JP5978741B2 - 液体吐出装置、及び、液体加熱方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体加熱方法 Download PDF

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本発明は、液体吐出装置、及び、液体加熱方法に関する。
液体吐出装置の一例として、紙やフィルム等の各種媒体にインク等の液体を吐出して、画像の印刷を行うインクジェットプリンターが知られている。このインクジェットプリンターは、媒体に液体を吐出するヘッド部と、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部から前記ヘッド部へ液体を供給するための供給チューブと、前記供給チューブを流れる液体を加熱する加熱部と、を備えている(たとえば、特許文献1)。
特開2009−6569号公報
このような液体吐出装置では、供給チューブを流れる液体が加熱部によって温められた場合でも、当該液体が十分に温められる前にヘッドに到達する場合がある。かかる場合、ヘッドは適切な粘度の液体を吐出できなくなるため、吐出不良が発生するおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘッド部に到達する液体の温度を上昇させ、吐出不良の発生を抑えることにある。
上記課題を解決するための主たる発明は、
キャリッジと、
前記キャリッジに設けられ、媒体に液体を吐出するヘッド部と、
前記キャリッジの外部に配置され、液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体貯留部から前記ヘッド部へ液体を供給するための供給チューブと、
を備え、
前記キャリッジは、前記キャリッジの内部の温度を前記キャリッジの外部の温度よりも高温にさせるために熱を発生させる熱発生部を備え、
前記供給チューブの一部は、前記キャリッジの内部に収容され、該供給チューブの素材よりも高い熱伝導性を有する高熱伝導部材によって被覆されているとともに、
前記キャリッジは、
前記熱発生部が発生させた熱によって加熱された空気を前記キャリッジの内部で流動させる送風機と、
前記送風機により流動する前記空気を前記キャリッジの内部で循環させる流路を形成し、前記流路を流れた前記空気が接触することによって加熱される壁部材と、を備え、
前記高熱伝導部材は、加熱された前記壁部材に接触している
ことを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター1の構成を示す概略図である。 プリンター1の構成例を示すブロック図である。 比較例におけるキャリッジ42の概略図である。 本実施形態に係るキャリッジ42の概略図である。 本実施形態に係るキャリッジ42の構成例を説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、キャリッジと、
前記キャリッジに設けられ、媒体に液体を吐出するヘッド部と、
前記キャリッジの外部に配置され、液体を貯留する液体貯留部と、
前記液体貯留部から前記ヘッド部へ液体を供給するための供給チューブと、
を備え、
前記キャリッジは、前記キャリッジの内部の温度を前記キャリッジの外部の温度よりも高温にさせるために熱を発生させる熱発生部を備え、
前記供給チューブの一部は、前記キャリッジの内部に収容され、該供給チューブの素材よりも高い熱伝導性を有する高熱伝導部材によって被覆されていることを特徴とする液体吐出装置である。
このような液体吐出装置によれば、ヘッド部に到達する液体の温度を上昇させることができるため、吐出不良の発生を抑えることが可能となる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記キャリッジは、前記供給チューブの前記一部を前記キャリッジの内部に収容させるために通す開口部を有し、
前記供給チューブの前記一部は、前記開口部を通って前記キャリッジの内部に挿入され、複数の直線部及び曲線部を形成し、
前記高熱伝導部材は、複数の前記直線部及び前記曲線部のうち、前記開口部に最も近い直線部を被覆することとしてもよい。
このような液体吐出装置によれば、高熱伝導部材の破損の発生を抑えることができるとともに、キャリッジの外部から内部に入った液体を即座に加熱することにより、液体の温度を効率良く上昇させることができる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記キャリッジは、前記供給チューブの前記一部を前記キャリッジの内部に収容させるために通す開口部を有し、
前記高熱伝導部材は、前記供給チューブの前記一部のうち、前記開口部に最も近い部位を被覆することとしてもよい。
このような液体吐出装置によれば、キャリッジの外部から内部に入った液体を即座に加熱することで、液体の温度を効率良く上昇させることができる。
また、かかる液体吐出装置であって、
前記キャリッジは、
前記熱発生部が発生させた熱によって加熱された空気を前記キャリッジの内部で流動させる送風機と、
前記送風機により流動する前記空気を前記キャリッジの内部で循環させる流路を形成し、前記流路を流れた前記空気が接触することによって加熱される壁部材と、を備え、
前記高熱伝導部材は、加熱された前記壁部材に接触していることとしてもよい。
このような液体吐出装置によれば、熱風をキャリッジ内で循環させることによって壁部材の温度を効率的に上昇させることができるので、加熱された壁部材から高熱伝導部材に効率良く熱を伝えることが可能となる。
