以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報配信システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報配信システムは、車両に搭載される車載装置100と、車両の外部に設置される情報センター200とから構成される。なお、図1においては、説明の簡単のため、単一の車載装置100のみを例示しているが、本実施形態の情報配信システムにおいて、情報センター200は、複数の車載装置100と情報の授受が可能となっている。
また、本実施形態に係る情報配信システムは、車載装置100を搭載した複数の車両により利用されるものである。すなわち、本実施形態に係る情報配信システムでは、たとえば図2に示すように、車載装置100を搭載する車両V1(電気自動車やハイブリット自車両)が、充電器E1,E2を備える充電施設A(たとえば、充電器を備える駐車場や商業施設など)において充電器E2を利用した際に、車両V1の車載装置100により、充電施設A内の充電器E2までの走行経路の情報が、充電施設A内の充電器E2までのエリア内経路情報として取得され、情報センター200に対して送信される。このように、充電施設内の充電器までのエリア内経路情報が、情報配信システムを構成する複数の車載装置100から情報センター200に集約され、これにより、情報センター200は、たとえば充電施設Aを利用しようとする車両V2の車載装置200に対して、充電施設A内の充電器E1,E2までのエリア内経路情報を送信することで、車両V2の運転者に対して、充電施設A内の充電器E1,E2までの走行経路の情報を提供することができる。
まず、車載装置100の構成について説明する。車載装置100は、例えば、車両に搭載されるナビゲーション装置であり、図1に示すように、カメラ群110、自車位置検出装置120、充電ユニット130、車載制御装置140、車載通信装置150、ディスプレイ160、および地図データベース170から構成される。これらの構成は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。
カメラ群110は、複数のカメラから構成される。カメラ群110を構成するカメラとしては、たとえば、左側および右側のドアミラーケース内に設定され車両の左前方および右前方をそれぞれ撮像する左右一対のカメラ、車両のフロントグリルなどに設置され車両の前方を撮像するフロントカメラ、および車両のルーフスポイラなどに設置され車両の後方を撮像するリアカメラなどが挙げられる。カメラ群110を構成する各カメラは、画像を所定のフレームレートで繰り返し撮像することで動画像情報を生成し、生成した動画像情報を車載制御装置140に送信する。なお、カメラ群110を構成するカメラの数は、4つに限定されず、1つであってもよいし、あるいは、2または3つであってもよし、5以上であってもよい。
自車位置検出装置120は、GPSユニット、ジャイロセンサ、および車速センサなどから構成されており、GPSユニットにより複数の衛星通信から送信される電波を検出して、自車両の位置情報を、周期的に取得するとともに、取得した自車両の位置情報と、ジャイロセンサから取得した角度変化情報と、車速センサから取得した車速とに基づいて、自車両の現在位置を検出する。自車位置検出装置120により検出された自車両の位置情報は、車載制御装置140に送信される
充電ユニット130は、バッテリ(不図示)の充電状態を監視する。具体的には、充電ユニット130は、バッテリの充電が行われているか否かを監視し、バッテリの充電が行われている状態であるか、あるいは、バッテリの充電が行われていない状態であるかを示す充電情報を、車載制御装置140に送信する。また、充電ユニット130は、充電器によりバッテリの充電が行われている場合には、充電器の充電種別、たとえば、急速充電であるか普通充電であるか、あるいは、充電器の充電電圧(たとえば100V,200Vなど)を特定し、特定した充電種別の情報を車載制御装置140に送信する。
車載制御装置140は、充電施設内の充電器まで車両を案内するための情報(エリア内経路情報)を収集するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
車載制御装置140は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、充電施設を目的地に設定しているか否かを判断する目的地判断機能、バッテリの充電が行われているか否かを判断する充電状態判断機能、充電施設内において自車両が走行した走行経路の情報をエリア内経路情報として取得する情報取得機能、情報センター200との間で情報を授受する送受信機能、および、情報センター200から受信した情報をディスプレイ160に表示させる表示機能を実現する。以下において、車載制御装置140が備える各機能について説明する。
