JP5987414B2 - サーマルヘッドおよびサーマルプリンター - Google Patents

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Description

本発明は、サーマルヘッドおよび当該サーマルヘッドを搭載するサーマルプリンターに関する。
サーマルプリンターは、サーマルヘッドによる印刷位置を経由する搬送路に沿って感熱紙を搬送し、印刷位置において感熱紙をサーマルヘッドに押し付けた状態としてサーマルヘッドの発熱部を発熱させ、印刷位置を通過する感熱紙に印刷を施す。特許文献1には、サーマルヘッドとして、基板と、基板の表面に形成されたグレーズ層と、グレーズ層の上面に形成された発熱抵抗体と、発熱抵抗体とグレーズ層を上方から被う耐磨耗層を備えるものが記載されている。同文献では、グレーズ層が上方に盛り上がる凸状部を備えており、発熱抵抗体において発熱する発熱部は凸状部の頂上部分に形成されている。
グレーズ層の凸状部の上面に発熱部を形成したサーマルヘッドでは、発熱部への通電により発熱部を加熱する際に、凸状部の蓄熱効果によって発熱部の温度上昇を促進することができる。また、発熱部をグレーズ層の凸状部の頂上部分に形成しておけば、発熱部を平坦なグレーズ層の上面部分に配置した場合と比較して、発熱部および凸状部からの放熱を促進できるので、発熱部への通電を停止したときに発熱部および凸状部の温度を速やかに低下させることができる。従って、サーマルヘッドを用いた高速印刷を行うことが可能である。
特開2002−301834号公報
しかし、凸状部の頂上部分に発熱部を形成した構成では、感熱紙をサーマルヘッドに押し付ける負荷、例えば、プラテンローラーを用いて感熱紙をサーマルヘッドに押圧している場合には当該プラテンローラーが感熱紙を付勢する付勢力が凸状部の頂上(発熱部)に集中してしまう。従って、発熱部が感熱紙の摺接により磨耗し易く、サーマルヘッドの寿命を短縮させてしまうという問題がある。
ここで、グレーズ層の凸状部を基板の面方向に大きく形成して凸状部にかかる負荷(付勢力)を分散させることが考えられる。しかし、凸状部の体積が増えると凸状部の蓄熱量が増大するので、発熱部への通電を停止したときに凸状部からの放熱が促進されず、発熱部の温度が速やかに低下しなくなる。この結果、高速印刷において、印刷がぼけるなどの弊害が発生してしまう。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、耐摩耗性に優れ、かつ、高速印刷が可能なサーマルヘッドおよび当該サーマルヘッドを搭載するサーマルプリンターを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、
基板上に形成された凸状部を備えるグレーズ層と、前記凸状部の頂上部分に設けられた発熱部と、前記基板上に形成された断熱層と、前記発熱部を被っている耐摩擦層と、を有し、前記耐摩擦層に被われた発熱部に摺接させた状態で搬送される感熱紙に印刷を施すサーマルヘッドにおいて、
前記断熱層は、前記発熱部に対して、前記感熱紙の搬送方向の上流側と下流側から前記凸状部に接し、前記基板の表面から前記断熱層の上面までの高さは、前記凸状部の上端以上、前記発熱部の上端以下であり、前記断熱層の硬度は、前記グレーズ層の硬度以上であることを特徴とする。
本発明によれば、感熱紙の搬送方向における発熱部の両側、すなわち、グレーズ層の凸状部の搬送方向の上流側と下流側に断熱層が設けられ、発熱部は、耐摩擦層に被われている。従って、感熱紙をサーマルヘッドに押し付ける負荷を凸状部と断熱層の双方で受けることができる。この結果、感熱紙をサーマルヘッドに押し付ける負荷が凸状部の頂上部分に設けられている発熱部に集中することを回避できるので、発熱部が感熱紙の摺接によって磨耗することを抑制できる。また、凸状部の体積を増大させることなく負荷を分散させることができるので、凸状部における蓄熱量が増大せず、発熱部への通電を停止したときに発熱部および凸状部の温度を速やかに低下させることができる。さらに、凸状部の周囲を断熱層によって上方から被うことができるので、凸状部に蓄えられていた熱が感熱紙の側に伝播してしまうことを防止できる。従って、印刷のぼけなどを発生させることなく、高速印刷を行うことができる。
