JP2005036021A - コークス炉への石炭装入方法および石炭装入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コークス炉からのコークス押出し抵抗を低減できるコークス炉への石炭装入方法、およびそのための装入装置を提供する。
【解決手段】(1)炭化室炉壁の凹凸状況に応じて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。予め、炭化室炉長方向の押出し抵抗を測定し、それに基づき炉長方向の石炭装入量分布を決定してもよい。(2)複数の装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の装入量を構成要素とする装入パターンを設定可能な設定手段10と、設定された装入パターンに基づき適正装入パターンを選択可能な選択手段10と、選択された装入パターンに基づき各装入孔毎の装入量を制御する石炭装入手段12,7を備えた石炭装入装置。
【選択図】 図6
【解決手段】(1)炭化室炉壁の凹凸状況に応じて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。予め、炭化室炉長方向の押出し抵抗を測定し、それに基づき炉長方向の石炭装入量分布を決定してもよい。(2)複数の装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の装入量を構成要素とする装入パターンを設定可能な設定手段10と、設定された装入パターンに基づき適正装入パターンを選択可能な選択手段10と、選択された装入パターンに基づき各装入孔毎の装入量を制御する石炭装入手段12,7を備えた石炭装入装置。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉の炉壁煉瓦の損傷や付着カーボンに起因する押出しトラブルを未然に防止するためのコークス炉の操業方法に関し、さらに詳しくは、特にコークス炉炭化室への石炭装入方法およびそのための装入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本国内のコークス炉は、その大半が経済急成長期に構築されたものであり、21世紀初頭に寿命を迎えるため、現在、鉄鋼各社を始めとして、多方面でコークス炉の代替炉についての検討がなされている。しかし、代替炉の設備投資額は、莫大なものとなる。このため、現状のコークス炉の寿命をいかに延長するかが、重要な課題となっている。コークス炉の寿命を決定する因子としては、炭化室炉壁煉瓦の損傷度、炉長、炉団方向の膨張による炉自体の傾きなどがある。このような損傷は、経年的な劣化に加えて、コークスの押詰まり、押止まりなどの押出しに伴うトラブルの発生時に大きく進行する。
【0003】
コークス炉の操業においては、乾留が終了したコークスを炭化室から鎧戸を介してコークバケットまたは消火車に押出すとき、コークスが炭化室内で詰まって動かなくなる「押詰まり」現象、および「押止まり」現象の発生することがある。これらの現象は、押出しトラブルと呼ばれているもので、コークス窯出し中に発生する重大トラブルの一つである。これらの押詰まりや押止まりの発生時には、窯出し作業を中断し、炭化室内に詰まったコークスを押出し可能になるまで人力により掻き出す必要があるため、窯出しスケジュールの変更を余儀なくされ、炉団としてのコークス生産性が低下するばかりでなく、押出し可能になるまでのコークス置時間の延長によって、消費熱量も増大し、コークス製造コストの増加につながる。また、炭化室炉壁煉瓦に多大の負荷が加わるため、炉体の損傷の進行、炉壁倒壊などが原因して、コークス炉寿命の低下を招くこととなる。
【0004】
炉壁平滑度が悪化する原因は、炉壁が窪む(凹となる)現象では、例えば石炭装入孔直下によく見られる炉壁の欠損が挙げられる。また炉壁が張り出す(凸となる)現象では、炉壁煉瓦の「迫り出し」が挙げられる。
【0005】
炉壁の凹凸による押出し抵抗の上昇を軽減するために、炉壁の補修方法が多数開示されている。例えば、特許文献1には、コークス炉の損傷部を溶射補修する装置が、また特許文献2には、ブラスティングにより迫り出し煉瓦を研削した後、耐熱補修材を吹き付ける方法が開示されている。しかし、これらで開示された方法を用いても炉壁を完全に平滑にすることは困難であり、また、これら補修を行うに際して炉壁に付着して平滑度を保っていたカーボンが消失または脱落するため、再度適量のカーボンが付着するまでの間は、押出し抵抗が一時的にはかえって上昇する。また、コークス炉は多数の窯を有することから、これらの補修を実施するまでには相当な時間を要する場合が多い。
押出し抵抗を精度良く把握することを目的として、特許文献3には、押出し機のラム位置または押出し開始からの時間検出装置と、押出し機駆動用の誘導電動機の回転数計測装置と、誘導電動機の二次電流測定装置を備え、これらからの信号をもとに、押出しトルクを演算する演算装置を備えたコークス炉の異常判定装置が開示されている。
【0006】
押出しの上昇を緩和するための方法として、特許文献4には、予め試験炉を用いて石炭配合と2次垂直焼き減り率との関係を求め、更に室式コークス炉における垂直焼き減り率とコークスケーキ押出し時の必要押出し圧力との関係を求めることにより、必要押出し圧力を管理値以下になるようにコークス炉に装入する石炭配合を調整するコークス炉の操業方法が開示されており、また、特許文献5には、原料炭特性および操業条件から実験的あるいは計算により、炉壁負荷指数としてコークスケーキ圧縮中の一定押力に対する側壁荷重の比を求め、炉壁負荷指数を指標として操業し、コークスケーキの押出し性を確保するコークス炉の操業方法が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献6には、配合炭の膨脹圧、含有水分及び炭化室での乾留コークスの置時間、コークス炉の炉温を基に押出機での押出負荷値を下記式により推定し、この推定押出負荷値と予め設定した押出負荷管理値とを比較し、前記推定押出負荷値が前記押出負荷管理値の範囲外の場合には配合炭の膨脹圧、含有水分、乾留コークスの置時間の1つ又は複数を推定押出負荷値が押出負荷管理値の範囲内になるように調整するコークス炉の操業方法が開示されている。ここで、推定押出負荷=a・膨脹圧+b・含有水分+c・置時間+d・炉温+e、但し、a、b、C、d、eは窯又は炉団によって決まる定数。
【0008】
特許文献7には、コークスを押出し機により炭化室から押出す際に炭化室の少なくとも一方側の炉壁全体にかかる荷重または圧力、および、炭化室炉壁の局部にかかる荷重または圧力を、離散要素法を用いた計算によりシミュレーションし、これらのシミュレーション値が炭化室炉壁の状態によつて決まる許容荷重または許容圧力値以下になるように操業条件を制御するコークス炉の操業方法が、また、特許文献8には、コークス押出し時における押出機の負荷が予め設定した基準値より高い炭化室に、配合炭を構成する石炭の銘柄及び配合割合を調節して、配合炭の膨張圧を低減し、押出負荷が基準値以下になるようにして装入するコークス炉の操業方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献9には、実炉における操業条件に相当する条件で生成した試験コークスに対して局部荷重又は局部圧力を測定し、測定値が予め定めた許容限界値を超える場合には測定値が許容限界値内になるように操業条件を変更して実炉の操業を行なうコークス炉の操業方法が開示されている。
【0010】
しかし、コークス押出し時の押詰まりまたは押止まりの防止に際して、数学的手法または試験炉を使用して押出し抵抗を推定し、その結果に応じて操業条件を決定する方法は、所望の推定精度が得られない場合が多い。加えて、同一炉団に多数存在する窯の個々の特性および状態を反映させて押出し抵抗を調整および管理するには無理があり、また、押出し抵抗の高い特定の窯に対してその対策を提供しうるものでもない。
【0011】
さらに、押出し抵抗の上昇を緩和するために、一般に、減炭と呼ばれる装入炭量の低減が行われる。これは、炭化室に装入する石炭量を通常よりも減少させることにより、窯当たりのコークス質量を低減するとともに、例えば特許文献10に開示されるように、石炭の単位質量当たりの乾留熱量を相対的に上昇させることよりコークス化の際の焼き締まりを促進させて、押出し抵抗を低減するものである。しかし、炉壁の凹凸に起因するコークスと炉壁との摩擦抵抗の増加に基づく押出し抵抗の上昇は、コークス化の際の焼き締まりの促進による押出し抵抗の低下に比して大きいため、コークスの焼成による押出し抵抗の低減効果は少ない。また、20mm以上の炉壁の凹凸に対して焼き締まり量の増加は高々数mmであることからも、減炭による押出し抵抗の低減効果は少ない。
