JP5983921B2 - コークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法およびその装置 - Google Patents

コークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法およびその装置 Download PDF

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本願発明は、コークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法およびその測定装置に関し、特に、コークスケーキの押出し時に観察される炉高方向(炉天井方向)への該コークスケーキの盛り上がり変形に伴う突き上げ詰り防止に対して有効な情報を提供するための測定方法およびそのための装置を提案する。
コークス炉(図1参照)の操業においては、乾留後の炭化室内にあるコークスケーキを押出機を使って炉外に排出する際、炉壁の状況や石炭の乾留状況(収縮)の如何によっては生成したコークスケーキの排出が困難となって閉塞する、いわゆる“押詰り”という現象が発生することがある。この押詰りが発生した場合、炉壁の損傷拡大や生産スケジュールの変更に伴うコークス生産性低下などを招くため、コークスケーキの円滑な押出しを確保することがコークス炉の操業において極めて重要である。
ところで、炭化室内コークスケーキの押出し性を支配する因子としては、乾留後のコークスケーキの炉幅方向の収縮量や押出し中のコークスケーキの変形量、炉壁の状態(付着物や崩壊等)、コークス性状の安定性などが考えられる。乾留後のコークスケーキは、一般に、内部の揮発分の離脱により炉幅方向および炉高方向に対してそれぞれ収縮することが知られている。これにより、例えば、炉壁とコークスケーキ側壁表面との間に隙間が生じて円滑な押出しが可能になる一方で、前記押詰りというトラブルも発生する。その主な原因は、コークスケーキと炉壁および炉床との間の抵抗が大きくなるからである。
この点について、押出し中のコークスケーキは、押出機のラムにより加圧圧縮されると荷重を受けない炉幅方向に広がりやすく(例えば、非特許文献1および2参照)、その結果、炉壁に接触して荷重を発生することになる。コークスケーキが炉壁に接触して発生するこのような荷重については、コークスケーキ中に存在する亀裂の影響が大きいとされている。
このようにして起こる炭化室内でのコークスケーキの押詰りは、該ケーキの炉幅方向における収縮量と押出し時の該ケーキの炉幅方向への広がり程度との兼ね合い、つまりはコークスケーキと炉壁との間で生じる抵抗に起因する場合が大半である。
こうした観点から、従来、コークスケーキの押出し性についての種々の提案がなされている。例えば、特許文献1では、複数銘柄の原料炭の配合において、各単味炭の膨張圧をあらかじめ測定し、得られた各単味炭の膨張圧および各単味炭の配合割合から、単味炭の膨張圧を荷重平均し、これがコークス炉の許容限界圧以下となるように配合割合や配合銘柄を調整する方法を提案している。また、特許文献2では、複数銘柄の原料炭の配合過程において、配合炭を構成する各単味炭のビトリニットの平均反射率と、配合率に基づいて求められる配合炭の平均反射率とから推定したコークスの収縮率を用いてコークスケーキの押出し性を推定する方法を提案している。
ところで、コークスケーキの“押詰り”による押出し不良の現象としては、コークスケーキと炉壁との抵抗に起因する上述した押詰りの他に、押出し時にコークスケーキが上方(天井方向)に迫り上がり(盛り上がり)、やがて天井に達して“突き上げ詰り”を招くことがある。
この点、前者の側壁起因の“押詰り”現象については、コークスケーキを押出す際の抵抗を表わす押出機(押出しラム)の押出し電流の値を用いて管理する方法が有効である。この点について、炉壁れんがの変形や崩落などに起因した押詰りの場合、図2に示すように、前回押出し電流値が通常押出し時(前回)における電流値と比べて大きくなるという、押詰りの予兆が現われるから管理が容易である。しかしながら、図3に示すように、いわゆるコークスケーキの前記“突き上げ詰り”の場合、事前に、炉壁との摩擦抵抗の増大による押出し電流値の増加という押詰りの予兆に相当する現象は現われないことが多く、管理は容易ではない。
