JP2001294867A - コークス炉の炉壁管理方法 - Google Patents
コークス炉の炉壁管理方法Info
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Abstract
し詰まり防止ひいては炉体損傷防止を実現する技術を開
発する。 【解決手段】 炉壁カーボン付着前と付着後のコークス
炉炭化室プロフィールを定量的に測定し、(i) その差異
から炭化室炉壁に付着する炉壁カーボンの成長速度を測
定し、得られた炉壁カーボン成長速度と操業要因との関
係を求め、該関係に基づいてコークス炉の炉壁を管理す
るか、(ii)得られた炭化室プロフィールに基づいて炭化
室炉壁状態を指標化し、これが一定範囲を越えたときに
カーボン焼き落としおよび/または炉体補修を実施し
て、コークス炉の炉壁を管理する。
Description
室を構成する炉壁のプロフィールを測定し、これに基づ
いて行うコークス炉炭化室の炉壁管理方法に関する。
れた石炭を高温下でコークスに乾留し、乾留が完了した
コークスを押出機で窯の外へ排出した後、再び装炭孔か
ら常温に近い石炭を装入するといった、温度的にも機械
的にも苛酷な条件下で操業される。炉団によっては、築
炉されてから30年以上という長期間に渡って使用されて
いる例もある。
の炭化室と燃焼室とを仕切る、煉瓦等によって構成され
た隔壁の壁面、特に炭化室側の壁面 (以下、炉壁あるい
は炭化室炉壁と称する) に、石炭の乾留過程で得られる
炭化水素の分解により発生するカーボンが付着・成長す
る。このカーボンの成長速度は特に炉壁の温度の影響が
大きく、炉壁温度が均一でない炭化室では付着カーボン
の厚みは均一ではないので、結果としてそのような炭化
室炉壁に局所的に厚いカーボン層が形成され、凹凸が増
加する。
も炭化室炉壁との機械的接触、熱衝撃等により炭化室炉
壁は摩耗・損傷を受け、これも均一ではないため炉壁が
凹凸となる。
炉直後は平滑であった炭化室炉壁は長年の使用により平
滑ではなくなっている。炭化室炉壁が平滑でなくなる
と、コークス押出時のコークス塊と炭化室炉壁との間の
抵抗が増加するため押出に必要な負荷が増加し、最終的
にはコークス塊が炭化室内で詰まって押出ができなくな
る、押し詰まりの状態になる。
化室からのコークス掻き出しに要する作業負荷の増加の
みならず、炭化室炉壁に過大な負荷が掛かることによ
り、炉壁煉瓦の亀裂・目地切れ・欠損・陥没・脱落等の
損傷、あるいは炉壁の湾曲が生じ、これが進行すると当
該窯の炉壁が崩壊し、操業不可能となる。また炉壁湾曲
は隣接の炭化室へも悪影響を与え、炉団全体に損傷が進
行することになる。
は空窯によるカーボン焼き落としが、炉壁損傷に関して
は溶射等の不定形耐火物による補修がそれぞれ可能であ
る。しかし、作業負荷の増大、操業度の低下、また炉壁
カーボン焼き落とし時に炉壁煉瓦や補修材が一緒に脱落
する可能性もあり、頻繁なカーボン焼き落としは回避す
べきである。
クス炉操業中に実施するには対象炭化室数が多く、また
作業時間が制約される等の理由から、亀裂・目地切れ・
凹凸を完全に修復出来るものではない。
出負荷を、多くの場合、押出機のモータの電力値もしく
は電流値のピーク値により監視しこれにより炭化室炉壁
の状況を判断し、押出負荷が上昇するようであれば炉壁
カーボンの焼き落としを行うのが一般的である。しか
し、この方法では、コークス押出負荷上昇の要因が炭化
室炉壁でのカーボン成長にあるのか炭化室炉壁損傷にあ
るのか、もしくは他の操業要因にあるのかは特定できな
い。よって、対処方法、時期が不適切となる可能性があ
る。