【特許文献1】
特開昭53−82802号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開昭60−36881号公報(特許請求の範囲および2頁左上欄18行〜右上欄4行)
【特許文献3】
特開平8−225787号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平8−283732号公報(特許請求の範囲および段落〔0007〕)
【特許文献5】特開平9−143473号公報(特許請求の範囲および段落〔0009〕〜〔0012〕)
【特許文献6】
特開2000−73067号公報(特許請求の範囲および段落〔0007〕)
【特許文献7】
特開2000−144139号公報(特許請求の範囲および段落〔0013〕および〔0014〕)
【特許文献8】
特開2000−303070号公報(特許請求の範囲および段落〔0006〕
【特許文献9】
特開2001−323279号公報(特許請求の範囲)
【特許文献10】
特開平11−131074号公報(特許請求の範囲および段落〔0010〕および〔0011〕)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおり、従来技術においては、下記の問題が残る。すなわち、(1)損傷部の溶射補修やブラスティングによる補修では迅速な対応が困難であり、また、押出し抵抗の一時的上昇をもともなう。(2)数学的手法や試験コークス炉による押出し抵抗の推定法は、押出し抵抗の高い窯に対してその対策を提供しうるものではない。(3)コークスの質量低減や焼き締まり量の増加を図った減炭法による押出し抵抗の低減効果は少ない。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、コークス炉の炉壁煉瓦の損傷や付着カーボンに起因するコークス押出し時のトラブルを未然に防止するための、押出し抵抗を低減できるコークス炉炭化室への石炭装入方法、およびそのための装入装置を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するために、乾留後のコークス押出し時の押出し抵抗を低減できる石炭装入方法、およびそれを達成するための装入装置について検討を重ねた結果、下記の(a)〜(e)に示される知見を得た。
【0015】
(a)炉壁煉瓦の損傷は、コークス押出し時に赤熱コークスとの接触時間が長いコークス排出側の部位に発生しやすい。これは、下記の図4に示される炉壁の凹凸量の測定結果からも裏付けられるとおり、長期間使用されたコークス炉において一般的に見られる現象である。
【0016】
図4は、押出機からの距離とコークス炉炭化室の炉壁の凹凸量との関係を示す図である。同図において、炉壁の凹凸量は、炭化室の窯幅設計値から炭化室の窯幅実測値を減じた値を示しており、炉壁の損傷が大きくなるほど、凹凸量の値は大きくなる。長期間使用した炉では、上記のとおり、コークス押出し時に赤熱コークスの接触する時間の長い押出機から離れた場所、すなわちガイド車側の位置で炉壁損傷が多く見られる。
【0017】
(b)炉壁の凹凸が大きいほど押出し抵抗の最大値は大きく、炉壁損傷が大きいと押出し抵抗は大きくなる。この関係は、下記の図5に示されるとおり、炉壁凹凸指数と押出し抵抗との間に良好な相関関係が認められることから裏付けられる。
【0018】
図5は、炉壁凹凸指数とコークス押出し時の押出し抵抗ピーク値との関係を示す図である。同図において、炉壁凹凸指数は、炭化室の設計寸法に代表される基準となる炉壁プロフィル(窯幅)と実測された炉壁プロフィル(窯幅)との差分である炉壁凹凸量を炭化室炉長方向に積分した値により定義される指数である。同図の結果に示されるとおり、炉壁損傷が大きくなるほど、コークス押出し時の押出し抵抗ピーク値は高くなる。
【0019】
(c)上記(a)および(b)の結果より、炭化室内のコークス排出側の領域への石炭装入量を低減することにより、押出し抵抗を低減できる。
【0020】
(d)炭化室炉長方向で、コークス押出し時の押出し抵抗を測定し、これに基づいて、押出し抵抗を低減できる炭化室炉長方向の石炭装入量分布を決定することができる。
【0021】
(e)予め、押出し抵抗と、押出し抵抗を低減可能な石炭装入量分布との関係を各窯の炉壁状態に応じて求めておくことにより、直前の押出し抵抗のデータから押出し抵抗を低減できる適正な石炭装入量分布を決定できる。
【0022】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示すコークス炉への石炭装入方法、および(4)に示す石炭装入装置にある。
【0023】
(1)炭化室に石炭を装入するに際し、炭化室炉壁の凹凸状況に応じて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。
【0024】
(2)炭化室に石炭を装入するに際し、予め、炭化室炉長方向のコークス押出し時の押出し抵抗を測定し、この押出し抵抗に基づいて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。
【0025】
(3)炭化室に石炭を装入するに際し、予め、炭化室炉長方向のコークス押出し時の押出し抵抗と、押出し抵抗を低減できる石炭装入量との関係を求め、この関係に基づいて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。
【0026】
(4)コークス炉の複数の石炭装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする装入パターンを予め設定することが可能な設定手段と、前記設定手段により設定された装入パターンに基づき適正な装入パターンを選択することが可能な選択手段と、前記選択された装入パターンに基づき前記各装入孔毎の石炭装入量を制御する石炭装入手段を備えたことを特徴とするコークス炉の石炭装入装置。
【0027】
本発明において、「炭化室炉壁の凹凸状況」とは、実炉の炭化室炉壁プロフィルの設計寸法に代表される平滑プロフィルに対する、コークスの押出し抵抗に影響しうる炉壁の凹凸の程度およびその分布をいう。
コークス炉の炭化室炉壁に凹凸が発生する要因としては、前述のように、主として、炉壁煉瓦の局所的変位による迫り出しや段差、広範囲の変位による湾曲、摩耗や熱衝撃または付着物剥離などによる欠損、石炭乾留時に発生する熱分解カーボンや粉炭または石炭中灰分の炉壁への付着、炉壁損耗の補修時に用いられる不定形耐火物の盛り上がりなどが挙げられる。これらの要因は、複数ある炭化室毎に必ずしも均一ではないことから、炭化室炉壁の凹凸状況は炭化室毎に相違する。
【0028】
炭化室炉壁の凹凸状況の把握は、例えば、非接触距離計による計測や画像処理などの手段を用いて炭化室炉壁プロフィルを測定し、その結果に基づいて前述のような炉壁凹凸量およびその分布を定量化する方法によるのが望ましい。しかし、コークスを押し出して炭化室内が空になった状態で、装入孔および炭化室窯口のいずれかまたは両方から画像撮影を行って確認するか、または目視により凹凸の程度およびその存在位置を把握する方法によっても本発明の目的を達成することはできる。
なお、押出し抵抗の値が低い炭化室は、他の炭化室に比較して炉壁が平滑に近いと推測できるため、炭化室炉壁の凹凸状況を把握するに際し、凹凸状況の調査対象から除外することもできる。また、同一炭化室で押出し抵抗の経時変化が少ない場合は、炭化室炉壁の凹凸状況に大きな変化はないと推察されるので、必ずしも凹凸状況の調査を毎回行う必要はない。
【0029】
また、「押出し抵抗」とは、コークスを炉外に押出すために要する力を意味し、詳しくは、下記に説明するとおりである。すなわち、コークス炉炭化室の寸法は、炉長方向で14〜16m、炉高方向で5〜7m、炉幅方向で0.4〜0.5mであり、炭化室内で乾留されたコークスは、炉長方向に押し出され、炉外に排出される。コークスを押出す際には、押出し方向の力が、コークス塊と炉壁および炉底との摩擦抵抗ならびにコークス塊の圧縮に要する力を超えたときに、コークス塊はガイド車側に向かって移動し始め、炉外に排出される。このときの押出しに要する力を押出し抵抗と称する。