コークスケーキの一部の頂部が天井に接触して起こる前記突き上げ詰りの原因としては、コークスサイド側での炉壁れんがの張出しや壁面へのカーボンの付着、成長、あるいはコークスの細粒化によるコークスケーキ破壊などの要因も考えられるが、本当の原因についてはなお不明である。なお、こうした突き上げ詰りが発生した場合、閉塞したコークスケーキを炉外に掻き出す作業が必要となるため、コークスの生産性に大きく影響する。従って、こうした突き上げ詰りを防ぐことはコークス炉の操業に当たって解決しなければならない重要な課題である。
特開平6−212164号公報 特開平2006−249174号公報 特開2005−36021号公報 特開2011−52173号公報
西岡ら著:「コークスサーキュラー」、Vol.35、1986年、p.21−28
以上説明したとおり、特許文献3および4は、側壁起因の“押詰り”を回避するために、コークスケーキと炉壁との摩擦を低減させるための方法であって、炉高方向への盛り上がりによる天井に達する突き上げ詰りの防止方法を提案するものではない。特に、乾留前の石炭高さや乾留後のコークスケーキ高さおよび押出し中におけるコークスケーキの突き上がり量を考慮し、該突き上げ詰りを防止する方法を提案するものではない。
そこで、本発明の目的は、従来技術や現状の対策に鑑み、大きな設備的投資や人的負担を伴うことなく、コークスケーキの盛り上がりに伴う突き上げ詰りを防ぐために必要なコークスケーキ押出し時の突き上がり量を測定する方法およびその測定装置とを提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を解決し、上掲の目的を実現するための方法について検討した結果、発明者らは
炭乾留後のコークス炉炭化室内に生成したコークスケーキの押出しに際して観察される該コークスケーキの突き上がり量を測定する方法において、乾留終了後、各炭化室に設けられている少なくともコークスサイド側から2番目の装入口の装入口の蓋を取外し、そこに、運搬可能な耐熱型マイクロ波距離計を設置し、その装入口直下における押出し時のコークスケーキ高さを、押出しを開始してからそのコークスケーキが前記距離計を設置した装入口直下を通過している間について測定し、測定して得られたコークスケーキ押出し中のコークスケーキの最大高さと、上記コークスケーキ高さの測定を行った装入口の位置における押出し開始時のコークスケーキ高さとの差を、コークスケーキ押出し時の突き上がり量として求めることを特徴とするコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法、
を採用することが有効であることを突きとめ、本発明を開発した。
また、本発明の上記コークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法の実施に当たっては、コークス炉の炭化室天井部分に設けた装入口部に着脱可能に設置して、該炭化室内の乾留後のコークスケーキ突き上がり量を測定する装置であって、セラミック製断熱底板と、この断熱底板の上に立設固定されたドーム型頂部をもつ筒状の耐熱性マイクロ波発生器本体と、該発生器本体の内・外の頂部に取付けられたマイクロ波発・受信器およびセンサーとで構成されているマイクロ波距離計と、そして該マイクロ波距離計に接続されているコントローラおよび、測定して得られたコークスケーキ押出し中のコークスケーキの最大高さと押出し開始時のコークスケーキ高さとの差を計算する計算器とを設けてなることを特徴とするコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定装置を用いることが有効である。
また、本発明の上記測定装置については、さらに、
前記マイクロ波発生器本体は、1以上の冷風取入れ孔を有すること、
(2)前記マイクロ波発生器本体の外表面が断熱シートにして覆われたものであること、
(3)前記断熱底板は、複数個の調節ボルトを具えること、
がより有効な解決手段を提供できる。
上述のような構成を有する本発明を採用すると、コークス炉の炭化室ごとに、生成コークスケーキの円滑な押出しを保障するための石炭装入量を決定することが可能になる。とくに本発明によれば、コークス炉炭化室天井に適する突き上げ詰りを確実に防止することができるようになり、ひいてはコークス炉の安定した操業と生産性の向上とを実現することができる。
