しかしながら、従来技術におけるコンタクトプローブを用いた検査装置においては、コンタクトプローブ110のプランジャー101と検査対象物としての半田端子108が当接した際に摩擦が強すぎると、ソケット106がコンタクトプローブ110を保持している力を超えコンタクトプローブ110が回ってしまい、複数のプランジャー101とこれに対応する半田端子108との摩擦の強弱によってそれぞれのプランジャー101の回転量に違いが生じ動作が一定にならない。このため良好な導通が確保できず、コンタクトプローブごとの動作も一定にならない為、導通の安定が保証されないという問題点があった。
(発明の目的)
本発明は上記問題を解決して、プランジャーの回転量を規定通り確実に回転させることができ、安定した導通が得られるコンタクトプローブを用いた検査装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するために、本発明におけるコンタクトプローブを用いた検査装置は、筒状体からなるバレル、該バレル内に摺動自在に嵌合するプランジャー、及び前記バレル内に配置され前記プランジャーを軸方向に付勢するバネを有し、前記プランジャーが前記バレル内部を回転しながら摺動する構造を有するコンタクトプローブと、前記コンタクトプローブを収納する収納孔を有するソケットとを備えたコンタクトプローブを用いた検査装置において、前記コンタクトプローブが前記収納孔内部で回転することを防止する回転防止手段を有し、前記回転防止手段は、前記バレルの端部に設ける切り欠きと、前記ソケットにおける前記バレルの切り欠けに対応する位置に設ける嵌合凹部と、前記切り欠き及び嵌合凹部に嵌合するコマとを有し、前記ソケットには複数のコンタクトプローブが収納されており、一つのコマが前記複数のコンタクトプローブのそれぞれのバレルの切り欠きと嵌合することを特徴とする。
上記構成とすることにより、プランジャーが指定された回転量通り回転して、検査対象物としての半田端子の酸化膜を破壊し導通を確保することができる上、ソケットに収納されたコンタクトプローブの回転量にバラつきが無くなり回転動作が一定になる。このことから指定の回転動作を保証できる。
また、上記構成とすることにより、コマの数が減るのでコマの加工数も減りコストを削減できる。
また、上記構成とすることにより、切り欠きと嵌合するコマの嵌合部の形状をより正確に製造することができ、コンタクトプローブの回転防止をより確実にすることができる。
前記ソケットは上ソケットと凹部を有する下ソケットからなり、前記凹部にインナーソケットが収納配置され、前記上ソケットと前記インナーソケットにはそれぞれコンタクトプローブを収納する収納孔が設けられていると共に前記上ソケットの一方の面と下ソケット、インナーソケットのそれぞれの一方の面とが互いに当接されて形成されていることを特徴とする。
上記構成とすることにより、コンタクトプローブの回転防止のためのコマの落下防止を図ることができると共にソケットの加工を容易にすることができる。
また、コマはシリコン、炭化シリコン、酸化シリコン、セラミック、ガラス、樹脂、ゴムのいずれかの絶縁体からなることを特徴とする。
上記構成とすることにより、コマの耐久性を向上させることができる。
また、プランジャーの先端部が略平面状、略円筒状、略円錐形状、略半球状のいずれかの形状からなることを特徴とする。
上記構成とすることにより、摺動し回転するプランジャー先端部が検査対象物としての半田端子と接触した際に効率よく酸化膜を破壊し半田端子との導通を確保することができる。
以上のように本発明によれば、プランジャーが検査対象物としての半田端子に当接しバレル内部を回転しながら摺動する際に、ソケットに対するコンタクトプローブの回転を防止する回転防止手段を有するため、プランジャーが指定された回転量通り回転して、検査対象物としての半田端子の酸化膜を破壊し導通を確保することができる上、ソケットに収納されたコンタクトプローブの回転量にバラつきが無くなり回転動作が一定になる。このことから指定の回転動作を保証でき、安定した導通が得られるコンタクトプローブを用いた検査装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、実施例1のコンタクトプローブを用いた検査装置の構成の例を示す断面図である。図1に示すように、本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置20は、コンタクトプローブ10と、コンタクトプローブ10を複数収納しているソケット11と、ソケット11における検査対象物としての半田端子14の反対側の面に固定された配線基板15と、回路の導通状態を検査する際ソケット11に対するコンタクトプローブ10の回転を防止するコンタクトプローブの回転防止手段とを備えている。また、コンタクトプローブ10は、螺旋状の案内面2を設けたプランジャー1と、基板側プランジャー9と、プランジャー1及び基板側プランジャー9を摺動可能に保持し内部に螺旋状の案内面2と接触する摺動凸部5が形成され、検査対象物としての半田端子14側(プランジャー1が突出する側)の端部の一部に切り欠き6を設けたバレル4と、プランジャー1、基板側プランジャー9を互いに逆の方向で、且つ軸方向(バレル4の中心から離反する方向)へ付勢するバネ8とを備えている。
