JP5985286B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
しかし、第1可変動弁機構及び第2可変動弁機構として油圧式の機構を用いる場合、第1可変動弁機構と第2可変動弁機構との駆動要求が重なった場合に、双方の可変動弁機構に対して作動油を供給することによって作動油の流量不足が生じ、流量不足によって可変動弁機構の応答特性が不定となることで、一時的に運転性を低下させる位相状態になってしまう可能性があった。
ここで、第1可変動弁機構と第2可変動弁機構とを同時に駆動しても、作動油の流量が不足することがないようにするためには、機関駆動の油圧ポンプとして大容量のものを使用すると、内燃機関の外部負荷が増し、内燃機関の燃費性能を低下させてしまうなどの問題が生じる。
図1は、可変動弁装置を適用する車両用の内燃機関の一例を示す図である。
図1において、内燃機関であるエンジン101の吸気管102には、エンジン101の吸入空気流量QAを検出する吸入空気量センサ103を設けてある。
尚、エンジン101は、燃料噴射弁106が燃焼室104内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式エンジンとすることができる。
エンジン101の排気管111には、触媒コンバータ112を設けてある。
吸気バルブ105a,105b及び排気バルブ110a,110bは、吸気カムシャフト115及び排気カムシャフト131にそれぞれ設けたカムによって駆動される。
ここで、排気バルブ110a,110bは、一定のバルブタイミングで開動作するが、吸気バルブ105a,105bのバルブタイミングは、可変動弁装置(可変動弁機構)114によって可変とされる。
図3において、吸気カムシャフト115は、第1カム117aを備えた外側カムシャフト(外軸)115aと、この外側カムシャフト115aの軸心に設けた円柱状の中空部に嵌挿され、外側カムシャフト115aに対して相対的に回転可能な、第2カム117bを備えた内側カムシャフト(内軸)115bとからなる。
換言すれば、第1カム117a及び第2カム117bは、同一のカム軸軸線を中心に回動するカムである。
可変動弁装置114は、クランクシャフト109(カムスプロケット115c)に対する外側カムシャフト115a(第1カム117a)の回転位相を可変とする第1可変動弁機構114aと、外側カムシャフト115a(第1カム117a)に対する内側カムシャフト115b(第2カム117b)の回転位相を可変とする第2可変動弁機構114bとからなる。
一方、第1可変動弁機構114aによる変換角度が一定の状態で、第2可変動弁機構114bによる変換角度を変更すると、第1カム117aに対する第2カム117bの回転位相が変化し、第1吸気バルブ105aのバルブタイミングは変わらずに、クランクシャフト109に対する第2吸気バルブ105bのバルブタイミングが変化する。
これにより、図4に示すように、第1吸気バルブ105aの開弁時期IVO1と第2吸気バルブ105bの開弁時期IVO2との早い方から、第1吸気バルブ105aの閉弁時期IVC1と第2吸気バルブ105bの閉弁時期IVC2との遅い方までのクランク角である、吸気バルブ105a,105bのトータル開弁期間が増減変化する。
尚、第2可変動弁機構114bによって第2吸気バルブ105bのバルブタイミングを進角させてトータル開弁期間を増大させ、第2可変動弁機構114bによって第2吸気バルブ105bのバルブタイミングを遅角させてトータル開弁期間を減少させる設定とすることができる。
即ち、第2可変動弁機構114bは、トータル開弁期間(トータルの作動角)を可変とする機構であり、第1可変動弁機構114aは、クランクシャフト109に対するトータル開弁期間の位相を可変とする機構である。
油圧ポンプ121は、オイルパン122内の作動油を汲み上げ、第1可変動弁機構114aへの油圧供給を制御する第1油圧制御弁123a、及び、第2可変動弁機構114bへの油圧供給を制御する第2油圧制御弁123bに作動油を供給する。
尚、第2可変動弁機構114bによってトータル開弁期間(トータルの作動角)を最小にした状態で、第1吸気バルブ105aの作動角の中心位相と、第2吸気バルブ105bの作動角の中心位相とが、一致又は相互にずれている設定とすることができる。
また、第1カム117aによるバルブ作動角と第2カム117bによるバルブ作動角とが、一致又は相互に異なる設定とすることができる。
また、エンジン制御装置(エンジン制御用コンピュータ)201は、エンジン101の運転状態を示す各種の信号を入力し、内蔵するメモリに予め記憶されているプログラムに従って演算処理を行うことで、燃料噴射弁106、第1可変動弁機構114a(油圧制御弁123a)、第2可変動弁機構114b(油圧制御弁123b)、点火モジュール116などの制御対象機器の操作量を演算して出力する。
そして、上記の各種センサの出力信号は、エンジン制御装置201に入力される。また、エンジン制御装置201には、エンジン101の運転及び停止のメインスイッチであるイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)205の信号が入力される。
