JP5982462B2 - ハロゲン化ジアリールアミン化合物およびその合成方法 - Google Patents

ハロゲン化ジアリールアミン化合物およびその合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲン化ジアリールアミン化合物とその合成法に関する。
薄型軽量、高速応答性、低消費電力、フレキシブル化可能などのメリットから、次世代の
表示装置として有機化合物を発光物質とする発光素子(有機EL素子)を用いた表示装置
の開発が加速している。開発には様々な障害があったものの、ここにきて有機ELテレビ
の市販も開始される程にまで技術は進歩してきている。
有機EL素子は一対の電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、両電極からそ
れぞれ注入された電子およびホール(キャリア)によって発光物質が励起状態となり、そ
のキャリアが再結合することで基底状態に戻り発光する。発光物質が発する光の波長はそ
の発光物質固有のものであり、異なる種類の有機化合物を発光物質として用いることによ
って、様々な波長すなわち様々な色の発光を呈する発光素子を得ることができる。
ディスプレイなど、画像を表示することを念頭においた表示装置の場合、フルカラーの映
像を再現するためには、少なくとも赤、緑、青の3色の光を得ることが必要になる。これ
には、広い波長範囲に発光スペクトルを有する光を発する発光素子とカラーフィルタを組
み合わせる方法、目的の色より波長の短い光を発する発光素子と色変換層を組み合わせる
方法、目的とする波長の光を発する発光素子を用いる方法などがある。これら3つの方法
の中では最後の直接目的の色を得る方法が、エネルギー的にはロスが少なく好ましい構成
であると言える。
前述の市販が開始された有機ELテレビもこの直接目的の色を得る方法を採用しているが
、実際はそれに加えてカラーフィルタを用いている上、発光素子にマイクロキャビティ構
造を採用し色純度を向上させている。多くのメリットを有する有機ELテレビであるが、
次世代のテレビとしては高品質な画像を提供することが期待され、そのためには適切な発
光色を呈する発光素子を得ることが必須とされる。
上述のように、発光物質が発する光は、その物質固有のものである。有機ELテレビの備
える多くの色純度向上の為の対策が意味するのは、良好な色の発光を呈しつつ、寿命や消
費電力などその他の重要な性質を満たす発光素子を得ることが非常に困難であるというこ
とである。さらに、寿命や消費電力など、発光素子の重要な性質は、発光を呈する物質の
みに依存する訳ではなく、発光層以外の層や、素子構造、そして、発光物質とホストとの
性質や相性なども大きく影響する。そのため、この分野の成熟をみるためには多くの種類
の発光素子用材料が必要となる。そのため、様々な分子構造を有する発光素子用材料が提
案されている(例えば特許文献1参照)。
その中で、ホールを輸送する材料の分子構造としては、トリアリールアミン化合物がよく
用いられる。この構造はホールに対して電気化学的に安定であるとされている。そのため
、トリアリールアミン化合物はホール注入材料、ホール輸送材料、発光材料、ホスト材料
として広く使用されている。
そのため種々の置換基と組み合わせたトリアリールアミン化合物とすることで、上述の特
性を保持しつつ、その他種々の特性をもつ化合物を得る事ができる。そのことで、発光量
子収率やキャリア輸送性、キャリア注入性、酸化還元性、熱安定性、蒸着性、または溶剤
への溶解性に優れている化合物、もしくは、目的の発光波長を得られる化合物、あるいは
、キャリア再結合に安定である化合物を得ることができる。
そのため所望のアリール基をもつトリアリールアミン化合物と、その化合物のより簡便な
合成法が望まれている。またそのトリアリールアミン化合物をより簡便に合成するための
原料と、その原料のより簡便な合成法が望まれている。
特開2007−15933号公報
本発明の一態様は、種々のジアリールアミン化合物およびトリアリールアミン化合物を合
成するための原料となる、新規ハロゲン化ジアリールアミン化合物とその合成方法を提供
することを課題とする。
本発明の一態様は、下記一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物お
よびその合成方法である。なお、ハロゲン化ジアリールアミン化合物を用いて種々のジア
リールアミン化合物およびトリアリールアミン化合物を合成することが可能である。
(式中、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭化水素基のいずれかを表し
、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表し、Xは塩素、
臭素、またはヨウ素のいずれかを表す。)
なお、一般式(G1)中におけるArとしては、置換または無置換のナフチル基、置換ま
たは無置換のフルオランテニル基、置換または無置換のフルオレニル基、置換または無置
換の9,9’−スピロフルオレニル基、置換または無置換のフェナントリル基、置換また
は無置換のピレニル基、置換または無置換のトリフェニレニル基、置換または無置換のク
リセニル基、置換または無置換のアントリル基、置換または無置換のペンタセニル基、置
換または無置換のテトラセニル基が挙げられる。具体的には、例えば下記構造式(Ar−
1)乃至(Ar−17)のいずれかが挙げられる。
また、一般式(G1)中におけるαとしては、例えば、下記構造式(α−1)乃至(α−
3)のいずれかが挙げられる。
また、一般式(G1)中におけるArまたはαの置換基としては、炭素数1乃至6のアル
キル基、炭素数6乃至12のアリール基が挙げられる。例えば、下記構造式(R−1)乃
至(R−8)のいずれかで表される置換基が挙げられる。
また、本発明の一態様であるハロゲン化ジアリールアミン化合物は、下記構造式(100
)または(126)で表されるいずれか一であることが好ましい。
本発明の一態様である第二級ハロゲン化ジアリールアミン化合物(G1)は、下記一般式
(G0)を、塩素、臭素またはヨウ素のいずれか一によりハロゲン化することにより合成
される。具体的には、下記一般式(A−3)で示すとおり、一般式(G0)のフェニルア
ミンの4位が特異的にハロゲン化される合成法である。これにより簡便にハロゲン化ジア
リールアミン化合物を得ることができる。
また、本発明の一態様では、第二級ハロゲン化ジアリールアミン化合物(G1)を用いて
種々の第二級ジアリールアミン化合物および第三級トリアリールアミン化合物の合成が可
能である。
また、本発明の一態様は、ハロゲン化ジアリールアミン化合物(G1)を用いて合成した
トリアリールアミン化合物を用いた発光素子である。トリアリールアミン化合物は、酸化
状態と中性状態の繰り返しに良好に安定であり、発光素子のEL層を構成する正孔注入層
、正孔輸送層、および発光層に良好に使用することができる。本発明の一態様の発光素子
は、EL層の少なくとも一層にトリアリールアミン化合物を用いることを特徴とする。な
お、発光層中の発光材料やその発光材料のホスト材料として用いる構成も本発明の一態様
に含めることとする。
また、本発明の一態様は、発光素子を用いた発光装置である。発光素子を有する発光装置
だけでなく、発光装置を有する照明装置及び電子機器も範疇に含めるものである。従って
、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(
照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexible
printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated
Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)
が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられた
モジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(
集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
本発明の一態様は、新規ハロゲン化ジアリールアミン化合物とその合成法を提供すること
ができる。また、上記合成法を用いて合成したハロゲン化ジアリールアミン化合物を原料
として、種々のジアリールアミン化合物およびトリアリールアミン化合物のより簡便な合
成法を提供することができる。
本発明の一態様に係る発光素子の概念図。 本発明の一態様に係る有機半導体素子の概念図。 PCBNAのH NMRチャート。 PCBNAPAのトルエン溶液での吸収スペクトルと発光スペクトル。 PCBNAPAの薄膜での吸収スペクトルと発光スペクトル。 PCBNAPAのCVチャート。 APAのH NMRチャート。 BrAPAのH NMRチャート。 発光素子1および発光素子2の概念図。 発光素子1の電流密度−輝度特性。 発光素子1の電圧−輝度特性。 発光素子1の輝度−電流効率特性。 発光素子1の発光スペクトル。 発光素子1の時間−規格化輝度特性。 発光素子2の電流密度−輝度特性。 発光素子2の電圧−輝度特性。 発光素子2の輝度−電流効率特性。 発光素子2の発光スペクトル。 発光素子2の時間−規格化輝度特性。 構造式(400)および構造式(401)の最高占有分子軌道(HOMO)を示す図。 構造式(426)および構造式(428)の最高占有分子軌道(HOMO)を示す図。 N−ブロモコハク酸イミド(NBS)の最低非占有分子軌道(LUMO)を示す図。 構造式(450)および構造式(451)の最高占有分子軌道(HOMO)を示す図。 本発明の一態様に係る発光装置の一例を示す図。 本発明の一態様に係る発光装置の一例を示す図。 本発明の一態様に係る発光装置の一例を示す図。 本発明の一態様に係る電子機器の例を示す図。 本発明の一態様に係る照明装置の例を示す図。
以下、本発明の実施の一態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下
の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細
を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内
容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一
部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しは省略する。
(実施の形態1)
本発明の一態様は、下記一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物で
ある。なお、ハロゲン化ジアリールアミン化合物を用いて種々のジアリールアミン化合物
およびトリアリールアミン化合物の合成が可能である。
(式中、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭化水素基のいずれかを表し
、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表し、Xは塩素、
臭素、またはヨウ素のいずれかを表す。)
なお、一般式(G1)中におけるArとしては、置換または無置換の、ナフチル基、フル
オランテニル基、フルオレニル基、9,9’−スピロフルオレニル基、フェナントリル基
、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、アントリル基、ペンタセニル基、テ
トラセニル基が挙げられる。具体的には、例えば下記構造式(Ar−1)乃至(Ar−1
7)のいずれかが挙げられる。
また、一般式(G1)中におけるαとしては、例えば、下記構造式(α−1)乃至(α−
3)が挙げられる。
また、一般式(G1)中におけるArおよびαの置換基としては、炭素数1乃至6のアル
キル基、炭素数6乃至12のアリール基が挙げられる。例えば、下記構造式(R−1)乃
至(R−8)のいずれかで表される置換基が挙げられる。
また、一般式(G1)で表される本発明の一態様であるハロゲン化ジアリールアミン化合
物は、下記構造式(100)または(126)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化
合物であるのが好ましい。
以下に、一般式(G1)で表される本実施の形態のハロゲン化ジアリールアミン化合物の
合成方法の一例について説明する。
≪ハロゲン化ジアリールアミン化合物の合成方法1≫
下記一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物は、以下において合成
スキーム(A−1)乃至(A−3)で表される合成方法によって合成することができる。
はじめに、合成スキーム(A−1)に示すように、アリールボロン酸化合物(a1)とジ
ハロゲン化アレーン化合物(a2)とをカップリングさせることによりハロゲン化アレー
ン化合物(a3)を合成する。
合成スキーム(A−1)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0
又は1を表す。また、Y及びZはそれぞれハロゲンを表し、ハロゲンとしては、ヨウ素、
臭素、または塩素が好ましい。なお、Zが塩素の場合、Yが臭素またはヨウ素であると、
Yが優先的にボロン酸基と反応するため好ましい。また、Zが臭素の場合、Yがヨウ素で
あると、Yが優先的にボロン酸基と反応するため好ましい。
合成スキーム(A−1)に示すように、ハロゲン基を有するアリール化合物と、ボロン酸
を有するアリール化合物(アリールボロン酸)とのカップリング反応の場合、様々な反応
条件があるが、その一例として、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法を適用するこ
とができる。例えば、鈴木・宮浦反応を用いる場合について以下に示す。
合成スキーム(A−1)において、金属触媒としてはパラジウム触媒を用いることができ
、パラジウム触媒としてはパラジウム錯体とその配位子の混合物を用いることができる。
パラジウム錯体としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライ
ド等が挙げられる。また、配位子としては、トリ(オルト−トリル)ホスフィンや、トリ
フェニルホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィン等が挙げられる。また、塩基とし
て用いることができる物質としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機塩基や
、炭酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
また、当該反応は溶液中で行うことが好ましく、トルエンと水の混合溶媒、トルエンとエ
タノール等のアルコールと水の混合溶媒、キシレンと水の混合溶媒、キシレンとエタノー
ル等のアルコールと水の混合溶媒、ベンゼンと水の混合溶媒、ベンゼンとエタノール等の
アルコールと水の混合溶媒、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類と水の
混合溶媒等の溶媒を用いることができる。ただし、用いることができる触媒、塩基、溶媒
はこれらに限られるものでは無い。
また、合成スキーム(A−1)で示すカップリング反応において、反応基としてアリール
ボロン酸の代わりに、アリール化合物の有機ホウ素化合物や、アリールアルミニウム化合
物、アリールジルコニウム化合物、アリール亜鉛化合物、アリールスズ化合物等を用いて
