JP6652853B2 - ガスタービン制御装置、制御方法、プログラム - Google Patents
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Description
以下、第一の実施形態によるガスタービン制御装置を含むガスタービンプラントを図面を参照して説明する。
図1は本実施形態によるガスタービンプラントの系統図である。
本実施形態のガスタービンプラントは、図1に示すように、ガスタービン10、ガスタービン10の駆動により発電する発電機16、ガスタービン10を制御する制御装置20、ガスタービン10へ燃料を供給する供給装置30を備えている。ガスタービン10と発電機16は、ロータ15で連結されている。
ガスタービン10は、空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機11、圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器12、燃焼ガスにより駆動するタービン13などを含んで構成される。
圧縮機11には、インレットガイドベーン(IGV)14が設けられている。IGV14は圧縮機11へ流入する空気の量を調節する。
制御装置20はコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ(HDD)などの記憶部、CPU(Central Processing Unit)、通信インタフェースなどのハードウェアによって構成されている。制御装置20は、記憶しているプログラムを実行することにより、燃料制御部21、開度算出部22、開度補正部23の機能を備える。
開度算出部22はガスタービン10の発電出力とガスタービン10を構成するIGV14の発電出力に応じた開度との予め定められた対応関係に基づいて現在の発電出力に応じたIGV開度を算出する。
開度補正部23は燃料の流量指令値を取得し、その燃料の流量指令値に基づいて開度算出部22の算出したIGVの開度を補正する。
図4はガスタービン制御装置の処理フローを示す第一の図である。
次に本実施形態の詳細について説明する。
制御装置20の燃料制御部21はガスタービン10の発電出力e1、ガスタービンの周波数e2(ロータ15の単位時間当たりの回転数)、ガスタービン10の廃棄する排ガスの温度e3の各情報を取得する。
燃料制御部21は取得した発電出力e1が、制限された所定の値となるための燃料流量指令値である第一の燃料流量指令値CSO1を算出する。
燃料制御部21は取得した周波数の実測値が、制限された所定の値となるための燃料流量指令値である第二の燃料流量指令値CSO2を算出する。
燃料制御部21は取得した排ガスの温度が、制限された所定の値となるための燃料流量指令値である第三の燃料流量指令値CSO3を算出する。
燃料制御部21はそれら第一〜第三の燃料流量指令値を比較して最も低い燃料流量指令値を算出し(ステップS101)、その値を示す燃料流量指令(CSO)を調節弁17〜19や開度補正部23へ出力する。
調節弁17〜19は入力したCSOに基づいて弁の開度を制御する。燃料制御部21によるCSOの算出手法は様々であり、上記の例は一例である。
開度補正部23は算出したIGV開度と開度算出部22から取得したIGV開度指令が示す値とを比較して大きい値を示すIGV開度指令をIGV14へ出力する(ステップS104)。そしてIGV14がそのIGV開度が示す開度に制御される。
この図5のg1で示すグラフは例えば大気温度T1が−5℃の場合におけるCSOとタービン入口温度が温度上限値となる場合のIGV開度との関係を示している。g2で示すグラフは例えば大気温度T1が15℃の場合におけるCSOとタービン入口温度が温度上限値となる場合のIGV開度との関係を示している。g3で示すグラフは例えば大気温度T1が40℃の場合におけるCSOとタービン入口温度が温度上限値となる場合のIGV開度との関係を示している。開度補正部23はg1,g2,g3の対応関係の情報を第二テーブルとしてメモリに記録している。