エンジン制御装置201は、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとの駆動要求が重なった場合、即ち、トータル開弁期間の変更要求とトータル開弁期間の位相の変更要求とが並行して発生した場合に、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとのいずれか一方を他方よりも優先して駆動する機能を有している。
これにより、双方の可変動弁機構114a,114bに対して作動油を供給することによって作動油の流量不足が生じ、流量不足によって可変動弁機構114a,114bの応答特性が不定となることで、過渡的に運転性を低下させる位相状態になってしまうことを抑制する。
そして、作動油の流量が不足する傾向は、油圧が低く吐出量が少なくなるほど大きくなり、逆に、油圧が高い場合や、吐出量が多い場合には、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとを同時駆動しても、十分な作動油の流量が確保できる場合がある。
更に、エンジン制御装置201は、可変動弁機構114a,114bの一方を優先して駆動する場合に、いずれの側を優先するか、更にはどの程度優先させるかなどの優先度を、可変動弁機構114a,114bの過渡応答状態や、エンジン101の運転状態などに基づいて決定する。
図5及び図6のフローチャートに示すルーチンは、エンジン制御装置201によって一定時間毎に実行される。
まず、ステップS201では、エンジン負荷TPを検出する。エンジン負荷TPを示す状態量として、シリンダ吸入空気量、燃料噴射量、スロットル開度、吸気管負圧(ブースト圧)などを用いることができる。
ステップS203では、エンジン101の運転条件、例えば、エンジン負荷TP、エンジン回転速度NEなどに基づいて、第1可変動弁機構114aの目標回転位相(目標変換角度)TGθ1及び第2可変動弁機構114bの目標回転位相(目標変換角度)TGθ2を演算する。
ステップS204では、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bへの油圧の供給状態(油圧ポンプ121の作動状態)が、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの同時駆動を許可できる状態であるか否かを判別する。換言すれば、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bを同時に駆動しても(同時に作動油を供給しても)、作動油の流量が不足せず、各可変動弁機構114a,114bが、所期の過渡応答で回転位相を変更できる状態であるか否かを判別する。
尚、本実施形態で用いる油圧ポンプ121はエンジン101で駆動されるため、エンジン回転速度NEと油圧ポンプ121の回転速度とは比例関係にあり、エンジン回転速度NEと油圧ポンプ121の吐出量との間には、一定の相関がある。従って、図7に示す同時駆動領域Cは、作動油供給圧OPと吐出量との相関から設定されていることになる。
簡易には、作動油の供給圧OPと吐出量との一方に基づき、同時駆動を許可できる状態であるか否かを判断することができる。
同時駆動領域Cは、供給圧OPが第1圧力閾値OP1よりも高い状態と、エンジン回転速度NE(ポンプ回転速度)が第1回転閾値NE1よりも高い状態との少なくとも一方を満たす状態である。
現時点での供給圧OP及びエンジン回転速度NE(ポンプ回転速度)が、同時駆動領域Cに含まれる場合には、供給圧OPが十分に高いか、及び/又は、油圧ポンプ121からのオイルの吐出量が十分多い状態である。そして、係る状態では、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの同時駆動を実施しても、それぞれの可変動弁機構を所期の過渡応答で動作させることができる流量の作動油を確保できる。
そこで、ステップS204で現時点での供給圧OP及びエンジン回転速度NEが、同時駆動領域Cに含まれると判断した場合には、ステップS205へ進み、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの同時駆動を許可する設定を行う。
第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの制御においては、目標回転位相TGθ1,TGθ2と実際の回転位相θ1,θ2との偏差に基づいて、油圧制御弁123a,123bの操作量を演算して出力することで、実際の回転位相θ1,θ2を目標回転位相TGθ1,TGθ2に近づけるフィードバック制御を実施する。
ステップS205からステップS214へ進んだ場合には、同時駆動が許可されているので、第1可変動弁機構114aにおける目標回転位相TGθ1と実際の回転位相θ1との差、及び、第2可変動弁機構114bにおける目標回転位相TGθ2と実際の回転位相θ2との差を縮小させるために、それぞれに演算した操作量を並行して出力する。
