、還元剤供給経路内に充填された尿素水溶液を、通常は、完全には貯蔵タンクに回収し切ることができない。
一方、内燃機関の停止とともに還元剤噴射弁の放熱機能である冷却水の循環等は停止するため、特に還元剤噴射弁の温度は上昇する。そうすると、上述の還元剤噴射弁内に残存した尿素水溶液中の水分が気化により蒸発し、その濃度は上昇する。その後、排気管や周囲の温度が低下するにつれて、尿素水溶液の温度は低下するが、通常の濃度に比べ高い濃度となっているため、固化する温度は上昇しており、残存尿素水溶液が固化して還元剤噴射弁に詰まりが発生する場合がある。
図5は、尿素水溶液の濃度と固化温度T0との関係を表したグラフである。
還元剤供給装置において使用される還元剤としての尿素水溶液の濃度は、通常、固化温度が最も低い約−11℃となる約32.5%に調整されている。
図5のグラフに示されるように、尿素水溶液の固化温度は、尿素水溶液の濃度が約32.5%のときに最低の約−11℃であり、尿素水溶液の濃度が約32.5%より高くなっても低くなっても、尿素水溶液の固化温度は上昇する特性を有している。
従って、高温により水分が蒸発して濃度が高くなった還元剤噴射弁内の残存尿素水溶液は、その後に温度が低下した時に固化し易く、内燃機関の再始動時において還元剤噴射弁の噴射が阻害され、最悪の場合、還元剤噴射弁の破損等が発生する可能性がある。
そこで、前述した電気ヒータや冷却水ラインを備えた従来の排気浄化システムは、還元剤供給経路、特に還元剤噴射弁内に残存して固化した尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御を行うことにより、上記問題を回避しようとしている。
しかしながら、これら従来の排気浄化システムにおいては、解凍制御の実施に際して、解凍制御のための加熱手段単独での加熱しか考慮していないため、解凍制御実施の際に、内燃機関の出力上昇やDPFの強制再生制御に起因するさらなる温度上昇が還元剤噴射弁に発生する場合があり、そのような過剰な加熱を抑制するための対策が何等講じられていない。
解凍制御のための加熱手段以外の要因によって過熱された残存尿素水溶液はさらに濃縮され、当該残存尿素水溶液の固化温度がさらに上昇して固化し易くなり、残存尿素水溶液の固化による上記問題がさらに発生し易くなるという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、還元剤噴射弁を含む還元剤供給経路に残存して固化した尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御実施の際に、過熱を発生させ得る要因を抑制することにより、上記問題を解決するものである。
即ち、本発明の目的は、解凍制御実施の際における残存尿素水溶液の過熱による固化温度のさらなる上昇を回避することが可能であり、その結果として、解凍制御終了後の尿素水溶液の固化に起因した還元剤噴射弁や還元剤供給経路の詰まりや破損等の発生を回避し、排気浄化効率の低下を防止し得る排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法を提供することである。
本発明の一態様に係る排気浄化システムは、
内燃機関の排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタと、還元剤としての尿素水溶液を貯蔵タンクから還元剤噴射弁へ供給することにより前記排気ガス中に噴射して供給すると共に前記内燃機関を停止する際には供給経路内の前記尿素水溶液を前記貯蔵タンクへ回収する還元剤供給装置と、前記尿素水溶液を用いて前記排気ガス中のNOを浄化するSCR触媒と、を排気上流側から順次に備えた排気浄化システムにおいて、
前記還元剤噴射弁内に残存して固化した前記尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御の開始を検出する噴射弁動作検出部と、
前記還元剤噴射弁の噴射弁温度を検出する温度検出部と、
前記解凍制御の開始の検出後に、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の固化条件が成立するか否かを判定する条件成立判定部と、
前記判定の結果に基づいて前記内燃機関の出力を制限する制御又は制限しない制御を実施する内燃機関出力制限部と、
を有する制御装置を備えることを特徴とし、当該構成を備えることにより、上記課題を解決することができる。
また、本発明の一態様に係る排気浄化システムの制御方法は、
内燃機関の排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタと、還元剤としての尿素水溶液を貯蔵タンクから還元剤噴射弁へ供給することにより前記排気ガス中に噴射して供給すると共に前記内燃機関を停止する際には供給経路内の前記尿素水溶液を前記貯蔵タンクへ回収する還元剤供給装置と、前記尿素水溶液を用いて前記排気ガス中のNOを浄化するSCR触媒と、を排気上流側から順次に備えた排気浄化システムの制御方法において、
前記還元剤噴射弁内に残存して固化した前記尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御の開始を検出する過程と、
前記還元剤噴射弁の噴射弁温度を検出する過程と、
