JP2016023605A - 燃料流量制御装置、燃焼器、ガスタービン、燃料流量制御方法及びプログラム - Google Patents

燃料流量制御装置、燃焼器、ガスタービン、燃料流量制御方法及びプログラム Download PDF

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園田 隆
Takashi Sonoda
隆 園田
昭彦 齋藤
Akihiko Saito
昭彦 齋藤
圭介 山本
Keisuke Yamamoto
圭介 山本
真人 岸
Masato Kishi
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Abstract

【課題】弁の流量特性の変化に対応できる燃料流量制御装置を提供する。【解決手段】燃料流量制御装置は、燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出し、前記燃料流量調節弁の開度を前記算出した弁開度に調節する弁開度調節部と、前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出する流量特性算出部と、前記対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する対応関係更新部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料流量制御装置、燃焼器、ガスタービン、燃料流量制御方法及びプログラムに関する。
ガスタービンの燃料流量調節弁(FCV)の制御にはフィードフォワード制御(以下、FF制御)が用いられることがある。従来の燃料流量調節弁のFF制御を図15を用いて説明する。図15は、従来の燃料流量制御方法の一例を示す図である。符号40は燃料の温度を計測する温度計である。符号21は圧力調節弁であり、符号17は燃料流量調節弁である。圧力調節弁21は、燃料流量調節弁17の上流の圧力が所定の圧力となるようにフィードバック制御(以下、FB制御)する。符号42は、燃料流量調節弁17の下流の圧力を計測する圧力計である。符号44は、FF制御器である。FF制御器44は、燃料の流量指令値と、FCV上流圧設定値と、温度計40が計測した燃料の温度と、圧力計42が計測した圧力とを入力し、燃料流量調節弁17の流量特性であるCv値を算出する。FCV上流圧設定値を用いるのは、圧力調節弁21によって燃料流量調節弁17の上流の圧力がFCV上流圧設定値となるように制御されていることを前提としているからである。FF制御器44は、算出したCv値を関数発生器45に出力する。関数発生器45は、Cv値と弁開度指令値とを対応付けたテーブルを備えており、入力したCv値に対応する弁開度指令値を求め、燃料流量調節弁17の弁開度を制御する。燃料流量調節弁17で調節された燃料は、複数のノズル(例えばノズル47A、47B)から燃焼器へ噴射される。このように、従来においては、温度や圧力などの計測値や設定値を入力値としたFF制御によってCv値を算出し、Cv値と弁開度を対応付けたテーブルを用いて変換した指令値によって燃料流量調節弁17の開度を制御していた。
なお、関連する技術として特許文献1には、燃料流量を調節するガス制御弁の流量特性を示す弁容量係数を燃料特性を考慮して補正し、燃料システムの流量ゲインを算出する技術が記載されている。
特開2009−216085号公報
しかし、この方法には次のような問題があった。まず、上記の方法では、Cv値の算出に用いる燃料流量調節弁17の上流での圧力に定常状態における設定値を使用している。その為、負荷遮断時や負荷変更時のように、FCV上流圧設定値が、圧力調節弁21によって制御される実際の圧力値と異なる場面では、FF制御器44が入力するFCV上流圧設定値が、実際の圧力値とずれているため、算出するCv値にもずれが生じてしまう。また、燃料流量調節弁17の経年劣化などにより特性が変化することによってCv値が変化したり、実際の燃料流量調節弁17のCv値が元々設計値とずれている場合などは、そのずれを補償する機会がないため定常状態における燃料流量制御の精度が低くなってしまう。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる燃料流量制御装置、燃焼器、ガスタービン、燃料流量制御方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出し、前記燃料流量調節弁の開度を前記算出した弁開度に調節する弁開度調節部と、前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出する流量特性算出部と、前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する対応関係更新部と、を備えることを特徴とする燃料流量制御装置である。
本発明の第2の態様における前記弁開度調節部は、前記第1流量特性と前記流量特性の指令値との大小関係に応じて、前記更新後の燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係に基づく補間計算を行い前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出する。
本発明の第3の態様における前記弁開度調節部は、前記第1流量特性が前記流量特性の指令値より大きい場合、前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係における現在の弁開度より小さな値を弁開度に持つ第1対応関係情報を選択し、前記算出した弁開度と前記第1流量特性とからなる第2対応関係情報と前記第1対応関係情報とを用いた補間計算によって弁開度を算出し、前記第1流量特性が前記流量特性の指令値より小さい場合、前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係における現在の弁開度より大きな値を弁開度に持つ第1対応関係情報を選択し、当該第1対応関係情報と前記第2対応関係情報とを用いた補間計算によって弁開度を算出する。
本発明の第4の態様における燃料流量制御装置は、前記状態量に基づく燃料流量と前記燃料流量指令値との偏差に基づいて前記流量特性の指令値に対する補正量を算出する指令値補正部と、を更に備え、前記弁開度調節部は、前記流量特性の指令値に前記指令値補正部が算出した補正量を加えた値に対して弁開度を調節する。