も良い。また、反応は窒素やアルゴンなど不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
続いて合成スキーム(A−2)に示すように、ハロゲン化アレーン化合物(a3)とアニ
リン(a4)とをカップリングさせることにより、ジアリールアミン化合物(G0)を合
成する。
合成スキーム(A−2)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0
又は1を表す。また、Zはハロゲンを表し、ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素、塩素が好
ましい。
合成スキーム(A−2)に示すように、ハロゲン基を有するアリール化合物と、アミンを
有するアリール化合物(1級アリールアミン化合物、2級アリールアミン化合物)とのカ
ップリング反応の場合、様々な反応条件があるが、その一例として、塩基存在下にて金属
触媒を用いた合成方法を適用することができる。以下に、この合成法の一つとして、ハー
トウィッグ・ブッフバルト反応を用いる場合について示す。
合成スキーム(A−2)において金属触媒としてはパラジウム触媒を用いることができ、
パラジウム触媒としてはパラジウム錯体とその配位子の混合物を用いることができる。パ
ラジウム錯体としては、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジ
ウム(II)等が挙げられる。また配位子としては、トリ(tert−ブチル)ホスフィ
ンや、トリ(n−ヘキシル)ホスフィンや、トリシクロヘキシルホスフィンや、1,1−
ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(略称:DPPF)等が挙げられる。また、塩
基として用いることができる物質としては、ナトリウム tert−ブトキシド等の有機
塩基や、炭酸カリウム等の無機塩基等を挙げることができる。また、反応は溶液中で行う
ことが好ましく、用いることができる溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等が
挙げられる。ただし、用いることができる触媒、塩基、溶媒はこれらに限られるものでは
無い。また反応は窒素やアルゴンなど不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
またこの反応の他の合成法として、ウルマン反応を用いる場合について示す。金属触媒と
しては銅触媒を用いることができ、ヨウ化銅(I)、又は酢酸銅(II)が挙げられる。
また、塩基として用いることができる物質としては、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げら
れる。また、反応は溶液中で行うことが好ましく、用いることができる溶媒としては、1
,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)ピリミジノン(DMPU)
、トルエン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。ただし、用いることができる触媒、塩
基、溶媒はこれらに限られるものでは無い。また反応は窒素やアルゴンなど不活性雰囲気
下で行うことが好ましい。
なお、ウルマン反応では、反応温度が100℃以上の方がより短時間かつ高収率で目的物
が得られるため、DMPU、キシレンなど沸点の高い溶媒を用いることが好ましい。また
、反応温度は150℃以上のより高い温度が更に好ましいため、より好ましくはDMPU
を用いる。
続いて合成スキーム(A−3)に示すように、ジアリールアミン化合物(G0)をハロゲ
ン化させることにより、一般式(G1)で表される第二級ハロゲン化ジアリールアミン化
合物を合成することができる。
合成スキーム(A−3)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0
又は1を表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素のいずれかを表す。
合成スキーム(A−3)におけるハロゲン化反応には、様々な反応条件があるが、例えば
極性溶媒下でハロゲン化剤を用いた反応を用いることができる。ハロゲン化剤としては、
N−ブロモコハク酸イミド(NBS)やN−ヨードコハク酸イミド(NIS)、臭素、ヨ
ウ素、ヨウ化カリウム等を用いることができる。ハロゲン化剤として臭化物を用いると、
より安価に合成できるため好ましい。また、ハロゲン化剤としてヨウ化物を用いると、生
じた化合物(ヨウ化物)において、ヨウ素置換された部分は活性が高いため、生じた化合
物(ヨウ化物)を原料とした反応を行う場合に、より反応が容易に進むため好ましい。
また、合成スキーム(A−3)においては、一般式(G0)のフェニルアミンのパラ位が
選択的にハロゲン化されるため、一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン
化合物が簡便に合成でき、且つ精製が容易であり好ましい。
なお、合成スキーム(A−2)及び合成スキーム(A−3)を経由する反応は、反応サイ
トが局所的であり、副反応が起こりづらいため、精製が簡便となり、且つ、収率が高くな
るため良好な反応である。
≪ハロゲン化ジアリールアミン化合物の合成方法2≫
また、下記合成スキーム(A−4)に示すように、合成スキーム(A−1)で得られるハ
ロゲン化アレーン化合物(a3)と、ハロゲン化アニリン(a5)とをカップリングさせ
ることにより、一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を合成する
ことができる。
合成スキーム(A−4)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0
又は1を表す。また、Zはハロゲンを表し、ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素、または塩
素が好ましい。また、Xは塩素、臭素、またはヨウ素のいずれかを表す。
合成スキーム(A−4)に示すようにハロゲン基を有するアリール化合物と、アミンを有
するアリール化合物(1級アリールアミン化合物、2級アリールアミン化合物)とのカッ
プリング反応の場合、様々な反応条件があるが、その一例として、塩基存在下にて金属触
媒を用いた合成方法(例えば合成スキーム(A−2)において上述したハートウィッグ・
ブッフハルト反応またはウルマン反応等)を適用することができる。
なお、合成スキーム(A−4)を経由する反応は、反応ステップ数が少なく簡便であるた
め良好な反応である。
≪ハロゲン化ジアリールアミン化合物の合成方法3≫
また、上記合成スキーム(A−2)で示した、一般式(G0)で表されるジアリールアミ
ン化合物は、下記の合成スキーム(B−1)に示すように、アリールボロン酸化合物(b
1)とハロゲン化ジジフェニルアミン(b2)とをカップリングさせることによっても合
成することが可能である。
合成スキーム(B−1)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0
又は1を表す。また、Yはハロゲンを表し、ハロゲンとしては、ヨウ素、臭素、塩素が好
ましい。
合成スキーム(B−1)に示すようにハロゲン基を有するアリール化合物と、ボロン酸を
有するアリール化合物(アリールボロン酸)とのカップリング反応の場合、様々な反応条
件があるが、その一例として、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法(例えば合成ス
キーム(A−1)において上述した鈴木・宮浦反応等)を適用することができる。
ジアリールアミン化合物(G0)を得た後、先に合成スキーム(A−3)にて示したよう
に、ジアリールアミン化合物(G0)をハロゲン化させることにより、一般式(G1)で
表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を合成することができる。
なお、合成スキーム(B−1)を経由する反応は、反応ステップ数が少なく簡便であるた
め良好な反応である。
以上で述べたとおり、一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物の合
成には様々な方法が挙げられる。
以下に、本発明の一態様であるハロゲン化ジアリールアミン化合物の具体的な構造式の一
例を示す(構造式(100)〜(133)、構造式(150)〜(167)、構造式(2
00)〜(217)、構造式(250)〜(267)、構造式(270)〜(275))
。ただし、本発明はこれらに限定されることはない。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した本発明の一態様であるハロゲン化ジアリールア
ミン化合物を原料として、ジアリールアミン化合物を合成する方法について説明する。さ
らに、そのジアリールアミン化合物を原料として、トリアリールアミン化合物を合成する
方法について説明する。
≪ジアリールアミン化合物の合成方法≫
例えば、下記合成スキーム(C−1)に示すように、本発明の一態様である一般式(G1
)で表される第二級ハロゲン化ジアリールアミン化合物とアリールボロン酸化合物(c1
)とをカップリングさせることにより、一般式(G2)で表される第二級ジアリールアミ
ン化合物を合成することができる。
合成スキーム(C−1)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基いずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又
は1を表し、Xは塩素または臭素またはヨウ素のいずれかを表す。また、Eはアリール
基を表し、アリール基としてはヘテロアリール基も含む。
合成スキーム(C−1)での、カップリング反応は様々な反応条件があるが、その一例と
して、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法を適用することができる。その合成反応
においては、鈴木・宮浦反応等を用いることができる。その反応条件に関してはすでに実
施の形態1で詳述したが、本反応も同様に反応を行うことができるため、繰り返しとなる
記載は省略する。
合成スキーム(C−1)により、一般式(G2)においてArとEとは異なる置換基と
することが可能となり、多様な化合物の合成が可能となるため、好ましい。勿論、Arと
とは同じ置換基とすることも可能である。
≪トリアリールアミン化合物の合成方法≫
例えば、下記合成スキーム(C−2)に示すように、一般式(G2)で表される第二級ジ
アリールアミン化合物(G2)とハロゲン化アレーン化合物(c2)とをカップリングさ
せることにより、一般式(G3)で表される第三級トリアリールアミン化合物が得られる
合成スキーム(C−2)において、Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭
化水素基いずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又
は1を表し、Xは塩素または臭素またはヨウ素のいずれかを表す。また、E及びE
それぞれ独立にアリール基を表し、アリール基としてはヘテロアリール基も含む。また、
このヘテロアリール基が電子輸送性を持つ場合、得られる第三級トリアリールアミン化合
物(G3)は、電子と正孔のどちらも輸送するバイポーラ性材料となると考えられ、発光
材料やそのホスト材料として好適である。
合成スキーム(C−2)での、カップリング反応は様々な反応条件があるが、その一例と
して、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法を適用することができる。その合成反応
においては、ハートウィッグ・ブッフバルト反応や、ウルマン反応を用いることができる
。その反応条件に関してはすでに実施の形態1で詳述したが、本反応も同様に反応を行う
ことができるため、繰り返しとなる記載は省略する。
合成スキーム(C−2)により、ArとEとEはそれぞれ異なる置換基とすることが
可能となり、多様な化合物の合成が可能であり好ましい。勿論、ArとEとEは同じ
置換基とすることも、そのうちの2つに同じ置換基とすることも可能である。
本実施の形態に記載の一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物は、酸化状態
と中性状態の繰り返しに安定なため、様々な用途に用いることができる。
以上示したように、一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物は、種
々のジアリールアミン化合物やトリアリールアミン化合物を合成する原料として用いるこ
とができるため、有用である。また、一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールア
ミン化合物を用いて合成された一般式(G2)で表されるジアリールアミン化合物もまた
、一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物を合成する原料として用いること
ができ、有用である。さらに、本発明の一態様を出発材料に合成された一般式(G3)で
表されるトリアリールアミンは、発光材料に対する正孔注入材料や正孔輸送材料、発光材
料、ホスト材料として用いることができる。なお、発光材料の場合は蛍光を発する材料、
燐光を発する材料のどちらも合成できる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
実施の形態2に記載のトリアリールアミン化合物を用いた発光素子の一態様について図1
(A)を用いて説明する。
基板101は発光素子の支持体として用いられる。基板101としては、例えばガラス、
またはプラスチックなどを用いることができる。なお、発光素子の支持体として機能する
ものであれば、これら以外のものでもよい。
第1の電極102としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金
、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例え
ば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素
若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(
IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有
した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、
ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(
例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
EL層103の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質を含む層また
は正孔輸送性の高い物質を含む層、電子注入性の高い物質を含む層、正孔注入性の高い物
質を含む層、バイポーラ性の物質(電子及び正孔の輸送性の高い物質)を含む層等と、実
施の形態2で示した本発明のトリアリールアミン化合物を含む層とを適宜組み合わせて構
成すればよい。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を
適宜組み合わせて構成することができる。本実施の形態では、EL層103は、第1の電
