JP5986235B2 - 貼付装置 - Google Patents
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Description
特許文献1によれば、ラベルが仮着された帯状台紙よりラベルを剥離する「剥離機構」を備えており、「剥離機構」としての剥離板にて帯状台紙のみを転向し帯状台紙よりラベルを剥離して粘着剤層を露呈するとともに、この剥離されたラベルを下流側で待機するラベル貼付装置の吸着板にて確実に吸着させるため、受渡装置を介してラベル貼付装置へと搬送している(剥離機構付き貼付装置)。
しかしながら、この剥離機構付き貼付装置は受渡装置を必要とするため、装置が大型化し、かつ、受渡装置を必要とする分、コストアップになるという問題がある。
ところで近年、環境保護の一環として、省資源化の目的から台紙がなく、基材の裏面に粘着剤層が露呈した、いわゆる、「台紙なしラベル」と称する「被印字媒体」を用いる傾向が強まってきた。
この台紙なしラベルに対応した貼付装置としては、帯状の台紙なしラベルを切断して単葉のラベル片(ラベル)とし、この切断したラベル片を物品(被貼付物)に貼り付ける切断機構付きの貼付装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示された切断機構付きの貼付装置を図6に基づき説明すると、貼付装置20は、サーマルプリンター30に隣接して設けられている。
ラベルプリンター30は、主に、台紙なしラベルLを装着する供給軸31と、印字機構32と、カッター機構33と、ラベル引出し機構34とを備えており、供給軸31に装着した台紙なしラベルLは、ガイドローラ35、36を経て、プラテン37およびサーマルヘッド38を備えた印字機構32に移送され、所定の印字情報を印字される。印字機構32にて所望の印字が施された台紙なしラベルLは、回転刃39および固定刃40を備えたカッター機構(切断機構)33に移送され単葉のラベル片LAに切断され、さらに、下流に設けられた駆動ローラ41および従動ローラ42を備えたラベル引出し機構34にて貼付装置20側へと移送される。
貼付装置20は、前記サーマルプリンター30のラベル引出し機構34によって引き出されてきたラベル片LAを吸着する吸着盤21と、この吸着盤21をラベル引出し機構34よりさらに下流側にわずかに移動させるラベル引離し機構(図示省略)と、ラベル片LAを吸着した状態の吸着盤21を進退動方向(矢示Y方向)に移動させるシリンダーロッド23を有するラベル貼付機構22とを備え、ラベル引出し機構34により吸着盤21の底面に供給されてきたラベル片LAを吸着盤に21にて吸着するとともに、ラベル貼付装置22のシリンダーロッド23を貼付方向である進出方向に移動して被貼付物(図示省略)にラベル片LAを貼り付けるようになっている。
しかしながら、上記貼付装置20は、サーマルプリンター30側のカッター機構(切断機構)33にて台紙なしラベルLを切断し単葉のラベル片LAとした後、吸着盤21にてラベル片LAを吸着させるまでに引出し機構34を必要とし、しかも、引出し機構34からのラベル片LAの引き離しを確実とするため、ラベル片LAが吸着された吸着盤21を下流側にわずかに移動させるためのラベル引離し機構(図示省略)を設けるなど構成が複雑になり、コストアップにつながるなどの問題があった。
また、切断機構付きの貼付装置と剥離機構付きの貼付装置では、使用態様が異なるため、兼用が難しいという問題があった。
ざらに、吸着盤に形成された前記可動刃を前記固定刃に対しわずかに斜め状態に対峙させるとともに、被印字媒体を吸着・保持する保持位置と、吸着盤に吸着・保持したラベル片を、被貼付物に対峙する貼付位置との2位置に揺動可能な揺動手段を備えるようにできる。
第2の発明に係る貼付装置は、帯状台紙にラベル片が仮着されたラベル連続体の前記ラベル片を被貼付物に貼付する貼付装置において、前記ラベル連続体の前記ラベル片に印字を施すとともに下流に搬送する印字機構と、前記印字機構の下流に設けられ固定刃を備えた固定刃支持部と、前記固定刃に対し着脱可能に設けられるとともに、鋭角部が形成された剥離板兼用のカバー体と、ラベル片を吸着・保持して移動する吸着盤を有する貼付機構と、前記固定刃支持部を上下方向および前後方向に位置調整する位置調整手段と、を備え、前記剥離板兼用のカバー体の前記鋭角部が下流側に突出するように前記カバー体にて前記固定刃を被覆し、かつ、前記鋭角部で前記ラベル連続体の帯状台紙のみを転向し帯状台紙より前記ラベル片を剥離して単葉のラベル片とするとともに、前記吸着盤に吸着・保持し、前記貼付機構を介して被貼付物に前記ラベル片を貼付する。
