JP2003129870A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JP2003129870A
JP2003129870A JP2001327141A JP2001327141A JP2003129870A JP 2003129870 A JP2003129870 A JP 2003129870A JP 2001327141 A JP2001327141 A JP 2001327141A JP 2001327141 A JP2001327141 A JP 2001327141A JP 2003129870 A JP2003129870 A JP 2003129870A
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hydraulic pressure
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valve
drive
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JP2001327141A
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Naoki Okamoto
直樹 岡本
Akinori Suzuki
明典 鈴木
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1、2可変機構を適宜、両方同時に駆動制
御することによって、常時要求バルブリフトとバルブタ
イミングを得られるようにした。 【解決手段】 ステップ21で第2可変機構2の制御偏
差値が許容値外と判別し、ステップ24において第1可
変機構1の制御偏差値が許容値内ではないと判別した場
合は、ステップ25で、第1,第2油通路の両方を開成
して、両可変機構により、バルブリフトとバルブタイミ
ングの制御を行う。ステップ24において許容値内と判
別した場合は、ステップ26において第1可変機構1側
の駆動を停止させると共に、第2可変機構2側に油圧の
全てを供給してバルブタイミング制御を行う。ステップ
22で第1可変機構1の制御偏差値が許容値外と判別し
た場合は、ステップ27において、第2可変機構の駆動
を停止すると共に、第1可変機構側に全ての油圧を供給
してバルブリフト制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の可変動
弁装置、とりわけ、吸気弁や排気弁である機関弁のバル
ブリフト特性と開閉タイミング(バルブタイミング)を
それぞれ制御する複数の可変機構を備えた可変動弁装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の可変動弁装置としては、
例えば特開平8−49514号公報に記載されているも
のが知られている。すなわち、この可変動弁装置は、プ
ロフィールの変更可能な吸気側のカムシャフトと、該吸
気側カムシャフトの回転位相を切り換え可能な油圧作動
式の可変バルブタイミング機構と、吸気弁を開閉駆動す
る前記カムを切り換え可能な油圧作動式の可変バルブリ
フト機構と、これらの機構への油圧の供給を制御する駆
動制御手段とを備えている。
【0003】そして、前記可変バルブタイミング機構へ
の作動油圧の供給と可変バルブリフト機構への作動油圧
の供給とが重ならないように、両機構の作動領域ならび
に非作動位置を設定するように構成してある。つまり、
可変バルブタイミング機構の油圧作動時に可変バルブリ
フト機構が非作動位置にて所定のカムプロフィールによ
って吸気弁を開閉駆動するように、可変バルブリフト機
構の油圧作動時に可変バルブタイミング機構が非作動位
置にてカムシャフトを所定の回転位相にするように設定
してある。
【0004】このため、前記両機構の作動が重ならない
ことから、オイルポンプから供給される油圧不足が解消
されて、十分な供給油圧によって各機構を的確に作動さ
せることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の可変動弁装置にあっては、前述のように、可変バル
ブタイミング機構と可変バルブリフト機構を機関運転中
にいずれかのみを油圧によって作動させるようにしてい
るため、例えば、バルブタイミングの変更が最も必要と
なる機関低高回転領域において、可変バルブリフト機構
を作動している場合は、バルブタイミングを変更するこ
とができなくなったり、また逆に、バルブリフトの変更
が最も必要な機関高回転領域において、可変バルブタイ
ミング機構を作動している場合は、バルブリフトの変更
ができない。
【0006】このように、内燃機関の運転状態に応じて
必要な最適なバルブタイミングやバルブリフトに制御す
ることが不可能になるため、機関性能を十分に引き出す
ことが困難になり、例えば機関高回転領域での十分な出
力トルクを確保できないと共に、低回転領域での燃費の
向上や排気エミッション性能の向上を期待することがで
きない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の可
変動弁装置の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1
記載の発明は、機関弁のバルブリフト量を変化させる第
1可変機構と、前記機関弁の開閉タイミングを変化させ
る第2可変機構と、現在の機関運転状態を検出する機関
運転検出手段と、該機関運転検出手段からの情報信号に
よって前記第1可変機構と第2可変機構とをそれぞれ油
圧によって駆動制御する油圧駆動機構とを備えた内燃機
関の可変動弁装置において、前記油圧駆動機構は、機関
運転検出手段が検出した所定の運転状態が所定のしきい
値よりも低い場合は前記一方の可変機構のみを駆動制御
し、所定のしきい値よりも高い場合は前記両方の可変機
構を駆動制御するようにしたことを特徴としている。
【0008】したがって、機関の供給油圧に応じた複数
のフェーズ領域を設けて、各フェーズ領域に対応してい
ずれか一の可変機構を優先的に駆動させると共に、供給