本発明の第5の態様における燃料流量制御装置は、前記燃料流量調節弁の下流であって燃料を燃焼室に噴射するノズルの上流における圧力と、前記燃焼室における圧力とに基づいて前記状態量に基づく燃料流量を推定する燃料流量推定部をさらに備える。
本発明の第6の態様における燃料流量制御装置は、前記燃料系統を流れる燃料の状態量を取得する状態量取得部をさらに備え、前記状態量取得部は、少なくとも前記燃料流量調節弁の下流における圧力の計測値を取得し、前記燃料流量調節弁の下流に複数の圧力計が設けられている場合、それら複数の圧力計による計測値の中央値を選択する。
本発明の第7の態様における燃料流量制御装置は、前記燃料系統を流れる燃料の状態量を取得する状態量取得部をさらに備え、前記状態量取得部は、少なくとも前記燃料流量調節弁の下流における圧力の計測値を取得し、前記燃料流量調節弁の下流に複数の圧力計が設けられている場合、それら複数の圧力計による計測値の平均値を計算する。
本発明の第8の態様における燃料流量制御装置は、前記状態量に対して遅れを補償やノイズ除去を行う信号処理部、をさらに備える。
本発明の第9の態様は、上述の燃料流量制御装置を備えることを特徴とする燃焼器である。
本発明の第10の態様は、上述の燃焼器を備えることを特徴とするガスタービンである。
本発明の第11の態様は、燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出し、前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出し、前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する、ことを特徴とする燃料流量制御方法である。
本発明の第12の態様は、燃料流量制御装置のコンピュータを、燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出する手段、前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出する手段、前記対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する手段、として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、燃料流量調節弁の流量特性が変化しても燃料流量を所望の値に近づけることができる。
本発明に係る第一実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る第一実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明に係る第一実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。 本発明に係る第一実施形態におけるCv値と弁開度の対応関係の一例を示す図である。 本発明に係る第一実施形態における燃料流量制御処理のフローチャートである。 本発明に係る第二実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明に係る第二実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。 、本発明に係る第三実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明に係る第三実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。 本発明に係る第三実施形態における燃料流量制御処理のフローチャートである。 本発明に係る第四実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明に係る第四実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。 本発明に係る第五実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明に係る第五実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。 従来の燃料流量制御方法の一例を示す図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態による燃料流量制御装置を図1〜図5を参照して説明する。
図1は本発明に係る第一実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。
本実施形態のガスタービンプラントは、図1に示すように、ガスタービン10と、ガスタービン10の駆動で発電する発電機16と、ガスタービン10へ燃料を供給する燃料供給装置20と、燃料供給の制御を行う燃料制御装置26、燃料流量調節弁の制御を行う燃料流量制御装置30を備えている。ガスタービン10と発電機16は、ロータ15で連結されている。
ガスタービン10は、空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機11と、圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼させ、高温の燃焼ガスを生成する燃焼器12と、燃焼ガスにより駆動するタービン13と、を備えている。
圧縮機11には、IGV14が設けられている。IGV14は圧縮機11へ流入する空気の量を調節する。
燃焼器12は、燃焼器12に燃料を供給する燃料供給装置20と接続されている。燃焼器12には、火炎の安定燃焼や低NOxを実現するために複数の系統から燃料が供給される。燃料供給装置20と、燃焼器12の間には、燃料の供給系統ごとに燃料の供給量を調節する燃料流量調節弁17〜19が設けられている。燃料流量調節弁17〜19の上流には、圧力調節弁や温度計などの計測器が備えられている。また、燃料流量調節弁17〜19の下流には、圧力計などの計測器が備えられている。これらの構成の詳細については後述する。
燃料制御装置26は、ガスタービンの負荷などに応じて燃料流量指令値を算出し、燃料流量制御装置30に出力する。