図2は、図1におけるA部の部分拡大図、図3は、図1におけるB−B断面図である。図2、図3に示すように、ソケット11にはコンタクトプローブ10が収納される収納孔12が形成されており、このソケット11の収納孔12には、バレル4の切り欠き6に係合するように、切り欠き6に対応する位置に係止凸部13aが設けられている。このソケット11の係止凸部13aにバレル4の切り欠き6を係合させることにより、ソケット11に対するコンタクトプローブ10の回転を防止することができる。このように、本実施例におけるコンタクトプローブの回転防止手段は、ソケット11の係止凸部13aとバレル4の切り欠き6とを有し、ソケット11の係止凸部13aにバレル4の切り欠き6を係合させるものである。
また、ソケット11の検査対象物としての半田端子14側(プランジャー1が突出する側)における収納孔12の端部には段部11及び収納孔12から外部に貫通する貫通孔11bとが設けられている。貫通孔11bにはプランジャー1が挿通されており、この貫通孔11bの内径はプランジャー1の外径より大きく、且つコンタクトプローブ10の外径よりも小さい値に設定されているため、コンタクトプローブ10の端部が段部11に当接してコンタクトプローブ10がソケット11から脱落するのを防止するようになっている。
なお、配線基板15には基板側プランジャー9の突出部9aが当接されコンタクトプローブ10がソケット11に保持されている。
コンタクトプローブ10の材料として導電性材質が用いられ、プランジャー1の材料には銀パラジウム銅合金、バレル4の材料には金メッキが施されたリン青銅、バネ8の材料にはピアノ線を用いた。また、ソケット11の材料としては絶縁性材質のプラスチック(樹脂)を用いた。
図24は、プランジャーの先端の形状の例を示す側面図である。本実施例におけるプランジャー1は、図24(a)に示すプランジャーAの形状である。また、プランジャー1の先端部3の形状は図24(a)に示すプランジャーAの先端aのように平面状に形成されているため、通電性を向上させることができる。また、プランジャーの先端部の形状は、本実施例の平面状の他に、図24(b)に示すプランジャーBの先端bのように平面の中心を同一の軸とする円筒状の窪みを設けた略円筒状、図24(c)に示すプランジャーCの先端cのように略円錐形状、図24(d)に示すプランジャーDの先端dのように略半球形状でも良く、通電性を向上させることができる。
図5は、バレル4を示す図で、図5(a)は斜視図、図5(b)は図5(a)における矢印P方向からみた平面図である。図5に示すようにバレル4は筒状体の形状で、一方の端部に切り欠き6が形成されており、配線基板15側の他方の端部には、内方に向けてカシメ加工によって突設された3個のカシメ突部4a、4b、4cが形成されており、このカシメ突部4a、4b、4cに基板側プランジャー9が当接してバレル4からの脱落が防止される。また、配線基板15側の他方の端部には、切り欠き6と対応する位置に印刷により位置合わせ用のマーク7が端面に設けられている。このマーク7は、ソケット11の収納孔12にコンタクトプローブ10を挿入して、バレル4の切り欠き6と、ソケット11の係止凸部13aとを係合させる際の位置合わせに用いるものである。
また、このマーク7は、印として機能するためペイント、刻印、切り欠きによって形成されていても良い。
また、図4はバレル4の切り欠き6を示す斜視図、図6は、ソケット11の係止凸部13aを示す断面図である。図6に示すようにソケット11の係止凸部13aがバレル4の切り欠き6と係合する係合部の断面形状は略円弧状であり、ソケット11の収納孔12の内側に向かって突出するように形成されている。また、バレル4の切り欠き6は、図4示すようにソケット11の係止凸部13aの係合部と係合する略円弧状の凹部を形成する。なお、コンタクトプローブ10のその他の基本的な構成は従来例のコンタクトプローブと類似しているため、詳細な説明は省略する。
図7、図8は、ソケット11の係止凸部の他の例を示す断面図である。図7に示すように係止凸部13bの形状は、収納孔12の断面形状がDカット状になるように収納孔12の内側に向かって突出する面を平面に形成しても良い。この係止凸部13bに係合するようにバレル4の切り欠きを平面形状がDカット状に切り欠いた凹部に形成することでコンタクトプローブの回転を防止することができる。また、図8に示すように係止凸部13cの形状が収納孔12の内側に向かって突出する略角状の突起でも、係止凸部13cに係合するようにバレル4に設ける切り欠きの形状を略角状の凹部に形成することで、コンタクトプローブの回転を防止することができる。
以上のように本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置20は、コンタクトプローブ10のバレル4に設けられた切り欠き6と、ソケット11に設けられた係止凸部13aが係合するように収納孔12へ、コンタクトプローブ10を挿入し、プランジャー1先端部3を検査対象の半田端子14と当接させ回路の導通状態を検査する。この際、プランジャー1がバレル4内部を回転しながら摺動するが、コンタクトプローブの回転防止手段として、バレル4の切り欠き6とソケット11に設けられた係止凸部13aが係合しているので、半田端子14とプランジャー先端部3の摩擦力の影響を受けることなく、バレル4の回転が防止され、ソケット11に対するコンタクトプローブ10の回転を防止することができる。
これにより、プランジャー1が指定された回転量通り回転して、検査対象物としての半田端子14の酸化膜を破壊し導通を確保することができる。さらに、ソケット11に収納された複数のコンタクトプローブの回転量にバラつきが無くなり、回転動作が一定となる。これにより指定の回転動作を保証でき、安定した導通が得られるコンタクトプローブを用いた検査装置を実現することができる。
