JP2001040359A - コークス炉の操業方法 - Google Patents

コークス炉の操業方法

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JP2001040359A
JP2001040359A JP11213972A JP21397299A JP2001040359A JP 2001040359 A JP2001040359 A JP 2001040359A JP 11213972 A JP11213972 A JP 11213972A JP 21397299 A JP21397299 A JP 21397299A JP 2001040359 A JP2001040359 A JP 2001040359A
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furnace
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resistance
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Tsuneji Masamori
恒二 政森
Hiroyuki Tagawa
裕之 田川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接目視観察することなく、コークス炉炭化
室の状況、すなわち、カーボン付着あるいは炉壁面の損
傷の度合いを早期に確認し、適切な処置を講じる。 【解決手段】 押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗
の測定と同時に、押出ラムに搭載した一対の非接触式距
離計によって窯幅を連続計測すると共に、窯幅検出位置
を撮像装置で連続撮影する。そして、検出した押出抵抗
波形と窯幅データに基づき押出抵抗の上昇位置を特定す
る。押出抵抗の上昇位置の映像から押出抵抗の上昇原因
をカーボン付着、炉壁損傷、装入炭の性状あるいは乾留
状況のいずれに起因するものであるかを決定し、炉壁補
修の要否を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コークス炉の炭
化室から赤熱コークスを押し出す際、押出ラムに負荷さ
れる押出抵抗の異常原因を、目視観察することなく決定
できるコークス炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】室炉式コークス炉は、炉体の下部に蓄熱
室があり、その上部に20余ないし30余のフリュー列から
なる燃焼室と炭化室とが交互に配列されている。燃料ガ
スおよび空気(富ガス燃焼の場合は空気のみ)は、蓄熱室
で予熱されたのち燃焼フリューで燃焼する。燃焼排ガス
は、引き落としフリューから隣接する蓄熱室へ入り、そ
こで熱回収された後、煙道を経て煙突から排出される。
【0003】室炉式コークス炉は、高温領域で機械的強度が
大きく、かつ体積変化が少なく、熱伝導性が比較的良好
であると共に、材料が安価で大量に入手できる等の理由
から、過半数が珪石煉瓦で構築され、特に燃焼室と炭化
室とを区画する炉壁は全て珪石煉瓦で構築されている。
しかし、珪石煉瓦は、低温領域での温度変化による体積
変化が大きいため、亀裂、剥離など、いわゆるスポーリ
ングを起こし易い欠点がある。そのため、温度変化の激
しい箇所には、粘土質煉瓦が使われる。
【0004】室炉式コークス炉の稼働中の温度は、コークス
炉ガス、高炉ガスの単独または混合ガスを燃料ガスとし
て燃焼させることによって、最も高い燃焼室で1100〜 1
300℃程度に、また、炭化室の石炭への熱伝達表面では
約1000℃程度となっている。
【0005】コークス炉の炭化室においては、乾留を終了し
た赤熱コークスを排出した直後に、水分を6〜9%含有す
る常温の石炭(近年では、調湿炭と称する加熱乾燥炭も
多く、この場合多くは水分6%以下、時には2%台のものも
ある。)が装入され、18〜25時間後に約1000℃のコーク
スとして排出される。すなわち、炭化室の炉壁面は、18
〜25時間周期で常温から約1000℃の熱変化サイクルが繰
り返され、900℃異常の熱変動を受けている。
【0006】炉壁を構成する珪石煉瓦は、このような状況の
熱変化に対して非常に悪影響が大きく、現実的には前記