油圧が高いときは両方の可変機構を同時に駆動させるよ
うにしたため、機関運転状態毎に変化するバルブリフト
とバルブタイミングの両方の要求を満足させることが可
能になる。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記機関運転検
出手段が検出する所定の運転状態を、機関回転数とし、
現在の機関回転数が所定のしきい値以下の場合は一方の
可変機構のみを駆動制御し、しきい値以上の場合は前記
両方の可変機構を駆動制御するようにしたことを特徴と
している。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記機関運転検
出手段が検出する所定の運転状態を、機関の各潤滑部位
に供給される油圧とし、現在の油圧が所定のしきい値以
下の場合は一方の可変機構のみを駆動制御し、しきい値
以上の場合は前記両方の可変機構を駆動制御するように
したことを特徴としている。
【0011】請求項4に記載の発明は、前記一方の可変
機構を第2可変機構としたことを特徴としている。
【0012】請求項5に記載の発明は、前記機関回転数
あるいは油圧が所定のしきい値以上のときは、前記油圧
駆動機構から前記両可変機構に油圧をほぼ均等に供給す
ることを特徴としている。
【0013】請求項6に記載の発明にあっては、前記油
圧駆動機構は、前記各可変機構に油圧を配分して供給す
る油圧分配手段を有することを特徴としている。
【0014】請求項7に記載の発明は、前記機関運転検
出手段が検出した所定の運転状態における所定のしきい
値以上では前記両方の可変機構を制御式によって目標と
する機関運転状態に合うように駆動させるようにしたこ
とを特徴としている。
【0015】請求項8に記載の発明は、前記所定の運転
状態のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設定し、
該第2のしきい値以上では前記両可変機構に油圧をほぼ
均等に配分供給したことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明にかかる内燃機関の可
変動弁装置を吸気弁側に適用した各実施形態を図面に基
づいて詳述する。
【0017】図1は本発明にかかる可変動弁装置の構造
を示し、シリンダヘッド11に図外のバルブガイドを介
して摺動自在に設けられた1気筒あたり2つの吸気弁1
2,12を備え、かつ該各吸気弁12,12のバルブリ
フト量を機関運転状態に応じて可変にする第1可変機構
1と、各吸気弁12,12の開閉タイミング(バルブタ
イミング)を機関運転状態に応じて可変にする第2可変
機構2と、第1、第2可変機構1,2にそれぞれ油圧を
供給して駆動制御する油圧駆動機構3と、機関運転状態
に応じて油圧駆動機構3を作動制御する制御するコント
ローラ4とを備えている。
【0018】前記第1可変機構1は、図1及び図2に示
すように、シリンダヘッド11上部の軸受14に回転自
在に支持された中空状の駆動軸13と、該駆動軸13に
圧入などによって固設された偏心回転カムである2つの
駆動カム15,15と、駆動軸13に揺動自在に支持さ
れて、各吸気弁12,12の上端部に配設されたバルブ
リフター16,16の平坦な上面16a,16aに摺接
して各吸気弁12,12を開作動させる揺動カム17,
17と、駆動カム15、15と揺動カム17,17との
間に連係されて、駆動カム15、15の回転力を揺動カ
ム17,17の揺動力として伝達する伝達機構18、1
8と、該伝達機構18、18の作動位置を可変制御にす
る制御機構19とを備えている。
【0019】前記駆動軸13は、機関前後方向に沿って
配置されていると共に、一端部に設けられた第2可変機
構2のタイミングスプロケット40に巻装された図外の
タイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回
転力が伝達されている。
【0020】前記軸受14は、図1に示すようにシリン
ダヘッド11の上端部に設けられて、駆動軸13の上部
を支持するメインブラケット14aと、該メインブラケ
ット14aの上端部に設けられて、後述する制御軸32
を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、
両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,1
4cによって上方から共締め固定されている。
【0021】前記両駆動カム15は、図1及び図2に示
すように、ほぼリング状を呈し、カム本体15aと、該
カム本体15aの外端面に一体に設けられた筒状部15
bとからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔15cが貫通
形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xが駆動
軸13の軸心Yから径方向へ所定量だけオフセットして
いる。また、この各駆動カム15は、駆動軸13に対し
前記両バルブリフター16,16に干渉しない両外側に
駆動軸挿通孔15cを介して圧入固定されていると共
に、両方のカム本体15a,15aの外周面15d,1
5dが同一のカムプロフィールに形成されている。
【0022】前記揺動カム17は、図2に示すようにほ
ぼ横U字形状を呈し、一端部側の円環状の基端部20に
は駆動軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔
20aが貫通形成されていると共に、他端部のカムノー
ズ部21にピン孔21aが貫通形成されている。また、
揺動カム17の下面には、カム面22が形成され、基端
部20側の基円面22aと該基円面22aからカムノー
ズ部21側に円弧状に延びるランプ面22bと該ランプ
面22bの先端側に有するリフト面22cとが形成され
ており、該基円面22aとランプ面22b及びリフト面
22cとが、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブ
リフター16の上面16a所定位置に当接するようにな
っている。
【0023】前記伝達機構18は、図2に示すように駆
動軸13の上方に配置されたロッカアーム23と、該ロ
ッカアーム23の一端部23aと駆動カム15とを連係
するリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部2
3bと揺動カム17とを連係する連係部材であるリンク
ロッド25とを備えている。
【0024】前記各ロッカアーム23は、平面からみて
ほぼクランク状に折曲形成され、中央に有する筒状基部
23cが後述する制御カム33に回転自在に支持されて
いる。また、各基部23cの各外端部に突設された前記
一端部23aには、図2にも示すように、リンクアーム
24と相対回転自在に連結するピン26が挿通されるピ
ン孔23dが貫通形成されている一方、各基部23cの
各内端部に夫々突設された前記他端部23bには、各リ
ンクロッド25の一端部25aと相対回転自在に連結す
るピン27が挿通されるピン孔23eが形成されてい
る。
【0025】また、前記リンクアーム24は、比較的大
径な円環状の基部24aと、該基部24aの外周面所定
位置に突設された突出端24bとを備え、基部24aの
中央位置には、前記駆動カム15のカム本体15aの外
周面に回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されてい
る一方、突出端24bには、前記ピン26が回転自在に
挿通するピン孔24dが貫通形成されている。
【0026】さらに、前記リンクロッド25は、図2に
も示すように所定長さのほぼく字形状に折曲形成され、
両端部25a,25bには、図3にも示すようにピン挿
通孔25c,25dが形成されており、この各ピン挿通
孔25c,25dに、前記ロッカアーム23の他端部2
3bに有するピン孔23eと揺動カム17のカムノーズ
部21に有するピン孔21aにそれぞれ挿通した各ピン
27,28の端部が回転自在に挿通している。
【0027】そして、このリンクロッド25は、前記揺
動カム17の最大揺動範囲を前記ロッカアーム23の揺
動範囲内に規制するようになっている。
【0028】尚、各ピン26,27,28の一端部に
は、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移
動を規制するスナップリングが設けられている。
【0029】前記制御機構19は、機関前後方向に配設
された前記制御軸32と、該制御軸32の外周に固定さ
れてロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33
と、前記制御軸32を所定の制御範囲でその回転位置を
制御する油圧アクチュエータ34と、該油圧アクチュエ
ータ34に正逆回転用の油圧を選択的に供給する電磁弁
29とから構成されている。
【0030】前記制御軸32は、駆動軸13と並行に設
けられて、前述のように軸受14のメインブラケット1
4a上端部の軸受溝とサブブラケット14bとの間に回
転自在に支持されている。一方、前記各制御カム33
は、夫々円筒状を呈し、図2に示すように軸心P1位置
が制御軸32の軸心P2からα分だけ偏倚している。
【0031】前記油圧アクチュエータ34は、前記油圧
駆動機構3からの油圧の給排によって制御軸32に回転
力を伝達すると共に、所定の回転位置に保持するように
なっている。
【0032】一方、前記第2可変機構2は、図1に示す
ように前記駆動軸13の先端部側に設けられ、図外のタ
イミングチェーンによって機関のクランク軸から回転力
が伝達されるタイミングスプロケット40と、駆動軸1
3の先端部にボルト41によって軸方向から固定された
スリーブ42と、タイミングスプロケット40とスリー
ブ42との間に介装されて、駆動軸13の前後軸方向へ
移動可能な筒状歯車43とから構成されている。
【0033】前記タイミングスプロケット40は、筒状
本体40aの後端部にチェーンが巻装されるスプロケッ
ト部40bがボルト45により固定されていると共に、
筒状本体40aの前端開口がフロントカバー40cによ
って閉塞されている。また、筒状本体40aの内周面に
は、はす歯形のインナ歯46が形成されている。
【0034】前記スリーブ42は、後端側に駆動軸13
の先端部が嵌合する嵌合溝が形成されていると共に、前
端部の保持溝内にはフロントカバー40cを介してタイ
ミングスプロケット40を前方に付勢するコイルスプリ
ング47が装着されている。また、スリーブ42の外周
面には、はす歯形のアウタ歯48が形成されている。
【0035】前記筒状歯車43は、軸直角方向から2分
割されて前後の歯車構成部がピンとスプリングによって
互いに接近する方向に付勢されていると共に、内外周面
には前記各インナ歯46とアウタ歯48に噛合いするは
す歯形の内外歯が形成されており、前後に形成された第
1,第2油圧室49,50に電磁切換弁51を介して相
対的に供給される油圧によって各歯間を摺接しながら前
後軸方向へ移動するようになっている。また、この筒状
歯車43は、フロントカバー40cに突当った最大前方
移動位置で吸気弁12を最進角位置に制御する一方、最
大後方移動位置で最遅角位置に制御するようになってい
る。さらに、第2油圧室50内に弾装されたリターンス
プリング50aによって第1油圧室49の油圧が供給さ
れない場合、例えば始動時に最大前方移動位置に付勢さ
れるようになっている。
【0036】前記油圧駆動機構3は、オイルパンOPと
連通するオイルポンプ52と、該オイルポンプ52の下
流側に接続された油圧通路53と、該油圧通路53の下
流側で分岐して、前記第1可変機構1と第2可変機構2
にそれぞれ油圧を供給する第1、第2油通路54、55
と、前記分岐位置に設けられた油圧配分手段であるソレ
ノイド型の流路切換弁56と、該流路切換弁56に接続
された図外のドレン通路55aとから構成されている。
また、前記第2油通路55は、前記電磁切換弁51と該
電磁切換弁51から分岐された通路部55a、55bと
を介して前記第1,第2油圧室49,50に接続されて
いる。
【0037】前記流路切換弁56は、図3A〜図3Cに
