JP5987378B2 - モルタル - Google Patents

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Description

本発明は、土木・建築工事に用いられるモルタルに関する。
土木・建築分野の各種工事は、施工個所に応じてグラウト材やセルフレベリング材などが用いられ、流動性や施工性、良好な硬化特性を有する材料が提案されている。
特許文献1では、流動性や材料分離抵抗性が良好で、硬化後のひび割れ抵抗性に優れるグラウト材が開示されている。
また、水分蒸発速度を低減して緻密な表面が得られる水硬系物質の硬化体を提供することを目的として、特許文献2には、水硬系物質を石灰系水溶液と混練して得た未硬化水硬系物質を微水滴養生と蒸気養生もしくは湿空養生との併用養生を施すことを特徴とする、水硬性物質の製造方法が開示されている。
特開2010−95389号公報 特開平04−209780号公報
しかしながら、水硬性組成物と水とを配合し、混練してモルタルを調製する際、混練毎に混練機の混練時間が異なる場合や、工事現場によっては複数の作業員が混練し、各々の混練機の混練時間や回転数等が異なる場合がある。混練時間が長い、あるいは回転数が大きい等の過剰な混練は、モルタルの水和反応を促進させ、凝結が始まる時間(凝結時間の始発)を短くする。その結果、施工箇所によってモルタルの凝結時間の始発の差が大きく異なり、設計通りに硬化せず、構造物は不連続になり、ひび割れを生じる場合がある。そのため、モルタルを調製する条件が異なる場合でも、水和反応が安定して、凝結時間の始発の変動が少ないモルタルが望まれている。ここで、特許文献1は主に流動性や材料分離抵抗性向上によるポンプ圧送性向上に係る技術であり、また、特許文献2は主に蒸気養生時の水分蒸発速度を低減して緻密な表面を得る技術であり、これらの先行技術文献には、本願の課題であるモルタルを調整する条件(混練機の混練時間や回転数など)が凝結時間の始発へ与える影響を低減する技術的思想がない。
そこで、本発明は、モルタルを調製する条件(混練機の混練時間や回転数など)が異なり、過剰に混練される場合でも、水和反応の促進が適度に抑制され、凝結時間の始発に差異が生じにくいモルタルを提供することを目的とする。
本発明者らは、モルタルを構成する水溶液に水酸化カルシウム水溶液を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水溶液とを配合し、混練して得られるモルタルであって、水溶液は、水酸化カルシウム水溶液である、モルタルを提供する。
上記モルタルは、混練機の混練時間や回転数の影響を受けにくい安定した水和特性により、調製条件の違いによる凝結時間への影響を受けにくい安定したモルタルを得ることができる。
本発明のモルタルにおいて、水硬性組成物が、さらに、細骨材及び流動化剤を含むことにより、モルタルの流動特性をより確実に向上することができる。
本発明のモルタルは、水酸化カルシウム水溶液が、25℃において、該水溶液100g中に水酸化カルシウムが0.085g以上溶解していると、調製条件の違いによる凝結時間への影響をより受けにくい安定したモルタルを得ることができるという、本発明を奏する効果をより一層有効かつ確実に得ることができる。
本発明のモルタルは、水酸化カルシウム水溶液が、飽和水酸化カルシウム水溶液であると、調製条件の違いによる凝結時間への影響をより受けにくい安定したモルタルを得ることができるという、本発明を奏する効果をさらに一層有効かつ確実に得ることができる。
本発明によれば、モルタルを調製する条件(混練機の混練時間や回転数など)が異なり、過剰に混練される場合でも、水和反応の促進が適度に抑制され、凝結時間の始発に差異が生じにくいモルタルを提供することができる。
本発明のモルタルは、水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水酸化カルシウム水溶液とを配合し、混練して得られる、モルタルである。本発明のモルタルの好適な実施形態を以下に説明する。
<水硬性組成物>
本実施形態に係る水硬性組成物の一例を説明する。本実施形態の水硬性組成物は、水硬性成分としてポルトランドセメントを含む。
ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び耐硫酸塩ポルトランドセメントから選ばれる少なくとも一種を用いることができる。速硬性の観点から、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント又は超早強ポルトランドセメントを用いることが好ましい。
本実施形態に係る水硬性組成物は、さらに、細骨材及び流動化剤を含むことが好ましい。