燃料流量制御装置30は、燃料制御装置26から取得した燃料流量指令値と、燃料流量調節弁17〜19の上流及び下流に設けられた計測器が計測した燃料に関する状態量とに基づいて、燃料流量調節弁17〜19の弁開度を調節し、燃焼器12に供給する燃料の流量を調節する。
図2は、本発明に係る第一実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。
燃料流量制御装置30は、状態量取得部31、Cv指令値算出部32、弁開度調節部33、記憶部36、対応テーブル補正部46を有している。対応テーブル補正部46は、実Cv値算出部34、対応テーブル更新部35、定常状態判定部37を有している。
状態量取得部31は、燃料流量調節弁17〜19が設けられた燃料系統を流れる燃料に関する諸々の状態量を取得する。状態量とは、例えば、燃料流量調節弁17〜19の上流及び下流における圧力、燃料の流量及び温度である。状態量取得部31は、これら状態量を燃料系統に備えられた計測器から取得する。また、状態量取得部31は、燃料流量調節弁17〜19の上流における圧力の設定値(FCV上流圧設定値)を図示しない他の装置から取得する。また、燃料流量調節弁17〜19の下流に複数の圧力計が備えられている場合、状態量取得部31は、それら複数の圧力計が計測した値のうち中央値を選択して、この値を燃料流量調節弁17〜19の下流における圧力に設定する。または、状態量取得部31は、複数の圧力計が計測した値の平均値を算出して、この値を燃料流量調節弁17〜19の下流における圧力に設定する。状態量取得部31は、これら状態量を他の機能部へ出力する。
Cv指令値算出部32は、燃料制御装置26から取得した燃料流量指令値と、状態量取得部31から取得した燃料流量調節弁17の上流圧設定値と、燃料の温度と、燃料流量調節弁17の下流の圧力とに基づいて、Cv値を算出するFF制御器を有している。Cv指令値算出部32は、算出したCv値を、弁開度調節部33へ出力する。Cv指令値算出部32が算出したCv値は、燃料流量調節弁17〜19が、燃料流量指令値が示す流量の燃料を燃焼器に供給するために必要となるCv値である。つまり、このCv値は、Cv値がこの値となるように燃料流量調節弁を開いたときに流れる燃料の流量が燃料流量指令値となると想定される値である。以下、Cv指令値算出部32が算出したCv値をCv指令値と称する。
弁開度調節部33は、Cv指令値算出部32から取得したCv指令値に基づいて、弁開度を求める関数発生器を有している。関数発生器は、弁開度を求めるためにCv値と弁開度とを対応付けたテーブルまたは関数を用いる。関数発生器は、このテーブルまたは関数からCv指令値に対応する弁開度を補間計算によって求める。弁開度調節部33は、関数発生器が求めた弁開度となるように制御対象となる燃料流量調節弁の開度を制御する。
実Cv値算出部34は、燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて燃料流量調節弁17などのCv値を算出する。状態量とは、燃料の温度、燃料流量調節弁の上流及び下流の圧力、燃料の流量である。また、一般に気体のCv値は、弁の入口と出口の圧力、流量、温度、比重などから、流量の時間変化を含まない計算式を用いて求めることができる。実Cv値算出部34は、これらの値を取得してCv値を算出する式から制御対象となる燃料流量調節弁の実際のCv値を算出する。実際のCv値とは、燃料流量指令値に応じたCv指令値に対して、実際に燃料系統を流れる燃料の状態量に基づく燃料流量に応じたCv値という意味である。本実施形態の場合、燃料系統を流れる燃料の状態量に基づく燃料流量には計測値を用いる。
対応テーブル更新部35は、実Cv値算出部34から算出した実際のCv値を取得し、弁開度調節部33から現在の弁開度を取得する。そして、対応テーブル更新部35は、これら取得した2つの値を対応付けて、上述したCv値と弁開度との対応関係を更新する。
記憶部36は、Cv値と弁開度とを対応付けたテーブルまたは関数、Cv値を計算するプログラムや計算に用いる係数などを記憶している。
定常状態判定部37は、燃料の流量が定常状態かどうかを判定する。例えば、定常状態判定部37は、状態量取得部31が取得した流量計43による燃料流量計測値を評価して、その値が所定の期間において所定の範囲に収まっている場合、定常状態であると判定する。
次に第一実施形態における燃料流量の制御方法について燃料流量調節弁17を例に図3を用いて説明する。
図3は、本発明に係る第一実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。
符号40は、燃料の温度を計測する温度計である。符号41は、燃料流量調節弁17の上流の圧力を計測する圧力計である。符号43は、燃料流量調節弁17の下流の燃料流量を計測する流量計である。符号42は、燃料流量調節弁17の下流の圧力を計測する圧力計である。なお、この圧力計42は、冗長化のため複数個設けられていてもよい。符号47A、47Bは、燃料流量調節弁17が備えられた燃料系統に接続されたノズルである。なお、燃料流量調節弁17の上流には図示しない圧力調節弁が設けられている。
符号44は、Cv指令値算出部32が有するFF制御器である。FF制御器44は、状態量取得部31が取得した、温度計40が計測した燃料の温度と、FCV上流圧設定値と、圧力計42が計測した燃料流量調節弁17の下流の圧力と、燃料流量指令値とに基づいてCv値指令値を算出する。なお、圧力計42が複数設けられている場合、FF制御器44は、それら複数の複数の圧力計による計測値の中央値または平均値を用いてCv値指令値を算出する。
符号45は、弁開度調節部33が有する関数発生器である。関数発生器45は、FF制御器44が算出したCv指令値を取得し、Cv値と弁開度の対応テーブルからCv指令値に対応する弁開度を補間計算によって求める。関数発生器45は、弁開度指令値を燃料流量調節弁17に出力する。
図3におけるこれらの構成は、図15を用いて説明した従来の構成と同様である。上述のとおり、この構成による燃料流量制御方法には、FCV上流圧設定値と実際の燃料流量調節弁の上流の圧力にずれが生じるような過渡状態や、Cv値が設計値と異なるような場合に弁開度指令値の精度が低下し、所望の燃料流量に制御できないという問題がある。そこで本実施形態では、燃料流量制御装置30に以下のような構成を設け、この問題に対応する。
