JP5978725B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
これまで、半導体チップと基板を接続するには金ワイヤなどの金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する高機能・高集積・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板間で直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
フリップチップ接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法が一般的である。
例えば、基板と半導体チップ間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式である。
CPU、MPU等に用いられるエリアアレイ型の半導体パッケージでは、高機能化が強く要求されており、具体的な要求としてチップの大型化、ピン(バンプ、配線)数の増加、ピッチやギャップの高密度化が挙げられている。
また、FC接続方式は、半導体チップ上にバンプまたは配線を形成して、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型接続方式にも広く用いられている(例えば、下記特許文献1を参照)。
さらなる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージやPOP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。
平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、上記の技術は多用され、半導体の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
フリップチップ接続方式で製造された半導体装置では、半導体チップと基板との熱膨張係数差や半導体チップ同士の熱膨張係数差に由来する熱応力が接続部(例えば、バンプや配線)に集中して接続不良を起こさないようにするために、半導体チップ及び基板間等の空隙を半導体封止用接着剤などの半導体封止材料で封止する必要がある。
上述した半導体封止材料による封止方式には大きく分けて、Capillary−Flow方式とPre−applied方式(以下、先供給方式という場合もある。)とが挙げられる(例えば、特許文献2〜5参照)。Capillary−Flow方式とは、半導体チップ及び基板等の接続後に、半導体チップ及び基板間等の空隙に液状の半導体封止材料を毛細管現象によって注入する方式である。Pre−applied方式とは、半導体チップ及び基板等の接続前に、半導体チップ又は基板にペースト状やフィルム状の半導体封止材料を供給した後、半導体チップと基板とを接続する方式である。これらの封止方式について、近年の半導体装置の小型化の進展に伴って、半導体チップ及び基板間等の空隙が狭くなっており、Capillary−Flow方式では注入に長時間必要で生産性が低下する場合や、注入できない場合、また、注入できても未充填部分が存在しボイドの原因となる場合がある。そのため、作業性・生産性・信頼性の観点からPre−applied方式が高機能・高集積・高速化可能なパッケージの作製方法として主流となっている。また、作業性・生産性の向上を図るためにフィルム状半導体封止用接着剤の使用も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2008−294382号公報 特開2001−223227号公報 特開2002−283098号公報 特開2005−272547号公報 特開2006−169407号公報 特開2008−255084号公報
しかし、最近では半導体パッケージにおけるバンプの狭ピッチ化、狭ギャップ化及び多ピン化、並びにチップの大型化が一層進んでおり、従来のフィルム状半導体封止用接着剤では凹凸部分の埋め込み不足(充填不足)ボイドや圧着時に空気等の気体を巻き込んで生じる巻込みボイドが増加しやすくなっている。先供給方式であっても、チップを搭載する際にボイドが発生すると、接続部を形成するための加熱、具体的には金属の融点以上(はんだであれば240℃以上)の加熱が行われる接続工程によってボイドが増大してしまう。
このようなボイドは外観評価の低下だけでなく、半導体封止用接着剤の強度低下等、材料の信頼性に大きな影響を与え、半導体パッケージの信頼性を低下させる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ボイドの発生を十分抑制することができ、接続信頼性に優れた半導体装置を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、半導体チップと基板又は他の半導体チップとのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続されているともに接続部が樹脂によって封止されている構造を有する半導体装置の製造方法であって、それぞれの接続部同士が対向するように配置された半導体チップと基板又は他の半導体チップとの間に、エポキシ樹脂と、硬化剤と、を含有し、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するフィルム状半導体封止用接着剤を介在させ、当該フィルム状半導体封止用接着剤にかかる温度が反応温度開始温度以下で且つ接着剤の溶融粘度が50Pa・s以下となるように加熱を行う第1工程を有する第1の半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の第1の半導体装置の製造方法によれば、上記特定のフィルム状半導体封止用接着剤を用いて上記特定の加熱条件で半導体チップの搭載を行うことにより、接続部の劣化を避けつつ埋めこみ不足ボイドや巻込みボイドを十分抑制することが可能となり、その後に接続部の金属接合を形成するための加熱プロセスなどを更に行ってもボイドの発生を十分防止することができ、接続信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