前記解凍制御の開始の検出後に、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の固化条件が成立するか否かを判定する過程と、
前記判定の結果に基づいて前記内燃機関の出力を制限する制御又は制限しない制御を実施する過程と、
を有することを特徴とし、当該構成を備えることにより、上記課題を解決することができる。
即ち、本発明の一態様に係る排気浄化システム及びその制御方法は、上記各構成を備えることにより、解凍制御実施中における残存尿素水溶液の過熱による固化温度のさらなる上昇を回避することが可能であり、その結果、残存尿素水溶液の解凍制御終了後の固化に起因した還元剤噴射弁や還元剤供給経路の詰まりや破損等の発生を回避し、排気浄化効率の低下を防止し得る排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法を提供することができる。
本発明の一態様に係る排気浄化システム及びその制御方法の上記各構成において、前記還元剤噴射弁内の前記尿素水溶液が前記解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否かを前記噴射弁温度に基づいて判定するものとするとよい。
前記判定は、前記噴射弁温度が所定の閾値に到達したか否かを判定するものとするとよい。その場合、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度の上昇を算定し、前記尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があると判定される際の当該噴射弁温度として、前記所定の閾値は、決定されるものとするとよい。又は、前記噴射弁温度の温度勾配に基づいて又は前記噴射弁温度と前記温度勾配及び外気温度のうちの少なくとも一方とに基づいて前記尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度の上昇を算定し、前記尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があると判定される際の当該噴射弁温度として、前記所定の閾値は、決定されるものとしてもよい。
前記解凍制御の開始の検出後、前記噴射弁温度が最高到達温度に到達するまでの間、前記噴射弁温度が到達すると推定される最高到達温度を前記噴射弁温度として用いるものとしてもよい。
前記解凍制御の開始の代わりに、前記還元剤噴射弁の無噴射状態を検出し、前記還元剤噴射弁の無噴射状態の検出後に、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の固化条件が成立するか否かを判定するものとしてもよい。
本発明の実施の一形態に係る排気浄化システムの全体構成図である。 本発明の実施の一形態に係る排気浄化システムに備えられる制御装置のブロック図である。 本発明の実施の一形態に係る排気浄化システムにおける還元剤噴射弁温度及び還元剤固化温度等の変化の一例を示すグラフである。 本発明の実施の一形態に係る排気浄化システム及びその制御方法について説明するためのフローチャートである。 尿素水溶液の濃度と固化温度T0との関係を表したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明に係る排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法の実施の形態について、具体的に説明する。
但し、以下の実施の形態は、本発明の一態様を示すものであって本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することができる。
尚、各図において同符号を付してあるものは同一の部材乃至部分を示しており、適宜説明が省略されている。
1.排気浄化システム
(1)全体構成
図1は、本発明の実施の一形態に係る排気浄化システム10の全体構成図である。
この排気浄化システム10は、DPF22及びSCR触媒24を有する排気浄化ユニット20と、還元剤噴射弁43を含む還元剤供給装置40と、DPF22の強制再生制御や還元剤供給装置40の動作制御を行う制御装置60とを主たる構成要素として備えている。
斯かる排気浄化システム10は、排気ガス中の微粒子状物質(PM)をDPF22によって捕集し、かつ、還元剤としての尿素水溶液を用いて排気ガス中のNOをSCR触媒24中で選択的に浄化するための装置として構成されたものである。
(2)排気浄化ユニット
排気浄化ユニット20は、酸化触媒21と、DPF22と、SCR触媒24とを排気上流側から順次に備えている。
この排気浄化ユニット20の構成要素のうち、酸化触媒21は、内燃機関5でのポスト噴射等によって排気管11内に供給された未燃燃料を酸化し、酸化熱を発生させる。これにより、DPF22に流入する排気ガスを昇温させてDPF22を加熱することができる。酸化触媒21は、公知のもの、例えば、アルミナに白金を担持させたものに所定量のセリウム等の希土類元素を添加したものを用いることができる。
また、DPF22は、排気ガスがDPF22を通過する際に排気ガス中のPMを捕集する。図1に示す排気浄化システム10では、DPF22がSCR触媒24よりも排気上流側に配設されており、PMがSCR触媒24に付着するおそれがない。DPF22は、公知のもの、例えば、セラミック材料から構成されたハニカム構造のフィルタを用いることができる。