また、キャリッジと、前記キャリッジに設けられ、媒体に液体を吐出するヘッド部と、前記キャリッジの外部に配置され、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部から前記ヘッド部へ液体を供給するための供給チューブと、を備えた液体吐出装置であって、前記キャリッジは、前記キャリッジの内部の温度を前記キャリッジの外部の温度よりも高温にさせるために熱を発生させる熱発生部を備え、前記供給チューブの一部は、前記キャリッジの内部に収容され、該供給チューブの素材よりも高い熱伝導性を有する高熱伝導部材によって被覆されている液体吐出装置を用いて前記液体を加熱することを特徴とする液体加熱方法である。
このような液体加熱方法によれば、ヘッド部に到達する液体の温度を上昇させることができるため、吐出不良の発生を抑えることが可能となる。
===実施の形態===
<<<プリンター1の構成例について>>>
液体吐出装置の一例としてのプリンター1(本実施の形態においては、インクジェット式プリンター、特に、ラテラルスキャン型のラベル印刷機)の構成例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、プリンター1の構成を示す概略図である。図2は、プリンター1の構成例を示すブロック図である。
なお、以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「前後方向」をいう場合は、図1において紙面に直交する方向を示すものとする。
また、本実施の形態においては、プリンター1が画像を記録する媒体の一例として、ロール状に巻かれた用紙(以下、「ロール紙(連続紙)」という)を用いて説明する。
本実施の形態に係るプリンター1は、図1及び図2に示すように、搬送ユニット20、及び、該搬送ユニット20がロール紙2を搬送する搬送経路(図1において、当該搬送経路は、ロール紙巻軸18からロール紙巻き取り駆動軸92までの間の、ロール紙2が位置する部分により表されている)に沿って、給送ユニット10、プラテン29、巻き取りユニット90、を有し、さらに、搬送経路上の画像記録領域Rにおいて複数種類のインクを吐出して画像印刷を行うヘッドユニット30と、インク補給ユニット35と、キャリッジユニット40と、これらのユニット等を制御しプリンター1としての動作を司るコントローラー60と、検出器群50と、を有している。
給送ユニット10は、ロール紙2を搬送ユニット20に給送するものである。この給送ユニット10は、ロール紙2が巻かれ回転可能に支持されるロール紙巻軸18と、ロール紙巻軸18から繰り出されたロール紙2を巻き掛けて搬送ユニット20に導くための中継ローラー19と、を有している。
搬送ユニット20は、給送ユニット10により送られたロール紙2を、予め設定された搬送経路に沿って搬送するものである。この搬送ユニット20は、図1に示すように、中継ローラー19に対して水平右方に位置する中継ローラー21と、中継ローラー21から見て右斜め下方に位置する中継ローラー22と、中継ローラー22から見て右斜め上方(プラテン29から見て搬送方向上流側)に位置する第一搬送ローラー23と、第一搬送ローラー23から見て右方(プラテン29から見て搬送方向下流側)に位置する第二搬送ローラー24と、第二搬送ローラー24から見て鉛直下方に位置する反転ローラー25と、反転ローラー25から見て右方に位置する中継ローラー26と、中継ローラー26から見て上方に位置する送り出しローラー27と、を有している。
中継ローラー21は、中継ローラー19から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて下方に向かって弛ませるローラーである。
中継ローラー22は、中継ローラー21から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
第一搬送ローラー23は、不図示のモーターにより駆動される第一駆動ローラー23aと、該第一駆動ローラー23aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第一従動ローラー23bとを有している。この第一搬送ローラー23は、下方に弛ませたロール紙2を上方に引き上げ、プラテン29に対向する画像記録領域Rへ搬送するローラーである。第一搬送ローラー23は、画像記録領域R上のロール紙2の部位に対して画像印刷がなされている期間、一時的に搬送を停止させるようになっている。なお、コントローラー60の駆動制御により、第一駆動ローラー23aの回転駆動に伴って第一従動ローラー23bが回転することによって、プラテン29上に位置させるロール紙2の搬送量が調整される。
搬送ユニット20は、上述したとおり、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間に巻き掛けたロール紙2の部位を下方に弛ませて搬送する機構を有している。このロール紙2の弛みは、コントローラー60により、不図示の弛み検出用センサーからの検出信号に基づき監視される。具体的には、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間において弛ませたロール紙2の部位を、弛み検出用センサーが検出した場合には、該部位に適切な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20はロール紙2を弛ませた状態で搬送することが可能となる。一方、弛み検出用センサーが弛ませたロール紙2の部位を検出しない場合は、該部位に過剰な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20によるロール紙2の搬送が一時的に停止され、張力が適切な大きさに調整される。
第二搬送ローラー24は、不図示のモーターにより駆動される第二駆動ローラー24aと、該第二駆動ローラー24aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第二従動ローラー24bとを有している。この第二搬送ローラー24は、ヘッドユニット30により画像が記録された後のロール紙2の部位を、プラテン29の支持面に沿って水平右方向に搬送した後に鉛直下方に搬送するローラーである。これにより、ロール紙2の搬送方向が転換されることになる。なお、コントローラー60の駆動制御により、第二駆動ローラー24aの回転駆動に伴って第二従動ローラー24bが回転することによって、プラテン29上に位置するロール紙2の部位に対して付与される所定の張力が調整される。
