<第1の実施形態>
以下、本発明のサーマルヘッドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1,2に示すように、本実施形態のサーマルヘッドX1は、放熱体1と、放熱体1上に配置されたヘッド基体3と、ヘッド基体3に接続されたフレキシブルプリント配線板5(以下、FPC5という)とを備えている。なお、図1では、FPC5の図示を省略し、FPC5が配置される領域を一点鎖線で示す。
放熱体1は、板状に形成されており、平面視して長方形状を有している。放熱体1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、後述するようにヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱の一部を放熱する機能を有している。また、放熱体1の上面には、両面テープあるいは接着剤等(不図示)によってヘッド基体3が接着されている。
ヘッド基体3は、平面視で長方形状の基板7と、基板7上に設けられ、基板7の長手方向に沿って配列された複数の発熱部9と、発熱部9の配列方向に沿って基板7上に並べて配置された複数の駆動IC11とを備えている。
基板7は、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。
基板7の上面には、蓄熱層13が形成されている。蓄熱層13は、基板7の上面全体に形成された下地部13aと、複数の発熱部9の配列方向に沿って帯状に延び、断面が略半楕円形状の隆起部13bとを有している。隆起部13bは、印画する記録媒体を、発熱部9上に形成された後述する保護層25に良好に押し当てるように機能する。
また、蓄熱層13は、例えば、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積することで、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くし、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めるように機能する。蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板7の上面に塗布し、これを焼成することで形成される。
図2に示すように、蓄熱層13の上面には、電気抵抗層15が設けられている。電気抵抗層15は、蓄熱層13と、後述する共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21との間に介在し、図1に示すように、平面視において、これらの共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21と同形状の領域(以下、介在領域という)と、共通電極17と個別電極19との間から露出した複数の領域(以下、露出領域という)とを有している。なお、図1では、電気抵抗層15の介在領域は、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21で隠れている。
電気抵抗層15の各露出領域は、上記の発熱部9を形成している。そして、複数の露出領域が、図1に示すように、蓄熱層13の隆起部13b上に列状に配置されて発熱部9を構成している。複数の発熱部9は、説明の便宜上、図1で簡略化して記載しているが、例えば、600dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。
電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系
、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、後述する共通電極17と個別電極19との間に電圧が印加され、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
図1,2に示すように、電気抵抗層15の上面には、共通電極17、複数の個別電極19および複数のIC−FPC接続電極21が設けられている。これらの共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
共通電極17は、複数の発熱部9とFPC5とを接続するためのものである。図1に示すように、共通電極17は、基板7の一方の長辺に沿って延びる主配線部17aと、基板7の一方および他方の短辺のそれぞれに沿って延び、一端部が主配線部17aに接続された2つの副配線部17bと、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延び、先端部が各発熱部9に接続された複数のリード部17cとを有している。そして、共通電極17は、副配線部17bの他端部がFPC5に接続されることにより、FPC5と各発熱部9との間を電気的に接続している。