車載制御装置140の目的地判断機能は、充電施設(充電器を備えた駐車場や商業施設など)が目的地に設定されているか否かを判断する。たとえば、目的地判断機能は、図示しない入力装置を介してユーザにより充電施設が目的地として設定された場合には、充電施設が目的地に設定されていると判断し、一方、ユーザにより充電施設以外の施設が目的地として設定された場合、あるいは、目的地が設定されていない場合には、充電施設が目的地に設定されていないと判断する。目的地判断機能の判断結果は、後述する情報取得機能により利用される。
車載制御装置140の充電状態判断機能は、バッテリの充電が行われているか否かを示す充電情報を充電ユニット130から受信し、受信した充電情報に基づいて、バッテリの充電が行われているか否かを判断する。充電状態判断機能による判断結果は、目的地判断機能の判断結果と同様に、後述する情報取得機能により利用される。
車載制御装置140の情報取得機能は、充電施設内において自車両が走行した走行経路の情報をエリア内経路情報として取得する。具体的には、情報取得機能は、充電施設内において撮像された動画像情報をカメラ群110から取得するとともに、充電施設内にいて検出された自車両の位置情報を自車位置検出装置120から取得する。そして、情報取得機能は、自車両が充電施設内を走行している間に取得した動画像情報と、自車両が充電施設内を走行している間に取得した自車位置の時系列データである走行軌跡情報とを含む情報を、エリア内経路情報として車載制御装置140のRAMに記憶する。さらに、情報取得機能は、充電ユニット130から充電器の充電種別情報やバッテリの充電状態を取得し、車載制御装置140のRAMに記憶する。
また、情報取得機能は、目的地判断機能により充電施設が目的地に設定されているか否かに基づいて、エリア内経路情報を取得するタイミングを異ならせる。すなわち、情報取得機能は、目的地判断機能により充電施設が目的地に設定されていると判断された場合には、自車両が充電施設内に進入してから充電施設内の充電器でバッテリの充電を開始するまでの間に撮像された動画像情報や自車両が走行した走行軌跡情報を含む情報を、エリア内経路情報として取得する。また、目的地判断機能により充電施設が目的地に設定されていないと判断された場合には、情報取得機能は、充電施設内の充電器でバッテリの充電を完了してから自車両が充電施設外に進出するまでの間に撮像された動画像情報や自車両が走行した走行軌跡情報を含む情報を、エリア内経路情報として取得する。なお、情報取得機能は、充電状態判断機能による充電状態の判断結果に基づいて、バッテリの充電が開始されたか、あるいは、バッテリの充電が完了したかを判断することができる。
車載制御装置140の送受信機能は、情報取得機能により取得されたエリア内経路情報および充電種別情報を、車載通信装置150を介して情報センター200に送信する。このように、本実施形態では、図2に示すように、複数の車両に搭載された複数の車載装置100から、車両が実際に走行した充電施設内の入り口から充電器までのエリア内経路情報を情報センター200に送信することで、複数の充電施設内の充電器までのエリア内経路情報を、情報センター200に集約させることができる。
また、車載制御装置140の送受信機能は、たとえば図2に示すように、自車両V2が、充電施設を利用するために、充電施設を目的地に設定した場合や充電施設内に進入した場合に、自車両V2が利用しようとする充電施設内の充電器までのエリア内経路情報の要求信号を、情報センター200に送信する。これに対して、情報センター200は、要求された充電施設内の充電器までのエリア内経路情報をセンターデータベース230から抽出し、車載装置100に送信する。送受信機能は、このように情報センター200から送信されたエリア内走行経路を、車載通信装置150を介して受信する。
