JP5985810B2 - ロータリジョイントおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、2つの光ファイバを回転可能に光結合させるロータリジョイント、およびその製造方法に関する。
ロータリジョイントは、対向する2つの光ファイバ間を回転可能に光結合させる構造を有している。ロータリジョイントにおいて、回転側コリメータと固定側コリメータとの間に偏心のないのが理想ではあるが、現実的には多少なりとも偏心が存在する。偏心が存在すると、回転側コリメータの回転位置によって、光結合の劣化量が変化する。例えば、回転側コリメータのある回転位置において、偏心が小さくし光結合の劣化量を小さくしたとしても、回転位置が変わると、偏心が大きくなり光結合の劣化量が大きくなってしまう。
ロータリジョイントにおいて、偏心と出射角度の調整について言及した文献としては、特開平10−206686号公報(以下、686号ともいう)が挙げられる。
686号には、「光ファイバを保持した中心体と、この中心体およびコリメートレンズを光軸が一致するように結合した一対のレンズホルダと、前記各コリメートレンズが対向するように、各レンズホルダを少しの隙間を有して内蔵する各一の回転ホルダと、これらの回転ホルダの円周方向に設けられて、前記レンズホルダの前部を支持する偏心調整ねじおよび前記レンズホルダの後部を支持する出射角度調整ねじと、前記各回転ホルダをベアリングを介して回転自在に支持する1つのボデーとを備え、前記偏心調整ねじおよび出射角度調整ねじのねじ込み操作により、前記ベアリングの回転中心線に対して前記コリメートレンズから出射するコリメート光の偏心調整および出射角度調整を可能にしたことを特徴としている光ロータリコネクタ。」が開示されている。
ところで、ロータリジョイントを水中でも使用可能にする「水中用光ロータリコネクタ」が、特開昭63−267902号公報(以下、902号ともいう)に開示されている。
この「水中用光ロータリコネクタ」は、「双方の光ファイバの端末をフェルールを介して固定し、かつ、相互に回転可能に支持されているファイバ固定環とファイバ回転環からなるロータリ部品と、このロータリ部品を収容し、光ファイバと等価な屈折率を有する光学オイルが満たされている互いに回転可能な閉容器固定環と閉容器回転環とからなり、前記閉容器固定環に前記ファイバ固定環を固着し、前記閉容器回転環には前記ファイバ回転環が互いに遊び間隔を介して連結されている」ことを特徴としている。
特開平10−206686号公報 特開昭63−267902号公報
ロータリジョイントにおいては、回転側コリメータの回転位置によらず、偏心を小さくなるようにし、光結合の劣化量の変化を抑えたり、劣化量そのものを小さくすることが望まれている。
上述の686号に開示された「光ロータリコネクタ」では、偏心調整ねじおよび出射角度調整ねじが設けられ、偏心調整ねじはコリメート光の回転中心のずれを、出射角調整ねじはコリメータ光の回転中心線との出射角を、それぞれ調整している。
しかし、この「光ロータリコネクタ」では、以下のような問題がある。
(1)ねじを用いて、精密な調整をすることが困難である。
(2)偏心および出射角の調整は、それぞれ独立ではなく互いに関係しているので、調整に多大な時間を要する。
まず、ロータリジョイントで求められている光結合特性を満足するためには、光結合させるコリメータ同士の光軸において、回転に伴う偏心を10ミクロンオーダーの精度で調整することや、出射角を0.02度程度の精度で調整することが必要となる。したがって、ねじを用いる場合、例え微細なねじを用いたとしても、このような精密な調整をすることは非常に困難である。
また、ねじによる調整では、長期間の使用中に、回転に伴う振動や衝撃でねじが緩むこともあり、良好な光結合特性を維持することが困難である。
さらに、686号では、明細書の段落[0019]から[0025]に記載されているように、まず、レンズホルダについて、偏心調整ねじによってビーム光の振れを最小限に抑え、出射角度調整ねじによってビーム軌跡を回転中心に一致するように調整していることが記載されている。つまり、偏心を調整してから出射角度を調整して、接続損失を低減させている。
しかし、この「光ロータリコネクタ」において、偏心および出射角の調整はそれぞれ独立ではなく、明細書に記載の通りにそれぞれ1回の調整をしただけでは、接続損失を最小にすることは困難である。その理由を以下に述べる。
この「光ロータリコネクタ」において、レンズホルダは、回転ホルダ内に支持されている。回転ホルダでは、その前側に設けられた偏心調整ねじでレンズホルダの前部を横方向から支持し、その後側に設けられた出射角調整ねじでレンズホルダの後部を横方向から支持する構造になっている。つまり、偏心調整ねじと出射角調整ねじとは、ともに同じレンズホルダを横方向から支持している。
そこで、偏心の調整をするために偏心調整ねじを調整すると、出射角調整ねじで支持されたレンズホルダの後部付近が固定されたまま、レンズホルダの前部が横方向に移動することになるので、出射角が変化する。一方、出射角の調整をするために出射角調整ねじを調整すると、偏心調整ねじで支持されたレンズホルダの前部付近が固定されたまま、レンズホルダの後部が横方向に移動することになるので、僅かながら偏心量が変化する。このように、偏心および出射角の調整は、互いに関係している。
また、このような調整では、回転ホルダの回転によって、レンズホルダの光軸が歳差運動するのをなくすことは困難である。
このように、この「光ロータリコネクタ」において、偏心および出射角(偏角)の調整は互いに独立ではなく、接続損失を最小にするための調整は困難であり、長時間を要してしまう。なお、686号の明細書では、偏心および出射角の調整が互いに影響することは、指摘されていない。
この明細書において、偏角は、コリメータにおける出射角または入射角の意味で用いられている。
また、上述の902号公報に開示された「水中用光ロータリコネクタ」では、その内部空間にオイルを充填することによって、水中での使用を可能にしている。しかし、ロータリジョイントにおいて、オイルの使用は、光学特性の劣化やオイル漏れのトラブルを招いたりすることから、好まれないこともある。
そこで、本発明では、回転側コリメータが回転位置によらず偏心を抑えて、光結合の劣化量の変化を抑えたり、劣化量そのものを小さくでき、実用的な光結合特性を有するロータリジョイント、およびその製造方法を提供する。さらに、偏角および偏心が独立に調整可能で、実用的な光結合特性を有するロータリジョイント、およびその製造方法を提供する。
また本発明は、その内部にオイルを充填せずとも、水滴のかかる環境での使用をも可能にする、防滴機能を持たせたロータリジョイントを提供することである。
そこで、本発明によるロータリジョイントは、有蓋円筒形状のジョイント本体と、該ジョイント本体の蓋部の中央部に設けられた固定側コリメータと、前記ジョイント本体の内部に、軸受機構を介して回転可能に設けられた円筒ホルダと、該円筒ホルダの内部に設けられた回転側コリメータと、を備え、前記回転側コリメータのコリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが平行になっており、光軸シフト機構の自在結合構造により、前記回転側コリメータのコリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが光学的に一致していることを特徴とする。
すなわち、本発明によるロータリジョイントは、
有蓋円筒形状のジョイント本体と、
該ジョイント本体の蓋部の中央部に設けられた固定側コリメータと、
前記ジョイント本体の内部に、軸受機構を介して回転可能に設けられた円筒ホルダと、
