JP5984435B2 - ガスタービン制御装置及び制御方法 - Google Patents

ガスタービン制御装置及び制御方法 Download PDF

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本発明は、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を制御するガスタービン制御装置及び制御方法に関する。
ガスタービンは燃料ガスを燃焼器で燃焼し、その燃焼によって得られた高温高圧の燃焼ガスをタービンに供給してタービンを回転させている。ここで、ガスタービンの出力の制御の一つとして燃焼器に供給する前の燃料ガスの温度を増減させるガスタービンが存在する。燃料ガスの温度を昇温させることにより、燃焼器の燃焼により出力されてタービンに供給される燃焼ガスのタービン入口温度も上昇し、これにより、ガスタービンの出力を増加させることができる。なお本発明に関連するガスタービンの制御に関する技術が特許文献1に開示されている。
特開2010−281325号公報
ところで、上述のように燃焼器に供給する前の燃料ガスの温度を昇温または降温させてガスタービンの出力を制御するために、現状では、出力に応じたタービン入口温度の指標値に基づいて、燃料ガスの設定温度を定め、燃料ガスがその設定温度になるように燃料ガスを昇温するための昇温装置へ供給している。燃料ガスを昇温装置に多く供給することで燃焼器に供給される燃料ガスの温度が上昇し、これにより燃焼器から出力された燃焼ガスの温度も上昇する。他方、燃料ガスの昇温装置への供給を減じて、昇温装置を迂回して燃焼器へ供給する燃料ガスを増加させることにより、燃焼器に供給される全体の燃料ガスの平均温度が減少し、これにより燃焼器から出力された燃焼ガスの温度も降下する。
ここで燃料ガスの温度を設定温度に合わせるために温度計を用いているが、当該温度計が、実際の温度を精度の良く計測するまでに時間がかかるため、実際には燃料ガスが設定温度に達したにもかかわらず、燃料ガスの昇温装置へ供給する供給量を維持してしまう。この場合、温度計による計測温度は燃料ガスの設定温度を越えていないが、実際には燃料ガスの設定温度を越えて上昇してしまうという問題が発生していた。
そこでこの発明は、実際の燃料ガスの温度が、ガスタービンの目標出力に応じた設定温度に合うように、精度良く制御することのできるガスタービン制御装置及び制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出する弁開度上限値決定部と、さらに、前記弁の先行開度であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の先行開度を算出する弁先行開度決定部とを備え、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成するとともに、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記先行開度を初期値とした前記弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、を備えることを特徴とするガスタービン制御装置である。
また本発明は、前記計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、前記燃料ガス温度計測部が直ちに計測できない現在の燃料ガスの適切な推定温度を算出する燃料ガス推定温度算出部とを備え、前記弁開度指令信号生成部は、前記計測した燃料ガス温度に代えて前記推定温度を用いて開度指令信号を生成することを特徴とする。
また本発明は、前記燃料ガス設定温度算出部は、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出することを特徴とする。
また本発明は、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出し、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する燃料ガス設定温度算出部と、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出する弁開度上限値決定部と、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、を備えることを特徴とする。
また本発明は、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の先行開度であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の先行開度を算出する弁先行開度決定部と、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差をパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記先行開度を初期値とした前記弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、を備えることを特徴とするガスタービン制御装置である。
また本発明は、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、前記計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、前記燃料ガス温度計測部が直ちに計測できない現在の燃料ガスの適切な推定温度を算出する燃料ガス推定温度算出部と、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、前記燃料ガスの前記推定温度と前記設定温度との偏差とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、を備えることを特徴とするガスタービン制御装置である。
また本発明は、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、前記計測した燃料ガスの温度と前記設定温度との偏差をパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、を備え、前記燃料ガス設定温度算出部は、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出することを特徴とするガスタービン制御装置である。