また、本発明によれば、基板の表面から断熱層の上面までの高さ位置は、凸状部の上端以上、発熱部の上端以下であるので、凸状部の上面と断熱層の上面を平坦に連続させることが容易となる。この結果、発熱部にかかる負荷が断熱層の側に分散するので、発熱部の磨耗をより抑制することができる。
更に、本発明によれば、断熱層の硬度は、グレーズ層の硬度以上であるので、断熱層がグレーズ層よりも先に磨耗或いは変形することを防止できる。従って、発熱部にかかる負荷を分散させる効果を長期に渡って維持できる。
本発明において、前記断熱層の上面は、前記基板の表面と平行であることが望ましい。このようにすれば、発熱部にかかる負荷を断熱層の側に分散させやすい。
本発明において、前記基板は、シリコン基板であり、前記凸状部は、前記シリコン基板の表面に形成されていることが望ましい。このようにすれば、基板上に形成されたグレーズ層がシリコン基板に接触しているので、断熱層が形成されることによって凸状部の外周面の上面側部分から放出することができなくなった熱を、シリコン基板を介して、効率よく放出できる。
次に、本発明のサーマルプリンターは、上記のサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドによる印刷位置を経由する搬送路に沿って感熱紙を搬送する搬送機構と、前記印刷位置において前記感熱紙を前記サーマルヘッドに押し付ける付勢機構とを有することを特徴とする。
本発明のサーマルプリンターによれば、サーマルヘッドが耐摩耗性に優れるので、長期間に渡って印刷品質を維持することができる。また、本発明のサーマルプリンターによれば、高速印刷が可能なサーマルヘッドを搭載するので、印刷処理を高速に行うことができる。
本発明によれば、感熱紙をサーマルヘッドに押し付ける負荷がグレーズ層の凸状部の頂上部分に設けられている発熱部に集中することを回避できる。従って、発熱部が感熱紙の摺接によって磨耗することを抑制できる。また、グレーズ層の凸状部の体積を増大させることなく負荷を分散させることができるので、発熱部への通電を停止したときに発熱部およびグレーズ層の温度が速やかに低下する。さらに、凸状部の周囲を断熱層によって上方から被うことができるので、凸状部に蓄えられていた熱が感熱紙に伝播してしまうことを防止できる。従って、印刷のぼけなどを発生させることなく、高速印刷を行うことができる。
本発明を適用したサーマルプリンターの概略断面図である。 サーマルヘッドの斜視図である。 サーマルヘッドの平面図である。 ヘッド基板の部分断面図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したサーマルプリンターを説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係るサーマルプリンターの概略断面図である。図1に示すように、本例のサーマルプリンター1は、プリンター本体2と、プリンター本体2の上面に形成された排紙口3の上方に配置されたオートカッター4を備えている。プリンター本体2は、ロール紙収納部5、プラテンローラー6、サーマルヘッド7、および、紙搬送路8を備えている。
ロール紙収納部5はプリンター本体2の後側部分に設けられている。プラテンローラー6はロール紙収納部5よりもプリンター前方に配置されており、サーマルヘッド7による印刷位置Pを規定している。サーマルヘッド7はプリンター前方からプラテンローラー6に対向配置されている。排紙口3はサーマルヘッド7の上方に位置している。紙搬送路8は、ロール紙収納部5からサーマルヘッド7による印刷位置Pを経由して排紙口3に達している。
ロール紙収納部5には、ロール紙100が転動可能に装填されている。ロール紙100からは、紙搬送路8に沿って長尺状の感熱紙101が引き出されている。感熱紙101は発色剤がバインダー等により保持されている発色層からなる印刷面を備えるものである。ロール紙100は印刷面が外側に向くようにして感熱紙101をロール状に巻き取ったものである。