熱変動によって炉壁煉瓦表面にスポーリングが発生す
る。また、炉壁煉瓦に生じる微細な亀裂は、長期間に亘
って繰り返されると、微細な亀裂に石炭の炭化過程で発
生するカーボンが侵入積層化し、徐々に亀裂の幅および
深さが増長することとなる。
【0007】一方、通常コークス炉は、操業を開始すると寿
命が尽きるまで連続運転されるため、操業開始後に微小
であった炉壁煉瓦の損傷が、長年に亘る操業すなわち操
業開始後の経過年数によって損傷が次第に大きくなり、
炉壁の強度が低下して炉体の脆弱などの問題が発生する
こととなる。また、石炭の乾留によって発生するコーク
ス炉ガスは、炉壁煉瓦が損傷すると、炭化室側と燃焼室
側との圧力バランスによって、その一部が亀裂部などを
介して燃焼室側に漏洩し、燃焼室内の空燃比に影響を与
え、現実的には酸素不足を招いて不完全燃焼を引き起こ
すこととなる。
【0008】燃焼室での不完全燃焼の度合いは、炉壁煉瓦の
損傷の程度によって変化し、損傷の程度が大きいと不完
全燃焼による煤煙が煙道を介して煙突から大気中に黒煙
となって放出されるが、この黒煙は大気環境を悪化させ
るものである。この煙突からの黒煙発生タイミングは、
装炭直後の発生ガス量が比較的多くて炭化室内の圧力が
高くなる装炭後の乾留初期に顕著であり、その後徐々に
低減するのが一般的である。
【0009】コークス炉の炉体の脆弱等の問題発生は、コー
クスの排出性(押出性)を悪化させ、著しい場合には押出
作業の途中で止まる押し止まりや、詰まって押し出すこ
とのできない押し詰まりが発生する。押し止まりや押し
詰まりの発生は、炉壁煉瓦に多大の負荷を加えることに
なるため、炉体の損傷の更なる進行、最悪の場合、炉壁
の崩壊を招き、当該炭化室の使用を停止しなければなら
ない事態となる。
【0010】また、損傷進行による炉壁厚みの局部的変化
は、熱伝導変化による石炭のコークス化状況のバラツキ
の増大、あるいは燃焼室内の異常燃焼が顕在化(コスト
悪化と環境問題)を招き、最終的に製品コークスの排出
性(押出性)が悪化し、コークス炉の操業が不安定となっ
て、コークス炉の寿命の終焉を迎えることとなる。
【0011】コークス炉が使用不能となった場合は、新しく
コークス炉を建設する必要があるが、コークス炉の建設
には莫大な設備投資が必要であるため、既存のコークス
炉をいかに安定して長く使用するかが大きな課題となっ
ている。既存のコークス炉を長く使用するには、操業を
安定させ(押出性を悪化させない)ることにより、炉壁へ
の余分な負荷を除き、炭化室側炉壁煉瓦の損傷を進行さ
せないことと、炭化室の炉壁煉瓦の損傷部を早く補修す
ることが不可欠であるため、押出性の悪化状況や炉壁煉
瓦の損傷状況を早く検知することが基本的に重要とな
る。
【0012】従来、押し止まりや押し詰まりの防止対策とし
ては、押出抵抗を検知して監視管理することによって未
然に防止する方法、例えば、押出抵抗が増加する傾向に
ある場合は、置き時間を延長して十分に乾留したり、押
出抵抗の大きい炭化室については炉壁付着カーボンの除
去や炉壁、炉底の補修を行う等により対応していた。
【0013】なお、押出負荷の管理方法としては、日々のコ
ークス炉操業における押出ラムの速度切替ノッチを最後
に切替えてからブレーキ作動位置までの範囲の、ラムヘ
ッドの移動量に対する駆動モータの負荷電力の変動波形
から、統計手法により指標を設定し、その指標値により
炉壁の損傷状況を判定する方法(特開平8-53676号公
報)、コークス窯出しサイクル毎に押出ラムによるコー
クスの全窯出し経過時間に亘り、窯出し抵抗の変動をラ
ム駆動用モータの電力消費量の推移として検出すること
によって、乾留実績データベースとし、乾留実績データ
の内で既往平均電力消費量の推移と、最新電力消費量の
推移、または最新平均電力消費量の推移とを表示させ、
これらの両者を比較解析して炭化室壁面の異常を判定す
る方法(特開平8-134458号公報)が提案されている。
【0014】また、炭化室炉壁面へのカーボン付着状態の把
握方法としては、押出機の押出電流を検出し、その押出
電流のピーク値以降の異常電流ピーク値からカーボン付
着状況を検知する方法(特公昭55-5558号公報)、各窯毎
の押出負荷を電力の時間積算値または電流の時間積算値
に変換して検出し、予め各窯の履歴に基づいて各窯毎に
設定した基準値と対比し、カーボン付着を検知する方法
(特公昭60-4238号公報)、コークス押出機が受ける荷重