またこの発明は、ガスタービン制御装置の制御方法であって、燃料ガス温度計測部が、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測し、燃料ガス設定温度算出部が、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出し、さらに、弁先行開度決定部が、前記弁の先行開度であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の先行開度を算出し、弁開度上限値決定部が、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出するとともに、弁開度指令信号生成部が、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成するとともに、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記先行開度を初期値とした前記弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成することを特徴とする制御方法である。
またこの発明は、燃料ガス推定温度算出部が、前記計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、前記燃料ガス温度計測部が直ちに計測できない現在の燃料ガスの適切な推定温度を算出し、前記弁開度指令信号生成部は、前記計測した燃料ガス温度に代えて前記推定温度を用いて開度指令信号を生成することを特徴とする。
またこの発明は、前記燃料ガス設定温度算出部は、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出することを特徴とする。
また本発明は、ガスタービン制御装置の制御方法であって、燃料ガス温度計測部が、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測し、燃料ガス設定温度算出部が、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出し、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出し、弁開度上限値決定部が、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出し、弁開度指令信号生成部が、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成することを特徴とする制御方法である。
本発明によれば、燃料ガスの温度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
ガスタービン制御装置を備えたガスタービンシステムの構成を示すブロック図である。 燃料ガス温度調整部の詳細な構成を示す図である。 第1の実施形態によるガスタービン制御装置の機能ブロック図である。 ガスタービン制御装置の制御概要を示す第1の図である。 ガスタービン制御装置の処理フローを示す第1の図である。 時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第1の図である。 の実施形態における弁先行開度決定部を有するガスタービン制御装置の機能ブロック図である。 ガスタービン制御装置の制御概要を示す第2の図である。 ガスタービン制御装置の処理フローを示す第2の図である。 時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第2の図である。 の実施形態によるガスタービン制御装置の機能ブロック図である。 ガスタービン制御装置の制御概要を示す第3の図である。 ガスタービン制御装置の処理フローを示す第3の図である。 時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第3の図である。 の実施形態によるガスタービン制御装置の機能ブロック図である。 ガスタービン制御装置の制御概要を示す第4の図である。 ガスタービン制御装置の処理フローを示す第4の図である。 時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第4の図である。
以下、本発明の一実施形態によるガスタービン制御装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるガスタービン制御装置を備えたガスタービンシステムの構成を示すブロック図である。
この図において、符号1はガスタービン、符号2はガスタービン制御装置である。なおガスタービン1は主にコンプレッサ部11とタービン部12と燃焼器13から構成されており、燃焼器13から出力される燃焼ガスのタービン部12の入口をタービン入口14と呼ぶこととする。またガスタービンシステムは、3方弁15、フュエルガスヒータ(FGH;Fuel Gas Heater)16、圧力調整弁17、流量調整弁18によって構成されている。
ここで、ガスタービン1の燃焼器13には燃料ガスが供給されるが、当該燃料ガスは、まず燃料供給元からガス管を通じて3方弁15に供給される。また3方弁15は供給された燃料ガスを、当該燃料ガスの温度を昇温させる昇温装置であるフュエルガスヒータ(FGH)16側のガス管またはFGH16を迂回させる側のガス管へと送出する。FGH16を通過した燃料ガスまたはFGH16を迂回した燃料ガスは、ガス管を通って圧力調整弁17、流量調整弁18を介して、燃焼器13へ供給される。また符号19は圧力調整弁17に供給される前の燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計である。
ガスタービン制御装置2はガスタービン1を制御する装置である。本実施形態においては、ガスタービン制御装置2は、燃料ガス温度計19から入力した燃料ガス温度や、その他のガスタービン1の各種状態パラメータなどを入力し、3方弁15からFGH16側のガス管へ送出される燃料ガスの流量や、3方弁15からFGH16を迂回して圧力調整弁17へ送出される燃料ガスの流量を、当該3方弁のFGH16側に繋がる弁を開閉して制御する。なお、ガスタービン制御装置2は、3方弁15のFGH16側の弁開度を開閉する。3方弁15は、FGH16側への燃料ガスの送出割合と、FGH16を迂回する側への燃料ガスの送出割合との合計が当該3方弁15の総送出量の100%となるように制御される。以下、3方弁15、FGH16、燃料ガス温度計19を囲んだ破線枠の箇所を、説明の便宜上、燃料ガス温度調整部と呼ぶこととする。