細骨材としては、珪砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の砂類、スラグ細骨材、再生細骨材のほか、アルミナクリンカー骨材、ウレタン砕、EVAフォーム及び発砲樹脂等の樹脂粉砕物から適宜選択して用いることが好ましい。特に細骨材としては、珪砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の砂類及びアルミナクリンカー骨材から選択したものを好適に用いることが好ましい。
細骨材は、最大粒子径が1400μm以下であり、且つ粒子径63μm以下の粒子の含有割合が10質量%以下であることが好ましく、最大粒子径が1180μm以下であり、且つ粒子径63μm以下の粒子の含有割合が5質量%以下であることがより好ましく、最大粒子径が1000μm以下であり、且つ粒子径63μm以下の粒子の含有割合が3質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態の水硬性組成物は、粒子径が上述の範囲にある細骨材を含むことによって、本発明のモルタルの強度特性や寸法安定性の向上をより確実にすることができる。
細骨材の粒子径は、JIS Z 8801:2006に規定される呼び寸法の異なる数個の篩いを用いて測定することができる。また、本明細書において、「最大粒子径が1400μm以下であり」とは、篩目1400μmの篩を用いたときに、細骨材が篩目1400μmの篩いを全て通過することであり、「粒子径63μm以下の粒子の含有割合」とは、篩目63μmの篩いを用いたときに、篩目63μmの篩いを通過する粒子の細骨材全体に対する含有割合(質量%)をいう。
細骨材の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは50〜400質量部であり、より好ましくは70〜300質量部であり、更に好ましくは90〜200質量部であり、特に好ましくは100〜150質量部である。
本実施形態の水硬性組成物は、細骨材の含有量を上述の範囲とすることによって、本発明のモルタルの硬化後の強度特性や寸法安定性の向上をより確実にすることができる。
流動化剤としては、減水効果を合わせ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系及びポリエーテルポリカルボン酸系等の市販の流動化剤から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、特にポリエーテル系又はポリエーテルポリカルボン酸系等の市販の流動化剤を用いることが好ましい。
本実施形態の水硬性組成物が流動化剤を含むことにより、より少ない量の水溶液との混練においても高い流動性を有するモルタルを得ることができるので好ましい。また、流動性を低下することなく、水溶液/水硬性組成物比を小さくできることにより、強度特性がより向上するので好ましい。
流動化剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、好ましくは0.04〜2.0質量部であり、より好ましくは0.06〜1.0質量部であり、更に好ましくは0.08〜0.5質量部であり、特に好ましくは0.1〜0.2質量部である。
本実施形態の水硬性組成物は、流動化剤の含有量を上述の範囲とすることによって、本発明のモルタルの流動性や硬化後の強度特性の向上をより確実にすることができる。
以上のとおり、本実施形態に係る水硬性組成物は、ポルトランドセメントを含む。さらに、細骨材や流動化剤を含むことが好ましく、本発明のモルタルの流動性や硬化後の強度特性、寸法安定性をより好ましくする。
本実施形態の水硬性組成物は、上記の成分に加えて、本発明のモルタルの特性を損なわない範囲で、石膏、アルミナセメント、無機質微粉末、無機系膨張材、金属系膨張材、凝結調整剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤、樹脂粉末等を好適に添加することができる。
石膏は、無水石膏、半水石膏、二水石膏等の石膏がその種類を問わず、一種又は二種以上の混合物として好適に添加することができる。石膏を添加することで、モルタルの寸法安定性の向上をより確実にする。
アルミナセメントは、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されているが、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であり、市販品はその種類によらず好適に添加することができる。アルミナセメントを添加することで、モルタルの硬化特性(速硬性)や寸法安定性の向上をより確実にする。