該円筒ホルダの内部に設けられた回転側コリメータと、を備え、
前記固定側コリメータは、第1光ファイバと、該光ファイバが内挿される第1フェルールと、該フェルールが内挿される第1フェルールホルダと、第1コリメータレンズとを含んで構成され、
前記回転側コリメータは、第2光ファイバと、該光ファイバが内挿される第2フェルールと、該フェルールが内挿される第2フェルールホルダと、第2コリメータレンズと、光軸シフト機構とを含んで構成され、
前記回転側コリメータの前記第2コリメータレンズから前記光軸シフト機構へ入射する第2コリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが平行になっており、
前記光軸シフト機構は、前記円筒ホルダにおける前記光軸シフト機構を保持する光軸シフト機構支持部に、帯状の部分球面を有する形状の平行板ホルダに取り付けられた平行透明板を設けて構成され、
前記光軸シフト機構支持部の先端部が前記平行板ホルダの帯状の部分球面の受け部となり、前記平行板ホルダの帯状の部分球面と前記光軸シフト機構支持部の先端部とが接して、光軸シフト機構の自在結合構造を構成しており、
前記回転側コリメータの前記光軸シフト機構から出射する第1コリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが光学的に一致していることを特徴とするロータリジョイントである。
ここで、帯状の部分球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を北緯C度から南緯C度の範囲で輪切りにしたような形状、または、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。
また、本発明によるロータリジョイントにおいて、
前記円筒ホルダは、前記軸受機構に挿入する円筒ホルダ本体部と、前記光軸シフト機構支持部とを含み、その内部に段差部が設けられ、
前記第2フェルールホルダはその後部が帯状の第2部分半球面を有し、前記円筒ホルダ内部の段差部が前記第2部分半球面の受け部となり、前記第2部分半球面と前記段差部とが接して、回転側コリメートの自在結合構造を構成していることが好ましい。
ここで、帯状の部分半球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。なお、0度≦A度<B度<90度である。
また、本発明によるロータリジョイントにおいて、
前記蓋部の中央部が円環状凸部をなし、前記第1フェルールホルダはその前部が帯状の第1部分半球面を有し、前記円環状凸部が前記第1部分半球面の受け部となり、前記第1部分半球面と前記円環状凸部とが接して、固定側コリメートの自在結合構造を構成していることが好ましい。
加えて、本発明によるロータリジョイントにおいて、
前記固定側コリメータでは、該固定側コリメータがキャップで覆われており、前記第1光ファイバと前記キャップとの間に防滴用樹脂が充填され、
前記回転側コリメータでは、前記第2光ファイバと前記円筒ホルダとの間に防滴用樹脂が充填され、それぞれ水密シールされており、
前記ジョイント本体の第2ファイバ側の一端部は、前記円筒ホルダとの間にはオイルシールを用いた水密構造が構成され、
前記オイルシールは円環状部材により抜け止めされているロータリジョイントである。
また、本発明によるロータリジョイントにおいて、
前記円筒ホルダのジョイント本体部分と固定側コリメータのキャップとの接合部と、
前記円筒ホルダのジョイント本体部分と前記水密構造のオイルシール保持部との接合部とのそれぞれの外周部に、シーリング材が被覆されていることが好ましい。
また、本発明によるロータリジョイントにおいて、
前記円筒ホルダのジョイント本体部分が、第1本体部と第2本体部とに分かれており、
前記第1本体部と前記第2本体部との接合部の外周部に、シーリング材が被覆されていることが好ましい。
さらにまた、本発明によるロータリジョイントの製造方法は、
有蓋円筒形状のジョイント本体と、
該ジョイント本体の蓋部の中央部に設けられた固定側コリメータと、
前記ジョイント本体の内部に、軸受機構を介して回転可能に設けられた円筒ホルダと、
該円筒ホルダの内部に設けられた回転側コリメータと、を備えたロータリジョイントの製造方法であって、
前記固定側コリメータは、第1光ファイバと、該光ファイバが内挿される第1フェルールと、該フェルールが内挿される第1フェルールホルダと、第1コリメータレンズとを含んで構成され、
前記回転側コリメータは、第2光ファイバと、該光ファイバが内挿される第2フェルールと、該フェルールが内挿される第2フェルールホルダと、第2コリメータレンズと、光軸シフト機構とを含んで構成され、
該光軸シフト機構は、前記円筒ホルダにおける前記光軸シフト機構を保持する光軸シフト機構支持部に、帯状の部分球面を有する形状の平行板ホルダに取り付けられた平行透明板を設けて構成され、
前記回転側コリメータの前記第2コリメータレンズから前記光軸シフト機構へ入射する第2コリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが平行になるように調整し、前記第2フェルールホルダを前記円筒ホルダに固定する偏角調整工程と、
前記光軸シフト機構支持部の先端部が前記平行板ホルダの帯状の部分球面の受け部となり、前記平行板ホルダの帯状の部分球面と前記光軸シフト機構支持部の先端部とが接した状態で回転可能であり、前記平行板ホルダを回転させることにより前記平行透明板を傾けて、前記回転側コリメータの前記光軸シフト機構から出射する第1コリメート光の光軸および前記固定側コリメータからのコリメート光の光軸を光学的に一致させて、前記平行板ホルダを前記光軸シフト機構保持部の内面に固定する偏心調整工程と、
を有することを特徴とする。
ここで、帯状の部分球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を北緯C度から南緯C度の範囲で輪切りにしたような形状、または、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。
本発明のロータリジョイントでは、回転側コリメータが回転しても、光軸シフト機構が回転側コリメータとともに回転するので、回転側コリメータの光軸は、固定側コリメータの光軸と、光学的に常に一致するように構成されている。したがって、偏心を小さく抑えられ、実用的な光結合特性を有するロータリジョイントが実現できる。
本発明のロータリジョイントにおいて、さらに、自在結合構造を備えていると、偏角および偏心が独立に調整可能なので、調整を含めたロータリジョイントの製造が容易に行えるという効果を奏する。
また、本発明のうち、防滴機能を持っているロータリジョイントでは、水滴のかかる環境での使用が可能となる。
本発明によるロータリジョイントの実施形態1における断面図である。 固定側コリメータの別形態を説明する図である。 帯状の部分半球面を説明する図である。 帯状の部分球面を有する形状を説明する図である。 帯状の部分半球面を有する平行板ホルダを説明する図である。 平行透明板の基本的な作用を説明する図である。 コリメータ同士の光学結合における、偏角量および偏心量と、光結合の劣化量の関係を調べたグラフである。 偏心している回転側コリメータが回転した場合における、平行透明板の作用を説明する図である。 本発明によるロータリジョイントにおいて、回転側コリメータの光軸位置をXY座標軸にプロットした図である。 本発明によるロータリジョイントにおける、回転時の損失の変動を測定したグラフである。 本発明による防滴機能を持たせたロータリジョイントの実施形態2における断面図である。 防滴機能を持たせたロータリジョイントの固定側の拡大断面図である。 防滴機能を持たせたロータリジョイントの水密構造の拡大断面図である。 オイルシールの片側の断面構造を示す図である。 防滴機能を持たせたロータリジョイントにおいて、水密構造をOリングを用いて構成した例を説明する断面図である。 防滴機能を持たせたロータリジョイントに用いうるOリングの断面形状の例を説明する図である。