また、SCR触媒24は、還元剤噴射弁43によって排気ガス中に噴射される尿素水溶液の分解により生成されるアンモニアを吸着し、流入する排気ガス中のNOを還元する。SCR触媒24としては、例えば、アンモニアの吸着機能を有し、かつ、NOを選択的に還元可能なゼオライト系の還元触媒を用いることができる。
以上に説明した排気浄化ユニット20は、DPF22の前後にそれぞれ圧力センサ51、52を備え、SCR触媒24の前後にそれぞれ温度センサ53、54を備えている。また、SCR触媒24の排気下流側にはNOセンサ55を備えている。さらに、排気浄化ユニットの周囲には外気温度を検出する外気温度センサが配置されている。
これらセンサのセンサ値は制御装置60に送られて、それぞれの位置での圧力や温度、NO濃度が検出される。
尚、演算によって推定可能であるならば、これらセンサは省略可能である。
また、以上に説明した排気浄化ユニット20は、排気管11の第1屈曲部23aから分岐して、還元剤噴射弁43を固定するための接続管12を備えている。この接続管12を介して、排気ガスの流れ方向と略一致する方向に、還元剤噴射弁43から還元剤としての尿素水溶液が噴射される。
従って、排気管11に還元剤噴射弁43を直接固定する場合と比較して、排気管11や排気ガス等から還元剤噴射弁43への熱を伝わり難くすることができる。
(3)強制再生手段
本実施形態の排気浄化システム10は、DPF22の強制再生制御を行うための強制再生手段を備える。DPF22を500℃乃至600℃程度に昇温させ、DPF22に堆積したPMを強制的に燃焼させる強制再生を行うためである。
本実施形態では、内燃機関5でのポスト噴射等によって排気管11内に未燃燃料を供給する燃料噴射弁(図示せず)と、燃料噴射弁からの燃料噴射量や噴射タイミング等、燃料噴射弁の制御を指示するための制御装置60の制御部と、未燃燃料を酸化して酸化熱を発生させる酸化触媒21とが、強制再生手段を構成する。
尚、強制再生手段は上記構成例に限られず、排気ガスを500℃乃至600℃程度に昇温させることができるものであればよい。例えば、ポスト噴射に拠らずに酸化触媒21に未燃燃料を供給する装置を利用して強制再生手段を構成してもよい。また、バーナや電熱線等の加熱装置を備え、直接DPF22を加熱するようにしてもよい。
(4)還元剤供給装置
還元剤供給装置40は、尿素水溶液を貯蔵する貯蔵タンク41と、圧送ポンプ42と、還元剤噴射弁43とを主たる構成要素として備えている。
このうち、貯蔵タンク41及び圧送ポンプ42が第1の供給通路44によって接続され、圧送ポンプ42及び還元剤噴射弁43が第2の供給通路45によって接続されている。この第2の供給通路45には圧力センサ56が設けられており、センサ値が制御装置60に送信され、第2の供給通路45内の圧力が検出される。
また、第2の供給通路45及び貯蔵タンク41が第3の供給通路46によって接続されており、これにより、第2の供給経路45に供給された余剰の尿素水溶液を、貯蔵タンク41に戻すことができる。
また、還元剤供給装置40は、尿素水溶液の流路を、貯蔵タンク41から還元剤噴射弁43へ向かう順方向から、還元剤噴射弁43から貯蔵タンク41へ向かう逆方向に切り換える機能を持ったリバーティングバルブ47を備えている。即ち、本実施形態の排気浄化システム10は、内燃機関5の停止時に、還元剤供給装置40に充填されていた尿素水溶液を貯蔵タンク41に回収可能な構成を有している。
この還元剤供給装置40の構成要素のうち、圧送ポンプ42は、第2の供給経路45内の圧力が所定値で維持されるように、貯蔵タンク41内の尿素水溶液を汲み上げて還元剤噴射弁43に圧送する。圧送ポンプ42として、代表的には電動式ポンプが用いられる。
また、還元剤噴射弁43は、制御装置60から出力される制御信号によって還元剤噴射弁43が開かれたときに、尿素水溶液を排気管11中に噴射する。還元剤噴射弁43としては、例えばDUTY制御によって開弁のON−OFFが制御されるON−OFF弁が用いられる。
このような還元剤噴射弁43を構成する電子部分や樹脂部分等は比較的熱に弱く、その耐熱温度Tlimは140℃乃至150℃程度である一方、通常運転時における排気ガス温度は、200℃乃至300℃程度である。
そのため、この還元剤供給装置40は、還元剤噴射弁43のハウジングに設けられた冷却水通路35と、内燃機関5の冷却水通路33から分岐して冷却水通路35に連通する冷却水循環通路33・34と、冷却水循環通路33・34を流れる冷却水の流量を調節する冷却水流量制御弁31・32とを備えている。
これにより、内燃機関5の冷却水を還元剤噴射弁43の冷却水通路35に循環させ、還元剤噴射弁43の温度を70℃乃至80℃程度に保ち、還元剤噴射弁43の熱損傷を防止することができる。
また、還元剤噴射弁43からの還元剤の噴射を行うために、貯蔵タンク41内の相対的に低温である尿素水溶液が還元剤噴射弁43に圧送されるので、還元剤噴射弁43から尿素水溶液への熱移動によっても、還元剤噴射弁43の放熱が促される。従って、還元剤の噴射停止中は、噴射動作中と比較すると、還元剤噴射弁43の温度は若干上昇する場合がある。