車載制御装置140の表示機能は、送受信機能が情報センター200から充電施設内のエリア内経路情報が受信した場合に、受信した充電施設内のエリア内経路情報をディスプレイ160に送信し、ディスプレイ160に備える画面上に表示させる。ここで、図3は、ディスプレイ160の画面に表示されるエリア内経路情報の一例を示す図である。たとえば、表示機能は、図3に示すように、ディスプレイ160の画面に表示される画像を2つの画像領域に分割し、一方に、カメラ群110により撮像された充電器までの動画像を表示させ、他方に、地図データベース170から取得した充電施設内の地図を表示させる。また、図3に示すように、表示機能は、エリア内経路情報に含まれる走行軌跡情報に基づいて、充電施設内の充電器の位置を特定し、地図上に充電器の位置を表示するとともに、動画像上および地図上に充電器までの経路を表示させる。さらに、表示機能は、充電器の充電種別情報を取得している場合には、取得した充電器の充電種別情報をディスプレイ160に表示させる。
次に情報センター200について説明する。情報センター200は、例えば、車両の外部に設置されたサーバーなどであり、図1に示すように、センター通信装置210と、センター制御装置220と、センターデータベース230とを備える。
センター通信装置210は、複数の車両に搭載された複数の車載装置100からエリア内経路情報を受信し、受信したエリア内経路情報を、センター制御装置220を介してセンターデーターベース230に格納する。また、センター通信装置210は、車載装置100からの要求に応じて、車載装置100が要求する充電施設のエリア内経路情報を、センター制御装置220から取得し、車載装置100に対して送信する。
センターデータベース230には、充電施設内における充電器までの走行経路の情報が、エリア内経路情報として格納される。具体的には、センターデータベース230には、充電施設ごと、充電器ごとに、充電施設内の充電器までの動画像情報および走行経路情報を含むエリア内経路情報が格納される。
センター制御装置220は、車載装置100からエリア内経路情報を収集するとともに、エリア内経路情報を要求する車載装置100にエリア内経路情報を配信するためのプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されている。センター制御装置220は、ROMに格納されたプログラムをCPUで実行することで、車載装置100からエリア内経路情報を取得する情報取得機能と、エリア内経路情報を要求する車載装置100を搭載した車両(以下、要求車両ともいう)が充電施設を目的地に設定しているか否かを判断する目的地判断機能、センターデータベース230から要求車両が要求したエリア内走行情報を抽出する情報抽出機能、抽出したエリア内走行経路情報の時系列を逆転させてエリア内走行経路情報を変換する情報変換機能、および、エリア内経路情報を要求車両の車載装置100に送信する送信機能の各機能を実現する。以下、センター制御装置220が備える各機能について説明する。
センター制御装置220の情報取得機能は、車載装置100により送信されたエリア内経路情報を、センター通信装置210を介して取得する。そして、情報取得機能は、取得したエリア内経路情報を、センターデータベース230に記憶する。
センター制御装置220の目的地判断機能は、要求車両が充電施設を目的地に設定してるか否かを判断する。たとえば、目的地判断機能は、要求車両からエリア内経路情報の要求信号を取得するとともに、要求車両の目的地情報を取得することで、要求車両の目的地が充電施設に設定されているか否かを判断する。
センター制御装置220の情報抽出機能は、要求車両の車載装置100から要求された充電施設のエリア内経路情報を、 センターデータベース230から抽出する。また、情報抽出機能は、要求された充電施設が複数の充電器を備える場合には、要求車両に適した充電器までのエリア内経路情報を、センターデータベース230から抽出する。たとえば、情報抽出機能は、充電器の管理サーバや充電器を実際に使用した車両から、充電器の使用状況の情報を取得することで、充電施設内に設置された充電器のうち他車両に使用されていない充電器を特定し、特定した充電器までのエリア内経路情報を優先的に抽出する。また、情報抽出機能は、たとえば、充電器の管理サーバから、要求車両のユーザによる充電器の予約情報を取得した場合には、要求車両のユーザが予約した充電器までのエリア内経路情報を優先的に抽出してもよい。さらに、情報抽出機能は、たとえば、充電器の管理サーバから充電器の故障情報を取得した場合には、故障している充電器を除いた充電器についてのエリア内経路情報を抽出してもよい。