開度算出部22による処理のみでIGV開度を算出した場合、開度算出部22は、あるCSOが増加すると徐々に高い値のIGV開度を算出し、所定のCSOの値まで増加し、その後CSOが増加してもIGV開度が100%の開度になる前に早目に一定の値で高止まりする。このようにCSOが増加しても早めにIGV開度が上がらない状態となる圧縮機11へ流入する空気が増加せず、過渡的にCSOの値を上げて燃焼器への燃料の投入を増加させた場合にタービン入口温度が温度上限値を超えてしまうため、燃焼器への燃料の投入を制限する必要が出て、これによりガスタービンの応答性能が向上していなかった。開度補正部23による上述の処理を行った場合には、CSOが増加したとしても、そのCSOでタービン入口温度が温度上限値となる場合のIGV開度を算出して、この値が開度算出部22の算出した値よりも大きい場合には、その高いIGV開度の値に補正する。このような処理によればタービン入口温度は温度上限値以下に保たれ、ガスタービンの損傷を回避することができる。そして、このような制御装置20の処理によって、高いCSOが燃料制御部21から出力できなかった状態においても、タービン入口温度が温度上限値以上となることを防ぎつつCSOの値を高めることができる。したがって元々CSOの値が定格値に近い高い状態である場合においても負荷が上昇して周波数が低下する挙動が発生しても高いCSOにより燃料流量を増加させてガスタービンの周波数を逆に増加させて周波数を維持する制御を応答性良く行うことができる。
図6はガスタービン制御装置の処理概要を示す第二の図である。
図7はガスタービン制御装置の処理フローを示す第二の図である。
第二の実施形態によるガスタービンプラントの構成は図1で示した構成と同様である。
第二の実施形態による制御装置の機能構成は図2で示した機能構成と同様である。
次に第二の実施形態による制御装置の処理について説明する。
図8はガスタービン制御装置の処理概要を示す第三の図である。
図9はガスタービン制御装置の処理フローを示す第三の図である。
第三の実施形態によるガスタービンプラントの構成は図1で示した構成と同様である。
第三の実施形態による制御装置の機能構成は図2で示した機能構成と同様である。
次に第三の実施形態による制御装置の処理について説明する。
なお第三の実施形態による制御装置の処理は、第一の実施形態の処理と第二の実施形態の処理を組み合わせたものである。
このような処理によればタービン入口温度は温度上限値以下に保たれ、ガスタービンの損傷を回避することができる。そして、このような制御装置20の処理によって、高いCSOが燃料制御部21から出力されたとしてもタービン入口温度が温度上限値以上となることを防ぐことができる。また負荷が上昇して周波数が低下する挙動が発生しても高いCSOにより燃料流量を増加させてガスタービンの周波数を増加させて周波数を維持する制御を応答性良く行うことができる。またガスタービンの制御において重要な監視対象であるタービン入口温度が温度上限値とならないように監視しながら制御することができる。
また第三の実施形態によれば第二の実施形態によるフィードバック制御分の遅れを、より応答性の早い第一の実施形態のIGV開度制御で補うことができる。
12…燃焼器
13…タービン
14…IGV
15…ロータ
16…発電機
17,18,19…調節弁
20…制御装置
21…燃料制御部
22…開度算出部
23…開度補正部
30…供給装置
Claims (5)
- ガスタービンの燃焼器に投入する燃料の流量指令値を算出する燃料制御部と、
前記ガスタービンの出力値とガスタービンを構成するインレットガイドベーンの前記出力値に応じた開度との予め定められた対応関係に基づいて現在の出力値に応じた第一開度を算出するIGV開度算出部と、
前記燃料の流量指令値と現在の大気温度とを取得し、その燃料の流量指令値と現在の大気温度とに基づいて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度が予め定められた温度上限値となる場合の第二開度を算出し、前記現在の出力値に応じた前記第一開度と、前記流量指令値と前記現在の大気温度とに基づいて算出した前記第二開度とを比較して何れか大きい値の開度を選択し、前記燃料の流量指令値を取得し、その流量指令値を用いて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度の現在の推定値を算出し、その推定値と前記入口温度について予め定められた温度上限値とに基づいて、前記推定値が前記温度上限値を超えない制御に用いる前記インレットガイドベーンの開度の増加値を、前記選択した前記大きい値の開度に加算して補正しその補正後の開度を前記インレットガイドベーンへ出力するIGV開度補正部と、
を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。 - ガスタービンの燃焼器に投入する燃料の流量指令値を算出する燃料制御部と、