符号46は、Cv値と弁開度の対応テーブルを実際に即した対応関係に補正する対応テーブル補正部である。対応テーブル補正部46は、実Cv値算出部34と対応テーブル更新部35と定常状態判定部37に対応している。まず、定常状態判定部37は、燃料流量が定常状態かどうかを判定する。定常状態である場合、実Cv値算出部34は、状態量取得部31が取得した温度計40が計測した燃料の温度と、圧力計41が計測した燃料流量調節弁17の上流の圧力と、圧力計42が計測した燃料流量調節弁17の下流の圧力と、流量計43が計測した燃料流量調節弁17の下流での燃料流量とを用いて、所定のCv値を求める計算式から燃料流量調節弁17の実際のCv値を計算する。なお、圧力計42が複数設けられている場合、実Cv値算出部34は、複数の圧力計による計測値の中央値を用いてCv値の計算を行う。または、実Cv値算出部34は、複数の圧力計による計測値の平均値を用いてCv値を計算してもよい。実Cv値算出部34は、計算した実際のCv値を対応テーブル更新部35に出力する。また、対応テーブル更新部35は、弁開度調節部33からCv値指令値に対応する現在の弁開度を取得する。そして対応テーブル更新部35は、記憶部36に格納されたCv値と弁開度の対応テーブルにおけるCv指令値と現在の弁開度の対応関係を、実際のCv値と現在の弁開度とが対応するように更新する。弁開度調節部33は、更新後の対応テーブルに基づいて、Cv指令値に対応する弁開度を求め燃料流量調節弁の弁開度を制御する。次に対応テーブルの更新方法と更新後の対応テーブルから弁開度を求める方法の概略について図4を用いて説明する。
図4は、本発明に係る第一実施形態におけるCv値と弁開度の対応関係の一例を示す図である。図4のグラフは、弁開度調節部33が、記憶部36に格納されたCv値と弁開度の対応テーブルに記憶された対応関係情報を読み出して補間計算を行った結果のCv値と弁開度の対応関係を示すグラフの一例である。実線で表した曲線は、設計段階でのCv値と弁開度の対応関係を示すグラフである。対応関係情報とは、対応関係テーブルに登録された1つの対応関係を示す。
一例として、FF制御器44が取得した燃料流量指令値が「100」、Cv指令値が「100」である場合を考える。このとき関数発生器45は、対応テーブルを参照してCv指令値=「100」に対応する弁開度=「75」を取得し、燃料流量調節弁17に弁開度指令値を出力する。その結果、流量計43が計測する燃料流量が「90」であったとする。これは、燃料流量指令値「100」に対し、「90」しか流れていない状態なので、弁開度をより大きな値にしてより多くの燃料が流れるように制御する必要がある状況である。このとき、まず、実Cv値算出部34は、流量計43などが計測した状態量に基づいて実際のCv値を算出する。算出した実際のCv値=「90」とする。すると対応テーブル更新部35は、実際のCv値=「90」と現在の弁開度=「75」が対応するようにCv値と弁開度の対応テーブルを更新する。図4のグラフを用いて説明すると、もともとCv指令値=「100」と弁開度=「75」とが対応していた点(符号51)を、Cv指令値=「90」と弁開度=「75」とが対応する点(符号52)に補正して更新する。
次に関数発生器45は、実際のCv値がCv指令値を下回った場合、対応テーブルに記憶されたCv値と弁開度の対応関係情報から、現在の弁開度よりも大きな値を弁開度に持つ1つの対応関係情報を選択する。1つの対応関係情報の選択の方法は、例えば、現在の弁開度より大きな値を持つ対応関係情報のうち最も現在の弁開度に近い値を持つ対応関係情報を選択する方法でもよい。弁開度調節部33は、実際のCv値と現在の弁開度との対応関係と、選択した1つの対応関係情報とから、Cv指令値に対する弁開度を補間計算によって求める。図4のグラフを用いて説明すれば、弁開度調節部33の有する関数発生器45は、現在の弁開度=「75」よりも大きな値を持つ1つの対応関係情報を示す符号55の点(弁開度=「80」)を選択し、実際のCv値と現在の弁開度との対応関係情報を示す点52(Cv値=「90」、弁開度=「75」)と点55とを結ぶ線を引く。破線54は、補間計算によって生成される線の一例である。関数発生器45は、この線上における縦軸(Cv値)の値がCv指令値(「100」)と等しくなる対応関係情報が示す点53の横軸(弁開度)の値(弁開度=「77」)を求める弁開度に決定する。
このように実際のCv値と現在の弁開度によって更新されたCv値と弁開度の対応テーブルから補間計算によって弁開度を求めることで、再びFF制御器44が燃料流量指令値「100」を取得し、Cv指令値「100」を関数発生器45に出力した場合、関数発生器45は、新たに更新されたCv値と弁開度の対応テーブルを参照して、Cv指令値「100」とグラフの交点53から弁開度=「77」を得る。すると、弁開度調節部33は、弁開度指令値=「75」を「77」へ変更する。その結果、燃料流量は増加し、目標の燃料流量「100」に近づけることができる。以降は、同様の制御を繰り返し、実際の燃料流量が目標の燃料流量となると、Cv指令値と実際のCv値とが等しくなり、対応テーブル更新部35は、対応テーブルの更新を行わなくてもよい状態となる。
なお、実際のCv値がCv指令値よりも大きな値となった場合は、関数発生器45は、現在の弁開度よりも小さな値を弁開度に持つ対応関係情報を対応テーブルから選択し、その対応関係情報が示す点と、実際のCv値と現在の弁開度との対応関係情報が示す点を結んで、その線上に存在する点のうち縦軸(Cv値)の値がCv指令値に等しい対応関係情報が示す点の横軸(弁開度)の値をCv指令値に対応する弁開度として決定すればよい。
本実施形態では、このようにしてCv指令値と弁開度の対応関係を、実際のCv値とCv指令値との大小関係に基づいて、実際のCv値がCv指令値より大きい場合、Cv指令値に対応する弁開度の値が小さくなるように補間し、また、実際のCv値がCv指令値より小さい場合、Cv指令値に対応する弁開度の値が大きくなるように補間することで、燃料流量が所望の値となるように制御する。
図5は、本発明に係る第一実施形態における燃料流量制御処理のフローチャートである。前提として、状態量取得部31は、温度計40から燃料温度、圧力計41から燃料流量調節弁上流の圧力、圧力計42から燃料流量調節弁下流の圧力、流量計43から燃料流量を定期的に取得しているものとする。また、定常状態判定部37は、燃料流量を状態量取得部31から定期的に取得しているものとする。
