JP5980603B2 - 誘電体膜の形成方法、薄膜二次電池の製造方法、誘電体膜の形成装置、および、薄膜二次電池の製造装置 - Google Patents

誘電体膜の形成方法、薄膜二次電池の製造方法、誘電体膜の形成装置、および、薄膜二次電池の製造装置 Download PDF

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Description

本開示の技術は、電極が形成された基板に誘電体膜を形成する誘電体膜の形成方法、薄膜二次電池の製造方法、誘電体膜の形成装置、および、薄膜二次電池の製造装置に関する。
リチウムを含む固体電解質膜は、例えば、特許文献1に記載のように、薄膜リチウム二次電池に用いられている。電解質として液体が用いられるリチウム二次電池では、通常、可燃性の有機溶媒が電解質として用いられる。一方で、全固体二次電池である薄膜リチウム二次電池では、電解質として可燃性の有機溶媒が必要とされないため、二次電池としての安全性を高めることが可能である。それゆえに、薄膜リチウム二次電池の量産を可能にする技術の確立は従来から強く望まれている。図7は、上述の薄膜二次電池の一例における断面構造を示す断面図である。
図7に示されるように、基板51の上面には、正極集電体層52Aと正極活物質層52Bとが積層されてなる正極52が形成されている。正極52の上側には、負極集電体層53Aと負極活物質層53Bとが接続されてなる負極53が形成されている。これら正極52と負極53との間には、固体電解質膜54が挟まれている。そして、充電時における薄膜二次電池では、リチウムが正極52から出て負極53に入る一方で、放電時における薄膜二次電池では、リチウムが負極53から出て正極52に入る。
米国特許第5512147号明細書
ところで、上述の固体電解質膜54には多成分系の薄膜が多く用いられるため、固体電解質膜54の形成に際しては、従来から、高い精度での組成比の調整が可能なスパッタ法が用いられている。図8は、固体電解質膜54の形成工程を示す工程図であって、基板51上に配置されたマスクと基板上に形成された電極との位置を示す平面図である。
図8に示されるように、固体電解質膜54の形成に先駆けて、基板51の上面には、正極集電体層52Aと正極活物質層52Bとからなる正極52が形成されている。金属製のマスク61の一部には、マスク61の厚さの方向に貫通する矩形孔であるマスク開口62が形成されている。マスク開口62の内縁は、固体電解質膜54の外縁と同じ形状であり、マスク開口62の位置は、固体電解質膜54の形成される位置と一致している。
そして、固体電解質膜54が形成される際には、基板51の表面や正極52の表面とマスク61の裏面とが接触する状態でマスク61がセットされ、固体電解質からなる粒子がマスク開口62を通して基板51上に堆積する。すなわち、正極52のうちマスク開口62から曝される部分、及び、基板51のうちマスク開口62から曝される部分に、固体電解質膜54が形成される。
この際に、正極52上に形成される固体電解質膜と、基板51上に形成される固体電解質膜とが、相互に性状の異なる場合があり、特に、正極52の外縁とマスク開口62の内縁との間の隙間51Sでは、樹枝状晶(デンドライト状)にリチウムが析出する場合がある。こうしたデンドライト状の析出は、正極52と負極53との短絡の要因となり、結果として、薄膜固体二次電池の歩留まりを下げたり、薄膜固体二次電池の寿命を短くしたりする。なお、こうしたデンドライト状の析出は、固体電解質膜の形成に限られず、可動元素を含む誘電体膜の形成にて概ね共通する問題でもある。
本開示の技術は、デンドライト状の析出を抑えることの可能な誘電体膜の形成方法、薄膜二次電池の製造方法、及び、誘電体膜の形成装置を提供することを目的とする。
本開示における誘電体膜の形成方法の一態様は、基板に形成された電極に誘電体からなる薄膜が積層される工程にて、前記電極の一部が露出する状態で導電性のマスクが前記基板に重ねられる工程と、前記誘電体の含まれるプラズマに前記露出する部分が曝される工程と、を含み、前記マスクにて前記電極と向かい合う側面である対向面のうち、少なくとも前記電極に重ねられる部分は、絶縁性を備える。
本開示における薄膜二次電池の製造方法の一態様は、基板に電極が形成される第一の工程と、前記電極にリチウムを含む固体電解質膜が積層される第二の工程と、を含み、前記第二の工程は、前記電極の一部が露出する状態で導電性のマスクが前記基板に重ねられる工程と、固体電解質の含まれるプラズマに前記露出する部分が曝される工程と、を含み、前記マスクにて前記電極と向かい合う側面である対向面のうち、少なくとも前記電極に重ねられる部分は、絶縁性を備える。
