JP7347286B2 - ファイバ結合モジュール - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施の形態によるファイバ結合モジュールを含めて構成した光の送光/受光システムの構成例を示す図である。図1において、送信部1は、半導体レーザなどの光源を含み、光源が発したレーザ光を出射する。送信部1から出射されたレーザ光は、ファイバ結合モジュール20に入射される。ファイバ結合モジュール20は、光ファイバ2の始端部2bを保持する保持部5bと、光ファイバ2の端面2dにレーザ光を集光させるレンズ3bとが一体に構成されている。
すなわち、ファイバ結合モジュール20から射出した光は不図示の外部モジュールに供給されてもよく、不図示の外部モジュールから供給される光がファイバ結合モジュール10に供給されてもよい。
上述したように、ファイバ結合モジュール10とファイバ結合モジュール20とは同様の構成を有するので、代表して受信部4側のファイバ結合モジュール10について説明し、送信部1側のファイバ結合モジュール20についての説明を省略する。
第1の実施の形態によるファイバ結合モジュール10の詳細について、図2を参照して説明する。図2は、ファイバ結合モジュール10の構成を説明する図であり、Y-Z平面に平行な面で切断した断面を模式的に示す。図2の紙面に向かう方向をX軸プラス方向、X軸に直交する紙面上方向をY軸プラス方向、X軸およびY軸に直交する紙面右方向をZ軸プラス方向とする。以降のいくつかの図においては、図2の座標軸を基準として、それぞれの図の向きがわかるように座標軸を表示する。
ファイバ結合モジュール10は、上述した保持部5aおよびレンズ3aに加えて、ファイバ結合モジュール10の製造時に必要な調整を容易にするための調整機構とともに、一体に構成される。
本実施の形態における仮固定とは、光学素子ホルダ7がレンズホルダ8に外周7Pと内周8Q間の摩擦等によって固定された状態、または、不図示のねじ等を用いて固定された状態をいい、光学素子ホルダ7を光ファイバ2の終端部2aの光軸(終端部2aにおける破線Rに対応)の周りに所定のトルクで回す、または、不図示のねじを緩める等によって再調整が可能な状態をいう。
レンズ3aにおいて光が透過する位置を、レンズ3aの面内方向に変更する理由について説明する。レンズホルダ8と一体に構成されたレンズ3aには、局所的に光学特性の乱れが生じている場合がある。光学特性の乱れは、レンズホルダ8と一体に構成される前からレンズ3aに生じている場合と、レンズホルダ8と一体に構成された後にレンズホルダ8からレンズ3aへ応力が作用することにより生じる場合とがある。光学特性の乱れの一例としての複屈折は、レンズ3aの面内(X-Y平面に平行な面内)において様々な分布で表れ、面内の位置(領域)によって異なる複屈折を生じさせる。
仮に、領域Q1がレンズ3aの複屈折を含む領域と合致する場合、ファイバ結合モジュール10の組立を行う作業者は、光の偏光状態の乱れを抑えるべくレンズホルダ8に対して光学素子ホルダ7(平板ガラス9)を約180度回転させる。作業者は、領域Q1がレンズ3aの複屈折を含む領域から外れていれば、レンズホルダ8と光学素子ホルダ7を仮固定する。
光(主ビーム)がレンズ3aを透過する領域Q1~Q3がレンズ3aの複屈折を含む領域と合致するか否かの判定は、例えば、レンズ3aからZ軸プラス方向に出射される光の第1の偏波成分と、第2の偏波成分(第1の偏波成分と直交する成分)との比(偏光消光比)を測定する治具を用いて、レンズホルダ8に対して光学素子ホルダ7(平板ガラス9)を回転させながら、消光比を最大にする位置を探すことによって行う。消光比を最大にする位置(光学素子ホルダ7の回転位置)は、光(主ビーム)がレンズ3aを透過する領域Q1~Q3が、レンズ3aの複屈折の影響が小さい領域(換言すると、複屈折が生じていないか、生じていないといえるほど小さい領域)であることに対応する。