134459号、特開平10−219256号各公報等で開示されるよ
うな、押出機のラムヘッドの移動量に対する押出負荷の
変動波形より、押出抵抗上昇要因を判定し、炭化室炉壁
異常が原因である場合はその位置を特定する方法が、多
く提案されている。
を間接的に推定しているに過ぎず、また、炉壁異常のあ
らゆるケースに関して炉壁異常と押出負荷の変動波形と
の関係が明確になっている訳ではないため、炉壁カーボ
ン付着の度合いを定量的に評価することはできず、また
その原因が炉壁カーボン付着か炉壁損傷かを断定するこ
とは出来ない。
なる可能性がある。例えば炉壁凹凸の要因として煉瓦損
傷と炉壁カーボン付着とを誤判定した場合、焼き落とし
を行っても凹凸は解消されず、却って炉壁を痛めてしま
う。
室上部空間に試験片を吊り下げる方法により、炭化室炉
壁カーボン付着速度と装入炭性状等のコークス炉操業要
因との関係を明らかにする方法 (「材料とプロセス」vo
l.9 ,pp.643 、「材料とプロセス」vol.10,pp.160 等)
が試みられている。
炭乾留状況や乾留ガスが炉壁を通過する速度等、実炉と
大きく異なり、その結果をそのまま実炉に適応すること
はできない。また実炉炭化室上部空間に試験片を吊り下
げる方法も、乾留コークスと接触する領域の炭化室炉壁
とは温度や乾留ガス流速、さらに装入炭の炉壁への圧密
等全く条件が異なり、よって、これをもって実炉の炉壁
に凹凸を形成するカーボンの成長速度を推測することは
困難である。
炭化室炉壁プロフィールを明らかにし、カーボン付着量
・炉壁損傷量を定量的に測定する方法がいくつか提示さ
れている。
ing International"2(1996)vol.8pp42 においては、押
出機のラムヘッドに搭載した非接触式の距離計によるコ
ークス炉炭化室の窯幅計測を提案しており、特に後者で
は、その結果より窯間の炭化室炉壁プロフィール差異や
コークス塊押出時の押し詰まりによる炉壁変形に関して
言及している。しかしながら、まだ十分な問題解決には
至っていない。
ロフィールの測定結果を定性的に判定しコークス炉劣化
判定システムに取り込む提案がなされているが、実用的
見地からは、炭化室炉壁プロフィールの測定結果を利用
しているとは言えない。
触式の距離計によりコークス炉炭化室炉壁プロフィール
を測定し、その平滑度を定量的に評価し、あるいは指標
化して管理することで、押出負荷上昇抑制・押し詰まり
防止ひいては炉体損傷防止を実現する技術を開発するこ
とである。
めに、本発明では、カーボン焼き落とし直後と、その後
一定期間経過し炉壁カーボンが成長した後の炭化室プロ
フィールを、断熱容器に収納した非接触式距離計により
測定し、その結果の差異と、炉壁カーボン付着前後の測
定期間の間隔とにより炉壁におけるカーボン成長速度を
決定する。
ス炉の炭化室プロフィールの計測を行い、その結果を基
に炭化室炉壁状態を指標化することで健全度を判定し、
その判定結果に基づいて管理を行うコークス炉の炉壁管
理方法である。
炭性状・炉蓋開放時間等の操業条件を記録しておき、こ
れらの要因と先に求めた炉壁カーボン成長速度との関係
を求める。
成長を促進するような操業要因がある場合、これを調整
することでコークス塊の押出性を阻害するような炉壁カ
ーボンの成長速度を抑制する。
前と付着後のコークス炉炭化室プロフィールを距離計等
により定量的に測定し、その差異から炭化室炉壁に付着
する炉壁カーボンの成長速度を測定し、得られた炉壁カ
ーボン成長速度と操業要因との関係を求め、該関係に基
づいて行うコークス炉の炉壁管理方法である。
押出機ラムヘッドもしくはビームの近傍に断熱箱を取付