コークス炉操業では、押出しトラブルや炉壁の倒壊を回避するために押出し抵抗の経時変化を管理する。その管理対象となる値としては、押出し機ラムの電動機の電流および電力値、電動機の二次電流とラムの加速度から演算される実効押出し抵抗、押出し機ラムの駆動軸にかかる反力のロードセルによる測定値などがあり、いずれの値を用いてもよい。
【0030】
なお、押出し抵抗は、コークス塊に炉壁および炉底との静摩擦抵抗が作用するコークス塊の移動開始時点でピーク値に達し、その後は、コークス塊の炉外排出にともない低下する。押出し抵抗の管理方法としては、前記の押出し抵抗ピーク値を用いる方法、押出し開始から押出し完了までの押出し抵抗の平均値を用いる方法、押出し開始から完了までの押出し抵抗の積分値を用いる方法などがある。いずれの方法を用いてもよいが、押出しトラブルや炉壁倒壊を回避するためには、ピーク値により管理する方法が好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明によるコークス炉への石炭の装入方法、および石炭の装入装置についてさらに詳しく説明する。
【0032】
一般に、コークスは、石炭をコークス炉に装入して24時間程度の乾留を行った後、コークス炉から排出され、さらに冷却される。
【0033】
図1は、押出し機を使用してコークス炉からコークスを押出す状況を模式的に示す図である。コークス炉の炭化室1内で乾留を終了したコークス3は、押出し機2のラム6により、押出し機側からガイド車側に向かって押し出され、ガイド車4を介して、バケット車5内に収容される。上記のコークスの押出し操作により空状態となった炭化室1内へは、再度、石炭が装入され乾留が行われる。このようにコークス炉ではバッチ操業によりコークスの製造が行われる。
【0034】
図2は、石炭装入装置として装炭車を使用して石炭を炭化室へ装入する状況を模式的に示す図である。通常は、石炭8をコークス炉の炭化室1の上部から装入するための石炭装入孔(以下「装炭孔」ともいう)13は、一個の炭化室1について複数個存在し、石炭8は、装炭車7を使用して、この石炭装入孔13から炭化室へ装入される。なお、以下では、一個の炭化室につき石炭装入孔13が4個存在するコークス炉を例にとり、説明する。
【0035】
本発明の石炭装入装置は、コークス炉の複数の石炭装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする装入パターンを予め設定することが可能な設定手段と、前記設定手段により設定された装入パターンに基づき適正な装入パターンを選択することが可能な選択手段と、前記選択された装入パターンに基づき前記各装入孔毎の石炭装入量を制御する石炭装入手段を備えている。
【0036】
さらに、炭化室の長さ方向の石炭装入量分布を設定、表示する手段を備えていてもよいし、上記石炭装入量分布を制御する石炭装入手段が、決定された石炭装入量分布に基づいて石炭装入量を石炭装入制御手段に指示する手段と、その指示に基づきコークス炉への石炭装入量を制御する手段とから構成されていてもよい。また、必要に応じて、石炭装入量に加えて石炭装入速度を設定および指示できるようにしてもよい。さらに、石炭装入中あるいは装入後に実装入量を把握する機能、および、これをフィードバックして石炭装入量の制御精度を向上させる機能を組み合わせてもよい。
【0037】
図3は、本発明の石炭装入装置の一例を模式的に示す図である。石炭装入装置9は、コークス操業者が石炭装入パターンを設定および選択できるCRT設定表示装置10、CRT設定表示装置からの信号に基づいて石炭装入パターンの信号を出力する石炭装入指示装置11、石炭装入指示装置からの出力信号に基づいて装炭車7内の石炭ホッパーから石炭をコークス炉の炭化室1内に制御装入する石炭装入制御装置12、および装炭車7を備えている。
【0038】
コークス操業者は、炭化室内の炉壁の損傷状況、カーボンの付着状況、石炭銘柄およびその配合割合、石炭水分量などに基づき、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする石炭装入パターンをCRT設定表示装置10に設定入力する。CRT設定表示装置10に入力された石炭装入パターンは、石炭装入指示装置11に格納される。コークス操業者は、コークス押出し後に炭化室1へ石炭を装入する際に、CRT設定表示装置10を操作して、現在の押出し抵抗値、炭化室内の炉壁状況、石炭銘柄および配合割合、石炭水分量などの情報に基づき、予め設定した複数種類の石炭装入パターンの中から、最適な石炭装入パターンを選択し、決定する。
【0039】
このようにして、CRT設定表示装置10を介して決定された石炭装入パターンである各装入孔毎の石炭装入量は、石炭装入指示装置11から石炭装入制御装置12に伝達される。石炭装入パターンである各装入孔毎の石炭装入量を受信した石炭装入制御装置12は、石炭装入量が前記の各装入孔毎の石炭装入量になるように各装入孔の装入量を制御する。
【0040】
各装入孔毎に設定する石炭装入量に関しては、装入石炭質量や装入石炭体積を直接指定することが好ましいが、石炭装入量の大小を把握できるものであれば特に手段を限定する必要はない。例えば、装炭車の石炭装入機器の仕様によっては、石炭切り出し装置の動作時間や回転数、石炭ホッパー内における石炭のレベル変化などであってもよい。また、石炭装入量の調整手段についても特に限定する必要はなく、例えばテーブルフィーダーなどの石炭切り出し装置の動作時間、回転数、ゲート開度、石炭ホッパーに予め受け入れる石炭量などにより実施できる。
【0041】
図6は、本発明の石炭装入方法を示す図であり、同図(a)は、コークス押出し時における炉長方向の押出し抵抗の測定結果を表し、同図(b)は、押出し抵抗の測定結果に基づく石炭装入量の調整例を表す。
【0042】
コークス押出し時に押出し方向の押出し抵抗を測定した結果、炭化室の炉壁に損傷のない場合には、同図(a)のグラフ中の「通常」で示されるとおり、押出し抵抗は低く、したがって押出し抵抗のピーク値(同図(a)のグラフ中の押出し機側における最高値)も低かった。これに対して、炉壁が損傷した同図(a)中の「▲1▼」および「▲2▼」の場合には、「通常」の場合に比して押出し抵抗が高くなっており、押出し抵抗のピーク値も高かった。
【0043】
上記のような押出し抵抗に対応して、同図(b)に示すとおりの石炭の装入方法を採用した。すなわち、同図(a)中の「通常」の場合に対しては、石炭装入孔番号1〜4(以下、「1番孔」〜「4番孔」という)までの石炭装入量は、均等とした。これに対して、押出し抵抗のピーク値が高い同図(a)中の「▲1▼」の場合には、同図(b)中の「▲1▼」に示すとおり、炉壁損傷の可能性の高い「押出機から最も離れた領域の炉壁に近い石炭装入孔」すなわち、1番孔からの石炭装入量を減少させた。
さらに、押出し抵抗のピーク値が非常に高い同図(a)中の「▲2▼」の場合には、同図(b)中の「▲2▼」に示すとおり、1番孔に加えて、次に押出し機から離れた領域に位置する2番孔からの石炭装入量も減少させた。
このように、予め、押出し時の押出し抵抗を測定し、押出し抵抗のピーク値に応じて、押出し機から最も離れた装入孔を最優先として順次石炭装入量を減少させることにより、コークス押出し時の押詰まりや押止まりを回避することができる。
【0044】
なお、石炭装入量を装炭孔毎に調整すること自体は、従来行われていたが、それは、炉団内の全炭化室を対象として、例えば、石炭装入量の増加や炉団単位での炉長方向の乾留条件の均一化を目的として実施されていたものであり、本発明の方法のように、炭化室毎の炉壁の凹凸状況に応じて装炭孔毎の石炭装入量を調整することにより押出し抵抗を低減することを意図したものではなかった。
【0045】
したがって、本発明の方法のように押出し抵抗の低減を目的として炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量を調整しようとすれば、各装炭孔に対応する石炭槽のそれぞれの切り出し量を炭化室毎にその都度調整する必要があった。例えば、4個の装炭孔を有する炭化室を100窯有するコークス炉においては、400個の装炭孔の全てに対して各装炭孔毎の石炭装入量を決定し、それに応じてその都度設定変更を行う必要が生じる。その煩雑さから、作業性は悪化し、生産性も低下するため、上記のように炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量の調整を行うことは、事実上不可能であった。