[実施形態1]
本発明によるロータリジョイントのうち、通常の環境で使用されるロータリジョイントである実施形態1を、図面とともに説明する。図1は、通常の環境で使用されるロータリジョイントの断面図である。
本発明によるロータリジョイント100は、ジョイント本体40と、固定側コリメータ10と、円筒ホルダ30と、回転側コリメータ20と、を備えている。ジョイント本体40は概略円筒形状をしており、第1本体部41と第2本体部42とを有し、さらに第2本体部42の一端に蓋部43が設けられている。蓋部43には、その中央部に孔が開けられて、固定側コリメータ10が設けられている。
なお、ジョイント本体40は、回転側コリメータ20や光軸シフト機構50の組立てが容易になるように、第1本体部41と第2本体部42とに分かれていることが好ましい。第1本体部41、第2本体部42および蓋部43は、一般にYAGレーザ溶接が可能な金属製(例えば、ステンレス鋼)であり、これらが組み合わされてYAGレーザにより溶接され、最終的に一体化されてジョイント本体40が構成されている。
なお、図1では、ジョイント本体40において、第2本体部42と蓋部43とは、1つの母材から加工された一体部品として示されているが、これに限られず、それぞれ別の部品としてもよい。このように、第2本体部42、蓋部43および第1フェルールホルダ13は、1つの母材から加工された一体部品として構成されてもよいし、それぞれ別部品として構成されてもよい。
固定側コリメータ10は、第1光ファイバ11と、該光ファイバ11を内挿する第1フェルール12と、該フェルールを内挿する第1フェルールホルダ13と、第1コリメータレンズ14と、を含んで構成される。第1フェルール12は、一般にセラミックス製であり、その先端面は光学研磨されている。第1フェルールホルダ13は、一般にYAGレーザ溶接が可能な金属製であり、蓋部43と組み合わされ、その光軸がジョイント本体40の中心軸に一致するように位置調整された後、YAGレーザにより溶接されて、固定される。
図1に示したように、ジョイント本体40の蓋部43と第1フェルールホルダ13とが別部品として構成されていると、それぞれの部品の加工が簡便となるので、好ましい。
第1コリメータレンズ14は、第1光ファイバ11から出射する光を平行光にするものであり、図の例では球面レンズを用いた例である。レンズについては、これに限られず、非球面レンズや屈折率分布型レンズ、いわゆるロッドレンズ等を用いることができる。
図1に示した固定側コリメータ10では、光軸角度を調整する構造は有していないが、これに限られず、図2に示したように、光軸角度を調整する構造も採用できる。図2において、固定側コリメータ110は、第1光ファイバ11と、該光ファイバ11を内挿する第1フェルール12と、別の光ファイバを内挿するファイバスタブ16と、第1フェルールとファイバスタブとを内挿する割スリーブ17と、これらを内挿する第1フェルールホルダ130と、第1コリメータレンズ14と、を含んで構成される。
ファイバスタブ16は、一般にセラミックス製であり、その中心に光ファイバが内挿され、両端面が光学研磨されている。ファイバスタブ16は、第1フェルール12と同じ直径を有しており、ともに割スリーブ17に内挿されて、光結合される。
図2において、第1フェルールホルダ130には、その先端が帯状の部分半球面131を有しており、ジョイント本体の蓋部43の中央部には、円環状凸部であるリング部18が設けられている。リング部18は帯状の部分半球面131の受け部になっており、部分半球面131とリング部18とが接した状態で自在に回転できるようになっており、固定側コリメートの自在結合構造を構成している。
第1フェルールホルダ130における帯状の部分半球面131を有する形状とは、図3に示したように、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状と定義する。なお、0度≦A度<B度<90度であり、図中のEq.は、地球儀における赤道(=0度)である。
なお図2では、円環状凸部であるリング部18は、蓋部とは別部品となっているが、蓋部と一体の部品であってもよい。
図1に戻って、円筒ホルダ30は、軸受機構60に挿入する円筒ホルダ本体部31と、光軸シフト機構を支持する光軸シフト機構支持部32と、を含んで構成される。円筒ホルダ30には、その内部に段差部33が設けられているとよい。円筒ホルダ本体部31と光軸シフト機構支持部32とは、一般にYAGレーザ溶接可能な金属製であり、互いに組み合わされてYAGレーザにより溶接され、円筒ホルダ30が構成される。
そして、円筒ホルダ30は、ジョイント本体40の内部に、軸受機構60,60を介して回転可能に設けられている。軸受機構60としては、ボールベアリングやローラベアリング、含油焼結金属を用いたすべり軸受などが挙げられる。なお図1では、円筒ホルダ本体部31と光軸シフト機構支持部32とは、それぞれ別の部品として示されているが、回転側コリメートの固定が可能であれば、1つの母材から加工された一体部品でもよい。
回転側コリメータ20は、第2光ファイバ21と、該光ファイバ21を内挿する第2フェルール22と、該フェルールを内挿する第2フェルールホルダ23と、第2コリメータレンズ24とを、含んで構成される。なお、第2フェルール22は、一般にセラミックス製であり、その先端面は光学研磨されている。第2フェルールホルダ23は、一般にYAGレーザ溶接可能な金属製である。
第2フェルールホルダ23は、帯状の部分半球面231を有しているとよい。ここで、帯状の部分半球面231を有する形状とは、図3に示したように、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状と定義する。なお、0度≦A度<B度<90度であり、図中のEq.は、地球儀における赤道(=0度)である。
図1に示した実施形態において、第2フェルールホルダ23は、その部分半球面231の表面を円筒ホルダ内部の段差部33に接している。段差部33の内径は、第2フェルールホルダ23の直径より小さく、図1に示したように、円筒ホルダ内部の段差部33が、部分半球面231の受け部になっている。部分半球面231の表面と段差部33とは、接した状態で自在に回転できる構造となっており、回転側コリメートの自在結合構造を構成している。このような構造を有していると、回転側コリメータ20における第2コリメート光25の光軸角度を自在に調整することができる。
このとき、回転側コリメータにおけるコリメート光の光軸を、円筒ホルダの回転軸に平行となるように調整する。もちろん、コリメート光の光軸が円筒ホルダの回転軸に一致することが好ましいが、厳密に一致させることは困難であるので、コリメート光の光軸が円筒ホルダの回転軸に平行となるように調整する。コリメート光の光軸が円筒ホルダの回転軸に平行となってさえいれば、コリメート光の光軸と円筒ホルダの回転軸との偏心は、以下に詳述する光軸シフト機構50で調整可能であり、また回転側コリメータの光軸が歳差運動を起こすこともない。
なお、第2フェルールホルダ23の部分半球面231の中心は、第2光ファイバ21が内挿される第2フェルール22の中心、すなわち出射中心と一致していることが好ましい。その理由は、第2フェルールホルダ23を回転させたとしても、出射中心がシフトすることがないからである。