反転ローラー25は、第二搬送ローラー24から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
中継ローラー26は、反転ローラー25から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて上方に向かって搬送するローラーである。
送り出しローラー27は、中継ローラー26から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて巻き取りユニット90に送り出すようになっている。
このように、ロール紙2が各ローラーを順次経由して移動することにより、ロール紙2を搬送するための搬送経路が形成されることになる。なお、ロール紙2は、搬送ユニット20により、画像記録領域Rと対応した領域単位で間欠的にその搬送経路に沿って搬送される。
ヘッドユニット30は、搬送経路上の画像記録領域Rに位置するロール紙2の部位に画像を記録するためのものである。すなわち、ヘッドユニット30は、搬送ユニット20により搬送経路上の画像記録領域Rに(プラテン29上に)送り込まれたロール紙2の部位に、インク吐出ノズルからインクを吐出して画像を形成する。本実施の形態において、このヘッドユニット30は、M個のヘッド31を有している。
各々のヘッド31は、その下面(すなわち、ノズル面)に、列方向にインク吐出ノズルが並んだインク吐出ノズル列を有している。本実施の形態においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)等の色毎にそれぞれ複数のインク吐出ノズル♯1〜♯Nからなるインク吐出ノズル列を有している。各インク吐出ノズル列の各インク吐出ノズル♯1〜♯Nは、ロール紙2の搬送方向に交差する交差方向(つまり、当該交差方向が前述した列方向である)に直線状に配列されている。各インク吐出ノズル列は、当該搬送方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。
各インク吐出ノズル♯1〜♯Nには、インク滴を吐出するための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって各色の各インク吐出ノズル♯1〜♯Nから吐出される。
そして、かかるヘッド31が、前記交差方向(前記列方向)においてM個並べられ、このことにより、ヘッドユニット30が形成されている。そのため、ヘッドユニット30は、色毎にM×N個のインク吐出ノズルを有している。
インク補給ユニット35は、ヘッド31によるインクの吐出に起因してヘッドユニット30内のインクの量が減った際に、ヘッドユニット30にインクを補給するためのものである。ヘッドユニット30(ヘッド31)は、インク補給ユニット35から供給されたインクを吐出することにより、画像印刷を行うことができる。また、このインク補給ユニット35は、インクの色毎に設けられている。
本実施形態のインク補給ユニット35は、液体貯留部の一例としてのインクタンク36と、インクタンク36から流出したインクをヘッドユニット30へ流すための供給チューブ37と、インクタンク36内のインクをヘッドユニット30へ供給するための供給ポンプと、を有している。
インクタンク36は、インクカートリッジ(不図示)からヘッドユニット30へ供給されるインクを一時的に貯留するものである。このインクタンク36は、インクの色毎に設けられている。
供給チューブ37は、インクタンク36とヘッドユニット30(ヘッド31)とを連通させるためのものである。この供給チューブ37は、塩化ビニル樹脂などの可撓性を有する素材を用いて形成されている。そのため、供給チューブ37をプリンター1内においてフレキシブルに配置することにより、インクの流路を自在に変化させることができる。また、供給チューブ37は、インクの色毎に設けられている。そして、インクの流路上には、不図示の供給ポンプが設けられている。
供給ポンプは、コントローラー60からの制御信号に応答して圧縮した空気を供給することより、インクタンク36内のインクを吸引してヘッドユニット30内へ送り出すものである。この供給ポンプは、インクの色毎に設けられている。
キャリッジユニット40は、ヘッドユニット30(ヘッド31)を移動させるためのものである。このキャリッジユニット40は、搬送方向(左右方向)に延びるキャリッジガイドレール41と(図1に二点鎖線で示す)、キャリッジガイドレール41に沿って搬送方向(左右方向)へ往復移動可能に支持されたキャリッジ42と、不図示のモーターとを有する。本実施形態におけるキャリッジ42は、4つのサブキャリッジを有しており、このサブキャリッジごとに複数のヘッド31が設けられている。そして、キャリッジ42は、不図示のモーターの駆動により、ヘッドユニット30(ヘッド31)と一体となって搬送方向(左右方向)へ移動するよう構成されている。また、キャリッジ42は、画像印刷後にヘッドユニット30(ヘッド31)のクリーニングを行う際、ヘッドユニット30(ヘッド31)と一体となってキャリッジガイドレール41に沿って搬送方向の上流側(プラテン29から見て搬送方向上流側)へ移動し、クリーニングを行うホームポジションHPで停止する(図1参照)。また、キャリッジ42の内部には後述する熱発生部(ヒーター)が設けられているため、キャリッジ42の内部の温度はキャリッジ42の外部の温度よりも高温になっている。本実施形態では、キャリッジ42の内部は40度に加熱されている。
なお、このキャリッジユニット40については、追って詳述する。