極102の上に順に積層した正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子
輸送層114を有する構造について示す。
本発明の一態様である一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を原
料として、正孔注入性に優れた実施の形態2に記載のトリアリールアミン化合物(一般式
(G3))を合成し、正孔注入層に用いることができる。このとき、一般式(G3)で表
されるトリアリールアミン化合物のうち、HOMO準位またはLUMO準位が5.0〜6
.0eVであるものを用いることが好ましい。また1×10−6cm/Vs以上の正孔
移動度を有することが好ましい。具体的には、一般式(G3)のアリール基Ar、アリー
ル基Eまたはアリール基Eの少なくとも1が、フェニル基、ナフタレン化合物、フル
オランテン化合物、フルオレン化合物、フェナントレン化合物、ピレン誘導体化合物、ト
リフェニレン化合物、クリセン誘導体化合物、アントラセン化合物、テトラセン化合物、
カルバゾール化合物、ジベンゾフラン化合物、ジベンゾチオフェン化合物からなる置換基
のいずれかを用いた化合物を用いることができる。
また、正孔注入層として、実施の形態2に記載の一般式(G3)で表されるトリアリール
アミン化合物と、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用
いることもできる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたもの
を用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。
つまり、第1の電極102として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材
料を用いることができる。アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ
−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル
等を挙げることができる。また、それには遷移金属酸化物を挙げることができ、更に元素
周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的に
は、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タ
ングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に
、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、実施の形態2に記載の一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物を正孔
輸送層に用いることができる。このとき、一般式(G3)で表されるトリアリールアミン
化合物のうち、HOMO準位が5.0〜6.0eVであるものを用いることが好ましい。
またバンドギャップ(HOMO準位とLUMO準位の差)が広いことが好ましく、具体的
には2.5〜3.5eVであるものを用いることが好ましい。1x10−6cm/Vs
以上の正孔移動度を有することが好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質を
正孔輸送層として用いることが好ましい。
具体的には、一般式(G3)のアリール基Ar、アリール基Eまたはアリール基E
少なくとも1が、フェニル基、ナフタレン化合物、フルオランテン化合物、フルオレン化
合物、フェナントレン化合物、ピレン誘導体化合物、トリフェニレン化合物、クリセン誘
導体化合物、アントラセン化合物、テトラセン化合物、カルバゾール化合物、ジベンゾフ
ラン化合物、ジベンゾチオフェン化合物からなる置換基のいずれかを用いた化合物を用い
ることができる。
また、実施の形態2に記載の一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物を発光
層に用いることができる。このとき、発光層は、一般式(G3)で表されるトリアリール
アミン化合物を単層で形成して発光材料として用いても良い。また一般式(G3)で表さ
れるトリアリールアミン化合物と他の有機化合物との混合物として形成しても良く、この
場合、一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物は体積混合比で大きければホ
ストとして、小さければドーパントとして働く。
このときホストは、励起エネルギーを効率よくホスト材料からドーパント材料へ移動させ
るために、ドーパント材料よりもバンドギャップが大きいことが好ましい。同様に、ホス
ト材料の発光スペクトルとドーパント材料の吸収スペクトルがより重なることが好ましい
また、一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物を青の発光材料として用いる
場合、その発光波長は420nm〜500nmを用いることが好ましく、緑の発光材料の
場合は500nm〜600nm、赤の発光材料の場合は600nm〜750nmのものを
用いることが好ましい。また白色の発光を得るためには420nm〜750nmでブロー
ドな発光波長を有することが好ましい。
また、発光層で一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物を用いる場合、電子
と正孔のどちらも輸送し、安定なバイポーラ性の材料を用いることが好ましい。具体的に
は、一般式(G3)のアリール基Eおよびアリール基Eの少なくとも1が、フェニル
基、ナフタレン化合物、フルオランテン化合物、フルオレン化合物、フェナントレン化合
物、ピレン誘導体化合物、トリフェニレン化合物、クリセン誘導体化合物、アントラセン
化合物、テトラセン化合物、カルバゾール化合物、ジベンゾフラン化合物、ジベンゾチオ
フェン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、イミダゾール化合
物、プリン化合物、ピリミジン化合物、ピラゾール化合物、オキサゾール化合物、オキサ
ジアゾール化合物、フェナントレン化合物、チオフェン化合物、からなる置換基のいずれ
かを用いた化合物を用いることができる。特にアントラセン化合物、ピレン化合物は、こ
れら骨格が高い発光量子収率を持ち、より好ましい。
また一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物をりん光発光材料のホスト材料
として用いる場合、T1エネルギーの移動を効率よくさせるために、T1準位はりん光ド
ーパント材料よりも高いことが好ましい。またドーパント材料として用いる場合、イリジ
ウムや白金などの遷移金属と錯形成させた化合物を用いてもよい。
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。例えば、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニ
ウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウ
ム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノ
ラト)アルミニウム(略称:BAlq)などのキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を
有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル
)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、
チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外
にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4
−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、
3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1
,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)
、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、
主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子
の輸送性の高い物質であれば、前記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。
また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、前記物質からなる層が二層以上積層したも
のとしてもよい。
また、電子輸送層と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。こ
れは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した
層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節する
ことが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生
する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、電子輸送層と第2の電極104との間に、第2の電極に接して電子注入層を設けて
もよい。電子注入層としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、
フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれら
の化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中
にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層と
して、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有
させたものを用いることにより、第2の電極からの電子注入が効率良く行われるためより
好ましい。
第2の電極を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金
属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このよ
うな陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわ
ちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)
、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを
含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の
希土類
金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極104と電子輸
送層との間に、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag
、ITO、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電
性材料を第2の電極104として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリ
ング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層103の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いる
ことができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いて
も構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
また一般式(G3)で表されるトリアリールアミン化合物を真空蒸着法で膜形成する場合
や昇華精製法で精製する場合等、トリアリールアミン化合物への加熱による影響を避ける
ために、その分子量が1000以下、より好ましくは800以下のものを選択するのが好
ましい。また湿式法を用いる場合は、溶媒への溶解性を高めるために、実施の形態2に記
載のトリアリールアミン化合物のアルキル基が置換基として導入されたものを用いると好
ましい。また成膜後の結晶化を防ぐためには、アモルファス性の高い分子、具体的には分
子量が500以上、より好ましくは600以上である分子が好ましい。
電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペースト
を用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を
用いて形成しても良い。
以上のような構成を有する本発明の一態様の発光素子は、第1の電極102と第2の電極
104との間に生じた電位差により電流が流れ、発光性の高い物質を含む層である発光層
113において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり発光層113に発
光領域が形成されるような構成となっている。
発光は、第1の電極102または第2の電極104のいずれか一方または両方を通って外
部に取り出される。従って、第1の電極102または第2の電極104のいずれか一方ま
たは両方は、透光性を有する電極で成る。第1の電極102のみが透光性を有する電極で
ある場合、発光は第1の電極102を通って基板側から取り出される。また、第2の電極
104のみが透光性を有する電極である場合、発光は第2の電極104を通って基板と逆
側から取り出される。第1の電極102および第2の電極104がいずれも透光性を有す
る電極である場合、発光は第1の電極102および第2の電極104を通って、基板側お
よび基板と逆側の両方から取り出される。
なお、第1の電極102と第2の電極104との間に設けられる層の構成は、上述のもの
には限定されない。しかし、発光領域と電極やキャリア(電子又は正孔)注入層に用いら
れる金属とが近接することによって生じる消光が抑制されるように、第1の電極102お
よび第2の電極104から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成
が好ましい。また、層の積層順もこれに限定されず、基板側から第2の電極、電子注入層
、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、第1の電極といった、図1とは反対の
順番に積層された積層構造であっても良い。
また、直接発光層に接する正孔輸送層や電子輸送層、特に発光層113における発光領域
に近い方に接するキャリア(電子又は正孔)輸送層は、発光層で生成した励起子からのエ
ネルギー移動を抑制するため、そのエネルギーギャップが発光層を構成する発光物質もし
くは、発光層に含まれる発光中心物質が有するエネルギーギャップより大きいエネルギー
ギャップを有する物質で構成することが好ましい。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子と
もいう)の態様について、図1(B)を参照して示す。この発光素子は、第1の電極と第