まず、Cv指令値算出部32が、燃料制御装置26から燃料流量指定値を取得し、また、状態量取得部31から温度計40による燃料温度計測値と、FCV上流圧設定値と、圧力計42による燃料流量調節弁下流における圧力計測値とを取得し、Cv指令値を計算する(ステップS11)。Cv指令値算出部32は、Cv指令値を弁開度調節部33へ出力する。弁開度調節部33は、記憶部36に格納されたCv値と弁開度の対応テーブルからCv指令値に対応する弁開度を求め対応テーブル更新部35へ出力する。また、弁開度調節部33は、求めた弁開度を燃料流量調節弁に指令する(ステップS12)。
ステップS12の処理と並行してCv値と弁開度の対応テーブルの更新処理を行う。
まず、定常状態判定部37が、流量計43が計測した燃料流量の所定時間における変動を評価し、燃料流量が定常状態にあるかどうかを判定する(ステップS13)。定常状態判定部37は、判定の結果を実Cv値算出部34、対応テーブル更新部35へ出力する。所定時間における変動が所定の範囲に収まらない場合、定常状態判定部37は、定常状態ではないと判定する。この場合(ステップS13:No)、ステップS13の判定処理を繰り返す。一方、所定時間における変動が所定の範囲に収まる場合、定常状態判定部37は、定常状態であると判定する。この場合(ステップS13:Yes)、実Cv値算出部34は、状態量取得部31から燃料温度計測値、燃料流量調節弁の上流及び下流における圧力計測値、燃料流量計測値を取得し、実際のCv値を計算する(ステップS14)。実Cv値算出部34は、計算した実際のCv値を対応テーブル更新部35に出力する。対応テーブル更新部35は、弁開度調節部33から取得した現在の弁開度が実Cv値算出部34から取得した実際のCv値と対応するように記憶部36に格納されたCv値と弁開度の対応テーブルを更新する(ステップS15)。次回から弁開度調節部33は、この更新された新たな対応テーブルに基づく補間計算によってCv指令値に対応する弁開度を求める。これにより、燃料流量制御の推定精度が向上する。
本実施形態によれば、燃料流量の計測値や燃料流量調節弁上流圧力の計測値などに基づいて算出した実際のCv値に基づいてCv値と弁開度との対応関係を学習する為、実際の燃料流量調節弁のCv値が設計値と違っていたり、変化してしまったような場合でも、実態に即したCv値と弁開度の対応関係に基づいて弁開度の制御が可能になる。それによって燃料流量の制御精度が高まる。また、燃料流量が定常状態にあるときにCv値と弁開度との対応関係を学習することで定常状態における燃料流量の制御精度が向上するが、弁の流量特性を示すCv値の計算式は、流量の時間変化量を含む微分方程式ではない為、過渡状態においても定常状態におけるCv値は有効であり、過渡状態における燃料流量の制御精度も向上する。
なお、上記の説明では、定常状態の場合のみCv値と弁開度の対応関係を学習する場合を例に説明を行ったが、本実施形態はこれに限定されず、定常状態・過渡状態にかかわらず学習を行うことが可能である。このようにすることで、過渡状態においても燃料流量調節弁上流の圧力計測値を用いて実際のCv値を計算するので、従来の方法のようにFCV上流圧設定値と実際の圧力との差によるCv値のずれの発生を抑えることができ、Cv指令値の算出精度を向上することができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態による燃料流量制御装置を図6〜図7を参照して説明する。
図6は、本発明に係る第二実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。
図6で示すように、本実施形態において燃料流量制御装置30は、燃料流量推定部38を備えている点が第一実施形態とは異なる。また、状態量取得部31が取得する状態量には、燃料流量調節弁の下流における燃料流量の計測値が含まれない。他の構成は第一実施形態と同様である。
燃料流量推定部38は、燃焼室に燃料を噴射するノズル前後の圧力差を用いて燃料流量を推定する。ノズルの上流の圧力(車室圧力)には、燃料流量調節弁の下流での圧力の計測値を用いる。ノズルの下流の圧力(燃焼室圧力)には、圧力計で計測した値を用いてもよいし、燃焼室圧力の推定値を用いてもよい。燃料流量推定部38は、ノズルの前後圧と、ノズルの口径、燃料の温度などの情報を取得し、以下の式によって燃料流量を算出する。
Figure 2016023605
Figure 2016023605
式(1)は、非チョーク時の燃料流量の算出式である。式(2)は、チョーク時の燃料流量の算出式である。チョークと非チョークの判定は、P÷P<2のとき非チョークと判定し、式(1)で計算を行う。また、P÷P≧2のときチョークと判定し、式(2)で計算を行う。また、ガス密度γは、以下の式で表すことができる。Tは、温度計40が計測した燃料の温度である。
γ = γ × { 273 ÷(T + 273) }
× (P ÷ 1.033 ) ・・・・(3)
なお、Gは燃料流量[kg/s]、Cdはノズル流量係数、Aはノズル1本あたりの合計径面積[m]、gは重力加速度[m/s]、kは比熱比、Pはノズル前の圧力[ata]、Pはノズル後方の圧力[ata]、γはガス密度[kg/m]、γは0℃でのガス密度[kg/m]である。Cdなどの係数は、記憶部36に予め記憶されているものとする。
また、ノズル後方の圧力Pには、燃焼器による圧損を考慮したノズル上流での圧力の計測値(車室圧力)より所定の割合だけ小さな値を推定して用いることが可能である。推定の方法は、例えば、ノズル上流の車室圧力をP、燃焼器による圧損をx%とすると以下の式で推定することができる。
燃焼室圧力 = P × ( 1−(x ÷ 100) ) ・・・・(4)
燃料流量推定部38は、式(1)や式(2)でノズル1本あたりの燃料流量を算出し、制御対象となる燃料流量調節弁に接続されたノズルの数を乗算することで燃料流量を推定する。
図7は、本発明に係る第二実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。