また、固定刃支持部の固定刃をカバー体で被覆した際、吸着盤の上流側の一辺がカバー体の先端部の上方に位置決めされるよう、位置調整手段を調整可能に設けることができる。
また、吸着盤に形成された可動刃を固定刃に対しわずかに斜め状態に対峙させるとともに、被印字媒体を吸着・保持する保持位置と、吸着盤に吸着・保持したラベル片を、被貼付物に対峙する貼付位置との2位置に揺動可能な揺動手段を備えるようにすれば、吸着盤を揺動するだけで、台紙なしラベルを吸着・保持する保持位置と、被貼付物に対峙してラベル片を貼り付ける貼付位置の2位置に揺動して位置決め可能となるため、簡単な機構で吸着盤を傾斜状態と水平状態に移動可能にできる。
また、第2の発明に係る貼付装置は、剥離板兼用のカバー体の鋭角部が下流側に突出するようにカバー体にて固定刃を被覆し、かつ、鋭角部でラベル連続体の台紙のみを転向し台紙よりラベル片を剥離して単葉のラベル片とするとともに、吸着盤に吸着・保持し、貼付機構を介して被貼付物にラベル片を貼付するようにしたので、1台の貼付装置で、台紙なしラベルにも帯状台紙にラベル片が仮着されたラベル連続体にも使用できるという効果がある。
なお、以下においては、従来と同様の部分には同一符号を付すに止め、詳説を省略する。
図1は、切断機構付の貼付装置の概略側面図であり、図2は、図1の要部を示す拡大説明図、図3は、図1中、矢示III方向より見た概略正面図である。
吸着盤5は、印字機構32の下流側に待機し、印字機構32より下流に搬送されてきた台紙なしラベルLを吸着5面aにて吸着・保持するようになっている。また、吸着盤5の一辺には可動刃7が形成されている。すなわち、吸着盤5の上流側(印字機構32側)の下端部(図1および図2における吸着盤5の右端部かつ下端部)のエッジ部分の一辺に「刃」が形成されるものであり、シリンダーロッド23を介して吸着盤5が進出方向(矢示F方向)に移動することにより「可動刃」としての役割を果たすようになっている。
なお、吸着盤5は、図示省略の真空装置に接続され、この真空装置(図示省略)により少なくとも弱吸引または強吸引の2段階の吸引力が作用するよう制御されるようになっており、弱吸引時は、台紙なしラベルLが吸着盤5に吸着されつつ吸着面5aに沿って下流側に搬送されるものであり、また、強吸引時は、台紙なしラベルL(または、ラベル片LA)が吸着面5aに強固に吸着・保持されるようになっている。
揺動手段6により、シリンダーロッド23の先端部に取り付けられている吸着盤5は、印字機構32の下流側に待機しているときは、前述したように、印字機構32側から搬送される台紙なしラベルLを吸引・保持する位置(保持位置T)において、水平状態に対し少し傾斜した状態に支持され、また、吸着盤5の吸着面5aが被貼付物Hに対峙する位置に移動するときは、徐々に水平状態に揺動して被貼付物Hにラベル片LAを貼り付ける位置(貼付位置U:図3において想像線で図示してある)に揺動・支持されるものである。
所望の長さに達したとき真空装置(図示省略)を切り換えて強吸引作動することにより強い吸着力が吸着盤5に作用するようにして吸着面5aに台紙なしラベルLを吸着・保持するとともに、吸着盤5が先端に取り付けられているシリンダーロッド23を進出するものであり、シリンダーロッド23の進出に伴い先端に取り付けられた吸着盤5が進出し、一辺に形成された可動刃7が斜めに進出して固定刃3と噛み合うようになっており、固定刃3、吸着盤5の可動刃7、および可動刃7が形成された吸着盤5を移動させるシリンダーロッド23により台紙なしラベルLを切断して単葉のラベル片LAとする切断機構8が構成されるものである。
なお、制御部9は、前記貼付機構2や揺動手段6、図示省略の真空装置などの各部と接続され、揺動手段6およびシリンダーロッド23による前述の保持位置Tおよび貼付位置Uへの移動、真空装置(図示省略)の2段階の切り換えなどの制御を行なうようになっている。
吸着盤5は、固定刃3に近接して可動刃7が位置決めされるよう揺動手段6により、保持位置Tにて待機する(図3参照)。