第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの同時駆動では、多くの流量の作動油が必要となるが、必要な流量を確保できる油圧状態(同時駆動の許可状態)であることをステップS204において確認してあるので、所期の過渡応答で各目標回転位相TGθ1,TGθ2に近づけるフィードバック制御を、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bについて実施することができる。
ステップS206では、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとの一方に対する作動油の供給量を抑制し、他方の駆動を優先すれば、同時駆動が可能な状態であるか否か、換言すれば、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとのいずれか一方を優先しつつ、同時駆動を許可できる状態であるか否かを判別する。
ステップS206では、現時点での供給圧OP及びエンジン回転速度NE(ポンプ回転速度)が、片側優先同時駆動領域Bに含まれるか否かを判断する。
作動油の供給圧が第2圧力閾値OP2よりも低く、かつ、エンジン回転速度NEが第2閾値NE2よりも低い領域は、後述する片側駆動領域Aであり、片側優先同時駆動領域Bは、同時駆動領域Cと片側駆動領域Aとで挟まれる領域となる。
現時点での供給圧OP及びエンジン回転速度NEが片側優先同時駆動領域Bに含まれる場合、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bを同時駆動領域Cに該当する場合と同様に同時駆動するには、供給圧OP及び/又は作動油の吐出量が十分ではないものの、一方への作動油の供給量を抑制すれば、それぞれを十分な応答で動作させて回転位相を変更できる。
ステップS206で、現時点での供給圧OP及びエンジン回転速度NEが、片側優先同時駆動領域Bに含まれると判断した場合には、ステップS208へ進み、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの同時駆動を許可する設定を行う。
片側優先同時駆動領域Bでは、一方の可変動弁機構への作動油の供給量を抑制した上で同時駆動を許可するが、一方の可変動弁機構への作動油の供給量を抑制することによる運転性(過渡性能)の低下をなるべく抑制できるように、エンジン101の運転状態に基づき、同時駆動領域Cと同様に作動油を供給させる側(駆動を優先する側)を決定する。
そして、ステップS211では、ステップS210において優先的に駆動させると決定した可変動弁機構が、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとのいずれであるかを判別する。
一方、第2可変動弁機構114bを優先的に駆動させる場合には、ステップS213へ進み、駆動要求が重なった場合において、第1可変動弁機構114aの過渡応答を、優先駆動を行わない場合の過渡応答に比べて低下させるために、第1可変動弁機構114aの制御ゲインを、同時駆動領域Cである場合(標準の過渡応答)よりも低下させる設定を行う。
非優先側の可変動弁機構114の制御ゲインを小さく変更すると、操作量の変化が抑制される結果、非優先側の可変動弁機構114に供給される作動油の流量が抑制されて過渡応答が低下することになるが、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとの双方において要求される作動油の流量の総和が減る。
尚、可変動弁機構114a,114bの操作量の可変範囲を同時駆動領域Cである場合よりも狭めたり、演算周期当たりの操作量のステップ変化幅を同時駆動領域Cである場合よりも小さく制限したり、操作量の演算に用いる制御偏差を実際の値よりも小さく補正したり、目標回転位相TGθに対して一時遅れ補正を施したりしても、非優先側の可変動弁機構114の過渡応答を同時駆動領域Cである場合よりも低下させることができる。
但し、優先駆動させる可変動弁機構114を、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとのいずれか一方に固定することもできる。
尚、片側優先同時駆動領域Bで駆動要求が重なった場合において、供給圧OP及びエンジン回転速度NEが低くなるほど、非優先側の可変動弁機構114の過渡応答を、同時駆動領域Cであるときに比べてより大きく低下させることができる。
また、駆動要求が重なった場合において、非優先側の可変動弁機構114の過渡応答を同時駆動領域Cである場合よりも低下させる処理に並行して、優先側の可変動弁機構114の過渡応答も同時駆動領域Cである場合よりも低下させる構成とし、かつ、非優先側の過渡応答を優先側に比べてより大きく低下させることができる。
ここで、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bの駆動要求が重なった場合、即ち、第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bとの双方で、目標回転位相TGθと実際の回転位相θとの偏差が生じている場合には、同時駆動を許可する。