これに対して、本発明の石炭装入装置によれば、目的に合致した判断基準にしたがい、予め設定された装入パターンを選択することにより、高い生産性および作業性を確保した上で、炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量を調整することが可能となる。さらに、電子計算機などを使用して、入力された炭化室毎の操業データに基き、操業目的に合致した判断基準にしたがって予め設定された装入パターンを選択するまでを、自動的に実行させることにより、操業者の判断や作業を介することなく炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量の調整を行うことができる。また、電子計算機に多数の装入パターンおよび多種多様な判断基準に基づく装入パターン選択のアルゴリズムを記憶させておくことにより、系統的に、しかもきめ細かく高い精度で、炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量が調整可能となり、コークス炉の大幅な操業改善が達成される。
【0046】
【実施例】
本発明の有用性を確認するため、下記の装入試験を行い、石炭押出し抵抗の低下、および炭化室の炉壁損傷の回復についての評価を行った。
(実施例1)
炭化室内の石炭堆積プロフィルの推定を行った。石炭が堆積する場合の安息角は、石炭の水分量や石炭の粒度に依存する。水分量が9質量%の石炭の安息角は38度程度であることに基づいて、石炭の堆積プロフィルの推定を行った。検討対象としたコークス炉の炭化室の高さは6000mm、押出し機側からガイド車側までの距離(炭化室の長さ)は15290mmである。1窯当たり4個の石炭装入孔を有し、最もガイド車側に近い装入孔は、ガイド車側より2265mmの位置にある。
【0047】
図7は、比較例として、通常の装入方法、すなわち各装入孔から均等に装入した場合の炭化室内の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。同図の結果によれば、ガイド車側窯口部の石炭層の高さは炉底から3800mm程度であり、また、1番孔直下の炉底から1500mm上部付近の欠損が多い炉壁部では、石炭は炉壁の欠損部を全て満たすように充填されていると推定された。
【0048】
次に、本発明の装入方法を実施した場合の石炭堆積プロフィルの推定を行った。図8は、コークス排出側の石炭装入孔、特に1番孔からの装入を停止した場合の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。同図の結果によれば、1番孔直下における石炭層の高さは炉底から1200mm程度であり、炉壁の欠損部位と石炭層との接触部分の面積は低減されると推定された。
【0049】
このように、炉壁損傷部位に応じて装入孔毎の石炭装入量を調整することにより、炉壁損傷部位と石炭層との接触範囲を調整し、押出し抵抗の上昇を抑制することが可能である。特に、ガイド車側窯口および最もガイド車側寄りの装入孔直下の炉壁において、炉壁損傷やカーボン付着が進行している場合が多いため、最もガイド車側寄りの装入孔において石炭装入量の調整を行うのが効果的である。
【0050】
なお、隣接する窯の熱間補修を行うに際して、上記例の1番孔に相当する部位の石炭装入を行わない方法が採られる場合があるが、これは、隣接窯の補修の影響で、窯口部のガス燃焼ができないことから採られる方法であり、本発明とは目的および作用が全く相違する。本発明は、押出し抵抗の制御を目的として、通常操業時に実施する方法であり、押出し制御の対象とする窯またはそれと隣接する窯の補修の有無に拘わらず実施することが可能である。
(実施例2)
実コークス炉において、コークス押出し時の押出し抵抗のデータなどに基づいて、特に炭化室の炉壁損傷の大きい窯、すなわち炉壁凹凸の大きい窯を選定し、本発明法による装入試験を実施した。炭化室寸法は実施例1にて記載したとおりであり、試験対象窯においては、目視の結果、1番孔の直下で、炉底から1500mm程度の高さ位置を中心にして深さ20mm程度の炉壁部の欠損が確認された。
【0051】
従来の装入方法では、1番孔〜4番孔の全て、または押出し機側における押出機ラムとの接触代を確保するため、1番孔〜3番孔において石炭装入量を調整する減炭を行っていた。
【0052】
図9に、同一窯において上記の従来法により減炭を行った場合の操業結果を、比較例として示した。同図に示されるとおり、約28トンから22トンへの大幅な減炭を行ったにも拘わらず、押出し抵抗は十分には低下しなかった。これは、炉壁損傷による凹凸部位と石炭とが接触しており、これによるコークス押出し時の抵抗の増加が影響しているためと考えられる。このような減炭方法をとる限りは、炉壁凹凸部位における炉壁と石炭との接触面積を低減させるためには、さらに大幅な減炭が必要であり、現実的ではなかった。
【0053】
そこで、1番孔からの石炭装入量を0(ゼロ)とし、炉底から1500mm程度の高さの凹凸部位に石炭層が接触しないように石炭を装入することにより、押出し抵抗の低減を図った。ここで、試験対象コークス炉では、各石炭装入孔毎の装入量の調整は、装炭車に設置された石炭切出しテーブルフィーダーの動作タイマーを調整することによって行った。通常は、各装入孔とも、約90秒間の装入時間に設定されている。
【0054】
図10は、本発明の装入方法を試験実施した場合の操業結果を示す図である。本発明法により、1番孔からの石炭の装入量を0(ゼロ)とした結果、押詰まりを発生させずにコークスを押出すことが可能になった。
【0055】
この装入方法を30日間継続して実施したところ、押出し時の押出し抵抗が低下してきたので、1番孔直下の炉壁の欠損部がカーボンで埋められ、炉壁が平滑に近づいたと判断し、1番孔からの装炭量を徐々に増加させた。1番孔からの装炭時間を40秒として操業を継続したところ、押出し抵抗の顕著な上昇もなく、押詰まりも発生しなかった。その後も安定して押出しが可能となり、10日後には通常の装炭量に復帰させたが、押詰まりの発生は皆無であった。
【0056】
なお、石炭装入量を減少させることは、コークスの生産性を低下させることになるが、従来の方法である1〜4番孔の全て、または1〜3番孔において石炭装入量を減らすのと、本発明法である1番孔のみ、または1〜2番孔の装入量を減少させるのとでは、コークス生産量に関してはほぼ同等である。
【0057】
これに対して、従来法による操業で、コークス押詰まり、押止まりが発生した場合は、窯出しスケジュールの変更を余儀なくされ、コークス生産量の低下は上記の比ではない。さらに、従来法では、押出し可能となるまでの置時間の延長によって、消費熱量が増大し、これがコークス製造コストの増加につながるとともに、炭化室の炉壁煉瓦に多大の負荷を加えることとなるため、炉体の損傷の進行、炉壁倒壊などの問題を惹起し、コークス炉寿命の低下を招くこととなる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の石炭装入方法によれば、コークス炉の炉壁煉瓦の損傷や付着カーボンに起因するコークス押出し時の押出し抵抗の増加を防止し、コークス排出時のトラブルを未然に防止して、コークス炉の安定操業を実現するとともに、コークス炉の寿命延長に大きく寄与できる。また、本発明の石炭装入装置は、前記の石炭装入方法を実施するための好適な装入装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出機を使用してコークス炉からコークスを押出す状況を模式的に示す図である。
【図2】装炭車を使用して石炭を炭化室へ装入する状況を模式的に示す図である。
【図3】本発明の石炭装入装置を模式的に示す図である。
【図4】押出機からの距離とコークス炉炭化室の炉壁凹凸量との関係を示す図である。
【図5】炉壁凹凸指数とコークス押出し時の押出所要力ピーク値との関係を示す図である。
【図6】本発明の石炭装入方法を示す図であり、同図(a)はコークス押出し時における炉長方向の押出し抵抗の測定結果を表し、同図(b)は押出し抵抗の測定結果に基づく石炭装入量の調整を表す。
【図7】通常の装入方法による炭化室内の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。
【図8】コークス排出側の装炭孔からの装炭を停止した場合の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。
【図9】従来法により減炭を行った場合の操業結果を示す図である。
【図10】本発明の装入方法を実施した場合の操業結果を示す図である。
【符号の説明】
1:炭化室、 2:押出し機、 3:コークス、 4:ガイド車、