図2は燃料ガス温度調整部の詳細な構成を示す図である。
この図で示す燃料ガスラインの系統は、図1で示した燃料ガス温度調整部をより詳細に示した図である。図2で示すような燃料ガスラインの系統において、燃料ガスは、ノードG_0から供給され、3方弁15によってFGH16が備わるノードG_1側と、FGH16を迂回してノードG_2側へそれぞれ送出される。また燃料ガスは、ノードG_1に供給されることによりFGH16で昇温され、ノードG_2へ送出される。そしてノードG_2において、FGH16を介して送出された燃料ガスと、FGH16を迂回して3方弁15から送出された燃料ガスとが合流し、遮蔽弁を介してノードG_3へ送出される。なお図2の燃料ガスラインの下に示すTCA(Turbine Cooling Air)ラインはタービンを冷却する冷却空気の流れを示している。当該冷却空気はガスタービンの車室から出力されて、ノードTCA_1、ノードTCA_2を順次流れる。冷却空気は車室から送出された時点で300度〜400度程度の温度であり、ノードTCA_2において別のFGHを加熱して空気入口ノードから流入した大気によって冷やされる。また、空気入口ノードから流入した大気はノードTCA_2において加熱されたFGHにより大気温度から300度程度にまで加熱され、燃料ガスラインのFGH16を加熱する。そしてFGH16の熱により3方弁15からノードG_1側に送出された燃料ガスが加熱される。
<第1の実施形態>
図3は第1の実施形態によるガスタービン制御装置の機能ブロック図である。
この図が示すように第1の実施形態によるガスタービン制御装置2は、燃料ガス温度計測部21、燃料ガス設定温度算出部22、弁開度上限値決定部23、弁開度指令信号生成部24の各処理部を備えている。
燃料ガス温度計測部21は、燃料ガス温度計19からの信号に基づいて、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する処理部である。
また燃料ガス設定温度算出部22は、燃料ガスが燃焼器13で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて燃料ガスの設定温度を算出する処理部である。
また弁開度上限値決定部23は、FGH16へ燃料ガスを供給する3方弁15のFGH16側の弁の開度の上限値であって、計測した燃料ガスの温度を除くガスタービン1の状態パラメータに応じた弁の開度の上限値を算出する処理部である。
また弁開度指令信号生成部24は、計測した燃料ガス温度と設定温度との偏差と、弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、3方弁15のFGH16側の弁の開度を指示する開度指令信号を生成する処理部である。
図4はガスタービン制御装置の制御概要を示す第1の図である。
図5はガスタービン制御装置の処理フローを示す第1の図である。
以下、第1の実施形態によるガスタービン制御装置2の処理の詳細について説明する。
ガスタービン制御装置2は処理を開始するとまず、燃料ガス温度計測部21が、燃料ガス温度計19より、ノードG_2を通る現在の燃料ガスの温度を示す信号を入力する。そして燃料ガス温度計測部21は当該温度を示す信号に基づいて温度を特定し(ステップS101)、弁開度指令信号生成部24へ出力する。
また燃料ガス設定温度算出部22は、ガスタービン1の目標の出力値に応じたタービン入口温度の指標値(CLCSO)を入力する。タービン入口温度の指標値(CLCSO)は、ガスタービン1の目標の出力値などから定められる値であり、燃料ガス設定温度算出部22が外部の処理部や記憶部などから読み取った情報である。そして、燃料ガス設定温度算出部22は、入力したタービン入口温度の指標値と、所定の関数を用いて、燃料ガスが燃焼器13で燃焼されることによってタービン入口温度が入力したタービン入口温度の指標値となるような、ノードG_2における燃料ガスの設定温度を算出する(ステップS102)。そして燃料ガス設定温度算出部22は、算出した燃料ガスの設定温度を弁開度指令信号生成部24へ出力する。
また弁開度上限値決定部23は、3方弁15のFGH16側の弁開度の上限値を、大気温度、大気圧力、車室圧、車室温度の何れか1つまた複数を用いて算出する(ステップS103)。例えば、弁開度上限値決定部23は、複数の異なる大気温度に対応した弁開度の上限値それぞれをテーブルデータとして記憶しており、入力した大気温度とテーブルデータに記録されている複数の異なる大気温度に応じた弁開度とを用いて、補間計算により、3方弁15のFGH16側の弁開度の上限値を算出する。なお、弁開度上限値決定部23は、大気温度、大気圧力、車室圧、車室温度の何れか1つまた複数の値を所定の関数に入力し、大気温度、大気圧力、車室圧、車室温度等の状態パラメータ1つまたは複数の値に応じた3方弁15のFGH16側の弁開度の上限値を算出するようにしてもよい。また状態パラメータとしては、大気温度、大気圧力、車室圧、車室温度以外のパラメータを用いてもよい。そして、弁開度上限値決定部23は、算出した3方弁15のFGH16側の弁開度の上限値を弁開度指令信号生成部24へ出力する。なお、弁開度上限値決定部23によって算出される弁開度の上限値は、ノードG_2における実際の温度が規定値を超えないような弁開度の上限値である。
そして、上述の処理により、弁開度指令信号生成部24は、ノードG_2を通る現在の燃料ガスの温度と、燃料ガスの設定温度と、3方弁15のFGH16側の弁開度の上限値とを入力する。そして弁開度指令信号生成部24は、現在の燃料ガスの温度と、燃料ガスの設定温度の差分を算出する(ステップS104)。そして弁開度指令信号生成部24は、現在の燃料ガスの温度と、燃料ガスの設定温度の差分に応じた3方弁15のFGH16側の弁開度を、フィードバック制御により算出する(ステップS105)。この時、弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度と、弁開度上限値決定部23から入力した弁開度の上限値とを比較する(ステップS106)。そして弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度が、入力した弁開度の上限値未満であれば、算出した弁開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する(ステップS107)。他方、弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度が、入力した弁開度の上限値以上であれば、入力した弁開度の上限値の開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する(ステップS108)。