プラテンローラー6は環状外周面がゴム等の弾性部材により被われている。プラテンローラー6は、プリンター本体2の上面部分を規定している開閉フレーム9に回転可能に支持されており、不図示の紙送りモーターによって回転駆動される。プラテンローラー6が回転駆動すると感熱紙101は紙搬送路8に沿って搬送される。すなわち、プラテンローラー6および紙送りモーターは紙搬送路8に沿って感熱紙101を搬送する搬送機構10を構成している。
サーマルヘッド7は、ヘッド支持機構11を介してプリンター本体2の本体フレーム12に支持されている。ヘッド支持機構11は、印刷位置Pよりもプリンター前方で本体フレーム12に固定されているヘッド支持フレーム13と、サーマルヘッド7の下端部分を支持する支持軸14と、ヘッド支持フレーム13とサーマルヘッド7の間に挿入された圧縮コイルバネ15を備えている。サーマルヘッド7は、支持軸14の軸線L1回りに回転可能な状態で本体フレーム12に搭載されており、圧縮コイルバネ15の付勢力によって、その上端側がプラテンローラー6の側に向かう方向に付勢されている。すなわち、ヘッド支持機構は、印刷位置Pにおいて感熱紙101をサーマルヘッド7に押し付ける付勢機構16を構成している。
ロール紙収納部5に装填されたロール紙100から感熱紙101が紙搬送路8に沿って引き出された状態で外部の機器からサーマルプリンター1に印刷データが供給されると、サーマルプリンター1では搬送モーターが駆動される。これによりプラテンローラー6が回転して感熱紙101が紙搬送路8に沿って搬送される。また、感熱紙101の搬送と並行してサーマルヘッド7が駆動制御され、印刷位置Pを下方から上方に向かって通過する感熱紙101に印刷を施す。その後に、感熱紙101において印刷が施された印刷部分が排紙口3から排出されると、オートカッター4が駆動されて印刷部分を切断し、これにより、印刷動作が完了する。
(サーマルヘッド)
図2はサーマルヘッド7をプラテンローラー6の側(プリンター後方)から見た斜視図である。図3(a)はヘッド基板の平面図であり、ドライバーICおよびドライバーICから延びる配線パターンを点線で示してある。図3(b)はヘッド基板の部分拡大図であり、ドライバーICを点線で示している。図4は、図3のX−X´線におけるヘッド基板21の部分断面図である。なお、図2、図3および図4では、説明のために、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは異ならせてある。
図2に示すように、サーマルヘッド7は、放熱板20と、放熱板20のプラテンローラー6側の後面に搭載されたヘッド基板21を備えている。放熱板20およびヘッド基板21は、図3(a)に示すように、プラテンローラー6の側から見た平面形状が長方形をしており、それぞれの長手方向をプリンター幅方向と一致させた状態でプリンター本体2に搭載されている(図1参照)。従って、図2の上下方向が印刷位置Pにおける感熱紙101の搬送方向Cとなっている。ヘッド基板21は放熱板20よりも小さく、ヘッド基板21と放熱板20は両面テープ或いは接着剤によって接着固定されている。
放熱板20は、アルミニウム等の金属材料から形成されている。放熱板20の長手方向の両端面には、それぞれ丸ピンが固定されており、これら一対の丸ピンによって支持軸14が構成されている。放熱板20においてヘッド基板21より上方に位置する上端部分には、上方に向かってヘッド基板21から離れる方向に傾斜する傾斜面20aが設けられている。
ヘッド基板21は、アルミナセラミックス等から形成されたセラミック基板である。ヘッド基板21においてプラテンローラー6の側に位置する面の上側部分には感熱紙101に印刷を施すための発熱抵抗素子22が設けられている。発熱抵抗素子22は、ヘッド基板21の長手方向に一定幅で延びる帯状に形成されている。ヘッド基板21において発熱抵抗素子22よりも下側には、発熱抵抗素子22からの発熱を制御するための複数のドライバーIC23が長手方向に一列に配置されている。ヘッド基板21の下端部分の中央にはフレキシブルプリント基板24が取り付けられている。フレキシブルプリント基板24はサーマルヘッド7を駆動制御するための制御基板(不図示)とヘッド基板21を電気的に接続するものである。制御基板からサーマルヘッド7にはフレキシブルプリント基板24を介して駆動電流などが入力される。