また、本発明の方法においては、半導体チップ搭載時や半導体封止用接着剤のラミネート時に微量に巻込みボイドがあったとしても、接続時等に十分に低い溶融粘度が発現されてボイドを排除することができ、実装後のボイドを十分低減することもできる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、上記フィルム状半導体封止用接着剤がフラックス剤を更に含有することが好ましい。
ところで、半導体パッケージの多くの接続部(バンプや配線)に用いられる主な金属としては、ハンダ、錫、金、銀、銅、ニッケル等があり、これらを含んだ導電材料も接続部(バンプや配線)に用いられる。このうち、特に銅、ニッケル、スズ及び鉛は酸化物を生じやすい。
フラックス剤を含有したフィルム状半導体封止用接着剤を用いれば、加熱プロセスで酸化物や不純物を除去できるため、作業性や生産性を損なうことなく接続部の接続性や信頼性の低下を防止できる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、上記接続部が金属を含み、上記第1工程の後に、接続部を金属の融点以上の温度で加熱して金属接合を形成する第2工程を更に有することができる。
また、フリップチップ接続方式で比較的生じやすい封止材の硬化不足によって発生するスプリングバックボイドを抑制する観点から、上記フィルム状半導体封止用接着剤は、上記第2工程後に硬化反応率が80%以上となるものであることが好ましい。
本発明はまた、半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続されているともに接続部が樹脂によって封止されている構造を有する半導体装置の製造方法であって、それぞれの接続部同士が対向するように配置された半導体チップと基板又は他の半導体チップとの間に、エポキシ樹脂と、硬化剤と、フラックス剤と、を含有し、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在する半導体封止用接着剤を介在させ、当該半導体封止用接着剤にかかる温度が反応温度開始温度以下で且つ接着剤の溶融粘度が50Pa・s以下となるように加熱を行う第1工程を備える第2の半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の第2の半導体装置の製造方法によれば、上記特定の半導体封止用接着剤を用いて上記特定の加熱条件で半導体チップの搭載を行うことにより、(1)半導体チップ又は基板にアンダーフィルとして供給される際の埋め込み不足ボイドを抑制すること、(2)接続部における酸化物や不純物を除去すること、及び(3)アンダーフィルの硬化反応率を高めてスプリングバックによるボイドの発生や接続不良を防止すること、のすべてを容易に満たすことが可能となる。
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、上記接続部が金属を含み、上記第1工程の後に、接続部を金属の融点以上の温度で加熱して金属接合を形成する第2工程を更に備えることができる。
また、フリップチップ接続方式で比較的生じやすい封止材の硬化不足によって発生するスプリングバックボイドを抑制する観点から、上記フィルム状半導体封止用接着剤は、上記第2工程後に硬化反応率が80%以上となるものであることが好ましい。
本発明によれば、ボイドの発生を十分抑制することができ、接続信頼性に優れた半導体装置を得ることが可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体チップと基板又は他の半導体チップとのそれぞれの接続部が互いに電気的に接続されているともに接続部が樹脂によって封止されている構造を有する半導体装置の製造方法であって、それぞれの接続部同士が対向するように配置された半導体チップと基板又は他の半導体チップとの間に、エポキシ樹脂と硬化剤とを含有し、反応開始温度以下の低い温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するフィルム状半導体封止用接着剤を介在させ、当該フィルム状半導体封止用接着剤にかかる温度が反応温度開始温度以下で且つ接着剤の溶融粘度が50Pa・s以下となるように加熱を行う第1工程を有する。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、上記接続部が金属を含み、第1工程の後に接続部を金属の融点以上の温度で加熱して金属接合を形成する第2工程を更に有することができる。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、上記フィルム状半導体封止用接着剤に代えて、エポキシ樹脂と硬化剤とフラックス剤とを含有し、反応開始温度よりも低い温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するペースト状の半導体封止用接着剤を用いることができる。
まず、本実施形態に係る半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の例について、図1及び2を用いて以下説明する。図1は、COBの一例であり、半導体チップと基板間で接続が行われた半導体装置の断面構造を示し、図2は、COCの一例であり、半導体チップ間で接続が行われた半導体装置の断面構造を示している。
図1(a)に示される半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(回路配線基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された半導体封止用接着剤40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、半導体封止用接着剤40により封止されており外部環境から遮断されている。
図1(b)に示される半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び基板20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された半導体封止用接着剤40とを有している。半導体チップ10及び基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、半導体封止用接着剤40により封止されており外部環境から遮断されている。