上述のエンジン冷却水の循環や、尿素水溶液への熱移動による還元剤噴射弁43の放熱は、特に、内燃機関5の運転中において行われる。
内燃機関5の運転中にエンジン冷却水が循環し、また、内燃機関5の運転中に還元剤噴射弁43へ尿素水溶液が圧送されるためである。
2.制御装置
(1)全体構成
次に、図2を参照して、本発明の実施の一形態に係る排気浄化システム10に備えられる制御装置60を、噴射弁動作検出部61と、温度検出部62と、強制再生制御部63と、条件成立判定部64と、内燃機関出力制限部65とに大別して、具体的に説明する。これらの各部は、典型的には、マイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。
即ち、図2は、排気浄化システム10に備えられた制御装置60のうち、尿素水溶液の固化をより発生させ易くする原因である還元剤噴射弁43の過熱を回避するための制御に関する部分を、機能的なブロックで表した構成例である。
制御装置60は、イグニッションスイッチ57の信号や各圧力センサや各温度センサをはじめとして、機関回転数Neを検出する回転数センサ、車両の車速Vを検出する車速センサ、アクセルペダルの操作量Accを検出するアクセルセンサ、ブレーキペダルの操作量Brkを検出するブレーキセンサ等の各種センサ信号が読込み可能に構成されている。また、制御装置60には、各部での演算結果や検出結果を記憶するための図示しないRAM(Random Access Memory)が備えられている。
尚、制御装置60は、内燃機関5の運転中にあっては、第2の供給経路45内の圧力が所定値で維持されるように圧送ポンプ42の駆動を制御するとともに、機関回転数NeやSCR触媒の排気下流側に設けられたNOセンサ55のセンサ値等に基づいて、還元剤噴射弁43の駆動を制御する。
また、制御装置60は、内燃機関5の停止時にパージ処理を実行する。即ち、尿素水溶液の流路を順方向から逆方向に切り換えるための信号を、リバーティングバルブ47に対して出力するとともに、還元剤噴射弁43を開弁させて圧送ポンプ42を駆動させるための信号を、圧送ポンプ42及び還元剤噴射弁43に対して出力することにより、還元剤噴射弁43及び還元剤供給経路の内部に存在する還元剤を貯蔵タンク41に回収する。
また、制御装置60は、特に内燃機関の始動の際に、還元剤供給経路、特に還元剤噴射弁内に残存して固化した尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御を行うことにより、還元剤噴射弁を含む還元剤供給経路の詰まりや破損等の発生を回避し、排気浄化効率の低下を防止する。
さらに、制御装置60は、解凍制御の開始を検出すると、還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvの検出を行い、噴射弁温度Tudvが所定の閾値Tsに到達したか(Tudv≧Ts)否かの判定に応じて、内燃機関の出力を制限するか否かの決定を行うように構成されている。内燃機関の出力の制限には、強制再生制御の制限も含まれるものとするとよい。
(2)噴射弁動作検出部
噴射弁動作検出部61は、還元剤供給経路、特に還元剤噴射弁内に残存して固化した尿素水溶液を加熱して溶解させるための解凍制御が開始されると、当該解凍制御の開始を検出する。解凍制御によって噴射弁温度Tudvが上昇するので、噴射弁温度Tudvのさらなる上昇を抑制するための制御の起動条件として用いるためである。
噴射弁動作検出部61は、噴射弁温度Tudvが上昇する要因となる還元剤噴射弁43の無噴射状態も検出するようにしてもよい。
(3)温度検出部
温度検出部62は、温度センサ53を用いて還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvを検出するためのものであるが、直接検出できない場合には、その近傍のDPF22下流側温度Tdpf等から算出乃至推測してもよい。
(4)強制再生制御部
強制再生制御部63は、DPF22の前後に設けられた圧力センサ51、52から求められる差圧に基づいて、PMの堆積量Vpmを推定する。そして、推定PM堆積量Vpmが所定の閾値Vpm0を超えたときに、DPF22の強制再生が必要であると判定し、強制再生手段に対して、強制再生を実行するための信号を送信する。
また、強制再生制御部63は、推定PM堆積量Vpmが所定量まで低下したことをきっかけとして、強制再生手段に対して送信していた、強制再生を実行するための信号を停止する。
(5)条件成立判定部
条件成立判定部64は、解凍制御の開始が検出されると、温度検出部62を通じて検出される還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvに基づいて、還元剤噴射弁43内の尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否か、即ち、固化条件が成立するか否かを判定する。
尚、判定に用いる要素として、後述するように、噴射弁温度Tudvの他に、噴射弁温度Tudv、温度勾配δTudv、外気温度Tout等の条件も含めることができる。
また、上述のように、「噴射弁温度Tudvの検出」には、噴射弁温度Tudvを直接検出することの他、例えば噴射弁43近傍のDPF22下流側温度Tdpf等から算出乃至推測することも含む。噴射弁温度Tudvの検出は、解凍制御の開始の検出後に開始される必要はなく、例えば、噴射弁温度Tudvの検出が常時行われていてもよい。