センター制御装置220の情報変換機能は、エリア内経路情報が、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報である場合に、このエリア内経路情報の時系列を逆転させることで、エリア内経路情報を、車両が充電施設に進入してからバッテリの充電を開始するまでの走行経路の情報に変換する。ここで、上述したように、車載装置100は、充電施設を目的地に設定していない場合に、自車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報を、エリア内経路情報として取得し、情報センター200に送信する。情報変換機能は、このように車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報をエリア内経路情報として受信した場合に、このエリア内経路情報の時系列を逆転させることで、車両が充電施設を利用する際に車両を充電施設内の充電設備まで案内することができる、充電施設からバッテリの充電器までの走行経路の情報に変換する。たとえば、情報変換機能は、充電施設の入り口と出口とが同じ場合に、エリア内経路情報のうちリアカメラで撮像された動画像情報の時系列を逆転し、リアカメラで撮像された動画像情報を逆再生状態にすることで、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの動画像情報を、充電施設内の充電器までの動画像情報に変換する。
センター制御装置220の送信機能は、情報抽出機能により抽出された要求車両が要求する充電施設のエリア内経路情報を、センター通信装置210を介して、要求車両の車載装置100に送信する。これにより、要求車両が要求した充電施設内の充電器までの走行経路の情報を、要求車両のユーザに提供することができる。
続いて、図4を参照して、充電施設のエリア内経路情報を情報センター200に集約する情報収集処理について説明する。図4は、本実施形態に係る情報収集処理を示すフローチャートである。なお、図4に示す情報収集処理は、情報配信システムを構成する各車両に搭載された車載装置100の車載制御装置140により実行される。
まず、ステップS101では、車載制御装置140の目的地判断機能により、充電施設
が自車両の目的地に設定されているか否かの判断が行われる。充電施設が目的地に設定されている場合にはステップS102に進み、一方、充電施設が目的地に設定されていない場合にはステップS109に進む。
ステップS102では、車載制御装置140により、自車両が目的地である充電施設内に進入したか否かの判断が行われる。具体的には、車載制御装置140は、地図データベース170から受信した地図情報と、自車位置検出装置120から取得した自車両の位置情報とに基づいて、自車両が目的地である充電施設内に進入したか否かを判断することができる。自車両が目的地である充電施設内に進入したと判断された場合には、ステップS103に進み、一方、自車両が目的地である充電施設内に進入していないと判断された場合には、自車両が目的地である充電施設に進入するまで、ステップS102で待機する。
ステップS103では、車載制御装置140の情報取得機能により、エリア内経路情報の取得が開始される。具体的には、情報取得機能は、カメラ群110を構成する各カメラにより繰り返し撮像された撮像画像を、自車両が充電施設内に進入した時点から時系列に沿って繰り返し取得し、車載制御装置140のRAMに順次記憶することで、自車両が充電施設内に進入してからの動画像情報を取得するとともに、自車位置検出装置120により繰り返し検出された自車両の位置情報を、自車両が充電施設内に進入した時点から時系列に沿って繰り返し取得し、車載制御装置140のRAMに順次記憶することで、自車両が充電施設内に進入してから自車両が走行した走行軌跡情報を取得する。ステップS103では、このように、自車両が充電施設内に進入してからの動画像情報および走行軌跡情報を含むエリア内経路情報の取得が開始されることとなる。
そして、ステップS104では、車載制御装置140により、自車両が充電施設外に進出したか否かの判断が行われる。自車両が充電施設外に進出したと判断された場合には、ステップS105に進み、自車両が充電施設外へ進出していないと判断された場合には、ステップS108に進む。なお、車載制御装置140は、地図データベース170から受信した地図情報と、自車位置検出装置120から取得した自車両の位置情報とに基づいて、自車両が充電施設外に進出したか否かを判断することができる。
ステップS105では、車載制御装置140により、充電施設内の充電器でバッテリの充電が開始されたか否かの判断が行われる。たとえば、車載制御装置140は、充電ユニット130から、バッテリが充電されている状態か否かを示す充電情報を周期的に取得しており、取得した充電情報に基づいて、バッテリの充電が開始されたか否かを判断することができる。バッテリの充電が開始されたと判断された場合には、ステップS106に進み、一方、バッテリの充電が開始されていないと判断された場合には、ステップS104に戻る。