本開示における誘電体膜の形成装置の一態様は、誘電体の含まれるプラズマを生成するプラズマ生成部と、電極の形成された基板が載置される基板ステージと、前記電極の一部が露出する状態で前記基板に重ねられる導電性のマスクと、を備え、前記マスクにて前記電極と向かい合う側面である対向面のうち、少なくとも前記電極に重ねられる部分は、絶縁性を備える。
本開示の技術における一態様によれば、基板上に形成された電極は、マスクによって覆われる部分である遮蔽部分と、マスクから露出される部分である露出部分とを有する。そして、マスクにおける対向面のうち少なくとも遮蔽部分に重ねられる部分が絶縁性を備える。それゆえに、露出部分とマスクとはプラズマを通じて電気的に接続される一方で、遮蔽部分とマスクとは対向面によって電気的に絶縁される。結果として、マスクにおける開口の内縁と電極の露出部分との間の隙間は開回路に接続されるため、こうした隙間でのデンドライト状の析出が抑えられる。
本開示における誘電体膜の形成方法の他の態様では、前記マスクは、金属製のマスク本体を備え、前記対向面は、前記マスク本体の一側面が絶縁膜で覆われてなる。
本開示における誘電体膜の形成方法の他の態様によれば、マスク本体の一側面を覆う絶縁膜によって対向面が形成されるため、マスクにおける機械的な強度やマスクにおける開口の加工精度等のマスクに求められる機能は、マスク本体によって維持されやすくなる。
本開示における誘電体膜の形成方法の他の態様では、前記絶縁膜は、誘電体の構成元素を含む。
本開示における誘電体膜の形成方法の他の態様によれば、マスク本体の裏面に形成される絶縁膜が、誘電体の構成元素を含むため、誘電体膜に対して絶縁膜から不純物が混入することが抑えられる。
本開示における誘電体膜の形成方法の他の態様では、前記誘電体は、リチウム伝導性を有し、前記誘電体の含まれるプラズマでは、リチウム伝導性を有するターゲットが、不活性ガス、反応性ガス、不活性ガスと反応性ガスとの混合ガスのいずれか1つの雰囲気でスパッタされる。
本開示における誘電体膜の形成方法によれば、リチウム伝導性を有する膜が形成される際に、上述したデンドライト状のリチウムの析出が抑えられる。
本開示の技術における一実施形態での誘電体膜の形成装置の構成を示す構成図である。 一実施形態でのマスクの平面構造を示す平面図である。 一実施形態でのマスクの断面構造の一部を拡大して示す拡大断面図である。 一実施形成での薄膜二次電池の形成方法における処理の手順を示すフローチャートである。 一実施形成での誘電体膜の形成方法におけるマスクの配置工程を示す工程図である。 一実施形成での誘電体膜の形成方法における成膜工程を示す工程図である。 薄膜二次電池の断面構造の一例を示す断面図である。 固体電解質膜の形成工程におけるマスクと電極との配置を示す平面図である。
本開示における誘電体膜の形成方法、薄膜二次電池の製造方法、及び、誘電体膜の形成装置の一実施形態について図1から図6を参照して説明する。なお、以下では、誘電体膜が固体電解質膜である例について説明する。
[誘電体膜の形成装置]
図1に示されるように、誘電体膜の形成装置の有する真空槽11には、ガス供給部12と排気部13とが連結されている。ガス供給部12は、真空槽11の内部に不活性ガス及び反応性ガスの少なくとも1つを供給し、排気部13は、真空槽11の内部を減圧して所定の圧力に調整する。真空槽11の内部には、基板ステージ14とカソード16とが相互に向かい合う状態で配置されている。基板ステージ14の載置面には、マスク15の被せられた状態で基板Sが載置される。カソード16を構成するバッキングプレート17には、基板ステージ14と向かい合う側面に、固体電解質の構成元素からなるターゲットTが取り付けられ、ターゲットTと向かい合う裏面に高周波電源18が接続されている。
そして、例えば、不活性ガスとしてのアルゴンと反応性ガスとして窒素とがガス供給部12から真空槽11の内部に供給され、且つ、真空槽11の内部は、例えば、0.2Paから1.0Paのうちで所定のプロセス圧力に排気部13によって調整される。この状態から、例えば、13.56MHzの高周波電力が高周波電源18からカソード16に供給されると、例えば、固体電解質の構成元素であるリン酸リチウムの粒子がターゲットTから放出される。そして、放出された粒子が窒素のプラズマによって窒化されて、例えば、固体電解質である窒化リン酸リチウムの粒子が生成される。すなわち、固体電解質である窒化リン酸リチウムの含まれるプラズマが、真空槽11の内部に生成される。