また、図2(a)に示される半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図2(b)に示すように、半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
図1(a)及び(b)並びに図2(a)及び(b)に示すように、接続部はバンプと配線による金属接合、又は、バンプとバンプによる金属接合のどちらでもよい。
半導体チップ10としては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体を用いることができる。
基板20としては、回路基板であれば特に制限はなく、主な成分として、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に、金属膜の不要な個所をエッチング除去して形成された配線(配線パターン)15を有する回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線15が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線15が形成された回路基板を用いることができる。
配線15やバンプ32等の接続部の材質としては、主成分として金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、ニッケル、スズ、鉛等が用いられる。接続部は、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。接続部の材質として、銅、ハンダは安価であることから一般的に使用されており好ましい。しかし、フラックス活性が必須となる。
上記配線15及びバンプ32の表面には、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等を主な成分とする金属層が例えばメッキにより形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、上記金属層は、単層又は複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。金属層の材質として、銅、ハンダは安価であることから一般的に使用されており好ましい。しかし、銅、ハンダを用いた場合、フラックス活性が必須となる。
また、本実施形態の半導体装置は、半導体装置100,200,300,400に示すような構造(パッケージ)が複数積層されていてもよい。この場合、半導体装置100,200,300,400は、金、銀、銅、ハンダ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を含むバンプや配線で互いに電気的に接続されていてもよい。半導体装置100,200,300,400を接続するバンプや配線の材質として、銅、ハンダは安価であることから一般的に使用されており好ましい。しかし、銅、ハンダを用いた場合、フラックス活性が必須となる。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の他の例としては、図3に示すように、例えばTSV(Through−Silicon Via)技術を用いて作製される半導体装置が挙げられる。
図3に示す半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には半導体封止用接着剤40が隙間なく充填されている。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び半導体封止用接着剤40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することが可能となる。さらには、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間や半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間や、半導体チップ10及びインターポーザ50間の半導体封止用接着剤として適用することができる。
また、エリヤバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態の半導体装置の製造方法は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態で用いられるフィルム状半導体封止用接着剤は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。また、上述した半導体装置100,200,300,400,500は、フィルム状半導体封止用接着剤に代えてペースト状の半導体封止用接着剤が用いられていてもよい。
ところで、CPU、MPU、GPU等は実装チップの大型化や狭ピッチ化、狭ギャップ化と相まって多ピン化が進んでいる。この場合においても、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、埋め込み不足や巻込みボイドが多発することを十分防止することができる。
具体的には、以下のチップサイズ、ピッチ及びピン数に関する条件のうちの1以上を満たす半導体チップを備える半導体装置の製造においてもボイドの発生を十分防止することができる。
チップサイズ:30mm×30mm以下
ピッチ:50μm以下
ピン数:10000ピン以上
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法で用いられるフィルム状半導体封止用接着剤及びペースト状半導体封止用接着剤について説明する。
本実施形態に係るフィルム状半導体封止用接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤とを含有し、反応開始温度よりも低い温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するものである。