の経時変化を測定し、測定した荷重のピーク値の窯出し
開始からの経過時間までにコークス押出機が移動した距
離を求め、この距離に基づいて炭化室炉壁面に付着した
カーボン位置を検知する方法(特開昭62-34982号公報)が
提案されている。
【0015】さらに、炭化室の異常状況の判定方法として
は、押出性から間接的に判定する方法と、窯幅形状計測
値より直接的に判定する方法が提案されている。押出性
から間接的に判定する方法としては、前記特開平8-5367
6号公報、特開平8-134458号公報が提案されている。ま
た、窯幅形状計測値より直接的に判定する方法として
は、接触方式の押出ラムに炭化室内の高温度から遮断さ
れた収納室に設けられた変位体の移動をチャート紙に記
録し、炉壁煉瓦の凹凸による変位体の変位を高温状態で
判定する炉幅測長装置(実公平1-1107号公報)が提案され
ている。
【0016】また、押出機ラムヘッド部の光三角法測定装置
で炭化室幅を測定してカーボン付着量分布を解析して記
憶後、それに基づき気体噴射量を制御し、カーボン付着
量に応じて標記炭化室のカーボンを効率よく除去する方
法(特公平7-65049号公報)、押出機のラムヘッドの進行
距離に応じて補正した基準値を、測定値から差し引くこ
とにより、炭化室の左右炉壁それぞれの損耗量を高精度
に測定する方法(特開平7-243812号公報)が提案されてい
る。
【0017】さらに、押出ラムまたはラムビーム上の距離セ
ンサの設置位置から押出機上のある固定点に張ったワイ
ヤーのふれ量を押出機上に設けたワイヤー位置センサで
測定し、押出ラムの蛇行、ラムビームの曲がりによる距
離センサの基準線に対するずれを算出するとともに、押
出ラムの揺れ角度を押出ラム上に設けた傾斜計で測定し
て押出ラムの揺れに伴う距離センサの炉幅方向の位置ず
れを算出し、それぞれの側壁面までの距離測定値を補正
する側壁面プロフィール測定装置(特開平9-249884号公
報)が提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平8-53676号
公報、特公昭55-5558号公報に開示の押出電流ピーク値
からカーボン付着状況や炉壁状況を判定する方法は、異
常電流ピークはカーボンや炉壁異常の進行度合いにより
必ずしも発生するものではない。
【0019】また、特開平8-134458号公報、特公昭60-4238
号公報および特開昭62-34982号公報に開示の方法は、押
出負荷の上昇が炉壁面へのカーボン付着、炉壁面の肌荒
れや欠損などの損傷に起因するものであるか、装入炭の
性状や炉の乾留状態に起因するものであるか判断でき
ず、炉壁面を目視観察により判断して、その後の対応を
決定しており、迅速な対応ができなかった。また、炉壁
面の目視観察は、結果として炉蓋開放時間を長くしてし
まい、窯口部のカーボンが焼失することにより燃焼室へ
の発生コークス炉ガスの漏れ込みが増大し、煙突黒煙発
生および増大という環境問題を誘発させてしまうため、
できるだけ避けるべきである。
【0020】さらに、特公平7-65049号公報、特開平7-24381
2号公報および特開平9-249884号公報に開示の方法は、
レーザによる距離の計測のみのため、炉壁面の形状の問
題かカーボンなどの付着の問題なのかの区別ができない
という問題点を有している。
【0021】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消
し、直接目視観察することなく、コークス炉炭化室の状
況、すなわち、カーボン付着あるいは炉壁面の損傷の度
合いを早期に確認し、適切な処置を講じられるコークス
炉の操業方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のコークス炉の操
業方法は、コークス炉の炭化室から赤熱コークスを押出
す際、押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗の測定と
同時に、押出ラムに搭載した一対の非接触式距離計によ
って窯幅を連続計測すると共に、窯幅検出位置を撮像装
置で連続撮影する。そして、検出した押出抵抗波形と窯
幅データに基づき押出抵抗の上昇位置を特定する。その
押出抵抗の上昇位置の映像から押出抵抗の上昇原因をカ
ーボン付着、炉壁損傷、装入炭の性状あるいは乾留状況
