JP5920579B2 - コークス炉炉体の管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉炉体の管理方法に関し、特にコークスケーキの押出し時に観察される炉高方向(炉天井方向)への該コークスケーキの盛り上がり変形に伴う突き上げ詰りを招くことなく、常に円滑な押出しができるようにするための、コークス炉炉体、とくに炭化室内壁面を補修するなどして管理する方法を提案する。
一般に、コークス炉は、炭化室内に装入した石炭を、隣接する燃焼室から供給される熱により乾留することでコークスを製造する炉である。炭化室に装入された石炭は、約15〜24時間の加熱乾留により、約1000℃の赤熱コークス(コークスケーキ)となる。この時点で、コークス炉の炭化室の長さ方向(炉長方向)の両端に設置されたそれぞれの炉扉を取り外して炉長方向の両側を開口させる。その後、マシンサイド(MS側)の開口から押出機の押出しラムを繰り出して赤熱状態のコークスケーキを押し込むことにより、他方の排出側(コークスサイド:CS側)開口から排出し、炉外で冷却して製品コークスとする。
前記コークス炉の操業では、炭化室内にある乾留後に生成したコークスケーキを押出機を使って炉外に排出する際、炉壁の状況や石炭の乾留状況(収縮)の如何によっては生成したコークスケーキの排出が困難となって閉塞する、いわゆる押詰りという現象を発生することがある。この押詰りが発生した場合、炉壁の損傷拡大や生産スケジュールの変更に伴うコークス生産性低下などへの影響が懸念される。従って、コークスケーキの押出し性を向上させることは、コークス炉の操業に当たって極めて重要である。
ところで、炭化室内コークスケーキの押出し性を支配する因子としては、乾留後のコークスケーキの炉幅方向の収縮量や押出し中のコークスケーキの変形量、炉壁の状態(付着物や崩壊等)、コークス性状の安定性などが考えられる。乾留後のコークスケーキは、一般に、内部の揮発分の離脱により炉幅方向および炉高方向に対してそれぞれ収縮することが知られている。これにより、例えば、炉壁とコークスケーキ側壁表面との間に隙間が生じて円滑な押出しが可能になる。しかし、上述したように、押詰りというトラブルもまたしばしば発生する。その主な原因は、コークスケーキと炉壁および炉床との間の抵抗が大きくなる場合である。従って、コークスケーキの押出しは、該コークスケーキの収縮量が大きい(間隙が大きくなる)ほど容易となる。
この点について、押出し中のコークスケーキは、押出機のラムにより加圧圧縮されると荷重を受けない炉幅方向に広がりやすく(例えば、非特許文献1および2参照)、その結果、炉壁に接触して荷重を受けることになる。コークスケーキが炉壁に接触して発生するこのような荷重については、コークスケーキ中に存在する亀裂の影響が大きいことが知られている。
このようにして起こる炭化室内でのコークスケーキの押詰りは、該ケーキの炉幅方向における収縮量と押出し時の該ケーキの炉幅方向への広がり程度との兼ね合い、つまりはコークスケーキと炉壁との間で生じる抵抗に起因する場合が大半である。
こうした観点から、従来、コークスケーキの押出し性についての種々の提案がなされている。例えば、特許文献1では、複数銘柄の原料炭の配合において、各単味炭の膨張圧をあらかじめ推測し、得られた各単味炭の膨張圧および各単味炭の配合割合から、単味炭の膨張圧を荷重平均し、これがコークス炉の許容限界圧以下にするように配合割合や配合銘柄を調整する方法を提案している。また、特許文献2では、複数銘柄の原料炭の配合過程において、配合炭を構成する各単味炭のビトリニットの平均反射率と、配合率に基づいて求められる配合炭の平均反射率とから推定したコークスの収縮率を用いてコークスケーキの押出し性を推定する方法を提案している。
ところで、コークスケーキの押詰りによる押出し不良の現象としては、コークスケーキと炉壁との抵抗に起因する上述した押詰りの他に、押出し時にコークスケーキが上方(天井方向)に迫り上がり、やがて天井に達して突き上がり閉塞する例がある。