複数の個別電極19は、各発熱部9と駆動IC11とを接続するためのものである。図1,2に示すように、各個別電極19は、一端部が発熱部9に接続され、他端部が駆動IC11の配置領域に配置されるように、各発熱部9から駆動IC11の配置領域に向かって個別に帯状に延びている。そして、各個別電極19の他端部が駆動IC11に接続されることにより、各発熱部9と駆動IC11との間が電気的に接続されている。より詳細には、個別電極19は、複数の発熱部9を複数の群に分け、各群の発熱部9を、各群に対応して設けられた駆動IC11に電気的に接続している。また、他端部に駆動IC11と電気的に接続される接続端子4を有している。なお、以下、個別電極19に設けられた駆動IC11と接続される接続端子4を駆動IC用端子4と称する場合がある。
なお、本実施形態では、上記のように共通電極17のリード部17cと個別電極19とが発熱部9に接続されており、リード部17cと個別電極19とが対向して配置されている。発熱部9に接続される電極配線が対になって形成されている。
複数のIC−FPC接続電極21は、駆動IC11とFPC5とを接続するためのものであり、一端部および他端部に接続端子6,8が設けられている。なお、一端部に設けられた駆動IC11と電気的に接続するための接続端子6を駆動IC用端子6と称する場合があり、他端部に設けられたFPC5のプリント配線5bと電気的に接続するための接続端子8をFPC用端子8と称する場合がある。
図1,2に示すように、各IC−FPC接続電極21は、一端部が駆動IC11の配置領域に配置され、他端部が基板7の他方の長辺の近傍に配置されるように、帯状に延びている。そして、複数のIC−FPC接続電極21は、一端部が駆動IC11に接続されるとともに、他端部がFPC5に接続されることにより、駆動IC11とFPC5との間を電気的に接続している。 各駆動IC11に接続された複数のIC−FPC接続電極21は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。具体的には、複数のIC−FPC接続電極21は、例えば、駆動IC11を動作させるための電源電流を供給するためのIC電源配線と、駆動IC11および駆動IC11に接続された個別電極19を0〜1Vのグランド電位に保持するためのグランド電極配線と、後述する駆動IC11内のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するように駆動IC11を動作させるための電気信号を供給するためのIC制御配線とで構成されている。そして、IC電源配線、グランド電極配線、およびIC制御配線は、図示しないが、駆動IC11側に駆動IC用端子6を備え
ている。
駆動IC11は、図1,2に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19の他端部とIC−FPC接続電極21の一端部とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御するためのものであり、内部に複数のスイッチング素子を有しており、各スイッチング素子がオン状態のときに通電状態となり、各スイッチング素子がオフ状態のときに不通電状態となる公知のものを用いることができる。
各駆動IC11は、各駆動IC11に接続された各個別電極19に対応するように、内部に複数のスイッチング素子(不図示)が設けられている。そして、図2に示すように、各駆動IC11は、各スイッチング素子(不図示)に接続された一方の端子11aが個別電極19に接続されており、各スイッチング素子に接続されている他方の端子11bがIC−FPC接続電極21の上記のグランド電極配線に接続されている。これにより、駆動IC11の各スイッチング素子がオン状態のときに、各スイッチング素子に接続された個別電極19とIC−FPC接続電極21のグランド電極配線とが電気的に接続される。
上記の電気抵抗層15、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21は、例えば、各々を構成する材料層を蓄熱層13上に、例えばスパッタリング法等の従来周知の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成される。なお、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21は、同じ工程によって同時に形成することができる。
図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13上には、発熱部9、共通電極17の一部および個別電極19の一部を被覆する保護層25が形成されている。なお、図1では、説明の便宜上、保護層25の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。図示例では、保護層25は、蓄熱層13の上面の左側の領域を覆うように設けられている。これにより、発熱部9、共通電極17の主配線部17a、副配線部17bの一部、リード部17cおよび個別電極19上に、保護層25が形成されている。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食、あるいは印画する記録媒体との接触による摩耗から保護するためのものである。保護層25は、SiN、SiO、SiON、SiC、あるいはダイヤモンドライクカーボン等を用いて形成することができ、保護層25を単層で構成してもよいし、これらの層を積層して構成してもよい。このような保護層25はスパッタリング法等の薄膜形成技術あるいはスクリーン印刷等の厚膜形成技術を用いて作製することができる。