プラテン29は、搬送経路上の画像記録領域Rに位置するロール紙2の部位を支持するとともに、該部位を加熱するものである。このプラテン29は、図1に示すように、搬送経路上の画像記録領域Rに対応させて設けられ、かつ、第一搬送ローラー23と第二搬送ローラー24との間の搬送経路に沿った領域に配置されている。
巻き取りユニット90は、搬送ユニット20により送られたロール紙2(画像印刷済みのロール紙)を巻き取るためのものである。この巻き取りユニット90は、送り出しローラー27から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め下方へ搬送するための中継ローラー91と、回転可能に支持され中継ローラー91から送られたロール紙2を巻き取るロール紙巻き取り駆動軸92と、を有している。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。このコントローラー60は、図2に示すように、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、を有している。インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路64により各ユニットを制御する。
検出器群50は、プリンター1内の状況を監視するものであり、例えば、前述の弛み検出用センサー、搬送ローラーに取り付けられてロール紙2の搬送などの制御に利用されるロータリー式エンコーダー、搬送されるロール紙2の有無を検出する用紙検出センサー、キャリッジ42(又はヘッド31)の搬送方向(左右方向)の位置を検出するためのリニア式エンコーダー、ロール紙2の幅方向における紙端(エッジ)位置を検出する紙端位置検出センサーなどがある。
<<<キャリッジユニット40について>>>
<インクの温度変化について>
ここでは、キャリッジ42の内部において、供給チューブ37を流れるインクの温度変化について説明する。以下においては、比較例を説明した後に、本実施形態に係るキャリッジ42について説明する。
図3は、比較例におけるキャリッジ42の概略図である。比較例に係るキャリッジ42は、キャリッジ42に設けられたヘッド31に、キャリッジ42の外部に配置されたインクタンク36からヘッド31へインクを供給するための供給チューブ37が接続されている。
キャリッジ42は、キャリッジ42の内部の温度をキャリッジ42の外部の温度よりも高温にさせるために、熱を発生させる熱発生部(不図示)を備えている。そのため、キャリッジ42の内部は40℃に加熱されている。一方、キャリッジ42の外部の温度(室温)は25±2℃である。
供給チューブ37の一部はキャリッジ42の内部に収容されるため、供給チューブ37の当該一部を流れるインクは、熱発生部に加熱された空気の熱が供給チューブ37を介して伝達されることによって温められる。
ここで、供給チューブ37にインクを充填した状態で、キャリッジ42の内部の温度を計測すると、温度センサーS1によれば、ヘッド31付近のインク温度は40℃となる。ヘッド31に到達するインクの温度が40℃であれば、適切な粘度のインクがヘッド31から吐出されることになるため、吐出不良は生じない。一方で、温度センサーS2によれば、キャリッジ42の外部からキャリッジ42の内部に入った直後におけるインク温度は26℃〜27℃となる。つまり、キャリッジ42の内部に入った直後のインク温度は、ヘッド31付近のインク温度に比べて13℃〜14℃低温となる。すなわち、キャリッジ42の内部において、ヘッド31から最も離れた位置(インク流路において最も上流側の位置)とヘッド31の付近とでは、10℃以上も大きな温度差が生じることになる。そのため、ヘッド31のインク吐出に応じて供給チューブ37の当該一部をインクが流れ行き、やがてヘッド31に到達した場合に、ヘッドに到達したインクの温度が十分に上昇していないおそれがある。そして、ヘッド31に到達した際のインクの温度が十分に上昇していなければ、インクの粘度が低下せず、ヘッド31の吐出不良が発生する可能性が高くなる。
図4は、本実施形態に係るキャリッジ42の概略図である。本実施形態に係るキャリッジ42は、比較例に係るキャリッジ42とは異なり、供給チューブ37の当該一部に銅箔テープ37cを被覆している。銅箔テープ37cは、供給チューブ37の素材(例えば、塩化ビニル樹脂等)よりも高い熱伝導性を有しているため、供給チューブ37内のインクに熱を伝えやすくすることができる。
ここで、供給チューブ37にインクを充填した状態で、キャリッジ42の内部の温度を計測すると、温度センサーS1によれば、ヘッド31付近のインク温度は40℃となる。一方、温度センサーS2によれば、キャリッジ42の外部からキャリッジ42の内部に入った直後におけるインクの温度は36℃〜37℃となる。つまり、キャリッジ42の内部に入った直後のインク温度は、ヘッド31付近のインク温度に比べて3℃〜4℃低温となる。このように、ヘッド31から最も離れた位置とヘッド31の付近との温度差は、10℃以上の温度差が生じた比較例に比べると、極めて小さくなっている。このため、本実施形態では、供給チューブ37の当該一部を流れてヘッドに到達したときのインクの温度を十分に上昇させることが可能となり、ヘッド31は適切な粘度のインクを吐出することができるようになるため、吐出不良の発生を抑えることが可能となる。
以下では、本実施形態に係るキャリッジ42の具体的構成について詳述する。
<キャリッジ42の構成について>
キャリッジ42の構成について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るキャリッジ42の構成例を示す図である。
本実施の形態に係るキャリッジ42は、図5に示すように、ベース部材421と、カバー部材422と、熱発生部の一例としてのヒーター423と、送風機の一例としてのファン424と、壁部材425と、を有しており、ヘッドユニット30(ヘッド31)と一体となって移動するように構成されている。