無機質微粉末は、フライアッシュ、高炉スラグ、製鋼スラグ、各種セラミック、炭酸カルシウムなどの微粉末や、これらを摩砕処理、熱処理、分級処理などによって粒子の平均円形度を高めた微粉末の一種又は二種以上を混合して好適に添加することができる。無機質微粉末を添加することで、モルタルの流動性や寸法安定性の向上をより確実にする。
無機系膨張材は、カルシウムサルフォアルミネート系ではアウイン、石灰系では生石灰、生石灰−石膏系、仮焼ドロマイト等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1種を好適に添加することができる。石灰系膨張材としては、生石灰、生石灰−石膏系が好ましく、中でも生石灰−石膏系が特に好ましい。無機系膨張材を添加することで、モルタルの寸法安定性の向上をより確実にする。
金属系膨張材は、アルミニウム粉、鉄粉などの金属粉を好適に添加することができる。中でも比重の面から、アルミニウム粉を添加することが特に好ましい。アルミニウム粉は、JIS K 5906:1998「塗装用アルミニウム顔料」の第2種に準ずるものを好適に添加することができる。金属系膨張材を添加することで、モルタルの寸法安定性の向上をより確実にする。
凝結調整剤は、水和反応を促進する凝結促進剤及び水和反応を遅延する凝結遅延剤がある。凝結促進剤及び凝結遅延剤の各々の成分(種類)、添加量及び添加比率を適宜選択して好適に添加することで、モルタルの流動性、流動保持性、凝結時間の詳細な調整をより確実にする。
増粘剤は、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系、及び水溶性ポリマー系などを好適に添加することができる。中でもセルロース系増粘剤を添加することが好ましい。増粘剤を添加することで、モルタルの材料分離抵抗性の向上をより確実にする。
消泡剤は、シリコーン系、アルコール系、ポリエーテル系、鉱物油系などの合成物質又は植物由来の天然物質など、公知のものを好適に添加することができる。消泡剤を添加することで、モルタルの表面性状や強度特性の向上をより確実にする。
収縮低減剤は、公知の収縮低減剤を好適に添加することができる。収縮低減剤としては、アルキレンオキシド重合物を化学構造の骨格に有するものなどが好ましい。例えばポリプロピレングリコール、ポリ(プロピレン・エチレン)グリコールなどのポリアルキレングリコール類及び炭素数1〜6のアルコキシポリ(プロピレン・エチレン)グリコールなどの一般に公知のものから好適に選択して添加することができる。収縮低減剤を添加することで、モルタルの寸法安定性の向上をより確実にする。
樹脂粉末は、特にその種類は限定されず、公知の製造方法で製造されたものを好適に添加することができ、ブロッキング防止剤を主に樹脂の表面に付着させた樹脂粉末が好ましい。また、水性ポリマーディスパージョンを噴霧やフリーズドライなどの方法で溶媒除去し、乾燥させた樹脂粉末が好ましい。樹脂粉末は、エチレン/酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ベオバ共重合体、又は酢酸ビニル/ベオバ/アクリル共重合体、スチレン/アクリル共重合体及びアクリル/メタアクリル共重合体などのアクリル系重合体を主成分とする樹脂粉末であることが好ましい。これにより、モルタルを硬化させた際の表面特性や下地との接着性や曲げ強度特性の向上をより確実にする。
<モルタル>
本発明のモルタルは、水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水酸化カルシウム水溶液とを配合し、混練することにより得られる。また、モルタルを調製する条件(混練機の混練時間や回転数など)が異なり、過剰に混練される場合でも、水和反応の促進が適度に抑制され、凝結時間の始発に差異が生じにくくするために、本実施形態に係る水酸化カルシウム水溶液は、25℃において、該水溶液100g中に水酸化カルシウムが0.085g以上溶解していることが好ましく、0.113g以上溶解していることがより好ましく、0.141g以上溶解していることがさらに好ましく、0.168g以上溶解していることが特に好ましい。水酸化カルシウムが上述の範囲で溶解していることにより、調製条件による水和反応への影響をより受けにくくする。
一般的にポルトランドセメント粒子は、水と接した後に、該粒子自体が溶解し、カルシウムイオンが放出される。その後核化および水和物の析出が生じ、これを水和反応という。ポルトランドセメントを含むモルタルを過度に混練すると、ポルトランドセメント粒子の表面(例えば、電気二重層)が乱されるため該粒子の溶解が過度に進み、その結果水和反応が促進される。水を上述の水酸化カルシウム水溶液とすることで、セメント粒子表面のイオン平衡層の厚みが増加するため、過度に混練した場合でも、水和反応の促進を適度に抑制できる。
