JP5704560B2 - ガスタービン燃料制御方法およびガスタービン燃料制御装置 - Google Patents
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Description
この流量調節弁の弁開度を取得する方法としては、例えば、式(1)を用いて、ガスタービンに供給すべき燃料流量に基づいて弁容量を算出し、ガスタービン制御装置が予め記憶する弁容量と弁開度との関係に基づいて算出した弁容量を弁開度に換算する方法が用いられている。
また、ガスタービンの制御に関し、特許文献1では、ガス燃料を加湿した際に、ガス燃料流量ゲインを算出してガスタービンを制御する技術が示されている。
図1は、本発明の一実施形態におけるガスタービン燃料制御装置によって燃料制御される、ガスタービン発電プラントの燃料ガス供給系統の概略構成例を示す構成図である。同図に示す燃料ガス供給系統700では、燃料ガス1供給源701の供給する燃料ガス1(第1の燃料)と、燃料ガス2供給源702の供給する燃料ガス2(第2の燃料)とを、混合器703が混合して混合燃料ガスを生成する。ここで、燃料ガス1と燃料ガス2とは、組成の異なるガスであり、燃料ガス1と燃料ガス2と混合率に応じて、混合燃料ガスのカロリーや密度が変化する。燃料ガス1と燃料ガス2とは、例えばBFG(Blast Furnace Gas、高炉ガス)と、COG(Coke Oven Gas、コークス炉ガス)とである。なお、以下では燃料ガスを単に燃料とも称する。
混合器703が生成した混合燃料ガスは、ガスコンプレッサーや燃料ガスヒータ(FGH)等を経由した後、メイン燃料系統と、パイロット燃料系統と、トップハット燃料系統とに分岐される。
なお、点P111は、メイン流量調節弁713の上流(入口側)の点であり、点112は、メイン流量調節弁713の下流(出口側)の点である。これらの点は、後述する燃料ガス圧力等の測定箇所を示す。
なお、点P121は、パイロット流量調節弁723の上流(入口側)の点であり、点122は、パイロット流量調節弁723の下流(出口側)の点である。これらの点は、後述する燃料ガス圧力等の測定箇所を示す。
なお、点P131はトップハット流量調節弁733の上流(入口側)の点であり、点132は、トップハット流量調節弁733の下流(出口側)の点である。これらの点は、後述する燃料ガス圧力等の測定箇所を示す。
ガスタービン燃料制御装置100は、例えばガスタービンを制御するガスタービン制御装置の一部分を構成し、燃料ガスの流量調節弁の開度を調節することによってガスタービンに供給される燃料流量を調節する。
圧力取得部101は、点P111および点P112(図1)に設置される圧力計を有し、メイン流量調節弁713(図1)を通過する前の混合燃料ガスの圧力である上流圧と、メイン流量調節弁713を通過した後の混合燃料ガスの圧力である下流圧とを測定する。そして、圧力取得部101は、測定した上流圧と下流圧とを弁容量取得部111に出力する。
なお、メイン圧力調節弁711が、メイン流量調節弁713における上流圧と下流圧との差圧(以下、上流圧と下流圧との差圧を、単に「差圧」と称する)を一定に制御している場合、圧力取得部101は、この差圧の設計値を予め記憶しておき、下流圧測定値に差圧を加算して上流圧を算出するようにしてもよい。これにより、上流圧を測定する必要が無くなり、圧力計の数を削減できる。
燃焼特性取得部103は、点P111に設置されるガス密度計を有し、メイン流量調節弁713に入力される混合燃料ガス密度を測定する。また、燃焼特性取得部103は、点P111に設置されるガスカロリー計を有し、メイン流量調節弁713に入力される混合燃料ガスカロリーを測定する。そして、燃焼特性取得部103は、測定したガス密度とガスカロリーとを、弁容量取得部111に出力する。なお、このガス密度とガスカロリーとは、燃料成分に係わる燃焼特性の具体例である。ここでいう、燃料成分に係わる燃焼特性とは、燃料を構成する成分によって変化し、かつ、ガスタービン出力に影響する特性である。