また、図1,2に示すように、基板7の上面に形成された蓄熱層13上には、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。なお、図1では、説明の便宜上、被覆層27の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。図示例では、被覆層27は、蓄熱層13の上面の保護層25よりも右側の領域を部分的に覆うように設けられている。
被覆層27は、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21の被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等の付着による腐食から保護するためのものである。なお、被覆層27は、共通電極17および個別電極19の保護をより確実にするため、図2に示すように保護層25の端部に重なるようにして形成されている。被覆層27は、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の
樹脂材料で形成することができる。また、被覆層27は、例えば、スクリーン印刷法等の厚膜成形技術を用いて形成することができる。
なお、図1,2に示すように、後述するFPC5を接続する共通電極17の副配線部17bおよびIC−FPC接続電極21の端部は、被覆層27から露出しており、FPC5が接続されるように構成されている。
また、被覆層27は、駆動IC11と接続される個別電極19の駆動IC用端子4およびIC−FPC接続電極21の駆動IC用端子6を露出させるための開口部(不図示)が形成されており、開口部を介してこれらの配線が駆動IC11に接続されている。また、駆動IC11は、個別電極19およびIC−FPC接続電極21に接続された状態で、駆動IC11自体の保護、および駆動IC11とこれらの配線との接続部の保護のため、エポキシ樹脂あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって被覆されることで封止されている。
FPC5は、図1,2に示すように、基板7の長手方向に沿って延びており、上記のように共通電極17の副配線部17bおよび各IC−FPC接続電極21に接続されている。FPC5は、絶縁性の樹脂層の内部に複数のプリント配線が配線された周知のものであり、各プリント配線がコネクタ31を介して外部の電源装置および制御装置等に電気的に接続されるようになっている。このようなプリント配線は、一般に、例えば、銅箔等の金属箔、薄膜成形技術によって形成された導電性薄膜、または厚膜印刷技術によって形成された導電性厚膜によって形成されている。また、金属箔、あるいは導電性薄膜等によって形成されたプリント配線は、例えば、これらをフォトエッチング等により部分的にエッチングすることによってパターニングされている。
より詳細には、図1,2に示すように、FPC5は、絶縁性の樹脂層5aの内部に形成された各プリント配線5bがヘッド基体3側の端部で露出し、導電性接合材料である半田材料、または電気絶縁性の樹脂中に導電性粒子が混入された異方性導電材料(ACF)等からなる接合材32(図2参照)によって、共通電極17の副配線部17bの端部および各IC−FPC接続電極21の端部に接続されている。
そして、FPC5の各プリント配線5bがコネクタ31を介して図示しない外部の電源装置および制御装置等に電気的に接続されると、共通電極17は、20〜24Vの正電位に保持された電源装置のプラス側端子に電気的に接続され、個別電極19は、駆動IC11およびIC−FPC接続電極21のグランド電極配線を介して、0〜1Vのグランド電位に保持された電源装置のマイナス側端子に電気的に接続されるようになっている。そのため、駆動IC11のスイッチング素子がオン状態のとき、発熱部9に電圧が印加され、発熱部9が発熱するようになっている。
また、同様に、FPC5の各プリント配線5bがコネクタ31を介して外部の電源装置および制御装置等に電気的に接続されると、IC−FPC接続電極21の上記のIC電源配線は、共通電極17と同様、正電位に保持された電源装置のプラス側端子に電気的に接続されるようになっている。これにより、駆動IC11が接続されたIC−FPC接続電極21のIC電源配線とグランド電極配線との電位差によって、駆動IC11に駆動IC11を動作させるための電源電流が供給される。また、IC−FPC接続電極21の上記のIC制御配線は、駆動IC11の制御を行う外部の制御装置に電気的に接続される。これにより、制御装置から送信された電気信号が駆動IC11に供給されるようになっている。電気信号によって、駆動IC11内の各スイッチング素子のオン・オフ状態を制御するように駆動IC11を動作させることで、各発熱部9を選択的に発熱させることができる。