ステップS106では、車載制御装置140のエリア内経路情報取得機能により、ステップS103で開始されたエリア内経路情報の取得が終了される。これにより、自車両が充電施設を目的地に設定している場合には、自車両が充電施設に進入してからバッテリの充電を開始するまでの動画像情報および走行軌跡情報を含む情報を、エリア内経路情報として取得することができる。
ステップS107では、車載制御装置140の送受信機能により、ステップS103〜S106において取得されたエリア内経路情報が、情報センター200に送信される。これにより、自車両が実際に走行した充電施設の入り口から充電器までの走行経路の情報を、エリア内経路情報として、情報センター200に保有させることができる。
また、ステップS104において、バッテリの充電が開始される前に、自車両が充電施設外に進出したと判断された場合は、ステップS108に進み、車載制御装置140により、車両が充電施設内に進入してから取得されたエリア内経路情報が、車載制御装置140のRAMから破棄される。これにより、充電施設内の充電器までの走行経路以外の経路情報が、情報センター200に送信されることを有効に防止することができ、車載装置100の通信負荷を軽減することができる。なお、ステップS108の後は、図4に示す処理を終了する。
一方、ステップS101で充電施設を目的地に設定していないと判断された場合には、ステップS109に進む。ステップS109では、ステップS105と同様に、バッテリの充電が開始されたか否かの判断が行われる。バッテリの充電が開始されたと判断された場合には、ステップS110に進み、一方、バッテリの充電が開始されていないと判断された場合には、ステップS101に戻る。
ステップS110では、車載制御装置140の情報取得機能により、エリア内経路情報の取得が開始される。具体的には、情報取得機能は、カメラ群110を構成する各カメラにより繰り返し撮像された撮像画像を、自車両がバッテリの充電を完了した時点から時系列に沿って繰り返し取得し、車載制御装置140のRAMに順次記憶することで、自車両がバッテリの充電を完了してからの動画像情報を取得するとともに、自車位置検出装置120により繰り返し検出された自車両の位置情報を、自車両がバッテリの充電を完了した時点から時系列に沿って繰り返し取得し、車載制御装置140のRAMに順次記憶することで、自車両がバッテリの充電を完了してから自車両が走行した走行軌跡情報を取得する。このように、ステップS110では、自車両がバッテリの充電を完了してからの動画像情報および走行軌跡情報を含むエリア内経路情報の取得が開始されることとなる。
ステップS111では、ステップS104と同様に、自車両が充電施設外に進出したか否かの判断が行われる。自車両が充電施設外に進出したと判断された場合には、ステップS112に進み、自車両が充電施設外に進出していないと判断された場合には、自車両が充電施設外に進出するまで、ステップS111で待機する。そして、ステップS112では、ステップS106と同様に、エリア内経路情報の取得が終了される。これにより、車載制御装置140の情報取得機能は、自車両が充電施設を目的地に設定していない場合には、自車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの動画像情報および走行軌跡情報を含む情報を、エリア内経路情報として取得することができる。
そして、ステップS113では、車載制御装置140の送受信機能により、ステップS110〜S112において取得されたエリア内経路情報が、情報センター200に送信される。これにより、自車両が実際に走行した充電施設内における充電器から充電施設の出口までの走行経路の情報を、エリア内経路情報として、情報センター200に保有させることができる。
次に、図5を参照して、情報センター200から車載装置100に対してエリア内経路情報を配信する情報配信処理について説明する。図5は、本実施形態に係る情報配信処理を示すフローチャートである。図5に示す情報配信処理は、図4に示す情報収集処理により、複数の車載装置100から収集したエリア内経路情報を、充電施設を利用しようとする車載装置100に配信する処理である。なお、本実施形態において、図5に示す情報配信処理は、情報センター200が、エリア内経路情報を要求する要求車両の車載装置100から、エリア内経路情報の要求信号を受信することにより開始される。