流量指令値設定部104は、ガスタービン発電プラント運転員による出力設定値や外気温度等の諸条件に基づいてメイン燃料系統から燃焼器751への燃料流量指令値を算出し設定する。
そして、弁容量取得部111は、算出したメイン流量調節弁713の弁容量を、弁開度決定部122に出力する。
従って、弁容量取得部111は、式(2)を用いて弁容量を算出することにより、メイン流量調節弁713の弁容量を算出する弁容量算出工程と、弁容量算出工程で算出した前記弁容量を、燃焼特性に基づいて補正する弁容量補正工程とを実行する。
図3は、弁開度特性記憶部121が記憶する、メイン流量調節弁713の弁容量と弁開度との関係の例を示す図である。弁開度特性記憶部121は、この関係を、弁容量を入力とし弁開度を出力とする関数にて記憶する。あるいは、弁開度特性記憶部121が、弁容量と弁開度との関係を示すテーブルを記憶するなど、他の方法で関係を記憶するようにしてもよい。
そして、弁開度決定部122は、決定した弁開度を流量調節弁制御部131に出力する。
流量調節弁制御部131は、弁開度決定部122から出力される弁開度に従って、メイン流量調節弁713の弁開度を制御する。
すなわち、パイロット流量調節弁723に対して、圧力取得部101は、点P121に設置される圧力計で上流圧を測定し、点P122に設置される圧力計で下流圧を測定する。また、燃料温度取得部102は、点P121に設置される温度計で燃料ガス温度を測定する。また、燃焼特性取得部103は、点P121に設置されるガス密度計で燃料ガス密度を測定し、点P121に設置されるガスカロリー計で燃料ガスカロリーを測定する。また、流量指令値設定部104は、パイロット燃料系統から燃焼器751への燃料流量指令値を算出し設定する。
このように弁容量取得部111が燃料ガス密度や燃料ガスカロリーなどの燃料ガス特性に基づいて弁容量を補正するので、燃料ガス特性が設計値から変化した場合に、より適切に流量調節弁を制御することができる。
図4は、ガスタービン燃料制御装置100によって燃料制御される、他の燃料ガス供給系統の概略構成例を示す構成図である。同図に示す燃料ガス供給系統800において、燃料ガス供給源801は、例えば、BFGと、COG等の増熱ガスあるいは窒素(N2)ガス等の減熱ガスが混合された混合燃料ガスを供給する。この混合燃料ガスは、ガスコンプレッサー等を経由した後、メイン系統とバイパス系統とに分岐される。
メイン系統は、ガスタービンに燃料を供給する系統であり、メイン系統に流入した混合燃料ガスは、遮断弁891を経由した後、マニホールド815で分岐されて、ノズル815の有する複数のノズルから、燃焼器851の燃焼室内に供給される。
バイパス系統に流入した混合燃料ガスは、バイパス流量調節弁861および862と、小弁863とのいずれかを通り、ガスクーラで冷却された後、燃料ガス供給系統の上流側に戻される。
この場合、燃料ガス供給系統800では、ガスタービンの出力設定値等に基づいてメイン系統に供給すべき燃料ガス流量を決定し、残りの燃料ガスをバイパスさせる必要がある。
そこで、ガスタービン燃料制御装置100は、燃料ガスカロリーおよび燃料ガス密度に応じて、まず、メイン系統に対するガス流量指令値を補正する。例えば、ガスタービン燃料制御装置100は、式(3)を用いて、補正後のガス流量指令値を算出する。
図5に示す燃料ガス供給系統900は、メイン燃料系統とパイロット燃料系統とトップハット燃料系統とに対して共通化された圧力調節弁911(親弁)および912(子弁)を備える点で図1の燃料ガス供給系統700と異なるが、流量調節弁713と、723と、733とを用いてそれぞれメイン燃料系統と、パイロット燃料系統と、トップハット燃料系統とにおける混合ガス流量を調節する点において燃料ガス供給系統700と同様である。