解凍制御が開始されると、電気ヒータや加熱された内燃機関冷却水による加熱によって還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvは上昇し、還元剤噴射弁43内の尿素水溶液の温度も上昇する。
還元剤噴射弁43内に残留して固化していた尿素水溶液は、この温度上昇によって溶解し液化するが、その過程で尿素水溶液中の水分の気化も発生し、尿素水溶液の濃度が上昇して当該尿素水溶液の固化温度T0も上昇する。
解凍制御においては、電気ヒータや内燃機関冷却水等の所定の加熱手段により、噴射弁温度Tudvがちょうど尿素水溶液の溶解温度(融点)Tstr即ち固化温度(凝固点)T0に到達するように加熱が行われるので、通常は、溶解温度(融点)Tstrを大きく超えて尿素水溶液が加熱されることはなく、従って、尿素水溶液の濃度の上昇による固化温度T0の上昇も、あるとしても僅かである。
しかしながら、解凍制御とは別個に制御される内燃機関の出力上昇が解凍制御期間中に発生した場合、その出力上昇に伴う内燃機関の放熱や排気熱によって、還元剤噴射弁43及びその内部に残存する尿素水溶液が溶解温度Tstrを大きく超えて加熱される可能性があり、尿素水溶液の濃度の上昇による固化温度T0の上昇も大きくなる可能性がある。
そうすると、解凍制御終了後の冷却過程において当該尿素水溶液は、当初の固化温度である約−11℃よりも高い温度で固化することとなり、還元剤噴射弁を含む還元剤供給経路の詰まりや破損、排気浄化効率の低下等の問題がより発生し易くなる。
即ち、解凍制御期間中の噴射弁温度Tudvの上昇即ち尿素水溶液の温度上昇を完全に制御できていなかったことが従来の排気浄化システムの問題点である。
本発明に係る排気浄化システム及びその制御方法は、解凍制御の開始後に、噴射弁温度Tudvを検出することにより尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度T0の上昇を算定することにより、還元剤噴射弁43内の尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否か、即ち、固化条件が成立するか否かを判定し、固化条件が成立すると判定した場合には、内燃機関の出力を制限する制御を行うことにより、上記問題の発生を未然に防止するものである。
従って、条件成立判定部64は、解凍制御の開始後に、噴射弁温度Tudvに基づいて尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度T0の上昇を算定することにより、還元剤噴射弁43内の尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否か、即ち、固化条件が成立するか否かを判定し、固化条件が成立すると判定した場合には、内燃機関の出力を制限する制御を行わせるための判定結果を出力する。
後述する図3のグラフに示すように、噴射弁温度Tudvは解凍制御終了後の所定期間に亘ってさらに上昇するので、解凍制御期間中に加えて、噴射弁温度Tudvの上昇が想定される解凍制御終了後の当該所定期間に亘ってさらに、条件成立判定部64は、固化条件が成立するか否かの判定を継続的に行い、固化条件が成立すると判定した場合には、同様に、内燃機関の出力を制限する制御を行わせるための判定結果を出力する。従って、内燃機関の出力を制限する制御も継続されることとなる。
一方、条件成立判定部64は、固化条件が成立しないと判定した場合には、少なくともその時点では内燃機関の出力を制限しない制御を行わせるための判定結果を出力する。
また、条件成立判定部64は、固化条件が成立しないと判定した場合には、噴射弁温度Tudvが低下する過程にあるか否か、即ち、噴射弁温度Tudvが最高到達温度Tudvmaxに到達して低下に転じた後の過程にあるか否かを判断する。
噴射弁温度Tudvが低下する過程にない場合、即ち、噴射弁温度Tudvが上昇する過程にある場合又は最高到達温度Tudvmaxに到達して一定温度を維持している場合には、引き続き噴射弁温度Tudvを監視して内燃機関の出力を制限する必要があるか否かを判断しなければならないので、条件成立判定部64は、固化条件が成立するか否かを再度判定する。
噴射弁温度Tudvが低下する過程にある場合には、解凍制御に起因して噴射弁温度Tudvが再度上昇することはないので、解凍制御との関連において最早内燃機関の出力を制限する必要はないと判断して、固化条件成立判定の動作手順を終了する。
上記固化条件成立判定では、解凍制御終了後の冷却過程において、当該尿素水溶液の温度が、上昇した固化温度T0以下になると推定される場合には、当該尿素水溶液は固化するとの判定となる。
具体的には、解凍制御の開始後に噴射弁温度Tudvの検出を行い、噴射弁温度Tudvに基づいて尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度T0の上昇を算定し、尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否か、即ち、固化条件が成立するか否かを判定する。噴射弁温度Tudvが上昇すると、その内部に残存する尿素水溶液中の水分の気化が進行して濃度が上昇することにより固化温度T0が上昇し、解凍制御終了後の冷却過程において尿素水溶液が固化する可能性が高くなるからである。