従来、特に前者の側壁起因の押詰り現象については、コークスケーキを押出す際の抵抗を表わす押出機(ラム)の押出し電流値を管理指標の一つとして用いている。例えば、炉壁れんがの変形や崩落などに起因した押詰りが起こる場合、図2に示すように、前回押出し電流値が、通常押出し時(前回)における電流値と比べて大きくなるという、押詰りの予兆が現われるのが普通である。しかしながら、いわゆるコークスケーキの前記突き上げ詰りの場合、図3に示すように、炉壁との摩擦抵抗の増大による押出し電流値の増加という押詰りの予兆に相当する現象は現われないのが普通である。
コークスケーキの一部の頂部が天井に接触して起こる突き上げ詰りの原因としては、コークスサイド側での炉壁れんがの張出しや壁面へのカーボンの付着、成長、あるいはコークスの細粒化によるコークスケーキ破壊などの要因も考えられるが、本当の原因についてはなお不明確である。従って、押出し時に現われるコークスケーキの頂部の盛り上がり(迫り上がり)起因の突き上げ詰りを予測する技術は現在のところ確立されていない。そのため、現在のコークス炉の操業では、コークスケーキの突き上がりを許容できるようにするために石炭の装入量を予め抑制し、コークスケーキ頂部と炭化室天井との間の空間距離を十分に確保することで対応しているのが実情である。
なお、コークスケーキ頂部の迫り上がりが原因の突き上げ詰りが発生した場合、閉塞したコークスケーキを炉外へ掻き出す作業が必要となるため、コークスの生産性に大きく影響する。従って、こうした突き上げ詰りを防ぐことはコークス炉の操業に当たって解決しなければならない重要な課題である。
特開平6−212164号公報 特開平2006−249174号公報
西岡ら著:「コークスサーキュラー」、Vol.35、1986年、p.21−28 渡壁ら著:「鉄と銅」、Vol.84、1998年、p.165−170
上述した従来技術は炭化室内天井へのコークスケーキの突き上げ詰りを防ぐための手段、特にこうした現象を発生させないための炉体管理、即ち炭化室内の炉側壁や炉底部分の損傷、亀裂、崩壊、カーボンの付着等に起因して起こる、コークスケーキ押出し障害(特に突き上げ詰りを対象とするもの)を未然に防ぐための方法について開示するものではない。
そこで、本発明の目的は、従来技術の現状に鑑み、大きな設備的投資や人的負担を伴うことなくより簡便な方法により、コークスケーキの盛り上がりに伴う突き上げ詰りを招くことなく常に円滑にコークスケーキの押出しができるようにするための炉体の管理方法を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を解決し、上掲の目的を実現するための方法について検討した結果、発明者らは、コークスケーキの円滑な押出しを確保するためのコークス炉炉体の管理に当たり、コークスケーキ押出し中に、少なくともコークスサイド(CS)側から2番目に位置する装入口を含む装入口でコークスケーキ高さおよび押出機の押出し電流値を測定し、その測定によって得られた前記コークスケーキ高さのうちの最大値であるコークスケーキ頂部の高さと炭化室天井までとの距離が突き上げ詰りが予想される間隔以下になると共に、押出し電流値が最大値を示したときのマシンサイド(MS)から炉内に入り込んだ押出しラムの位置が管理値以上になったときに炉体の点検を行ない、その点検結果に基づき炭化室内の付着カーボンの除去を含む炉壁や炉底の補修を行なうことを特徴とするコークス炉炉体の管理方法が有効であることを突きとめ、本発明を開発した。
なお、本発明に係る上記コークス炉炉体の管理方法においては、
(1)前記突き上げ詰りが予想される間隔は、押出し時のコークスケーキ頂部の高さと天井までの距離が100mm以下になったときであること、
(2)炉内に入り込む前記押出しラムの位置の管理値は、マシンサイドの開口から2.5m以上であること、
が、より有効な解決手段を提供できることになる。
上述したように構成される本発明によれば、コークス炉の各炭化室内を常時、コークスケーキの押出しに適した状態に維持管理することができ、常に円滑な押出しが約束される。従って、本発明によれば、コークス炉炭化室天井にまで達するようなコークスケーキの盛り上がりに起因する突き上げ詰りを未然に防止することができるようになり、ひいてはコークス炉の安定した操業と生産性の向上とを実現することができる。