図1に示した回転側コリメータでは、第2フェルールホルダ23の後側、すなわち第2光ファイバ21側に、部分半球面231が設けられていた。しかし、これに限られることなく、図2と同様に、第2フェルールホルダ23の前側に部分半球面231が設けられていてもよい。このとき、円筒ホルダ30は、段差部33の形状を、第2フェルールホルダ23に対応した形状とする。
光軸シフト機構50は、円筒ホルダ30における固定側コリメータ側の一端、すなわち光軸シフト機構支持部32の先端に、帯状の部分球面511を有する形状の平行板ホルダ51に取り付けられた平行透明板52を設けて、構成される。つまり、光軸シフト機構50は、固定側コリメータと回転側コリメータとの間に設けられている。平行板ホルダ51は、一般にYAGレーザ溶接可能な金属製であり、その取り付け位置が調整された後、光軸シフト機構支持部32の先端に、YAGレーザにより溶接され、固定される。平行透明板52の一例としては、ガラス板を挙げることができる。
ここで、帯状の部分球面511を有する形状とは、図4に示したように、球体を地球儀に見立てたとき、例えば、地球儀を北緯C度から南緯C度の範囲で輪切りにしたような形状でもよいし、図3で示した帯状の部分半球面でもよい。なお、図4中のEq.は、地球儀における赤道である。帯状の部分半球面512を有する平行板ホルダ51の一例を、図5に示す。
光軸シフト機構50における平行板ホルダ51は、その帯状の部分球面511(512)を光軸シフト機構支持部32の先端に接した状態で固定されている。光軸シフト機構50において、光軸シフト機構支持部32の先端は環状であり、平行板ホルダ51の帯状の部分球面511(512)の受け部となっており、それらが接した状態で自在に回転できる構造となっており、光軸シフト機構の自在結合構造を構成している。つまり、光軸シフト機構50では、平行板ホルダ51を光軸シフト機構支持部32の先端に接した状態で回転させることによって、平行透明板52に入射するコリメート光の光軸を平行にシフトさせることができる。
その結果、ロータリジョイント100において、回転側コリメータの第2コリメート光25の光軸と、円筒ホルダ30の回転軸とを、光学的に一致させることができる。このことは、ロータリジョイント100において、第2コリメート光25の光軸と、第1コリメート光15の光軸とを光学的に一致させることに相当する。
さらに、光軸シフト機構50は、円筒ホルダ30と一体に構成されている。すなわち、光軸シフト機構50は、回転側コリメータとともに回転するように構成されている。
平行透明板52の作用について、図6とともに説明する。図6に示したように、平行透明板52は、その法線が第2コリメート光25の光軸7に対して傾いた状態で配置されている。
第2コリメート光25は、平行透明板52に入射するときと、平行透明板52から出射するときに、それぞれ屈折する。平行透明板52は平行平板であり、その2つの主面は文字通り互いに平行であるので、入射角と出射角とは互いに等しく、入射するときの光軸と出射するときの光軸とは互いに平行である。
したがって、平行透明板を通過する前後において、コリメート光はその光軸がねじれることはなく、入射するときの光軸と出射するときの光軸とは互いに平行であり、交わることもねじれの位置の関係になることもない。
光軸シフト機構50では、平行透明板52の傾きと板厚に応じて、入射の光軸と出射の光軸との間隔、すなわちシフト量δが決まる。さらに、シフトさせる方向は、平行透明板52を傾ける方向によって決まる。
ここで、光軸のシフト量について詳しく検討する。図6において、平行透明板52の法線と第2コリメート光25の光軸とのなす角度をφとする。角度φは、第2コリメート光25の入射角である。
まず、第2コリメート光25が平行透明板52に入射したときの屈折角φ’は、以下の(1)式で求められる。
φ’=sin-1(sinφ/n) (1)式
ここで、nは平行透明板の屈折率である。
つぎに、平行透明板52の傾きによる光軸のシフト量δは、以下の(2)式で与えられる。
δ=t・sinφ(1−cosφ/n・cosφ’) (2)式
ここで、tは平行透明板の板厚である。
例えば、φ=20度、n=1.5、t=2mmとしたとき、δは0.24mmとなる。
前記(2)式から明らかなように、平行透明板による光軸のシフト量δは、平行透明板の傾きφを変えるだけでなく、平行透明板の板厚tを変えることによっても、変化させることができる。
なお、平行平板52を通過することによってシフトされたコリメート光は、第1コリメート光15の光軸に一致することになるので、平行透明板52はその法線が第1コリメート光15の光軸に対して傾いた状態で配置されていることに等しい。
ところで、本発明者らは、以前にシングルモードファイバ(SMF)を用いたコリメータ同士の光結合において、偏心量および偏角量と、光結合の劣化量との関係を研究し報告した(Y.Tamura et al.:"Single-Mode Fiber WDM in the 1.2/1.3 μm Wavelength Region" IEEE Journal of Lightwave technology, Vol. LT-4, No.7, p841-p845 July (1986))。当該関係のグラフを図7に示した。このとき、コリメータ同士の間隔は30mmであり、使用した波長λは1300nmである。
図7のグラフには、偏角と偏心による光結合の劣化量を0.5dBまで許容すると、偏角(Δθ)だけでは約0.05度まで許容され、偏心(δ)だけでは約54μmまで許容されることが示されている。同じく、光結合の劣化量を0.2dBまで許容すると、偏角だけでは約0.03度まで許容され、偏心だけでは約36μmまで許容されることが示されている。このように、コリメータ同士の光結合では、平行光にて結合しているので、偏心の許容度は比較的大きく、偏角の許容度は比較的小さい。
この結果から、ロータリジョイントにおいて、実用的な偏心量と偏角量のそれぞれの許容度の傾向を検討する。図7のグラフより、許容度の比較的大きな偏心量をできるだけ小さくすると、許容度の比較的小さな偏角の許容度をできるだけ大きくすることができるので、実用的である。例えば、偏角と偏心による光結合の劣化量を0.2dBまで許容するとしたとき、偏心量を約30μm以下にできると、偏心量の許容度の減少の割合に比べて、偏角量の許容度の増加の割合が大きくなる。
なお、この明細書では、相対的に回転し対向するコリメータ同士において、光軸と光軸とが光学的に一致しているとは、以下のように定義する。すなわち、ロータリジョイントにおいて、回転側コリメータが回転しても、光結合が実用的に成立している状態にあることをいう。本発明によるロータリジョイントでは、回転側コリメータが回転しても、回転側コリメータとともに回転する光軸シフト機構によって、偏心が常に抑えられているので、回転による結合損失の変化幅、すなわち回転変動は、0.3dB以下の状態に抑えられる。
ロータリジョイントでは、使用するコリメータの光学系の結合損失にもよるが、回転変動が0.3dB以下であれば、実用的な光結合が成立する。また、回転変動が0.2dB以下であれば、より好ましく、0.1dB以下であればさらに好ましい。なお、回転による結合損失の変化幅は、回転側コリメータが1回転したときにおける、結合損失の最大値と最小値との差である。
ここで、コリメータ同士の光ジョイントにおいて、対向するコリメータの間には、使用するコリメータの光学系にもよるが、0.2dB〜0.7dB程度の結合損失が見込まれる。もちろん、このコリメータ同士の結合損失は、小さいことが好ましい。ロータリジョイントにおける結合損失は、コリメータ同士の結合損失に回転変動が加わる。したがって、回転変動を含む結合損失が、1dB以下であれば、ロータリジョイントとして実用的な光結合が成立する。
