JP5983641B2 - フード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造 - Google Patents

フード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造 Download PDF

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Description

本発明は、フード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造に関する。
下記特許文献1には、歩行者用エアバッグ装置に関する発明が開示されている。この歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグモジュールがフードの後端部の下面側に配設されている。これにより、車両が歩行者と衝突すると、フードの後端部に設けられたカバーがフードエアバッグ(歩行者保護エアバッグ)に押圧されて展開されると共にフードの後端部が押し上げられ、その状態でウインドシールドガラスに向けてフードエアバッグが膨張展開されるようになっている。
また、下記特許文献2には、フードエアバッグ装置に関する発明が開示されている。このフードエアバッグ装置では、エアバッグモジュールがフードインナパネルの後端部に形成された膨出部に固定されている。これにより、フードエアバッグ展開時において、当該フードエアバッグの展開反力が、フードインナパネルの後端部に形成された膨出部によって支持されるようになっている。
特開2005−178587号公報 特開2003−089333号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された先行技術による場合、フードエアバッグの展開反力をインフレータの取付ブラケットのみで支持する構造とされている。このため、フードエアバッグ展開時において、当該取付ブラケットにフードエアバッグの展開反力が集中し、その結果、フードエアバッグの展開挙動が安定しない可能性がある。
一方、上記特許文献2に記載された先行技術による場合、エアバッグモジュールがフードインナパネルの後端部に形成された膨出部に固定される構成とされており、フードエアバッグの展開反力が、当該膨出部によって支持される。このため、特許文献1に記載された先行技術に比し、フードエアバッグの展開挙動が安定する。しかし、特許文献2に記載された先行技術では、エアバッグモジュールのモジュールケースとフードインナパネルの膨出部とが、当該モジュールケース及び当該膨出部の車両幅方向に広い面同士が全面に亘って面接触された状態で当接されている。このため、モジュールケースとフードインナパネルの製造ばらつきによって、エアバッグモジュールのフードへの組付性が損なわれることが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、フードへの組付性を確保しつつ、歩行者保護エアバッグの展開挙動を安定させることができるフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、後端部が車両上方側へ上昇可能とされたフードにおける当該後端部の下方側に配設され、モジュールケースに収容されると共に、作動することによりガスを噴出するインフレータと、前記モジュールケース内に折り畳まれた状態で格納され、前記インフレータからのガスが供給されることにより前記フードの後端部とウインドシールドガラスとの間から車両後方上面側へ膨張展開される歩行者保護エアバッグと、前記フードの後端部の下方側でかつ前記インフレータの車両前方側に設けられ、前記モジュールケースの前壁部に対向して配置されると共に、前記歩行者保護エアバッグの展開反力を支持可能な支持壁と、車両上下方向に締結されて前記モジュールケースを前記フードに固定する締結部と、前記前壁部と前記支持壁との間に配置され、前記歩行者保護エアバッグの展開反力を当該支持壁に伝達する局部的な伝達部と、を有している。
請求項2記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、請求項1に記載の発明において、前記伝達部は、前記支持壁及び前記前壁部の何れか一方に一体に形成されていると共に、当該支持壁及び当該前壁部の何れか一方から当該支持壁及び当該前壁部の何れか他方に向かって膨出するビード部である。
請求項3記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、請求項1に記載の発明において、前記伝達部は、車両幅方向に間隔をあけて設けられた複数の隙詰め部材である。
請求項4記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、請求項1又は請求項3に記載の発明において、前記伝達部は、硬質部と軟質部とが車両幅方向に交互に配置された隙詰め部材である。
請求項5記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記伝達部は、車両正面視で前記インフレータと重なる位置に配置されている。
請求項6記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、請求項1に記載の発明において、前記伝達部は、前記前壁部に設けられた貫通孔から突出されて前記支持壁に当接された前記インフレータ、又は当該貫通孔から突出された部材を介して前記支持壁に当接された前記インフレータである。