片側優先同時駆動領域Bで、供給圧OP及び/又はポンプ回転速度がより高い同時駆動領域Cと同様にして同時駆動を行うと、流量不足によって可変動弁機構114の応答特性が不定となることで、一時的に運転性を低下させる位相状態になってしまう可能性がある。
更に、優先側として選択した可変動弁機構114については、駆動要求が重なっていない場合(通常)と同等の過渡応答で動作するので、トータル開弁期間又はトータル開弁期間の位相を応答よく変化させて運転性の低下を抑制できる。
ステップS207では、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとの少なくとも一方で、制御偏差ΔE(目標回転位相と実回転位相との差)の絶対値が閾値SL以下になっているか否か、換言すれば、実回転位相が目標回転位相に十分に近づいているか否かを判断する。
しかし、作動油の供給圧及び流量が共に低い片側駆動領域Aに該当している場合であっても、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとの少なくとも一方において、実回転位相が目標回転位相付近に略収束している場合には、この収束が進んでいる可変動弁機構114に対する作動油の供給量は少なくなるから、片側優先同時駆動領域Bに該当している場合と同様にして、同時駆動を許可することが可能である。
従って、制御偏差の閾値SLは、片側優先同時駆動領域Bに該当する場合と同様に制御しても作動油の供給量を確保できるほどに、必要とする作動油の流量が低下しているか否かを判断できるように、予め設定されている。
一方、片側駆動領域Aに該当している場合であって、かつ、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとの双方が、制御偏差ΔEの絶対値が閾値SLよりも大きな非収束状態である場合には、ステップS215へ進む。
そして、ステップS216ではエンジン101の運転状態の変化(遷移)を判定し、ステップS217では、エンジン運転状態の変化に基づいて、第1可変動弁機構114aと第2可変動弁機構114bとのどちらの駆動を優先させるか(どちらの駆動を禁止するか)を決定する。
ここで、第1可変動弁機構114aの駆動を優先させると決定されている場合には、ステップS219へ進み、第1可変動弁機構114aを、ステップS203で演算した目標回転位相TGθ1に基づいて駆動制御する一方、第2可変動弁機構114bの駆動を禁止する。
これにより、第1可変動弁機構114aに作動油を供給し、第2可変動弁機構114bには作動油を供給しないことになり、作動油の供給圧及び流量が低い状態で、第1可変動弁機構114aの駆動に必要な作動油の流量を確保でき、第1可変動弁機構114aによる回転位相が不定となってしまうことを抑制できる。
これにより、第2可変動弁機構114bの回転位相の変更は遅れるものの、第2可変動弁機構114bの駆動に必要な作動油の流量を確保でき、第2可変動弁機構114bによる回転位相が不定となってしまうことを抑制できる。
これにより、第2可変動弁機構114bに作動油を供給し、第1可変動弁機構114aには作動油を供給しないことになり、作動油の供給圧及び流量が低い状態で、第2可変動弁機構114bの駆動に必要な作動油の流量を確保でき、第2可変動弁機構114bによる回転位相が不定となってしまうことを抑制できる。
これにより、第1可変動弁機構114aの回転位相の変更は遅れるものの、第1可変動弁機構114aの駆動に必要な作動油の流量を確保でき、第1可変動弁機構114aによる回転位相が不定となってしまうことを抑制できる。
以下では、ステップS210、ステップS217における、駆動を優先する可変動弁機構114(優先度)の決定処理の一例を説明する。
この場合、閉時期IVCを殆ど変更せずに、開時期IVOを進角させる要求であるが、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更)を優先させると、開時期IVOが変わらずに、閉時期IVCが遅角してしまい、先に発生する吸気バルブ105a,105bの開動作では開時期IVOが変更前と変わらずに、その後の閉動作では変更後の要求時期で閉弁されてしまう可能性がある。そこで、図8(A)の例では、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVO及び閉時期IVCを遅角させることになり、開時期IVOを遅角させるために、トータル開弁期間の位相を遅角させることで、同時に閉時期IVCが遅角することになるが、トータル開弁期間の拡大させるために2可変動弁機構114bを駆動しても、開時期IVOは変化せずに、閉時期IVCが遅角する。更に、吸気バルブ105a,105bの開動作が先に生じ、その後に閉動作が行われ、閉時期IVCの変更にはそれだけ時間的余裕がある。