カバー部材422は、箱状に形成されており、ベース部材421を覆うことによって複数のサブキャリッジ(不図示)、ヒーター423、ファン424等を収容する収容空間をキャリッジ42の内部に形成するものである。そして、このカバー部材422は、図5に示すように、供給チューブ37の一部をキャリッジ42の内部に収容させるために通す開口部422aを有している。
ヒーター423は、カバー部材422により覆われたキャリッジ42の内部の温度を、キャリッジ42の外部の温度よりも高温にさせるためのものである。本実施形態におけるヒーター423は、ニクロム線を有しているため、通電されることによってニクロム線自体が発熱し、キャリッジ42の内部の空気に熱を伝導させることができる。このようにして温められたキャリッジ42の内部に供給チューブ37の一部を収容させることによって、キャリッジ42の内部においてヒーター423が発生させた熱が供給チューブ37を介してインクに伝わることになる。その結果、供給チューブ37を流れるインクは、キャリッジ42の内部で加熱される。
ファン424は、不図示のモーターの駆動によって回転し、ヒーター423によって加熱された空気をキャリッジ42の内部で流動させるためのものである。本実施形態におけるファン424は、図5に示すように、壁部材425の上部に支持され、ヒーター423と対向するようになっている。そのため、ファン424は、ヒーター423によって加熱された空気(熱風)を流路Aに沿って循環させることにより、キャリッジ42の内部の温度をキャリッジ42の外部の温度よりも高温にすることができる。
壁部材425は、ベース部材421上に配設され、カバー部材442により覆われている。そのため、壁部材425は、キャリッジ42の内部において、壁部材425の内側に内側空間Bを形成するとともに、カバー部材422の内側かつ壁部材425の外側に外側空間Cを形成することができる。
内側空間Bには、複数のサブキャリッジ(不図示)等が収容される。このサブキャリッジにはヘッドユニット30(ヘッド31)が設けられている。そのため、キャリッジ42の外部にあるインクタンク36のインクをキャリッジ42の内部にあるヘッドユニット30(ヘッド31)に供給するために、供給チューブ37の一部がキャリッジ42の内部に収容される。本実施形態においては、サブキャリッジが内側空間Bの大部分を占めているため、空きスペースを利用して供給チューブ37の当該一部を配置する必要がある。そのため、供給チューブ37の当該一部は、カバー部材422の開口部422aを通ってキャリッジ42の内部に挿入されると、内側空間Bにおいて複数の直線部37a及び曲線部37bを形成することによってコンパクトに配置される。このようにして配置された供給チューブ37の当該一部には、複数の直線部37a及び曲線部37bのうち、開口部422aに最も近い直線部37a(開口部422aから見て供給チューブ37の最も上流側に位置する直線部37a)を被覆する銅箔テープ37c(高熱伝導部材)が設けられている。銅箔テープ37cは、供給チューブ37の素材(例えば、塩化ビニル樹脂等)よりも高い熱伝導性を有しているため、供給チューブ37を銅箔テープ37cで被覆することによって、キャリッジ42の内部でヒーター423が発生させた熱を供給チューブ37内のインクに伝えやすくすることができる。また、供給チューブ37の直線部37aに銅箔テープ37cを被覆する方が曲線部37bに被覆するよりも銅箔テープ37cが破損しにくい。そのため、供給チューブ37の直線部37aを被覆することによって、銅箔テープ37cの破損の発生を抑えることができる。また、開口部422aは、キャリッジ42の内部と外部の境目に位置するため、キャリッジ42の内部から外部へ熱が逃げやすく、開口部付近の温度が不安定になりやすい。そのため、開口部422aに最も近い供給チューブ37の部位を銅箔テープ37cで被覆することによって、開口部422aに位置するインクを積極的に温めてインク温度の低下を抑えることができる。そして、インクが開口部422aからキャリッジ42の内部に入った直後においても、銅箔テープ37cからインクへ直ちに熱が伝達されるため、即座に当該インクを高温に加熱することができ、当該インクが供給チューブ37を流れてヘッド31に到達するまでには十分に加熱することができる。
一方で、外側空間Cには、図5に示すように、ヒーター423が配設されている。ヒーター423は、ファン424が回転することによって内側空間Bから外側空間Cへ送られた空気に熱を伝導させることができる。そして、ヒーター423により加熱された空気は、ファン424の回転によって外側空間Cから内側空間Bへ送られる。この際、加熱された空気は壁部材425に接触しながら流路Aに沿って流動するため、加熱された空気の熱が壁部材425に伝達される。これにより、壁部材425はキャリッジ42の内部において加熱されることになる。なお、キャリッジ42の内部において、加熱された空気と壁部材425が接触する接触面積は、加熱された空気と供給チューブ37が接触する接触面積よりも大きいため、供給チューブ37を加熱するよりも壁部材425を効率的に加熱することができる。ここで、供給チューブ37の当該一部は、図5に示すように、キャリッジ42の内部において銅箔テープ37cが壁部材425に接するように配設されている。また、壁部材425は、銅やアルミニウム等の熱伝導性の高い材料で形成されている。そのため、高い熱伝導性を有する銅箔テープ37cは、加熱された空気の熱のみならず、加熱された壁部材425の熱も伝達されることになるため、供給チューブ37を流れるインクを効率良く温めることができる。特に、壁部材425に銅を用いた場合、より詳しくは、壁部材425が銅箔テープ37cに接触する部位に銅を用いた場合、供給チューブ37に巻かれた銅箔テープ37cと壁部材425の熱伝導性を合わせることができるので、供給チューブ37に巻かれた銅箔テープ37cと壁部材425を形成する材料の熱伝導性が異なる場合に比べて、供給チューブ37内のインクをより高速に効率良く温めることができる。