請求項1記載の本発明によれば、フードの後端部の下方側に配設されたインフレータが作動すると、インフレータからガスが噴出される。このガスは、モジュールケース内に折り畳まれた状態で格納された歩行者保護エアバッグ内へ供給される。一方、フードの後端部は、車両上方側へ上昇し、歩行者保護エアバッグの膨張展開のための開口部が形成される。このため、歩行者保護エアバッグは、フードの後端部とウインドシールドガラスとの間から車両後方上面側へ膨張展開される。このとき、歩行者保護エアバッグの展開反力によって、モジュールケースの前壁部が、フードにおける当該前壁部の車両前方側に設けられると共に当該前壁部に対向して配置された支持壁に向かって押圧される。
ところで、モジュールケースの前壁部とフードに設けられた支持壁とが、全面に亘って面接触された状態で当接される構成である場合には、歩行者保護エアバッグの展開反力によって押圧された当該前壁部が当該支持壁によって支持される。しかしながら、モジュールケース及びフードに製造ばらつきが生じると、モジュールケースの前壁部とフードに設けられた支持壁とを全面に亘って面接触された状態で当接させることが困難となる。このため、モジュールケースのフードへの組付性が損なわれると共に、歩行者保護エアバッグの展開反力をモジュールケースの前壁部からフードに設けられた支持壁に安定して伝達させることができないことが考えられる。
ここで、本発明では、モジュールケースの前壁部とフードに設けられた支持壁との間に局部的な伝達部が配置されている。このため、モジュールケースの前壁部とフードに設けられた支持壁とが全面に亘って面接触されることなく、当該モジュールケースがフードに組み付けられる。また、歩行者保護エアバッグが膨張展開したときの展開反力が、伝達部を介して、モジュールケースの前壁部から、フードに設けられた支持壁に伝達される。その結果、モジュールケースの組付け作業におけるモジュールケース及びフードの製造ばらつきの影響が抑制されると共に、歩行者保護エアバッグが膨張展開したときの展開反力が支持壁によって支持される。
請求項2記載の本発明によれば、フードに設けられた支持壁及びモジュールケースの前壁部の何れか一方に一体にビード部が形成されている。このため、フードに設けられた支持壁及びモジュールケースの前壁部の製造精度を向上させなくても、モジュールケースをフードに精度よく組み付けることができる。
請求項3記載の本発明によれば、フードに設けられた支持壁とモジュールケースの前壁部との間に、車両幅方向に間隔をあけて隙詰め部材が設けられている。このため、フードに設けられた支持壁及びモジュールケースの前壁部の形状に合わせて、車両幅方向の複数箇所に隙詰め部材を配置することにより、モジュールケース及びフードの製造ばらつきが吸収される。
請求項4記載の本発明によれば、フードに設けられた支持壁とモジュールケースの前壁部との間に、硬質部と軟質部とが車両幅方向に交互に配置された隙詰め部材が設けられている。このため、硬質部を介して歩行者保護エアバッグの展開反力がモジュールケースの前壁部からフードに設けられた支持壁へ伝達されると共に、軟質部が変形することによってモジュールケース及びフードの製造ばらつきが吸収される。
請求項5記載の本発明によれば、伝達部が車両正面視でインフレータと重なる位置に配置されている。このため、インフレータに作用する歩行者保護エアバッグの展開反力が伝達部を介してフードに設けられた支持壁に支持される。
請求項6記載の本発明によれば、モジュールケースの前壁部に設けられた貫通孔から突出されて又は当該貫通孔から突出された部材を介して、フードに設けられた支持壁にインフレータが当接されている。このため、インフレータに作用する歩行者保護エアバッグの展開反力が、モジュールケースを介することなくフードに設けられた支持壁に伝達される。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、フードへの組付性を確保しつつ、歩行者保護エアバッグの展開挙動を安定させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、フードへの組付性を確保しつつ、モジュールケース及びフードの生産性を維持できるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、モジュールケース及びフードの製造ばらつきの影響を抑制して、フードへの組付性を確保できるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、モジュールケース及びフードの製造ばらつきの影響を抑制して、歩行者保護エアバッグの展開反力の支持壁への伝達効率及びフードへの組付性を確保できるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、歩行者保護エアバッグの展開時におけるインフレータの挙動を安定させることができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造は、モジュールケースに歩行者保護エアバッグの展開反力がかかることを抑制できるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係り、非作動状態の車両用歩行者保護エアバッグ装置の要部を車両前後方向に破断して示す要部拡大斜視図である。 