FPC5と放熱体1との間には、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂またはガラスエポキシ樹脂等の樹脂からなる補強板33が設けられている。補強板33は、FPC5の下面に両面テープあるいは接着剤等(不図示)によって接着されることにより、FPC5を補強するように機能している。また、補強板33が放熱体1の上面に両面テープあるいは接着剤等(不図示)によって接着されることにより、FPC5が放熱体1上に固定されている。
以下、図3,4を用いて、めっき層2,10について説明する。図3は、駆動IC11の近傍を拡大して示す拡大平面図であり、図4は、図3に示すII−II線断面図である。なお、図4において被覆層および被覆部材は省略して示している。
めっき層2は、個別電極19の駆動IC用端子4近傍の領域に設けられている。めっき層10は、個別電極19の駆動IC用端子4と、IC−FPC接続電極21の駆動IC用端子6と、IC−FPC接続電極21のFPC用端子8とに設けられている。そして、めっき層10を介して、個別電極19およびIC−FPC接続電極21と、駆動IC11とが電気的に接続されており、IC−FPC接続電極21と、FPC5とが電気的に接続されている。なお、駆動IC用端子4,6の全面にわたってめっき層10が設けられているため、平面視したときに、駆動IC用端子4,6はめっき層10により隠されている。
ここで、サーマルヘッドは、小型化の要求のもと駆動ICの小型化および高密度化が進んでおり、それに伴って、個別電極に設けられた駆動IC用端子が小さくなっており、駆動IC用端子にめっき層を形成した場合に、個別電極に対してめっきをする領域である駆動IC用端子の面積が小さく、めっき未着が生じる場合があった。
これに対して、本実施形態に係るサーマルヘッドX1は、個別電極19における、駆動IC用端子4にめっき層10が設けられているとともに、発熱部9と駆動IC用端子4との間に位置する領域にめっき層2が設けられている。そして、平面視して、個別電極19に設けられためっき層2の面積が、駆動IC用端子4に設けられためっき層10の面積よりも大きい構成となっている。そのため、面積の小さい駆動IC用端子4と電気的に導通している個別電極19上にめっき層2が設けられることとなる。それゆえ、電気的に独立した各個別電極19の面積に対するめっき層2,10の面積を大きくすることができ、各個別電極19にめっき未着が生じる可能性を低減することができる。
面積の大きいめっき層2と、面積の小さいめっき層10とを電気的に接続すると、理由は明確ではないが、以下の現象により面積の小さいめっき層10のめっき未着が抑制できると考えられる。
無電解めっき反応では、めっきされる領域である駆動IC用端子4、およびめっき層2に対応する個別電極19の領域に電子が生成される。そして生成された電子によりめっきが成長してめっきされることとなる。めっき層2に対応する個別電極19の領域には、面積に比例して多くの電子が生成されることとなる。
駆動IC用端子4およびめっき層2に対応する個別電極19の領域は、同じ個別電極19上に設けられているため、電気的に導通しており、めっき層2に対応する個別電極19の領域にて生成された電子が、駆動IC用端子4に流れることとなる。そのため、駆動IC用端子4に電子が供給さることとなり、めっき層10が形成され、駆動IC用端子4にめっき未着が生じる可能性を低減することとなる。
また、個別電極19にめっき層2が設けられていることから、サーマルヘッドX1の作
製時あるいは組み立て時等に被覆層27が欠落した場合においても、個別電極19が露出する可能性を低減することができる。それにより、個別電極19に破損が生じる可能性を低減することができる。
さらに、めっき層2が、駆動IC用端子4近傍に設けられていることから、被覆層27が欠落する可能性の高い駆動IC11を搭載する工程において、被覆層27が欠落した場合においても、個別電極19が露出する可能性を低減することができる。なお、めっき層2が駆動IC用端子4の近傍に配置されているとは、例えば、めっき層2が駆動IC用端子4から0.01〜1mm程度離間した状態で配置されていることを示す。
また、サーマルヘッドX1は、図3に示すように、平面視して、個別電極19に設けられためっき層2の面積が、駆動IC用端子4に設けられためっき層10の面積よりも大きい構成となっている。それにより、めっき層10にて必要な無電解めっきを行う際に生じる電子の生成量を、めっき層2に対応する個別電極19の領域にて確保することができる。そのため、駆動IC用端子4に十分な量の電子が供給されることとなり、駆動IC用端子4にめっき未着が生じる可能性を低減することができる。
平面視して、個別電極19に設けられためっき層2の面積は、個別電極19に設けられためっき層10の面積の5〜100倍あることが好ましい。それにより、駆動IC用端子4にめっき未着が生じる可能性をさらに低減することができる。