(ヘッド基板)
図3(a)に示すように、ヘッド基板21の下端部分の中央には、フレキシブルプリント基板24を電気的に接続するための複数の外部接続端子25が形成されている。また、ヘッド基板21の外周縁部分にはコモン配線パターン26が形成されている。コモン配線パターン26は、ヘッド基板21の上端縁に沿って直線状に延びている上側配線パターン部分27と、上側配線パターン部分27の長手方向の両端からそれぞれヘッド基板21の左右の側端縁に沿って下方に延びている左側配線パターン部分28および右側配線パターン部分29と、左側配線パターン部分28の下端からヘッド基板21の下端縁に沿って内側に向かって延びている左下配線パターン部分30と、右側配線パターン部分29の下端からヘッド基板21の下端縁に沿って内側に向かって延びている右下配線パターン部分31を備えている。左下配線パターン部分30の内側の端および右下配線パターン部分31の内側の端は外部接続端子25に接続されている。
発熱抵抗素子22は、上側配線パターン部分27の近傍において、上側配線パターン部分27と平行に形成されている。発熱抵抗素子22は、例えば、TaOやTa−SiOから形成されている。ドライバーIC23は、発熱抵抗素子22と外部接続端子25の間に実装されている。
図3(b)に示すように、上側配線パターン部分27からは、下方に向かって櫛歯状に複数のコモン電極32が延びている。コモン電極32のそれぞれは、発熱抵抗素子22と交差している。また、ドライバーIC23が実装されている実装パターンからは、上方に向かって櫛歯状に複数の個別電極33が延びている。個別電極33のそれぞれは、櫛歯状のコモン電極32の間に入り込んで発熱抵抗素子22と交差している。さらに、ヘッド基板21におけるドライバーIC23の実装パターンからは、下方に向かって延びて外部接続端子25に接続されている入力側配線パターン34が形成されている。制御基板からの駆動電流は外部接続端子25から入力側配線パターン34を介してドライバーIC23に入力される。コモン電極32を含むコモン配線パターン26、個別電極33、および、入力側配線パターン34は、例えば、Al、Cu、Auなどの金属を用いて形成される。
ここで、互いに隣り合って交互に配列された櫛歯状のコモン電極32と個別電極33によって区切られた発熱抵抗素子22の領域は、感熱紙101に印刷を施すための発熱部22a(発熱素子)となっている。すなわち、ドライバーIC23によって選択された個別電極33がオンとされると、選択された個別電極33と個別電極33の長手方向の一方側に隣接するコモン電極32の間の領域に電流が流れ、その間に位置する発熱部22aが発熱する。一方、選択されていた個別電極33がオフとされると、発熱部22aはその発熱を停止する。発熱部22aは、互いに同一形状を備えており、長手方向に一定ピッチで配列されている。
次に、図4に示すように、ヘッド基板21上には、グレーズ層35、発熱部22a、断熱層36、および、耐磨耗層37が形成されている。
グレーズ層35は、発熱部22aにおいて発生した熱を蓄熱する蓄熱層であり、例えば、ガラスなどの熱伝導率の低い材料を用いて形成されている。グレーズ層35はヘッド基板21の表面21aに積層されており、長手方向に一定幅で延びている。また、グレーズ層35は、ヘッド基板21の表面21aと垂直でヘッド基板21の短手方向(印刷位置Pにおける感熱紙101の搬送方向C)に平行な断面が山型となるシリンドリカル状の凸状部Aとして形成されている。凸状部Aの山型の断面は、長手方向の何れの位置においても同一形状となっている。発熱抵抗素子22は凸状部Aの頂上部分に形成されており、凸状部Aに沿って長手方向に延びている。従って、発熱部22aは凸状部Aの頂上部分において、長手方向に一定ピッチで配列されている(図3(b)参照)。