第1実施形態に係り、車両用歩行者保護エアバッグ装置とフードに形成されたビード部との位置関係を示す斜視図である。 第1実施形態に係るフードに形成されたビード部の形状を示す車両下方側から見た斜視図である。 (A)は車両用歩行者保護エアバッグ装置の非作動状態を示す縦断面図であり、(B)は車両用歩行者保護エアバッグ装置の作動状態を示す縦断面図である。 車両用歩行者保護エアバッグ装置が作動して歩行者保護エアバッグが膨張展開した状態を車両(自動車)との関係で示す斜視図である。 (A)は第1実施形態の第1変形例に係るフードに形成されたビード部の形状を示す車両上方側から見た斜視図であり、(B)は第1実施形態の第2変形例に係るフードに形成されたビード部の形状を示す車両上方側から見た斜視図である。 (A)は第2実施形態に係る隙詰め部材の配置状態を示す車両上方側から見た斜視図であり、(B)はその変形例を示す車両上方側から見た斜視図である。 (A)は第3実施形態に係るモジュールケースの形状を示す車両上方側から見た斜視図であり、(B)はその変形例を示す車両上方側から見た斜視図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造が適用された車両用歩行者保護エアバッグ装置の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、又矢印UPは車両上方側を示している。さらに、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図5に示されるように、車両(自動車)10のエンジンルーム(パワーユニット室)12の上面側には、フード14が設けられている。フード14の前端部は、図示しないフードロックによって通常はロック状態とされている。また、フード14の後端部16の車両幅方向両側には、図示しないフードヒンジが配設されている。フードヒンジは、車体に固定されるヒンジベースと、一端部がフードに固定されると共に他端部がヒンジベースにピン結合され、結合点回りに揺動可能とされたヒンジアームと、を含んで構成されている。さらに、フード14の後端部の車両幅方向両側には、歩行者との衝突時にフード14の後端部16を上昇させるポップアップ装置18が配設されている。なお、図5では、ポップアップ装置18をガス発生手段が作動することにより上昇するロッド状の部材によって模式的に図示しているが、リンク機構によってフード14の後端部16をポップアップさせてもよいし、種々の構成を採ることができる。
また、図3及び図4(A)に示されるように、フード14は、車両外側に配置されてフード14の意匠面を形成するフードアウタパネル20と、エンジンルーム12側に配置されてフードアウタパネル20を補強するフードインナパネル22と、を含んで構成されている。そして、フードインナパネル22には、後述するように、膨出部70が形成されており、当該膨出部70には、車両用歩行者保護エアバッグ装置(以下、単に「エアバッグ装置」ともいう)28が取り付けられている。
図1に示されるように、エアバッグ装置28は、車両幅方向を長手方向とする長尺の略箱状に形成された樹脂製のモジュールケース30と、このモジュールケース30内に折り畳まれた状態で格納された歩行者保護エアバッグ(以下、単に「エアバッグ」ともいう)32と、歩行者との衝突時にガスを噴出してエアバッグ32に供給するインフレータ34と、このインフレータ34をフード14に固定するための後述するインフレータ取付ブラケット36と、を含んで構成されている。
モジュールケース30は、車両前方側の上側取付壁30A、前壁部30B、上壁部30C、後壁部30D、下壁部30E、取付壁30F及び図示しない左右の側壁部を含んで構成されている。より詳しくは、上側取付壁30Aは、車両幅方向に延在する平板状に形成されており、当該上側取付壁30Aの後端部から前壁部30Bが車両上方側へ屈曲されて車両後方上側に向かって立設されている。また、前壁部30Bの上端部から上壁部30Cが車両後方側へ延出されており、当該上壁部30Cの後端部からは当該上壁部30Cと直交するように車両下方側へ屈曲された後壁部30Dが形成されている。この後壁部30Dの下端部からは、下壁部30Eが車両前方側へ延出されると共に、当該下壁部30Eからそのまま車両前方側へ延出されて下側取付壁30Fが形成されており、当該下側取付壁30Fは、上側取付壁30Aの下側に配置されている。なお、エアバッグ装置28が組み付けられた状態において、上壁部30Cは、フードインナパネル22の一般壁22Aに沿って配置されるように設定されている。
また、モジュールケース30の車両後方上側の角部(上壁部30Cと後壁部30Dとが接続されるコーナー部)におけるケース内方側には、V字状の溝が形成されることにより薄肉化されたティア部38が形成されている。ティア部38は、各壁の一般部よりも強度及び剛性が低くなっている。
一方、歩行者保護エアバッグ(フードエアバッグ)32は、一例として二枚の基布の外周部を縫製することにより袋状に構成されている。図5に示されるように、エアバッグ32が膨張展開した状態では、フード14の後端部16に沿って車両幅方向に延在するバッグ本体部40と、このバッグ本体部40と連通されると共に左右一対のフロントピラー42の前面を覆う一対のバッグ側部44と、を備えている。さらに、図4(B)に示されるように、バッグ本体部40は、フード14の後端部16の下面に沿って車両幅方向に膨張するバッグ基部40Aと、フード14の後端部16とウインドシールドガラス46との間から円筒状に膨張展開されてウインドシールドガラス46の下端部46Aの前面を覆うバッグ円筒部40Bと、によって構成されている。上記構成のエアバッグ32は、蛇腹折り、ロール折りによって折り畳まれた状態でモジュールケース30内に格納されている。