例えば、メイン燃料系統に対しては、弁容量取得部111は、点P121における上流圧や燃料ガス温度や燃料ガス密度や燃料ガスカロリーと、点P122における下流圧と、流量指令値設定部104の設定するメイン燃料系統から燃焼器751への燃料流量指令値とを式(2)に代入してメイン流量調節弁713の弁容量を算出する。そして、この弁容量から得られる弁開度に基づいて、流量調節弁制御部131がメイン流量調節弁713の弁開度を制御する。
この場合、燃焼特性取得部103は、燃料ガス1のカロリーLHVin1と、燃料ガス2のカロリーLHVin2とを予め記憶しておく。そして、燃焼特性取得部103は、例えば、燃料ガス1供給源の出口にガス流量計を有し、燃料ガス1の流量Gin1を測定する。また、燃料ガス2供給源の出口にガス流量計を有し、燃料ガス2の流量Gin2を測定する。そして、燃焼特性取得部103は、式(4)に基づいて、燃料ガスカロリー推定値LHV_estを算出する。
この場合、燃焼特性取得部103は、燃料ガス1の密度γ0_in1と、燃料ガス2の密度γ0_in2とを予め記憶しておく。そして、燃焼特性取得部103は、例えば、燃料ガス1供給源の出口にガス流量計を有し、燃料ガス1の流量Gin1を測定する。また、燃料ガス2供給源の出口にガス流量計を有し、燃料ガス2の流量Gin2を測定する。そして、燃焼特性取得部103は、式(5)に基づいて、燃料ガス密度推定値γ0_estを算出する。
例えば、燃焼特性取得部103は、燃料ガス1のカロリーLHVin1および密度γ0_in1と、燃料ガス2のカロリーLHVin2および密度γ0_in2とを予め記憶しておく。そして、燃焼特性取得部103は、例えば、燃料ガス1供給源の出口にガス流量計を有し、燃料ガス1の流量Gin1を測定する。また、燃料ガス2供給源の出口にガス流量計を有し、燃料ガス2の流量Gin2を測定する。そして、燃焼特性取得部103は、式(4)に基づいて、燃料ガスカロリー推定値LHV_estを算出し、式(5)に基づいて、燃料ガス密度推定値γ0_estを算出する。
そして、燃焼特性取得部103は、算出した燃料ガスカロリー推定値LHV_estと燃料ガス密度推定値γ0_estとを弁容量取得部111に出力する。
そして、燃料温度取得部102は、式(6)に基づいて、燃料ガス温度推定値Tmixを算出し、算出した燃料ガス温度推定値Tmixを弁容量取得部111に出力する。
一方、ΔP≧0.5P1が成立すると判定したとき、すなわち臨界流に達していると判定したときは、式(2)に代えて式(7)に基づいて弁容量を算出する。
従って、弁容量取得部111は、式(7)を用いて弁容量を算出することにより、メイン流量調節弁713の弁容量を算出する弁容量算出工程と、弁容量算出工程で算出した前記弁容量を、燃焼特性に基づいて補正する弁容量補正工程とを実行する。
以下、上記と同様に、弁開度決定部122が弁容量に基づいて弁開度を決定し、流量調節弁制御部131が弁開度に基づいてメイン流量調節弁713の弁開度を制御する。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
101 圧力取得部
102 燃料温度取得部
103 燃焼特性取得部
104 流量指令値設定部
111 弁容量取得部
121 弁開度特性記憶部
122 弁開度決定部
131 流量調節弁制御部
Claims (6)
- ガスタービンの燃焼器の燃料供給系統に設けられた流量調節弁を制御するガスタービン燃料制御方法であって、
前記流量調節弁を通過する前の前記燃料の圧力である上流圧と、前記流量調節弁を通過した後の前記燃料の圧力である下流圧とを取得する圧力取得工程と、
燃料温度を取得する燃料温度取得工程と、
燃料成分に係わる燃焼特性を取得する燃焼特性取得工程と、
弁容量と上流圧及び下流圧及び燃料温度及び燃料流量との予め設定された関係と、前記圧力取得工程で取得した前記上流圧および前記下流圧と、前記燃料温度取得工程で取得した前記燃料温度と、前記流量調節弁に要求される燃料流量とに基づいて前記流量調節弁の弁容量を算出する弁容量算出工程と、
前記弁容量算出工程で算出した前記弁容量を、前記燃焼特性取得工程で取得した前記燃焼特性に基づいて補正する弁容量補正工程と、