示すように、ほぼ円柱状の弁孔57のほぼ中央に前記油
圧通路53の一端が接続されていると共に、該油圧通路
53と対向する両側に前記各可変機構1,2にそれぞれ
連通する第1、第2油通路54,55の各一端が接続さ
れている。また、弁孔57の内部には、前記第1,第2
油通路54,55の各開口端を選択的に開閉するスプー
ル弁58が摺動自在に設けられており、このスプール弁
58は、弁孔57の一端側に設けられた電磁コイル59
への通電によって左右に摺動して第1油通路54と第2
油通路55を選択的に閉塞する方向に吸引されて、各油
通路54、55内に流入する油圧の配分割合を調整する
ようになっている。また、このスプール弁58は、電磁
コイル59への非通電時には一端側に設けられたスプリ
ング60と他端側に設けられたスプリング61との対向
するばね力によって中立位置(両油通路54,55を開
成する位置)に保持されるようになっている。なお、他
端側のスプリング61とスプール弁58との間には、良
好なばね力伝達のための付勢板62が介装されていると
共に、弁孔57の両端部内には各スプリング60、61
の一端を弾持するストッパ63,64が固定されてい
る。
【0038】前記コントローラ4は、クランク角センサ
からの機関回転数信号、スロットル開度センサからのス
ロットル開度信号(負荷)及び水温センサからの機関温
度信号など、各種センサからの検出信号に基づいて現在
の機関運転状態を演算等により検出すると共に、制御軸
32の現在の回転位置を検出する第1位置検出センサ6
5や駆動軸13とタイミングスプロケット40との相対
回動位置を検出する第2位置検出センサ66からの検出
信号に基づいて、前記流路切換弁56の電磁コイル59
に通電あるいは非通電の制御信号を出力して、各可変機
構1,2への油圧の配分制御を行っていると共に、前記
両電磁切換弁29、51にそれぞれ制御信号を出力して
通路の切り換えや閉止制御を行っている。
【0039】以下、第1、第2可変機構1、2の基本的
動作について説明すれば、第1可変機構1側は、例えば
機関低回転低負荷状態においては後述するコントローラ
4からの制御信号によって流路切換弁56が開作動する
と共に、電磁切換弁29が一方に切り換えられて油圧ア
クチュエータ34を介して制御軸32が一方向へ回転制
御されて、制御カム33の軸心P1が制御軸32の軸心
P2から左上方の回動位置に保持され、厚肉部33aが
駆動軸13から上方向へ離間回動する。これにより、ロ
ッカアーム23は、全体が駆動軸13に対して上方向へ
移動し、このため各揺動カム17はリンクロッド25を
介して強制的に引き上げられて反時計方向へ回動する。
したがって、駆動カム15が回転してリンクアーム24
を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げる
と、そのリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム
17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフ
ト量は小さくなる(Lmin)。
【0040】また、例えば高回転高負荷に移行した場合
は、油圧アクチュエータ34により制御軸32が、今度
は他方向に回転して制御カム33を図2に示す位置に回
転させて厚肉部33aを下方向へ回動させる。このた
め、ロッカアーム23は、全体が駆動軸13方向(下方
向)へ移動して他端部23bが揺動カム17をリンクア
ーム25を介して下方向へ押圧して揺動カム17全体を
所定量だけ図示の位置(時計方向)に回動させる。した
がって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介
してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、
そのリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17
及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量
は最大に大きくなる(Lmax)。
【0041】また、この第1可変機構1による吸気弁1
2のバルブリフト量(L)と作動角(D)は、機関運転
状態に応じて最小リフト(Lmin)から最大リフト
(Lmax)まで連続的に制御されるようになってい
る。
【0042】一方、第2可変機構2側では、各センサか
らの情報信号からコントローラ4が吸気弁12の目標進
角量を決定して、この指令信号に基づき電磁切換弁51
により該第2油通路55と第1通路55aとを所定時間
連通させると共に、第2通路55bとドレン通路とを所
定時間連通させか、あるいは第2油通路55と第2通路
55bを所定時間連通させると共に、第1通路55aと
ドレン通路を所定時間連通させる。これによって、筒状
歯車43の前後方向の移動に伴いタイミングスプロケッ
ト40と駆動軸13との相対回動位置を変換して最大進
角側あるいは最大遅角側に連続的に制御する。また、こ
の場合も第2位置検出センサ66により予め駆動軸13
の実際の相対回動位置をモニターして、フィードバック
制御により駆動軸を目標相対回動位置すなわち目標進角
量に回転させるようになっている。
【0043】以下、前記コントローラ4による第1可変
機構1と第2可変機構2に対する油圧供給制御(駆動制
御)についてそれぞれフローチャート図に基づいて説明
するまず、図4は前記流路切換弁56による油圧配分制
御の全体フローを示し、この油圧配分は、図5に示すよ
うな機関回転数Nの回転領域0〜N、N〜以上の2つの
フェーズ1,2領域に設定されて、該2つの油圧配分制
御フェーズ1,2の油圧配分を行っている。
【0044】ここで、フェーズ1は、機関回転数が所定
のしきい値Nより低くオイルポンプの回転数も低いこと
から低油圧期間に当たり、したがって、どちらか一方の
可変機構1,2しか良好に駆動させることができない油
圧領域である。一方、フェーズ2は、機関回転数も所定
のしきい値Nより高くオイルポンプの回転数も高くなっ