上述したエアバッグ32の内部には、左右一対のインフレータ34が配設されており、当該インフレータ34は、金属製とされかつ軸方向の両端部が閉止された円筒状に形成されている。インフレータ34の軸方向の一端部の軸芯部には、図示しないスクイブ(点火装置)が配設されている。また、インフレータ34の内部には、燃焼することにより大量のガスを発生するガス発生剤が充填されていると共に、発生した高温のガスを冷却するためのクーラント及びガス発生剤が燃焼した際に生じる砕片を除去するためのフィルタ等が収容されている。なお、上記インフレータ34はガス発生剤を用いるタイプのインフレータであるが、高圧ガスが封入されたタイプのインフレータを用いてもよい。また、インフレータ34の周壁部には、複数のガス噴出孔が形成されている。
上記インフレータ34は、車体フロアの中央部に配設された図示しないコントローラ(エアバッグECU)と接続されている。コントローラは、車両10の前端部に車両幅方向を長手方向として配置された図示しないフロントバンパに配設された衝突検知センサ(図示省略)或いはプリクラッシュセンサ(図示省略)と接続されている。衝突検知センサとしては、例えば、フロントバンパの裏面側に当該フロントバンパに沿って配置された長尺状の圧力チャンバ又は圧力チューブと、当該圧力チャンバ又は圧力チューブの内圧の変化を検出する圧力センサとによって構成されたものが適用可能である。また、フロントバンパに沿って長尺状の光ファイバセンサを配置する所謂光ファイバ方式等を適用してもよい。一方、プリクラッシュセンサとしては、例えば、歩行者等の衝突体との衝突を、ラジエータグリルに設けられたミリ波レーダや車室内に搭載されたステレオカメラ等を使って予知するものが適用可能である。
ここで、本実施形態では、インフレータ取付ブラケット36、フードインナパネル22に形成された膨出部70及び当該膨出部70に形成された伝達部としてのビード部72を含んで、フード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造が構成されている。そして、このフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造によってエアバッグ装置28がフード14に固定されている。以下、本発明の要部であるビード部72を中心としたフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造について詳細に説明する。
まず、インフレータ34をビード部72に固定するインフレータ取付ブラケット36について説明する。図1に示されるように、このインフレータ取付ブラケット36は、車両前後方向に細長い帯状の金属製の板材をプレス成形することにより製作されている。構造的には、インフレータ取付ブラケット36は、膨出部70に固定される第1固定部48と、インフレータ34が固定される第2固定部50と、を主要な要素として備えている。
第1固定部48は、矩形平板状に形成されており、エアバッグ32の上側取付壁30Aと下側取付壁30Fとの間に挟持されている。また、第2固定部50は、周方向に4分割された円筒状に形成されており、この第2固定部50の上面にインフレータ34が溶接等によって固定されている。なお、エアバッグ装置28が組み付けられた状態において、インフレータ34は、モジュールケース30の前壁部30B及び上壁部30Cと当接状態とされている。
一方、膨出部70は、フードインナパネル22に車両後方側に、車両下方側へ膨らみかつ車両幅方向に沿って延在して形成されており、フードアウタパネル20と閉断面を形成している。これにより、膨出部70によってフード14の後端部16が補強されており、換言すれば、膨出部70は補強部材として機能する。この膨出部70は、車両下方側に面する底壁70Aと、モジュールケース30の前壁部30Bに対向して配置され、当該前壁部30Bに沿って立設された支持壁としての後端壁70Bとを備えている。また、膨出部70は、フード14の後端部16の車両下方側、より具体的には、フード14の後端部16の直下よりも車両前方側へオフセットした位置に形成されている。これにより、フードインナパネル22における膨出部70の車両後方側に収納スペース26が形成され、当該収納スペース26にエアバッグ装置28が配設されている。なお、本実施形態では、一例として、膨出部70の縦断面形状が車両上方側にいくにつれて拡幅されると共に、車両上方側が開放された台形状とされている。そして、上述した膨出部70及びフードインナパネル22の一般壁22Aに沿ってビード部72が設けられている。