これにより、3方弁15は弁開度指令信号をガスタービン制御装置2より入力する。そして、3方弁15は、入力した弁開度指令信号に基づいて、FGH16側の弁開度が、当該ガスタービン制御装置2より入力した弁開度となるように弁開度を調整する。
図6は時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第1の図である。
図6(b)で示すように、出力の増加制御に応じて3方弁15のFGH16側の弁開度を増加させるが、弁開度上限値を3方弁15のFGH16側の弁開度の上限として制御する。燃料ガス温度計19による温度の計測遅れの影響により、FGH16側に必要以上に長い間燃料ガスを送出し続けても、図6(a)で示すように、弁開度上限値によって、ノードG_2における実際の温度が規定値を超えることがなくなる。これにより、燃料ガスの温度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
図7は第の実施形態における弁先行開度決定部を有するガスタービン制御装置の機能ブロック図である。
次に、第の実施形態における弁先行開度決定部を有するガスタービン制御装置2について説明する。なお、先に説明した実施形態によるガスタービン制御装置2の構成と同一の構成については、同一の符号を用いて説明することとする。
図7で示すように第の実施形態における弁先行開度決定部を有するガスタービン制御装置2は、燃料ガス温度計測部21、燃料ガス設定温度算出部22、弁先行開度決定部25、弁開度指令信号生成部24の各処理部を備えている。
燃料ガス温度計測部21は、燃料ガス温度計19からの信号に基づいて、ガスタービン1に供給する燃料ガスの温度を計測する処理部である。
また燃料ガス設定温度算出部22は、燃料ガスが燃焼器13で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて燃料ガスの設定温度を算出する処理部である。
また弁先行開度決定部25は、FGH16へ燃料ガスを供給する3方弁15のFGH16側の弁の先行開度であって、計測した燃料ガスの温度を除くガスタービン1の状態パラメータに応じた弁の先行開度を算出する処理部である。
また弁開度指令信号生成部24は、計測した燃料ガス温度と設定温度との偏差をパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、先行開度を初期値とした3方弁15のFGH16側の弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成する処理部である。
図8はガスタービン制御装置の制御概要を示す第2の図である。
図9はガスタービン制御装置の処理フローを示す第2の図である。
以下、第の実施形態における弁先行開度決定部を有する実施形態によるガスタービン制御装置2の処理の詳細について説明する。
ガスタービン制御装置2は処理を開始すると、まず、弁先行開度決定部25が、3方弁15のFGH16側の弁の先行開度を、タービン入口温度の指標値(CLCSO)、大気温度、ガスタービン出力などの、計測した燃料ガスの温度を除くガスタービンの状態パラメータのうちの何れか1つまたは複数を用いて算出する(ステップS201)。例えば、弁先行開度決定部25は、複数の異なる大気温度に対応した弁先行開度をテーブルデータとして記憶しており、入力した大気温度とテーブルデータに記録されている複数の異なる大気温度に応じた弁先行開度とを用いて、補間計算により、3方弁15のFGH16側の弁先行開度を算出する。
なお、弁先行開度決定部25は、タービン入口温度の指標値(CLCSO)、大気温度、ガスタービン出力などの、計測した燃料ガスの温度を除くガスタービンの状態パラメータのうちの何れか1つまたは複数の値を所定の関数に入力し、その入力した1つまたは複数の状態パラメータの値に応じた3方弁15のFGH16側の弁先行開度を算出するようにしてもよい。また状態パラメータとしては、タービン入口温度の指標値(CLCSO)、大気温度、ガスタービン出力以外の他のパラメータ(但し、計測した燃料ガスの温度を除くパラメータ)を用いてもよい。そして、弁先行開度決定部25は、算出した3方弁15のFGH16側の弁先行開度を弁開度指令信号生成部24へ出力する。なお、弁先行開度決定部25によって算出される弁先行開度は、例えば、弁先行開度決定部25に入力された状態パラメータ(計測した燃料ガスの温度を除くパラメータ)に基づいて判定できる弁開度である。弁開度指令信号生成部24は弁先行開度をメモリ等に記憶しておく。
そして、弁開度指令信号生成部24は、弁先行開度決定部25から弁先行開度を入力すると、その弁先行開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する(ステップS202)。これにより、3方弁15は弁開度指令信号をガスタービン制御装置2より入力する。そして、3方弁15は、入力した弁開度指令信号に基づいて、FGH16側の弁開度が、当該ガスタービン制御装置2より入力した弁開度となるように弁開度を調整する。
また燃料ガス温度計測部21が、燃料ガス温度計19より、ノードG_2を通る現在の燃料ガスの温度を示す信号を入力する。そして燃料ガス温度計測部21は当該温度を示す信号に基づいて温度を特定し(ステップS203)、弁開度指令信号生成部24へ出力する。
また燃料ガス設定温度算出部22は、ガスタービン1の目標の出力値に応じたタービン入口温度の指標値(CLCSO)を入力する。タービン入口温度の指標値(CLCSO)は、ガスタービン1の目標の出力値などから定められる値であり、燃料ガス設定温度算出部22が外部の処理部や記憶部などから読み取った情報である。そして、燃料ガス設定温度算出部22は、入力したタービン入口温度の指標値と所定の関数を用いて、燃料ガスが燃焼器13で燃焼されることによって、タービン入口温度が、入力したタービン入口温度の指標値となるような、ノードG_2における燃料ガスの設定温度を算出する(ステップS204)。そして燃料ガス設定温度算出部22は、算出した燃料ガスの設定温度を弁開度指令信号生成部24へ出力する。