図9は、実施例2のコンタクトプローブを用いた検査装置の構成の例を示す断面図である。図9に示すように、本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置40は、コンタクトプローブ26と、コンタクトプローブ26を複数収納しているソケット27と、ソケット27における検査対象物としての半田端子14の反対側の面に固定された配線基板15と、回路の導通状態を検査する際ソケット27に対するコンタクトプローブ26の回転を防止するコンタクトプローブの回転防止手段とを備えている。また、コンタクトプローブ26は、螺旋状の案内面2を設けたプランジャー21と、基板側プランジャー9と、プランジャー21及び基板側プランジャー9を摺動可能に保持し、内部に螺旋状の案内面2と接触する摺動凸部5が形成され、半田端子14側の端部の一部に切り欠き24を設けたバレル23と、プランジャー21、基板側プランジャー9を互いに逆の方向(バレル23の中心から離反する方向)へ付勢するバネ8とを備えている。
ソケット27は上ソケット17と下ソケット18とを有し、下ソケット18には凹部18aが設けられており、この凹部18aにインナーソケット19が収納配置されている。上ソケット17とインナーソケット19にはそれぞれコンタクトプローブ26を収納する収納孔28a、28bが設けられている。上ソケット17の一方の面と、下ソケット18、インナーソケット19のそれぞれの一方の面とが互いに当接され、ソケット27が形成されており、収納孔28a、28bは連通する一個の収納孔を形成してコンタクトプローブ26が収納されている。下ソケット18の他方の面側である底部18bには、収納孔28bに対応する位置に収納孔28bから外部に貫通する貫通孔18cが設けられており、貫通孔18cにはプランジャー21が挿通されており、この貫通孔18cの内径はプランジャー21の外径より大きく、且つコンタクトプローブ26の外径よりも小さい値に設定されているため、コンタクトプローブ26の一方の端部が底部18bに当接してコンタクトプローブ26が下ソケット18から脱落するのを防止するようになっている。また、上ソケット17の他方の面には配線基板15が固定されており、収納孔28aの配線基板15側には段部17a及び収納孔28aから外部に貫通する貫通孔17bが設けられている。この貫通孔17bには基板側プランジャー9の突出部9aが挿通されており、貫通孔17bの内径は基板側プランジャー9の突出部9aの外径より大きく、コンタクトプローブ26の外径よりも小さい値に設定されているため、コンタクトプローブ26の他方の端部が段部17aに当接してコンタクトプローブ26が上ソケット17から脱落するのを防止するようになっている。また、上ソケットと17下ソケット18とには、それぞれ貫通孔34a、34bが設けられている。この貫通孔34a、34bに固定用ピン35が圧入され、上ソケットと17下ソケット18とが位置決めされ、固定されている。
図10は、図9におけるB部の部分拡大図、図11は、図9におけるコンタクトプローブを用いた検査装置40の主要部を下ソケットを外した状態において検査対象の半田端子14側から見た平面図である。図10、図11に示すように、インナーソケット19には、コンタクトプローブ26が収納される収納孔28bが形成されており、このインナーソケット19の検査対象物としての半田端子14側の端面には、収納孔28bに隣接しバレル23の切り欠き24と向かい合う位置に嵌合凹部29が形成され、バレル23の切り欠き24とインナーソケット19の嵌合凹部29にはコマ30aが嵌合されている。この嵌合凹部29は、その一部が収納孔28bと干渉するように設けられており、嵌合凹部29にコマ30aを嵌合したとき、コマ30aの一部が収納孔28bの内部に突出するようになっている。この突出した部分がコマ30aの嵌合部31aである。この嵌合部31aに切り欠き24を嵌合させることによって、インナーソケット19に対するコンタクトプローブ26の回転が防止される。このように、本実施例におけるコンタクトプローブの回転防止手段は、バレル23の端部に設ける切り欠き24と、インナーソケット19におけるバレル23の切り欠け24に対応する位置に設ける嵌合凹部29とにコマ30aを嵌合させたものである。なお、配線基板15には基板側プランジャー9の突出部9aが当接されコンタクトプローブ26がソケット11に保持されている。
コンタクトプローブ26の材料として導電性材質が用いられ、プランジャー21の材料には銀パラジウム銅合金、バレル23の材料には金メッキが施されたリン青銅、バネ8の材料にはピアノ線を用いた。また、上ソケット17、下ソケット18、インナーソケット19の材料としては絶縁性材質のプラスチック(樹脂)を用い、コマ30aの材料としては絶縁性の樹脂を用いた。
また、コンタクトプローブ26とコマ30aとの導通を防ぐことができるため、コマ30aの材料としては、絶縁性を有するシリコン、炭化シリコン、酸化シリコン、セラミック、ガラス、ゴムを用いても良い。
プランジャー先端部22の形状は、図24(b)に示すプランジャーBの先端bのように平面の中心を同一の軸とする円筒状の窪みを設けた略円筒状になるよう形成されている。また、通電性をあげることができるためプランジャー先端部の形状は図24(a)に示す平面、図24(c)に示す略円錐、図24(d)に示す略半球でも良い。