図7のグラフを参考にして、回転変動を0.3dBとしたときに、許容される偏角と偏心を見積もると、偏角のみでは約0.04度となり、偏心のみでは約50μmとなる。また例え、この程度の偏角または偏心があっても、実用的な光結合が成立していれば、ロータリジョイントにおいて、対向するコリメータの光軸と光軸とは光学的に一致している、といえる。なお、上述した偏角と偏心の具体的な数値は、使用するコリメータの光学系によって変化するものであり、一例である。
さらに、ロータリジョイントとして、回転変動を含む結合損失は0.7dB以下であればより好ましく、0.5dB以下であればさらに好ましく、0.3dB以下であれば最も好ましい。
つぎに、上述したロータリジョイントにおける、コリメータの組立ての手順およびその光軸の調整方法の一例について説明する。
その手順の大きな流れは、以下のようである。
[1]回転側コリメータの組立て
[2]回転側コリメータの光軸の調整
[3]固定側コリメータの組立て
[4]固定側コリメータの光軸の調整
[1]回転側コリメータの組立て
図1と図2に戻って、まずジョイント本体40の第1本体部41と、円筒ホルダ30と、軸受機構60の一例として2つのボールベアリングを、準備する。
始めに、ジョイント本体40の第1本体部41に2つのボールベアリング60,60を挿入し、例えばYAGレーザにて溶接し固定する。さらに、ボールベアリング60,60に円筒ホルダ30を挿入し、例えばYAGレーザにて溶接し固定する。
[2]回転側コリメータの光軸の調整
[2−1]偏角の調整
つぎに、回転側コリメータの偏角調整工程を行う。光学ベンチ上に、円筒ホルダ30が組み込まれたジョイント本体40の第1本体部41を配置する。円筒ホルダ30の内部において、段差部33に接した状態で回転側コリメータ20を仮配置する。このとき、第2フェルールホルダ23は、第1本体部41上に配置した微動台によって支持する。そして、第2光ファイバ21に光源から光を入射させて、回転側コリメータ20から第2コリメート光25を出射させ、離れて設置したスクリーン上に照射する。
このとき、回転側コリメータ20から出射される第2コリメート光25の光軸は、理想的には回転軸に一致することが望ましい。しかし、厳密に一致させることは困難であるので、第2コリメート光25の光軸が円筒ホルダ30の回転軸と平行になるように、回転側コリメータの出射角(偏角)を調整する。具体的には、円筒ホルダ30を回転させたときに、スクリーン上に照射された第2コリメート光25の描く円の大きさが極力小さくなるように、微動台により第2フェルールホルダ23を回転させて、回転側コリメータの出射角(偏角)を調整する。
その後、例えばYAGレーザにて、第2フェルールホルダ23を円筒ホルダの段差部33に溶接し固定する。このようにして、回転側コリメータの出射角(偏角)の調整を完了する。なお、回転側コリメータの出射角(偏角)の調整は、回転側コリメータからのコリメート光の光軸と、固定側コリメータからのコリメート光の光軸とを平行にすることに相当する。
[2−2]偏心の調整
続いて、偏心調整工程を以下のようにして行う。
回転軸と光軸との間に偏心(ずれ)がある場合に、回転側コリメータが回転すると、その光軸は、円筒ホルダの回転軸を中心として、円筒を描く。光軸の描く円筒の軌跡から、その中心位置を求めるとともに、当該円筒の半径、すなわちシフト量(δ)を求めておく。
そこで、本発明における光軸シフト機構により、回転側コリメータからのコリメート光を、回転側コリメータの光軸に対して傾けて設けた平行透明板によりシフトさせ、ロータリジョイントにおける、円筒ホルダの回転軸と回転側コリメータの光軸とを一致させる。このとき、回転軸と光軸との間の偏心量、すなわち必要なシフト量(δ)に応じて、上記(1)式と(2)式を用いて、平行透明板の傾きφや板厚tを算出し、調整するとよい。また傾ける方向も、図4を参照して、回転軸と光軸との位置関係より定めるとよい。
平行板ホルダ51は、その帯状の部分球面511を光軸シフト機構支持部32の先端に接して回転可能であるので、平行透明板の傾きや傾ける方向を自在に調整することができる。
さらに、この光軸シフト機構50は、回転側コリメータ20とともに回転する構造になっている。そのため、回転側コリメータ20が回転しても、円筒ホルダの回転軸と回転側コリメータの光軸とにおいて、その偏心の回転変動を極めて小さく保つことができる。
[3]固定側コリメータの組立て
続いて、固定側コリメータの組立てについて説明する。ここでは、図2に示した固定側コリメータ110について説明する。
まず、ジョイントの第2本体部42と本体蓋部43とを、ジョイント本体40の第1本体部41に仮組みしておく。さらに、光ファイバを内挿する第1フェルール12を、ファイバスタブ16を内挿し、第1フェルールホルダ130に装着された割スリーブ17に挿入し、固定側コリメータ110を仮組みする。そして、この固定側コリメータ110をリング部18を介して仮配置しておく。このとき、第1フェルールホルダ130は微動台によって支持しておく。
[4]固定側コリメータの光軸の調整
つぎに、光軸の調整について説明する。回転側コリメータの第2光ファイバ21に光源から光を入射させて、第2コリメート光25を出射させ、これを固定側コリメータ110で受光する。このとき、固定側コリメータ110で受光する光の感度が最大で一定になるように、第1フェルールホルダ130の取り付け位置と角度を、微動台によりリング部18の取り付け位置とともに調整する。このとき、回転側コリメータにおける種々の回転角度において、固定側コリメータ110で受光する光の感度が最大で一定になるように調整するとよい。
以上のようにして、回転側と固定側のコリメータを組立て、そしてそれらの光軸を調整することができる。
つぎに、平行透明板の作用について、詳しく説明する。図8は、偏心している回転側コリメータが回転した場合における、平行透明板の作用を概念的に説明する図である。
まず、図8における第2フェルール22の光軸25は、第1フェルール12の光軸15と平行な関係にあり、偏心している状態にある。ここで、実線で描かれた第2フェルール22は、回転側コリメータが回転した場合に最も右側に偏心した場合を表しており、一方、破線で描かれた第2フェルール22は、回転により最も左側に偏心した場合を表している。図8中の7は、円筒ホルダの回転軸であり、固定側コリメータの第1フェルール12の光軸でもある。なお図8は、作図上の関係から、偏心(ずれ)を大きく描いており、そのため、平行透明板52における屈折の様子を正確に表したものではない。
図8において、実線で描かれた第2フェルール22の端面から出射したコリメート光25は、光軸に対して左回転(反時計回り)に傾けられた平行透明板52を通過することによって図の左側へシフトして進み、第1フェルールの光軸7(コリメート光15)に一致する。回転側コリメータが回転して、破線で描かれた第2フェルール22の位置にきたときは、回転側コリメータの回転とともに平行透明板52も回転しており、光軸に対して右回転(時計回り)に傾けられている。その結果、第2フェルール22の端面から出射したコリメート光25は、平行透明板52を通過することによって図の右側へシフトして進み、やはり第1フェルールの光軸7に一致する。