そして、弁開度指令信号生成部24は、弁先行開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力した後に、ノードG_2を通る現在の燃料ガスの温度と、燃料ガスの設定温度とを入力する。そして弁開度指令信号生成部24は、現在の燃料ガスの温度と、燃料ガスの設定温度の差分を算出する(ステップS205)。そして弁開度指令信号生成部24は、現在の燃料ガスの温度と、燃料ガスの設定温度の差分に応じた3方弁15のFGH16側の弁開度を、フィードバック制御により算出する(ステップS206)。そして、弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度を示す弁開度補正値を用いて、メモリ等に記憶する弁先行開度を補正する(ステップS207)。つまり、弁先行開度に弁開度補正値を加算する。そして、弁開度指令信号生成部24は、弁先行開度に弁開度補正値を加算した弁開度指令信号を生成して、その弁開度指令信号を3方弁15へ出力する(ステップS208)。
これにより、3方弁15は弁開度指令信号をガスタービン制御装置2より入力する。そして、3方弁15は、入力した弁開度指令信号に基づいて、FGH16側の弁開度が、当該ガスタービン制御装置2より入力した弁開度指令信号が示す弁開度となるように弁開度を調整する。
図10は時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第2の図である。
図10(b)で示すように、出力の増加制御に応じて3方弁15のFGH16側の弁開度を増加させるが、燃料ガスの計測温度以外の状態パラメータに基づく弁先行開度を用いて、予め3方弁15のFGH16側の弁開度を決定しておく。そして、その後、弁開度補正値を用いて、ノードG_2を通る燃料ガスの温度が設定温度となるように補正制御を行う。ここで、弁先行開度は、第1の実施形態における弁開度上限値以下の値であるとともに、タービン入口温度がタービン入口温度の指標値(CLCSO)に近づくような十分な3方弁15のFGH16側の弁開度を示す値である。このように制御することで、過渡的には燃料ガス温度計19が計測する温度に頼ることなく、弁開度を調整する。したがって図10(a)で示すように、弁先行開度によって、ノードG_2における実際の温度が規定値を超えることがなくなる。これにより、燃料ガスの温度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
なお、ガスタービン制御装置2は、第2の実施形態の制御と、第1の実施形態の制御を共に行うようにしても良い。つまり、予め第2の実施形態の制御により先行開度によって3方弁15のFGH16側の弁開度を決定しておき、その弁開度を、第1の実施形態によって算出した弁開度指令信号により補正するようにしてもよい。
<第の実施形態>
図11は第の実施形態によるガスタービン制御装置の機能ブロック図である。
次に、第の実施形態によるガスタービン制御装置2について説明する。なお、第1の実施形態によるガスタービン制御装置2の構成と同一の構成については、同一の符号を用いて説明することとする。
図11で示すように第の実施形態における弁先行開度決定部を有する実施形態によるガスタービン制御装置2は、燃料ガス温度計測部21、燃料ガス推定温度算出部26、燃料ガス設定温度算出部22、弁開度指令信号生成部24の各処理部を備えている。
燃料ガス温度計測部21は、燃料ガス温度計19からの信号に基づいて、ガスタービン1に供給する燃料ガスの温度を計測する処理部である。
また燃料ガス推定温度算出部26は、燃料ガス温度計測部21が計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、燃料ガス温度計測部21が直ちに計測できない現在の燃料ガスについての、適切な精度良い推定温度を算出する処理部である。
また燃料ガス設定温度算出部22は、燃料ガスが燃焼器13で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて燃料ガスの設定温度を算出する処理部である。
また弁開度指令信号生成部24は、計測した燃料ガス温度に代えて燃料ガスの推定温度を用い、当該推定温度と設定温度との偏差とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、3方弁15のFGH16側の弁の開度を指示する開度指令信号を生成する処理部である。
図12はガスタービン制御装置の制御概要を示す第3の図である。
図13はガスタービン制御装置の処理フローを示す第3の図である。
以下、第の実施形態によるガスタービン制御装置2の処理の詳細について説明する。
ガスタービン制御装置2は処理を開始すると、まず、燃料ガス温度計測部21が、燃料ガス温度計19より、ノードG_2を通る燃料ガスの温度を示す信号を入力する。そして燃料ガス温度計測部21は当該温度を示す信号に基づいて温度を特定し(ステップS301貫通孔32は、比較形態と同様のものである。
そして、燃料ガス推定温度算出部26は、入力した現在の燃料ガスの温度や、その他の入力したガスタービン1の状態パラメータの一つまたは複数を用いて、燃料ガス温度計19の計測遅れによって計測できていない実際の燃料ガスの温度の推定値を算出する(ステップS302)。例えば、ガスタービン1の状態パラメータとしては、燃料ガス温度計測部21から入力した燃料ガス温度計19の出力に基づく現在の燃料ガスの温度や、車室温度、燃料ガス流量などのうちの一つまたは複数である。
具体的には、燃料ガス推定温度算出部26は、各状態パラメータの値一つまたは複数を入力値、そのときの燃料ガスの温度を出力値としたときの伝達関数を用いて、実際の温度の推定値を算出する。または燃料ガス推定温度算出部26は、入力した状態パラメータの値1つまたは複数と物理モデルとを用いて、実際の温度の推定値を算出する。
そして燃料ガス推定温度算出部26は、算出したノードG_2における燃料ガスの推定温度を弁開度指令信号生成部24へ出力する。