断熱層36は、ヘッド基板21の短手方向(印刷位置Pにおける感熱紙101の搬送方向C)における発熱部22aの両側にそれぞれ設けられている。断熱層36はヘッド基板21の短手方向の両側から凸状部Aに接しており、凸状部Aと平行な状態で長手方向に一定幅で延びている。
断熱層36の上面36aはヘッド基板21の表面21aと平行な平坦面である。また、断熱層36の上面36aは凸状部Aの上端と同じ高さ位置となっており、断熱層36は発熱部22aを上方に露出させている。本例において、凸状部Aを間に挟んで形成されている断熱層36の短手方向の幅寸法Mは、プラテンローラー6とサーマルヘッド7の挟持によって感熱紙101がサーマルヘッド7の発熱部22aに押し付けられた状態とされているときに、プラテンローラー6の環状外周面において平坦に弾性変形する変形部分の幅寸法N以上の寸法になるように設定されている。
ここで、断熱層36はグレーズ層35よりも熱伝導率の低い材料を用いて形成され、グレーズ層35で蓄えられた熱が、ヘッド基板21と反対の側(印刷位置Pを通過する感熱紙101の側)に放出されることを防止する。また、断熱層36は、グレーズ層35の硬度と同等以上の硬度を備える材料を用いて形成されている。断熱層36の材料としては、例えば、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)の超高分子量ポリエチレンやポリアセタールなどがある。
耐磨耗層37は、SiやAlの酸化物或いは窒化物からなる無機膜である。本例では、発熱部22a、グレーズ層35および断熱層36を上方から被っており、発熱部22a、コモン電極32および個別電極33を感熱紙101との摩擦による損傷から保護する。また、耐磨耗層37は、発熱抵抗素子22、コモン電極32および個別電極33などの酸化を防止する。
(作用効果)
本例によれば、感熱紙101の搬送方向Cにおける発熱部22aの両側、すなわち、凸状部Aとして形成されたグレーズ層35の両側に断熱層36が設けられているので、感熱紙101をサーマルヘッド7に押し付ける負荷をグレーズ層35と断熱層36の双方で受けることができる。この結果、感熱紙101をサーマルヘッド7に押し付ける負荷がグレーズ層35の頂上部分に設けられている発熱部22aに集中することを回避できるので、発熱部22aが感熱紙101の摺接によって磨耗することを抑制できる。また、グレーズ層35(凸状部A)の体積を増大させることなく負荷を分散させることができるので、グレーズ層35における蓄熱量が増大せず、発熱部22aへの通電を停止したときに発熱部22aおよびグレーズ層35の温度が速やかに低下する。また、断熱層36によって、凸状部Aの周囲が上方から被われるので、グレーズ層35に蓄えられていた熱が感熱紙101の側に伝播してしまうことを防止できる。従って、サーマルヘッド7および当該サーマルヘッドを搭載するサーマルプリンター1によれば、印刷のぼけなどを発生させることなく、高速印刷を行うことができる。
また、本例では、断熱層36の上面36aは、ヘッド基板21の表面21aと平行な平坦面であり、ヘッド基板21の表面21aからの高さ位置は、凸状部Aとして形成したグレーズ層35の上端と同一の高さ位置とされている。この結果、グレーズ層35の上面と断熱層36の上面36aを平坦に連続させることができるので、発熱部22aにかかる負荷が断熱層36の側に分散し易く、発熱部22aの磨耗がより抑制される。
さらに、本発明では、断熱層36の硬度がグレーズ層35の硬度以上なので、断熱層36がグレーズ層35よりも先に磨耗或いは変形することが防止される。従って、発熱部22aにかかる負荷を分散させる効果を長期に渡って維持できる。
さらに、本例では、ヘッド基板21を放熱性に優れるシリコン基板とし、グレーズ層35をこのシリコン基板の表面に直接形成している。従って、周囲に断熱層36が形成されることによってグレーズ層35の上面側から放出することができなくなった熱を、シリコン基板を介して、効率よく放出できる。
(その他の実施の形態)