また、上述の水酸化カルシウム水溶液は、飽和水酸化カルシウム水溶液であることで、調製条件による水和反応への影響をより受けにくくすることを一層確実にするので好ましい。さらに、所定のカルシウムイオン濃度を有する水酸化カルシウム水溶液が水酸化カルシウムに対して過飽和であれば、水和反応の促進を適度に抑制する効果がより大きくなることから、水酸化カルシウム水溶液は、過飽和水酸化カルシウム水溶液であることがより好ましい。
水酸化カルシウムは、市販のものを用いることができる。水への溶解性の面から、篩上45μm残分は0.5%以下が好ましく、0.4%以下がより好ましく、0.3%以下が更に好ましく、0.15%以下が特に好ましい。
本実施形態に係るモルタルは、例えば、水硬性組成物を袋物の形態で施工現場に搬入し、施工場所の近傍で現場設置型の混合・混練装置やハンドミキサー等の混合機を用いて、所定量の水酸化カルシウム水溶液を配合して、混練することにより、モルタルを得ることができる。また、モルタルを調製する際に、水酸化カルシウム水溶液の配合量を適宜変更することによって、モルタルのフロー値を調整することができる。
ここでフロー値とは、厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ100mmの塩化ビニル製パイプを置き、モルタルを充填した後、パイプを垂直に引き上げる。モルタルの広がりが静止した後、直角2方向の直径(mm)を測定し、その平均値をフロー値(mm)とする。
水酸化カルシウム水溶液の配合量は、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは32〜52質量部であり、より好ましくは35〜49質量部であり、更に好ましくは37〜47質量部である。水酸化カルシウム水溶液の配合量が上述の範囲内で水硬性組成物と混練されることにより、好適な流動性を有するモルタルとなる。
本実施形態のモルタルのフロー値は、好ましくは160〜290mmであり、より好ましくは170〜280mmであり、更に好ましくは180〜260mmである。フロー値を上述の範囲とすることにより、一層優れた流動性を有するモルタルを得ることができる。
本実施形態のモルタルは、水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水酸化カルシウム水溶液とを配合し、混練して調製され、所定の時間経過した後に、凝結が開始する(凝結時間の始発)。モルタルを調製する条件(混練機の混練時間や回転数など)が施工箇所により異なっても、設計通りに硬化し、ひび割れ等の不具合が生じないために、調製条件の違いによる凝結時間の始発の差を一定以下に保つ必要がある。ここで、凝結時間の始発は、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に記載の試験方法に準拠して測定される。
凝結時間の始発の差は、好ましくは30分以内であり、より好ましくは20分以内であり、更に好ましくは15分以内である。凝結時間の始発の差を上述の範囲とすることにより、ひび割れ等の不具合のない、優れた硬化体が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
以下(1)〜(4)に示す原材料を準備した。
(1)水硬性成分
・ポルトランドセメント、CEM I 42.5R(Lafarge Germany社製、ブレーン比表面積=2960cm/g)
(2)細骨材[S]
・珪砂(Quarz Werke社製、篩を使用して測定した珪砂の粒度構成を表1に示す。)
Figure 0005987378
(3)流動化剤[PCE]
・ポリエーテルポリカルボン酸系流動化剤(BASF Construction Polymers社製、商品名:Melflux2651F)
(4)水溶液
・水溶液A : 水道水
・水溶液B : 飽和水酸化カルシウム水溶液(水酸化カルシウム:宇部マテリアルズ社製、消石灰超特号、篩上45μm残分0.1%)
ここで、水溶液Bは、20℃の水1000gに上述の水酸化カルシウム50gを加え、ケミスターラーを用いて3分間攪拌して水酸化カルシウムを溶解させた後に、未溶解の水酸化カルシウムを除去して、飽和水酸化カルシウム水溶液を得た。
実施例及び比較例のモルタルを得るための上記材料の配合割合(質量部)は表2のとおりとした。
Figure 0005987378
[モルタルの調製]