図12は、バレル23を示す図で、図12(a)は斜視図、図12(b)はマーク部分を示す断面図である。図12に示すようにバレル23は筒状体の形状で、一方の端部に切り欠き24が形成されており、配線基板15側の他方の端部には、基板側プランジャー9の抜け止め用の搾り縁部23aが形成されている。この搾り縁部23aに基板側プランジャー9が当接して脱落が防止されている。また、この縁部23aの上面には切り欠き24と対応する位置にペイントにより位置合わせ用のマーク25が設けられている。このマーク25は、ソケット27の収納孔28にコンタクトプローブ26を挿入して、バレル23の切り欠き24と、ソケット27の嵌合凹部29に嵌合されたコマ30aとを嵌合させる際の位置合わせに用いるものである。また、マーク25は印として機能するため印刷、刻印、切り欠きによって形成されていても良い。
なお、コンタクトプローブ26のその他の基本的な構成は実施例1と同様であるため詳細な説明は省略する。
図13は、インナーソケット19の嵌合凹部29と、この嵌合凹部29に嵌合するコマ30aとを示す断面図である。図13に示すようにインナーソケット19における嵌合凹部29の平面形状は略円形形状である。また、コマ30aの平面形状は円形形状の両側をカットした略俵型であり、バレル23の切り欠き24と嵌合するコマ30aの嵌合部31aの側面は平面である。また、図12に示すようにバレル23の切り欠き24は、嵌合部31aと嵌合して嵌合部31aの側面と接触する面を平面形状に形成し、バレル23の横断面形状がDカット状になるように凹部を形成する。
図14、図15は、コマの他の例を示す断面図である。図14に示すようにコマ30bの断面形状は略円形形状に形成しても良い。このコマ30bの略円弧状の嵌合部31bに係合するようにバレル23の切り欠きを略円弧状の凹部に形成することでコンタクトプローブの回転を防止することができる。また、図15に示すようにコマ30cの断面形状が略ひし形の形状でも、コマ30cの略角状の嵌合部31cに係合するようにバレル23の切り欠きを略角状の凹部に形成することで、コンタクトプローブの回転を防止することができる。
以上のように本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置40は、コマ30aがソケット27の嵌合凹部29に嵌合された状態で、コマ30aが切り欠き24に嵌合するように収納孔28へコンタクトプローブ26を挿入し、プランジャー21を検査対象の半田端子14と当接させて回路の導通状態を検査する。この際、プランジャー21がバレル23内部を回転しながら摺動するが、コンタクトプローブ40の回転防止手段として、ソケット27のインナーソケット19に設ける嵌合凹部29に嵌合されたコマ30aが切り欠き24に嵌合しているので、半田端子14とプランジャー先端部3の摩擦力の影響を受けることなく、バレル4の回転が防止され、ソケット27に対するコンタクトプローブ26の回転を防止することができる。これにより、プランジャー21が指定された回転量通り回転して、検査対象物としての半田端子14の酸化膜を破壊し導通を確保することができる。
また、本実施例のインナーソケット19に設けた嵌合凹部29、コマ30aは加工が簡単で形状をより正確に形成することができ、コンタクトプローブの回転防止をより確実にすることができるとともにコストを削減できる。
図16は、実施例3のコンタクトプローブを用いた検査装置の構成の例を示す断面図である。本実施例におけるコンタクトプローブを用いた検査装置は、1個のコマで2個のコンタクトプローブの回転を防止した例である。図16に示すように、本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置60は、コンタクトプローブ50、51と、コンタクトプローブ50、51をそれぞれ収納する収納孔53、54を有するソケット52と、ソケット52における一方の面(検査対象物としての半田端子14側)にネジ33で固定されたストッパープレート16と、他方の面に固定された配線基板15と、回路の導通状態を検査する際ソケット52に対するコンタクトプローブ50、51の回転を防止するコンタクトプローブの回転防止手段とを備えている。
また、コンタクトプローブ50は、螺旋状の案内面2を設けたプランジャー41と、基板側プランジャー9と、プランジャー41及び基板側プランジャー9を摺動可能に保持し、内部に螺旋状の案内面2と接触する摺動凸部5が形成され、半田端子14側の端部の一部に切り欠き47を設けたバレル45と、プランジャー41、基板側プランジャー9を互いに逆の方向(バレル45の中心から離反する方向)へ付勢するバネ8とを備えている。なお、コンタクトプローブ50、51は、互いに同じ構成であるが、説明の都合で一部の構成要素に異なる番号を付与してある。コンタクトプローブ51においては、プランジャー42、切り欠き48を設けたバレル46である。
ストッパープレート16には、収納孔53、54のそれぞれに対応する位置に収納孔53、54から外部に貫通する貫通孔16a、16bが設けられており、貫通孔16a、16bにはプランジャー41、42が挿通されている。この貫通孔16a、16bの内径はプランジャー41、42の外径より大きく、且つコンタクトプローブ50、51の外径よりも小さい値に設定されているため、コンタクトプローブ50、51の一方の端部がストッパープレート16に当接してコンタクトプローブ50、51がソケット52から脱落するのを防止するようになっている。