なお、本実施形態では、上記真空槽11、ガス供給部12、排気部13、カソード16、高周波電源18によってプラズマ生成部が構成されている。
図2に示されるように、マスク15は、基板ステージ14に固定されるマスクホルダー19に対してねじ等によって固定されている。マスクホルダー19は、絶縁性のセラミック等からなる絶縁体である一方、マスク15の骨格を構成するマスク本体15Aは、アルミニウム等の金属からなる導電体である。
マスク15は、基板Sの上面である被成膜面に沿って広がる略矩形状をなし、マスク15の外周部には、マスク15を厚さ方向に貫通する複数のねじ留め孔SHが形成されている。マスク15の中央部には、これもまたマスク15を厚さ方向に貫通する複数の矩形孔であるマスク開口15Hが形成されている。複数のマスク開口15Hの各々は、上記被成膜面と対向する位置に形成されてマトリックス状に配置されている。
そして、マスク15のねじ留め孔SHを通してねじがマスクホルダー19に螺着されることによって、導電性を有するマスク15が絶縁性のマスクホルダー19に対して固定される。基板Sの被成膜面は、こうしたマスク15のマスク開口15Hを通してプラズマに曝され、プラズマ中で生成される窒化リン酸リチウムの粒子は、被成膜面の中でマスク開口15Hと対向する部分に堆積する。
図3に示されるように、マスク本体15Aの側面のうちターゲットTと対向する側面であるマスク表面AS1は、マスク15における最上面を構成する。一方で、マスク本体15Aの側面のうち被成膜面と対向する側面であるマスク裏面AS2は、絶縁膜15Bによって覆われている。絶縁膜15Bの形成材料は、固体電解質の構成元素を含むことが好ましく、固体電解質と同じ組成であることがより好ましい。そして、絶縁膜15Bの側面のうち被成膜面と接する側面である対向面BSが、マスク15における最下面、すなわち、基板Sの被成膜面と接する側面を構成する。
[薄膜二次電池の形成方法]
次に、上記誘電体膜の形成装置を用いた薄膜二次電池の製造方法、及び、誘電体膜の形成方法に関して以下に説明する。まず、薄膜二次電池の製造方法について説明する。なお、以下では、先の図7にて説明された薄膜二次電池と同様の構造を備える薄膜二次電池の製造方法、特に、その薄膜二次電池の製造方法に含まれる誘電体膜の形成方法について説明する。そこで、図7にて説明された薄膜二次電池と同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示されるように、薄膜二次電池の製造方法では、正極集電体層形成工程(ステップS1)、正極活物質層形成工程(ステップS2)、固体電解質膜形成工程(ステップS3)、負極集電体層形成工程(ステップS4)、負極活物質層形成工程(ステップS5)がこの順に実施される。これら各層の形成には、例えば、導電性のマスクを用いたスパッタ法が用いられる。
正極集電体層52Aには、それの電気抵抗率が正極活物質層52Bに比べて低くい金属膜が用いられ、特に、正極活物質層52Bとの密着性の高い金属膜であって、且つ、酸化性雰囲気でも安定な金属膜であることが好ましい。こうした正極集電体層52Aとしては、例えば、バナジウム膜、アルミニウム膜、ニッケル膜、銅膜、チタン膜、金膜、白金膜が挙げられる。正極活物質層52Bには、リチウムイオンの脱離と吸着とが可能な金属酸化物膜が用いられる。こうした正極集電体層52Aとしては、例えば、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムが挙げられる。
固体電解質膜54には、リチウム伝導性を有するリチウム酸系化合物が用いられ、こうした固体電解質膜54としては、例えば、窒化リン酸リチウム、窒化ホウ酸リチウム、硫化リン−硫化リチウム、硫化ケイ素−硫化リチウム、チタン酸リチウム、窒化リチウム、リン酸リチウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。なお、固体電解質膜54を形成するためのターゲットTは、リチウム伝導性を有し、それがスパッタされる雰囲気では、不活性ガス、反応性ガス、不活性ガスと反応性ガスとの混合ガスのいずれか1つが、ターゲットTの形成材料に合わせて適宜選択される。
負極活物質層53Bには、これもまたリチウムイオンの脱離と吸着とが可能な金属酸化物膜やカーボン膜、リチウム金属膜が用いられる。こうした負極活物質層53Bとしては、例えば、五酸化バナジウム、酸化インジウム、酸化錫、チタン酸リチウム、金属リチウムが挙げられる。負極集電体層53Aには、それの電気抵抗率が負極活物質層53Bに比べて低くい金属膜が用いられ、特に、負極活物質層53Bとの密着性の高い金属膜であって、且つ、負極活物質と反応しない膜が好ましい。こうした負極集電体層53Aとしては、例えば、バナジウム膜、アルミニウム膜、ニッケル膜、銅膜が挙げられる。