て、両方の可変機構1,2を良好に駆動させることがで
きる油圧領域である。また、前記第1可変機構1の初期
位置は、低バルブリフトに設定され、第2可変機構2の
初期位置は最遅角側となるように保持されている。
【0045】すなわち、図4に示すステップ1では、現
在の内燃機関の冷却水温度あるいは潤滑油温を読み込
み、ステップ2では図6に示す水温と油温及び機関回転
数の関係マップから第1、第2可変機構1,2を同時に
駆動させるのに必要なオイルポンプ52からの油圧を発
生できる機関回転数Nを算出する。次に、ステップ3
で、現在の機関回転数を読み込み、ステップ4において
現在の回転数が前記フェーズ回転数Nよりも小さいか否
かを判別する。ここで、小さいと判別した場合はステッ
プ5において図に示す油圧配分制御のフェーズ1を実施
するが、大きいと判別した場合は、ステップ6において
油圧配分制御のフェーズ2を実施する。
【0046】図7は前記フェーズ1のフローチャート図
であって、このフェーズ1では第2可変機構2を優先し
て駆動制御するように設定されている。
【0047】すなわち、ステップ11では、第2可変機
構2の制御偏差値が許容値内か否かを判別し、許容値内
(第2可変機構の制御偏差値小)であると判別した場合
は、ステップ12に移行するが、許容値外(第2可変機
構の制御偏差値大)であると判別した場合は、ステップ
13に移行し、ここでは図3Bに示すように、流路切換
弁56のスプール弁58により第1油通路54を閉止し
て第1可変機構1への油圧供給を遮断すると共に、第2
可変機構2へのみ全ての油圧を供給して駆動制御させ
る。これによって、吸気弁12,12を機関運転状態に
応じた最適なバルブタイミングに制御することができ
る。
【0048】前記ステップ12では、第1可変機構1の
制御偏差値が許容値外か否かを判別し、許容値外(第1
可変機構1の制御偏差値小)であると判別した場合、ス
テップ14において、図3Cに示すように、流路切換弁
56のスプール弁58が第2油通路55を閉止すると共
に第1油通路54を開成する。これにより、第2可変機
構2側への油圧の供給を遮断する一方、第1可変機構2
側に油圧の全て供給して駆動制御させる。したがって、
かかる運転状態に応じた最適なバルブリフト制御を行う
ことができる。
【0049】また、許容値内(第1可変機構1の制御偏
差値大)と判別した場合は、ステップ15に移行する。
このステップ15では、両可変機構1,2の制御偏差値
が小さいことから、現在の機関運転状態に適合したバル
ブリフトとバルブタイミングが行われているので、両可
変機構1,2側への油圧の供給を遮断して駆動を停止さ
せる。この駆動停止とは、コントローラ4からの制御信
号によって両電磁切換弁29,51により第1、第2可
変機構1,2への油圧の供給を遮断して両方の可変機構
1,2側への油圧の供給を行わないことである。
【0050】図8は前記フェーズ2のフローチャート図
であって、このフェーズ2は、機関の油圧が高圧になっ
ているため、油圧を両可変機構1,2に均等に配分して
も両者が良好に駆動することが可能な領域である。
【0051】まず、ステップ21では、第2可変機構2
の制御偏差値が許容値内か否かを判別し、許容値内(偏
差値小)であればステップ22に進み、ここでは第1可
変機構1の制御偏差値が許容値内か否かを判別する。こ
こで、許容値内であると判別した場合は、ステップ23
に移行して、ここでは、現在の機関運転状態に適合した
バルブリフトとバルブタイミングが行われているので、
両可変機構1,2側への油圧の供給を遮断して駆動を停
止させる。
【0052】そして、前記ステップ21で第2可変機構
2の制御偏差値が許容値外と判別した場合は、ステップ
24に移行し、ここでは第1可変機構1の制御偏差値が
許容値内か否かを判別する。許容値内ではない(偏差値
大)と判別した場合は、ステップ25において図3Aに
示すように、流路切換弁56への通電を遮断してスプー
ル弁58を両スプリング60,61のばね圧で中立位置
に保持して第1,第2油通路54,55の両方を開成し
て、第1、第2可変機構1、2の両方を通常のフィード
バック制御により、バルブリフトとバルブタイミング制
御を行う。
【0053】一方、前記ステップ24において許容値内
(制御偏差値小)と判別した場合は、ステップ26にお
いて流路切換弁56により第1油通路54を閉止して第
1可変機構1側の駆動を停止させると共に、第2油通路
55は開成して第2可変機構2側に油圧の全てを供給し
てバルブタイミング制御を行う。
【0054】また、前記ステップ22において第1可変
機構1の制御偏差値が許容値外(偏差値大)と判別した
場合は、この時点では第2可変機構2の制御偏差値が小
さいので、ステップ27において、第2可変機構2の駆
動を停止すると共に、第1可変機構1側に全ての油圧を
供給してバルブリフト制御を行う。
【0055】以上のように、この実施形態によれば、現
在の機関のオイルポンプで発生した油圧を、機関冷却水
温あるいは油温によって推定して、油圧配分制御フェー
ズ切り替えの機関回転数を演算により算出するようにし
たため、特別に油圧センサを設ける必要がなくなる。し
たがって、この分、コストの高騰を抑制することが可能
になる。
【0056】また、前述のように、フェーズ1の領域
(機関低回転域)では、第2可変機構2の駆動を優先さ
せて、吸気弁12,12のバルブタイミングを積極的か
つ速やかに制御することができるため、ポンピングロス
などの発生を防止できると共に、燃費の向上と排気エミ
ッション性能を向上させることができる。
【0057】しかも、バルブリフトの要求値に対して
も、バルブタイミング制御が安定した後に、第1可変機
構1の駆動へ速やかに切り替えて、かかるバルブリフト
制御を行うことが可能になるため、同じ機関運転領域で
第1、第2可変機構1,2を優先順位にしたがって駆動
させることができる。したがって、従来のような駆動領
域を限定する可変動弁装置に比較して機関性能の大幅な
改善が可能になる。
【0058】また、フェーズ2の領域(機関高回転域)
では、第1、第2可変機構1,2を同時にかつ良好に駆
動させることができるので、最適なバルブリフト、バル