5:バケット車、 6:押出し機ラム、 7:装炭車、 8:石炭、
9:石炭装入装置、10:CRT設定表示装置、11:石炭装入指示装置、
12:石炭装入制御装置、13:石炭装入孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉の炉壁煉瓦の損傷や付着カーボンに起因する押出しトラブルを未然に防止するためのコークス炉の操業方法に関し、さらに詳しくは、特にコークス炉炭化室への石炭装入方法およびそのための装入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本国内のコークス炉は、その大半が経済急成長期に構築されたものであり、21世紀初頭に寿命を迎えるため、現在、鉄鋼各社を始めとして、多方面でコークス炉の代替炉についての検討がなされている。しかし、代替炉の設備投資額は、莫大なものとなる。このため、現状のコークス炉の寿命をいかに延長するかが、重要な課題となっている。コークス炉の寿命を決定する因子としては、炭化室炉壁煉瓦の損傷度、炉長、炉団方向の膨張による炉自体の傾きなどがある。このような損傷は、経年的な劣化に加えて、コークスの押詰まり、押止まりなどの押出しに伴うトラブルの発生時に大きく進行する。
【0003】
コークス炉の操業においては、乾留が終了したコークスを炭化室から鎧戸を介してコークバケットまたは消火車に押出すとき、コークスが炭化室内で詰まって動かなくなる「押詰まり」現象、および「押止まり」現象の発生することがある。これらの現象は、押出しトラブルと呼ばれているもので、コークス窯出し中に発生する重大トラブルの一つである。これらの押詰まりや押止まりの発生時には、窯出し作業を中断し、炭化室内に詰まったコークスを押出し可能になるまで人力により掻き出す必要があるため、窯出しスケジュールの変更を余儀なくされ、炉団としてのコークス生産性が低下するばかりでなく、押出し可能になるまでのコークス置時間の延長によって、消費熱量も増大し、コークス製造コストの増加につながる。また、炭化室炉壁煉瓦に多大の負荷が加わるため、炉体の損傷の進行、炉壁倒壊などが原因して、コークス炉寿命の低下を招くこととなる。
【0004】
炉壁平滑度が悪化する原因は、炉壁が窪む(凹となる)現象では、例えば石炭装入孔直下によく見られる炉壁の欠損が挙げられる。また炉壁が張り出す(凸となる)現象では、炉壁煉瓦の「迫り出し」が挙げられる。
【0005】
炉壁の凹凸による押出し抵抗の上昇を軽減するために、炉壁の補修方法が多数開示されている。例えば、特許文献1には、コークス炉の損傷部を溶射補修する装置が、また特許文献2には、ブラスティングにより迫り出し煉瓦を研削した後、耐熱補修材を吹き付ける方法が開示されている。しかし、これらで開示された方法を用いても炉壁を完全に平滑にすることは困難であり、また、これら補修を行うに際して炉壁に付着して平滑度を保っていたカーボンが消失または脱落するため、再度適量のカーボンが付着するまでの間は、押出し抵抗が一時的にはかえって上昇する。また、コークス炉は多数の窯を有することから、これらの補修を実施するまでには相当な時間を要する場合が多い。
押出し抵抗を精度良く把握することを目的として、特許文献3には、押出し機のラム位置または押出し開始からの時間検出装置と、押出し機駆動用の誘導電動機の回転数計測装置と、誘導電動機の二次電流測定装置を備え、これらからの信号をもとに、押出しトルクを演算する演算装置を備えたコークス炉の異常判定装置が開示されている。
【0006】
押出しの上昇を緩和するための方法として、特許文献4には、予め試験炉を用いて石炭配合と2次垂直焼き減り率との関係を求め、更に室式コークス炉における垂直焼き減り率とコークスケーキ押出し時の必要押出し圧力との関係を求めることにより、必要押出し圧力を管理値以下になるようにコークス炉に装入する石炭配合を調整するコークス炉の操業方法が開示されており、また、特許文献5には、原料炭特性および操業条件から実験的あるいは計算により、炉壁負荷指数としてコークスケーキ圧縮中の一定押力に対する側壁荷重の比を求め、炉壁負荷指数を指標として操業し、コークスケーキの押出し性を確保するコークス炉の操業方法が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献6には、配合炭の膨脹圧、含有水分及び炭化室での乾留コークスの置時間、コークス炉の炉温を基に押出機での押出負荷値を下記式により推定し、この推定押出負荷値と予め設定した押出負荷管理値とを比較し、前記推定押出負荷値が前記押出負荷管理値の範囲外の場合には配合炭の膨脹圧、含有水分、乾留コークスの置時間の1つ又は複数を推定押出負荷値が押出負荷管理値の範囲内になるように調整するコークス炉の操業方法が開示されている。ここで、推定押出負荷=a・膨脹圧+b・含有水分+c・置時間+d・炉温+e、但し、a、b、C、d、eは窯又は炉団によって決まる定数。
【0008】
特許文献7には、コークスを押出し機により炭化室から押出す際に炭化室の少なくとも一方側の炉壁全体にかかる荷重または圧力、および、炭化室炉壁の局部にかかる荷重または圧力を、離散要素法を用いた計算によりシミュレーションし、これらのシミュレーション値が炭化室炉壁の状態によつて決まる許容荷重または許容圧力値以下になるように操業条件を制御するコークス炉の操業方法が、また、特許文献8には、コークス押出し時における押出機の負荷が予め設定した基準値より高い炭化室に、配合炭を構成する石炭の銘柄及び配合割合を調節して、配合炭の膨張圧を低減し、押出負荷が基準値以下になるようにして装入するコークス炉の操業方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献9には、実炉における操業条件に相当する条件で生成した試験コークスに対して局部荷重又は局部圧力を測定し、測定値が予め定めた許容限界値を超える場合には測定値が許容限界値内になるように操業条件を変更して実炉の操業を行なうコークス炉の操業方法が開示されている。
【0010】
しかし、コークス押出し時の押詰まりまたは押止まりの防止に際して、数学的手法または試験炉を使用して押出し抵抗を推定し、その結果に応じて操業条件を決定する方法は、所望の推定精度が得られない場合が多い。加えて、同一炉団に多数存在する窯の個々の特性および状態を反映させて押出し抵抗を調整および管理するには無理があり、また、押出し抵抗の高い特定の窯に対してその対策を提供しうるものでもない。
【0011】
さらに、押出し抵抗の上昇を緩和するために、一般に、減炭と呼ばれる装入炭量の低減が行われる。これは、炭化室に装入する石炭量を通常よりも減少させることにより、窯当たりのコークス質量を低減するとともに、例えば特許文献10に開示されるように、石炭の単位質量当たりの乾留熱量を相対的に上昇させることよりコークス化の際の焼き締まりを促進させて、押出し抵抗を低減するものである。しかし、炉壁の凹凸に起因するコークスと炉壁との摩擦抵抗の増加に基づく押出し抵抗の上昇は、コークス化の際の焼き締まりの促進による押出し抵抗の低下に比して大きいため、コークスの焼成による押出し抵抗の低減効果は少ない。また、20mm以上の炉壁の凹凸に対して焼き締まり量の増加は高々数mmであることからも、減炭による押出し抵抗の低減効果は少ない。
【特許文献1】
特開昭53−82802号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開昭60−36881号公報(特許請求の範囲および2頁左上欄18行〜右上欄4行)
【特許文献3】
特開平8−225787号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平8−283732号公報(特許請求の範囲および段落〔0007〕)
【特許文献5】特開平9−143473号公報(特許請求の範囲および段落〔0009〕〜〔0012〕)
【特許文献6】
特開2000−73067号公報(特許請求の範囲および段落〔0007〕)
【特許文献7】
特開2000−144139号公報(特許請求の範囲および段落〔0013〕および〔0014〕)
【特許文献8】
特開2000−303070号公報(特許請求の範囲および段落〔0006〕
【特許文献9】
特開2001−323279号公報(特許請求の範囲)
【特許文献10】