図3と異なる構成及び機能を中心に説明を行う。燃料流量調節弁17、温度計40、圧力計41、圧力計42、FF制御器44、関数発生器45、対応テーブル補正部46、ノズル47A、ノズル47Bについては図3と同様である。符号48は、燃焼室の圧力を計測する圧力計である。圧力計48は、計測した燃焼室の圧力を状態量取得部31へ出力する。本実施形態では、燃料流量推定部38が温度計40と圧力計42及び圧力計48による計測値を状態量取得部31から取得し、式(1)または式(2)によって燃料流量を算出する。燃料流量推定部38は、算出した燃料流量を対応テーブル補正部46の実Cv値算出部34に出力する。それ以外の構成及び処理については、第一実施形態と同様である。つまり、実Cv値算出部34が実際のCv値を算出し、対応テーブル更新部35が、実際のCv値と現在の弁開度との対応関係に基づいて、Cv指令値と弁開度の対応関係を更新する。そして、弁開度調節部33が、補間計算によってCv指令値に対応する弁開度を算出する。なお、本実施形態における実際のCv値は、実際に燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて推定した燃料流量に応じたCv値である。
また、圧力計48は省略することもできる。その場合、燃料流量推定部38は、圧力計42が計測したノズル上流の圧力に基づいて、ノズル下流の燃焼室における圧力を式(4)によって推定する。そして、燃料流量推定部38は、ノズル前後の差圧から式(1)または式(2)によって燃料流量を算出する。
なお、ノズル上流に圧力計42が複数設けられている場合、燃料流量推定部38は、複数の圧力計による計測値の中央値を用いて燃料流量を推定する。または、燃料流量推定部38は、複数の圧力計による計測値の平均値を用いて燃料流量を推定する。また、実Cv値算出部34についても同様にこれらの圧力を用いて実際のCv値を算出する。
本実施形態の処理フローについて説明する。本実施形態の場合、図5のステップS14において、まず燃料流量推定部38が、温度計40と圧力計42及び圧力計48による計測値を状態量取得部31から取得する。または、燃料流量推定部38は、圧力計42による計測値を状態量取得部31から取得し、ノズル下流の圧力を推定する。そして、燃料流量推定部38は、ノズルの前後圧の差と式(1)または式(2)を用いて燃料流量を推定する。次に、実Cv値算出部34は、燃料流量推定部38が推定した燃料流量と、状態量取得部31から取得した燃料温度計測値、燃料流量調節弁の上流及び下流における圧力計測値を用いて実際のCv値を算出する。他の処理ステップS11、S12、S13、S15については図5と同様であるので説明を省略する。
本実施形態によれば、燃料流量調節弁の下流に流量計を設けることなく第一実施形態の効果と同様の効果が得られる。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態による燃料流量制御装置を図8〜図10を参照して説明する。
図8は、本発明に係る第三実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。
図8で示すように、本実施形態において燃料流量制御装置30は、Cv指令値補正部39を備えている点が第一実施形態とは異なる。他の構成は第一実施形態と同様である。
Cv指令値補正部39は、燃料流量指令値と燃料流量の計測値との偏差を求め、この偏差が小さくなるようなCv値の補正量(Cv指令値補正量)を算出する。また、Cv指令値補正部39は、Cv指令値算出部32が算出したCv指令値にCv指令値補正量を加えて補正後のCv指令値を算出する。
図9は、本発明に係る第三実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。
図3と異なる構成及び機能を中心に説明を行う。燃料流量調節弁17、温度計40、圧力計41、圧力計42、流量計43、FF制御器44、関数発生器45、対応テーブル補正部46、ノズル47Aについては図3と同様である。
符号49は、Cv指令値補正部39が有するFB制御器である。FB制御器49は、燃料制御装置26から燃料流量指令値と、流量計43が計測した燃料流量とを取得し、それらの値の偏差を求める。そして、FB制御器49は、この偏差が小さくなるようCv指令値補正量を、例えばPI(Proportional Integral)制御などフィードバック制御の手法を用いて算出する。このCv指令値補正量の算出には関数を用いてもよいし、燃料流量の偏差とCv値の補正量とを対応づけて記憶する記憶部36が保持するテーブルから読み込んで決定してもよい。このCv指令補正値は、FF制御器44が算出するCv指令値を補正する値である。また、Cv指令値補正部39は、Cv指令値算出部32からCv指令値を取得し、算出したCv指令値補正量を加算して、弁開度調節部33に出力する。弁開度調節部33では、関数発生器45が補正後のCv指令値に基づいてCv値と弁開度の対応テーブルから補正後のCv指令値に対応する弁開度を補間計算によって求め、燃料流量調節弁17に対してその弁開度を指令する。それと並行して、対応テーブル更新部35は、実際のCv値と現在の弁開度との対応関係でCv値と弁開度との対応テーブルを更新する。対応テーブル更新部35は、対応テーブルを更新すると、Cv指令値補正部39にリセット指示信号を出力する(符号50)。Cv指令値補正部39では、この信号を受信するとFB制御器49が積分器をリセットする。
図10は、本発明に係る第三実施形態における燃料流量制御処理のフローチャートである。前提条件は、図4と同様である。図4と同じ処理については簡単に説明する。
まず、Cv指令値算出部32が、Cv指令値を計算する(ステップS11)。Cv指令値算出部32は、計算したCv指令値をCv指令値補正部39に出力する。それと並行して、Cv指令値補正部39は、状態量取得部31から燃料流量計測値、燃料制御装置26から燃料流量指令値を取得して偏差を求め、その偏差が小さくなるようなCv指令値補正量を算出する(ステップS16)。Cv指令値補正部39は、取得したCv指令値とCv指令値補正量とを加算(ステップS17)して弁開度調節部33に出力する。弁開度調節部33は、補正後のCv指令値からCv値と弁開度の対応テーブルを用いて弁開度を求め燃料流量調節弁に指令する(ステップS12)。