また、サーマルヘッドX1は、図4に示すように、駆動IC用端子4に設けられためっき層10の厚みW2が、個別電極19に設けられためっき層2の厚みW1よりも大きい構成となっている。そのため、駆動IC11の第1接続端子11aとめっき層10との接続信頼性を向上させることができる。同様に、IC−FPC接続電極21の駆動IC用端子6に設けられためっき層10の厚みW3が、個別電極19に設けられためっき層2の厚みW1よりも大きいため、駆動IC11の第2接続端子11bとめっき層10との接続信頼性を向上させることができる。さらにまた、IC−FPC接続電極21のFPC用端子4に設けられためっき層10の厚みW4が、個別電極19に設けられためっき層2の厚みW1よりも大きいため、FPC5のプリント配線5b(図2参照)とめっき層10との接続信頼性を向上させることができる。
めっき層2の厚みW1は、1.5〜3.0μmであることが好ましく、めっき層10の厚みW2,W3,W4は、2.0〜3.5μmであることが好ましい。
めっき層2,10は、Ni、あるいはNiおよびAuにより形成することができる。めっき層2,10は、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21を所定のパターンに加工した後、共通電極17、個別電極19のめっき層2が設けられる領域である駆動IC用端子4,6およびFPC用端子8が露出した状態で、めっき液である硝酸亜鉛溶液に所定時間浸漬することにより、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21に含有されるAlの一部をZnで置換し、置換されたZnを触媒とした無電解Niめっきを行うことにより形成することができる。なお、めっき液に浸漬させる時間を長くすることにより、めっき層2、10の厚みを調整することができ、所定時間めっき液に浸漬させた後、めっき層10のみ露出した状態で、再度めっき液に浸漬させることにより、めっき層10の厚みW2,W3,W4をめっき層2の厚みW1よりも大きくすることができる。
また、めっき層2が、発熱部9の配列方向に沿って一列に形成されていることから、無電解めっきをする際に設けるマスクの形状を、一直線上に露出した形状とすることができ、マスク工程を簡易なものとすることができる。
次に、本発明のサーマルプリンタの一実施形態について、図5を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態のサーマルプリンタZの概略構成図である。
図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタZは、上述のサーマルヘッドX1、搬送機構40、プラテンローラ50、電源装置60および制御装置70を備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZの筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、サーマルヘッドX1は、発熱部9の配列方向が、後述する記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿うようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図5の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものであり、搬送ローラ43,45,47,49を有している。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。なお、図示しないが、記録媒体Pがインクが転写される受像紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルムを搬送するようになっている。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧するためのものであり、記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給するためのものである。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給するためのものである。
本実施形態のサーマルプリンタZは、図5に示すように、プラテンローラ50によって記録媒体をサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることで、記録媒体Pに所定の印画を行うことができる。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行うことができる。
<第2の実施形態>
図6,7を用いて第2の実施形態に係るサーマルヘッドX2について説明する。サーマルヘッドX2は、隣接する駆動IC11間を電気的に接続するIC接続電極23を備えている点でサーマルヘッドX1と異なり、その他の点は同様である。なお、同一の部材については、同一の符号を付するものとし、以下同様とする。