還元剤の解凍制御は特に内燃機関の始動の際に行われるものであるが、前回の内燃機関停止の際に行われた還元剤の回収処理(パージ処理)後に還元剤噴射弁43内に残存する尿素水溶液の体積は、還元剤噴射弁43の構造に応じてほぼ一定であるので、還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvを検出することにより、残存尿素水溶液のその時点での濃度を算定することができ、従って、当該残存尿素水溶液の固化温度T0即ち溶解温度Tstrも算定することができる。
尚、尿素水溶液の上昇した濃度及び固化温度T0の「算定」には、多少の誤差を含む近似値の概算も含むものとする。
図3は、本発明の実施の一形態に係る排気浄化システムにおける還元剤噴射弁温度及び還元剤固化温度等の変化の一例を示すグラフである。
時刻t1において解凍制御が開始されると、その時点から噴射弁温度Tudvが上昇し始め、時刻t2に解凍制御が終了した後も、ある程度の所定期間に亘ってさらに上昇して最高到達温度Tudvmaxに到達した後、低下していることが見て取れる。
また、噴射弁温度Tudvの上昇に少し遅れて追従するようにして、残存尿素水溶液の固化温度T0が上昇することも、図3に示される通りである。これは、上述のように、噴射弁温度Tudvの上昇による残存尿素水溶液の濃度の上昇に起因するものである。
そして、噴射弁温度Tudvが低下してきて、時刻t3において残存尿素水溶液の固化温度T0である固化ポイントまで低下すると、還元剤噴射弁43の残存尿素水溶液に固化即ち凝固が発生することとなる。
尿素水溶液の固化温度T0即ち溶解温度Tstrの算定は、還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvから尿素水溶液の濃度を算定し、尿素水溶液の濃度に対応する固化温度T0即ち溶解温度Tstrを、図5のグラフと同様に尿素水溶液の濃度と固化温度T0との関係を表す特性マップに基づいて特定することにより行う。当該特性マップは、制御装置60内の所定の記憶手段に記憶されているものとするとよい。
固化条件成立判定の具体的な一例として、解凍制御の開始が検出された後、還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvの検出を行い、噴射弁温度Tudvが所定の閾値Tsに到達したか(Tudv≧Ts)否かの判定を行うことによって、固化条件が成立するか否かを判定する。
この所定の閾値Tsは、噴射弁温度Tudvに基づいて尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度T0の上昇を算定し、尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があると判定される際の当該噴射弁温度Tudvとして決定されるものである。
尚、噴射弁温度Tudvの温度勾配δTudvが大きい場合や、外気温度Toutが高い場合は、尿素水溶液が固化する可能性が高くなるので、噴射弁温度Tudvの温度勾配δTudvに基づいて、又は、噴射弁温度Tudvと、温度勾配δTudv及び外気温度Toutとを適宜組み合わせて上記所定の閾値Tsを決定し、より高精度な判定を行うこともできる。
ここで、判定に用いる噴射弁温度Tudvは、通常はその時点での噴射弁温度であるが、解凍制御の開始の検出後、噴射弁温度Tudvが最高到達温度Tudvmaxに到達するまでの間は、噴射弁温度Tudvが到達すると推定される最高到達温度Tudvmaxを噴射弁温度Tudvとして用いてもよい。その場合には、内燃機関の出力を制限する制御が早期に実施されることとなり、還元剤噴射弁43及びその内部に残存する尿素水溶液の過熱をより確実に防止することができる。
実施の対象となる実機に固有の種々の条件が影響することがあり得るので、予め実機で試験を行い、噴射弁温度Tudv、温度勾配δTudv、外気温度Tout等の条件に基づいて、当該実機に固有の具体的な判定基準を決定するとよい。最も簡潔な構成としては、現在の噴射弁温度Tudvを検出するだけで、判定可能とする構成が考えられる。尚、噴射弁温度Tudvが約100℃を超えると、解凍制御終了後の冷却過程において尿素水溶液が固化する可能性が高くなることが判明している。
(6)内燃機関出力制限部
内燃機関出力制限部65は、解凍制御の開始が検出された後、条件成立判定部64の判定結果を随時受け取り、当該判定結果に基づいて、内燃機関の出力を制限する制御又は制限しない制御を実施する。
即ち、固化条件が成立するとの判定結果であれば、内燃機関出力制限部65は、内燃機関の出力を制限する制御を実施し、還元剤噴射弁43及び残存尿素水溶液の過熱を未然に防止する。
内燃機関の出力の制限には、強制再生制御の制限も含まれるものとするとよい。強制再生制御の実施は高温を発生させ、噴射弁温度Tudvを上昇させる原因となるからである。
一方、固化条件が成立しないとの判定結果であれば、内燃機関出力制限部65は、少なくともその時点では内燃機関の出力を制限しない制御を実施する。