ステップS12の処理と並行して、定常状態判定部37が、燃料流量が定常状態にあると判定すると(ステップS13:Yes)、実Cv値算出部34が実際のCv値を算出し(ステップS14)、対応テーブル更新部35が、実際のCv値と現在の弁開度との対応関係でCv値と弁開度の対応テーブルを更新する(ステップS15)。対応テーブルを更新すると、対応テーブル更新部35は、Cv指令値補正部39にリセット信号を出力する。Cv指令値補正部39ではFB制御器49がリセット信号を受信し、積分器に累積したこれまでの偏差の情報をリセットする(ステップS18)。これにより、次回から弁開度調節部33は、更新後の新たな対応テーブルに基づいてCv指令値に対応する新たな弁開度で燃料流量調節弁を制御する。また、Cv指令値補正部39は、新たな弁開度における燃料流量の計測値と燃料流量指令値との偏差に応じたCv指令値補正量の算出を開始する。なお、本実施形態においても圧力計42が複数設けられている場合、実Cv値算出部34は、複数の計測値の中央値や平均値を用いて実際のCv値の算出を行う。
本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、FB制御による目標(燃料流量指令値を達成できるCv指令値)への高い追随性によって定常状態における燃料流量調節弁の制御精度をより向上させることができる。また、第1実施形態では、FF制御による外乱等への速応性を担保しつつも、Cv値の学習が進むまでの間は、弁開度の制御精度が上がらないことも考えられるが、本実施形態では、先にFB制御によって補正したCv指令値に対して学習を行うのでより速く弁開度の制御精度を向上させることができる。
<第四実施形態>
以下、本発明の第四実施形態による燃料流量制御装置を図11、図12を参照して説明する。
図11は、本発明に係る第四実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。
図11で示すように、本実施形態において燃料流量制御装置30は、Cv指令値補正部39を備えている点が第二の実施形態とは異なる。他の構成は第二の実施形態と同様である。また、Cv指令値補正部39は、第三実施形態で説明したとおりである。
図12は、本発明に係る第四実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。本実施形態は、第二、第三実施形態を組み合わせた構成になっている。燃料流量調節弁17、温度計40、圧力計41、圧力計42、FF制御器44、関数発生器45、対応テーブル補正部46、ノズル47A、FB制御器49については第三実施形態の図9と同様である。また、第二実施形態と同様にノズルの下流に圧力計48が設けられている。
第三実施形態との違いについて説明する。第三実施形態では、Cv指令値補正部39が燃料流量指令値と燃料流量計測値を取得し、その偏差に応じたCv指令値補正量を算出した。本実施形態では、Cv指令値補正部39が、燃料流量推定部38が燃料の温度とノズルの前後圧から式(1)または式(2)によって算出した燃料流量推定値を取得し、この燃料流量推定値と燃料流量指令値の偏差に応じたCv指令値補正量を算出する。
なお、圧力計48は省略することができ、その場合ノズル下流の燃焼室の圧力は、圧力計42の計測値に基づいて式(4)によって算出する。
処理フローについて説明する。本実施形態では図10のステップS16において、Cv指令値補正部39が、燃料流量推定部38の推定した燃料流量と燃料流量指令値を用いてCv指令値補正量を算出する。他の処理ステップについては第三実施形態と同様である。
本実施形態によれば、流量計を新たに設けることなく第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第五実施形態>
以下、本発明の第五実施形態による燃料流量制御装置30を図13〜図14を参照して説明する。
図13は、本発明に係る第五実施形態における燃料流量制御装置の一例を示すブロック図である。本実施形態は、第一〜第四実施形態のうち何れか一つと組み合わせることが可能である。
図13は、第一実施形態と組み合わせた場合の構成を示している。
図13で示すように、本実施形態において燃料流量制御装置30は、信号処理部51を備えている点が第一実施形態と異なる。他の構成は第一実施形態と同様である。
信号処理部51は、状態量取得部31が取得する各計測値に位相補償やノイズ除去のためのフィルタ処理を行う。
図14は、本発明に係る第五実施形態における燃料流量制御方法の一例を示す図である。
本実施形態では、温度計40、圧力計41、圧力計42、流量計43、圧力計48の計測値は信号処理部51に入力され、信号処理部51が遅れ補償やノイズの除去を行った後の計測値信号を状態量取得部31へ出力する。符号52A、52Bは、信号処理部51が有する位相補償器である。これら位相補償器52A,52Bは、温度計や流量計など計測器の検出遅れに対して、進み要素でその遅れを補償する。特に温度計40の場合、熱電対被覆などの影響で応答性が悪いため位相補償が有効である。また、信号処理部51は、フィルタ(図示せず)を有しており、圧力計41、42、48や流量計43の計測値からノイズを除去する。
本実施形態によれば、計測器の応答遅れや計測値にノイズが発生する場合でも、位相補償器やフィルタによって補正したより信頼性の高い状態量に基づいて弁開度を算出することで、燃料流量の制御精度を向上させることができる。
なお上述の燃料流量制御装置30は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した燃料流量制御装置30における各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
状態量取得部31、Cv指令値算出部32、弁開度調節部33、実Cv値算出部34、対応テーブル更新部35、定常状態判定部37、燃料流量推定部38、Cv指令値補正部39、は、コンピュータがプログラムを実行することにより備わる機能である。また、燃料流量制御装置30は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。なお、実Cv値算出部34は流量特性算出部の一例である。Cv指令値補正部39は、指令値補正部の一例である。また、Cv値は、流量特性の一例である。また、対応テーブル更新部35は、対応関係更新部の一例である。また、点52は、第2対応関係情報の一例であり、点55は第1対応関係情報の一例である。また、実際のCv値は、第1流量特性の一例である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、ガスタービンの他にも、航空機用エンジン、ボイラなどで用いることができる。