図5に示すように、まず、ステップS201では、センター制御装置210の目的地判断機能により、要求車両が充電施設を目的地に設定しているか否かの判断が行われる。たとえば、目的地判断機能は、要求車両の車載装置110から、エリア内走行系情報の要求信号とともに、要求車両の目的地情報を取得し、取得した目的地情報に基づいて、要求車両が充電施設を目的地に設定しているか否かを判断することができる。要求車両が充電施設を目的地に設定していると判断した場合には、ステップS203に進み、一方、要求車両が充電施設を目的地に設定していないと判断された場合には、ステップS202に進む。
ステップS202では、センター制御装置220により、要求車両が充電施設内に進入したか否かの判断が行われる。たとえば、センター制御装置220は、要求車両の車載装置100から、エリア内経路情報の要求信号とともに要求車両の位置情報を取得し、取得した要求車両の位置情報に基づいて、要求車両が充電施設内に進入したか否かを判断することができる。要求車両が充電施設内に進入したと判断した場合には、ステップS203に進み、一方、要求車両が充電施設内に進入していないと判断された場合には、ステップS201に戻る。このように、本実施形態では、要求車両が充電車両を目的地に設定した場合、あるいは、要求車両が充電施設内に進入した場合に、要求車両が要求する充電施設のエリア内経路情報を、要求車両に配信することとなる。
ステップS203では、センター制御装置220の情報抽出機能により、要求車両に要求された充電施設のエリア内経路情報が、センターデーターベース230に格納されているか否かの判断が行われる。要求車両に要求された充電施設のエリア内経路情報が格納されている場合には、ステップS204に進み、一方、要求車両に要求された充電施設のエリア内経路情報が格納されていない場合には、図5に示す情報配信処理を終了する。
ステップS204では、センター制御装置220の情報抽出機能により、要求車両に要求された充電施設のエリア内経路情報の抽出が行われる。ここで、情報抽出機能は、要求された充電施設が複数の充電器を備える場合には、たとえば、複数の充電器のうち他車両に使用されていない充電器や、要求車両のユーザが予約した充電器までのエリア内経路情報を優先的に抽出する。さらに、情報抽出機能は、充電機が故障している場合には、故障している充電器のエリア内経路情報は抽出しないようにする。また、情報抽出機能は、要求車両に要求された充電施設のエリア内経路情報を抽出する際に、センターデーターベース230から、充電施設内の充電器の充電種別情報も抽出する。
そして、ステップS205では、センター制御装置220の情報変換機能により、ステップS204で抽出されたエリア内経路情報が、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報であるか否かの判断が行われる。すなわち、図4に示す情報収集処理において、車載装置100が充電施設を目的地に設定していない場合には、車載装置100により、自車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの動画像情報および走行軌跡情報を含む情報が、エリア内経路情報として取得され、情報センター200に送信される(ステップS110〜S113)。情報変換機能は、抽出したエリア内経路情報が、このように車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報であるか否かを判断し、エリア内経路情報が、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報である場合には、ステップS206に進む。一方、エリア内経路情報が、車両が充電施設に進入してからバッテリの充電を開始するまでの走行経路の情報である場合には、ステップS206の処理を行わずに、ステップS207に進む。
ステップS206では、エリア内経路情報が、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報であると判断されているため、センター制御装置220の情報変換機能により、エリア内経路情報の時系列を逆転して、エリア内経路情報を変換する処理が行われる。たとえば、情報変換機能は、充電施設の出口と入り口とが同じ場合には、リアカメラで撮像された、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの動画像情報の時系列を逆転し、逆再生状態にすることで、エリア内経路情報に含まれる動画像情報を、車両が充電施設に進入してからバッテリの充電を開始するまでの動画像情報に変換する。また、情報変換機能は、エリア内経路情報に走行軌跡情報が含まれる場合には、車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行軌跡の進行方向を逆転させることで、このエリア内経路情報に含まれる走行軌跡情報を、車両が充電施設に進入してからバッテリの充電を開始するまでの走行軌跡情報に変換する。