図17は、図16におけるコンタクトプローブを用いた検査装置60の主要部をストッパープレート16を外した状態において検査対象の半田端子14側から見た平面図である。図17に示すように、ソケット52の検査対象物としての半田端子14側の端面には、コンタクトプローブ50が収納されている収納孔53と、コンタクトプローブ51が収納されている収納孔54との間に嵌合凹部55が収納孔に隣接して配置されている。この嵌合凹部55を挟んで、コンタクトプローブ50のバレル45の切り欠き47と、コンタクトプローブ51のバレル46の切り欠き48とが互いに向かい合う形になるようにコンタクトプローブ50、51がそれぞれ収納孔53、54に配置されており、この切り欠き47と切り欠き48と嵌合凹部55にコマ56が嵌合されている。この嵌合凹部55は、その一部が収納孔53、54と干渉するように設けられており、嵌合凹部55にコマ56を嵌合したとき、コマ56の一部が収納孔53、54の内部に突出するようになっている。この突出した部分がコマ56の嵌合部56a、56bである。この嵌合部56a、56bに切り欠き47、48をそれぞれ嵌合させることによって、ソケット52に対するコンタクトプローブ50、51の回転を防止することができる。このように、本実施例におけるコンタクトプローブの回転防止手段は、バレル45の切り欠き47、バレル46の切り欠き48及びソケット52の嵌合凹部55にコマ56を嵌合させたものである。なお、配線基板15には基板側プランジャー9の突出部9aが当接されコンタクトプローブ50、51がソケット52に保持されている。
ソケット52における嵌合凹部55の平面形状は略円形形状である。また、コマ56の平面形状は円形形状の両側をカットした略俵型であり、バレル45、46の切り欠き47、48と嵌合するコマ56の嵌合部56a、56bの側面は平面である。また、バレル45、46の切り欠き47、48は、コマ56の嵌合部56a、56bの側面と接触する面を平面形状とする凹部を形成する。
また、実施例2と同じく、コマ56の形状が略円形や略ひし形であり、嵌合部の形状が略円弧状、略角状の形であっても良い。また、バレル45、46に設けられた切り欠き47、48の形状は実施例2と同様に略円弧状の凹部や略角状の凹部でも良い。
コンタクトプローブ50、51の材料として導電性材質が用いられ、プランジャー41、42の材料には銀パラジウム銅合金、バレルの材料には金メッキが施されたリン青銅、バネ8の材料にはピアノ線を用いた。
また、ソケット52の材料としては絶縁性材質のプラスチックを用い、コマ56の材料としてはシリコンを用いた。
また、コンタクトプローブ50、51とコマ56との導通を防ぐことができるため、コマ56の材料としては炭化シリコン、酸化シリコン、セラミック、ガラス、ゴム、樹脂を用いても良い。
図18は、バレル45を示す図で、図18(a)は斜視図、図18(b)はマーク部分を示す断面図である。図18に示すようにバレル45は筒状体の形状で、一方の端部に切り欠き47が形成されており、配線基板15側の他方の端部には、基板側プランジャー9の抜け止め用の搾り縁部45aが形成されている。この搾り縁部45aに基板側プランジャー9が当接して脱落が防止されている。また、この搾り縁部45aの上面には、切り欠き47と対応する位置に刻印により位置合わせ用のマーク49が設けられている。このマーク49は、ソケット52の収納孔53にコンタクトプローブ50を挿入して、バレル45の切り欠き47と、ソケット52の嵌合凹部55に嵌合されたコマ56とを嵌合させる際の位置合わせに用いるものである。また、印として機能するためマーク49は印刷、ペイント、切り欠きによって形成されていても良い。なお、バレル46については、バレル45と同様であるため説明を省略する。
プランジャー41、42の先端部43、44の形状は、図24(c)に示すプランジャーCの先端cのように略円錐になるよう形成されている。また、通電性をあげることができるためプランジャー41、42の先端部43、44の形状は図24(a)に示すように平面、図24(b)に示すように平面の中心を同一の軸とする円筒状の窪みを設けた略円筒状、図24(d)に示すように略半球でも良い。
また、コンタクトプローブ50、51のその他の基本的な構成は実施例2と同様であるため詳細な説明は省略する。
以上のように本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置60は、コマ56が嵌合凹部55に嵌合された状態で、収納孔53と収納孔54へコンタクトプローブ50とコンタクトプローブ51を挿入し、向かい合う切り欠き47と切り欠き48にコマ56が嵌合されるようにし、プランジャー41とプランジャー42を検査対象の半田端子14に当接させて回路の導通状態を検査する。この際、プランジャー41、42がバレル46内部を回転しながら摺動するが、コンタクトプローブ40の回転防止手段として、ソケット52の嵌合凹部55に嵌合されたコマ56が切り欠き47、切り欠き48に嵌合しているので半田端子14とプランジャー41、42の先端部43、44との摩擦力の影響を受けることなく、バレル45とバレル46の回転が防止され、ソケット52に対するコンタクトプローブ50、51の回転を防止することができる。これにより、プランジャー41、42が指定された回転量通り回転して、検査対象物としての半田端子14の酸化膜を破壊し導通を確保することができる。
また、一つのコマ56を複数のコンタクトプローブ50、51のそれぞれのバレル45、46の切り欠き47、48と嵌合させているので、コマの数が減り、コマの加工数も減りコストを削減できる。なお、本実施例においても実施例2と同様の効果を得ることができる。