流路Aは、キャリッジ42の内部において熱風が移動する移動経路であって、外側空間Cの空気が壁部材425の両側面に設けられた孔部425aを通過して内側空間Bに流入する第一流路と、内側空間Bの空気がファン424を通過して外側空間Cに流入する第二流路とを有している。本実施形態の第一流路は、壁部材425を台形状に形成することにより、熱風が外側空間Cから内側空間Bへ進行するに連れて流路の幅を狭くしている。具体的には、図5に示すように、壁部材425の両側面に段差部425bを設けることにより、熱風が外側空間Cにおいて鉛直方向上側から下側へ進行するに連れて流路の幅が狭くなるようにしている。このようにすることで、ヒーター423により外側空間Cで加熱された空気(熱風)がファン424の回転により内側空間Bの方向へ送られると、熱風が外側空間Cから内側空間Bへ向うに連れて熱風の流速が上がりやすくなり、この熱風が勢いよく内側空間Bに流入するようになるため、内側空間Bの温度を即座に上昇させることができる。
以上のとおり、キャリッジ42の外部よりも高温に加熱されたキャリッジ42の内部に供給チューブ37の一部を収容させることによって、キャリッジ42の内部においてヒーター423が発生させた熱がインクに伝わることになるため、供給チューブ37を流れるインクを加熱することができる。そして、供給チューブ37の当該一部は、高い熱伝導性を有する銅箔テープ37cにより被覆されるため、銅箔テープ37cからインクへ効率良く熱が伝達され、即座にインクを高温に加熱することができる。その結果、供給チューブ37を流れてヘッドユニット30(ヘッド31)に到達するまでには、当該インクの温度を十分に上昇させることができるようになる。
<プリンター1のインク加熱動作について>
次に、キャリッジ42の内部において供給チューブ37の一部を流れるインクを加熱するための動作例について説明する。
なお、プリンター1の各種動作は、主としてコントローラー60により実現される。特に、本実施の形態においては、メモリー63に格納されたプログラムをCPU62が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行うためのコードから構成されている。
まず、コントローラー60は、キャリッジ42の内部において熱を発生させる処理を行う。すなわち、コントローラー60は、ヒーター423が有するニクロム線に通電させることによってニクロム線自体を発熱させる。このようにヒーター423が熱を発生すると、ヒーター423は外側空間Cに位置するため、外側空間Cに存在する空気にヒーターの熱が伝導されることになる。なお、本実施形態では、コントローラー60は、キャリッジ内部の温度を40℃に維持するようにヒーター423の発熱量を制御する。
次いで、コントローラー60は、ヒーター423により加熱された空気をキャリッジ42の内部において対流させる処理を行う。すなわち、コントローラー60は、不図示のファンモーターを駆動させることにより、ファン424を回転させる。ファン424が回転すると、内側空間Bに存在する空気が吸引されて外側空間Cに流入すると共に、外側空間Cに存在する空気が流路Aに沿って流れて行き、壁部材425の孔部425aを通過して内側空間Bに流入する。これにより、ヒーター423によって加熱された空気が、キャリッジ42の内部において循環するようになる。
この際、ヒーター423によって加熱された空気は、壁部材425に接触しながら流路Aに沿って移動するため、加熱された空気の熱が壁部材425に伝達されることにより、壁部材425は加熱される。そして、図5に示すように、キャリッジ42の内部に収容された供給チューブ37の一部を被覆する銅箔テープ37cは、加熱された壁部材425に接しているため、加熱された壁部材425の熱が銅箔テープ37cに直ちに伝達されることになる。
このようにして、内側空間B及び外側空間を均一に加熱することにより、キャリッジ42の内部の温度をキャリッジ42の外部の温度よりも高温にすることができる。そして、キャリッジ42の外部よりも高温に加熱されたキャリッジ42の内部に供給チューブ37の一部を収容させることによって、キャリッジ42の内部においてヒーター423が発生させた熱がインクに伝わることになるため、供給チューブ37を流れるインクを加熱することができる。特に、供給チューブ37の当該一部のうち、銅箔テープ37cが被覆されている部位は、ヒーター423が発生させた熱がインクにより多く速やかに伝わるようになるため、供給チューブ37の当該部位を流れるインクを効率良く高温に加熱することができる。
次いで、コントローラー60は、ヘッド31に対して制御信号を出力する。このとき、駆動信号がピエゾ素子(不図示)に印加されることにより、ノズルからインクが吐出される。これにより、ヘッド31のノズルから断続的にインクがされ、ロール紙2にドットが形成される。
この際、コントローラー60は、ヘッド31によるインクの吐出に起因してヘッドユニット30内のインクの量が減った場合に、インク補給ユニット35にインクを補給させる処理を行う。すなわち、コントローラー60は、不図示の供給ポンプを作動させることにより、インクタンク36内のインクを供給チューブ37に流出させてヘッド31に補充する。
このようなインク補給が行われると、キャリッジ42の外部に位置するインクタンク36から流出した常温(約25℃)のインクは、供給チューブ37を流れて行き、やがてカバー部材422の開口部422aからキャリッジ42の内部に流入する。そして、供給チューブ37を被覆する銅箔テープ37cは、図5に示すように、キャリッジ42の内部において開口部422aに最も近い直線部37aに設けられているため、当該常温のインクは、開口部422aからキャリッジ42の内部に入った直後において、銅箔テープ37cから効率良く熱が伝達される。これにより、即座に当該常温のインクを高温に加熱することができる。その結果、当該常温のインクは、開口部付近にて銅箔テープ37cによって高温に加熱されたことにより、供給チューブ37を流れてヘッド31に到達するまでには、十分に加熱されることになる。したがって、インクの粘度を適切な粘度にすることができ、ヘッド31における吐出不良の発生を抑えることが可能となる。