以上説明したように、円筒ホルダの回転軸7と回転側コリメータの光軸15とが、常に光学的に一致するように、平行透明板52を適宜傾ける調整をした後、例えばYAGレーザ溶接にて、平行板ホルダ51を光軸シフト機構支持部32の先端に固定する。このようにして、回転側コリメータにおける、回転軸と光軸との間の偏心の調整を完了する。この調整は、回転側コリメータのコリメート光の光軸および固定側コリメータのコリメート光の光軸を、光学的に一致させることに相当する。
このように、本発明によるロータリジョイントでは、光軸シフト機構50が回転側コリメータとともに回転するので、回転側コリメータがどの回転位置にあっても、常に偏心量を小さくなるように修正できる。このように、回転側コリメータとともに回転する光軸シフト機構を備えたロータリジョイントは、回転側コリメータの光軸を、固定側コリメータの光軸と、光学的に常に一致させることができるので、実用的な光結合特性が得られる。
以上の説明では、回転側コリメータから光が出射する場合について述べたが、固定側コリーメタから光が出射する場合も同様の原理で、固定側コリメータからのコリメート光を光軸シフト機構によりシフトさせ、固定側コリメータの光軸を回転側コリメータの光軸と、光学的に常に一致させることができる。
また、上述のように、偏角調整工程に続いて、偏心調整工程を行うと、調整作業が簡便になるので、好ましい。
以上説明したように、本発明のロータリジョイントの光軸シフト機構50において、シフト量は平行透明板52の傾きと板厚によって調整され、シフトの方向は平行透明板52を傾ける方向によって調整される。つまり、本発明のロータリジョイントにおける偏心の調整は、光軸シフト機構50の平行透明板52の傾きとその方向、板厚によっている。
本発明によるロータリジョイントの特徴の一つは、光軸シフト機構50が回転側コリメータとともに回転することである。この光軸シフト機構50が回転することは、偏心の調整には直接的には作用しておらず、回転側コリメータの回転によって偏心量が大きく増減しないように作用している。
なお、当然のことではあるが、ジョイント本体40、円筒ホルダ30および第2フェルールホルダ23は、互いにそれらの中心軸ができるだけ一致するように製作されている。しかし、それらの中心軸が光学的に完全に一致させることは困難なので、平行透明板52を用いた光軸シフト機構によって調整している。
図1に示した円筒ホルダ30は、ボールベアリングに挿入される本体部31と光軸シフト機構支持部32とを別部品として製作し、それらを組み合わせることで構成している。しかし、これに限られることなく、例えば、1つの母材を加工した一体部品として構成してもよい。
さらに、ジョイント本体40と第1フェルールホルダ13とは、互いの光軸が一致するように位置を調整した後、例えばYAGレーザにより溶接して、互いに固定する。
本発明のロータリジョイントは、以上の説明にようにして製造することができる。
以上のように製造したロータリジョイントにおいて、光軸シフト機構の効果を測定した結果を図9に示す。図9は、ロータリジョイントに光軸シフト機構を装着した場合としない場合のそれぞれにおいて、ロータリジョイントの円筒ホルダを適宜回転させたときにおける、回転側コリメータの各光軸の位置を、XY座標軸にプロットした図である。
さらに、光軸シフト機構の有無において、それぞれの光軸位置の座標プロットから最小自乗法にて近似円を求めて、図9に描いている。この近似円の半径の大きさによって、ロータリジョイントにおける回転側コリメータの偏心量を評価することができる。
光軸シフト機構を装着していないロータリジョイントでは、回転側コリメータの光軸位置の軌跡が描く近似円の半径、すなわち偏心量が約180μmであることが分かった。この偏心量は、偏心による光結合の劣化量を0.3dBとしたときに許容される偏心量約50μmを大きく超えている。
これに対して、光軸シフト機構を装着したロータリジョイントでは、回転側コリメータの光軸位置の軌跡が描く近似円の半径、すなわち偏心量が約20μmであることが分かった。この偏心量は、偏心による光結合の劣化量を0.3dBとしたときに許容される偏心量約50μmに比べても十分に小さくなっており、実用的な光結合が得られていることが分かった。
さらに、図7に示したグラフから、偏角と偏心による光結合の劣化量が0.3dBであるグラフを見積もり、光軸シフト機構を装着したロータリジョイントを評価すると、偏心量が約20μmであるので、偏角としては約0.03度まで許容されることが分かる。
つぎに、ロータリジョイントが回転したときにおける、結合損失の変化を測定したグラフを図10に示す。ロータリジョイントが360度回転したときにおける、結合損失の変化の幅、すなわち回転による結合損失の変化幅は0.2dBであり、変化が小さく良好であった。さらに、回転変動を含む結合損失が0.64dBであり、平均挿入損失も0.53dBと、実用的で良好な値であった。
以上の結果から、上述したロータリジョイントでは、回転変動を含む結合損失が0.64dB、回転変動による結合損失の変化幅が0.2dBであり、十分に実用的な光結合が成立している状態にあることが分かった。
このように、光軸シフト機構を装着したロータリジョイントでは、回転側コリメータの光軸位置が、円筒ホルダの回転中心の近傍に集まっているとともに、実用的な光結合が成立しており、光軸シフト機構の効果が確認された。
また、これらの結果は、ロータリジョイントにおいて、固定側コリメータの光軸と、回転側コリメータの光軸とが、光学的に一致している状態にあることを意味している。
以上、説明してきた本発明のロータリジョイントによれば、回転側コリメータが回転しても、光軸シフト機構が回転側コリメータとともに回転し偏心が抑えられているので、回転位置によらず実用的な光結合が得られる。
さらに、本発明のロータリジョイントでは、以上の説明から明らかなように、回転側コリメータの出射角(偏角)の調整と偏心の調整とは、独立している。第2フェルールホルダを回転させるだけで、調整することができる。さらに、回転側コリメータにおける回転中心と光学中心のずれ(偏心)は、光軸シフト機構の平行透明板を傾けるだけで調整することができる。そして、これら2つの調整はそれぞれ独立しており、互いに影響を及ぼすことがない。したがって、本発明では、上述の686号公報のように、偏心と出射角の調整を何度も繰り返す必要がないので、好ましい。
加えて、固定側および/または回転側コリメータが自在結合構造を有していると、フェルールホルダを回転させるだけで、偏角を簡単に調整することができる。さらに、部品同士がYAGレーザにより溶接されている形態では、ねじのように緩むことがないので、好ましい。
また、本発明のロータリジョイントでは、偏角および偏心の精密な調整が容易であり、結合損失を抑えることができるので、マッチングオイルを用いて光ファイバコリメータの端面における反射光を抑えなくても、実用的な光結合が実現できる。
[実施形態2]
本発明によるロータリジョイントにおいて、防滴機能を持たせた実施形態2について、図面とともに説明する。図11は防滴機能を持たせたロータリジョイントの断面図であり、図12は当該ロータリジョイントの固定側の拡大断面図である。
まず、図11と図12を用いて説明する。本発明による防滴機能を持たせたロータリジョイント100は、ジョイント本体40と、固定側コリメータ10と、円筒ホルダ30と、回転側コリメータ20と、水密構造70とを備えている。
ジョイント本体40は概略円筒形状をしており、第1本体部41と第2本体部42とを有し、さらに第2本体部42の一端に本体蓋部43が設けられている。本体蓋部43には、その中央部に孔が開けられて、固定側コリメータ10が設けられ、キャップ部19にて覆われている。また、第1本体部41には、本体フランジ44が形成されている。