また燃料ガス設定温度算出部22は、ガスタービン1の目標の出力値に応じたタービン入口温度の指標値(CLCSO)を入力する。タービン入口温度の指標値(CLCSO)は、ガスタービン1の目標の出力値などから定められる値であり、燃料ガス設定温度算出部22が外部の処理部や記憶部などから読み取った情報である。そして、燃料ガス設定温度算出部22は、入力したタービン入口温度の指標値と、所定の関数を用いて、燃料ガスが燃焼器13で燃焼されることによってタービン入口温度が入力したタービン入口温度の指標値となるような、ノードG_2における燃料ガスの設定温度を算出する(ステップS303)。そして燃料ガス設定温度算出部22は、算出した燃料ガスの設定温度を弁開度指令信号生成部24へ出力する。
そして、上述の処理により、弁開度指令信号生成部24は、ノードG_2を通る燃料ガスの推定温度と、燃料ガスの設定温度とを入力する。そして弁開度指令信号生成部24は、燃料ガスの推定温度と、燃料ガスの設定温度の差分を算出する(ステップS304)。そして弁開度指令信号生成部24は、燃料ガスの推定温度と、燃料ガスの設定温度の差分に応じた3方弁15のFGH16側の弁開度を、フィードバック制御により算出する(ステップS305)。そして、弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する(ステップS306)。
これにより、3方弁15は弁開度指令信号をガスタービン制御装置2より入力する。そして、3方弁15は、入力した弁開度指令信号に基づいて、FGH16側の弁開度が、当該ガスタービン制御装置2より入力した弁開度となるように弁開度を調整する。
図14は時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第3の図である。
図14(b)で示すように、出力の増加制御に応じて3方弁15のFGH16側の弁開度を増加させるが、ノードG_2における推定温度を用いて、弁開度上限値を3方弁15のFGH16側の弁開度を制御する。従って、燃料ガス温度計19による温度の計測遅れの影響が軽減され、これにより、図14(a)で示すように、ノードG_2における実際の温度が推定温度となるように制御されることとなり、燃料ガスの温度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
なお、ガスタービン制御装置2は、第の実施形態の制御と、第1の実施形態の制御を共に行うようにしても良い。つまり、ガスタービン制御装置2は、第3の実施形態の制御によりノードG_2における推定温度を算出し、その推定温度と設定温度の差分に応じた3方弁15のFGH16側の弁開度を、フィードバック制御により算出する。この時、ガスタービン制御装置2の弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度と、弁開度上限値決定部23から入力した弁開度の上限値とを比較する。そしてガスタービン制御装置2の弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度が、入力した弁開度の上限値未満であれば、算出した弁開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する。他方、ガスタービン制御装置2の弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度が、入力した弁開度の上限値以上であれば、入力した弁開度の上限値の開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する。
またガスタービン制御装置2は、第1,第2の実施形態の制御を一緒に行うようにしてもよい。この場合、先行開度によって3方弁15のFGH16側の弁開度を決定しておき、その弁開度を、第の実施形態と第1の実施形態との制御を共に行って算出した弁開度指令信号により補正する。
<第の実施形態>
図15は第の実施形態によるガスタービン制御装置の機能ブロック図である。
次に、第実施形態によるガスタービン制御装置2について説明する。なお、第1,第2の実施形態によるガスタービン制御装置2の構成と同一の構成については、同一の符号を用いて説明することとする。
図15で示すように第の実施形態によるガスタービン制御装置2は、燃料ガス温度計測部21、燃料ガス設定温度算出部22、燃料ガス設定温度算出部22、弁開度指令信号生成部24の各処理部を備えている。
燃料ガス温度計測部21は、燃料ガス温度計19からの信号に基づいて、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する処理部である。
また燃料ガス設定温度算出部22は、燃料ガスが燃焼器13で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて燃料ガスの設定温度を算出する処理部である。なお燃料ガス設定温度算出部22は、単位時間毎に繰り返して算出する燃料ガスの設定温度が前回算出した設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に予め定められた所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する。
また弁開度指令信号生成部24は、計測した燃料ガス温度と設定温度との偏差とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、3方弁15のFGH16側の弁の開度を指示する開度指令信号を生成する処理部である。
図16はガスタービン制御装置の制御概要を示す第4の図である。
図17はガスタービン制御装置の処理フローを示す第4の図である。
以下、第の実施形態によるガスタービン制御装置の処理の詳細について説明する。
ガスタービン制御装置2は処理を開始するとまず、燃料ガス温度計測部21が、燃料ガス温度計19より、ノードG_2を通る現在の燃料ガスの温度を示す信号を入力する。そして燃料ガス温度計測部21は当該温度を示す信号に基づいて温度を特定し(ステップS401)、弁開度指令信号生成部24へ出力する。