ビード部72は、図1〜図3に示されるように、フードインナパネル22に一体に形成されると共に、車両正面視及び車両平面視で各インフレータ34の車両幅方向両端部に重なる位置に配置されている。換言すれば、ビード部72は、車両幅方向に沿って4箇所(複数箇所)に局部的に配置されている。このビード部72は、膨出部70の底壁70Aに形成された底壁ビード部72Aと、当該膨出部70の後端壁70Bに形成された後端壁ビード部72Bと、フードインナパネル22の一般壁22Aに形成された一般壁ビード部72Cとを含んで構成されている。より具体的には、底壁ビード部72Aは、底壁70Aの車両後方側から後端壁70Bに向かって延びており、後端壁ビード部72Bは、車両上方側に向かって延びており、一般壁ビード部72Cは、車両後方側に向かって延びている。また、ビード部72は、車両下方側に、換言すれば、フードインナパネル22からモジュールケース30に向かって膨出されている。そして、ビード部72の当該ビード部72に沿って切った断面形状は、車両上方側にいくにつれて拡幅されると共に、車両上方側が開放された台形状とされている。さらに、ビード部72には、当該ビード部72の車両下方側の面を構成すると共にフードインナパネル22の膨出部70及び一般壁22Aに沿って屈曲された屈曲壁72Dが形成されている。この屈曲壁72Dは、モジュールケース30の上側取付壁30A、前壁部30B及び上壁部30Cに当接させることができるようにその形状が設定されている。
一方、インフレータ取付ブラケット36の第1固定部48には、ボルト挿通孔54が形成されている。これに対応して、モジュールケース30の上側取付壁30A及び下側取付壁30Fにも第1固定部48のボルト挿通孔54と同軸上にボルト挿通孔56、58が形成されている。そして、これらのボルト挿通孔56、54、58に取付ボルト60が車両下方側からこの順に挿入されて、ビード部72の屈曲壁72Dにおける底壁ビード部72A側の部分の上面に設けられたウエルドナット62に螺合されている。これにより、インフレータ取付ブラケット36及びモジュールケース30がビード部72の屈曲壁72Dに共締めされ、その結果、エアバッグ装置28がフード14に固定されている。また、エアバッグ装置28がビード部72に組み付けられた状態において、モジュールケース30の上側取付壁30A、前壁部30B及び上壁部30Cが、ビード部72の屈曲壁72Dに当接されている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
歩行者と衝突する前の状態では、図1及び図4(A)に示されるように、ポップアップ装置18及びエアバッグ装置28は非作動状態を維持している。つまり、フード14の後端部16はポップアップされず、エアバッグ32もモジュールケース30内に折り畳まれた状態で格納されている。
この状態から、歩行者と衝突すると、フロントバンパに設けられた図示しない衝突検知センサによって歩行者と衝突したことが検知される。なお、プリクラッシュセンサやステレオカメラを用いて歩行者との衝突が予知された場合も同様である。これにより、図4(B)に示されるように、まず図示しないコントローラによってポップアップ装置18が作動され、フード14の後端部16が車両上方側へ所定の高さまで上昇される(ポップアップされる)。その結果、エアバッグ32の膨張展開のための開口部が形成される。
また、フード14の後端部16の上昇量が所定量に達すると、図示しないコントローラによってエアバッグ装置28のインフレータ34が作動される。このため、インフレータ34のガス噴出孔からガスが噴出され、ガスは折り畳まれた状態のエアバッグ32内へ供給される。これにより、エアバッグ32がモジュールケース30内で膨張し始め、モジュールケース30のティア部38に加わる引張荷重が増加していく。そして、ティア部38に加わる引張荷重が所定値に達すると、図4(B)に示されるように、ティア部38が破断し、モジュールケース30の後壁部30D及び下壁部30Eが車両下方側へ展開される。これにより、エアバッグ32はフード14の後端部16とウインドシールドガラス46との間から車両後方上面側へ膨張展開される。エアバッグ32が膨張展開した状態では、図4(B)及び図5に示されるように、バッグ本体部40のバッグ円筒部40Bがフード14の後端部16に沿って車両幅方向に円筒状に膨張展開し、左右一対のバッグ側部44がフロントピラー42の前面を覆うように膨張展開される。このとき、エアバッグ32の展開反力によって、モジュールケース30の前壁部30Bが、フード14における当該前壁部30Bの車両前方側に設けられると共に当該前壁部30Bに対向して配置された後端壁70Bに向かって押圧される。
ところで、モジュールケース30の前壁部30Bとフード14に設けられた後端壁70Bとが、全面に亘って面接触された状態で当接される構成とされることがある。この場合、エアバッグ32の展開反力によって押圧された前壁部30Bが後端壁70Bによって支持される。しかしながら、モジュールケース30及びフード14に製造ばらつきが生じると、モジュールケース30の前壁部30Bとフード14に設けられた後端壁70Bとを全面に亘って面接触された状態で当接させることが困難となる。このため、モジュールケース30のフード14への組付性が損なわれると共に、エアバッグ32の展開反力をモジュールケース30の前壁部30Bからフード14に設けられた後端壁70Bに安定して伝達させることができないことが考えられる。
ここで、本実施形態では、モジュールケース30の前壁部30Bとフード14に設けられた後端壁70Bとの間にビード部72が配置されている。このビード部72は、車両幅方向に沿って複数箇所に配置されると共に、フードインナパネル22からモジュールケース30に向かって膨出されている。このため、モジュールケース30の組付け状態において、当該モジュールケース30の上側取付壁30A、前壁部30B及び上壁部30Cが、局所的な複数箇所においてビード部72に接触した状態となる。その結果、モジュールケース30の前壁部30Bとフード14に設けられた後端壁70Bとが全面に亘って面接触されることなく、当該モジュールケース30がフード14に組み付けられる。