2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する発光素子である。発光ユニットとしては
、実施の形態3で示したEL層103と同様な構成を用いることができる。つまり、実施
の形態3で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子であり、本実施の形
態4の発光素子は、複数の発光ユニットを有する発光素子ということができる。
図1(B)において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニ
ット511と第2の発光ユニット512が積層されている。第1の電極501と第2の電
極502は実施の形態3と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニッ
ト511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、
その構成は実施の形態3と同様なものを適用することができる。
電荷発生層513には、有機化合物と金属酸化物の複合材料が含まれている。この有機化
合物と金属酸化物の複合材料は、実施の形態3で示した複合材料であり、有機化合物とV
やMoOやWO等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化
合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー
、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、
正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm/Vs以上であるものを適用す
ることが好ましい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸
送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層513は、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わ
せて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与
性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせ
て形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜と
を組み合わせて形成してもよい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷
発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の
側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入するものであれ
ば良い。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、
3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能であ
る。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発
生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま高輝度領域での発光が可能で
ある。電流密度を低く保てるため、長寿命素子を実現できる。
実施の形態3及び4においては、青、緑、赤の発光素子を組み合わせて、フルカラーのデ
ィスプレイを作製することができる。また、白色発光を有する材料を用いて白色照明を得
ることができる。また白色素子をバックライトとして、青・緑・赤のカラーフィルタを用
いれば、フルカラーのディスプレイも作成することができる。青緑などの中間色と赤など
の原色の二色の素子を用いて、白色とし、ディスプレイのバックライトや照明に用いるこ
ともできる。
実施の形態3および4でしめした発光素子は、さまざまな発光装置の発光部品とすること
ができる。また発光装置を用いて様々な電子機器とすることが可能である。具体的にはテ
レビや携帯電話や信号機等のディスプレイ用途や、信号機、街灯等の照明用途、冷蔵庫や
ビニールハウスなどで使用できる育種用のライトなどが挙げられる。
実施の形態3および4においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子
を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリ
クス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基
板上に、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極
上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御する
アクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定され
ない。スタガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる
半導体の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導
体を用いてもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP
型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれ
か一方からのみなるものであってもよい。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態2に記載のトリアリールアミン化合物を有機半導体素子の
一種である縦型トランジスタ(SIT)の活性層として用いる形態を例示する。
実施の形態2に記載のトリアリールアミン化合物はホールに対する安定性に優れ、キャリ
アを輸送するのに用いることができる。
素子の構造としては、図2に示すように、実施の形態2に記載のトリアリールアミン化合
物を含む薄膜状の活性層1202をソース電極1201およびドレイン電極1203で挟
み、ゲート電極1204が活性層1202に埋め込まれた構造を有する。ゲート電極12
04は、ゲート電圧を印加するための手段に電気的に接続されており、ソース電極120
1およびドレイン電極1203は、ソース−ドレイン間の電圧を制御するための手段に電
気的に接続されている。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した発光素子を用いて作製される発光装置の一
例として、パッシブマトリクス型の発光装置およびアクティブマトリクス型の発光装置に
ついて説明する。
図24、図25にパッシブマトリクス型の発光装置の例を示す。
パッシブマトリクス型(単純マトリクス型ともいう)の発光装置は、ストライプ状(帯状
)に並列された複数の陽極と、ストライプ状に並列された複数の陰極とが互いに直交する
ように設けられており、その交差部に発光層が挟まれた構造となっている。従って、選択
された(電圧が印加された)陽極と選択された陰極との交点にあたる画素が点灯すること
になる。
図24(A)乃至図24(C)は、封止前における画素部の上面図を示す図であり、図2
4(A)乃至図24(C)中の鎖線A−A’で切断した断面図が図24(D)である。
基板601上には、下地絶縁層として絶縁層602を形成する。なお、下地絶縁層が必要
でなければ特に形成しなくともよい。絶縁層602上には、ストライプ状に複数の第1の
電極603が等間隔で配置されている(図24(A))。なお、第1の電極603は、実
施の形態3の第1の電極102に相当する。
また、第1の電極603上には、各画素に対応する開口部を有する隔壁604が設けられ
、開口部を有する隔壁604は絶縁材料(感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド
、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、ま
たはSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜))で構成されている。なお、各画
素に対応する開口部605が発光領域となる(図24(B))。
開口部を有する隔壁604上に、第1の電極603と交差する互いに平行な複数の逆テー
パ状の隔壁606が設けられる(図24(C))。逆テーパ状の隔壁606はフォトリソ
グラフィ法に従い、未露光部分がパターンとして残るポジ型感光性樹脂を用い、パターン
の下部がより多くエッチングされるように露光量または現像時間を調節することによって
形成する。
図24(C)に示すように逆テーパ状の隔壁606を形成した後、図24(D)に示すよ
うにEL層607および第2の電極608を順次形成する。なお、本実施の形態で示すE
L層607は、実施の形態3において示したEL層103に相当し、少なくとも正孔輸送
層及び正孔輸送層に接する発光物質を含む層を有する。また、第2の電極608は、実施
の形態3の第2の電極104に相当する。開口部を有する隔壁604及び逆テーパ状の隔
壁606を合わせた高さは、EL層607及び第2の電極608の膜厚より大きくなるよ
うに設定されているため、図24(D)に示すように複数の領域に分離されたEL層60
7と、第2の電極608とが形成される。なお、複数に分離された領域は、それぞれ電気
的に独立している。
第2の電極608は、第1の電極603と交差する方向に伸長する互いに平行なストライ
プ状の電極である。なお、逆テーパ状の隔壁606上にもEL層607及び第2の電極6
08を形成する導電層の一部が形成されるが、EL層607、及び第2の電極608とは
分断されている。
また、必要であれば、基板601に封止缶やガラス基板などの封止材をシール材などの接
着剤で貼り合わせて封止し、発光素子が密閉された空間に配置されるようにしても良い。
これにより、発光素子の劣化を防止することができる。なお、密閉された空間には、充填
材や、乾燥した不活性ガスを充填しても良い。さらに、水分などによる発光素子の劣化を
防ぐために基板と封止材との間に乾燥材などを封入してもよい。乾燥剤によって微量な水
分が除去され、十分乾燥される。なお、乾燥剤としては、酸化カルシウムや酸化バリウム
などのようなアルカリ土類金属の酸化物のような化学吸着によって水分を吸収する物質を
用いることが可能である。その他の乾燥剤として、ゼオライトやシリカゲル等の物理吸着
によって水分を吸着する物質を用いてもよい。
次に、図24(A)乃至図24(D)に示したパッシブマトリクス型の発光装置にFPC
などを実装した場合の上面図を図25に示す。
図25において、画像表示を構成する画素部は、走査線群とデータ線群が互いに直交する
ように交差している。
ここで、図24における第1の電極603が、図25の走査線703に相当し、図24に
おける第2の電極608が、図25のデータ線708に相当し、逆テーパ状の隔壁606
が隔壁706に相当する。データ線708と走査線703の間には、図24のEL層60
7が挟まれており、領域705で示される交差部が画素1つ分となる。
なお、走査線703は配線端で接続配線709と電気的に接続され、接続配線709が入
力端子710を介してFPC711bに接続される。また、データ線708は入力端子7
12を介してFPC711aに接続される。
また、必要であれば、射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(
λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、
偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡
散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
なお、図25では、駆動回路を基板上に設けない例を示したが、基板上に駆動回路を有す
るICチップを実装させてもよい。
また、ICチップを実装させる場合には、画素部の周辺(外側)の領域に、画素部へ各信
号を伝送する駆動回路が形成されたデータ線側IC、走査線側ICをCOG方式によりそ
れぞれ実装する。COG方式以外の実装技術としてTCPやワイヤボンディング方式を用
いて実装してもよい。TCPはTABテープにICを実装したものであり、TABテープ
を素子形成基板上の配線に接続してICを実装する。データ線側IC、および走査線側I
Cは、シリコン基板を用いたものであってもよいし、ガラス基板、石英基板もしくはプラ
スチック基板上にTFTで駆動回路を形成したものであってもよい。
次に、アクティブマトリクス型の発光装置の例について、図26を用いて説明する。なお
、図26(A)は発光装置を示す上面図であり、図26(B)は図26(A)を鎖線A−
A’で切断した断面図である。本実施の形態に係るアクティブマトリクス型の発光装置は
、素子基板801上に設けられた画素部802と、駆動回路部(ソース側駆動回路)80
3と、駆動回路部(ゲート側駆動回路)804と、を有する。画素部802、駆動回路部
803、及び駆動回路部804は、シール材805によって、素子基板801と封止基板
806との間に封止されている。
また、素子基板801上には、駆動回路部803、及び駆動回路部804に外部からの信
号(例えば、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位を
伝達する外部入力端子を接続するための引き回し配線807が設けられる。ここでは、外
部入力端子としてFPC(フレキシブルプリントサーキット)808を設ける例を示して
いる。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板
(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体
だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図26(B)を用いて説明する。素子基板801上には駆動回路
部及び画素部が形成されているが、ここでは、ソース側駆動回路である駆動回路部803
と、画素部802が示されている。
駆動回路部803はnチャネル型TFT809とpチャネル型TFT810とを組み合わ
せたCMOS回路が形成される例を示している。なお、駆動回路部を形成する回路は、種
々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施
の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要
はなく、基板上ではなく外部に駆動回路を形成することもできる。
また、画素部802はスイッチング用TFT811と、電流制御用TFT812と電流制
御用TFT812の配線(ソース電極又はドレイン電極)に電気的に接続された陽極81
3とを含む複数の画素により形成される。なお、陽極813の端部を覆って絶縁物814
が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂を用いることにより形成する
また、上層に積層形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物814の上端部
または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにするのが好ましい。例えば、絶縁物