特開平11−131074号公報(特許請求の範囲および段落〔0010〕および〔0011〕)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおり、従来技術においては、下記の問題が残る。すなわち、(1)損傷部の溶射補修やブラスティングによる補修では迅速な対応が困難であり、また、押出し抵抗の一時的上昇をもともなう。(2)数学的手法や試験コークス炉による押出し抵抗の推定法は、押出し抵抗の高い窯に対してその対策を提供しうるものではない。(3)コークスの質量低減や焼き締まり量の増加を図った減炭法による押出し抵抗の低減効果は少ない。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、コークス炉の炉壁煉瓦の損傷や付着カーボンに起因するコークス押出し時のトラブルを未然に防止するための、押出し抵抗を低減できるコークス炉炭化室への石炭装入方法、およびそのための装入装置を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決するために、乾留後のコークス押出し時の押出し抵抗を低減できる石炭装入方法、およびそれを達成するための装入装置について検討を重ねた結果、下記の(a)〜(e)に示される知見を得た。
【0015】
(a)炉壁煉瓦の損傷は、コークス押出し時に赤熱コークスとの接触時間が長いコークス排出側の部位に発生しやすい。これは、下記の図4に示される炉壁の凹凸量の測定結果からも裏付けられるとおり、長期間使用されたコークス炉において一般的に見られる現象である。
【0016】
図4は、押出機からの距離とコークス炉炭化室の炉壁の凹凸量との関係を示す図である。同図において、炉壁の凹凸量は、炭化室の窯幅設計値から炭化室の窯幅実測値を減じた値を示しており、炉壁の損傷が大きくなるほど、凹凸量の値は大きくなる。長期間使用した炉では、上記のとおり、コークス押出し時に赤熱コークスの接触する時間の長い押出機から離れた場所、すなわちガイド車側の位置で炉壁損傷が多く見られる。
【0017】
(b)炉壁の凹凸が大きいほど押出し抵抗の最大値は大きく、炉壁損傷が大きいと押出し抵抗は大きくなる。この関係は、下記の図5に示されるとおり、炉壁凹凸指数と押出し抵抗との間に良好な相関関係が認められることから裏付けられる。
【0018】
図5は、炉壁凹凸指数とコークス押出し時の押出し抵抗ピーク値との関係を示す図である。同図において、炉壁凹凸指数は、炭化室の設計寸法に代表される基準となる炉壁プロフィル(窯幅)と実測された炉壁プロフィル(窯幅)との差分である炉壁凹凸量を炭化室炉長方向に積分した値により定義される指数である。同図の結果に示されるとおり、炉壁損傷が大きくなるほど、コークス押出し時の押出し抵抗ピーク値は高くなる。
【0019】
(c)上記(a)および(b)の結果より、炭化室内のコークス排出側の領域への石炭装入量を低減することにより、押出し抵抗を低減できる。
【0020】
(d)炭化室炉長方向で、コークス押出し時の押出し抵抗を測定し、これに基づいて、押出し抵抗を低減できる炭化室炉長方向の石炭装入量分布を決定することができる。
【0021】
(e)予め、押出し抵抗と、押出し抵抗を低減可能な石炭装入量分布との関係を各窯の炉壁状態に応じて求めておくことにより、直前の押出し抵抗のデータから押出し抵抗を低減できる適正な石炭装入量分布を決定できる。
【0022】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示すコークス炉への石炭装入方法、および(4)に示す石炭装入装置にある。
【0023】
(1)炭化室に石炭を装入するに際し、炭化室炉壁の凹凸状況に応じて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。
【0024】
(2)炭化室に石炭を装入するに際し、予め、炭化室炉長方向のコークス押出し時の押出し抵抗を測定し、この押出し抵抗に基づいて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。
【0025】
(3)炭化室に石炭を装入するに際し、予め、炭化室炉長方向のコークス押出し時の押出し抵抗と、押出し抵抗を低減できる石炭装入量との関係を求め、この関係に基づいて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定するコークス炉への石炭装入方法。
【0026】
(4)コークス炉の複数の石炭装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする装入パターンを予め設定することが可能な設定手段と、前記設定手段により設定された装入パターンに基づき適正な装入パターンを選択することが可能な選択手段と、前記選択された装入パターンに基づき前記各装入孔毎の石炭装入量を制御する石炭装入手段を備えたことを特徴とするコークス炉の石炭装入装置。
【0027】
本発明において、「炭化室炉壁の凹凸状況」とは、実炉の炭化室炉壁プロフィルの設計寸法に代表される平滑プロフィルに対する、コークスの押出し抵抗に影響しうる炉壁の凹凸の程度およびその分布をいう。
コークス炉の炭化室炉壁に凹凸が発生する要因としては、前述のように、主として、炉壁煉瓦の局所的変位による迫り出しや段差、広範囲の変位による湾曲、摩耗や熱衝撃または付着物剥離などによる欠損、石炭乾留時に発生する熱分解カーボンや粉炭または石炭中灰分の炉壁への付着、炉壁損耗の補修時に用いられる不定形耐火物の盛り上がりなどが挙げられる。これらの要因は、複数ある炭化室毎に必ずしも均一ではないことから、炭化室炉壁の凹凸状況は炭化室毎に相違する。
【0028】
炭化室炉壁の凹凸状況の把握は、例えば、非接触距離計による計測や画像処理などの手段を用いて炭化室炉壁プロフィルを測定し、その結果に基づいて前述のような炉壁凹凸量およびその分布を定量化する方法によるのが望ましい。しかし、コークスを押し出して炭化室内が空になった状態で、装入孔および炭化室窯口のいずれかまたは両方から画像撮影を行って確認するか、または目視により凹凸の程度およびその存在位置を把握する方法によっても本発明の目的を達成することはできる。
なお、押出し抵抗の値が低い炭化室は、他の炭化室に比較して炉壁が平滑に近いと推測できるため、炭化室炉壁の凹凸状況を把握するに際し、凹凸状況の調査対象から除外することもできる。また、同一炭化室で押出し抵抗の経時変化が少ない場合は、炭化室炉壁の凹凸状況に大きな変化はないと推察されるので、必ずしも凹凸状況の調査を毎回行う必要はない。
【0029】
また、「押出し抵抗」とは、コークスを炉外に押出すために要する力を意味し、詳しくは、下記に説明するとおりである。すなわち、コークス炉炭化室の寸法は、炉長方向で14〜16m、炉高方向で5〜7m、炉幅方向で0.4〜0.5mであり、炭化室内で乾留されたコークスは、炉長方向に押し出され、炉外に排出される。コークスを押出す際には、押出し方向の力が、コークス塊と炉壁および炉底との摩擦抵抗ならびにコークス塊の圧縮に要する力を超えたときに、コークス塊はガイド車側に向かって移動し始め、炉外に排出される。このときの押出しに要する力を押出し抵抗と称する。
コークス炉操業では、押出しトラブルや炉壁の倒壊を回避するために押出し抵抗の経時変化を管理する。その管理対象となる値としては、押出し機ラムの電動機の電流および電力値、電動機の二次電流とラムの加速度から演算される実効押出し抵抗、押出し機ラムの駆動軸にかかる反力のロードセルによる測定値などがあり、いずれの値を用いてもよい。
【0030】
なお、押出し抵抗は、コークス塊に炉壁および炉底との静摩擦抵抗が作用するコークス塊の移動開始時点でピーク値に達し、その後は、コークス塊の炉外排出にともない低下する。押出し抵抗の管理方法としては、前記の押出し抵抗ピーク値を用いる方法、押出し開始から押出し完了までの押出し抵抗の平均値を用いる方法、押出し開始から完了までの押出し抵抗の積分値を用いる方法などがある。いずれの方法を用いてもよいが、押出しトラブルや炉壁倒壊を回避するためには、ピーク値により管理する方法が好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明によるコークス炉への石炭の装入方法、および石炭の装入装置についてさらに詳しく説明する。
【0032】
一般に、コークスは、石炭をコークス炉に装入して24時間程度の乾留を行った後、コークス炉から排出され、さらに冷却される。
【0033】
図1は、押出し機を使用してコークス炉からコークスを押出す状況を模式的に示す図である。コークス炉の炭化室1内で乾留を終了したコークス3は、押出し機2のラム6により、押出し機側からガイド車側に向かって押し出され、ガイド車4を介して、バケット車5内に収容される。上記のコークスの押出し操作により空状態となった炭化室1内へは、再度、石炭が装入され乾留が行われる。このようにコークス炉ではバッチ操業によりコークスの製造が行われる。