前述のように、条件成立判定部64による固化条件が成立するか否かの判定は継続的に行われるので、内燃機関出力制限部65は、当該判定結果に基づいて、内燃機関の出力を制限する制御又は制限しない制御を実施し、条件成立判定部64により動作手順終了の判断がなされたときは、内燃機関出力制限部65も、その動作手順を終了する。
3.制御方法
以下、フローチャートを用いて、本発明の実施の一形態に係る排気浄化システム及びその制御方法の具体例について説明する。
図4は、本発明の実施の一形態に係る排気浄化システム及びその制御方法について説明するためのフローチャートである。
噴射弁動作検出部61が解凍制御の開始を検出すると(ステップS1)、条件成立判定部64は、温度検出部62を通じて検出される還元剤噴射弁43の噴射弁温度Tudvに基づいて、固化条件が成立するか否か、即ち、還元剤噴射弁43内の尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否かを判定し(ステップS2)、判定結果は、内燃機関出力制限部65に対して出力され通知される。
固化条件が成立するか否かの判定は、具体的な一例として、噴射弁温度Tudvが所定の閾値Tsに到達したか(Tudv≧Ts)否かの判定を行うことによって実施される。
所定の閾値Tsは、噴射弁温度Tudvに基づいて尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度T0の上昇を算定し、尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があると判定される際の当該噴射弁温度Tudvとして決定されるものである。
内燃機関出力制限部65は、固化条件が成立するとの判定結果を受け取った場合には、当該判定結果に基づいて内燃機関の出力を制限する制御を実施する(ステップS3)。
前述の通り、図3のグラフに示すように、噴射弁温度Tudvは解凍制御終了後の所定期間に亘ってさらに上昇するので、解凍制御期間中に加えて、噴射弁温度Tudvの上昇が想定される解凍制御終了後の当該所定期間に亘ってさらに、条件成立判定部64は、固化条件が成立するか否かの判定を継続的に行い(ステップS2)、固化条件が成立すると判定した場合には、同様に、内燃機関の出力を制限する制御を行わせるための判定結果を出力し、従って、内燃機関出力制限部65による、内燃機関の出力を制限する制御も継続されることとなる(ステップS3)。
一方、内燃機関出力制限部65は、固化条件が成立しないとの判定結果を受け取った場合には、当該判定結果に基づいて少なくともその時点では内燃機関の出力を制限しない制御を実施する(ステップS4)。
条件成立判定部64は、固化条件が成立しないと判定した場合には、噴射弁温度Tudvが低下する過程にあるか否か、即ち、噴射弁温度Tudvが最高到達温度Tudvmaxに到達して低下に転じた後の過程にあるか否かを判断する(ステップS5)
噴射弁温度Tudvが低下する過程にない場合、即ち、噴射弁温度Tudvが上昇する過程にある場合又は最高到達温度Tudvmaxに到達して一定温度を維持している場合には、引き続き噴射弁温度Tudvを監視して内燃機関の出力を制限する必要があるか否かを判断しなければならないので、固化条件が成立するか否かを再度判定する(ステップS2)。
噴射弁温度Tudvが低下する過程にある場合には、解凍制御に起因して噴射弁温度Tudvが再度上昇することはないので、解凍制御との関連において最早内燃機関の出力を制限する必要はないと判断して、固化条件成立判定の動作手順を終了する。
尚、本実施の形態においては、噴射弁動作検出部61は、噴射弁温度Tudvが上昇する要因として、解凍制御の開始を検出し、当該検出に応じてその後の動作手順を実施しているが、噴射弁温度Tudvが上昇する要因として、解凍制御の開始の代わりに、還元剤噴射弁43の無噴射状態を検出し、当該検出に応じてその後の動作手順を実施するようにしてもよい。
以上に説明したように、図4のフローチャートに示した本発明の一態様に係る排気浄化システム及びその制御方法の斯かる動作手順により、噴射弁温度Tudvに基づいて固化条件が成立するか否か、即ち、還元剤噴射弁43内の尿素水溶液が解凍制御終了後の冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否かを判定することによって、解凍制御実施の際における残存尿素水溶液の過熱による固化温度のさらなる上昇を回避することが可能であり、その結果、解凍制御終了後の尿素水溶液の固化に起因した還元剤噴射弁や還元剤供給経路の詰まりや破損等の発生を回避し、排気浄化効率の低下を防止し得る排気浄化システム及び排気浄化システムの制御方法を提供することができる。
5:内燃機関、10:排気浄化システム、11:排気管、12:接続管、20:排気浄化ユニット、20a・20b:フランジ部、21:酸化触媒、22:ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)、23a・23b:屈曲部、24:SCR触媒、31・32:冷却水循環バルブ、33・34:冷却水循環通路、40:還元剤供給装置、41:貯蔵タンク、42:圧送ポンプ、43:還元剤噴射弁、44:第1の供給通路、45:第2の供給通路、46:第3の供給通路、51・52:圧力センサ、53・54:温度センサ、55:NOセンサ、56:圧力センサ、57:イグニッションスイッチ、60:制御装置、61:噴射弁動作検出部、62:温度検出部、63:強制再生制御部、64:条件成立判定部、65:内燃機関出力制限部