814の材料としてポジ型の感光性アクリル樹脂を用いた場合、絶縁物814の上端部に
曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物
814として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によ
ってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができ、有機化合物に限
らず無機化合物、例えば、酸化シリコン、酸窒化シリコン等、の両者を使用することがで
きる。
陽極813上には、EL層815及び陰極816が積層形成されている。なお、陽極81
3をITO膜とし、陽極813と接続する電流制御用TFT812の配線として窒化チタ
ン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層膜、或いは窒化チタン膜、アルミニウムを
主成分とする膜、窒化チタン膜との積層膜を適用すると、配線としての抵抗も低く、IT
O膜との良好なオーミックコンタクトがとれる。なお、ここでは図示しないが、陰極81
6は外部入力端子であるFPC808に電気的に接続されている。
上述のように、陽極813、EL層815及び陰極816によって発光素子が構成される
が、発光素子の詳しい構造及び材料については実施の形態3において説明したため、繰り
返しとなる説明を省略する。なお、図26における陽極813、EL層815、及び陰極
816はそれぞれ実施の形態3における第1の電極102、EL層103、第2の電極1
04に相当する。
また、図26(B)に示す断面図では発光素子817を1つのみ図示しているが、画素部
802において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。画素部8
02には、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子をそれぞれ選択的に形成し、
フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。また、カラーフィルタと組み合
わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。
さらにシール材805で封止基板806を素子基板801と貼り合わせることにより、素
子基板801、封止基板806、およびシール材805で囲まれた空間818に発光素子
817が備えられた構造になっている。なお、空間818には、不活性気体(窒素やアル
ゴン等)が充填される場合の他、シール材805で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材805にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料は
できるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板806に
用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Rein
forced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルま
たはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、アクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いる
ことができることとする。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した発光装置を用いて完成させた様々な電子機
器および照明器具について、図27を用いて説明する。
本実施の形態で示す電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビ
ジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデ
オカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、
携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙
げられる。これらの電子機器および照明器具の具体例を図27に示す。
図27(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9100は、
筐体9101に表示部9103が組み込まれている。表示部9103により、映像を表示
することが可能であり、上記実施の形態で示した発光装置を表示部9103に用いること
ができる。また、ここでは、スタンド9105により筐体9101を支持した構成を示し
ている。
テレビジョン装置9100の操作は、筐体9101が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機9110により行うことができる。リモコン操作機9110が備える操作キー
9109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9103に表示され
る映像を操作することができる。また、リモコン操作機9110に、当該リモコン操作機
9110から出力する情報を表示する表示部9107を設ける構成としてもよい。
なお、テレビジョン装置9100は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
なお、上記実施の形態を適用して形成される発光装置は、長寿命な発光装置であるため、
テレビジョン装置の表示部9103に用いることで、長寿命なテレビジョン装置を提供す
ることができる。また、色度が良好な発光装置であるため、テレビジョン装置の表示部9
103に用いることで、画質の向上した画像を表示することが可能となる。
図27(B)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キ
ーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む
。なお、コンピュータは、上記実施の形態を適用して形成される発光装置をその表示部9
203に用いることにより作製される。
なお、上記実施の形態を適用して形成される発光装置は、長寿命な発光装置であるため、
コンピュータの表示部9203に用いることで、長寿命なコンピュータを提供することが
できる。また、色度が良好な発光装置であるため、コンピュータの表示部9203に用い
ることで、画質の向上した画像を表示することが可能となる。
図27(C)は携帯型遊技機であり、筐体9301と筐体9302の2つの筐体で構成さ
れており、連結部9303により、開閉可能に連結されている。筐体9301には表示部
9304が組み込まれ、筐体9302には表示部9305が組み込まれている。また、図
27(C)に示す携帯型遊技機は、その他に、操作キー9309、接続端子9310、セ
ンサ9311(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、
温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾
度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9312等の
入力手段を備えている。また、スピーカ部9306、記録媒体挿入部9307、LEDラ
ンプ9308等を備えていてもよい。もちろん、携帯型遊技機の構成は上述のものに限定
されず、少なくとも表示部9304および表示部9305の両方、または一方に上記実施
の形態を適用して形成される発光装置を用いていればよく、その他付属設備が適宜設けら
れた構成とすることができる。
図27(C)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを
読み出して表示部に表示する機能や、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有す
る機能を有する。なお、図27(C)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定され
ず、様々な機能を有することができる。
なお、上記実施の形態を適用して形成される発光装置は、長寿命化されているため、携帯
型遊技機の表示部(9304、9305)に用いることで、長寿命な携帯型遊技機を提供
することができる。また、色度が良好な発光装置であるため、携帯型遊技機の表示部(9
304、9305)に用いることで、画質の向上した画像を表示することが可能となる。
図27(D)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機9400は、筐体9401
に組み込まれた表示部9402の他、操作ボタン9403、外部接続ポート9404、ス
ピーカ9405、マイク9406などを備えている。なお、携帯電話機9400は、上記
実施の形態を適用して形成される発光装置を表示部9402に用いることにより作製され
る。
図27(D)に示す携帯電話機9400は、表示部9402を指などで触れることで、情
報を入力ことができる。また、電話を掛ける、或いはメールを打つなどの操作は、表示部
9402を指などで触れることにより行うことができる。
表示部9402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表
示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示
モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部9402を文字の入力を
主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合
、表示部9402の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好
ましい。
また、携帯電話機9400内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを
有する検出装置を設けることで、携帯電話機9400の向き(縦か横か)を判断して、表
示部9402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
また、画面モードの切り替えは、表示部9402を触れること、又は筐体9401の操作
ボタン9403の操作により行われる。また、表示部9402に表示される画像の種類に
よって切り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画の
データであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
また、入力モードにおいて、表示部9402の光センサで検出される信号を検知し、表示
部9402のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モード
から表示モードに切り替えるように制御してもよい。
表示部9402は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部94
02に掌や指を触れることで、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことがで
きる。また、表示部に近赤外光を発光するバックライトまたは近赤外光を発光するセンシ
ング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
なお、上記実施の形態を適用して形成される発光装置は、長寿命な発光装置であるため、
携帯電話機の表示部9402に用いることで、長寿命な携帯電話機を提供することができ
る。また、色度が良好な発光装置であるため、携帯電話機の表示部9402に用いること
で、画質の向上した画像を表示することが可能となる。
図27(E)は卓上照明器具であり、照明部9501、傘9502、可変アーム9503
、支柱9504、台9505、電源スイッチ9506を含む。なお、卓上照明器具は、上
記実施の形態を適用して形成される発光装置を照明部9501に用いることにより作製さ
れる。なお、照明器具には天井固定型の照明器具または壁掛け型の照明器具なども含まれ
る。
なお、上記実施の形態を適用して形成される発光装置は、長寿命化されているため、卓上
照明器具の照明部9501に用いることで、長寿命な卓上照明器具を提供することができ
る。
図28は、上記実施の形態を適用して形成される発光装置を、室内の照明装置1001と
して用いた例である。上記実施の形態で示した発光装置は大面積化も可能であるため、大
面積の照明装置として用いることができる。また、上記実施の形態で示した発光装置は、
薄型化が可能であるため、ロール型の照明装置1002として用いることもできる。なお
、上記実施の形態を適用して形成される発光装置は、長寿命な発光素子を有しているため
、長寿命な照明装置として用いることが可能となる。なお、図28に示すように、室内の
照明装置1001を備えた部屋で、図27(E)で説明した卓上照明器具1003を併用
してもよい。
以上のようにして、上記実施の形態で示した発光装置を適用して電子機器や照明器具を得
ることができる。当該発光装置の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用
することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用い
ることができることとする。
≪合成例1≫
本実施例では、下記構造式(100)で示される4−ブロモ−4’−(1−ナフチル)ジ
フェニルアミン(略称:BrNBA)の合成方法について説明する。
<ステップ1;1−(4−ブロモフェニル)−ナフタレンの合成>
4−ブロモヨードベンゼンを46g(160mmol)、1−ナフタレンボロン酸を24
g(140mmol)、酢酸パラジウム(II)を45mg(0.2mmol)、トリス
(o−トリル)ホスフィンを60mg(0.2mmol)、500mL三口フラスコへ入
れ、この混合物へ、トルエン100mL、エタノール20mL、2mol/L炭酸カリウ
ム水溶液11mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気したのち、窒素雰
囲気下、90℃で4時間加熱撹拌し、反応させた。
反応後、この反応混合液にトルエン500mLを加え、この懸濁液をフロリジール和光純
薬工業株式会社、カタログ番号:540−00135)、セライト(和光純薬工業株式会
社、カタログ番号:531−16855)を通してろ過した。得られたろ液を水で洗浄し
、硫酸マグネシウムを加えて水分を吸着させた。この懸濁液をフロリジール、セライトを
通してろ過してろ液を得た。得られたろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒 ヘキサン)による精製を行った。得られたフラクションを濃縮したところ
、目的物の無色透明液体を収量25g、収率62%で得た。また、前記反応スキームを下
記(F−1)に示す。
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)でのRf値(展開溶媒 ヘキサン)は、目
的物は0.38、4−ブロモヨードベンゼンは0.57だった。
<ステップ2; 4−(1−ナフチル)ジフェニルアミンの合成>
1−(4−ブロモフェニル)−ナフタレンを2.8g(10mmol)、アニリンを0.