また、エアバッグ32が膨張展開したときの展開反力が、ビード部72を介して、モジュールケース30の前壁部30Bからフード14に設けられた後端壁70Bに伝達される。具体的に説明すると、エアバッグ32の展開時においてインフレータ34に作用する展開反力は、まず、当該インフレータ34に当接されているモジュールケース30の前壁部30Bに伝達される。この前壁部30Bは、局所的な複数箇所においてビード部72と当接されており、エアバッグ32の展開反力は、当該ビード部72を介して膨出部70に伝達される。また、膨出部70は、フードアウタパネル20と閉断面を形成しているため、車両前後方向に作用する力に対して十分な剛性を備えている。従って、エアバッグ32の展開反力は、膨出部70の後端壁70Bによって受け止められる。
このように、本実施形態では、モジュールケース30の組付け作業におけるモジュールケース30及びフード14の製造ばらつきの影響が抑制される。また、エアバッグ32が膨張展開したときの展開反力が後端壁70Bによって支持される。その結果、本実施形態によれば、エアバッグ装置28のフード14への組付性を確保しつつ、エアバッグ32の展開挙動を安定させることができる。
また、本実施形態では、フード14に設けられた後端壁70Bに一体に後端壁ビード部72Bが形成されている。このため、フード14設けられた後端壁70B及びモジュールケース30における前壁部30Bの製造精度を向上させなくても、モジュールケース30をフード14に精度よく組み付けることができる。その結果、本実施形態によれば、エアバッグ装置28のフード14への組付性を確保しつつ、フード14及びモジュールケース30ひいてはエアバッグ装置28の生産性を維持できる。
さらに、本実施形態では、ビード部72が車両正面視でインフレータ34と重なる位置に配置されている。このため、インフレータ34に作用するエアバッグ32の展開反力がビード部72を介してフード14に設けられた後端壁70Bに支持される。その結果、エアバッグ32の展開時におけるインフレータ34の挙動を安定させることができる。
加えて、本実施形態では、フードインナパネル22の一般壁22Aに一般壁ビード部72Cが形成されると共に、膨出部70の底壁70Aに底壁ビード部72Aが形成されている。このため、フードインナパネル22の一般壁22A及び膨出部70の製造精度を向上させなくても、モジュールケース30をフード14に精度よく組み付けることができる。その結果、本実施形態によれば、エアバッグ装置28の適用によるフード14の製造コストの増加を抑制できる。
〔第1実施形態の変形例〕
次に、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。
本実施形態において、ビード部72は、底壁ビード部72A、後端壁ビード部72B及び一般壁ビード部72Cで構成されていたが、図6(A)の第1変形例に示されるように、後端壁ビード部72B及び一般壁ビード部72Cでビード部72を構成してもよい。
このように形成されたビード部72では、ウエルドナット62がビード部72に配置されないため、ビード部72の断面形状の設計自由度を向上させることができる。本変形例では、一例として、ビード部72の断面形状を円弧状としている。これにより、ビード部72の断面形状が単純となり、フード14の製造コストの増加を抑制できる。
また、フードインナパネル22の一般壁22A及び膨出部70の底壁70Aが単純な断面形状である場合には、図6(B)の第2変形例に示されるように、後端壁ビード部72Bのみによってビード部72を構成することも可能である。換言すれば、フードインナパネル22の形状及び膨出部70の形状に応じて、ビード部72の形状を単純にすることができる。
このように構成されたビード部72では、エアバッグ装置28のフード14への組付性の確保とフード14の製造コストの増加の抑制との両立を図ることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態では、フードインナパネル22に形成された膨出部70における後端壁70B及びモジュールケース30の前壁部30Bが平板状に形成されており、当該後端壁70Bと当該前壁部30Bとの間に隙詰め部材80が配置されている点に特徴がある。
具体的に説明すると、図7(A)に示されるように、隙詰め部材80は、車両幅方向に延在する四角柱状の弾性変形可能な樹脂材等で構成されており、後端壁70B又は前壁部30Bに図示しない接着剤等の取付手段によって取り付けられている。この隙詰め部材80は、車両正面視でインフレータ34と重なる位置に、車両幅方向に所定の間隔をあけて複数(本実施形態では、一例として2つ)配置されている。そして、モジュールケース30の組付け状態では、隙詰め部材80が後端壁70Bと前壁部30Bとに挟持された状態となる。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態では、フード14に設けられた後端壁70Bとモジュールケース30の前壁部30Bとの間に隙詰め部材80が配置されており、当該前壁部30Bと当該後端壁70Bとが全面に亘って面接触されることなく、モジュールケース30がフード14に組み付けられる。また、前壁部30Bは、隙詰め部材80を介して後端壁70B当接されており、エアバッグ32の展開反力は、当該隙詰め部材80を介して膨出部70に伝達される。従って、本実施形態でも、ビード部72がフードインナパネル22に一体に形成されたことによる作用及び効果を除き、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