また、第1光ファイバ11とキャップ18との間に、防滴用樹脂37を充填することで水密シールとしている。この防滴用樹脂の具体例としては、Varian Vacuum Technologies社製のTorr Seal(商品名)、型名:953-0004を挙げることができる。このTorr Sealは、高真空用の2液混合型エポキシ系樹脂である。
図13は、本発明の防滴機能を持たせたロータリジョイントにおける水密構造の拡大断面図である。
水密構造70において、オイルシール保持部71は、第1本体部41の一端に取り付けられ、その内側にオイルシールを保持するために、段差による空間を設け、オイルシール保持部を形成している。この保持部に,例えば2本のオイルシール72を嵌めて水密構造70を構成している。オイルシール72を嵌める際は、その表面にグリス塗布しておくとよい。さらに、オイルシール保持部71の一端には、オイルシール72が抜けるのを防ぐために、抜け止め部材73が設けられている。
図14に、一例であるオイルシール72の片側断面構造を示す。オイルシール72は、円環部76と、シールリップ部77と、で構成される。円環部76は、オイルシール保持部71の内周面に接し、断面L字型の金属環74の周囲がゴム状弾性体75で被覆されている。シールリップ部77は、円環部76の内周側に突出し、円筒ホルダ30に接触して防滴シールをしている。シールリップ部77には、ガータースプリング78が嵌め込まれている。
本発明で使用されるオイルシールは、回転に適するものが好ましい。オイルシールにおけるゴム状弾性体材料としては、防滴用途に適した、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴムや四フッ化エチレン樹脂などが好ましい。オイルシールにおける金属環やスプリングの材料としては、防滴用途に適したステンレス鋼などの防錆材料が好ましい。
なお、図13に示した水密構造70では、2本のオイルシール72を用いて構成しているが、これに限られず、1本のオイルシールで水密構造を構成してもよい。
オイルシールの具体例としては、NOK社の標準オイルシールで、SC型などを選択することができる。
さらに、第2光ファイバ21と円筒ホルダ本体部31との間に、防滴用樹脂37を充填することで水密シールとしている。この防滴用樹脂の具体例としては、上述したTorr Seal(商品名)を挙げることができる。
また、円筒ホルダ本体部31の一端には、ホルダフランジ35と、その中心部分に孔の形成されている回転体蓋部36が設けられている。
さらに、円筒ホルダのジョイント本体部分42と固定側コリメータのキャップ部19との接合部や、円筒ホルダのジョイント本体部分41と水密構造のオイルシール保持部71との接合部の、それぞれの外周部には、防滴機能を高めるために、防滴用樹脂80が被覆されていることが好ましい。この防滴用樹脂の具体例としては、上述したTorr Seal(商品名)を挙げることができる。
図11に示したように、防滴機能を持つ実施形態2のロータリジョイントについて、防滴性能を確認すべく、以下のような水没試験を実施した。
(1)まず、水没試験前のロータリジョイントにおける、1回転当たりの平均挿入損失を測定する。
(2)水槽の深さ10cmのところにロータリジョイントを沈めて、0.7回転/秒(42rpm)の回転速度で30分間回転させる。
(3)ロータリジョイントを水槽から取り出して、0.7回転/秒の回転速度で4万回、回転させる。
(4)その後、(1)と同様に平均挿入損失を測定する。
その結果、平均挿入損失は、水没試験の前後とも0.34dBであった。これより、水没試験により、ロータリジョイントの性能に変化のないことを確認した。
以上、述べてきた防滴機能を持つロータリジョイントでは、水密構造にオイルシールを用いていた。しかし、ごく簡易な防滴機能でよい場合には、オイルシール72に代えて、図15に示すようにOリング721を用いて水密構造を構成することができる。なお、用いるOリングの断面の形状は、円形に限定されず、図16に示したように、X形状でもよいし、T形状でもよい。なお、X形状のOリングは耐摩耗性に優れており、T形状のOリングは回転摺動用にも用いられている。
本発明によるロータリジョイントは、回転側コリメータの回転位置によらず実用的な光結合が得られるとともに、偏角および偏心の調整が容易であり、回転を伴う光ファイバ同士の光結合に有用である。
さらに、本発明によるロータリジョイントにおいて、水密構造を備えている場合は、水滴がかかる環境においても使用に耐え、有用である。
100 ロータリジョイント
10、110 固定側コリメータ
11 第1光ファイバ
12 第1フェルール
13、130 第1フェルールホルダ
131 帯状の部分半球面
14 第1コリメータレンズ
15 第1コリメート光
16 ファイバスタブ
17 割スリーブ
18 円環状凸部(リング部)
19 キャップ部
20 回転側コリメータ
21 第2光ファイバ
22 第2フェルール
23 第2フェルールホルダ
231 帯状の部分半球面
24 第2コリメータレンズ
25 第2コリメート光
30 円筒ホルダ
31 円筒ホルダ本体部
32 光軸シフト機構支持部
33 段差部
35 ホルダフランジ
36 回転体蓋部
37 防滴用樹脂
40 ジョイント本体
41 第1本体部
42 第2本体部
43 蓋部
50 光軸シフト機構
51 平行板ホルダ
511 帯状の部分球面
512 帯状の部分半球面
52 平行透明板
60 軸受機構(ボールベアリング)
7 光軸(回転軸)
70 水密構造
71 オイルシール保持部
72 オイルシール
721 Oリング
73 抜け止め部材
74 金属環
75 ゴム状弾性体
76 円環部
77 シールリップ部
78 ガータースプリング
80 防滴用樹脂

Claims (14)

  1. 有蓋円筒形状のジョイント本体と、
    該ジョイント本体の蓋部の中央部に設けられた固定側コリメータと、
    前記ジョイント本体の内部に、軸受機構を介して回転可能に設けられた円筒ホルダと、
    該円筒ホルダの内部に設けられた回転側コリメータと、を備え、
    前記固定側コリメータは、第1光ファイバと、該光ファイバが内挿される第1フェルールと、該フェルールが内挿される第1フェルールホルダと、第1コリメータレンズとを含んで構成され、
    前記回転側コリメータは、第2光ファイバと、該光ファイバが内挿される第2フェルールと、該フェルールが内挿される第2フェルールホルダと、第2コリメータレンズと、光軸シフト機構とを含んで構成され、
    前記回転側コリメータの前記第2コリメータレンズから前記光軸シフト機構へ入射する第2コリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが平行になっており、
    前記光軸シフト機構は、前記円筒ホルダにおける前記光軸シフト機構を保持する光軸シフト機構支持部に、帯状の部分球面を有する形状の平行板ホルダに取り付けられた平行透明板を設けて構成され、
    前記光軸シフト機構支持部の先端部が前記平行板ホルダの帯状の部分球面の受け部となり、前記平行板ホルダの帯状の部分球面と前記光軸シフト機構支持部の先端部とが接して、光軸シフト機構の自在結合構造を構成しており、
    前記回転側コリメータの前記光軸シフト機構から出射する第1コリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが光学的に一致していることを特徴とするロータリジョイント。
    ここで、帯状の部分球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を北緯C度から南緯C度の範囲で輪切りにしたような形状、または、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。