<<<本実施の形態に係るプリンター1の有効性について>>>
上述したとおり、本実施形態に係るプリンター1は、キャリッジ42と、キャリッジ42に設けられ、ロール紙2にインクを吐出するヘッドユニット30と、キャリッジ42の外部に配置され、インクを貯留するインクタンク36と、インクタンク36からヘッドユニット30へインクを供給するための供給チューブ37と、を備え、前記キャリッジ42は、キャリッジ42の内部の温度をキャリッジ42の外部の温度よりも高温にさせるために熱を発生させるヒーター423を備え、供給チューブ37の一部は、キャリッジ42の内部に収容され、該供給チューブ37の素材よりも高い熱伝導性を有する銅箔テープ37cによって被覆されている。そして、このことにより、銅箔テープ37cからインクへ効率良く熱が伝達されることによって、当該インクは高温に加熱される。その結果、ヘッド31に到達するインクの温度を上昇させることができるため、ヘッド31は適切な粘度のインクを吐出することができるようになり、ひいては、ヘッド31における吐出不良の発生を抑えることが可能となる。
また、キャリッジ42は、供給チューブ37の当該一部をキャリッジ42の内部に収容させるために通す開口部422aを有し、供給チューブ37の当該一部は、開口部422aを通ってキャリッジ42の内部に挿入され、複数の直線部37a及び曲線部37bを形成し、銅箔テープ37cは、複数の直線部37a及び曲線部37bのうち、開口部422aに最も近い直線部37aを被覆することとしてもよい。このため、銅箔テープ37cの破損を抑えることができるとともに、キャリッジ42の外部から内部に入った直後においてインクを即座に高温に加熱することができる。その結果、ヘッド31における吐出不良の発生をより効果的に抑えることが可能となる。
また、キャリッジ42は、供給チューブ37の当該一部をキャリッジ42の内部に収容させるために通す開口部422aを有し、銅箔テープ37cは、供給チューブ37の当該一部のうち、開口部422aに最も近い部位を被覆することとしてもよい。このため、キャリッジ42の外部から内部に入った直後においてインクを即座に高温に加熱することができる。その結果、ヘッド31における吐出不良の発生をより効果的に抑えることが可能となる。
また、キャリッジ42は、ヒーター423が発生させた熱によって加熱された空気をキャリッジ42の内部で流動させるファン424と、ファン424の回転により流動する空気をキャリッジ42の内部で循環させる流路Aを形成し、流路Aを流れた前記空気が接触することによって加熱される壁部材425と、を備え、銅箔テープ37cは、加熱された壁部材425に接触していることとしてもよい。加熱された空気と壁部材425が接触する接触面積は、加熱された空気と供給チューブ37が接触する接触面積よりも大きいため、供給チューブ37を加熱するよりも壁部材425を効率的に加熱することができる。そして、銅箔テープ37cは、加熱された空気の熱が伝達されると共に、加熱された壁部材425の熱も伝達されるようになるため、供給チューブ37を流れるインクを効率良く温めることができる。
===その他の実施の形態===
本実施形態は、主として液体吐出装置について記載されているが、液体加熱方法等の開示も含まれる。また、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<液体吐出装置>
上記の実施形態においては、液体吐出装置としてインクジェット式プリンターを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、インク以外の他の液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体吐出装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体吐出装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体吐出装置が吐出させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する液体吐出装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体吐出装置に本発明を適用することができる。
<高熱伝導部材>
上記の実施形態においては、高熱伝導部材の一例として銅箔テープ37cを挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、アルミ箔テープなど、他の金属テープであってもよい。また、金属テープに限られるものではなく、供給チューブ37の素材(例えば、塩化ビニル樹脂等)よりも高い熱伝導性を有するものであればよい。
また、上記の実施形態においては、キャリッジ42の内部に収容される供給チューブ37の当該一部のうち、開口部422aに最も近い直線部37aを銅箔テープ37cで被覆する場合として、開口部422aに近接する直線部37aを銅箔テープ37cで被覆する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、キャリッジ42内の狭いスペースに供給チューブ37を引き回す必要があるため、開口部422aに直線部37aを近接できないような場合もある。このような場合には、供給チューブの曲線部37bが開口部422aに近接することになるため、その曲線部37bの次に位置する直線部37aを銅箔テープ37cで被覆するようにしてもよい。