10・・・ガスタービン
11・・・圧縮機
12・・・燃焼器
13・・・タービン
14・・・IGV
15・・・ロータ
16・・・発電機
17、18、19・・・燃料流量調節弁
20・・・燃料供給装置
21・・・圧力調節弁
26・・・燃料制御装置
30・・・燃料流量制御装置
31・・・状態量取得部
32・・・Cv指令値算出部
33・・・弁開度調節部
34・・・実Cv値算出部
35・・・対応テーブル更新部
36・・・記憶部
37・・・定常状態判定部
38・・・燃料流量推定部
39・・・Cv指令値補正部
40・・・温度計
41、42、48・・・圧力計
43・・・流量計
44・・・FF制御器
45・・・関数発生器
46・・・対応テーブル補正部
47・・・ノズル
49・・・FB制御器
51・・・信号処理部
52・・・位相補償器

Claims (12)

  1. 燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出し、前記燃料流量調節弁の開度を前記算出した弁開度に調節する弁開度調節部と、
    前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出する流量特性算出部と、
    前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する対応関係更新部と、
    を備えることを特徴とする燃料流量制御装置。
  2. 前記弁開度調節部は、前記第1流量特性と前記流量特性の指令値との大小関係に応じて、前記更新後の燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係に基づく補間計算を行い前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料流量制御装置。
  3. 前記弁開度調節部は、前記第1流量特性が前記流量特性の指令値より大きい場合、前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係における現在の弁開度より小さな値を弁開度に持つ第1対応関係情報を選択し、前記算出した弁開度と前記第1流量特性とからなる第2対応関係情報と前記第1対応関係情報とを用いた補間計算によって弁開度を算出し、前記第1流量特性が前記流量特性の指令値より小さい場合、前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係における現在の弁開度より大きな値を弁開度に持つ第1対応関係情報を選択し、当該第1対応関係情報と前記第2対応関係情報とを用いた補間計算によって弁開度を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料流量制御装置。
  4. 前記状態量に基づく燃料流量と前記燃料流量指令値との偏差に基づいて前記流量特性の指令値に対する補正量を算出する指令値補正部と、
    を更に備え、
    前記弁開度調節部は、前記流量特性の指令値に前記指令値補正部が算出した補正量を加えた値に対して弁開度を調節する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の燃料流量制御装置。
  5. 前記燃料流量調節弁の下流であって燃料を燃焼室に噴射するノズルの上流における圧力と、前記燃焼室における圧力とに基づいて前記状態量に基づく燃料流量を推定する燃料流量推定部
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の燃料流量制御装置。
  6. 前記燃料系統を流れる燃料の状態量を取得する状態量取得部
    をさらに備え、
    前記状態量取得部は、少なくとも前記燃料流量調節弁の下流における圧力の計測値を取得し、前記燃料流量調節弁の下流に複数の圧力計が設けられている場合、それら複数の圧力計による計測値の中央値を選択する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の燃料流量制御装置。
  7. 前記燃料系統を流れる燃料の状態量を取得する状態量取得部
    をさらに備え、
    前記状態量取得部は、少なくとも前記燃料流量調節弁の下流における圧力の計測値を取得し、前記燃料流量調節弁の下流に複数の圧力計が設けられている場合、それら複数の圧力計による計測値の平均値を計算する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の燃料流量制御装置。
  8. 前記状態量に対して遅れを補償やノイズ除去を行う信号処理部、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の燃料流量制御装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の燃料流量制御装置を備えることを特徴とする燃焼器。
  10. 請求項9に記載の燃焼器を備えることを特徴とするガスタービン。
  11. 燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出し、
    前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出し、
    前記燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する、
    ことを特徴とする燃料流量制御方法。
  12. 燃料流量制御装置のコンピュータを、
    燃料流量調節弁の流量特性と前記燃料流量調節弁の弁開度との対応関係と、燃料流量指令値に応じて前記燃料流量調節弁に求められる流量特性の指令値と、に基づいて前記流量特性の指令値に対応する弁開度を算出する手段、
    前記燃料流量調節弁が設けられた燃料系統を流れる燃料の状態量に基づいて前記燃料流量調節弁の第1流量特性を算出する手段、
    前記対応関係を、前記算出した弁開度が前記第1流量特性と対応するように更新する手段、
    として機能させるためのプログラム。
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