のいずれに起因するものであるかを決定し、炉壁補修の
要否を判定するのである。
【0023】このように、押出抵抗波形と窯幅データに基づ
き押出抵抗の上昇位置を特定し、その押出抵抗の上昇位
置の映像により炭化室内の状況を把握することによっ
て、押出抵抗の上昇原因を特定でき、適切な処置(補修
等)を早期に講じることができ、炉寿命の延長を図るこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】炭化室の炉壁に欠損などの損傷が
発生した場合、例えば、図6(a)に示すような炉壁1の欠
損2では、損傷部において膨らんだ形状のコークス3が生
成するため、膨らんだ形状のコークス部分が排出されれ
ば、図7に示すように押出トルクは正常時なみに低下す
る。また、例えば、図6(b)に示すように炭化室の炉壁1
にカーボン4が付着成長した場合は、押出されるコーク
ス3がカーボン4の付着部分を通過すれば、図7に示すよ
うに押出トルクは正常時なみに低下する。そのため、図
6(a)(b)に示すような位置関係で炉壁損傷およびカーボ
ン付着があった場合は、図7に示すように押出抵抗波形
の乱れはほぼ同じである。なお、図6、図7中のM/Sは押
出機側を示し、C/Sはコークガイド車側を示す。
【0025】しかし、実際には、コークス炉の炉長方向に炉
壁損傷部とカーボン付着部が複雑に形成されており、押
出抵抗波形のみでその原因を特定することは不可能に近
い。したがって、異常が発生した場合には、押出抵抗波
形だけでなく、炉内の目視観察により判断するしかない
が、目視観察に関しても窯口から3〜15mに及ぶ広範囲で
あるため、判断にもある程度の経験と時間が必要とな
る。
【0026】この発明においては、非接触式の距離計と撮影
可能な撮像装置を押出ラックビーム上に搭載し、押出抵
抗波形に異常の見られた窯に対して、距離計により連続
的に測定される炉長方向の炉壁間距離、すなわち、炉幅
と、炉長方向の炉幅の規定値(設計値)との差を求める。
また、同時に撮影した炉長方向の映像から炉壁の損傷に
よる湾曲もしくはカーボンなどの付着による突起物とを
区別することができる。したがって、この発明において
は、炉壁の損傷あるいはカーボン付着を早期に検知で
き、炉壁の損傷への早期対応が可能となる。
【0027】この発明において使用する非接触式の距離計と
しては、炉壁までの距離を測定できればよく、特に限定
されないが、例えば、一対のレーザ距離計、超音波距離
計を用いることができる。この場合、測定子と記録部が
一体的に構成した距離計を用いれば、距離データを電送
するケーブルを省略することができる。
【0028】この発明において使用する撮像装置としては、
炉幅測定位置を撮影できればよく、特に限定されない
が、例えば、撮影した映像をテープに記録できる小型ビ
デオカメラ、あるいは撮影した映像をモニタに表示でき
るCCDカメラ、ファイバースコープ等を用いることがで
きる。なお、撮影した映像をモニタに表示する場合に
は、映像を電送するケーブルを炭化室内の高温から保護
する必要があることはいえまでもない。
【0029】上記非接触式の距離計および撮像装置は、遮蔽
された断熱冷却箱内に設置し、両側の炉壁に指向するよ
うに押出ラムあるいはラックビーム上に搭載する。距離
計と撮像装置を内蔵した一対の断熱冷却箱は、1対また
は炉高方向に複数対設置する。
【0030】
【実施例】炉高6000mm、炉幅450mm、炉長15560mm、有効
容積37.9m3の窯数106門からなるコークス炉において、
押出ラムに負荷される押出抵抗の測定と同時に、炉底よ
り高さ2500mm位置の押出ラムとラムヘッドとの接続位置
に、アルミニウムの箱に断熱材(ロックウール)を巻き、
水をしみこませて冷却した一対の断熱冷却箱内に測定子
と記録部を一体的に構成したレーザ距離計と小型ビデオ
カメラを両側の炉壁に向けて設置し、炉長方向の炉幅を
連続測定すると共に、炉幅測定位置の映像を連続撮影し
てテープに記録した。その結果を図1〜図5に示す。な
お、押出機側(以下M/Sという)窯口からの距離は、押出
ラムを駆動するピニオンの回転数を基に窯口からの押出
ラムの移動距離を計算により求めた。
【0031】図1は同一窯における押出抵抗(ピークトルク
値)とピーク発生位置の押出し毎の推移データを示す。
図1に示すように、日数の経過とともに押出ピークトル
ク値は上昇しているが、ピーク発生位置は殆ど変化して