また、上記の実施形態においては、キャリッジ42の内部に収容される供給チューブ37の当該一部において、複数の直線部37a及び曲線部37bのうち、開口部422aに最も近い直線部37aを銅箔テープ37cで被覆する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、開口部422aに最も近い直線部37aに加えて、他の直線部37aを銅箔テープ37cで被覆するようにしてもよい。すなわち、複数の直線部37aを銅箔テープ37cで被覆するようにしてもよい。また、曲線部37bを除く全ての直線部37aを銅箔テープ37cで被覆するようにしてもよい。
<液体貯留部>
上記の実施形態においては、液体貯留部の一例としてインクタンク36を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、インクカートリッジ(不図示)であってもよい。かかる場合には、インクカートリッジ内のインクは、供給チューブ37を流れてヘッドユニット30に直接供給される。
ここで、液体貯留部の一例としてのインクカートリッジをキャリッジ42の内部に配設することにより、ヘッドユニット30(ヘッド31)に到達するインクの温度を十分に上昇させることも考えられる。しかし、インクカートリッジを交換する際、キャリッジ42内部の熱が多く奪われて温度の低下を招くおそれがある。したがって、上記の実施形態において説明したように、インクカートリッジ(液体貯留部)をキャリッジ42の外部に配設することで、キャリッジ42内部の温度低下を抑えることができる。また、インクカートリッジ(液体貯留部)をキャリッジ42の外部に配設した場合でも、ヘッド31のインク吐出に応じてキャリッジ42内部に流入するインクの量は少量であるため、その少量のインクは、銅箔テープ37cが被覆された供給チューブを流れることにより、高速に加熱される。したがって、ヘッドユニット30(ヘッド31)に到達するインクの温度を十分に上昇させることができる。
1 液体吐出装置、 2 ロール紙、
10 給送ユニット、 18 ロール紙巻軸、
19 中継ローラー、 20 搬送ユニット、
21 中継ローラー、 22 中継ローラー、
23 第一搬送ローラー、 24 第二搬送ローラー、
25 反転ローラー、 26 中継ローラー、
27 送り出しローラー、 29 プラテン、
30 ヘッドユニット、 31 ヘッド、
35 インク補給ユニット、 36 インクタンク、
37 供給チューブ、 37a 直線部、
37b 曲線部、 37c 銅箔テープ、
40 キャリッジユニット、 41 ガイドレール、
42 キャリッジ、 50 検出器群、
60 コントローラー、 90 巻き取りユニット、
91 中継ローラー、 92 ロール紙巻き取り駆動軸、
421 ベース部材、 422 カバー部材、
422a 開口部、 423 ヒーター、
424 ファン、 425 壁部材、
425a 孔部、 425b 段差部、
A 流路、 B 内側空間、C 外側空間

Claims (4)

  1. キャリッジと、
    前記キャリッジに設けられ、媒体に液体を吐出するヘッド部と、
    前記キャリッジの外部に配置され、液体を貯留する液体貯留部と、
    前記液体貯留部から前記ヘッド部へ液体を供給するための供給チューブと、
    を備え、
    前記キャリッジは、前記キャリッジの内部の温度を前記キャリッジの外部の温度よりも高温にさせるために熱を発生させる熱発生部を備え、
    前記供給チューブの一部は、前記キャリッジの内部に収容され、該供給チューブの素材よりも高い熱伝導性を有する高熱伝導部材によって被覆されているとともに、
    前記キャリッジは、
    前記熱発生部が発生させた熱によって加熱された空気を前記キャリッジの内部で流動させる送風機と、
    前記送風機により流動する前記空気を前記キャリッジの内部で循環させる流路を形成し、前記流路を流れた前記空気が接触することによって加熱される壁部材と、を備え、
    前記高熱伝導部材は、加熱された前記壁部材に接触している
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記キャリッジは、前記供給チューブの前記一部を前記キャリッジの内部に収容させるために通す開口部を有し、
    前記供給チューブの前記一部は、前記開口部を通って前記キャリッジの内部に挿入され、複数の直線部及び曲線部を形成し、
    前記高熱伝導部材は、複数の前記直線部及び前記曲線部のうち、前記開口部に最も近い直線部を被覆することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記キャリッジは、前記供給チューブの前記一部を前記キャリッジの内部に収容させるために通す開口部を有し、
    前記高熱伝導部材は、前記供給チューブの前記一部のうち、前記開口部に最も近い部位を被覆することを特徴とする液体吐出装置。
  4. キャリッジと、前記キャリッジに設けられ、媒体に液体を吐出するヘッド部と、前記キャリッジの外部に配置され、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部から前記ヘッド部へ液体を供給するための供給チューブと、を備えた液体吐出装置であって、前記キャリッジは、前記キャリッジの内部の温度を前記キャリッジの外部の温度よりも高温にさせるために熱を発生させる熱発生部を備え、前記供給チューブの一部は、前記キャリッジの内部に収容され、該供給チューブの素材よりも高い熱伝導性を有する高熱伝導部材によって被覆されているとともに、前記キャリッジは、前記熱発生部が発生させた熱によって加熱された空気を前記キャリッジの内部で流動させる送風機と、前記送風機により流動する前記空気を前記キャリッジの内部で循環させる流路を形成し、前記流路を流れた前記空気が接触することによって加熱される壁部材と、を備え、前記高熱伝導部材は、加熱された前記壁部材に接触している液体吐出装置を用いて前記液体を加熱することを特徴とする液体加熱方法。
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