押出し前のコークス炉炭化室内の一般的な状態を示す断面図である。 通常(側壁起因)の押詰り発生時における、コークスケーキ押出し中の押出し電流値の例を示す図である。 突き上げ詰り発生時のコークスケーキ押出し中の押出し電流値の例を示す図である。 本発明方法に従いコークスケーキ高さを測定する方法の説明図である。 本発明で使用する測定装置の略線図である。 本発明で使用する測定装置の具体例であるマイクロ波距離計の断面図である。 実施例でのマイクロ波距離計により測定した押出し中のコークスケーキ高さの変化および突き上がり量(L)を示す図である。 他の実施例でのマイクロ波距離計により測定した押出し中のコークスケーキ高さの変化および突き上がり量(L)を示す図である。
本発明は、コークス炉の炭化室炉内側壁や底面の変形や崩壊、各種成分の付着、その成長等に起因する炉幅方向で起こる障害である従来の“押詰り”を防止するための技術とは異なる、いわゆる炉高方向の特に天井との間で起こる障害、即ち“突き上げ詰り”を防止するために採用されるコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法とそのための装置とを提案するものである。つまり、前記“押詰り”解消のためには、その原因である炉側壁面や炉底面の処理が有効となる。しかし、前記突き上げ詰りについては、単に炉側壁面や炉底面の処理などだけでは解決できず、発明者らの知見によれば、石炭(配合炭)装入量を適時・適量に調整することの方が有効である。そのためには、まず、コークスケーキ押出し時の該コークスケーキの突き上がり量を正確に把握することが必要になると考えられる。そこで本発明は、突き上げ詰りの防止のための、コークスケーキ突き上がり量測定方法、およびコークスケーキ突き上がり量測定装置を提案するものであって、これは、従来の押詰り防止のために行なわれる測定技術とは異なるものである。
さて、かかるコークスケーキの突き上げ詰りを防止する方法としては、何よりも石炭装入量の適量を装入するという方法が、生産量の減少を伴うことなく円滑なコークス炉の操業を行なう上で有効となる。そこで、本発明では、押出機による押出し中のコークスケーキ高さの動的な変動について、これを随時(連続的、所定間隔毎)に測定することにより、該コークケーキの突き上がり量を正確に把握し、その突き上がり量に応じた正確な情報に基づいた適量の石炭装入量を、次回の装入炭量から増滅するようにした。このことにより前記突き上げ詰りの確実な防止が図れる。
以下、前記コークスケーキの突き上がり量を計測するために必要となる乾留後のコークスケーキ(頂部)高さの変動を測定する手段について説明する。コークス炉には、通常、石炭を装入するための装入口(装炭孔)が、1つの炭化室につき炉長方向に沿って4〜5個が設けられるのが普通である。一般に、コークス炉の操業中、即ち、石炭の乾留中ならびに乾留直後はこれら装入口には蓋が装着されており外気が侵入しないようになっている。本発明では、コークスケーキ(頂部)の高さを測定するために、乾留終了直後、まずこれら装入口のうちの測定しようとする個所の蓋を取外し、そこに、後で詳述する測定装置を設置したのち、炭化室内のコークスケーキ高さの測定を行なう。因みに、従来は、該装入口の蓋を取外し、上方より棒を挿入することにより炉上からコークスケーキまでの深さを直接に計測し、コークスケーキ高さとしていた。
しかしながら、このような作業は、高熱雰囲気下の作業環境の悪い中で行なわれるため、しかも個人差があるため測定値自体も精度が悪いという問題点があった。しかも、こうした測定法では押出しによって炉内を移動しつつあるコークスケーキの高さ変動を連続的に測定することはできない。そこで本発明では、コークスケーキの高さを非接触に測定するために、マイクロ波距離計を好適例とする測定装置を用いて測定することにした。
以下、本発明に係るコークスケーキ突き上がり量を測定するための装置について説明する。図4は、本発明で用いる運搬(移動)可能な耐熱型測定装置を各装入口G部のうちNo.3とNo.2に設置した状態を示しており、図5は、その測定装置の具体例であるマイクロ波距離計M(M〜M)の外観を示す正面図および斜視図であり、図6は、該マイクロ波距離計Mの部分断面図である。これらの図に示すコークスケーキ突き上がり量の測定装置、即ちマイクロ波距離計Mは、コークス炉炭化室R内の室温が通常、1000℃程度まで上昇することから、全体として耐熱構造にすることが必要である
そのために、該マイクロ波距離計Mは、炭化室R内から受ける高温輻射熱への対策のために、断熱底板1を設けて遮断する構造としてある。具体的には、酸化物系や窒化物系などセラミックスなどからなる断熱底板1の上に、全体として円筒状で上部がドーム形をしているステンレス鋼製のマイクロ波発生器本体2であるアンテナを設置した構成が好ましい。また、該マイクロ波発生器本体(アンテナ)2の主として下部、より好ましくは略その全体が断熱シート3にて覆われ全体的に遮熱できる構造とする。即ち、該測定装置(下記フレキシブルホースを含む)全体が装入口Gを通じて炭化室R内から上昇してくる火炎や高熱粉塵から保護できるように構成される。