図19は、実施例4のコンタクトプローブを用いた検査装置の構成の例を示す断面図である。また、図20は、実施例4のコンタクトプローブを用いた検査装置の主要部を下ソケットを外した状態で検査対象物側から見た平面図である。なお、図19は、図20におけるC−C断面に対応するものである。本実施例におけるコンタクトプローブを用いた検査装置は、1個のコマで4個のコンタクトプローブの回転を防止した例であり、コンタクトプローブの回転防止手段の基本的な構成は実施例3と同様である。また、ソケットの構造についは、実施例2と同様あるため詳細な説明は省略する。図19、図20に示すように、本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置90は、コンタクトプローブ78、79、80、81と、コンタクトプローブ78、79、80、81をそれぞれ収納する収納孔83a、83b、84a、84b、85a、85b、86a、86bを有するソケット82と、ソケット82における検査対象物としての半田端子14の反対側の面に固定された配線基板15と、回路の導通状態を検査する際ソケット82に対するコンタクトプローブ78、79、80、81の回転を防止するコンタクトプローブの回転防止手段とを備えている。コンタクトプローブ78、79、80、81は、互いに同じ構成であるが、説明の都合で一部の構成要素に異なる番号を付与してある。なお、コンタクトプローブ78、79、80、81の基本的な構成は実施例3と同様であるため詳細な説明は省略する。
図19に示すように、ソケット82は上ソケット37と下ソケット38とを有し、下ソケット38には凹部38aが設けられており、この凹部38aにインナーソケット39が収納配置されている。上ソケット37とインナーソケット39にはそれぞれコンタクトプローブ78を収納する収納孔83a、83b、コンタクトプローブ81を収納する収納孔86a、86bが設けられている。上ソケット37の一方の面と、下ソケット38、インナーソケット39のそれぞれの一方の面とが互いに当接され、ソケット82が形成されており、収納孔83a、83bは連通する一個の収納孔を形成してコンタクトプローブ78が収納されている。なお、収納孔86a、86b、その他の収納孔についても同様であるため説明は省略する。下ソケット38の他方の面側である底部38bには、収納孔83b、86bに対応する位置に収納孔83b、86bから外部に貫通する貫通孔38cが設けられており、貫通孔38cにはプランジャー61、64が挿通されており、この貫通孔38cの内径はプランジャー61、64の外径より大きく、且つコンタクトプローブ78、81の外径よりも小さい値に設定されているため、コンタクトプローブ61、64の一方の端部が底部38bに当接してコンタクトプローブ61、64が下ソケット38から脱落するのを防止するようになっている。また、上ソケット37の他方の面には配線基板15が固定されており、収納孔83a、86aの配線基板15側には段部37a及び収納孔83a、86aから外部に貫通する貫通孔37bが設けられている。この貫通孔37bには基板側プランジャー9の突出部9aが挿通されており、貫通孔37bの内径は基板側プランジャー9の突出部9aの外径より大きく、コンタクトプローブ61、64の外径よりも小さい値に設定されているため、コンタクトプローブ61、64の他方の端部が段部37aに当接してコンタクトプローブ61、64が上ソケット37から脱落するのを防止するようになっている。なお、図示していないが、収納孔84a、84b、85a、85bについても同様に上ソケット37とインナーソケット39に設けられており、コンタクトプローブ79、80が収納されている。また、上ソケット37の貫通孔37b、下ソケット38の貫通孔38cについても、それぞれの収納孔に対応する位置に設けられている。
また、上ソケットと37と、下ソケット38とには、それぞれ貫通孔34a、34bが設けられている。この貫通孔34a、34bに固定用ピン35が圧入され、上ソケットと37下ソケット38とが位置決めされ、固定されている。
図20に示すように、インナーソケット39には収納孔83b、84b、85b、86bが縦横に所定の間隔でマトリックス状に配置されており、インナーソケット39の検査対象物(図示せず)側の端面には、4個の収納孔83b、84b、85b、86bの中央付近に嵌合凹部87が収納孔83b、84b、85b、86bに隣接して設けられている。収納孔83b、84b、85b、86bには、バレル69の切り欠き73、バレル70の切り欠き74、バレル71の切り欠き75、バレル72の切り欠き76が対角方向で互いの中心を向く形になるようコンタクトプローブ78、79、80、81がそれぞれ収納されており、この切り欠き73、74、75、76と嵌合凹部87にコマ88が嵌合されている。この嵌合凹部87は、その一部が収納孔83b、84b、85b、86bと干渉するように設けられており、嵌合凹部87にコマ88を嵌合したとき、コマ88の一部が収納孔83b、84b、85b、86bの内部に突出するようになっている。この突出した部分(嵌合部)に切り欠き73、74、75、76をそれぞれ嵌合させることによって、インナーソケット39に対するコンタクトプローブ78、79、80、81の回転を防止する。このように、本実施例におけるコンタクトプローブの回転防止手段は、切り欠き73、74、75、76及び嵌合凹部87にコマ88を嵌合させたものである。
インナーソケット39における嵌合凹部87の平面形状は略円形形状である。また、コマ88の平面形状は四辺形であり、切り欠き73、74、75、76と嵌合するコマ88の嵌合部は四辺形の角部であり、その形状は略角状である。また、切り欠き73、74、75、76は、コマ88の嵌合部である角部と嵌合する略角状の凹部を形成する。