前記ガスタービンの出力値とガスタービンを構成するインレットガイドベーンの前記出力値に応じた開度との予め定められた対応関係に基づいて現在の出力値に応じた第一開度を算出するIGV開度算出部と、
前記燃料の流量指令値と現在の大気温度とを取得し、その流量指令値と現在の大気温度とに基づいて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度が予め定められた温度上限値となる場合の第二開度を算出し、前記現在の出力値に応じた前記第一開度と、前記流量指令値と前記現在の大気温度とに基づいて算出した前記第二開度とを比較して何れか大きい値の開度を前記インレットガイドベーンへ出力するIGV開度補正部と、
を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。 - ガスタービンの燃焼器に投入する燃料の流量指令値を算出する燃料制御部と、
前記ガスタービンの出力値とガスタービンを構成するインレットガイドベーンの前記出力値に応じた開度との予め定められた対応関係に基づいて現在の出力値に応じた開度を算出するIGV開度算出部と、
前記燃料の流量指令値を取得し、その流量指令値を用いて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度の現在の推定値を算出し、その推定値と前記入口温度について予め定められた温度上限値とに基づいて、前記推定値が前記温度上限値を超えない制御に用いる前記インレットガイドベーンの開度の増加値を算出し、この増加値を、前記現在の出力値に応じた開度に加算して補正しその補正後の開度を前記インレットガイドベーンへ出力するIGV開度補正部と、
を備えることを特徴とするガスタービン制御装置。 - ガスタービン制御装置の制御方法であって、
ガスタービンの燃焼器に投入する燃料の流量指令値を算出し、
前記ガスタービンの出力値とガスタービンを構成するインレットガイドベーンの前記出力値に応じた開度との予め定められた対応関係に基づいて現在の出力値に応じた第一開度を算出し、
前記燃料の流量指令値と現在の大気温度とを取得し、その燃料の流量指令値と現在の大気温度とに基づいて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度が予め定められた温度上限値となる場合の第二開度を算出し、前記現在の出力値に応じた前記第一開度と、前記流量指令値と前記現在の大気温度とに基づいて算出した前記第二開度とを比較して何れか大きい値の開度を選択し、前記燃料の流量指令値を取得し、その流量指令値を用いて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度の現在の推定値を算出し、その推定値と前記入口温度について予め定められた温度上限値とに基づいて、前記推定値が前記温度上限値を超えない制御に用いる前記インレットガイドベーンの開度の増加値を、前記選択した前記大きい値の開度に加算して補正しその補正後の開度を前記インレットガイドベーンへ出力する
ことを特徴とする制御方法。 - ガスタービン制御装置のコンピュータを、
ガスタービンの燃焼器に投入する燃料の流量指令値を算出する燃料制御手段、
前記ガスタービンの出力値とガスタービンを構成するインレットガイドベーンの前記出力値に応じた開度との予め定められた対応関係に基づいて現在の出力値に応じた第一開度を算出するIGV開度算出手段、
前記燃料の流量指令値と現在の大気温度とを取得し、その燃料の流量指令値と現在の大気温度とに基づいて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度が予め定められた温度上限値となる場合の第二開度を算出し、前記現在の出力値に応じた前記第一開度と、前記流量指令値と前記現在の大気温度とに基づいて算出した前記第二開度とを比較して何れか大きい値の開度を選択し、前記燃料の流量指令値を取得し、その流量指令値を用いて前記ガスタービンを構成するタービンにガスが流入する前記タービンの入口温度の現在の推定値を算出し、その推定値と前記入口温度について予め定められた温度上限値とに基づいて、前記推定値が前記温度上限値を超えない制御に用いる前記インレットガイドベーンの開度の増加値を、前記選択した前記大きい値の開度に加算して補正しその補正後の開度を前記インレットガイドベーンへ出力するIGV開度補正手段、
として機能させるプログラム。
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