押出し前のコークス炉炭化室内の一般的な状態を示す断面図である。 通常(側壁起因)の押詰り発生時における、コークスケーキ押出し中の押出し電流値の例を示す図である。 突き上げ詰り発生時のコークスケーキ押出し中の押出し電流値の例を示す図である。 窯Aでコークスケーキを押出した際のコークスケーキ高さと押出し電流値の推移を示すグラフである。 窯Bでコークスケーキを押出した際のコークスケーキ高さと押出し電流値の推移を示すグラフである。 窯Cでコークスケーキを押出した際のコークスケーキ高さと押出し電流値の推移を示すグラフである。 コークスケーキ高さ(h)と調整間隔(Xs)の測定・算出の方法を説明する図である。 本発明で使用するコークスケーキ高さを測定するための測定装置の略線図である。 本発明で使用する測定装置の具体例であるマイクロ波距離計の断面図である。
本発明は、コークス炉の炭化室内の側壁面や炉底面の変形や崩壊、各種成分の付着、それの成長等に起因する炉幅方向で起こる障害である従来の“押詰り”の他に、いわゆる炉高方向の、特に天井との間で起こる障害である“突き上げ詰り”の防止にも有効な炉体、とりわけ炭化室内の管理方法を提案する。つまり、これらの詰まり原因の解消には、基本的には炉側壁面や炉底面をできるだけ平坦な所謂、炉構築時に近い状態に維持管理することが望ましいと同時に、押出機にかかる負荷があまり変動しないように、例えば、石炭(配合炭)の装入量、配合条件、乾留条件等の大きな変更を避けて押出し電流値のレベルを安定させることが必要である。この意味において、本発明では突き上げ詰りの防止のみならず従来の押詰りの防止のためにも炭化室内の炉壁、炉底の補修を行なうことが主眼である。
この点、コークス炉の炉体(炭化室)の状況を把握する方法として、上述したように、コークスケーキ押出し時の電流値で評価することが一般的である。それは、押出し電流値の上昇がコークス炉の炉体に何かしらの異常が発生している兆候を示しているからである。しかしながら、押出し電流値は、石炭の装入量や配合条件、乾留条件等、様々な影響の結果として出てくる値でもある上、コークス炉の老朽化が進行しただけでも電流値レベルそのものが増加してしまうことから、押出し電流値を見るだけでは、正確な炉体状況を判断し、天井にまで付き上がるような突き上げ詰りの予測にまで用いることはできない。
要するに、常に円滑なコークスケーキの押出しを確保するには、従来のように単に、押出し電流値を管理するだけでは不十分であり、さらに突き上げ詰りを防止するために乾留後のコークスケーキ高さの管理を行なうこともまた不可欠である。これら全ての管理を併せて総合的に判断することこそが、炉体の管理、つまり炭化室内の状況をコークスケーキを円滑に押出するのに好適な状態にする(管理)上で必要である。このことは以下で説明する試験操業の結果から導き出した、新規の知見である。
以下に説明する試験は、コークスケーキ高さと押出し電流値の推移の測定を1ケ月間、行なった例である。ここで押出し電流値の最大値は、押出し開始から7〜8秒までのノッチの切り替え時の電流値の変動(ノイズ)を除外し、ノッチ切り替えが終わってからコークスケーキの押出しが完了するまでの間での電流の最大値をとった。因みに、このときに測定した炉団での押出し電流値の最大値の平均値は210Aであった。
一方、コークスケーキ高さについては、4つの装入口のうち、No.2装入口(CS側から2番目の装入口G)で測定した。そのため、押出しラム(ラム高さ:6250mm)がNo.2装入口G下を通過した時点までのデータを図示する。
図4は、A窯における押出し電流値およびコークスケーキ高さの推移の測定結果を示す。この図からわかるように、押出し中のコークスケーキ高さは大きな変化がなく、押出し電流値も200A程度と低く、コークスケーキは崩れることもなく安定して押出されていることがわかる。そこで、コークスケーキ押出し後に窯Aの状態をチェックしたが、多量のカーボン付着、大きな炉壁損傷は見られなかったことから、こういう状態は、特に問題があるケースではないと考えられる。