台紙なしラベルLが、印字機構32にて所望の印字を施され固定刃支持部4の上面部4aにガイド(案内)されながら搬送されてきたのに同期して、図示省略の真空装置が弱吸引作動し、吸着面5aに台紙なしラベルLを吸着しつつ下流側へ搬送する(台紙なしラベルLの搬送は、印字機構32のプラテン37の回転により行われる)。このとき、真空装置(図示省略)の弱吸引力が吸着盤5に作用しているため、吸着面5aには、台紙なしラベルLが固定刃3の先端から下に落ちない程度、かつ、台紙なしラベルLの下流方向への搬送が妨げられない程度の吸着力が働く。
台紙なしラベルLが所望の長さに達すると、図示省略の真空装置が強吸引作動して吸着面5aに台紙なしラベルLを吸着・保持するとともに、シリンダーロッド23を進出(矢示F方向)する。
シリンダーロッド23の進出に伴い、シリンダーロッド23の先端に取り付けられている吸着盤5が進出することにより吸着盤5の一辺に形成された可動刃7が進出し、固定刃3と噛み合うことにより台紙なしラベルLを切断して単葉のラベル片LAとする(切断位置)。このとき、ラベル片LAは、真空装置(図示省略)の強吸引作動により吸着面5aに保持されたままの状態となっている。
切断機構8による台紙なしラベルLの切断が終了すると揺動手段6が作動し、シリンダーロッド23を揺動することによりシリンダーロッド23の先端に取り付けられている吸着盤5を水平状態にするとともに、搬送手段(図示省略)を搬送されてくる被貼付物Hに同期をとって貼付位置Uに位置決めし、図示省略の搬送手段により搬送されてくる被貼付物Hにラベル片LAを貼り付ける。
被貼付物Hにラベル片LAを貼付する際、真空装置(図示省略)の吸引作動を停止して吸着面5aに吸着・保持されているラベル片LAを解放状態(吸着・保持から解放)とする。
被貼付物Hに対するラベル片LAの貼付が完了すると、シリンダーロッド23が退動および移動するとともに、揺動手段6が作動して吸着盤5を保持位置Tに戻し、次の台紙なしラベルLの搬送を待つ。
なお、以下においては、従来および先の実施の形態と同様の部分には同一符号を付すに止め、詳説を省略する。
なお、本実施の形態では、「被印字媒体」として帯状台紙Dにラベル片MAが仮着されたラベル連続体Mを使用した「剥離モード」の例で説明する。
供給軸31にラベル連続体Mを装着するに当たり、テンキーやディップスイッチなどの図示省略の入力手段を用いて、「剥離モード」に設定する。「剥離モード」に設定すると、ラベル連続体Mの帯状台紙Dよりラベル片MAを剥離するようになっている(詳細は後述する)。
貼付装置11は、主に、ラベル連続体Mを装着する供給軸31と、プラテン37およびサーマルヘッド38を備えた印字機構32と、貼付機構2と、印字機構32の下流で、かつ、貼付機構2に近接して設けられる固定刃3が形成された固定刃支持部4と、揺動手段6と、台紙巻取り機構12を備えており、印字機構32、貼付機構2、固定刃支持部4および揺動手段6の基本構成は、先の実施の形態とほほ同様の構成となっている。
位置調整部13は、縦位置調整部材13aと横位置調整部材13bとを備え、固定刃支持部4全体を上下流方向および上下方向(図4における左右方向並びに上下方向)に微調整して位置決め可能なようになっている。
ガイドローラ14は、固定支持部4の下端前方(図4おにおける下端の左側)に回転自在に設けられており、後述する帯状台紙Dのガイド用のローラである。
カバー体15は、一辺が鋭角形状を呈する鋭角部16となっており、前記固定刃3に対し着脱可能に設けられている。そして、カバー体15にて固定刃3を被覆するように装着し、「被印字媒体」を切断する固定刃3の「刃」の機能を発揮させないようになっている。さらに、固定刃3にカバー体15を装着すると、鋭角部16が下流側に突出するよう被覆され、カバー体15が「剥離板」の役目を果たすようになっている。
位置調整部13を使って固定刃支持部4を移動し、吸着盤5との位置を微調整する。この位置調整は、先の実施の形態における台紙なしラベルLの切断位置を「剥離モード」の吸着盤5の保持位置Tとすべく位置調整するものであり、カバー体15の鋭角部16の上方に対峙して吸着盤5の可動刃5側の一辺が重なるよう、かつ、水平方向に対しわずかに斜め上方に傾斜した状態で保持位置Tに位置決めされた吸着盤5に対し、カバー体15はほぼ水平状態となるよう位置決めされる。
供給軸31にラベル連続体Mを装着し印字機構32側へと引き出し、カバー体15にて帯状台紙Dのみ転向しガイドローラ14を経て台紙巻取り機構12に巻き付ける。