また、本実施形態では、フード14に設けられた後端壁70Bとモジュールケース30の前壁部30Bとの間に、車両幅方向に間隔をあけて複数の隙詰め部材80が設けられている。このため、フード14に設けられた後端壁70B及びモジュールケース30の前壁部30Bの形状に合わせて、車両幅方向の複数箇所に隙詰め部材80を配置することにより、モジュールケース30及びフード14の製造ばらつきが吸収される。その結果、モジュールケース30及びフード14の製造ばらつきの影響を抑制して、エアバッグ装置28のフード14への組付性を確保できる。
さらに、本実施形態では、隙詰め部材80が弾性変形可能な樹脂材等で構成されているため、モジュールケース30の組付け時において、隙詰め部材80が押圧変形されることによってもフード14及びモジュールケース30の製造ばらつきが吸収される。
〔第2実施形態の変形例〕
次に、本発明の第2実施形態の変形例について説明する。
本実施形態において、隙詰め部材80は、樹脂部材等の単一の材質によって構成されると共に、所定の間隔をあけて配置されていたが、硬質部82Aと軟質部82Bとが車両幅方向に交互に配置された隙詰め部材82を1つ配置してもよい。この隙詰め部材82は、前述した隙詰め部材80と同様に、車両正面視でインフレータ34と重なる位置に配置されている。本変形例では、一例として、隙詰め部材82の組付け状態において、車両平面視で、インフレータ取付ブラケット36に重なる箇所に硬質部82Aが配置されると共に、それ以外の箇所に軟質部82Bが配置されるように当該隙詰め部材82が構成されている。なお、硬質部82Aは、硬質樹脂や金属等で形成されると共に、軟質部82Bは、発泡剤やエプトシーラー(登録商標)等で形成されている。
このように形成された隙詰め部材82では、硬質部82Aを介してエアバッグ32の展開反力がモジュールケース30の前壁部30Bからフード14に設けられた後端壁70Bへ伝達されると共に、軟質部82Bが変形することによってモジュールケース30及びフード14の製造ばらつきが吸収される。その結果、モジュールケース30及びフード14の製造ばらつきの影響を抑制して、エアバッグ32の展開反力の後端壁70Bへの伝達効率及びエアバッグ装置28のフード14への組付性を確保できる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係るフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
この第3実施形態では、モジュールケース30の前壁部30Bを用いて伝達部が構成される点に特徴がある。
具体的に説明すると、本実施形態では、図8(A)に示されるように、モジュールケース30の前壁部30Bにビード部(伝達部)90が当該前壁部30Bと一体に形成されている。このビード部90の形状は、車両前方側に、換言すれば、モジュールケース30の前壁部30Bからフードインナパネル22の後端壁70Bに向かって膨出する矩形箱状とされている。このビード部90は、モジュールケース30の上側取付壁30Aに形成されたそれぞれのボルト挿通孔56の車両後方側に配置されている。つまり、ビード部90は、車両正面視でインフレータ34と重なる位置に配置されている。換言すれば、ビード部90は、車両幅方向に沿って4箇所(複数箇所)に局部的に配置されている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態では、モジュールケース30の前壁部30Bに一体にビード部90が形成されている。このため、モジュールケース30の組付け状態において、フード14に設けられた後端壁70Bが、局所的な複数箇所においてビード部90に接触された状態となる。その結果、前壁部30Bと後端壁70Bとが全面に亘って面接触されることなく、モジュールケース30がフード14に精度よく組み付けられる。また、エアバッグ32の展開反力は、ビード部90を介して膨出部70に伝達される。従って、本実施形態でも、ビード部72がフードインナパネル22に一体に形成されたことによる作用及び効果を除き、前述した第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
〔第3実施形態の変形例〕
次に、本発明の第3実施形態の変形例について説明する。
本実施形態において、伝達部は、ビード部90によって構成されていたが、図8(B)に示されるように、前壁部30Bに貫通孔92を形成し、直接又は部材を介して、インフレータ34をフード14に設けられた後端壁70Bに当接させる構成としてもよい。具体的には、前壁部30Bに貫通孔92を長孔状に形成し、当該貫通孔92から車両前方側にインフレータ34を露出させると共に、当該インフレータ34を後端壁70Bに直接当接させてもよい。また、インフレータ取付ブラケット36の第2固定部50を、インフレータ34を包むように延長させると共に貫通孔92から突出させ、当該インフレータ取付ブラケット36を介してインフレータ34を後端壁70Bに当接させる構成としてもよい。つまり、本変形例では、インフレータ34を含んで伝達部が構成されている。