次に、図5に示す窯Bについては、押出し電流値の最大値はやや高めの240Aで、押出し中のコークスケーキ高さは天井付近まで上昇していた。図中のグラフを見ると、押出しラム位置が9m以上炉内に入った時点でコークスケーキが天井にまで到達したように見えるが、上述したように、この測定はNo.2装入口(G)で行なわれていることから、この位置はコークスケーキレベルの高い状態がNo.2装入口(G)下に来たときの押出しラム位置を示しているだけである。従って、実際は押出しラムがNo.4〜No.3装入口付近にいる状態で既にコークスケーキ頂部高さは天井に付近に到達しており、その状態でコークスケーキが押出されたものと推定される。この場合について、コークスケーキ押出し後に炉内を点検をしたところ、No.4〜No.3装入口(G、G)付近の炉上部にカーボンの付着があることが確認され、この付着カーボンにコークスケーキが引っかかったため、コークスケーキレベルが上昇し、押出し電流値も増加したものと考えられる。
また、図6は、窯Cで測定した結果を示す。この図に示すように、押出し電流の最大値は280Aと極めて高い値を示し、かつコークスケーキレベルもB窯よりもさらに高くなっており、天井高さにまで到達していた。この窯Cを点検したところ、炉天井部から600mm付近まで多量のカーボン付着が確認され、このときの押出しについては、天井突き上げ詰りが発生する一歩手前であったことがわかった。
以上の結果から、押出し電流値とコークスケーキ高さの両方の推移を観察すれば、天井に向う突き上げ詰りの予兆を見つけることが可能になることが判明した。ただし、押出し電流値の絶対値を管理指標にする場合、電流値レベルがコークス炉によって大きく異なるため、単純に240A以上を管理値として採用することは困難である。
そこで、発明者らは、前掲の図4〜6を含む押出し電流値とコークスケーキ高さの関係を詳細に検討した。その結果、コークスケーキが上方に盛り上がる場合、押出し電流値の最大値が発生する位置は、押し出しラム位置が炉内に2.5m以上になっていることを発見した。なお、押出し電流値が最大となる位置は、コークスケーキが動き始めるタイミングである。以上のことから、押出しラムが前進しなければコークスケーキが動き出さないという現象は、何らかの問題でコークスケーキが動きにくい状態にあることを示しており、かつ動き出した瞬間には押出しラムの進行によってコークスケーキが崩れた状態にあることを示していることに他ならない。
そこで、本発明では、コークスケーキ押出し時のコークスケーキ高さおよび押出機の押出し電流値が最大となる位置を測定し、そのコークスケーキ高さと炭化室天井との間隔が突き上げ詰りが予想される距離以下になると共に、押出電流値が最大値を示したときの押し出しラムの位置が管理値以上、例えば、2.5m以上炉内に入り込んでいたときに、炭化室内の付着カーボンの除去を含む炉壁や炉底の補修を行なうことにしたのである。このような炭化室内内壁面等の補修、即ち管理を継続的に行なえば、コークスケーキは常に円滑に押出しできる状態であると考えられる。
以下、本発明の上記管理方法の実施に当たって前提となるコークスケーキ(頂部)高さを正確に測定する手法について説明する。コークス炉には、通常、石炭を装入するための装入口は1つの炭化室につき4〜5個(図示例は4個)が炉天井部に設けられている。一般に、コークス炉の操業中、即ち、石炭の乾留中ならび乾留直後はこれら装入口には蓋が装着されていて外気が侵入しないようになっている。
本発明の実施に当たっては、コークスケーキの高さを測定するために、乾留終了直後、これら装入口のうちの測定しようとする個所の蓋を取外し、そこに後で詳述する測定装置である非接触式のマイクロ波距離計を設置して、この位置でのコークスケ一キ高さを測定する。この点について従来は、該装入口の蓋を取外し、上方より棒を挿入することにより炉上からコークスケーキ頂部までの深さを人が測定して、コークスケーキ高さとしていた。