そこで、図8(B)の例でも、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVO及び閉時期IVCを進角させるが、トータル開弁期間の増大は、逆に閉時期IVCを遅角させる方向に作用し、また、吸気バルブ105a,105bの開動作が先に生じ、その後に閉動作が行われ、閉時期IVCの変更にはそれだけ時間的余裕がある。そこで、図8(C)の例でも、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、閉時期IVCは略変更せずに、開時期IVOを遅角させる要求であるが、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更)を優先させると、先の動作である開弁動作タイミングの変更が大きく遅れることになってしまうので、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVO及び閉時期IVCを遅角させる要求であり、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更)によって係る要求を満たすことができ、第2可変動弁機構114bの駆動では、開時期IVOを遅角させることができない。更に、吸気バルブ105a,105bの開動作が先に生じ、その後に閉動作が行われ、閉時期IVCの変更にはそれだけ時間的余裕がある。そこで、図9(B)の例でも、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVOの進角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、開時期IVOを進角させることができる第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、トータル開弁期間の増大を行うが、開時期IVOについては殆ど変更せず、また、トータル開弁期間の位相変更を進角変化させる場合には、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更)を優先させると、開時期IVOと共に閉時期IVCが進角し、遅閉じ要求に対して一時的に早閉じになってしまう可能性があるので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVOの進角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、開時期IVOを進角させることができる第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVOの進角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、開時期IVOを進角させることができる第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVO及び閉時期IVCの進角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、開時期IVOを進角させることができる第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVOの進角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、開時期IVOを進角させることができる第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVOの進角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、開時期IVOを進角させることができる第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、トータル開弁期間の増大を行うが、同時に開時期IVOの変更要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、開時期IVO及び閉時期IVCの遅角要求があり、しかも、開動作は閉動作よりも前に行われるから、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、トータル開弁期間の増大を行うが、開時期IVOについては殆ど変更せず、また、トータル開弁期間の位相変更を進角変化させる場合には、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更)を優先させると、開時期IVOと共に閉時期IVCが進角し、遅閉じ要求に対して一時的に早閉じになってしまう可能性があるので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
尚、膨張比に対して、実質的な圧縮比が小さくなるところまで吸気バルブ105a,105bのトータル開弁期間の閉時期を遅角(遅閉じ)又は進角(早閉じ)させると、ミラーサイクル状態として熱効率を向上させることができる。