上述した送信部1を、多波長の光源からの光(例えば波長λ1、λ2、λ3、λ4)を合波して出射する送信部1′に置き換え、受信部4を、合波された多波長成分の光を分波して波長λ1、λ2、λ3、λ4の光を個別に受信する受信部4′に置き換える場合でも、各波長において消光比の値を100以上にすることが可能になる。
平板ガラス9と光学素子ホルダ7とは、光がレンズ3aを透過する位置をレンズ3aの面内方向で調整するための調整機構50であるということができる。
第1の実施の形態の変形例1では、ファイバ結合モジュール10の品質低下を避けるべく、図2の光ファイバ2の終端部2aとフェルール5、フェルール5とフェルールホルダ6、フェルールホルダ6と平板ガラス9と光学素子ホルダ7、レンズホルダ8とレンズ3aと、をそれぞれ固定した後に、光学素子ホルダ7(平板ガラス9)に対してレンズホルダ8(レンズ3a)を回転させて、ファイバ結合モジュール10の組立時の調整を行う。すなわち、変形例1においては、レンズホルダ8が調整機構50であるということができる。レンズホルダ8は、調整後に光学素子ホルダ7に仮固定される。
変形例1における仮固定とは、光学素子ホルダ7にレンズホルダ8が外周7Pと内周8Q間の摩擦等によって固定された状態、または、不図示のねじ等を用いて固定された状態をいい、レンズホルダ8をレンズ3aの光軸Lの周りに所定のトルクで回す、または、不図示のねじを緩める等によって再調整が可能な状態をいう。
このように構成したので、光学素子ホルダ7に対してレンズホルダ8を回転させることにより、光ファイバ2の終端部2aの端面2cから出射し、平板ガラス9を介してレンズ3aに入射する光の位置が面内方向に変化する。
第1の実施の形態の変形例2では、ファイバ結合モジュール10の品質低下を避けるべく、図2の光ファイバ2の終端部2aとフェルール5、フェルール5とフェルールホルダ6、フェルールホルダ6と平板ガラス9が省略された光学素子ホルダ7、レンズホルダ8とレンズ3aとをそれぞれ固定した後に、光学素子ホルダ7に対してレンズホルダ8(レンズ3a)を回転させて、ファイバ結合モジュール10の組立時の調整を行う。変形例2においては、レンズホルダ8が調整機構50であるということができる。レンズホルダ8は、調整後に光学素子ホルダ7に仮固定される。変形例2における仮固定は、上述した変形例1における仮固定と同様である。
端面2cが斜めに研磨された光ファイバ2を用いるのは、光ファイバ2の終端部2aの端面2cから出射された光をレンズ3aの光軸Lから離れた領域に導くためである。なお、端面2cを斜めにすることによる光路の移動量は、図3(a)から図3(c)においてレンズ3aを透過する光(主ビーム)の領域Q1~Q3を光軸Lからある程度まで外す程度でよく、透過する光の領域Q1~Q3をレンズ3aの外周まで近づける必要はない。
このように構成したので、平板ガラス9を省略した光学素子ホルダ7に対してレンズホルダ8を回転させることにより、光ファイバ2の終端部2aの端面2cから終端部2aの光軸(終端部2aにおける破線Rに対応)に対して斜めに出射しレンズ3aに入射する光の位置が面内方向に変化する。
第2の実施の形態によるファイバ結合モジュール10aの詳細について、図4を参照して説明する。図4は、ファイバ結合モジュール10aの構成を説明する図であり、Y-Z平面に平行な面で切断した断面を模式的に示す。ファイバ結合モジュール10aは、光ファイバ2を伝播した光を、概ねZ軸プラス方向へ出射する。図4の破線Rは、ファイバ結合モジュール10aを伝播する光の光束を代表する光路を示す。
フェルール5の外周は、円筒状のフェルールホルダ6aの内周によって保持される。フェルールホルダ6aは、上記材料と同様のセラミックス材料または金属材料によって構成される。フェルール5は、ファイバ結合モジュール10aの組立時にフェルールホルダ6aに固定される。
フェルールホルダ6aは、円筒状のホルダ7a内に保持される。ホルダ7aは、上記材料と同様のセラミックス材料または金属材料によって構成される。