ステップS207では、センター制御装置220の送信機能により、センター通信装置210を介して、ステップS204で抽出されたエリア内経路情報、あるいは、ステップS206で変換されたエリア内経路情報が、要求車両の車載装置100に対して送信される。これにより、ステップS208において、車載装置100の車載通信装置150により、情報センター200から送信されたエリア内経路情報が受信され、そして、続くステップS209において、車載装置100のディスプレイ160により、図3に示すように、情報センター200から送信されたエリア内経路情報が表示される。また、センター制御装置220の送信機能は、エリア内経路情報とともに、ステップS204で抽出された充電種別情報を、車載装置100に送信し、これにより、充電器の充電種別情報を、車載装置100のディスプレイ160に表示させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、車載装置100を搭載した車両が実際に充電施設内を走行した走行経路の情報をエリア内経路情報として、情報センター200に集約することで、この充電施設を利用しようとする車両に対して、当該車両が利用しようとする充電施設の充電器までのエリア内経路情報を配信することができる。ここで、従来より、特に充電設備の敷地面積が広大な場合には、充電施設内の充電器までの経路情報を車両に提供することが望まれていたが、充電器を備えた充電施設は日々増加しており、新たに設置された充電施設内の充電器までのエリア内経路情報を収集し、収集したエリア内経路情報を情報センター200に登録するためには多くの時間と労力が必要であった。そのため、従来では、新たに設置された充電施設のエリア内経路情報が情報センターに登録されるまでに相当の時間を要し、その間、充電施設内の充電器までのエリア内経路情報を車両(車載装置100)のユーザに提供することができないという問題があった。これに対して、本実施形態では、充電施設の充電器までのエリア内経路情報が登録されていない場合でも、少なくとも車載装置100を搭載した1台の車両が充電施設内の充電器を利用した場合には、この充電施設内の充電器までのエリア内経路情報が情報センター200に登録されるため、その後に、この充電施設を利用しようとする車両の車載装置100に、この充電施設のエリア内経路情報を配信することができる。このように、本実施形態によれば、より短い時間で、この充電施設の充電器までのエリア内経路情報を配信可能とすることができる。
また、本実施形態においては、車載装置100を搭載する車両のうち、充電施設を目的地に設定している車両から、充電施設内に進入してから充電施設内の充電器でバッテリの充電を開始するまでの走行経路の情報を、充電施設内の充電器までの走行経路を示すエリア内経路情報として取得することで、この充電施設を利用しようとする車両のユーザに対して、充電施設内の充電器までのエリア内経路情報を提供することができる。さらに、本実施形態においては、車載装置100を搭載する車両のうち、充電施設を目的地に設定していない車両からも、バッテリの充電が完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報をエリア内経路情報として取得し、このエリア内経路情報の時系列を逆転させて、エリア内経路情報を、充電施設内に進入してから充電施設内の充電器でバッテリの充電を開始するまでの走行経路の情報に変換することで、この充電施設を利用しようとする車両のユーザに対して、充電施設内の充電器までのエリア内経路情報を提供することができる。
