JP5985356B2 - 架空線用テンションバランサ - Google Patents
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Description
(構造)
図1〜図3には、架空線用テンションバランサ100が示されている。図1には、架空線からの張力が加わっていない状態、あるいは、架空線の張力が加わっていても、それが弱く、出力軸の引き出しが行なわれていない状態が示されている。そして、図1の状態から架空線を図の右の方向に少し引き、ばねが少し伸びた状態が図2に示され、更に図2の状態から架空線を図の右の方向に少し引き、更にばねが少し伸びた状態が図3に示されている。
図1の状態において、架空線接続部116に、図の右方向に延在する図示しない架空線が接続されているものとする。この状態において、図示しない架空線が図の右の方向に引かれると、二股リンクアーム115が図の右の方向に引かれる。ここで、二股リンクアーム115は、軸部111bおよび111dの部分でリンクアーム111aおよび111bに回転自在な状態で連結され、リンク部材110は軸130を回転中心として回転可能である。したがって、二股リンクアーム115が図の右の方向に引かれることで、軸部111c,111dが図の右の方向に動こうとし、それによりリンク部材110が軸130を回転中心として図の時計回り方向に回転する。つまり、軸部111c,111dが図の右の方向に動こうとする動きが、リンク部材110によって回転運動に変換され、結果、軸部111c,111dが図の時計回り方向に軸130を中心として回転し、架空線接続部116が図の右の方向に動く。
図1〜図3に示すように、動作の過程において、外筒101の一部とリンク機構であるリンクアーム111a,111bおよびリンクアーム112a,112bとは、干渉せず、側面の方向(Y軸方向からの視点)から見て、互いに重なる位置関係となることが許容される。すなわち、動作の過程において、外側コイルばね104および内側コイルばね106と、リンク機構であるリンクアーム111a,111bおよびリンクアーム112a,112bとは、干渉せず、側面の方向から見て互いに重なる位置関係となることが許容される。このため、架空線用テンションバランサ100の軸方向の寸法を短縮することができる。
比較例として、側面の方向から見て、外側コイルばね104および内側コイルばね106と、リンク機構であるリンクアーム111a,111bおよびリンクアーム112a,112bとが重なる位置関係となることが許容されない構造を考える。この比較例では、両者の干渉を避けるために、固定部材131をさらにX軸の方向に伸ばし、軸130の位置を柱119から更に離す必要がある。しかしながら、そうすると装置全体のX軸方向における寸法が増大し、またその寸法の増大に対応するために重量が増加する。
(構造)
図5には、架空線用テンションバランサ200が示されている。架空線用テンションバランサ200は、図1の架空線用テンションバランサ100とリンク機構のデザインが異なっている。架空線用テンションバランサ200は、リンク部材190を備えている。リンク部材190は、略三角形状の板状の部材であるリンク部材片191aおよび191bを軸部材193と結合部材197によって結合した構造を有している。結合部材197の中央には、出力軸109の先端が回転自在な状態で接続されている。軸部材193は、固定部材131にリンク部材190を回転自在な状態で取り付けるための軸部材である。軸部材193を回転中心として、リンク部材191は、X−Z平面内で回転可能とされている。
架空線接続用ロッド196に接続された図示省略した架空線により、接続アーム195a,195bが図の右の方向に引かれると、リンク部材片191a,191bが軸部材193を回転中心として図5(B)の時計回り方向に回転する。この動きに伴って結合部材197も同様に回転し、出力軸109がX軸の方向に引き出される。また、この際、軸121を回転中心として、コイルばねアセンブリ140が僅かであるが回転する。また、この動作の過程において、リンク部材片191aと191bとの間の隙間をコイルばねアセンブリ140が相対的に通過する。
(構成)
図6には、架空線用テンションバランサ300が示されている。図6(A)は、図示省略した架空線により、架空線用テンションバランサ300が図の右の方向に引っ張られる前の段階であり、図6(B)は、(A)の状態から図示省略した架空線により、架空線用テンションバランサ300が図の右の方向に引っ張られ、二股リンクアーム115が図の右の方向に移動した状態である。