温度20℃、湿度65%の恒温室において、恒温室と同温度に養生した水硬性組成物と水溶液を用い、2Lのポリ容器に表2に示す水溶液を270g入れ、タービン羽根を取り付けた攪拌機を使用し、300rpmで撹拌しながら水硬性組成物1500gを全量投入後、700rpmで所定時間混練して、モルタルを調製した。混練時間は1分間、2分間、7分間の3通りとした。
[物性の評価方法]
得られたモルタルを用いて以下(1)及び(2)に示す測定を行った。
(1)フロー試験
厚さ5mmのみがき板ガラスの上に内径50mm、高さ100mmの塩化ビニル製パイプを置き、モルタルを充填した後、パイプを垂直に引き上げた。広がりが静止した後に、直角2方向の直径を測定し、その平均値をフロー値(mm)とした。評価結果を表3に示す。
(2)凝結試験(凝結時間の始発)
JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に記載の試験方法に準拠して測定した。測定は温度20℃、湿度65%の恒温室にて行った。また、混練時間の違いによる始発への影響を、始発の一番遅い時間から始発の一番早い時間を差し引いて、始発の差(分)として求めた。評価結果を表3に示す。
Figure 0005987378
表3に示すように、混練時間の違いによるフロー値への影響は、実施例1及び比較例1ともに大きな違いは確認されなかった。しかしながら、実施例1のモルタルは、始発の差が15分であり、混練時間が異なっても凝結時間への影響は小さく、始発の差が小さいことが確認された。一方、比較例1は、始発の差が80分と大きいことが確認された。比較例1は、混練時間の増加と共に、水和反応が促進され、凝結時間の始発が早いことが確認された。
以上のことから、水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水酸化カルシウム水溶液とを配合し、混練して得られる本発明のモルタルは、調製する条件(混練機の混練時間や回転数など)が異なる場合でも、水和反応の促進を適度に抑制し、凝結時間の始発に差異が生じにくいモルタルであり、施工現場にて、設計通りに硬化し、ひび割れ等の不具合が生じない硬化体を形成することができる。

Claims (5)

  1. 水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水溶液とを配合し、混練して得られるモルタルであって、
    前記水溶液は、水酸化カルシウム水溶液であり、
    前記水硬性組成物は、さらに、細骨材及びポリカルボン酸系流動化剤を含み、
    前記細骨材の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して100〜150質量部であり、
    前記ポリカルボン酸系流動化剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して0.04〜2.0質量部であり、
    前記水酸化カルシウム水溶液は、25℃において、該水溶液100g中に水酸化カルシウムが0.085g〜0.156g溶解し、
    前記水酸化カルシウム水溶液の配合量は、水硬性成分100質量部に対して、32〜52質量部である、
    モルタル。
  2. 水硬性成分としてポルトランドセメントを含む水硬性組成物と水溶液とを含有するモルタルであって、
    前記水溶液は、水酸化カルシウム水溶液であり、
    前記水硬性組成物は、さらに、細骨材及びポリカルボン酸系流動化剤を含み、
    前記細骨材の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して100〜150質量部であり、
    前記ポリカルボン酸系流動化剤の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対して0.04〜2.0質量部であり、
    前記水酸化カルシウム水溶液は、25℃において、該水溶液100g中に水酸化カルシウムが0.085g〜0.156g溶解し、
    前記水酸化カルシウム水溶液の配合量は、水硬性成分100質量部に対して、32〜52質量部である、
    モルタル。
  3. 前記細骨材は、最大粒子径が1400μm以下であり、且つ粒子径63μm以下の粒子の含有割合が10質量%以下である、請求項1又は2に記載のモルタル。
  4. 前記モルタルのフロー値が160〜290mmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモルタル。
  5. 前記水酸化カルシウム水溶液は、飽和水酸化カルシウム水溶液である、請求項1〜のいずれか1項に記載のモルタル。
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