け、これからバネ等で両側の炉壁の各々に、先端にロー
ラをつけたガイドを接触させ、その変位量で炭化室幅を
測定する、接触式の距離計を用いる方法が提示されてい
る。しかし、このような接触式の距離計では押出過程で
炭化室の凹凸面に引っかかり、ガイドが変形して測定出
来なくなる。また、ガイド先端のローラの径より小さい
凹凸は測定出来ず、すなわち測定精度が低いことにな
る。よって非接触式の距離計による炭化室窯幅計測が望
ましい。
ビームに取り付けた断熱容器に収納し、これと押出ラム
の移動量とにより炭化室プロフィールを測定する。別の
面からは、本発明は、炭化室プロフィールを求め、その
結果をもとに炉壁平滑度を指標化することで炭化室炉壁
の管理を行い、この管理指標が基準値を越えた場合には
炉壁平滑度異常の原因に応じてカーボン焼き落としや異
常箇所の溶射等の補修を行う方法である。
の判定方法としては、ほぼ完全にカーボンが焼き落とさ
れた直後の炭化室プロフィールを事前に測定しておき、
これと炉壁平滑度に異常が生じた時の測定結果とを比較
することで、カーボンの付着量もしくは炉壁損耗量を測
定し炉壁平滑度異常原因を特定する方法、および非接触
式の距離計と同一もしくは別体の断熱容器にビデオカメ
ラ等の撮像装置を搭載し、その映像より炉壁平滑度異常
原因がカーボンによるものか炉壁損耗によるものかを判
定する方法、特開平11−61138 号公報で示されるような
放射温度計を用いてカーボン付着位置を特定する方法等
の、単独もしくは複数を組み合わせて行う。
って炭化室プロフィールを求めることは知られていた
が、それを基に炉壁カーボン成長速度を算出すること
も、またそれを基に炉壁状況を指標化することも、行わ
れていなかった。
非接触式距離計とこれを炭化室内に装入する押出ラムの
ような装入装置とその炭化室内での位置検出装置、およ
び各々のデータを収納する記憶装置から成り、炭化室内
への装入装置 (例:押出ラムもしくはビーム) に搭載さ
れる上記距離計などの計器に関しては断熱箱に収納され
る。
での炉壁プロフィールを計測することができる。またこ
の時、非接触式距離計と同一もしくは別体の断熱容器に
ビデオカメラ等の撮像装置を搭載しておけば、炉壁異常
原因の特定をより容易にすることが出来る。
間経過後の炉壁プロフィールとの比較を行い、その差異
と測定期間の間隔とから炉壁カーボン成長速度が測定で
きたことになる。
内各所で一定ではなく、その位置により異なる。これは
炭化室と隣接し、石炭に乾留熱量を与える役割を果たす
燃焼室の温度が必ずしも炉内全域で同一温度ではなく、
偏差があるためと考えられる。そこで乾留温度を測定す
るには炉内の一点ではなく炉壁プロフィール測定位置で
の温度分布を測定することが望ましい。よって距離計を
炉内に装入する装入装置に非接触の温度計を設置し炭化
室炉壁温度を測定する方法もしくは複数室に区切られた
燃焼室の各室に熱電対を装入する方法等のいずれかによ
り、乾留温度を測定する。
結果や乾留時間、コークス塊押出の際の炉蓋開放時間等
を別途記録しておく。このようにして得られた炉壁カー
ボン成長速度と各操業条件との関係を明らかにすること
で操業の各要因と炉壁カーボン成長速度の関係を、例え
ば定量式として求めることができる。必要があれば回帰
式により1つの式にまとめることも可能である。
炉壁カーボン成長速度=f( x)(x: 乾留温度、装入炭性
状、ect.)したがって、これからもわかるように、上記
炉壁カーボン成長式において、調整可能な要因があれば
炉壁カーボンの成長を制御できる。例えば局所的な高乾
留温度領域があり、その箇所で炉壁カーボンが局所成長