前記マイクロ波発生器本体2は、内部が中空のドーム部2a頂部の内側にマイクロ波発・受信器4aを備えると共に、ドーム部2a頂部の外側にはセンサ4bを備えた構成となっている。そして、そのセンサ4bにて受信したマイクロ波の信号が、離間した外部位置にあるコントローラ5と記録媒体兼計算機6に出力されるように構成されている。なお、該センサ4bとコントローラ5および計算機6とはケーブルを保護するためのフレキシブルホースにて接続されている。
なお、このマイクロ波発生器本体2のドーム部2aには、必要に応じて1以上の冷風取入れ孔2hが開口させ、この冷風取入れ孔2hより、ドーム部2a内部に冷風を導入して前記マイクロ波発・受信器4aを冷却できるようにすることが好ましい。また、前記断熱底板1には高さと水平度を調節するための複数個の調節ボルト7を設けること、さらには図示を省略したが移動用キャリアを設けてもよい。
上述したように、本発明に係る測定方法に実施に用いマイクロ波距離計Mの前記センサ4bは、断熱シート3にて被覆されたケーブルを介して外部のコントローラ5に接続されており、さらに、計算機(PC)6等の端末と接続することで、炭化室R内コークスケーキCc頂部までの距離および該測定装置のドーム内温度の経時変化をモニタリングすることが可能である。特に、本発明の測定装置によれば、前記マイクロ波発・受信器4aから照射されるマイクロ波により、コークスケーキCc頂部と測定装置までとの距離(または天井までの距離)の瞬間値が非接触で正確にかつ連続的に測定できる。
また、本発明は、押出し中の装入口G直下におけるコークスケーキの移動中の高さ変化を測定する方法を提案する。この方法において、コークスケーキCcは最もコークスサイド側の装入孔より内側で盛り上がるため、押出し中の盛り上がりを観察するにはコークスサイド側から一つ炉の内側の装入孔(図4(a)に示すとおり、装入孔が4つ存在する場合にはマシンサイド側から3番目の#の装入孔、即ち、コークスサイド側からは2番目)で測定するのが好ましい。ただし、コークスケーキCcは、押出し中にも盛り上がる可能性があるため、#に加えてさらにもう一つ内側のマシンサイド側にある装入孔(図4(b)に示すとおり、装入孔が4つ存在する場合には#の装入孔)でも測定することがより好ましい。
具体的なコークスケーキ高さの測定のタイミングについては、炭化室炉蓋を取り外した後、装入孔G上に設置したマイクロ波発生器本体2からコークスケーキCc上面に対してマイクロ波の照射を開始する。そして、押出し機の押出しラム8がコークスケーキCcを押出し始めると同時に、PCあるいはデータロガー等の記録媒体6より測定された信号の記録を開始する。
なお、測定終了のタイミングは、コークスケーキCcの押出しが完了した後、押出しラム8が炭化室内をマシンサイド側へと後退し、マシンサイドの炭化室の炉蓋が装着されたときとする。その理由は、炉蓋の装着前に測定装置を取り出すと、該炭化室R内から熱風の吹き出しが想定されるからである。従って、測定装置の装入口G上からの撤去は、炉蓋の装着後に行なうようにする。
次に、前記のマイクロ波距離計Mを使って具体的に測定する一例を説明する。本発明においては、まず、押出し前後のコークスケーキCc頂面の高さ(hcs、hcm)を測定することにより、最終的には装入口G直下におけるコークスケーキの突き上がり量(L)を求めることになる。そして、その突き上がり量(L)を考慮して、爾後における炭化室R内に装入する石炭(配合炭)の装入量を決定するのである。
以下、図4(a)、(b)に基づいて、前記突き上がり量(L)を求める方法の一例を説明するが、実際の計算方法は例示のものだけには限られない。さて、炭化室内天井高さを(H)とし、乾留後の石炭装入高さ(即ち、乾留後押出し前コークスケーキ高さ)を(hcs)とし、そして押出し中におけるコークスケーキの最大高さを(hcm)とするとき、前記突き上がり量(L)、即ち盛り上がり高さは〔hcm−hcs〕で与えられ、コークスケーキCcの盛り上がり可能高さ、即ち天井下面までの余裕代、即ち(d)は〔H−hcm〕で与えられる。なお、コークスケーキ高さ(hcs)、(hcm)の測定に当たって、特に盛り上がり可能(余裕)高さ(d)の算出に際しては、炉天井の厚み(t)を考慮して計算する。