また、コマの形状を略円形や略俵型とし、嵌合部の形状を略円弧状、平面状の形としても良い。また、上記コマに対応するバレルに設けられた切り欠きの形は略円弧状の凹部や平面状とする。
コンタクトプローブ78、79、80、81の材料として導電性材質が用いられ、プランジャー61、62、63、64の材料には銀パラジウム銅合金、バレル69、70、71、72の材料には金メッキが施されたリン青銅を用いた。
また、上ソケット37、下ソケット38、インナーソケット39の材料としては絶縁性材質のプラスチックを用い、コマ88の材料としては炭化シリコンを用いた。
また、コンタクトプローブ78、79、80、81とコマ88との導通を防ぐことができるため、コマ88の材料としては絶縁性を有するシリコン、酸化シリコン、セラミック、ガラス、ゴム、樹脂を用いても良い。
図21は、バレル69を示す図で、図21(a)は斜視図、図21(b)は図21(a)における矢印P方向からみた平面図である。図21に示すようにバレル69は筒状体の形状で、一方の端部に切り欠き73が形成されており、他方の端部には、内方に向けてカシメ加工によって突設された3個のカシメ突部69a、69b、69cが形成されており、このカシメ突部69a、69b、69cに基板側プランジャー9が当接してバレル69からの脱落が防止される。また、配線基板15側の他方の端部には、バレル69の切り欠き73と対応する位置に切り欠きにより位置合わせ用のマーク77が端面に設けられている。このマーク77は、インナーソケット39の収納孔83bにコンタクトプローブ78を挿入して、バレル69の切り欠き73と、インナーソケット39の嵌合凹部87に嵌合されたコマ88とを嵌合させる際の位置合わせに用いるものである。
また、マーク77は印として機能するため印刷、ペイント、刻印によって形成されていても良い。なお、バレル70、71、72については、バレル69と同様であるため説明を省略する。
プランジャー6164の先端部65、66の形状は図24(d)に示す略半球になるよう形成されている。また、通電性をあげることができるためプランジャー6164の先端部の形状は図24(a)に示す平面、図24(b)に示す略円筒状、図24(c)に示す略円錐でも良い。なお、プランジャー62、63の先端部の形状についても同様である。
以上のように本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置90は、インナーソケット39の収納孔83b、84b、85b、86bの間の嵌合凹部87にコマ88が嵌合された状態で、コマ88が切り欠き73、74、75、76に嵌合するように収納孔83a、83b、84a、84b、85a、85b、86a、86bへ、コンタクトプローブ78、79、80、81をそれぞれ挿入し、プランジャー61、62、63、64を検査対象物としての半田端子(図示せず)と当接させ回路の導通状態を検査する。この際、プランジャー61、62、63、64がバレル83、84、85、86内部をそれぞれ回転しながら摺動するが、コンタクトプローブ78、79、80、81の回転防止手段として、インナーソケット39の嵌合凹部87に嵌合されたコマ88が切り欠き73、74、75、76に嵌合しているのでバレル69、70、71、72の回転が防止され、ソケット82に対するコンタクトプローブ78、79、80、81の回転を防止することができる。
また、一つのコマ88を4個のコンタクトプローブ78、79、80、81のそれぞれのバレル69、70、71、72の切り欠き73、74、75、76と嵌合させているので、コマの数が減り、コマの加工数も減りコストを削減できる。なお、本実施例においても実施例3と同様の効果を得ることができる。
図22は、実施例5のコンタクトプローブを用いた検査装置の構成の例を示す断面図である。また、図23は、実施例5のコンタクトプローブを用いた検査装置の主要部を下ソケットを外した状態で検査対象物側から見た平面図である。なお、図22は、図23におけるD−D断面に対応するものである。本実施例におけるコンタクトプローブを用いた検査装置は、1個のコマで多数のコンタクトプローブの回転を防止した例であり、コンタクトプローブの回転防止手段の基本的な構成は実施例3と同様である。図22、図23に示すように、本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置100は、複数のコンタクトプローブ96a、96bがそれぞれ直線状に配置され、所定の間隔で並行して配列されたコンタクトプローブ群91、92と、コンタクトプローブ群91、92をそれぞれ収納する複数の収納孔97a、97bを有するソケット93とソケット93における検査対象物としての半田端子14の反対側の面に固定された配線基板15と、回路の導通状態を検査する際ソケット93に対するコンタクトプローブ96a、96bの回転を防止するコンタクトプローブの回転防止手段とを備えている。コンタクトプローブ96a、96bの基本的な構成は実施例3と同様であるため詳細な説明は省略する。