しておれば、この部分の乾留温度を上記炉壁カーボン成
長式に基づいて調整することにより、炉壁カーボン局所
成長の進行を抑制することができる。
おいて、炉壁プロフィールの変化が見られる場合は炭化
室炉壁レンガの異常と考えられるため、溶射等の耐火物
による補修、レンガの部分/全体積み替えを行う必要が
ある。
ルを計測しても、基準となる平滑面から、上記装置を用
い計測した炭化室炉壁プロフィールを減算することによ
り炭化室炉壁の凹凸を示すデータが得られる。
化することで炉壁平滑度の指標とし、この指標が予め決
めたしきい値を越えた場合、当該炭化室炉壁の凹凸が大
きい炉壁を異常窯と判定するのである。
カーボン焼き落とし直後の炉壁プロフィールとの比較お
よびもしくは前記の撮像装置により異常原因を判定する
ことが出来、原因に応じてカーボン焼き落としや、溶射
等の補修を行うことで炉壁平滑度を回復する。
基準となる炉壁プロフィールとの差分により求められる
炉壁の凹凸量を積分する方法が最も簡便である。また、
しきい値は、平滑度指標と押出負荷力ピーク値との関係
の実績により、押出負荷ピーク値がその実績にもとづく
管理値以内に収まるような平滑度指標に決定するのが妥
当である。
についてさらに具体的に説明する。
非接触式距離計の構成、操作を説明する、それぞれ平面
図および側面図である。
1によって一対の、対向した壁面4が測定できる。この
距離計1は、断熱箱内に設置され、押出機5のラムヘッ
ド3に取り付けられ、ラムヘッドと共に炭化室6内に装
入される。移動距離は歯車7によって計測される。
各々までの距離が測定できるように上記距離計を押出機
のラムヘッド部の炉底から2.8mの位置に設置し、またこ
のラムヘッドの移動量と本装置により測定した炭化室内
各位置における炭化室窯幅をもって炉壁プロフィールと
みなした。
とし直後の炭化室窯幅、つまり炭化室プロフィールの一
例を図2に点線のグラフで示す。このグラフの横軸は炭
化室に隣接する燃焼室を30箇所に等間隔で区分けする各
室すなわちフリューNo.である。つまり、図中、炭化室
内の距離は、フリューNo.で示すが、これは炭化室内の
温度を隣接する燃焼室の区画、つまりフリュー単位で計
測しているためである。
測結果と併せて、これから1ヶ月経過後の炉壁カーボン
成長後の炭化室窯幅の計測結果を図2に実線のグラフで
示す。図中、破線はカーボン焼き落とし直後のデータに
相当するもので、実線が1ケ月経過後のデータである。
間内に成長した炉壁カーボン量であり、これを図3に示
す。またこの計測対象の炭化室に隣接する燃焼室の30室
に区分けされた各室 (以下フリューと称す) に装入した
電熱対による乾留温度の測定結果を図3に併せて示す。
なお、電熱対は炭化室窯幅の計測位置と同一高さに設置
し、各温度は測定間隔である1ヶ月の平均である。
カーボン成長速度が特に顕著な位置においては乾留温度
も高位であり、これが局所カーボン成長要因となってい
るものと考えられる。結果として、フリュー間の温度偏
差が原因で炉壁カーボン要因により1ヶ月で最大20mmの
段差ができ、これを放置するとコークス塊の押出性が阻
害されることは容易に推察できる。
は、装入炭性状・乾留時間等の操業要因は同一条件と考
え、乾留温度と炉壁カーボン成長速度の関係を明らかに
したのが図4である。
したときの、乾留温度と炉壁カーボンとの関係式は、次
式で与えられる。 炉壁カーボン成長速度(mm/day)=35248 ×exp[-17483/
乾留温度(k)] なお、このときの操業条件は、炉高6m のコッパース複
式炉においてコークス炉稼働率=98%、装入炭水分=9.