また燃料ガス設定温度算出部22は、ガスタービン1の目標の出力値に応じたタービン入口温度の指標値(CLCSO)を入力する。タービン入口温度の指標値(CLCSO)は、ガスタービン1の目標の出力値などから定められる値であり、燃料ガス設定温度算出部22が外部の処理部や記憶部などから読み取った情報である。そして、燃料ガス設定温度算出部22は、入力したタービン入口温度の指標値と、所定の関数を用いて、燃料ガスが燃焼器13で燃焼されることによってタービン入口温度が入力したタービン入口温度の指標値となるような、ノードG_2における燃料ガスの設定温度を算出する。なお燃料ガス設定温度算出部22はこの設定温度の算出を単位時間毎に繰り返している。そして燃料ガス設定温度算出部22は、単位時間毎に繰り返して算出する燃料ガスの設定温度が前回算出した設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する(ステップS402)。これにより、燃料ガス設定温度算出部22は出力の変化に応じたノードG_2における燃料ガスの設定温度の変化が所定の変化率以下となるように抑えるレートリミッタの役割を果たす。そして燃料ガス設定温度算出部22は、算出した燃料ガスの設定温度を弁開度指令信号生成部24へ出力する。
そして、上述の処理により、弁開度指令信号生成部24は、ノードG_2を通る燃料ガスの計測温度と、ガスタービン1の出力に応じた燃料ガスの設定温度とを入力する。そして弁開度指令信号生成部24は、燃料ガスの計測温度と、燃料ガスの設定温度の差分を算出する(ステップS403)。そして弁開度指令信号生成部24は、燃料ガスの計測温度と、燃料ガスの設定温度の差分に応じた3方弁15のFGH16側の弁開度を、フィードバック制御により算出する(ステップS404)。そして、弁開度指令信号生成部24は、算出した弁開度を示す弁開度指令信号を3方弁15へ出力する(ステップS405)。
これにより、3方弁15は弁開度指令信号をガスタービン制御装置2より入力する。そして、3方弁15は、入力した弁開度指令信号に基づいて、FGH16側の弁開度が、当該ガスタービン制御装置2より入力した弁開度となるように弁開度を調整する。
図18は時間経過に応じた弁開度と温度の関係を示す第4の図である。
図18(b)で示すように、出力の増減制御に応じて3方弁15のFGH16側の弁開度を増減させるにあたり、燃料ガス温度計19が実際の温度に近い温度を計測できる単位時間あたりの温度変化量に、設定温度の単位時間当たりの変化量が一致するよう、当該設定温度の単位時間当たりの変化量を抑える制御を行う(図18(a))。これにより、燃料ガス温度計19が計測した温度と乖離が出ない程度の変化率で設定温度の値を増減させるため、ノードG_2における実際の温度が規定値を超えることがなくなる。これにより、燃料ガスの温度が必要以上に高くなることを防ぐことができる。
なお、ガスタービン制御装置2は、第の実施形態の制御と、第1の実施形態の制御を共に行うようにしても良い。
また、ガスタービン制御装置2は、第の実施形態の制御と、第1,2の実施形態の制御を共に行うようにしても良い
まり、ガスタービン制御装置2の燃料ガス設定温度算出部22は、第の実施形態の制御と、その他の実施形態の制御とを共に行う場合、入力したタービン入口温度の指標値と、所定の関数を用いて、燃料ガスが燃焼器13で燃焼されることによってタービン入口温度が入力したタービン入口温度の指標値となるような、ノードG_2における燃料ガスの設定温度を算出する。このとき燃料ガス設定温度算出部22は、単位時間毎に繰り返して算出する燃料ガスの設定温度が前回算出した設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する。
なお上述のガスタービン制御装置2は内部に、コンピュータシステムを有してよい。そして、上述したガスタービン制御装置2における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われてよい。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1;ガスタービン
2;ガスタービン制御装置
11;コンプレッサ部
12;タービン部
13;燃焼器
14;タービン入口
15;3方弁
16;FGH
17;圧力調整弁
18;流量調整弁
21;燃料ガス温度計測部
22;燃料ガス設定温度算出部
23;弁開度上限値決定部
24;弁開度指令信号生成部
25;弁先行開度決定部
26;燃料ガス推定温度算出部

Claims (11)

  1. ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、
    前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、
    前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出する弁開度上限値決定部と、
    さらに、前記弁の先行開度であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の先行開度を算出する弁先行開度決定部とを備え、
    前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成するとともに、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記先行開度を初期値とした前記弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、
    を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。
  2. 前記計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、前記燃料ガス温度計測部が直ちに計測できない現在の燃料ガスの適切な推定温度を算出する燃料ガス推定温度算出部と、を備え、
    前記弁開度指令信号生成部は、前記計測した燃料ガス温度に代えて前記推定温度を用いて開度指令信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン制御装置。
  3. 前記燃料ガス設定温度算出部は、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスタービン制御装置。
  4. ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、
    前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出し、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する燃料ガス設定温度算出部と、