  2. 請求項1に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記円筒ホルダは、前記軸受機構に挿入する円筒ホルダ本体部と、前記光軸シフト機構支持部とを含み、その内部に段差部が設けられ、
    前記第2フェルールホルダはその後部が帯状の第2部分半球面を有し、前記円筒ホルダ内部の段差部が前記第2部分半球面の受け部となり、前記第2部分半球面と前記段差部とが接して、回転側コリメートの自在結合構造を構成しているロータリジョイント。
    ここで、帯状の部分半球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。なお、0度≦A度<B度<90度である。
  3. 請求項1または2に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記蓋部の中央部が円環状凸部をなし、前記第1フェルールホルダはその前部が帯状の第1部分半球面を有し、前記円環状凸部が前記第1部分半球面の受け部となり、前記第1部分半球面と前記円環状凸部とが接して、固定側コリメートの自在結合構造を構成しているロータリジョイント。
  4. 請求項3に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記円環状凸部は、前記蓋部とは別部品であり、その取り付け位置が調整可能であるロータリジョイント。
  5. 請求項1に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記固定側コリメータでは、該固定側コリメータがキャップで覆われており、前記第1光ファイバと前記キャップとの間にシリコーン樹脂が充填され、
    前記回転側コリメータでは、前記第2光ファイバと前記円筒ホルダとの間に防滴用樹脂が充填され、それぞれ水密シールされており、
    前記ジョイント本体の第2ファイバ側の一端部は、前記円筒ホルダとの間にはオイルシールを用いた水密構造が構成され、
    前記オイルシールは円環状部材により抜け止めされているロータリジョイント。
  6. 請求項5に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記円筒ホルダのジョイント本体部分と固定側コリメータのキャップとの接合部と、
    前記円筒ホルダのジョイント本体部分と前記水密構造のオイルシール保持部との接合部とのそれぞれの外周部に、シーリング材が被覆されているロータリジョイント。
  7. 請求項5に記載の防滴用ロータリジョイントにおいて、
    前記円筒ホルダのジョイント本体部分が、第1本体部と第2本体部とに分かれており、
    前記第1本体部と前記第2本体部との接合部の外周部に、シーリング材が被覆されているロータリジョイント。
  8. 請求項1に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記軸受機構はボールベアリングであるロータリジョイント。
  9. 請求項2に記載のロータリジョイントにおいて、
    前記円筒ホルダは、前記円筒ホルダ本体部と前記光軸シフト機構支持部とがそれぞれ別部品で構成されているロータリジョイント。
  10. 有蓋円筒形状のジョイント本体と、
    該ジョイント本体の蓋部の中央部に設けられた固定側コリメータと、
    前記ジョイント本体の内部に、軸受機構を介して回転可能に設けられた円筒ホルダと、
    該円筒ホルダの内部に設けられた回転側コリメータと、を備えたロータリジョイントの製造方法であって、
    前記固定側コリメータは、第1光ファイバと、該光ファイバが内挿される第1フェルールと、該フェルールが内挿される第1フェルールホルダと、第1コリメータレンズとを含んで構成され、
    前記回転側コリメータは、第2光ファイバと、該光ファイバが内挿される第2フェルールと、該フェルールが内挿される第2フェルールホルダと、第2コリメータレンズと、光軸シフト機構とを含んで構成され、
    該光軸シフト機構は、前記円筒ホルダにおける前記光軸シフト機構を保持する光軸シフト機構支持部に、帯状の部分球面を有する形状の平行板ホルダに取り付けられた平行透明板を設けて構成され、
    前記回転側コリメータの前記第2コリメータレンズから前記光軸シフト機構へ入射する第2コリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とが平行になるように調整し、前記第2フェルールホルダを前記円筒ホルダに固定する偏角調整工程と、
    前記光軸シフト機構支持部の先端部が前記平行板ホルダの帯状の部分球面の受け部となり、前記平行板ホルダの帯状の部分球面と前記光軸シフト機構支持部の先端部とが接した状態で回転可能であり、前記平行板ホルダを回転させることにより前記平行透明板を傾けて、前記回転側コリメータの前記光軸シフト機構から出射する第1コリメート光の光軸および前記固定側コリメータからのコリメート光の光軸を光学的に一致させて、前記平行板ホルダを前記光軸シフト機構保持部の内面に固定する偏心調整工程と、
    を有することを特徴とするロータリジョイントの製造方法。
    ここで、帯状の部分球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を北緯C度から南緯C度の範囲で輪切りにしたような形状、または、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。
  11. 請求項10に記載のロータリジョイントの製造方法において、
    前記偏角調整工程に続いて、前記偏心調整工程を行うロータリジョイントの製造方法。
  12. 請求項10または11に記載のロータリジョイントの製造方法において、
    前記円筒ホルダは、前記軸受機構に挿入する円筒ホルダ本体部と、前記光軸シフト機構支持部とを含み、その内部に段差部が設けられ、
    前記第2フェルールホルダは、その後部が帯状の第2部分半球面を有し、前記円筒ホルダ内部の段差部が前記第2部分半球面の受け部となり、前記第2部分半球面と前記段差部とが接した状態で回転可能であり、
    前記偏角調整工程は、前記第2フェルールホルダを回転させて、前記回転側コリメータのコリメート光の光軸と前記円筒ホルダの回転軸とを平行になるように調整し、前記第2フェルールホルダを前記円筒ホルダの段差部に固定する工程であるロータリジョイントの製造方法。
    ここで、帯状の部分半球面を有する形状とは、球体を地球儀に見立てたとき、地球儀を南緯A度から南緯B度の範囲で輪切りにしたような形状とする。なお、0度≦A度<B度<90度である。
  13. 請求項10〜12のいずれか1項に記載のロータリジョイントの製造方法において、
    前記蓋部の中央部が円環状凸部をなし、前記第1フェルールホルダはその前部が帯状の第1部分半球面を有し、前記円環状凸部が前記第1部分半球面の受け部となり、前記第1部分半球面と前記円環状凸部とが接した状態で回転可能であり、前記第1フェルールホルダを回転させて、前記固定側コリメータの光軸を調整する工程を含むロータリジョイントの製造方法。
  14. 請求項13に記載のロータリジョイントの製造方法において、
    前記円環状凸部は、前記蓋部とは別部品であり、
    前記固定側コリメータの光軸を調整する工程は、前記円環状凸部の取り付け位置の調整を含むロータリジョイントの製造方法。
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