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタと、還元剤としての尿素水溶液を貯蔵タンクから還元剤噴射弁へ供給することにより前記排気ガス中に噴射して供給すると共に前記内燃機関を停止する際には供給経路内の前記尿素水溶液を前記貯蔵タンクへ回収する還元剤供給装置と、前記尿素水溶液を用いて前記排気ガス中のNOxを浄化するSCR触媒と、を排気上流側から順次に備えた排気浄化システムにおいて、
    前記還元剤噴射弁内に残存して固化した前記尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御の開始を検出する噴射弁動作検出部と、
    前記還元剤噴射弁の噴射弁温度を検出する温度検出部と、
    前記解凍制御の開始の検出後であって前記内燃機関の作動中に、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の固化条件が成立するか否かを判定する条件成立判定部と、
    前記判定の結果に基づいて前記内燃機関の出力を制限する制御又は制限しない制御を実施することによって前記内燃機関の放熱や排気熱を制御する内燃機関出力制限部と、
    を有する制御装置を備えることを特徴とする排気浄化システム。
  2. 前記条件成立判定部は、前記還元剤噴射弁温度が低下する過程となるまで、前記還元剤噴射弁内の前記尿素水溶液が前記解凍制御終了後であって前記解凍制御が実施されていない状態である冷却過程において想定される温度で固化する可能性があるか否かを前記噴射弁温度に基づいて判定するものであることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化システム。
  3. 前記条件成立判定部は、前記噴射弁温度が所定の閾値に到達したか否かを判定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化システム。
  4. 前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度の上昇を算定し、前記尿素水溶液が解凍制御終了後であって前記解凍制御が実施されていない状態である冷却過程において想定される温度で固化する可能性があると判定される際の当該噴射弁温度として、前記所定の閾値は、決定されるものであることを特徴とする請求項3に記載の排気浄化システム。
  5. 前記噴射弁温度の温度勾配に基づいて又は前記噴射弁温度と前記温度勾配及び外気温度のうちの少なくとも一方とに基づいて前記尿素水溶液の濃度の上昇及び固化温度の上昇を算定し、前記尿素水溶液が解凍制御終了後であって前記解凍制御が実施されていない状態である冷却過程において想定される温度で固化する可能性があると判定される際の当該噴射弁温度として、前記所定の閾値は、決定されるものであることを特徴とする請求項3に記載の排気浄化システム。
  6. 前記条件成立判定部は、前記解凍制御の開始の検出後、前記噴射弁温度が最高到達温度に到達するまでの間、前記噴射弁温度が到達すると推定される最高到達温度を前記噴射弁温度として用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の排気浄化システム。
  7. 前記噴射弁動作検出部は、前記解凍制御の開始の代わりに、前記還元剤噴射弁の無噴射状態を検出し、
    前記条件成立判定部は、前記還元剤噴射弁の無噴射状態の検出後に、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の固化条件が成立するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の排気浄化システム。
  8. 内燃機関の排気ガス中の排気微粒子を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタと、還元剤としての尿素水溶液を貯蔵タンクから還元剤噴射弁へ供給することにより前記排気ガス中に噴射して供給すると共に前記内燃機関を停止する際には供給経路内の前記尿素水溶液を前記貯蔵タンクへ回収する還元剤供給装置と、前記尿素水溶液を用いて前記排気ガス中のNOxを浄化するSCR触媒と、を排気上流側から順次に備えた排気浄化システムの制御方法において、
    前記還元剤噴射弁内に残存して固化した前記尿素水溶液を加熱して溶解させる解凍制御の開始を検出する過程と、
    前記還元剤噴射弁の噴射弁温度を検出する過程と、
    前記解凍制御の開始の検出後であって前記内燃機関の作動中に、前記噴射弁温度に基づいて前記尿素水溶液の固化条件が成立するか否かを判定する過程と、
    前記判定の結果に基づいて前記内燃機関の出力を制限する制御又は制限しない制御を実施することによって前記内燃機関の放熱や排気熱を制御する過程と、
    を有することを特徴とする排気浄化システムの制御方法。

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