次に、上記固体電解質膜形成工程での誘電体膜の形成方法について詳細に説明する。
図5に示されるように、上記固体電解質膜形成工程では、基板Sの上に形成された正極52と、上記マスク15における絶縁膜15Bの対向面BSとが接触する状態で、基板Sの上にマスク15が配置される。こうしてマスク15が配置されることによって、正極52は、マスク開口15Hから露出する部分である露出部分52Eと、マスク15によって覆われる部分である遮蔽部分52Sとに区切られる。
図6に示されるように、固体電解質を含むプラズマ31が真空槽11の内部で生成されると、マスク15の最上面と正極52の露出部分52Eとは、プラズマ31を通じて電気的に接続される。一方で、マスク本体15Aの下面であるマスク裏面AS2と正極52の遮蔽部分52Sとは、絶縁膜15Bの対向面BSと遮蔽部分52Sとが接触することによって、電気的に絶縁される。
すなわち、マスク15における対向面BSのうち少なくとも遮蔽部分52Sに重ねられる部分が絶縁性を備える。それゆえに、露出部分52Eとマスク15とはプラズマ31を通じて電気的に接続される一方で、遮蔽部分52Sとマスク15とは対向面BSによって電気的に絶縁される。結果として、マスク開口15Hの内縁と正極52の露出部分52Eとの間の隙間51Sは開回路に接続されるため、こうした隙間51Sでデンドライト状のリチウムが析出することを抑えることが可能になる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)マスク開口15Hの内縁と露出部分52Eとの間の隙間51Sは、固体電解質膜の形成工程にて開回路に接続されるため、こうした隙間51Sでデンドライト状のリチウムが析出することを抑えることが可能になる。
(2)マスク裏面AS2を覆う絶縁膜15Bによって、マスク15の最下面の全体に絶縁性を有する対向面BSが形成される。それゆえに、マスク15における機械的な強度やマスク開口15Hの加工精度等のマスク15に求められる機能がマスク本体15Aによって維持されると共に、上記(1)に準じた効果を得ることが可能にもなる。
(3)マスク裏面AS2に形成される絶縁膜15Bが、固体電解質の構成元素を含むため、固体電解質膜54に対して絶縁膜15Bから不純物が混入することが抑えられる。
(4)特に、絶縁膜15Bを形成する材料が固体電解質と同じ組成であれば、固体電解質膜の形成工程にて、上述の不純物が絶縁膜15Bから放出されること自体が抑えられる。さらに、こうした絶縁膜15Bを誘電体膜の形成装置にて形成することが可能にもなる。
(5)固体電解質膜である窒化リン酸リチウム膜が形成される際に、上記(1)から(4)に準じた効果が得られる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・絶縁膜15Bは、固体電解質膜の組成とは異なる組成からなる構成であってもよい。こうした構成であっても、上記(1)から(3)に準じた効果を得ることは可能である。
・絶縁膜15Bは、固体電解質膜の構成元素とは異なる構成元素からなる構成であってもよい。こうした構成であっても、上記(1)、(2)に準じた効果を得ることは可能である。なお、絶縁膜15Bと固体電解質膜とが相互に異なる構成元素によって構成される場合には、相互に同じ構成元素からなる場合に比べて、絶縁膜15Bに対しそれの形成材料の選択範囲を広げることが可能でもある。
・絶縁膜15Bは、マスク裏面AS2の一部にのみ形成されてもよい。要するに、絶縁膜15Bは、マスク裏面AS2のうちで少なくとも遮蔽部分52Sと重なる部分に形成されればよい。
・マスク15では、絶縁膜15Bが省略されてもよく、要するに、マスク裏面AS2のうち遮蔽部分52Sと重なる部分が絶縁性を備える構成であればよい。例えば、マスク開口15Hが筒状をなす絶縁部材によって構成されて、こうした絶縁部材の嵌め込まれる貫通孔がマスク本体に形成される構成であってもよい。