しかしながら、このような作業は、高熱雰囲気下の作業環境の悪い中で行なわれるため、しかも個人差があるために測定値自体も精度が悪いという問題点があった。しかも、こうした測定法では押出しによって炉内を移動しつつあるコークスケーキ高さの変動を連続的に測定することはできない。この点、上記のマイクロ波距離計を用いれば、コークスケーキの高さを非接触かつ連続的に測定することができるようになる。
図7は、本発明で用いる移動式耐熱型測定装置を装入口G部に設置した状態を示し、図8は、その測定装置の具体例の1つであるマイクロ波距離計Mの外観を示す図であり、図9は、マイクロ波距離計Mの部分断面図である。これらの図に示す測定装置、即ちマイクロ波距離計Mは、コークス炉炭化室R内の室温が通常、1000℃程度まで上昇することから、耐熱構造にする。
そのため、例示した上記マイクロ波距離計Mは、炭化室R内から受ける輻射熱への対策のために、断熱底板1を設けて遮断する構造となっている。具体的には、断熱底板1の上に円筒状ドーム形のマイクロ波発生器本体2が設置された構成を有すると共に、該マイクロ波発生器本体2の主として下部、より好ましくは略全体を断熱シート3にて被覆し全体として遮熱できる構造とする。それは、該測定装置全体が装入口Gを通じて炭化室R内から上昇してくる火炎や高熱粉塵から保護できるようにするためである。
前記マイクロ波発生器本体2は、ドーム部2a頂部の内側にマイクロ波発・受信器4aおよびドーム部2a頂部の外側にセンサ4bを備えて構成されており、そのセンサ4bには、外部の離間した位置にコントローラ5と計算機6が付帯させてある。
なお、前記マイクロ波発生器本体2のドーム部2aには、必要に応じて1以上の冷風取入れ孔2hを設けて、ドーム部2a内部に冷風を導入して前記マイクロ波発・受信器4aを冷却できるようにすることが好ましい。また、前記断熱底板1には高さと水平度を調節するための複数個の調節ボルト7を設けること、さらには図示を省略したが移動用キャリアを設けてもよい。
上述したように、本発明方法の実施に適用できる前記耐熱型マイクロ波距離計Mのセンサ4bは、断熱シート3にて被覆されたケーブルを介して外部のコントローラ5に接続されており、さらに、計算機(PC)6等の端末と接続することで、炭化室R内コークスケーキCc頂部までの距離および該測定装置のドーム内温度の経時変化をモニタリングすることも可能である。特に、前記マイクロ波発・受信器4aから照射されるマイクロ波により、コークスケーキCc頂部と測定装置(マイクロ波距離計)までとの距離X(または天井下面までの間隔Xs)の瞬間値が非接触で正確にかつ連続的に測定できる。
このようにして前記のマイクロ波距離計Mを使って押出し前後のークスケーキC頂面高さ(h)を測定することにより、最終的には装入口G直下におけるコークスケーキ高さ(h)と炉天井までの間隔(Xs)、即ち後述する突き上げ詰りが予想される高さが求められる。
なお、コークスケーキの押出しの基本的なプロセスは以下のとおりである。即ち、乾留終了後、コークスケーキ押出しの前にまず、コークス炉の各炭化室天井に複数個存在する装入口Gを塞いでいる装入蓋のうち測定位置のものを取外し、前記マイクロ波距離計Mをその装入口G上に設置し、コークスケーキCc頂面に向けてマイクロ波を照射することにより、コークスケーキ頂部の高さh(炉底面からコークスケーキ頂面)の測定ができるように準備する。その後、コークスケーキの押出しを行なうために、マシンサイド(MS)およびコークスサイド(CS)のそれぞれの炉扉D、Dを開き、次いで、押出機の押出しラム8を押進めて、コークスケーキCcの押出し開始する。このとき、炭化室R内の熱風が装入口Gから吹出すのを防ぐため、装入蓋の取外しと装入口Gへのマイクロ波距離計Mの設置作業は、炉扉D、Dを開く前に行なうことが望ましい。
マイクロ波距離計Mは、図8に示すように、一部もしくは全部を断熱シート3にて被覆して保護することに加え、その断熱シート3の被覆だけではなお不十分な場合、必要に応じ、該断熱シート3上にさらに不定形耐火物材料を吹付るなどして保護を強化することが望ましい。