3 %、装入炭揮発分=28.8%、装入炭量=28.1(dry to
n) 、炉蓋開放時間=162 分/日であり、本式の係数は
この時の操業要因に依存するものである。
間の乾留温度差を30℃以下にしてやれば、カーボン焼き
落としから1年経過後も、局所カーボン成長による炉壁
段差を10mm程度に抑制できることが分かる。
を30℃以下に調整すべく、燃焼ガス吐出孔の口径を調整
することで温度偏差是正を図った結果が図5である。こ
の調整を行い、炉壁カーボン焼き落としを行った後1ヶ
月後の炭化室窯幅計測結果を併せて表記する。上記で問
題とした局所カーボン量による段差は減少し、炉壁凹凸
は改善方向であることが分かる。なお、図5において、
破線は図2中の実線と同じく温度分布是正を行わなかっ
た場合の炭化室窯幅計測結果である。図5の実線と破線
の差分が本発明の効果であり、凹凸が抑制できているこ
とを示す。
出抵抗の推移を図6に示す。図6から分かるように、本
発明を未適用の場合、カーボン焼き落とし後、図3に示
すような局所カーボン成長により炉壁凹凸量が増加して
押出抵抗が増加している。しかし、その後、本発明にし
たがってフリュー間の乾留温度差を30℃以内に調整して
やることにより炉壁凹凸は解消方向に向かい、その結
果、押出抵抗は低下し、炉壁破壊につながる押詰まりは
回避できた。
偏差是正調整のみで炉壁カーボン成長偏差抑制を図った
が、可能であれば、装入炭・水分・性状・量の炉内分布
調整や、水蒸気、空気等の特定箇所導入によるカーボン
成長速度の調整も有効である。
を用い、実施例1と同様にして行ったが、本例の場合、
ほぼ同じ高さに断熱箱内に収納した撮像装置2をさらに
設置した。
化室プロフィールの一例を図7に示す。図7には併せ
て、炭化室内の計測位置と炭化室窯幅のデータとの回帰
式により求めた基準線を実線で示す。
窯幅の計測結果を減算したのが図8であり、これは炉壁
の凹凸量を示す。図8中の斜線部で示す凹凸の面積の総
和を求めることで、炭化室窯幅測定窯の炉壁の凹凸量を
表す指標 (以下、炉壁凹凸指数と称す) とした。
量が大きいことを示し、コークス塊の押出抵抗も増加す
るものと考えられる。図9に、このようにして求めた炉
壁凹凸指数を横軸に、コークス塊押出時の押出抵抗を示
す押出所要力ピーク値を縦軸に取ったグラフを示すが、
炉壁凹凸量が増加するに従い押出抵抗が増加しているこ
とがわかる。なお、石炭配合の影響を排除するため、各
データは同一石炭配合時の結果である。
値上限、つまりしきい値を18ton としており、石炭配合
や炉温管理等に問題がないと考えられる場合、押出抵抗
の高位窯に対してはこれが18ton 以内に収まるよう炉壁
凹凸指数、すなわち炉壁凹凸量を低下させる必要があ
る。
わらず押出抵抗が高位である場合は、操業設備の機械的
要因・炉温管理・石炭配合等が原因である可能性が高
く、これらに関し対処を行う。
しによる炉壁凹凸指数低下で、押出抵抗を低下させた実
施例を示す。図10は該当窯の炭化室窯幅測定結果であ
り、破線が炉壁カーボン焼き落とし後、実線が炉壁カー
ボン焼き落とし前に計測した結果である。
押出所要力ピーク値を縦軸に取ったグラフであり、図中
白丸が該当窯の炉壁カーボン焼き落とし実施前、黒丸が
焼き落とし実施後のデータである。
が、図10の破線と実線の比較および撮像装置による画像
より、炉壁カーボン付着によるものと判定されたため炉
壁カーボン焼き落としを実施したところ、図11に示すよ
うに炉壁凹凸指数が低下し、押出抵抗を低位に抑制出来