ブタイミングを常に得ることが可能になる。したがっ
て、かかる機関運転領域での高出力トルクなどが得られ
機関性能の向上が図れる。
【0059】さらに、この領域では、いずれか一方の制
御偏差値が小さく、他方の制御偏差値が大きい場合に、
制御偏差値の大きい方の可変機構に優先的に油圧を供給
することができるため、制御収束速度の向上が図れる。
【0060】図9は両可変機構1,2の他の油圧制御の
フローチャートを示し、機関回転数に応じて3つの制御
フェーズを設けて各可変機構1,2への供給油圧の制御
を行うようにしたものである。
【0061】すなわち、制御フェーズは、図10に示す
ように機関回転数0〜N1、N1〜N2、N2〜に応じ
て3つの制御フェーズ1,2,3領域に区分けされてお
り、所定のしきい値N1、N2を設けて、このしきい値
N1、N2を境に両可変機構1,2の駆動制御を行うよ
うになっている。
【0062】具体的には、図9に示すステップ31で
は、現在の内燃機関の冷却水温度あるいは潤滑油温を読
み込み、ステップ32では、前述と同じく図6に示す冷
却水温と油温及び機関回転数の関係マップから第1、第
2可変機構1,2を同時に駆動させるのに必要なオイル
ポンプ52からの油圧を発生できる機関回転数N2と、
2つの可変機構1,2を駆動させるのには十分な油圧で
はないが、全ての油圧を使用しなくても1つの可変機構
を良好に駆動させることのできる機関回転数N1を算出
する。これは、例えば、両可変機構1,2へ供給される
油圧の70%位を使用すれば1つの可変機構を良好に駆
動させることができる機関回転数である。
【0063】次に、ステップ33では現在の機関回転数
を読み込み、ステップ34において、この現在の機関回
転数が前記しきい値N1よりも小さいか否かを判別し、
小さい判別した場合は、ステップ35に進む。ここで
は、油圧配分制御フェーズ1を実施する。
【0064】また、前記ステップ34で現在の機関回転
数がしきい値N1よりも大きいと判別した場合は、ステ
ップ36に移行し、ここではさらに現在の機関回転数が
しきい値N2よりも小さいか否かを判別する。ここで、
小さいと判別した場合は、ステップ37において油圧配
分制御フェーズ2を実施し、大きいと判別した場合は、
ステップ38において油圧配分制御フェーズ3を実施す
る。
【0065】以下、図11〜図13に基づいて前記各フ
ェーズ1、2、3の制御を説明する。まず、図11はフ
ェーズ1の実施フローを示し、このフェーズ1はオイル
ポンプが低油圧期間であるため、どちらか一方の可変機
構しか駆動させることができない油圧領域であるが、第
2可変機構2を優先的に駆動させるように設定されてい
る。すなわち、ステップ41では、第2可変機構2の制
御偏差値が許容値内か否かを判別し、許容値内(第2可
変機構の制御偏差値小)であると判別した場合は、ステ
ップ42に移行するが、許容値外(第2可変機構の制御
偏差値大)であると判別した場合は、ステップ43に移
行し、ここでは図3Bに示すように、流路切換弁56に
よって第1可変機構1への油圧供給を遮断すると共に、
第2可変機構2へのみ全ての油圧を供給して駆動制御さ
せる。これによって、吸気弁12,12の最適なバルブ
タイミング制御が行われる。
【0066】前記ステップ42では、第1可変機構1の
制御偏差値が許容値外か否かを判別し、許容値外(第1
可変機構1の制御偏差値小)であると判別した場合、ス
テップ44において、図3Cに示すように、流路切換弁
56によって第2可変機構2側への油圧の供給を遮断す
る一方、第1可変機構2側に油圧の全て供給して駆動制
御させる。また、許容値内(第1可変機構1の制御偏差
値大)と判別した場合は、ステップ45に移行する。
【0067】このステップ45では、両可変機構1,2
の制御偏差値が小さいことから、現在の機関運転状態に
適合したバルブリフトとバルブタイミングが行われてい
るので、両可変機構1,2側への油圧の供給を遮断して
駆動を停止させる。
【0068】図12は前記フェーズ2のフローチャート
図であって、このフェーズ2は、機関の油圧が中程度に
なっているため、両可変機構1,2へ供給される全ての
油圧を使用しなくても1つの可変機構だけを良好に駆動
させるためには十分な油圧が得られるが、両可変機構
1,2側に油圧を供給すると良好な駆動が得られず応答
性が悪化する油圧領域である。
【0069】まず、ステップ51では、第2可変機構2
の制御偏差値が許容値内か否かを判別し、許容値内(偏
差値小)であればステップ52に進み、ここでは第1可
変機構1の制御偏差値が許容値内か否かを判別する。こ
こで、許容値内であると判別した場合は、ステップ53
に移行して、ここでは、現在の機関運転状態に適合した
バルブリフトとバルブタイミングが行われているので、
両可変機構1,2側への油圧の供給を遮断して駆動を停
止させる。
【0070】そして、前記ステップ51で第2可変機構
2の制御偏差値が許容値外と判別した場合は、ステップ
54に移行し、ここでは第1可変機構1の制御偏差値が
許容値内か否かを判別する。許容値内(制御偏差値小)
と判別した場合は、ステップ55において流路切換弁5
6により第1油通路54を閉止して第1可変機構1側の
駆動を停止させると共に、第2油通路55は開成して第
2可変機構2側に油圧の全てを供給してバルブタイミン
グ制御を行う。
【0071】また、前記ステップ52において第1可変
機構1の制御偏差値が許容値外(偏差値大)と判別した
場合は、この時点では第2可変機構2の制御偏差値が小
さいので、ステップ56において、第2可変機構2の駆
動を停止すると共に、第1可変機構1側に全ての油圧を
供給してバルブリフト制御を行う。
【0072】また、前記ステップ54で、第1可変機構
1の制御偏差値が許容値外(偏差値大)と判別した場合
は、ステップ57において以下の式により求められる油
圧配分割合により、流路切換弁56を制御する。
【0073】第1可変機構1の油圧配分割合=100%
−第2可変機構2の油圧配分割合 第2可変機構2の油圧配分割合=第2可変機構の基本配
分割合−(A×機関回転数割合+B×制御偏差割合)