    前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出する弁開度上限値決定部と、
    前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、
    を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。
  5. ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、
    前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、
    前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の先行開度であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の先行開度を算出する弁先行開度決定部と、
    前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差をパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記先行開度を初期値とした前記弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、
    を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。
  6. ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、
    前記計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、前記燃料ガス温度計測部が直ちに計測できない現在の燃料ガスの適切な推定温度を算出する燃料ガス推定温度算出部と、
    前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、
    前記燃料ガスの前記推定温度と前記設定温度との偏差とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と、
    を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。
  7. ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測する燃料ガス温度計測部と、
    前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出する燃料ガス設定温度算出部と、
    前記計測した燃料ガスの温度と前記設定温度との偏差をパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度を指示する開度指令信号を生成する弁開度指令信号生成部と
    、を備え、
    前記燃料ガス設定温度算出部は、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する
    ことを特徴とするガスタービン制御装置。
  8. ガスタービン制御装置の制御方法であって、
    燃料ガス温度計測部が、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測し、
    燃料ガス設定温度算出部が、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出し、
    さらに、弁先行開度決定部が、前記弁の先行開度であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の先行開度を算出し、
    弁開度上限値決定部が、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出するとともに
    弁開度指令信号生成部が、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成するとともに、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記先行開度を初期値とした前記弁の開度の調整を指示する開度指令信号を生成する
    ことを特徴とする制御方法。
  9. 燃料ガス推定温度算出部が、前記計測した燃料ガスの温度と、他のガスタービンの状態パラメータとに基づいて、前記燃料ガス温度計測部が直ちに計測できない現在の燃料ガスの適切な推定温度を算出し、
    前記弁開度指令信号生成部は、前記計測した燃料ガス温度に代えて前記推定温度を用いて開度指令信号を生成する
    ことを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
  10. 前記燃料ガス設定温度算出部は、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出する
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の制御方法。
  11. ガスタービン制御装置の制御方法であって、
    燃料ガス温度計測部が、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を計測し、
    燃料ガス設定温度算出部が、前記燃料ガスが燃焼器で燃焼して出力された燃焼ガスのタービン入口温度の指標値に基づいて前記燃料ガスの設定温度を算出し、単位時間毎に繰り返して算出する前記燃料ガスの設定温度が前回の設定温度から所定温度以上増加している場合には、前回の設定温度に所定温度を加えた値を新たな設定温度として算出し、
    弁開度上限値決定部が、前記燃焼器に供給される前に前記燃料ガスを昇温する昇温装置へ当該燃料ガスを供給する弁の開度の上限値であって、前記計測した燃料ガスの温度を除く前記ガスタービンの状態パラメータに応じた前記弁の開度の上限値を算出し、
    弁開度指令信号生成部が、前記計測した燃料ガス温度と前記設定温度との偏差と、前記弁開度上限値とをパラメータとしたフィードバック制御に基づいて、前記弁の開度を指示する開度指令信号を生成する
    ことを特徴とする制御方法。
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