第2の実施の形態の変形例では、ファイバ結合モジュール10aの品質低下を避けるべく、図4の光ファイバ2の終端部2aとフェルール5、フェルール5とフェルールホルダ6a、フェルールホルダ6aとホルダ7a、レンズホルダ8とレンズ3aと、をそれぞれ固定した後に、ホルダ7a(ホルダ7a内に固定されたフェルールホルダ6a(光ファイバ2の終端部2a))に対して上述の第1の実施の形態の変形例1と同様にレンズホルダ8を回転させて、ファイバ結合モジュール10aの組立時の調整を行う。従って、レンズホルダ8が調整機構50aであるということができる。レンズホルダ8は、調整後にホルダ7aに仮固定される。
変形例における仮固定とは、ホルダ7aにレンズホルダ8が外周7Pと内周8Q間の摩擦等によって固定された状態、または、不図示のねじ等を用いて固定された状態をいい、レンズホルダ8をレンズ3aの光軸Lの周りに所定のトルクで回す、または、不図示のねじを緩める等によって再調整が可能な状態をいう。
このように構成したので、ホルダ7aに対してレンズホルダ8を回転させることにより、光ファイバ2の終端部2aの端面2cから出射してレンズ3aに入射する光の位置がレンズ3aの面内方向に変化する。
第3の実施の形態によるファイバ結合モジュール10bの詳細について、図5を参照して説明する。図5は、ファイバ結合モジュール10bの構成を説明する図であり、Y-Z平面に平行な面で切断した面を模式的に示す。ファイバ結合モジュール10bは、光ファイバ2を伝播した光を、概ねZ軸プラス方向へ出射する。図5の破線Rは、ファイバ結合モジュール10bを伝播する光の光束を代表する光路を示す。
フェルール5の外周は、円筒状のフェルールホルダ6bの内周によって保持される。フェルールホルダ6bは、上記材料と同様のセラミックス材料または金属材料によって構成される。フェルール5は、ファイバ結合モジュール10bの組立時にフェルールホルダ6bに固定される。
フェルールホルダ6bは、円筒状のホルダ7b内に保持される。ホルダ7bは、上記材料と同様のセラミックス材料または金属材料によって構成される。
第3の実施の形態の変形例では、ファイバ結合モジュール10bの品質低下を避けるべく、図5の光ファイバ2の終端部2aとフェルール5、フェルール5とフェルールホルダ6b、フェルールホルダ6bとホルダ7b、レンズホルダ8とレンズ3aと、をそれぞれ固定した後に、ホルダ7b(ホルダ7b内に固定されたフェルールホルダ6b(光ファイバ2の終端部2a))に対して第2の実施の形態の変形例1と同様にレンズホルダ8を回転させて、ファイバ結合モジュール10bの組立時の調整を行う。従って、レンズホルダ8が調整機構50bであるということができる。レンズホルダ8は、調整後にホルダ7bに仮固定される。
変形例における仮固定とは、ホルダ7bにレンズホルダ8が外周7Pと内周8Q間の摩擦等によって固定された状態、または、不図示のねじ等を用いて固定された状態であって、接着等により固定されていない状態をいい、レンズホルダ8をレンズ3aの光軸Lの周りに所定のトルクで回す、または、不図示のねじを緩める等によって再調整が可能な状態をいう。
このように構成したので、ホルダ7bに対してレンズホルダ8を回転させることにより、光ファイバ2の終端部2aの端面2cから出射してレンズ3aに入射する光の位置が面内方向に変化する。
以上説明した各実施の形態、その変形例では、ファイバ結合モジュール10、10aまたは10bから出射する光の向きが、レンズ3aの光軸Lと平行でない場合がある。この場合において、ファイバ結合モジュール10(10a、10b)と外部デバイスとの位置関係、例えば、相対位置、相対角度の調整を容易に行うための構成を例示する。
ファイバ結合モジュールを10は、受信モジュール40の凹球面座40aに対する凸球面座80aの球面係合によって、ファイバ結合モジュール10からの光が受信モジュール40の受信部4で適切に受信されるように、ファイバ結合モジュール10と受信モジュール40との相対的な角度の調整を容易に行うことが可能になる。