次に、マシンサイド(MS)側にある押出機の押出しラム8をマシンサイド(MS)側のコークスケーキ側面に押当ててさらに押し進め、最終的にコークスサイド(CS)側からコークスケーキを炉外に向けて排出する。
かかる押出し中のマイクロ波距離計Mによるコークスケーキ頂部高さの測定は、装入口G直下のコークスケーキ高さを連続的にまたは所望の時間間隔幅毎に測定し、PCあるいはデータロガー等の記録媒体に順次に記録する。なお、コークスケーキCcの押出し時、押出機のラムヘッドがコークスケーキに触れて実際に押出しを始める時刻と測定開始時刻を一致させたい場合は、押出機を操作するオペレーターと測定者とが無線等を使って連絡し合って行なうようにすることが望ましい。
なお、調整間隔(Xs)の算出の前提となるコークスケーキ頂部高さの測定に当たっては、最大値、例えば、各装入口G〜Gに設置した測定装置のうち、最も盛り上がりの大きい値を採用する。全装入口G〜Gへの設置が困難な場合、Sから2番目あるいは3番目の位置で測定することが好ましい。
なお、コークスケーキの盛り上がりが次第に大きくなって突き上げ詰りが予想された場合、コークスケーキの炭化室天井への突き上がりを確実に防止するべく、次回装入炭量を減少させることが有効である。この場合において、次回装炭量の決定に当たっては、過去の操業実績(装炭量)を考慮して決定する。
この実施例では、コークスケーキの突き上げ詰まりが多発する炭化室(窯C)を対象として、上述した方法により、コークス炉の新たな点検基準を設けて操業した。即ち、コークスケーキ押出し中のケーキ高さが天井から100mm以下のレベルまで上昇し、かつ押出電流値が最大値を示すときの押し出しラム位置が2.5m以上のときに炉体点検を行なうことにした。このような点検結果に基づき、適切な対応(カーボン除去、炉壁面の研削補修)を行なったところ、天井突き上げ詰りの発生本数を70%減少させることに成功した。このことから、本発明の有効性が確認された。
本発明の上述した技術は、コークス炉の炭化室内の点検管理の方法を提案するものであるが、特に、前記測定装置(マイクロ波距離計)による乾留後の赤熱コークスケーキ高さの正確な測定技術としても有効な方法を提案できる。
G 装入口
M マイクロ波距離計
R 炭化室
1 断熱底板
2 マイクロ波発生器本体
2a ドーム部
2h 冷風取入れ孔
3 断熱シート
4a マイクロ波発・受信器
4b センサ
5 コントローラ
6 計算機
7 調節ボルト
8 押出機の押出しラム
Cc コークスケーキ
H コークス炉高さ
h コークスケーキ高さ
X 測定距離
Xs 空間高さ
t 天井れんが厚み

Claims (3)

  1. コークスケーキの円滑な押出しを確保するためのコークス炉炉体の管理に当たり、コークスケーキ押出し中に、少なくともコークスサイド(CS)側から2番目に位置する装入口を含む装入口でコークスケーキ高さおよび押出機の押出し電流値を測定し、その測定によって得られた前記コークスケーキ高さのうちの最大値であるコークスケーキ頂部の高さと炭化室天井までとの距離が突き上げ詰りが予想される間隔以下になると共に、押出し電流値が最大値を示したときのマシンサイド(MS)から炉内に入り込んだ押出しラムの位置が管理値以上になったときに炉体の点検を行ない、その点検結果に基づき炭化室内の付着カーボンの除去を含む炉壁や炉底の補修を行なうことを特徴とするコークス炉炉体の管理方法。
  2. 前記突き上げ詰りが予想される間隔は、押出し時のコークスケーキ頂部の高さと天井までの距離が100mm以下になったときであることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉炉体の管理方法。
  3. 炉内に入り込む前記押出しラムの位置の管理値は、マシンサイドの開口から2.5m以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のコークス炉炉体の管理方法。
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