た。一方、炉壁損傷進行により炉壁凹凸指数が上昇した
と判断される窯に関しては、不定形耐火物による炉壁補
修等により炉壁平滑度を回復することで、本例と同様に
押出抵抗低位抑制が可能である。
抵抗はコークス乾留温度・石炭配合・押し出されるコー
クス塊の量等によっても変化するため、これら要因によ
る押出抵抗変動量を補正することで炉壁平滑度と押出抵
抗との関係がより明確になるものと考えられる。
幅により炭化室炉壁平滑度を評価したが、より高精度な
管理を行うためには、炉高方向複数箇所で測定したデー
タを用いたり、押出方向に向かって左右両壁の個別の凹
凸量を評価したりする等、より細分化されたデータを用
いることが望ましい。
の炉壁凹凸構成要素に関し、実測データに基づいてその
大きさや形状の評価を折り込んだ指数であればより高精
度な管理が可能となる。
れば、非接触式距離計により計測した炭化室炉壁プロフ
ィールから、一方では操業要因との関係を求め、これに
より炉壁カーボン成長量を各操業要因により制御するこ
とで炉壁カーボン異常成長を抑制することができ、他方
では、それに基づいて炭化室炉壁状態を指標化すること
で炉壁の現状を把握でき、その結果、押詰まり防止・炉
壁損傷回避・安定操業継続を達成することができる。
るための装置構成例を示すそれぞれ模式的平面図および
側面図である。
後と1ヶ月経過し、炉壁カーボンが成長した後の窯幅計
測結果の一例を示すグラフである。
隔の1ヶ月間に成長した炉壁カーボンの成長量と、測定
間隔の1ヶ月間における各フリューの乾留温度の分布を
比較して示すグラフである。
ンの成長速度と乾留温度との関係を示すグラフである。
分布を是正した結果と、そのような温度分布是正を行い
炉壁カーボン焼き落としを行った後、1ヶ月経過後の炭
化室窯幅計測結果とを比較して示すグラフである。
した場合のコークス塊押出抵抗の経時推移を示すグラフ
である。
示すグラフである。
帰式で求めた基準線を減算した炉壁凹凸量を示すグラフ
である。
値の関係を示すグラフである。
炉壁プロフィール計測結果例を示すグラフである。
指数が低下し、それに伴いコークス塊の押出所要力ピー
ク値が低下したことを示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 コークス炉の炭化室プロフィールの計測
を行い、その結果を基に炭化室炉壁状態を指標化するこ
とで健全度を判定し、その判定結果に基づいて管理を行
うコークス炉の炉壁管理方法。 - 【請求項2】 炉壁カーボン付着前と付着後のコークス
炉炭化室プロフィールを定量的に測定し、その差異から
炭化室炉壁に付着する炉壁カーボンの成長速度を測定
し、得られた炉壁カーボン成長速度と操業要因との関係
を求め、該関係に基づいて行うコークス炉の炉壁管理方
法。 - 【請求項3】 前記操業要因の一つとして乾留温度の窯
内偏差を選び、炉壁カーボン成長速度偏差を制御すべ
く、乾留温度窯内偏差の是正を行い、さらに必要により
装入炭量・水分・性状の分布制御の実施やカーボン成長
抑制効果のある気体の炉内局所導入を行う請求項2記載
のコークス炉の炉壁管理方法。 - 【請求項4】 コークス炉炭化室プロフィールを定量的
に測定し、得られたプロフィールに基づいて炭化室炉壁
状態を指標化し、これが一定範囲を超えたときにカーボ
ン焼き落しおよび/または炉体補修を実施することを特
徴とするコークス炉の炉壁管理方法。
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