弁容量と弁開度との予め設定された関係と、前記弁容量補正工程で補正した前記弁容量とに基づいて前記流量調節弁の弁開度を決定する弁開度決定工程と、
前記弁開度決定工程で決定した前記弁開度に基づいて前記流量調節弁を制御する流量調節弁制御工程と、
を備えることを特徴とするガスタービン燃料制御方法。 - 前記燃料は第1の燃料と第2の燃料とを含む混合燃料であり、
前記燃焼特性取得工程は、
前記第1の燃料と前記第2の燃料との混合率を取得する混合率取得工程と、
前記混合率取得工程で取得した前記混合率と、前記第1の燃料のカロリーと、前記第2の燃料のカロリーとに基づいて前記混合燃料のカロリーを算出する混合燃料カロリー算出工程と、
を備え、
前記弁容量補正工程では、前記混合燃料カロリー算出工程で算出した前記混合燃料のカロリーに基づいて、前記弁容量を補正する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃料制御方法。 - 前記燃料は第1の燃料と第2の燃料とを含む混合燃料であり、
前記燃焼特性取得工程は、前記第1の燃料の流量および密度と、前記第2の燃料の流量および密度とに基づいて、前記混合燃料の密度を算出する混合燃料密度算出工程、を備え、
前記弁容量補正工程では、前記混合燃料密度算出工程で算出した前記混合燃料の密度に基づいて、前記弁容量を補正する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスタービン燃料制御方法。 - 前記燃料は第1の燃料と第2の燃料とを含む混合燃料であり、
前記燃料温度取得工程は、前記第1の燃料の定圧比熱と温度と流量と、前記第2の燃料の定圧比熱と温度と流量とに基づいて前記混合燃料の温度を推定する混合燃料温度推定工程、を備え、
前記弁容量算出工程では、前記混合燃料温度推定工程で推定した前記混合燃料の温度に基づいて前記弁容量を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスタービン燃料制御方法。 - 前記圧力取得工程で取得した前記上流圧および前記下流圧に基づいて、前記流量調節弁前後の差圧が臨界点に達しているか否かを判定する臨界点判定工程を備え、
前記臨界点判定工程にて臨界点に達していないと判定したときは、予め設定された弁容量と上流圧及び下流圧及び燃料温度との第1の関係に基づいて前記流量調節弁の弁容量を算出し、前記臨界点判定工程にて臨界点に達していると判定したときは、予め設定された弁容量と上流圧及び燃料温度との第2の関係に基づいて前記流量調節弁の弁容量を算出する、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のガスタービン燃料制御方法。 - ガスタービンの燃焼器の燃料供給系統に設けられた流量調節弁を制御するガスタービン燃料制御装置であって、
前記流量調節弁を通過する前の前記燃料の圧力である上流圧と、前記流量調節弁を通過した後の前記燃料の圧力である下流圧とを取得する圧力取得部と、
燃料温度を取得する燃料温度取得部と、
燃料成分に係わる燃焼特性を取得する燃焼特性取得部と、
弁容量と上流圧及び下流圧及び燃料温度及び燃料流量との予め設定された関係と、前記圧力取得部が取得した前記上流圧および前記下流圧と、前記燃料温度取得部が取得した前記燃料温度と、前記流量調節弁に要求される燃料流量とに基づいて前記流量調節弁の弁容量を算出し、算出した前記弁容量を、前記燃焼特性取得部が取得した前記燃焼特性に基づいて補正する弁容量取得部と、
弁容量と弁開度との予め設定された関係と、前記弁容量取得部が補正した前記弁容量とに基づいて前記流量調節弁の弁開度を決定する弁開度決定部と、
前記弁開度決定部が決定した前記弁開度に基づいて前記流量調節弁を制御する流量調節弁制御部と、
を備えることを特徴とするガスタービン燃料制御装置。
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