【0034】
図2は、石炭装入装置として装炭車を使用して石炭を炭化室へ装入する状況を模式的に示す図である。通常は、石炭8をコークス炉の炭化室1の上部から装入するための石炭装入孔(以下「装炭孔」ともいう)13は、一個の炭化室1について複数個存在し、石炭8は、装炭車7を使用して、この石炭装入孔13から炭化室へ装入される。なお、以下では、一個の炭化室につき石炭装入孔13が4個存在するコークス炉を例にとり、説明する。
【0035】
本発明の石炭装入装置は、コークス炉の複数の石炭装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする装入パターンを予め設定することが可能な設定手段と、前記設定手段により設定された装入パターンに基づき適正な装入パターンを選択することが可能な選択手段と、前記選択された装入パターンに基づき前記各装入孔毎の石炭装入量を制御する石炭装入手段を備えている。
【0036】
さらに、炭化室の長さ方向の石炭装入量分布を設定、表示する手段を備えていてもよいし、上記石炭装入量分布を制御する石炭装入手段が、決定された石炭装入量分布に基づいて石炭装入量を石炭装入制御手段に指示する手段と、その指示に基づきコークス炉への石炭装入量を制御する手段とから構成されていてもよい。また、必要に応じて、石炭装入量に加えて石炭装入速度を設定および指示できるようにしてもよい。さらに、石炭装入中あるいは装入後に実装入量を把握する機能、および、これをフィードバックして石炭装入量の制御精度を向上させる機能を組み合わせてもよい。
【0037】
図3は、本発明の石炭装入装置の一例を模式的に示す図である。石炭装入装置9は、コークス操業者が石炭装入パターンを設定および選択できるCRT設定表示装置10、CRT設定表示装置からの信号に基づいて石炭装入パターンの信号を出力する石炭装入指示装置11、石炭装入指示装置からの出力信号に基づいて装炭車7内の石炭ホッパーから石炭をコークス炉の炭化室1内に制御装入する石炭装入制御装置12、および装炭車7を備えている。
【0038】
コークス操業者は、炭化室内の炉壁の損傷状況、カーボンの付着状況、石炭銘柄およびその配合割合、石炭水分量などに基づき、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする石炭装入パターンをCRT設定表示装置10に設定入力する。CRT設定表示装置10に入力された石炭装入パターンは、石炭装入指示装置11に格納される。コークス操業者は、コークス押出し後に炭化室1へ石炭を装入する際に、CRT設定表示装置10を操作して、現在の押出し抵抗値、炭化室内の炉壁状況、石炭銘柄および配合割合、石炭水分量などの情報に基づき、予め設定した複数種類の石炭装入パターンの中から、最適な石炭装入パターンを選択し、決定する。
【0039】
このようにして、CRT設定表示装置10を介して決定された石炭装入パターンである各装入孔毎の石炭装入量は、石炭装入指示装置11から石炭装入制御装置12に伝達される。石炭装入パターンである各装入孔毎の石炭装入量を受信した石炭装入制御装置12は、石炭装入量が前記の各装入孔毎の石炭装入量になるように各装入孔の装入量を制御する。
【0040】
各装入孔毎に設定する石炭装入量に関しては、装入石炭質量や装入石炭体積を直接指定することが好ましいが、石炭装入量の大小を把握できるものであれば特に手段を限定する必要はない。例えば、装炭車の石炭装入機器の仕様によっては、石炭切り出し装置の動作時間や回転数、石炭ホッパー内における石炭のレベル変化などであってもよい。また、石炭装入量の調整手段についても特に限定する必要はなく、例えばテーブルフィーダーなどの石炭切り出し装置の動作時間、回転数、ゲート開度、石炭ホッパーに予め受け入れる石炭量などにより実施できる。
【0041】
図6は、本発明の石炭装入方法を示す図であり、同図(a)は、コークス押出し時における炉長方向の押出し抵抗の測定結果を表し、同図(b)は、押出し抵抗の測定結果に基づく石炭装入量の調整例を表す。
【0042】
コークス押出し時に押出し方向の押出し抵抗を測定した結果、炭化室の炉壁に損傷のない場合には、同図(a)のグラフ中の「通常」で示されるとおり、押出し抵抗は低く、したがって押出し抵抗のピーク値(同図(a)のグラフ中の押出し機側における最高値)も低かった。これに対して、炉壁が損傷した同図(a)中の「▲1▼」および「▲2▼」の場合には、「通常」の場合に比して押出し抵抗が高くなっており、押出し抵抗のピーク値も高かった。
【0043】
上記のような押出し抵抗に対応して、同図(b)に示すとおりの石炭の装入方法を採用した。すなわち、同図(a)中の「通常」の場合に対しては、石炭装入孔番号1〜4(以下、「1番孔」〜「4番孔」という)までの石炭装入量は、均等とした。これに対して、押出し抵抗のピーク値が高い同図(a)中の「▲1▼」の場合には、同図(b)中の「▲1▼」に示すとおり、炉壁損傷の可能性の高い「押出機から最も離れた領域の炉壁に近い石炭装入孔」すなわち、1番孔からの石炭装入量を減少させた。
さらに、押出し抵抗のピーク値が非常に高い同図(a)中の「▲2▼」の場合には、同図(b)中の「▲2▼」に示すとおり、1番孔に加えて、次に押出し機から離れた領域に位置する2番孔からの石炭装入量も減少させた。
このように、予め、押出し時の押出し抵抗を測定し、押出し抵抗のピーク値に応じて、押出し機から最も離れた装入孔を最優先として順次石炭装入量を減少させることにより、コークス押出し時の押詰まりや押止まりを回避することができる。
【0044】
なお、石炭装入量を装炭孔毎に調整すること自体は、従来行われていたが、それは、炉団内の全炭化室を対象として、例えば、石炭装入量の増加や炉団単位での炉長方向の乾留条件の均一化を目的として実施されていたものであり、本発明の方法のように、炭化室毎の炉壁の凹凸状況に応じて装炭孔毎の石炭装入量を調整することにより押出し抵抗を低減することを意図したものではなかった。
【0045】
したがって、本発明の方法のように押出し抵抗の低減を目的として炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量を調整しようとすれば、各装炭孔に対応する石炭槽のそれぞれの切り出し量を炭化室毎にその都度調整する必要があった。例えば、4個の装炭孔を有する炭化室を100窯有するコークス炉においては、400個の装炭孔の全てに対して各装炭孔毎の石炭装入量を決定し、それに応じてその都度設定変更を行う必要が生じる。その煩雑さから、作業性は悪化し、生産性も低下するため、上記のように炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量の調整を行うことは、事実上不可能であった。
これに対して、本発明の石炭装入装置によれば、目的に合致した判断基準にしたがい、予め設定された装入パターンを選択することにより、高い生産性および作業性を確保した上で、炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量を調整することが可能となる。さらに、電子計算機などを使用して、入力された炭化室毎の操業データに基き、操業目的に合致した判断基準にしたがって予め設定された装入パターンを選択するまでを、自動的に実行させることにより、操業者の判断や作業を介することなく炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量の調整を行うことができる。また、電子計算機に多数の装入パターンおよび多種多様な判断基準に基づく装入パターン選択のアルゴリズムを記憶させておくことにより、系統的に、しかもきめ細かく高い精度で、炭化室毎に装炭孔毎の石炭装入量が調整可能となり、コークス炉の大幅な操業改善が達成される。
【0046】
【実施例】
本発明の有用性を確認するため、下記の装入試験を行い、石炭押出し抵抗の低下、および炭化室の炉壁損傷の回復についての評価を行った。
(実施例1)
炭化室内の石炭堆積プロフィルの推定を行った。石炭が堆積する場合の安息角は、石炭の水分量や石炭の粒度に依存する。水分量が9質量%の石炭の安息角は38度程度であることに基づいて、石炭の堆積プロフィルの推定を行った。検討対象としたコークス炉の炭化室の高さは6000mm、押出し機側からガイド車側までの距離(炭化室の長さ)は15290mmである。1窯当たり4個の石炭装入孔を有し、最もガイド車側に近い装入孔は、ガイド車側より2265mmの位置にある。