9g(10mmol)、ナトリウム tert−ブトキシドを1.0g(10mmol)
、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を20mg(0.04mmol)、
100mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。この混合物へ、ト
ルエン20mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気し、脱気後、トリ(
tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.1mL(0.06mmo
l)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、110℃で4時間加熱撹拌し、反応させた
反応後、この反応混合液にトルエン150mLを加え、この懸濁液をフロリジール、セラ
イトを通してろ過した。得られたろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(
展開溶媒 トルエン:ヘキサン=1:4)による精製を行った。得られたフラクションを
濃縮し、ヘキサンを加えて超音波をかけたのち、再結晶したところ、目的物の白色粉末を
収量2.2g、収率75%で得た。また、前記反応スキームを下記(F−2)に示す。
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)でのRf値(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキ
サン=1:10)は、目的物は0.13、1−(4−ブロモフェニル)−ナフタレンは0
.53だった。
<ステップ3;4−ブロモ−4’−(1−ナフチル)ジフェニルアミン(略称:BrNB
A)の合成>
4−(1−ナフチル)ジフェニルアミンを590mg(2.0mmol)、50mL三角
フラスコ中にて酢酸エチル20mLに溶かした後、ここにN−ブロモこはく酸イミド(略
称:NBS)360mg(2mmol)を加えて70時間室温にて撹拌した。反応終了後
、この混合液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて水分を吸着させた。この懸濁液を
ろ過し、得られたろ液を濃縮乾固させたところ、目的物の白色粉末を収量720mg、収
率96%で得た。また、前記反応スキームを下記(F−3)に示す。
ステップ3で得られた化合物を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に測定デー
タを示す。測定結果から、一般式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物
の一態様であるBrNBA(略称)が得られたことがわかった。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=5.87(s、1H)、7
.04(d、J=8.7、2H)、7.18(d、J=8.7、2H)、7.38−7.
55(m、8H)、7.84(d、J=8.1、1H)、7.80(d、J=7.8、1
H)、7.98(d、J=7.8、1H)。
このとき、ジアリールアミン化合物である4−(1−ナフチル)ジフェニルアミンの、フ
ェニルアミンの4位の部分が特異的に臭素化された。そのため、高純度、高収率で目的物
のハロゲン化ジアリールアミン化合物であるBrNBAを得る事ができた。以上のことか
らも、実施の形態2で示したジアリールアミン化合物は、フェニルアミンの4位の部分が
特異的にハロゲン化されるため、高純度、高収率で目的物のハロゲン化ジアリールアミン
化合物を得る事ができることが示された。
≪合成例2≫
本実施例では、本発明の一態様であるハロゲン化ジアリールアミン化合物を原料として用
いたジアリールアミン化合物の合成例を示す。具体的にはジアリールアミン化合物である
、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ジフ
ェニルアミン(略称:PCBNA)の合成方法について説明する。PCBNAの構造を以
下に示す。本実施例は、合成例1で合成したハロゲン化ジアリールアミン化合物である、
BrNBAを原料として、ジアリールアミン化合物であるPCBNAを合成する一態様で
ある。
<ステップ1;4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3
−イル)ジフェニルアミン(略称:PCBNA)の合成>
4−ブロモ−4’−(1−ナフチル)ジフェニルアミンを720g(1.9mmol)、
9−フェニル−9H−カルバゾール−3−ボロン酸を570mg(1.9mmol)、酢
酸パラジウム(II)を4.0mg(0.02mmol)、トリス(o−トリル)ホスフ
ィンを6.0mg(0.02mmol)、100mL三口フラスコへ入れ、この混合物へ
、トルエン15mL、エタノール2mL、2mol/L炭酸カリウム水溶液1.3mLを
加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱気したのち、窒素雰囲気下、90℃で6
時間加熱撹拌し、反応させた。
反応後、この反応混合液にトルエン150mLを加え、この懸濁液をフロリジール、セラ
イトを通してろ過した。得られたろ液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて水分を吸
着させた。この懸濁液をろ過して得られたろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒 トルエン:ヘキサン:酢酸エチル=4:5:1)による精製を行った
。得られたフラクションを濃縮し、ヘキサンを加えて超音波をかけたのち、再結晶したと
ころ、目的物の白色粉末を収量800mg、収率80%で得た。また、前記反応スキーム
を下記(F−4)に示す。
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)でのRf値(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキ
サン=1:10)は、目的物は0.14、4−ブロモ−4’−(1−ナフチル)ジフェニ
ルアミンは0.25だった。
ステップ1で得られた化合物を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に測定デー
タを示す。また、H NMRチャートを図3の(A)と(B)に示す。なお図3(B)
は(A)における5ppmから9ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結
果から、実施の形態2で示したジアリールアミン化合物であるPCBNA(略称)が得ら
れたことがわかった。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=5.89(s、1H)、7
.22−7.69(m、22H)、7.84(d、J=8.4Hz、1H)、7.89−
7.92(m、1H)、8.03(d、J=7.8Hz、1H)、8.20(d、J=7
.8Hz、1H)、8.34(s、1H)。
≪合成例3≫
本実施例では、本発明の一態様であるハロゲン化ジアリールアミン化合物を原料として用
いたトリアリールアミン化合物の合成例を示す。具体的にはトリアリールアミン化合物で
ある、4−(1−ナフチル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)−4’’−(
9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNA
PA)の合成方法について説明する。PCBNAPAの構造を以下に示す。本実施例は、
合成例1で合成したハロゲン化ジアリールアミン化合物である、BrNBAを原料として
合成したジアリールアミン化合物であるPCBNAを原料として、PCBNAPAを合成
する一態様である。
<ステップ1;4−(1−ナフチル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)−4
’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:P
CBNAPA)の合成>
9−(4−ブロモフェニル)−10−フェニルアントラセン0.45g(1.1mmol
)、ナトリウム tert−ブトキシド0.4g(4.3mmol)を50mL三口フラ
スコに入れ、フラスコ内の雰囲気を窒素置換した。この混合物にトルエン10mLに溶か
したPCBNA(略称)0.8g(1.4mmol)を入れた後、トルエンを4.3mL
、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.1mLを加えた
。この混合物を60℃にした後、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)23
mg(4.0mmol)を加えた。この混合物を80℃で2時間攪拌した。攪拌後、フロ
リジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、ろ液を得た。
得られたろ液を濃縮して得た固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒
ヘキサン:トルエン=3:7)により精製し、得られたフラクションを濃縮し、目的物の
黄色固体を得た。得られた固体を、トルエンとヘキサンの混合溶媒により再結晶したとこ
ろ、目的物の淡黄色粉末状固体を1.07g、収率85%で得た。また、PCBNAPA
の合成スキームを下記(F−5)に示す。
得られた黄色固体0.84gを、トレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華
精製条件は、圧力4.5Pa、アルゴンガスを流量5mL/minでながしながら、38
0℃で淡黄色固体を加熱した。昇華精製後、目的物の黄色プリズム結晶を0.76g、回
収率91%で得た。
得られたPCBNAPAの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogra
vimetry−Differential Thermal Analysis)を行
った。測定には高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG
−DTA2410SA)を用いた。常圧、昇温速度10℃/min、窒素気流下(流速2
00mL/min)の条件で測定したところ、重量と温度の関係(熱重量測定)から、5
%重量減少温度は500℃以上であり、良好な耐熱性を示した。
また、PCBNAPAのトルエン溶液の吸収スペクトルと発光スペクトルを測定した。吸
収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用
いた。発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)
を用いた。溶液は石英セルに入れて測定を行った。吸収スペクトルについては、石英セル
にトルエンのみを入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを測定した
。このトルエン溶液は、337nm、375nm、397nm付近に吸収ピークが見られ
た。また、この溶液の最大発光波長は457nm(励起波長370nm)であった。
また、PCBNAPAの薄膜の吸収スペクトルと発光スペクトルを測定した。吸収スペク
トルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。発光
スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。
石英基板に蒸着してサンプルを作製し、測定を行った。吸収スペクトルについては石英の
みの吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを測定した。薄膜の場合では339nm
、357nm、375nm、401nm付近に吸収ピークが見られた。また、最大発光波
長は薄膜の場合では476nm(励起波長401nm)であった。
得られた前記トルエン溶液の吸収スペクトルと発光スペクトルを図4のそれぞれ(A)と
(B)に、薄膜の吸収スペクトルと発光スペクトルを図5のそれぞれ(A)と(B)に示
す。
このように、構造式(67)で表されるPCBNAPAは、トルエン溶液、薄膜共に充分
に短波長である良好な青色の発光を呈することがわかった。
また、PCBNAPAの酸化反応特性および還元反応特性を測定した。酸化反応特性およ
び還元反応特性は、サイクリックボルタンメトリー(CV)測定によって調べた。なお測
定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600
A)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(S
igma−Aldrich社製、99.8%、カタログ番号:22705−6)を用い、
支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)(
(株)東京化成製、カタログ番号:T0836)を100mmol/Lの濃度となるよう
に溶解させ、さらに測定対象を1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。
また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補
助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(
5cm))を、参照電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5
非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温で行った。なお、CV測定の
スキャン速度は0.1V/sに統一した。
PCBNAPAの還元反応特性については、参照電極に対する作用電極の電位を−1.2
2Vから−2.40Vまで変化させた後、−2.40Vから−1.22Vまで変化させる
走査を1サイクルとし、100サイクル測定した。酸化反応特性については、同様に0.
28Vから0.60Vまで変化させた後、0.60Vから0.28Vまで変化させる走査
を1サイクルとし、100サイクル測定した。
測定結果により、0.50eV(vs.Ag/Ag)付近に酸化を示すピーク電流が、
−2.24eV(vs.Ag/Ag)付近に還元を示すピーク電流が観測された。得ら
れたスペクトルを図6に示す。
100サイクルもの走査を繰り返しているにもかかわらず、PCBNAPAは酸化反応及
び還元反応におけるCV曲線のピーク位置に大きな変化が見られず、ピーク強度も酸化側
でイニシャルの96%、還元側で86%の強度を保っていた。これによりPCBNAPA
は、中性状態から酸化状態への酸化反応と酸化状態から中性状態への還元反応の繰り返し
、及び中性状態から還元状態への還元反応と還元状態から中性状態への酸化反応の繰り返
しに対して比較的安定な物質であることがわかった。
また、薄膜状態のPCBNAPAを大気中にて光電子分光法(理研計器社製、AC−2)
で測定した結果、HOMO準位は−5.47eVであった。更に、薄膜の吸収スペクトル
を用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エ
ネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.92eVであ
った。得られたエネルギーギャップとHOMOの値から、LUMO準位を求めたところ−
2.55eVであった。このように、PCBNAPAは2.92eVの広いエネルギーギ
ャップを有している事がわかった。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1に構造式(G1)として示した本発明の一態様であるハロゲ
ン化ジアリールアミン化合物の合成例を示す。具体的には実施の形態1の構造式(126
)で示した、4−ブロモ−4’−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミン
(略称:BrAPA))の合成方法について説明する。BrAPAの構造を以下に示す。
<ステップ1;4−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミン(略称;AP
A)の合成>
9−(4−ブロモフェニル)−10−フェニルアントラセンを2.0g(5.0mmol
)、アニリンを0.4g(5.0mmol)、ナトリウム tert−ブトキシドを0.