このように構成された伝達部では、インフレータ34に作用するエアバッグ32の展開反力が、モジュールケース30を介することなくフード14に設けられた後端壁70Bに伝達される。このため、モジュールケース30にエアバッグ32の展開反力がかかることを抑制できる。その結果、モジュールケース30の剛性を下げることができる。さらに、モジュールケース30ひいてはエアバッグ装置28の製造コストの増加を抑制できる。
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上述した実施形態では、インフレータ34の周囲に当該インフレータ34のガス噴出孔から噴出されたガスを整流するためのディフューザを設けてもよい。一例として、ディフューザは円筒状に形成されており、軸方向の中間部を軸線側へ加締めることにより、インフレータ34に一体化されていてもよい。この場合、インフレータ取付ブラケット36は、ディフューザの外周部に固定すればよい。また、インフレータ34の外周部にディフューザが設定される場合は、インフレータ34及びディフューザが本発明における「インフレータ」に相当する。
また、上述した実施形態では、インフレータ34は真直円筒状に形成されているが、これに限らず、真直筒状であればよく、真直四角筒状等であってもよい。
さらに、上述した実施形態では、インフレータ34を2つ配置する構成としたが、エアバッグ32の展開に支障が無ければ、1つのインフレータ34を配置する構成としてもよい。一例として、2倍の容量(長さ)としたインフレータ34をモジュールケース30の車両幅方向中央部に配置する構成としてもよい。この場合、車両正面視で、インフレータ34を覆うのに十分な大きさに設定されると共に当該インフレータ34と重なる位置に1つのビード部72又はビード部90を設ける構成としてもよい。また、モジュールケース30の貫通孔92を、インフレータ34を露出させるのに十分な大きさに設定し、当該インフレータ34を後端壁70Bに直接当接させてもよい。さらに、幅方向の長さがインフレータ34の長さと等しい長さに設定されたインフレータ取付ブラケット36を介して、インフレータ34を後端壁70Bに当接させる構成としてもよい。なお、インフレータ34が車両幅方向中央部に配置されていない場合には、ビード部72、ビード部90、及び貫通孔92の大きさ及び配置を適宜調整してもよい。
10 車両(自動車)
14 フード
16 後端部
28 車両用歩行者保護エアバッグ装置
30 モジュールケース
30B 前壁部
32 歩行者保護エアバッグ
34 インフレータ(伝達部)
36 インフレータ取付ブラケット(伝達部、突出された部材)
46 ウインドシールドガラス
70B 後端壁(支持壁)
72 ビード部(伝達部)
72B 後端壁ビード部(伝達部、ビード部)
80 隙詰め部材(伝達部)
82 隙詰め部材(伝達部)
82A 硬質部
82B 軟質部
90 ビード部(伝達部)
92 貫通孔

Claims (6)

  1. 後端部が車両上方側へ上昇可能とされたフードにおける当該後端部の下方側に配設され、モジュールケースに収容されると共に、作動することによりガスを噴出するインフレータと、
    前記モジュールケース内に折り畳まれた状態で格納され、前記インフレータからのガスが供給されることにより前記フードの後端部とウインドシールドガラスとの間から車両後方上面側へ膨張展開される歩行者保護エアバッグと、
    前記フードの後端部の下方側でかつ前記インフレータの車両前方側に設けられ、前記モジュールケースの前壁部に対向して配置されると共に、前記歩行者保護エアバッグの展開反力を支持可能な支持壁と、
    車両上下方向に締結されて前記モジュールケースを前記フードに固定する締結部と、
    前記前壁部と前記支持壁との間に配置され、前記歩行者保護エアバッグの展開反力を当該支持壁に伝達する局部的な伝達部と、
    を有するフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造。
  2. 前記伝達部は、前記支持壁及び前記前壁部の何れか一方に一体に形成されていると共に、当該支持壁及び当該前壁部の何れか一方から当該支持壁及び当該前壁部の何れか他方に向かって膨出するビード部である、
    請求項1記載のフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造。
  3. 前記伝達部は、車両幅方向に間隔をあけて設けられた複数の隙詰め部材である、
    請求項1記載のフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造。
  4. 前記伝達部は、硬質部と軟質部とが車両幅方向に交互に配置された隙詰め部材である、
    請求項1又は請求項3記載のフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造。
  5. 前記伝達部は、車両正面視で前記インフレータと重なる位置に配置されている、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造。
  6. 前記伝達部は、前記前壁部に設けられた貫通孔から突出されて前記支持壁に当接された前記インフレータ、又は当該貫通孔から突出された部材を介して前記支持壁に当接された前記インフレータである、
    請求項1記載のフード付け車両用歩行者保護エアバッグ装置の搭載構造。
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