上記の例では、サーマルヘッド7の側をプラテンローラー6に向かって付勢することにより感熱紙101をサーマルヘッド7に押し付けているが、サーマルヘッド7を本体フレーム12に固定しておき、プラテンローラー6の側をサーマルヘッド7に向かって付勢することにより、感熱紙101をサーマルヘッド7に押し付けてもよい。
また、上記の例では、断熱層36の上面36aとグレーズ層35(突状部)の上端が同一の高さ位置とされているが、断熱層36の上面36aの高さ位置を、グレーズ層35(突状部)の上端より上で、発熱部22aの上端以下に設定してもよい。
さらに、上記の例では、グレーズ層35の全体が凸状部Aとなっているが、ヘッド基板21の表面21aに平坦なグレーズ層35を設けるとともに、その一部分を上方に突出させることにより凸状部Aを設けることもできる。この場合には、断熱層36は、平坦に設けられたグレーズ層35の上面において凸状部Aの搬送方向Cに形成すればよい。また、グレーズ層35とヘッド基板21の間に、ヘッド基板21の表面21aの平坦性を確保するための層などが設けられていてもよい。
また、上記の例では、断熱層36は発熱部22aに対して、感熱紙101の搬送方向Cに設けられているが、これに加えて、搬送方向Cと直交する方向における凸状部Aの両側にも断熱層36を設け、断熱層36によって凸状部Aを囲んでもよい。
1・・サーマルプリンター、2・・プリンター本体、3・・排紙口、4・・オートカッター、5・・ロール紙収納部、6・・プラテンローラー、7・・サーマルヘッド、8・・紙搬送路、9・・開閉フレーム、10・・搬送機構、11・・ヘッド支持機構、12・・本体フレーム、13・・ヘッド支持フレーム、14・・支持軸、15・・圧縮コイルバネ、20・・放熱板、20a・・傾斜面、21・・ヘッド基板、21a・・ヘッド基板の表面、22・・発熱抵抗素子、22a・・発熱部、23・・ドライバーIC、24・・フレキシブルプリント基板、25・・外部接続端子、26・・コモン配線パターン、27・・上側配線パターン部分、28・・左側配線パターン部分、29・・右側配線パターン部分、30・・左下配線パターン部分、31・・右下配線パターン部分、32・・コモン電極、33・・個別電極、34・・入力側配線パターン、35・・グレーズ層(凸状部A)、36・・断熱層、36a・・断熱層の上面、37・・耐磨耗層、100・・ロール紙、101・・感熱紙、C・・感熱紙の搬送方向、L1・・支持軸の軸線、A・・凸状部、M・・一対の断熱層の幅寸法、N・・プラテンローラーの変形部分の幅寸法、P・・印刷位置

Claims (4)

  1. 基板上に形成された凸状部を備えるグレーズ層と、前記凸状部の頂上部分に設けられた発熱部と、前記基板上に形成された断熱層と、前記発熱部を被っている耐摩擦層と、を有し、前記耐摩擦層に被われた発熱部に摺接させた状態で搬送される感熱紙に印刷を施すサーマルヘッドにおいて、
    前記断熱層は、前記発熱部に対して、前記感熱紙の搬送方向の上流側と下流側から前記凸状部に接し、前記基板の表面から前記断熱層の上面までの高さは、前記凸状部の上端以上、前記発熱部の上端以下であり、前記断熱層の硬度は、前記グレーズ層の硬度以上であることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記断熱層の上面は、前記基板の表面と平行であることを特徴とするサーマルヘッド。
  3. 請求項1ないしのうちのいずれかの項において、
    前記基板は、シリコン基板であり、
    前記凸状部は、前記シリコン基板の表面に形成されていることを特徴とするサーマルヘッド。
  4. 請求項1ないしのうちのいずれかの項に記載のサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドによる印刷位置を経由する搬送路に沿って感熱紙を搬送する搬送機
    構と、
    前記印刷位置において前記感熱紙を前記サーマルヘッドに押し付ける付勢機構とを有す
    ることを特徴とするサーマルプリンター。
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