7g(7.0mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を30mg
(0.1mmol)、100mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内の雰囲気を窒素置換し
た。この混合物へ、トルエン20mLを加えた。この混合物を、減圧下で攪拌しながら脱
気した後、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(10wt%ヘキサン溶液)0.3mL
(0.2mmol)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下、110℃で2時間加熱撹拌
し、反応させた。
反応後、この反応混合液にトルエン150mLを加え、この懸濁液をフロリジール、アル
ミナ、セライトを通してろ過した。得られたろ液を濃縮し、ヘキサンを加えて超音波をか
けたのち、再結晶したところ、目的物の黄色粉末を収量1.75g、収率83%で得た。
また、前記反応スキームを下記(G−1)に示す。
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)でのRf値(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキ
サン=1:10)は、目的物は0.24、9−(4−ブロモフェニル)−10−フェニル
アントラセンは0.52だった。
ステップ1で得られた化合物を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に測定デー
タを示す。また、H NMRチャートを図7の(A)と(B)に示す。なお図7(B)
は(A)における5ppmから9ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結
果から、目的物のジアリールアミン化合物であるAPA(略称)が得られたことがわかっ
た。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=5.91(s、1H)、7
.00(t、J=2.9、1H)、7.23−7.39(m、12H)、7.46−7.
50(m、2H)、7.54−7.63(m、3H)、7.67−7.71(m、2H)
、7.82−7.85(m、2H)。
<ステップ2;4−ブロモ−4’−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミ
ン(略称:BrAPA)の合成>
4−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミンを84mg(0.2mmol
)、20mL三角フラスコ中にてクロロホルム5mLに溶かした後、ここにN−ブロモこ
はく酸イミド(略称:NBS)36mg(0.2mmol)を加えて1時間室温にて撹拌
した。反応終了後、この混合液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて水分を吸着させ
た。この懸濁液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。ここにヘキサンを加えて超音波をか
けたのち、再結晶したところ、目的物の淡緑色粉末を収量400mg、収率40%で得た
。また、前記反応スキームを下記(G−2)に示す。
このとき、ジアリールアミン化合物である4−(10−フェニル−9−アントリル)ジフ
ェニルアミンの、フェニルアミンの4位の部分が特異的に臭素化された。そのため、高純
度、高収率で目的物のハロゲン化ジアリールアミン化合物であるBrABAを得る事がで
きた。以上のことからも、本発明のジアリールアミン化合物は、フェニルアミンの4位の
部分が特異的にハロゲン化されるため、高純度、高収率で目的物のハロゲン化ジアリール
アミン化合物を得る事ができる。
ステップ2で得られた化合物を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に測定デー
タを示す。また、H NMRチャートを図8の(A)と(B)に示す。なお図8(B)
は(A)における5ppmから9ppmの範囲を拡大して表したチャートである。測定結
果から、上述の構造式(126)で表される本発明のハロゲン化ジアリールアミン化合物
の一態様であるBrAPA(略称)が得られたことがわかった。
H NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=5.89(s、1H)、7
.12(d、J=8.4、2H)、7.26−7.49(m、12H)、7.55−7.
63(m、3H)、7.68−7.71(m、2H)、7.79−7.82(m、2H)
≪合成例5≫
本実施例では、実施例4で示した、構造式(126)で示した、4−ブロモ−4’−(1
0−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミン(略称:BrAPA))の別の合成方
法について説明する。
<ステップ1;4−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミン(略称:AP
A)の合成>
実施例4のステップ1と同様に合成する。
<ステップ2;4−ブロモ−4’−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミ
ン(略称:BrAPA)の合成>
4−(10−フェニル−9−アントリル)ジフェニルアミンを840mg(2.0mmo
l)、100mL三角フラスコ中にて酢酸エチル80mLに溶かした後、ここにN−ブロ
モこはく酸イミド(略称:NBS)360mg(2.0mmol)を加えて24時間室温
にて撹拌した。反応終了後、この混合液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて水分を
吸着させた。この懸濁液をろ過し、得られたろ液を濃縮した。ここにヘキサンを加えて超
音波をかけたのち、再結晶したところ、目的物の淡緑色粉末を収量700g、収率70%
で得た。反応スキームを下記(G−3)に示す。
このとき、ジアリールアミン化合物である4−(1−ナフチル)ジフェニルアミンの、フ
ェニルアミンの4位の部分が特異的に臭素化された。そのため、高純度、高収率で目的物
のハロゲン化ジアリールアミン化合物であるBrNBAを得る事ができた。以上のことか
らも、本発明のジアリールアミン化合物は、フェニルアミンの4位の部分が特異的にハロ
ゲン化されるため、高純度、高収率で目的物のハロゲン化ジアリールアミン化合物を得る
事ができる。
実施例4のステップ2、実施例5のステップ2より、極性溶媒であるクロロホルムや酢酸
エチル(誘電率はそれぞれ4.8と6.0)中でハロゲン化剤であるNBSを作用させる
と、特定の部位(化合物のフェニルアミンの4位)が特異的にハロゲン化(ここでは臭素
化)されることが確認された。
本実施例では、本発明の発光素子の一例について、図9を用いて説明する。本実施例で用
いた材料の化学式を以下に示す。
(発光素子1)
発光素子1の構造を、図9(A)を用いて説明する。まず、ガラス基板1100上に、酸
化珪素を含むインジウムスズ酸化物をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極1101
を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成されたガラス基
板1100を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで
減圧した後、第1の電極1101上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フ
ェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着するこ
とにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層1102を形成し
た。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(=N
PB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で
、複数の蒸発源から複数の材料を同時に蒸着する、蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層1102上にNPBを10nm
の膜厚となるように成膜し、正孔輸送層1103を形成した。
さらに、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾー
ル(略称:CzPA)とPCBNAPAとを共蒸着することにより正孔輸送層1103上
に30nmの膜厚の発光層1104を形成した。ここで、CzPAとPCBNAPAとの
重量比は、1:0.1(=CzPA:PCBNAPA)となるように調節した。
その後、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層1104上にトリス(8−キノリノラト
)アルミニウム(略称:Alq)を10nmの膜厚となるように成膜し、続いてAlq層
の上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を膜厚20nmとなるように成膜し、
Alq及びBPhenからなる電子輸送層1105を形成した。
さらに、電子輸送層1105上に、フッ化リチウムを1nmの膜厚で成膜し、電子注入層
1106を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層1106上にアルミニウムを200n
mの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極1107を形成することで、発光
素子1を作製した。
発光素子1の電流密度−輝度特性を図10に示す。また、電圧−輝度特性を図11に示す
。また、輝度−電流効率特性を図12に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペ
クトルを図13に示す。図13から、発光素子1の発光は、PCBNAPAからの発光で
あることがわかった。960cd/mの輝度の時の発光素子1のCIE色度座標は(x
,y)=(0.16,0.20)であり、色純度の高い青色発光が得られた。また、図1
2から分かるように、発光素子1の960cd/mにおける電流効率は5.3cd/A
であり、高い電流効率を示すことがわかった。また、図11から、960cd/mにお
ける駆動電圧は4.2Vであり、パワー効率は3.9lm/Wであった。この結果から、
発光素子1は、ある一定の輝度を得るための電圧が低く、低消費電力であることがわかっ
た。
次に、発光素子1の信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図14に示す。図14にお
いて、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動
時間(h)を示す。信頼性試験は、初期輝度を1000cd/mに設定し、電流密度一
定の条件で本実施例の発光素子1を駆動した。図14から、発光素子1の150時間後の
輝度は初期輝度の88%を保っていた。したがって、発光素子1は高い信頼性を示すこと
が明らかとなった。従って、本発明の一態様のハロゲン化ジアリールアミン化合物を用い
て合成できる、前記トリアリールアミン化合物を発光素子に用いることにより、長寿命の
発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、本発明の発光素子の一例について、図9(B)を用いて説明する。本実施
例で用いた材料は、実施例6で用いた材料と同じである。
(発光素子2)
まず、ガラス基板1100上に、第1の電極1101、有機化合物と無機化合物とを複合
してなる複合材料を含む層1102、正孔輸送層1103は本実施例6の発光素子1と同
様の方法にて形成した。
次に、正孔輸送層1103上に、PCBNAPAを膜厚20nmとなるように蒸着するこ
とで、第1の発光層1108を形成した。
さらに、CzPAとPCBNAPAとを共蒸着することにより、第1の発光層1108上
に30nmの膜厚の第2の発光層1109を形成した。ここで、CzPAとPCBNAP
Aの重量比は1:0.05(=CzPA:PCBNAPA)となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、第2の発光層1109上にAlqを30nmの膜
厚となるように成膜し、電子輸送層1105を形成した。
続いて、電子輸送層1105上に、電子注入層1106、第2の電極1107を本実施例
6の発光素子1と同様の方法にて形成することで、発光素子2を作製した。
発光素子2の電流密度−輝度特性を図15に示す。また、電圧−輝度特性を図16に示す
。また、輝度−電流効率特性を図17に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペ
クトルを図18に示す。図18から、発光素子2の発光は、PCBNAPAからの発光で
あることがわかった。1010cd/mの輝度のときの発光素子2のCIE色度座標は
(x,y)=(0.16,0.22)であり、青色発光が得られた。また、図17から、
発光素子2の1010cd/mにおける電流効率は6.3cd/Aであり、高い電流効
率を示すことがわかった。また、図16から、1010cd/mにおける駆動電圧は5
.6Vであり、パワー効率は3.9lm/Wであった。この結果から、発光素子1は、あ
る一定の輝度を得るための電圧が低く、低消費電力であることがわかった。
つまり本発明の一態様のハロゲン化ジアリールアミン化合物を原料として用いて合成する
、トリアリールアミン化合物を発光素子に用いることにより、低電圧で駆動可能な発光素
子を提供できることが明らかとなった。また、高効率且つ、低電圧駆動が可能である、低
消費電力の素子を提供できることが明らかとなった。
次に、発光素子2の信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図19に示す。図19にお
いて、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動
時間を示す。信頼性試験は、初期輝度を1000cd/mに設定し、電流密度一定の条
件で本実施例の発光素子2を駆動した。図19から、発光素子2の1000時間後の輝度
は初期輝度の86%を保っていた。したがって、発光素子2は、高い信頼性を示すことが
明らかとなった。従って、本発明の一態様のトリアリールアミン化合物を発光素子に用い
ることにより、長寿命の発光素子が得られることがわかった。
アミンなどの電子供与基を持ち電子密度が高い芳香環上では、水素を直接ハロゲンへ置き
換えることができる。例えばアニリンは、極性溶媒の酢酸エチル中でハロゲン化剤である
N−ブロモこはく酸イミド(略称:NBS)と作用させると、パラ位を直接ブロモ化でき
る。一方、ベンゼンやフルオレンなどの電子密度がそれほど高くはない基質をハロゲン化
する場合、鉄の塩や酸などの触媒が加えられる。
そこで、一般式(G0)で表されるジアリールアミン化合物は、ハロゲン化されやすい部
位(フェニルアミンのパラ位)の一方が、その部位よりもハロゲン化されにくい置換基(
Arまたはα)で塞いだ構造をとる。そのため、一般式(G0)の臭化物、すなわち下記
一般式(G1−Br)で表される化合物を効率的に得られると考えられる。つまり、NB
Sと一般式(G0)で表されるジアリールアミン化合物との反応の場合も、臭素が付加す
るということは、以下の反応が起きていると考えられる。
これは求電子置換反応であるので、障害が少なく、電子数の多い部分(フェニルアミンの
4位、矢印で示したパラ位)に臭素が付加しやすいと考えられる。
本実施例では、実施の形態1に一般式(G1)として示した本発明の一態様であるハロゲ
ン化ジアリールアミン化合物の合成法の一態様で原料として用いる、一般式(G0)で表
されるジアリールアミン化合物とNBSの一重項最安定構造を密度汎関数法で計算した。
使用した量子化学計算プログラムはGaussian03である。基底関数は、6−31
1G(d,p)を用いた。汎関数はB3LYPである。反応は酢酸エチル、酢酸、ジクロ
ロメタンなど極性溶媒中で進むので、PCM法(分極連続体モデル)で溶媒効果も計算条
件に加えた(ここではジクロロメタンの設定で計算を行った)。また、その構造の最高占
有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital
、略してHOMO)の電子数を、NBSについては最低非占有分子軌道(Lowest
Unoccupied Molecular Orbital、略してLUMO)の電子
数を、以下の式に従って計算した。
ここで、ΨHOMOは最高占有分子軌道、φrはr番目の原子軌道、cHOMO,rは最
高占有軌道におけるr番目の原子軌道の係数、Nは二重被占している軌道の数であり、N
Aが原子AにおけるHOMOの電子数である。
HOMOの電子数の計算は、下記一般式(300)及び(301)に関して、アリール(
Ar)の部分が下記置換基(Ar−1)〜(Ar−3)、(Ar−5)〜(Ar−8)、
(Ar−9)〜(Ar−11)、(Ar−13)〜(Ar−15)のものである分子につ
いて行った。
図20の(A)および(B)に前記一般式(300)及び(301)のアリール基(Ar
)が1−ナフチル(Ar−2)の場合の計算結果(HOMOの電子分布)をそれぞれ示す
図21の(A)及び(B)には前記一般式(300)のArが9−(10−フェニルアン
トリル)(Ar−13)の場合、2−(9,10−ジフェニル)アントリル(Ar−14
)場合の計算結果(HOMOの電子分布)をそれぞれ示す。また、図22にNBSについ
ての計算結果(LUMOの電子分布)を示す。
図20の(A)および(B)は、電子の分布を絵にしたものであり、数字は電子数を表し
ている。この数字は、全原子に対して和を取れば、2になっている。これより、パラ位(
フェニルアミンの4位、矢印で示した4位)の電子数(それぞれ、0.191と0.18
1)が最も多いので、ここに一番臭素が付加しやすいことが解った。アリールフェニルア
ミンの他の電子の多い炭素部には、立体障害が大きいため、臭素が付加しにくいと考えら
れる。
図21の(A)および(B)に関しても、電子の分布を絵にしたものであり、数字は電子
数を現している。この数字は、全原子に対して和を取れば、2になっている。
図21の(A)に関しては、パラ位(フェニルアミンの4位、矢印で示したパラ位)の電
子数(0.223)が最も多いので、ここに一番臭素が付加しやすいことが解った。アリ
ールフェニルアミンの他の電子の多い炭素部には、立体障害が大きいため、臭素が付加し
にくいと考えられる。
アントラセンの9位と10位はそれぞれ、酸化(ハロゲン化)されやすいため、この様に
フェニル基などであらかじめキャップしておくのが好ましい。そのことで、ハロゲン化反
応を行う際に目的の部分(フェニルアミンの4位、矢印で示したパラ位)が優先的にハロ
ゲン化される。また他のアリール基に関しても同様に酸化されやすい部分はあらかじめキ
ャップしておくことが好ましい。
図21の(B)に関しては、アントリル基の1位に最も電子数が多くなり(0.175)
、続いてパラ位(フェニルアミンの4位)が多く(0.114)なった。しかしながら、
前記アントリル基の1位は、前記アントリル基に結合しているフェニレン基の、アントリ
ル基に対してオルト位(星マークで示した部位)の水素と立体障害が大きいため、臭素が
付加しにくいと考えられる。
その他計算を行ったアリールフェニルアミンに関しては、同様にパラ位(フェニルアミン
の4位)の電子数が最も多くなり、ここに一番臭素が付加しやすいことが解った。アリー
ルフェニルアミンの他の電子の多い炭素部には、立体障害が大きいため、臭素が付加しに
くいと考えられる。
図22は、NBSのLUMOを表している。臭素の電子数が1.330と最も多く、これ
は臭素の部分に電子が入りやすいことを示している。さらに、窒素と臭素の間で反結合性
軌道になっている為、臭素と窒素の結合は切れやすいことが解った。
つづけて同様に、HOMOの電子数の計算を、下記一般式(302)及び(303)に関
して、アリール(Ar)の部分が前記置換基(Ar−2)のものである分子について行っ
た。
図23の(A)および(B)にそれぞれ計算結果(HOMOの電子分布)示す。
図23の(A)および(B)のどちらにおいても、パラ位(フェニルアミンの4位、矢印
で示したパラ位)の電子数(それぞれ、0.176と0.188)が最も多いので、ここ
に一番臭素が付加しやすいことが解った。アリールフェニルアミンの他の電子の多い炭素
部には、立体障害が大きいため、臭素が付加しにくいと考えられる。
以上の結果から、一般式(G0)で表されるジアリールアミン化合物のパラ位(フェニル
アミンの4位)に臭素が付加する反応が起きやすいと考えられる。また同様の反応機構で
反応するため、他のハロゲン(ヨウ素、塩素)の場合も同様のことが言える。つまり、下
記式で表されるように、一般式(G0)で表されるアリールフェニルアミン化合物から、
極性雰囲気中にてハロゲン化剤を作用させると、選択的・効率的に本発明の下記一般式(
G1)で表されるハロゲン化アリールアミン化合物が合成できることがわかった。
なお、本実施例8での一般式中Arは置換又は無置換の2環乃至6環の多環芳香族炭化水
素基いずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1
を表し、Xは塩素または臭素またはヨウ素のいずれかを表す。
101 基板
102 第1の電極
103 EL層
104 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
501 第1の電極
502 第2の電極
511 第1の発光ユニット
512 第2の発光ユニット
513 電荷発生層
1201 ソース電極
1202 活性層
1203 ドレイン電極
1204 ゲート電極
1100 ガラス基板
1101 第1の電極
1102 複合材料を含む層
1103 正孔輸送層
1104 発光層
1105 電子輸送層
1106 電子注入層
1107 第2の電極
1108 第1の発光層
1109 第2の発光層

Claims (9)

  1. 式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物。

    (式中、Arは、置換または無置換のフルオランテニル基、置換または無置換のフェナントリル基、置換または無置換のピレニル基、置換または無置換のトリフェニレニル基、置換または無置換のクリセニル基、置換または無置換のアントリル基、置換または無置換のテトラセニル基、置換または無置換のペンタセニル基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。)
  2. 請求項1において、
    式(G1)中のArは、置換または無置換のアントリル基、置換または無置換のフェナントリル基のいずれかであるハロゲン化ジアリールアミン化合物。
  3. 式(126)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物。
  4. 式(100)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物。
  5. 式(G0)で表されるジアリールアミン化合物を、極性溶媒下でハロゲン化剤を用いてハロゲン化し、式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を合成する合成方法。

    (但し、式(G0)中Arは、置換または無置換のフルオランテニル基、置換または無置換のフェナントリル基、置換または無置換のピレニル基、置換または無置換のトリフェニレニル基、置換または無置換のクリセニル基、置換または無置換のアントリル基、置換または無置換のテトラセニル基、置換または無置換のペンタセニル基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表す。)

    (但し、式中(G1)Arは、置換または無置換のフルオランテニル基、置換または無置換のフェナントリル基、置換または無置換のピレニル基、置換または無置換のトリフェニレニル基、置換または無置換のクリセニル基、置換または無置換のアントリル基、置換または無置換のテトラセニル基、置換または無置換のペンタセニル基のいずれかを表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表し、Xは塩素または臭素またはヨウ素のいずれかを表す。)
  6. 請求項5において、
    式(G0)および式(G1)中のArは、置換または無置換のアントリル基、置換または無置換のフェナントリル基のいずれかである合成方法。
  7. 化合物Cで表されるジアリールアミン化合物を、極性溶媒下でハロゲン化剤を用いてハロゲン化し、化合物Dで表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を合成する合成方法。
  8. 式(G0)で表されるジアリールアミン化合物を、極性溶媒下でハロゲン化剤を用いてハロゲン化し、式(G1)で表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を合成する合成方法。

    (但し、式(G0)中Arは、置換または無置換のナフチル基を表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表す。)

    (但し、式中(G1)Arは、置換または無置換のナフチル基を表し、αは置換または無置換のフェニレン基を表す。また、nは0又は1を表し、Xは塩素または臭素またはヨウ素のいずれかを表す。)
  9. 化合物Aで表されるジアリールアミン化合物を、極性溶媒下でハロゲン化剤を用いてハロゲン化し、化合物Bで表されるハロゲン化ジアリールアミン化合物を合成する合成方法。
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