サーマルヘッドX2は、共通電極17と、個別電極19と、IC−FPC接続電極21と、IC接続電極23とを備えている。
IC接続電極23は、隣接する駆動IC11を電気的に接続するためのものであり、図6,7に示すように、IC電源配線23aとIC信号配線23bとを備えている。IC電源配線23aは、基板7の長手方向の両端部で基板7の右側の長辺の近傍に配置された端
部電源配線部23aEと、隣接する駆動IC11間に配置された中間電源配線部23aMとを有している。また、IC接続電極23は、一端部および他端部に、駆動IC11の端子(不図示)に接続される駆動IC用端子4を有している。
図6に示すように、端部電源配線部23aEは、一端部が駆動IC11の配置領域に配置され、IC−FPC接続電極21の周囲を回り込むようにして、他端部が基板7の右側の長辺の近傍に配置されている。端部電源配線部23aEは、一端部が駆動IC11に接続されているとともに、他端部がFPC5に接続されている。これにより、駆動IC11とFPC5との間が電気的に接続されている。
中間電源配線部23aMは、一端部が隣接する駆動IC11の一方の配置領域に配置され、他端部が隣接する駆動IC11の他方の配置領域に配置されている。中間電源配線部23aMは、一端部が隣接する駆動IC11の一方に接続され、他端部が隣接する駆動IC11の他方に接続されている。これにより、駆動IC11とFPC5との間が電気的に接続されている。
端部電源配線部23aEと中間電源配線部23aMとは、これらの双方が接続された駆動IC11の内部で電気的に接続されている。また、隣接する中間電源配線部23aM同士は、これらの双方が接続された駆動IC11の内部で電気的に接続されている。
このように、IC電源配線23aを各駆動IC11と接続することにより、IC電源配線23aが各駆動IC11とFPC5との間を電気的に接続している。これにより、後述するようにFPC5から端部電源配線部23aEおよび中間電源配線部23aMを介して各駆動IC11に電流を供給する。
IC信号配線23bは、図6,7に示すように、基板7の長手方向の両端部で基板7の右側の長辺の近傍に配置された端部信号配線部23bEと、隣接する駆動IC11間に配置された中間信号配線部23bMとを有している。
図7に示すように、端部信号配線部23bEは、端部電源配線部23aEと同様、一端部が駆動IC11の配置領域に配置され、IC−FPC接続電極21の周囲を回り込むようにして、他端部が基板7の右側の長辺の近傍に配置されている。端部信号配線部23bEは、一端部が駆動IC11に接続されているとともに、他端部がFPC5に接続されている。
中間信号配線部23bMは、一端部が隣接する駆動IC11の一方の配置領域に配置され、中間電源配線部23aMの周囲を回り込むようにして、他端部が隣接する駆動IC11の他方の配置領域に配置されている。中間信号配線部23bMは、一端部が隣接する駆動IC11の一方に接続され、他端部が隣接する駆動IC11の他方に接続されている。
端部信号配線部23bEと中間信号配線部23bMとは、これらの双方が接続された駆動IC11の内部で電気的に接続されている。また、隣接する中間信号配線部23bM同士は、これらの双方が接続された駆動ICの内部で電気的に接続されている。
このように、IC信号配線23bを各駆動IC11と接続することにより、IC信号配線23bが各駆動IC11とFPC5との間を電気的に接続している。これにより、後述するようにFPC5から端部信号配線部23bEを介して駆動IC11に供給された制御信号を、中間信号配線部23bMを介して、隣接する駆動IC11へ供給するように構成されている。
上記のIC接続電極23は、他の共通電極17、個別電極19、およびIC−FPC接続電極21と同様の方法により形成される。
図6,7に示すように、サーマルヘッドX2は、個別電極19の一部の領域にめっき層2が設けられている。そのため、個別電極19の駆動IC用端子4にめっき未着が生じる可能性を低減することができる。
また、IC接続電極23は、一端部に設けられた駆動IC用端子4および他端部に設けられた駆動IC用端子4との間に、めっき層2が設けられている。それにより、めっき層10とめっき層2とをIC接続電極23により電気的に導通することができる。
そのため、IC接続電極23の駆動IC用端子4にめっき未着が生じる可能性を低減することができる。つまり、サーマルヘッドX3は、駆動IC用端子4にめっき未着が生じることなくめっき層10を設けることができる。特に、IC接続電極23にめっき層2が設けられていることから、面積の小さい駆動IC用端子4にめっき未着が生じることを有効に抑えることができる。
また、図7に示すように、平面視して、IC接続電極23に設けられためっき層2の面積が、個別電極19に設けられためっき層2の面積よりも大きい構成となっている。そのため、駆動IC用端子4の面積が小さいIC接続電極23においても、めっきを生成するための電子を供給することができ、めっき未着が生じる可能性を有効に抑えることができる。