いない。この炭化室のM/S窯口からの距離と炉幅計測結
果との関係を図2に示す。図2に示すように、炉壁面で炉
幅の狭くなっている場所があり、映像から(窯口からの
目視観察も同時に実施)カーボンの付着が見られた。そ
こで、カーボンの除去処理を実施したところ、図1に示
すように、押出し性が好転した。
【0032】また、図3は他の同一窯における押出抵抗(ピー
クトルク値)とピーク発生位置の押出し毎の推移データ
を示す。図3に示すように、日数の経過とともに押出ピ
ークトルク値は急激に上昇しているが、ピーク発生位置
は殆ど変化していない。この炭化室のM/S窯口からの距
離と炉幅計測結果との関係を図4に示す。図4に示すよう
に、コークガイド車側(以下C/Sという)の窯口部の炉幅
が狭くなっており、映像から(窯口からの目視観察も同
時に実施)窯口煉瓦のセリだしが見られた。そこで、窯
口煉瓦のセリだしを補修したところ、図3に示すよう
に、押出し性が好転した。
【0033】さらに、図5は他の同一窯における押出抵抗(ピ
ークトルク値)とピーク発生位置の押出し毎の推移デー
タを示す。図5に示すように、日数の経過とともに押出
ピークトルク値は急激に上昇し、かつピーク発生位置の
変化も見られた。この炭化室の炉幅測定値荷は数値的に
異常な部分もなく、映像からも炭化室内炉壁には特に問
題は見られなかった。この窯に関しては、炭種の影響か
らコークスの圧縮量が小さいため、押出し性が悪化した
と判断し、それ以降乾留時間を延長したところ、押出し
性が好転した。
【0034】
【発明の効果】本発明のコークス炉の操業方法は、押出
機の押出ラムに負荷される押出抵抗と同時に、押出ラム
に搭載した一対の非接触式距離計によって窯幅を連続計
測するとともに、窯幅検出位置をビデオカメラで連続撮
影する。そして、検出した押出抵抗波形と窯幅データに
基づき押出抵抗の上昇位置を特定し、該押出抵抗の上昇
位置の映像から押出抵抗の上昇原因をカーボン付着、炉
壁損傷、装入炭の性状あるいは乾留状況に起因するもの
であるかを決定し、炉壁補修の要否を判定する。したが
って、炭化室内の目視観察を行うことなく、炉壁補修の
要否を判定できる。また、コークス炉寿命の短縮の原因
となる押止まり、押詰まり等の押出しトラブル防止が容
易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における同一窯の押出抵抗(ピークトル
ク)と押出ピーク位置と経過日数との関係を示すグラフ
である。
【図2】実施例における同一窯の炉幅計測結果とM/S窯口
からの距離と炉幅設計値(煉瓦膨張率1.2%)との関係を示
すグラフである。
【図3】実施例における他の同一窯の押出抵抗(ピークト
ルク)と押出ピーク位置と経過日数との関係を示すグラ
フである。
【図4】実施例における他の同一窯の炉幅計測結果とM/S
窯口からの距離と炉幅設計値(煉瓦膨張率1.2%)との関係
を示すグラフである。
【図5】実施例における他の同一窯の押出抵抗(ピークト
ルク)と押出ピーク位置と経過日数との関係を示すグラ
フである。
【図6】炉内の状況を示す説明図で、(a)図は炭化室の炉
壁に欠損が発生した状態、(b)図は炭化室の炉壁にカー
ボンが付着成長した状態を示す。
【図7】コークス押出時の押出トルクの正常時と異常時
における炉長方向長さの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 炉壁 2 欠損 3 コークス 4 カーボン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉の炭化室から赤熱コークスを
    押し出す際、押出機の押出ラムに負荷される押出抵抗の
    測定と同時に、押出ラムに搭載した一対の非接触式距離
    計によって窯幅を連続計測すると共に、窯幅検出位置を
    撮像装置で連続撮影し、検出した押出抵抗波形と窯幅デ
    ータに基づき押出抵抗の上昇位置を特定し、該押出抵抗
    の上昇位置の映像から押出抵抗の上昇原因をカーボン付
    着、炉壁損傷、装入炭の性状あるいは乾留状況のいずれ
    に起因するものであるかを決定し、炉壁補修の要否を判
    定することを特徴とするコークス炉の操業方法。
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