本実施例のソケットの構造は、上ソケット、インナーソケットに凹部が形成されている点が実施例4と異なり、その他の基本的な構成は同様である。以下、簡単に説明する。図22に示すように、ソケット93は上ソケット57と下ソケット58とを有し、下ソケット58に設ける凹部58aにインナーソケット59が収納配置されている。上ソケット57とインナーソケット59には、それぞれコンタクトプローブ96aを収納する収納孔97c、97a、コンタクトプローブ96bを収納する収納孔97d、97bが設けられている。上ソケット57と、下ソケット58、インナーソケット59とは互いに当接されソケット93が形成されており、収納孔97c、97aは連通する一個の収納孔を形成してコンタクトプローブ96aが収納されている。なお、収納孔97d、97bについても同様であるため説明は省略する。また、上ソケット57には凹部57cが形成され、インナーソケット59には凹部59aが形成されていて、コンタクトプローブ96a、96bの一部が露出されている。下ソケット58の底部58bには、プランジャー99aが挿通される貫通孔58cが設けられており、コンタクトプローブ96a、96bの端部が底部38bに当接してコンタクトプローブ96a、96b脱落するのを防止するようになっている。また、上ソケット57には、収納孔97c、97dの配線基板15側には段部57a及び基板側プランジャー9の突出部9aが挿通されている貫通孔57bが設けられており、コンタクトプローブ96a、96bの端部が段部57aに当接してコンタクトプローブ96a、96bが脱落するのを防止するようになっている。
また、上ソケットと57と、下ソケット58とには、それぞれ貫通孔34a、34bが設けられている。この貫通孔34a、34bに固定用ピン35が圧入され、上ソケットと57下ソケット58とが位置決めされ、固定されている。
図23に示すように、インナーソケット59には複数の収納孔97aと、複数の収納孔97bとがそれぞれ直線状に所定の間隔で配置された収納孔群Aと、収納孔群Bとが所定の間隔で並行して配列されている。また、インナーソケット59における検査対象物(図示せず)側の端面には、収納孔群Aと、収納孔群Bとの間に長尺で帯状に形成された嵌合凹部94が設けられている。それぞれの収納孔97a、97bには、コンタクトプローブのバレル89aの切り欠き98aとバレル89bの切り欠き98bとが互いに対向し、嵌合凹部94側を向く形になるようにコンタクトプローブ96a、96bがそれぞれ収納されており、この切り欠き98a、98bと嵌合凹部94にコマ95が嵌合されている。この嵌合凹部94は、その一部が複数の収納孔97a、97bと干渉するように設けられており、嵌合凹部94にコマ95を嵌合したとき、長方形のコマ95の長手方向の辺側が収納孔97a、97bの内部に突出するようになっている。この突出した部分(嵌合部)にコンタクトプローブ群91、92におけるコンタクトプローブ96a、96bの切り欠き98a、98bをそれぞれ嵌合させることによって、ソケット93に対するコンタクトプローブ群91、92におけるコンタクトプローブ96a、96bの回転を防止することができる。このように、本実施例におけるコンタクトプローブの回転防止手段は、複数の切り欠き98a、98b及び嵌合凹部94にコマ95を嵌合させたものである。
コンタクトプローブ96a、96bの材料、及び上ソケット57、下ソケット58、インナーソケット59の材料は、実施例4と同様であるため説明を省略する。なお、コマ95の材料としては酸化シリコンを用いた。
また、コマ95の材料としてはシリコン、炭化シリコン、セラミック、ガラス、ゴム、樹脂を用いても良い。
インナーソケット59における嵌合凹部94の平面形状は長尺なので帯状をなす長方形である。また、コマ95は平面形状が長方形の棒状であり、切り欠き98a、98bと嵌合するコマ95の嵌合部である長手方向の側面は平面である。また、切り欠き98a、98bは、実施例3と同様であり詳細な説明を省略するが、コマ95と嵌合する面を平面状の凹部を形成する。
なお、図示していないが、コンタクトプローブ96a、96bのバレル89a、89bは、実施例3と同じように筒状体の形状で、一方の端部に切り欠き98a、98bが形成されており、他方の端部には、実施例3と同じように切り欠き98a、98bと対応する位置に、切り欠きにより位置合わせ用のマーク49が端面に設けられている。このマーク77は印として機能するため印刷、ペイント、刻印によって形成されていても良い。
プランジャー99a、99bの先端部67、68の形状は図24(d)に示す略半球になるよう形成されている。また、プランジャー先端部67、68の形状は通電性をあげることができるため図24(a)に示す平面状、図24(b)に示す略円筒状、図24(c)に示す略円錐形でも良い。なお、コンタクトプローブ96a、96bのその他の点については、実施例3と同様である。
以上のように本実施例のコンタクトプローブを用いた検査装置100は、ソケット93におけるインナーソケット59の収納孔97a、97bの間に形成された嵌合凹部94にコマ95が嵌合された状態で、コマ95が切り欠き98a、98bに嵌合するように収納孔97a、97bへ、コンタクトプローブ96a、96bを挿入し、切り欠き98a、98bにコマ95を嵌合させた状態で、プランジャー99a、99bを検査対象の半田端子(図示せず)と当接させ回路の導通状態を検査する。この際、プランジャー99a、99bがバレル89a、89b内部をそれぞれ回転しながら摺動するが、コンタクトプローブ96a、96bの回転防止手段として、ソケット93におけるインナーソケット59の嵌合凹部94に嵌合されたコマ95が切り欠き98a、98bに嵌合しているのでバレル89a、89bの回転が防止され、ソケット93に対するコンタクトプローブ96a、96bの回転を防止することができる。なお、本実施例においても実施例3と同様の効果を得ることができる。