そして、図示省略のスイッチ等を投入して貼付動作を開始すると、剥離板兼用のカバー体15にてラベル連続体Mの帯状台紙Dよりラベル片MAが剥離され、ラベル片MAの後端部がカバー体15側に残った状態で剥離される(主に、図5参照)。そして、保持位置Tに位置決めされた吸着盤5にてラベル片MAを吸着・保持し、かつ、シリンダーロッド23を進出・移動して吸着盤5に吸着・保持されたラベル片MAを貼付位置Uへと位置決めし、搬送手段(図示省略)を搬送されてきた被貼付物Hにラベル片MAを貼り付ける。
なお、吸着盤5は、ラベル片MAを吸着・保持した保持位置Tより貼付位置Uへ移動する際、揺動手段6が作動し、シリンダーロッド23を揺動することによりシリンダーロッド23の先端に取り付けられている吸着盤5を水平状態に揺動し、搬送手段(図示省略)を搬送されてくる被貼付物Hにほぼ平行に対峙するようになっている。
貼付けを終了すると、シリンダーロッド23を退動・移動しながら吸着盤5を保持位置Tに戻す。
なお、水平方向に対しわずかに斜め上方に傾斜した状態の保持位置Tに位置決めされた吸着盤5の吸着面5aに対し、図示は省略するが、固定刃3を被覆したカバー体15がほぼ平行となるよう、吸着盤5の傾斜角に合わせてカバー体15の上面を形成するようにしても構わない。
LA ラベル片
M ラベル連続体
MA ラベル片
D 帯状台紙
H 被貼付物
U 貼付位置
T 保持位置
Y 進退動方向
F 進出方向
1 貼付装置(第1の実施の形態)
2 貼付機構
3 固定刃
4 固定刃支持部
4a 上面部(ガイド面)
5 吸着盤
5a 吸着面
6 揺動手段
7 可動刃
8 切断機構
9 制御部
11 貼付装置(第2の実施の形態)
12 台紙巻取り機構
13 位置調整部(位置調整機構)
14 ガイドローラ
15 カバー体
16 鋭角部
23 シリンダーロッド
32 印字機構
37 プラテン
38 サーマルヘッド
Claims (5)
- 基材の裏面に粘着剤層が露呈した台紙なしラベルに印字を施すとともに、前記台紙なしラベルを下流に搬送する印字機構と、
前記印字機構の下流側に設けられ、前記印字機構側から搬送される前記台紙なしラベルを保持する保持位置と前記台紙なしラベルを切断してなるラベル片を被貼付物に貼り付ける貼付位置とに移動可能であり、前記保持位置から前記貼付位置への移動とともに前記台紙なしラベルをラベル片として切断可能な可動刃を有する貼付機構と、
前記印字機構と前記貼付機構との間に設けられ、前記可動刃とともに前記台紙なしラベルを前記ラベル片として切断する固定刃および前記印字機構から前記貼付機構に搬送される前記台紙なしラベルを案内するガイドが形成された固定刃支持部と、を備え、
前記貼付機構は、前記固定刃支持部にガイドされて搬送された前記台紙なしラベルを吸着保持する吸着盤を有し、
前記可動刃は、前記吸着盤の上流側下端部のエッジ部分に形成され、
前記固定刃は、前記台紙なしラベルを切断する位置を基準にして、前記印字機構側に配置されるとともに、前記固定刃支持部の下流側先端部に形成され、
前記固定刃の上面部は、前記固定刃支持部の一辺として形成されて前記固定刃支持部の上面部と同一面であるとともに、前記下流側先端部に向かって前記台紙なしラベルのガイド面を形成することを特徴とする貼付装置。 - 前記固定刃支持部は、非粘着処理が施されたことを特徴とする請求項1に記載の貼付装置。
- 前記非粘着処理は、プラズマ加工されたことを特徴とする請求項2に記載の貼付装置。
- 前記貼付機構は、前記吸着盤を揺動する揺動手段を有し、
前記揺動手段は、前記吸着盤に形成された前記可動刃を前記固定刃に対しわずかに斜め状態に対峙させる位置および前記吸着盤に吸着されて保持される前記ラベル片が被貼付物にほぼ平行に対峙する位置に前記吸着盤を揺動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の貼付装置。 - 前記固定刃は、前記固定刃支持部の下流側先端部において前記台紙なしラベルの幅方向にわたって形成され、前記台紙なしラベルを切断するときに前記固定刃に対し前記可動刃がわずかに斜め状態に対峙することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の貼付装置。
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