測定に当たっては、乾留終了後、押出しの前にまず、コークス炉の各炭化室天井に複数個存在する装入口Gを塞いでいる装入蓋のうち測定位置のものを取外し、前記マイクロ波距離計Mをその装入口G上に設置する。そして、測定に際しては、まずコークスケーキCc頂面に向けてマイクロ波を照射することにより、コークスケーキ高さ(炉底からケーキ面)の距離hcsを測定する。そして、コークスケーキを排出するために、マシンサイド(MS)およびコークスサイド(CS)のそれぞれの炉蓋を開け、次いで、押出機のラム8を押し進めて、コークスケーキCcの押出し開始する。このとき、炭化室R内の熱風が装入口Gから吹出すのを防ぐため、装入蓋の取外しと装入口Gへのマイクロ波距離計Mの設置は、炉蓋を開く以前に行うことが望ましい。
その後、このマイクロ波距離計Mを図5に示すように、一部もしくは全部を断熱シート3にて被覆して保護する。なお、その断熱シート3のみでは不十分な場合、必要に応じて該断熱シート3上にさらに不定形耐火物材料を吹付けなどして被覆する。
次に、該マシンサイド(MS)にある押出機の押出しラム8をMS側のコークスケーキ側面に押付けてさらに押し進め、最終的にコークスサイド(CS)側から炉外に排出する。
押出し中のマイクロ波距離計Mによるコークスケーキ頂面高さの測定は、装入口G直下のコークスケーキ高さ(hcm)を測定し、PCあるいはデータロガー等の記録媒体に順次に記録する。なお、コークスケーキCcの押出し時、押出機のラムヘッドがコークスケーキに触れて実際に押出しを始める時刻と測定開始時刻を一致させたい場合は、押出機を操作するオペレーターと測定者とが無線等を使って連絡し合って行なうようにすることが望ましい。
次に、上述のようにして押出し時に観察されるコークスケーキの、炭化室(窯)ごとの突き上がり量(変形量)(L)が求められるこれらの測定値からはまた、過去の一定期間についての平均値を求めることができ、これを各炭化室に固有の基準突き上がり量(Lm)とする。その基準突き上がり量(Lm)は、各炭化室(R)の特定の装入口G直下の位置、例えば、盛り上がり現象が最も現われやすいマシンサイド(MS)側から2番目の装入口部で測定された値であって、この位置におけるコークスケーキ高さの最大値hcmと装入口G直下の押出し直前のコークスケーキ高さ(hcs)との差で表わされる。即ち、この値が各炭化室Rの特定装入口G部における基準突き上がり量(Lm)となる。
このようにして、現コークス炉操業時のコークスケーキ突き上がり量(L)が求められる。この値(L)は、過去の複数回(ただし、大きな配合変更をしていない期間)の平均値である前記基準突き上がり量(Lm)の算定の基礎となる。従って、次回の装入炭量の増減量の調節は、各炭化室毎の前記基準突き上がり量(Lm)と今回の突き上がり量(L)とを比較することにより行なう。
例えば、今回、突き上がり量(L)が、過去の操業実績の平均値から求められる基準突き上がり量(Lm)よりも大きいか、小さいかによって、次回コークス炉操業時の装入炭量を調節するのである。即ち、(L)と(Lm)との値があまり差がないときは、前回並とし、その差が大きいときは装入炭量を増減する方向で調節する。例えば、(L)と(Lm)との差が大きくなり、押出し中のコークスケーキの盛り上がり量が次第に大きくなって突き上げ詰りが予想された場合、コークスケーキの炭化室天井への突き上がりを確実に防止するべく、次回装入炭量を減少させる対応を取ることになる。
なお、前記基準突き上がり量(Lm)を設定するに当たっては、装入炭である石炭、即ち配合炭について、設定期間内において大きな配合変更を伴わない期間である複数回のコークス炉(各窯)の操業実績の平均値、例えば、1週間程度の操業実績を基準とし、これを装入炭量決定の比較値とする。
(実施例1)
この実施例では、コークスケーキの突き上げ詰りが多発する炭化室(窯)に対し、上述した方法により、乾留後のコークスケーキの突き上がり量(L)を測定した。図7に、このときの押出し中のコークスケーキ高さ(hcm)の変化を示す。なお、この図に示すコークスケーキ高さ(hcm)の変化は、2番装入口(コークスサイド側から2番目)に設置したマイクロ波距離計Mにより測定した値である。この図から、押出機の押出しラム8の作動に伴い、コークスケーキCcは徐々に変形して上部に盛り上がり、突き上げ詰りの予兆が確認された。