なお、凸球面座80a、凹球面座40aの曲面の中心は、例えば受信部4の受光面に対応するように構成されている。
また、上述の各実施の形態および変形例の一つもしくは複数を、適宜組合せてもよい。
上述した複数の例示的な実施形態またはその変形は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
Claims (7)
- 偏波保持ファイバと外部デバイスとを光学的に結合するファイバ結合モジュールであって、
前記偏波保持ファイバから出射した光を前記外部デバイスへ伝播させる、または、前記外部デバイスからの光を前記偏波保持ファイバへ入射させるレンズと、
前記光の光路を移動させることにより、前記光が前記レンズを透過する位置を前記レンズの面内方向に変更させる調整機構と、を備え、
前記調整機構は、前記光の光路を略平行に移動させる平板ガラスと、前記平板ガラスを前記レンズの光軸と略平行な軸を回転軸として回転自在に保持する保持部材とを含む、ファイバ結合モジュール。 - 偏波保持ファイバと外部デバイスとを光学的に結合するファイバ結合モジュールであって、
前記偏波保持ファイバから出射した光を前記外部デバイスへ伝播させる、または、前記外部デバイスからの光を前記偏波保持ファイバへ入射させるレンズと、
前記光の光路を移動させ、または、前記レンズを移動させることにより、前記光が前記レンズを透過する位置を前記レンズの面内方向に変更させる調整機構と、を備え、
前記調整機構は、
前記光の光路上で前記レンズを前記レンズの光軸を回転軸として回転自在に保持する保持部材と、
前記レンズの前記光軸から離れた位置を前記光が透過するように、前記光の光路を略平行に移動させる平板ガラスとを含む、ファイバ結合モジュール。 - 偏波保持ファイバと外部デバイスとを光学的に結合するファイバ結合モジュールであって、
前記偏波保持ファイバから出射した光を前記外部デバイスへ伝播させる、または、前記外部デバイスからの光を前記偏波保持ファイバへ入射させるレンズと、
前記光の光路を移動させ、または、前記レンズを移動させることにより、前記光が前記レンズを透過する位置を前記レンズの面内方向に変更させる調整機構と、を備え、
前記調整機構は、前記光の光路上で前記レンズを前記レンズの光軸を回転軸として回転自在に保持する保持部材を含み、
前記レンズの前記光軸から離れた位置を前記光が透過するように、前記偏波保持ファイバの端部が前記光軸と垂直な方向にシフトして保持される、または、前記偏波保持ファイバの端部の保持方向が前記光軸に対して斜めに保持される、ファイバ結合モジュール。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のファイバ結合モジュールにおいて、前記外部デバイスに対する相対位置、または、相対角度を変更する第2の調整機構を備える、ファイバ結合モジュール。
- 請求項4に記載のファイバ結合モジュールにおいて、
前記第2の調整機構は、前記外部デバイス側の端部の少なくとも一部であって、前記外部デバイス側に凸の球面形状を有する部分を含む、ファイバ結合モジュール。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のファイバ結合モジュールにおいて、
前記ファイバ結合モジュールを通過した光の、第1の偏波成分と前記第1の偏波成分と直交する第2の偏波成分との消光比は100以上である、ファイバ結合モジュール。 - 請求項6に記載のファイバ結合モジュールにおいて、
前記ファイバ結合モジュールを通過する第1波長の光と、前記第1波長とは異なる第2波長の光に対して、前記消光比がいずれも100以上である、ファイバ結合モジュール。
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