図8〜図11に示した例において、開時期IVOの変更を優先させるために、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更)を優先させる設定を行ったエンジン運転条件において、閉時期IVCの変更を優先させるために、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更)を優先させることができる。
ここで、図12に示すように、第1可変動弁機構114aは、排気バルブ110a,110bを一体的に進/遅角変化させ、第2可変動弁機構114bは、第1排気バルブ110aの開弁期間に対する第2排気バルブ110bの開弁期間の位相を進角させるものとする。
ここで、排気側に設けた第1可変動弁機構114a及び第2可変動弁機構114bについていずれを優先させるかは、例えば、図13〜図16に示すようにして、エンジン101の運転状態の変化に応じて決定することができる。
この場合、トータル開弁期間を増大させ、かつ、トータル開弁期間の位相を遅角させる必要があるが、トータル開弁期間を増大させる制御を優先すると、過渡的に開時期EVOを過剰に進角させることになるので、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合も、図13(A)の場合と同様に、トータル開弁期間を増大させ、かつ、トータル開弁期間の位相を遅角させる必要があるが、トータル開弁期間を増大させる制御を優先すると、過渡的に開時期EVOを過剰に進角させることになるので、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、閉時期EVC及び開時期EVOを遅角させる要求であり、トータル開弁期間の変更要求が十分に小さいので、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させ、閉時期EVC及び開時期EVOを同時に遅角させる。
この場合、閉時期EVCを進角するために第1可変動弁機構114aを駆動して、トータル開弁期間の位相を進角させると、開時期EVOを遅角させたいのに、開時期EVOを過剰に進角させることになってしまうので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、閉時期EVCを進角するために第1可変動弁機構114aを駆動して、トータル開弁期間の位相を進角させると、開時期EVOを変更しないのに、開時期EVOを過剰に進角させることになってしまうので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、第1可変動弁機構114aの駆動によるトータル開弁期間の位相変更、換言すれば、開時期EVCの変更は不要であり、第2可変動弁機構114bを駆動してトータル開弁期間を減少させ、開時期EVOを遅角させることで、要求の変更を実現できるので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、閉時期EVCを進角するために第1可変動弁機構114aを駆動して、トータル開弁期間の位相を進角させると、開時期EVOを変更しないのに、開時期EVOを過剰に進角させることになってしまうので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、閉時期EVCを進角するために第1可変動弁機構114aを駆動して、トータル開弁期間の位相を進角させると、開時期EVOを遅角させたいのに、開時期EVOを過剰に進角させることになってしまうので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、第2可変動弁機構114bの駆動を優先させてトータル開弁期間を増大させると、開時期EVOが過剰に進角するので、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、第1可変動弁機構114aの駆動によって、開時期EVO及び閉時期EVCを同時に遅角させることができるが、閉時期EVCの遅角要求が小さく、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更)を優先させることで、先に発生する開動作において要求により近い時期で開弁させることができるので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、トータル開弁期間を増減させないので、当然に、第1可変動弁機構114aの駆動(トータル開弁期間の位相変更:中心角の変更)を優先させる。
この場合、閉時期EVCを変化させず、トータル開弁期間の増大によって開時期EVOを進角させることになるから、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合、第1可変動弁機構114aの駆動によって、開時期EVO及び閉時期EVCを同時に進角させることができるが、閉時期EVCの進角要求が小さく、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更)を優先させることで、先に発生する開動作において要求により近い時期で開弁させることができるので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