なお、個別電極19の一部の領域およびIC接続電極23の一部の領域にめっき層2を設けた例を示したが、IC接続電極23の一部の領域のみにめっき層2を設けてもよい。
<第3の実施形態>
図8を用いて第3の実施形態に係るサーマルヘッドX3について説明する。
サーマルヘッドX3は、個別電極19の発熱部9の近傍の領域にめっき層12が設けられており、めっき層12が、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21よりも熱伝導率の低い材料により形成されている。その他の構成は、サーマルヘッドX1と同様であり説明を省略する。
めっき層12は、個別電極19の発熱部9の近傍に設けられている。そして、めっき層12は、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21よりも熱伝導率の低い材料により形成されている。そのため、めっき層12を設けない構成に比べて、個別電極19の熱伝導率を相対的に低くすることができる。そのため、発熱部9により発生した熱が個別電極19を通じて放熱される熱量を低減することができ、印画効率を向上させることができる。なお、発熱部9の近傍とは、例えば、発熱部9から0.01〜1mm程度離間した領域を示す。
めっき層12を構成する元素としては、例えば、共通電極17、個別電極19およびIC−FPC接続電極21をAlで形成する場合、Niを例示することができる。また、個別電極19またはIC接続電極23上に設けられためっき層10も同様の材料を用いて作製することができる。Alの熱伝導率は237W/mK、Niの熱伝導率は90W/mKであることから、個別電極19の熱伝導率を低減することができる。
なお、めっき層10をNi、あるいはNiおよびAuを用いて形成し、めっき層12を熱伝導率の低いZnあるいはSn等の材料により形成してもよい。
<第4の実施形態>
図9,10を用いてサーマルヘッドX4について説明する。
サーマルヘッドX4は、共通電極17および個別電極19が、発熱部9に接続された薄電極部17d,19dと、薄電極部17d,19dよりも厚みの厚い厚電極部17e,19eを備えている。そして、厚電極部17e,19e上にめっき層12が設けられている。なお、めっき層12は、サーマルヘッドX3と同様のものであるため、説明を省略する。
サーマルヘッドX4は、共通電極17および個別電極19が、薄電極部17d,19dと、厚電極部17e,19eとを備えている。発熱部9に薄電極部17d,19dが接続されていることで、発熱部9に生じた熱を、共通電極17および個別電極19が放熱する熱量を小さくすることができる。さらに、厚電極部17e,19eを有することで、共通電極17および個別電極19の電気抵抗を低減することができる。
薄電極部17d,19dは、発熱部9に接続されており、厚みは0.1〜0.4μmであることが好ましい。このような厚みであることにより、発熱部9に生じた熱が薄電極部17d、19dに伝わりにくくなり、熱応答特性の高いサーマルヘッドX4とすることができる。
厚電極部17e,19eは、薄電極部17d,19dに接続されており、厚みは0.5〜2.0μmであることが好ましい。このような厚みであることにより、共通電極17および個別電極19の電気抵抗を下げることができる。そのため、共通電極17および個別電極19の電気容量を増加させることができる。
このような共通電極17および個別電極19は、例えば、次のように作製することができる。まず、厚電極部17e,19eをスパッタリングにより形成した後に、厚電極部17e,19eの一部をエッチングすることにより薄電極部17d,19dを形成すればよい。また、薄電極部17d,19dをスパッタリング等の薄膜形成技術により形成し、厚電極部17e,19eを印刷等の厚膜形成技術のように形成してもよく、厚電極部17e,19eを形成した後に、厚電極部17e,19eを被覆するように薄電極部17d,19dを設けてもよい。
図10(a)に示すように、サーマルヘッドX4は、厚電極部17e,19eの上にめっき層12が設けられている。そのため、薄電極部17d,19dにて、発熱部9の熱が共通電極17および個別電極19に伝わることを抑えることができる。さらに、厚電極部17e,19eの熱伝導率を低減することができ、共通電極17および個別電極19を通じて放熱される熱量を低減することができる。そのため、サーマルヘッドX4の印画効率を向上させることができる。
めっき層12は、図10(a)に示すように、厚電極部17e,19eの発熱部9側に設けることが好ましい。つまり、厚電極部17e,19eと薄電極部17d,19dとの接合部近傍に設けることが好ましい。それにより、厚電極部17e,19eに伝熱される熱量を低減することができる。
また、図9に示すように、サーマルヘッドX4は、平面視して、発熱部9の配列方向における端部に位置するめっき層2eの面積が、発熱部9の配列方向における中央部に位置するめっき層2cの面積よりも大きい。