ここで、Aは機関回転数割合補正係数、Bは制御偏差割
合補正係数である。
【0074】機関回転数割合=現在の機関回転数−N1 制御偏差割合=α×第1可変機構の制御偏差値−β×第
2可変機構の制御偏差値 ここで、αは制御偏差重み第
1可変機構側の係数、βは制御偏差重み第2可変機構側
の係数である。
【0075】但し、第2可変機構2の基本配分割合は5
0%以上とし、第2可変機構2の油圧配分割合は50%
〜100%になるように設定する。
【0076】上の式を簡単に説明すると、機関回転割合
は機関回転数が高いほど大きくなり、この結果、除々に
第2可変機構2の油圧配分割合が低くなり、第1可変機
構1の油圧配分が大きくなる。これは、機関回転数が上
昇するとオイルポンプの吐出油圧が上昇するため、第1
可変機構1に対して第2可変機構2に優先して油圧を配
分しなくともよくなるからである。また、前記制御偏差
割合であるが、本制御フェーズは、基本的に第2可変機
構2を優先して駆動させるが、第1可変機構1の制御偏
差が第2可変機構2の制御偏差に対して相対的に大きい
場合に、第1可変機構1を速やかに駆動させるために付
加したものである。補正係数A、B及び重みα、βは各
割合の配分比率及び偏差重みを決定するパラメータとな
っている。
【0077】図13は前記フェーズ3のフローチャート
図であって、このフェーズ3は、機関の油圧が高圧にな
っているため、油圧を両可変機構1,2に均等に配分し
ても両者が良好に駆動することが可能な領域であり、基
本的にフェーズ2の場合とほぼ同じ制御を行う。
【0078】まず、ステップ61では、第2可変機構2
の制御偏差値が許容値内か否かを判別し、許容値内(偏
差値小)であればステップ62に進み、ここでは第1可
変機構1の制御偏差値が許容値内か否かを判別する。こ
こで、許容値内であると判別した場合は、ステップ63
に移行して、ここでは、現在の機関運転状態に適合した
バルブリフトとバルブタイミングが行われているので、
両可変機構1,2側への油圧の供給を遮断して駆動を停
止させる。
【0079】そして、前記ステップ61で第2可変機構
2の制御偏差値が許容値外と判別した場合は、ステップ
64に移行し、ここでは第1可変機構1の制御偏差値が
許容値内か否かを判別する。許容値内(制御偏差値小)
と判別した場合は、ステップ65において流路切換弁6
5によって第1油通路54を閉止して第1可変機構1側
の駆動を停止させると共に、第2油通路55は開成して
第2可変機構2側に油圧の全てを供給してバルブタイミ
ング制御を行う。
【0080】また、前記ステップ62において第1可変
機構1の制御偏差値が許容値外(偏差値大)と判別した
場合は、この時点では第2可変機構2の制御偏差値が小
さいので、ステップ66において、第2可変機構2の駆
動を停止すると共に、第1可変機構1側に全ての油圧を
供給してバルブリフト制御を行う。
【0081】また、前記ステップ64で、第1可変機構
1の制御偏差値が許容値外(偏差値大)と判別した場合
は、ステップ67において流路切換弁56への通電を遮
断してスプール弁58を両スプリング60,61のばね
圧で中立位置に保持して第1,第2油通路54,55の
両方を開成して、第1、第2可変機構1、2に油圧を均
等に配分して、両方1,2が通常のフィードバック制御
により、バルブリフトとバルブタイミング制御を行
う。。
【0082】したがって、この実施形態においても先の
実施形態と同様な作用効果が得られることは勿論のこ
と、特に1〜3のフェーズ領域を設けて各可変機構1,
2への供給油圧の配分を細かく制御したため、各可変機
構1,2の制御精度が高くなる。
【0083】本発明は、前記実施形態の構成に限定され
るのはなく、各可変機構1,2をそれぞれ油圧によって
駆動できるものであれば他の構造のものとしてもよく、
また油圧配分手段も前記流路切換弁56以外の構造のも
のであってもよい。
【0084】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
〜3に記載の発明によれば、第1可変機構と第2可変機
構とによって機関運転状態に応じて該機関性能を向上さ
せることができることは勿論のこと、機関の供給油圧に
応じた複数のフェーズ領域を設けて、各フェーズ領域に
対応していずれか一の可変機構を優先的に駆動させると
共に、供給油圧が高いときは両方の可変機構を同時に駆
動させるようにしたため、機関運転状態毎に変化するバ
ルブリフトとバルブタイミングの両方の要求を満足させ
ることが可能になる。この結果、前記機関性能の大幅な
向上が図れる。
【0085】請求項4に記載の発明によれば、第2可変
機構の駆動を優先させて、機関弁のバルブタイミングを
積極的かつ速やかに制御することができるため、ポンピ
ングロスなどの発生を防止できると共に、燃費の向上と
排気エミッション性能を向上させることができる。
【0086】しかも、バルブリフトの要求値に対して
も、バルブタイミング制御が安定した後に、第1可変機
構の駆動へ速やかに切り替えて、かかるバルブリフト制
御を行うことが可能になるため、同じ機関運転領域で第
1、第2可変機構を優先順位にしたがって駆動させるこ
とができる。
【0087】また、機関高回転域あるいは高油圧域で
は、第1、第2可変機構を同時にかつ良好に駆動させる
ことができるので、最適なバルブリフト、バルブタイミ
ングを常に得ることが可能になる。したがって、かかる
機関運転領域での高出力トルクなどが得られ機関性能の
向上が図れる。
【0088】さらに、この領域では、いずれか一方の制
御偏差値が小さく、他方の制御偏差値が大きい場合に、
制御偏差値の大きい方の可変機構に優先的に油圧を供給
することができるため、制御収束速度の向上が図れる。
【0089】請求項5に記載の発明によれば、各可変機
構に対してほぼ均等の油圧を供給するようにしたため、
該可変機構の駆動応答性などの駆動性能が良好になる。
【0090】請求項6に記載の発明によれば、油圧配分
手段を設けたため、各可変機構への油圧配分制御精度が
向上して、各可変機構によるバルブリフトとバルブタイ
ミングの制御精度を高くすることができる。