【0047】
図7は、比較例として、通常の装入方法、すなわち各装入孔から均等に装入した場合の炭化室内の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。同図の結果によれば、ガイド車側窯口部の石炭層の高さは炉底から3800mm程度であり、また、1番孔直下の炉底から1500mm上部付近の欠損が多い炉壁部では、石炭は炉壁の欠損部を全て満たすように充填されていると推定された。
【0048】
次に、本発明の装入方法を実施した場合の石炭堆積プロフィルの推定を行った。図8は、コークス排出側の石炭装入孔、特に1番孔からの装入を停止した場合の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。同図の結果によれば、1番孔直下における石炭層の高さは炉底から1200mm程度であり、炉壁の欠損部位と石炭層との接触部分の面積は低減されると推定された。
【0049】
このように、炉壁損傷部位に応じて装入孔毎の石炭装入量を調整することにより、炉壁損傷部位と石炭層との接触範囲を調整し、押出し抵抗の上昇を抑制することが可能である。特に、ガイド車側窯口および最もガイド車側寄りの装入孔直下の炉壁において、炉壁損傷やカーボン付着が進行している場合が多いため、最もガイド車側寄りの装入孔において石炭装入量の調整を行うのが効果的である。
【0050】
なお、隣接する窯の熱間補修を行うに際して、上記例の1番孔に相当する部位の石炭装入を行わない方法が採られる場合があるが、これは、隣接窯の補修の影響で、窯口部のガス燃焼ができないことから採られる方法であり、本発明とは目的および作用が全く相違する。本発明は、押出し抵抗の制御を目的として、通常操業時に実施する方法であり、押出し制御の対象とする窯またはそれと隣接する窯の補修の有無に拘わらず実施することが可能である。
(実施例2)
実コークス炉において、コークス押出し時の押出し抵抗のデータなどに基づいて、特に炭化室の炉壁損傷の大きい窯、すなわち炉壁凹凸の大きい窯を選定し、本発明法による装入試験を実施した。炭化室寸法は実施例1にて記載したとおりであり、試験対象窯においては、目視の結果、1番孔の直下で、炉底から1500mm程度の高さ位置を中心にして深さ20mm程度の炉壁部の欠損が確認された。
【0051】
従来の装入方法では、1番孔〜4番孔の全て、または押出し機側における押出機ラムとの接触代を確保するため、1番孔〜3番孔において石炭装入量を調整する減炭を行っていた。
【0052】
図9に、同一窯において上記の従来法により減炭を行った場合の操業結果を、比較例として示した。同図に示されるとおり、約28トンから22トンへの大幅な減炭を行ったにも拘わらず、押出し抵抗は十分には低下しなかった。これは、炉壁損傷による凹凸部位と石炭とが接触しており、これによるコークス押出し時の抵抗の増加が影響しているためと考えられる。このような減炭方法をとる限りは、炉壁凹凸部位における炉壁と石炭との接触面積を低減させるためには、さらに大幅な減炭が必要であり、現実的ではなかった。
【0053】
そこで、1番孔からの石炭装入量を0(ゼロ)とし、炉底から1500mm程度の高さの凹凸部位に石炭層が接触しないように石炭を装入することにより、押出し抵抗の低減を図った。ここで、試験対象コークス炉では、各石炭装入孔毎の装入量の調整は、装炭車に設置された石炭切出しテーブルフィーダーの動作タイマーを調整することによって行った。通常は、各装入孔とも、約90秒間の装入時間に設定されている。
【0054】
図10は、本発明の装入方法を試験実施した場合の操業結果を示す図である。本発明法により、1番孔からの石炭の装入量を0(ゼロ)とした結果、押詰まりを発生させずにコークスを押出すことが可能になった。
【0055】
この装入方法を30日間継続して実施したところ、押出し時の押出し抵抗が低下してきたので、1番孔直下の炉壁の欠損部がカーボンで埋められ、炉壁が平滑に近づいたと判断し、1番孔からの装炭量を徐々に増加させた。1番孔からの装炭時間を40秒として操業を継続したところ、押出し抵抗の顕著な上昇もなく、押詰まりも発生しなかった。その後も安定して押出しが可能となり、10日後には通常の装炭量に復帰させたが、押詰まりの発生は皆無であった。
【0056】
なお、石炭装入量を減少させることは、コークスの生産性を低下させることになるが、従来の方法である1〜4番孔の全て、または1〜3番孔において石炭装入量を減らすのと、本発明法である1番孔のみ、または1〜2番孔の装入量を減少させるのとでは、コークス生産量に関してはほぼ同等である。
【0057】
これに対して、従来法による操業で、コークス押詰まり、押止まりが発生した場合は、窯出しスケジュールの変更を余儀なくされ、コークス生産量の低下は上記の比ではない。さらに、従来法では、押出し可能となるまでの置時間の延長によって、消費熱量が増大し、これがコークス製造コストの増加につながるとともに、炭化室の炉壁煉瓦に多大の負荷を加えることとなるため、炉体の損傷の進行、炉壁倒壊などの問題を惹起し、コークス炉寿命の低下を招くこととなる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の石炭装入方法によれば、コークス炉の炉壁煉瓦の損傷や付着カーボンに起因するコークス押出し時の押出し抵抗の増加を防止し、コークス排出時のトラブルを未然に防止して、コークス炉の安定操業を実現するとともに、コークス炉の寿命延長に大きく寄与できる。また、本発明の石炭装入装置は、前記の石炭装入方法を実施するための好適な装入装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出機を使用してコークス炉からコークスを押出す状況を模式的に示す図である。
【図2】装炭車を使用して石炭を炭化室へ装入する状況を模式的に示す図である。
【図3】本発明の石炭装入装置を模式的に示す図である。
【図4】押出機からの距離とコークス炉炭化室の炉壁凹凸量との関係を示す図である。
【図5】炉壁凹凸指数とコークス押出し時の押出所要力ピーク値との関係を示す図である。
【図6】本発明の石炭装入方法を示す図であり、同図(a)はコークス押出し時における炉長方向の押出し抵抗の測定結果を表し、同図(b)は押出し抵抗の測定結果に基づく石炭装入量の調整を表す。
【図7】通常の装入方法による炭化室内の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。
【図8】コークス排出側の装炭孔からの装炭を停止した場合の装入石炭の堆積プロフィルを示す図である。
【図9】従来法により減炭を行った場合の操業結果を示す図である。
【図10】本発明の装入方法を実施した場合の操業結果を示す図である。
【符号の説明】
1:炭化室、 2:押出し機、 3:コークス、 4:ガイド車、
5:バケット車、 6:押出し機ラム、 7:装炭車、 8:石炭、
9:石炭装入装置、10:CRT設定表示装置、11:石炭装入指示装置、
12:石炭装入制御装置、13:石炭装入孔
Claims (4)
- 炭化室に石炭を装入するに際し、炭化室炉壁の凹凸状況に応じて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定することを特徴とするコークス炉への石炭装入方法。
- 炭化室に石炭を装入するに際し、予め、炭化室炉長方向のコークス押出し時の押出し抵抗を測定し、この押出し抵抗に基づいて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定することを特徴とするコークス炉への石炭装入方法。
- 炭化室に石炭を装入するに際し、予め、炭化室炉長方向のコークス押出し時の押出し抵抗と、押出し抵抗を低減できる石炭装入量との関係を求め、この関係に基づいて炭化室炉長方向の石炭装入量の分布を決定することを特徴とするコークス炉への石炭装入方法。
- コークス炉の複数の石炭装入孔を有する着目炭化室の各装入孔毎に石炭装入量の制御が可能な石炭装入装置であって、各装入孔毎の石炭装入量を構成要素とする装入パターンを予め設定することが可能な設定手段と、前記設定手段により設定された装入パターンに基づき適正な装入パターンを選択することが可能な選択手段と、前記選択された装入パターンに基づき前記各装入孔毎の石炭装入量を制御する石炭装入手段を備えたことを特徴とするコークス炉の石炭装入装置。
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