さらに、本実施形態では、充電施設内の充電器までの動画像情報を、エリア内経路情報として車載装置100に配信することで、立体駐車場などの複雑な経路においても、車両を充電器まで適切に案内することができる。また、充電施設内の充電器までの走行軌跡情報を、エリア内経路情報として車載装置100に配信することで、充電施設内の充電器を適切に特定することができ、これにより車両を充電器まで適切に誘導することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態においては、図4に示す情報収集処理において、車載装置100が、エリア内経路情報を主体的に取得し、情報センター200に送信する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、情報センター200が備えるセンター制御装置220の情報取得機能により、充電施設を目的地に設定しており、充電施設内の充電器でバッテリの充電を行う可能性があると判断できる車両を、特定車両として特定し、この特定車両が充電施設に進入してからバッテリの充電を開始するまでの走行経路の情報を、エリア内経路情報として情報センター200に送信するように特定車両に要求することで、エリア内経路情報を車載装置100から取得する構成としてもよい。また、センター制御装置220の情報取得機能は、充電施設内の充電器でバッテリの充電を行った車両であり、かつ、充電施設を目的地に設定していない車両を特定車両として特定し、この特定車両がバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報を、エリア内経路情報として情報センター200に送信するように特定車両に要求することで、エリア内経路情報を車載装置100から取得する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、図5に示す情報配信処理を、情報センター200が車載装置100からエリア内経路情報の要求信号を受信した場合に開始する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、車載装置100からエリア内経路情報の要求信号を受信していない場合でも、情報センター200が一定の時間間隔でエリア内経路情報を車載装置100に配信する構成としてもよい。
さらに、上述した実施形態では、車載装置100を搭載した車両が充電施設を目的地に設定していない場合に、充電施設内の充電器でバッテリの充電を完了した時点からのエリア内経路情報を取得する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、充電施設を目的地に設定していない場合でも、自車両の位置情報に基づいて自車両が充電施設内に進入したか否かを判断することで、充電施設内に進入してから充電器までのエリア内の走行経路情報を、エリア内経路情報として取得する構成としてもよい。
加えて、上述した実施形態では、車載装置100が情報センター200から受信したエリア内経路情報をディスプレイ160に表示する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、車載装置100が情報センター200から受信したエリア内経路情報を、図示しないスピーカーにより、音声で、ユーザに提供する構成としてもよい。
また、上述した実施形態においては、情報センター200が、エリア内経路情報として、車両が充電施設の充電器でバッテリの充電を完了してから充電施設外に進出するまでの走行経路の情報を取得した場合には、エリア内経路情報を車両に配信する際に、エリア内経路情報の時系列を逆転させて、時系列を逆転させたエリア内経路情報を車両に配信する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、エリア内経路情報の時系列を逆転させてから、時系列を逆転させたエリア内経路情報を、データーベース230に格納する構成としてもよいし、あるいは、車載装置100において、エリア内経路情報の時系列を逆転させてから、時系列を逆転させたエリア内経路情報を、ディスプレイ160に表示させる構成としてもい。
加えて、上述した実施形態では、電気自動車やハイブリット自車両に搭載された車載装置100に、充電設備内の充電器までのエリア内経路情報を配信する構成を説明したが、この構成に限定されず、たとえば、ガソリン自動車に搭載された車載装置100に、駐車場や施設内の給油スタンドまでのエリア内経路情報を配信する構成としてもよいし、あるいは、他のエネルギーで走行する車両に搭載された車載装置100に対して、駐車場や施設内のエネルギー補給設備までのエリア内経路情報を配信する構成としてもよい。
なお、上述した実施形態のセンター制御装置220の情報取得機能は本発明の情報配信装置の取得手段に相当し、センターデータベース230は本発明の情報配信装置の記憶手段に相当し、センター制御装置220の送信機能は本発明の情報配信装置の配信手段に相当し、カメラ群110は本発明の車載装置の撮像手段に相当し、車載制御装置140の情報取得機能は本発明の車載装置の走行軌跡検出手段および取得手段に相当し、車載制御装置140の送受信機能は本発明の車載装置の送信手段に相当する。