このとき(押出し)のコークスケーキの突き上がり量(L=hcm−hcs)を算出したところ、A炭化室(A窯)については1024mm、B炭化室(B)に関しては1232mmとなり、いずれも1000mm以上ものコークスケーキの突き上がり量(L)が観察され、炭化室A、Bそれぞれに異常性が認められた(図7(a))。
そこで、マイクロ波距離計Mによるコークスケーキ高さの突き上がり量(L)の測定を、1炉団86窯について、1週間継続して行い、上述した方法によって各窯の固有の基準突き上がり量である基準突き上がり量(Lm)を求めた。そして、乾留後のコークスケーキ高さ測定値から得られる前記突き上がり量(L)が上記基準突き上がり量(Lm)以下となるよう、以後の石炭装入量を調整(減少)する操業を行った。その結果、図7(b)に示すように、当該コークス炉における突き上がり量(L)は小さくなって突き上げ詰りの発生率が約70%減少し、本発明の有効性が確認された。
(実施例2)
この実施例は、#3(コークスサイドから3番目)にマイクロ波距離計を設置して測定した例である。図8は、この例でのコークスケーキ高さの経時変化を示す。この図に示すように、#3装入口の位置は#2の装入口と比較してマシンサイドに近いため、押出し開始直後からコークスケーキが装入口直下を通過するまでに要する時間が短く、図7と比較するとコークスケーキ高さの変化を測定できる期間が短いという結果になった。
本発明に係るコークスケーキ押出し時の突き上がり量の測定方法およびその装置は、コークスケーキの突き上げ詰りの防止技術に利用できるだけでなく、この技術を利用すれば炭化室の側壁や底面の異常等、あるいは配合変更に従う押詰りの予防技術としても利用が可能である。
G 装入口
M マイクロ波距離計
R 炭化室
Cc コークスケーキ
1 断熱底板
2 マイクロ波発生器本体
2a ドーム部
2h 冷風取入れ孔
3 断熱シート
4a マイクロ波発・受信器
4b センサ
5 コントローラ
6 計算機
7 調節ボルト
8 押出機の押出しラム

Claims (5)

  1. 石炭乾留後のコークス炉炭化室内に生成したコークスケーキの押出しに際して観察される該コークスケーキの突き上がり量を測定する方法において、
    乾留終了後、各炭化室に設けられている少なくともコークスサイド側から2番目の装入口の装入口の蓋を取外し、そこに、運搬可能な耐熱型マイクロ波距離計を設置し、その装入口直下における押出し時のコークスケーキ高さを、押出しを開始してからそのコークスケーキが前記距離計を設置した装入口直下を通過している間について測定し、
    測定して得られたコークスケーキ押出し中のコークスケーキの最大高さと、上記コークスケーキ高さの測定を行った装入口の位置における押出し開始時のコークスケーキ高さとの差を、コークスケーキ押出し時の突き上がり量として求めることを特徴とするコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定方法
  2. コークス炉の炭化室天井部分に設けた装入口部に着脱可能に設置して、該炭化室内の乾留後のコークスケーキ突き上がり量を測定する装置であって、セラミック製断熱底板と、この断熱底板の上に立設固定されたドーム型頂部をもつ筒状の耐熱性マイクロ波発生器本体と、該発生器本体の内・外の頂部に取付けられたマイクロ波発・受信器およびセンサーとで構成されているマイクロ波距離計と、そして該マイクロ波距離計に接続されているコントローラおよび、測定して得られたコークスケーキ押出し中のコークスケーキの最大高さと押出し開始時のコークスケーキ高さとの差を計算する計算器とを設けてなることを特徴とするコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定装置。
  3. 前記マイクロ波発生器本体は、1以上の冷風取入れ孔を有することを特徴とする請求項2に記載のコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定装置。
  4. 前記マイクロ波発生器本体の外表面が断熱シートにして覆われたものであることを特徴とする請求項2または3に記載のコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定装置。
  5. 前記断熱底板は、複数個の調節ボルトを具えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1に記載のコークスケーキ押出し時の突き上がり量測定装置。
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