それにより、サーマルヘッドX4は、発熱部9の配列方向において、端部に位置する個別電極19から放熱する熱量が、中央部に位置する個別電極19から放熱する熱量よりも小さい構成となる。その結果、発熱部9の配列方向において、サーマルヘッドX4の中央部の温度と端部の温度とを近づけることができる。
そのため、発熱部9の配列方向における温度分布を均一なものに近づけることができ、発熱部9の配列方向において、記録媒体の搬送しやすさ、あるいは印画濃度等を均一なものに近づけることができる。
また、発熱部9の配列方向における中央部に位置するめっき層2cの面積と、発熱部9の配列方向における端部に位置するめっき層2eの面積とを、漸次変化させてもよい。具体的には、発熱部9の配列方向における両端部に位置するめっき層2(2e)の面積が、発熱部9の配列方向における中央部に向かうにつれて徐々に小さくなる構成としてもよい。このような構成とすることにより、発熱部9の配列方向における温度分布をさらに均一なものに近づけることができる。
なお、サーマルヘッドX4では、厚電極部17e,19e上にめっき層12を設ける例を示したが、薄電極部17d,19d上にめっき層12を設けてもよい。その場合においても、薄電極部17d,19vに伝熱される熱量を低減することができ、効率のよい印画を行うことができる。
図10(b)を用いて、サーマルヘッドX4の変形例であるサーマルヘッドX5について説明する。サーマルヘッドX5は、平面視して、薄電極部17d,19dが他の部位よりも幅の狭い狭小部17d2,19d2を有している。また、狭小部17d2,19d2と、発熱部9または厚電極部17e,19eとを接続する接続部17d1,19d1を有している。
サーマルヘッドX5は、薄電極部17d,19dが他の部位よりも幅の狭い狭小部17d2,19d2を有していることから、発熱部9に生じた熱が、薄電極部17d,19dに伝熱することをさらに低減することができる。
また、図示していないが、狭小部17d2,19d2上にめっき層12を設けてもよい。それにより、狭小部17d2,19d2の熱伝導率をさらに低減することができ、サーマルヘッドX5が効率のよい駆動を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態であるサーマルヘッドX1を用いたサーマルプリンタZを示したが、これに限定されるものではなく、サーマルヘッドX2〜X6をサーマルプリンタZに用いてもよい。また、複数の実施形態であるサーマルヘッドX1〜X6を組み合わせてもよい。
例えば、図11に示すサーマルヘッドX6は、サーマルヘッドX1およびサーマルヘッドX3を組み合わせたものである。サーマルヘッドX6によれば、個別電極19にめっき層2,12を設けたことにより、駆動IC用端子4上に設けられためっき層10にめっき未着が生じる可能性を低減することができる。さらに、個別電極19の発熱部9の近傍の領域上にめっき層12を、個別電極19を形成する材料よりも熱伝導率の低い材料により形成したため、個別電極19の熱伝導率を低減させることができ、サーマルヘッドX6の印画効率を向上させることができる。
また、サーマルヘッドX1では、蓄熱層13に隆起部13bが形成され、隆起部13b
上に電気抵抗層15が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13に隆起部13bを形成せず、電気抵抗層15の発熱部9を、蓄熱層13の下地部13b上に配置してもよい。または、蓄熱層13を形成せず、基板7上に電気抵抗層15を配置してもよい。
また、サーマルヘッドX1では、電気抵抗層15上に共通電極17および個別電極19が形成されているが、共通電極17および個別電極19の双方が発熱部9(電気抵抗体)に接続されている限り、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を構成してもよい。
なお、めっき層2を個別電極19の一部の領域の上に設ける例を示したが、これに限定されるのもではなく、個別電極19の半分以上の領域にわたってめっき層2が設けられる構成としてもよい。上記構成とすることにより、被覆層27が欠落した場合においても、個別電極19が露出する可能性を低減することができ、個別電極19が破損する可能性を抑えることができる。
また、外部基板としてFPCを設けた例を示したが、可堯性のあるFPCでなく、硬質なプリント配線板を用いてもよい。硬質なプリント配線板としては、ガラスエポキシ基板あるいはポリイミド基板等の樹脂により形成された基板を例示することができる。
また、駆動IC11をヘッド基体3上に設けた例を示したが、ヘッド基体3上に設けなくてもよい。例えば、外部基板に駆動IC11を設け、駆動IC11とヘッド基体3とをワイヤボンディングにより電気的に接続してもよい。
さらにまた、電気抵抗層15を薄膜形成することにより、発熱部9の薄い薄膜ヘッドを例示して示したが、これに限定されるものではない。例えば、各種電極をパターニングした後に、電気抵抗層15を厚膜形成することにより、発熱部9の厚い厚膜ヘッドに本発明を用いてもよい。