図6(A)の状態において、架空線接続部116に接続された図示省略した架空線により、二股リンクアーム115が図の右の方向に引かれると、リンク部材110が軸130
を回転中心として図の反時計回りの方向に回転する。この際、リンク部材110に接続された出力軸109がコイルばねアセンブリ140から引き出され、図6(B)の状態に移行する。
図6には、略垂直にコイルばねアセンブリを配置した状態が示されているが、コイルばねアセンブリ140を傾けて配置することも可能である。つまり、外筒101と鉛直方向とがなす角度は、任意に設定可能である。また、図6の場合と上下を反転させた配置、すなわち、コイルばねアセンブリ140から鉛直下の方向に出力軸109が突出する形態も可能である。
図7には、架空線用テンションバランサ400が示されている。架空線用テンションバランサ400は、図1の架空線用テンションバランサ100において、取付け部材118と132を一体架空線用接続部170により一体化した構造を特徴とする。
図4に示すリンク部材110と同様な機能が得られるリンク部材の他のデザインの一例を示す。図8には、リンク部材180が示されている。リンク部材180は、略L字型のリンクアーム181と182を結合部材183および184によって結合した構造を有している。リンク部材180では、軸部185aおよび185bが図1の軸部111dおよび111cと同様に第1の作用点として機能する。また、結合部材183の中央部に出力軸109が回転自在な状態で結合し、この部分が第2の作用点として機能する。そして接続孔186a,186bが、図4の接続孔110fに対応し、この部分を回転中心として、リンク部材180が回転する。
図1〜図3には、同軸状の2つのコイルばねを用い、2段階で伸縮する形式の張力発生手段の例を示した。しかしながら、同軸状に3つ以上のコイルばねを用いる形式も可能である。また、コイルばねを一つだけ用いる構造も可能である。
Claims (4)
- 架空線に接続される出力軸と、
前記架空線により前記出力軸が引かれた際に前記架空線に与える張力を発生する張力発生手段と、
前記出力軸と前記架空線との間に介在したリンク機構と
を備え、
前記リンク機構は、
間隔を有して配置され、前記架空線を引っ張りながら回転可能な一対の第1のリンクアーム部と、
前記一対の第1のリンクアーム部と結合し、前記一対の第1のリンクアーム部の延在方向と異なる方向に延在する第2のリンクアーム部と
を備えるとともに、
前記一対の第1のリンクアーム部が回転する軸の方向から見て、
前記一対の第1のリンクアーム部と重なる位置にあり、架空線に張力を与える第1の作用点と、
前記一対の第1のリンクアーム部と重なり、且つ、前記第1の作用点から離れた位置にあり、前記出力軸が接続された第2の作用点と、
前記第1の作用点と前記第2の作用点とを結ぶ線と異なる方向に延在する線上に位置し、前記リンク機構の回転中心となる回転中心位置と
を有し、更に、
前記第2の作用点は、前記一対の第1のリンクアーム部と前記第2のリンクアーム部とが結合した位置に位置し、
前記回転中心位置は、前記第2のリンクアーム部の前記第2の作用点から離れた位置にあり、
前記一対の第1のリンクアーム部の間に前記張力発生手段が位置することが可能なことを特徴とする架空線用テンションバランサ。 - 前記張力発生手段は長手形状を有し、
前記出力軸は、前記張力発生手段の一方の端部から引き出され、
前記張力発生手段は、他方の端部を回転中心として回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の架空線用テンションバランサ。 - 前記リンク機構は、前記第1のリンクアーム部および前記第2のリンクアーム部を含む板状の部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の架空線用テンションバランサ。
- 前記張力発生手段を回転自在に支える部材と前記リンク機構を回転自在に支える部材とを一体化する一体化部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の架空線用テンションバランサ。
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