【0091】請求項7に記載の発明によれば、油圧配分
手段によって各可変機構へ機関運転状態に応じた最適な
油圧を供給できるので、各可変機構での制御精度が高く
なる。
【0092】請求項8に記載の発明によれば、油圧配分
手段によって油圧を均等に配分したため、各可変機構へ
の油圧の均等配分制御をより精度よく行うことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構造を示す一部断面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】A〜Cは本実施形態に供される流路切換弁の構
成及び作用を示す概略図
【図4】第1の実施形態における油圧配分制御の全体を
示すフローチャート図
【図5】本実施形態におけるフェーズ領域を示す概念図
【図6】本実施形態における油温、油圧、機関回転数の
関係を示す制御マップ。
【図7】フェーズ1における制御フローチャート図。
【図8】フェーズ2における制御フローチャート図
【図9】第2の実施形態における油圧配分制御の全体を
示すフローチャート図
【図10】本実施形態におけるフェーズ領域を示す概念
【図11】フェーズ1における制御フローチャート図
【図12】フェーズ2における制御フローチャート図
【図13】フェーズ3における制御フローチャート図
【符号の説明】
1…第1可変機構 2…第2可変機構 3…油圧駆動機構 4…コントローラ 12…吸気弁 29…電磁切換弁 34…油圧アクチュエータ 51…電磁切換弁 52…オイルポンプ 54…第1油通路 55…第2油通路 56…流路切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01L 13/00 F01L 13/00 301Y F02D 41/04 320 F02D 41/04 320 45/00 312 45/00 312N Fターム(参考) 3G018 AB16 BA09 BA10 BA32 CA18 DA03 DA05 DA48 EA02 EA17 FA01 FA06 FA07 GA02 3G084 BA23 CA09 DA04 EC01 EC03 FA20 FA33 3G092 AA01 AA11 DA01 DA02 DA03 DA08 DA10 EA11 EA25 FA03 HE01Z HE08Z 3G301 HA01 HA19 JA03 KA24 KA25 LA07 PE01Z PE08Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関弁のバルブリフト量を変化させる第
    1可変機構と、前記機関弁の開閉タイミングを変化させ
    る第2可変機構と、現在の機関運転状態を検出する機関
    運転検出手段と、該機関運転検出手段からの情報信号に
    よって前記第1可変機構と第2可変機構とをそれぞれ油
    圧によって駆動制御する油圧駆動機構とを備えた内燃機
    関の可変動弁装置において、 前記油圧駆動機構は、機関運転検出手段が検出した所定
    の運転状態が所定のしきい値よりも低い場合は、前記一
    方の可変機構のみを駆動制御し、所定のしきい値よりも
    高い場合は、前記両方の可変機構を駆動制御するように
    したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記機関運転検出手段が検出する所定の
    運転状態を、機関回転数とし、現在の機関回転数が所定
    のしきい値以下の場合は一方の可変機構のみを駆動制御
    し、しきい値以上の場合は前記両方の可変機構を駆動制
    御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の可変動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記機関運転検出手段が検出する所定の
    運転状態を、機関の各潤滑部位に供給される油圧とし、
    現在の油圧が所定のしきい値以下の場合は一方の可変機
    構のみを駆動制御し、しきい値以上の場合は前記両方の
    可変機構を駆動制御するようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記一方の可変機構を第2可変機構とし
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内
    燃機関の可変動弁装置。
  5. 【請求項5】 前記機関回転数あるいは油圧が所定のし
    きい値以上のときは、前記油圧駆動機構から前記両可変
    機構に油圧をほぼ均等に供給することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 【請求項6】 前記油圧駆動機構は、前記各可変機構に
    油圧を配分して供給する油圧分配手段を有することを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の可
    変動弁装置。
  7. 【請求項7】 前記機関運転検出手段が検出した所定の
    運転状態における所定のしきい値以上では前記両方の可
    変機構を制御式によって目標とする機関運転状態に合う
    ように駆動させるようにしたことを特徴とする請求項6
    に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の運転状態のしきい値よりも大
    きな第2のしきい値を設定し、該第2のしきい値以上で
    は前記両可変機構に油圧をほぼ均等に配分供給したこと
    を特徴とする請求項6または7に記載の内燃機関の可変
    動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014020259A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の可変動弁装置

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