この場合も、第1可変動弁機構114aの駆動によって、開時期EVO及び閉時期EVCを同時に進角させることができるが、閉時期EVCの進角要求が小さく、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更)を優先させることで、先に発生する開動作において要求により近い時期で開弁させることができるので、第2可変動弁機構114bの駆動(トータル開弁期間の変更:作動角の変更)を優先させる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
前記第1カムが第1吸気バルブを駆動し、前記第2カムが第2吸気バルブを駆動し、前記第2可変動弁機構が、前記第1吸気バルブの開弁期間に対して前記第2吸気バルブの開弁期間を遅角する内燃機関の可変動弁装置において、
前記第1可変動弁機構を、前記第2可変動弁機構に対し優先して駆動する、内燃機関の可変動弁装置。
上記発明によると、トータル開弁期間の開時期の変更を優先させることで、先の動作となる開弁時に、要求に見合った時期で開弁動作させることができるようにする。
上記発明によると、トータル開弁期間の変更を優先させることで、遅閉じと早閉じとの切り替え時に過渡的に逆方向に変化することを抑制する。
前記第1可変動弁機構の駆動要求と前記第2可変動弁機構の駆動要求とが重なったときに、前記第1可変動弁機構と前記第2可変動弁機構とのいずれか一方を他方よりも優先して駆動し、
前記第1可変動弁機構と前記第2可変動弁機構とのいずれか一方を他方よりも優先する駆動として、一方の可変動弁機構の駆動を停止させ他方の可変動弁機構を駆動する駆動パターンと、一方の可変動弁機構の過渡応答を、優先駆動を行わない場合の過渡応答よりも低下させる駆動パターンとの少なくとも一方を含み、
前記第1可変動弁機構及び前記第2可変動弁機構の操作量の演算におけるゲインを、優先駆動を行わない場合よりも低下させることで過渡応答を低下させる、内燃機関の可変動弁装置。
上記発明によると、操作量演算のゲインを低下させることで、過渡応答を低下させ、必要とする作動油の流量を低下させる。
前記第1可変動弁機構の駆動要求と前記第2可変動弁機構の駆動要求とが重なったときに、前記第1可変動弁機構と前記第2可変動弁機構とのいずれか一方を他方よりも優先して駆動する、内燃機関の可変動弁装置において、
前記第1可変動弁機構及び前記第2可変動弁機構に対する作動油の供給圧と、作動油を供給する油圧ポンプの吐出流量とに基づき、前記第1可変動弁機構及び前記第2可変動弁機構を同時駆動する第1制御状態と、一方への作動油の供給を第1制御状態に比べて制限しつつ同時駆動する第2制御状態と、一方の駆動を停止させて他方を駆動する第3制御状態とのいずれかを選択する、内燃機関の可変動弁装置。
上記発明によると、供給圧及び吐出流量から、同時駆動の可否を判断し、同時駆動が行えない油圧の供給状態では、一方を駆動し、他方を停止させ、更に、同時駆動を許可する場合において、何ら制限することなく同時駆動を行えるか、又は、他方への作動油の供給を制限した上で同時駆動を許可するかを決定する。
上記発明によると、目標値に収束していて多くの作動油を必要としない場合に、同時駆動を許可することで、同時駆動の機会を可及的に多く確保する。
Claims (3)
- 同一のカム軸軸線を中心に回動する第1カム及び第2カムと、前記第1カム及び第2カムのクランクシャフトに対する回転位相を可変とする油圧式の第1可変動弁機構と、前記第1カムに対する前記第2カムの回転位相を可変とする油圧式の第2可変動弁機構と、前記第1可変動弁機構及び前記第2可変動弁機構をそれぞれの制御偏差に基づき駆動制御する制御手段と、を備えた内燃機関の可変動弁装置において、
前記制御手段は、前記内燃機関の過渡運転に伴い前記第1可変動弁機構の駆動要求と前記第2可変動弁機構の駆動要求とが重なったときに、各可変動弁機構の変換角度の変更要求に基づき優先駆動する一方の可変動弁機構を選択し、選択した一方の可変動弁機構を他方よりも優先して駆動制御する、内燃機関の可変動弁装置。 - 前記制御手段は、前記第1可変動弁機構及び前記第2可変動弁機構を同時駆動する第1制御状態と、一方の可変動弁機構の過渡応答を前記第1制御状態に比べて遅らせて両可変動弁機構を同時駆動する第2制御状態と、一方の可変動弁機構の駆動開始を他方の可変動弁機構の駆動開始よりも遅らせる第3制御状態とのいずれかを制御条件に応じて選択し、前記第2制御状態及び前記第3制御状態において、各可変動弁機構の変換角度の変更要求に基づき優先駆動する一方の可変動弁機構を選択する、請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態及び前記第1,第2可変動弁機構それぞれの制御偏差に基づき、前記第1制御状態、前記第2制御状態、前記第3制御状態のうちのいずれか1つを選択する、請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
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