・誘電体膜の形成装置によって形成される誘電体膜は、固体電解質膜に限らず、要するに、デンドライト状の析出が生じ得る誘電体膜であればよい。こうした誘電体としては、例えば、酸化ベリリウム、酸化ホウ素、窒化ホウ素、ホウ酸塩ガラス、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ケイ酸塩ガラス、酸化スカンジウム、酸化チタン、クロム酸バナジウム、酸化鉄、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステン等の無機酸化物が挙げられる。また、こうした誘電体としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機化合物が挙げられる。
S,51…基板、T…ターゲット、BS…対向面、SH…孔、AS1…マスク表面、AS2…マスク裏面、11…真空槽、12…ガス供給部、13…排気部、14…基板ステージ、15…マスク、15A…マスク本体、15B…絶縁膜、15H…マスク開口、16…カソード、17…バッキングプレート、18…高周波電源、19…マスクホルダー、31…プラズマ、51S…隙間、52A…正極集電体層、52B…正極活物質層、52E…露出部分、52S…遮蔽部分、53…負極、53A…負極集電体層、53B…負極活物質層、54…固体電解質膜、61…マスク、62…マスク開口。

Claims (6)

  1. 基板における被成膜面の一部に形成された電極に誘電体からなる薄膜が積層される工程にて、
    前記電極における外縁の一部を含む前記電極の一部、および、前記被成膜面のうち前記電極が形成されていない部分の一部、これらに共通する開口から露出する状態で、絶縁体であるマスクホルダーに固定された導電性のマスクが前記基板に重ねられる工程と、
    前記誘電体の含まれるプラズマに前記露出する部分が曝される工程と、を含み、
    前記マスクにて前記電極と向かい合う側面である対向面のうち、前記電極に重ねられる部分のみに絶縁性を備える
    誘電体膜の形成方法。
  2. 前記マスクは、金属製のマスク本体を備え、
    前記対向面は、前記マスク本体の一側面が絶縁膜で覆われてなり、
    前記絶縁膜は、前記誘電体の構成元素を含む
    請求項に記載の誘電体膜の形成方法。
  3. 記誘電体の含まれるプラズマでは、リチウム伝導性を有するターゲットが、不活性ガス、反応性ガス、不活性ガスと反応性ガスとの混合ガスのいずれか1つの雰囲気でスパッタされる
    請求項1又は2に記載の誘電体膜の形成方法。
  4. 基板における被成膜面の一部に電極が形成される第一の工程と、
    前記電極における外縁の一部を含む前記電極の一部、および、前記被成膜面のうち前記電極が形成されていない部分の一部にリチウムを含む固体電解質膜が積層される第二の工程と、を含み、
    前記第二の工程は、
    前記電極における外縁の一部を含む前記電極の一部、および、前記被成膜面のうち前記電極が形成されていない部分の一部、これらに共通する開口から露出する状態で、絶縁体であるマスクホルダーに固定された導電性のマスクが前記基板に重ねられる工程と、
    固体電解質の含まれるプラズマに前記露出する部分が曝される工程と、を含み、
    前記マスクにおいて前記電極の一部を露出させる前記開口は、筒状をなす絶縁部材によって構成される
    薄膜二次電池の製造方法。
  5. 誘電体の含まれるプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    被成膜面の一部に電極の形成された基板が載置される基板ステージと、
    前記電極における外縁の一部を含む前記電極の一部、および、前記被成膜面のうち前記電極が位置しない部分の一部、これらに共通する開口から露出する状態で前記基板に重ねられる導電性のマスクと、
    前記マスクが固定される絶縁体であるマスクホルダーと、を備え、
    前記マスクにて前記電極と向かい合う側面である対向面のうち、前記電極に重ねられる部分のみに絶縁性を備える
    誘電体膜の形成装置。
  6. リチウムを含む固体電解質が含まれるプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    被成膜面の一部に電極の形成された基板が載置される基板ステージと、
    前記電極における外縁の一部を含む前記電極の一部、および、前記被成膜面のうち前記電極が位置しない部分の一部が、これらに共通する開口から露出する状態で、前記基板に重ねられる導電性のマスクと、
    前記マスクが固定される絶縁体であるマスクホルダーと、を備え、
    前記マスクにおいて前記電極の一部を露出させる前記開口は、筒状をなす絶縁部材によって構成される
    薄膜二次電池の製造装置。
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