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、各種多官能エポキシ樹脂などを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
硬化剤としては、例えば、以下の(i)〜(v)の硬化剤が挙げられる。
(i)フェノール樹脂
フェノール樹脂としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール、各種多官能フェノール樹脂などを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
フェノール樹脂とエポキシ樹脂との当量比[フェノール樹脂]/[エポキシ樹脂]は、硬化性や接着性、保存安定性などの観点から0.3〜1.5に設定することが望ましい。より好ましくは0.4〜1.0であり、さらに好ましくは0.5〜1.0である。当量比が0.3より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する傾向にあり、1.5を超えると、未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存し、吸水率が高くなり、絶縁信頼性が低下する傾向にある。
フィルム状半導体封止用接着剤が硬化剤としてフェノール樹脂を含む場合、フェノール性水酸基が酸化膜を除去するフラックス活性を示し、接続性、信頼性を向上させることができる。
(ii)酸無水物
酸無水物としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
酸無水物とエポキシ樹脂との当量比[酸無水物]/[エポキシ樹脂]は、硬化性や接着性、保存安定性などの観点から0.3〜1.5に設定することが望ましい。より好ましくは0.4〜1.0であり、さらに好ましくは0.5〜1.0である。当量比が0.3より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する傾向にあり、1.5を超えると、未反応の酸無水物が過剰に残存し、吸水率が高くなり、絶縁信頼性が低下する傾向にある。
フィルム状半導体封止用接着剤が硬化剤として酸無水物を含む場合、酸無水物が酸化膜を除去するフラックス活性を示し、接続性、信頼性を向上させることができる。
(iii)アミン化合物
アミン化合物としては、例えば、アンモニアの水素原子を炭化水素基で1つ以上置換した化合物を用いることができ、ジシアンジアミド等を使用することができる。
アミン化合物とエポキシ樹脂との当量比[アミン化合物]/[エポキシ樹脂]は、硬化性や接着性、保存安定性などの観点から0.3〜1.5に設定することが望ましい。より好ましくは0.4〜1.0であり、さらに好ましくは0.5〜1.0である。当量比が0.3より小さいと、硬化性が低下し、接着力が低下する傾向にあり、1.5を超えると、未反応のアミンが過剰に残存し、絶縁信頼性が低下する傾向にある。
フィルム状半導体封止用接着剤が硬化剤としてアミン化合物を含む場合、アミン化合物が酸化膜を除去するフラックス活性を示し、接続性、信頼性を向上させることができる。
(iv)イミダゾール類
イミダゾール類としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体などが挙げられる。これらの中でも、硬化性や保存安定性、接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。更に、前述したイミダゾール類の類似構造(例えば、置換基が異なるもの等)で液状のものを用いてもよい。
上記のイミダゾール類は単独で又は2種以上を併用してもよい。また、これらをマイクロカプセル化して潜在性を高めたものを用いてもよい。
イミダゾール類の配合量としては、エポキシ樹脂に対する質量比で0.001〜0.2の割合が好ましく、0.001〜0.1の割合がより好ましい。この配合量が0.001より少ない場合には、硬化性が低下する傾向にあり、0.2を超える場合には、金属−金属の接続部が形成される前に硬化してしまい、接続不良が発生しやすくなる傾向にある。エポキシ樹脂の硬化剤としてイミダゾール類のみを用いてもよいが、イミダゾール類は、上記のフェノール樹脂、酸無水物及びアミン化合物のうちの1種以上の硬化剤と共に硬化促進剤として用いてもよい。
(v)ホスフィン類
ホスフィン類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を併用してもよい。
ホスフィン類の配合量としては、エポキシ樹脂に対する質量比で0.001〜0.1の割合が好ましく、0.001〜0.05の割合がより好ましい。この配合量が0.001より少ない場合には、硬化性が低下する傾向にあり、0.1を超える場合には、金属−金属の接続部が形成される前に硬化してしまい、接続不良が発生しやすくなる傾向にある。エポキシ樹脂の硬化剤としてホスフィン類のみを用いてもよいが、ホスフィン類は、上記のフェノール樹脂、酸無水物及びアミン化合物のうちの1種以上の硬化剤と共に硬化促進剤として用いてもよい。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は高分子量成分を更に含有することができる。フィルム形成性を向上させる観点からは、高分子量成分の重量平均分子量は10000以上であることが好ましいが、本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は反応開始温度以下の温度でも溶融粘度が50Pa・s以下となるように、重量平均分子量が10000〜100000である高分子量成分を含有することが好ましい。なお、本実施形態においては、重量平均分子量が10000以上の高分子量成分を含まないことが好ましい。
高分子量成分の重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(例えば、島津製作所製C−R4A)によるポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。
高分子量成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤には、溶融粘度や硬化物の物性を制御する目的、並びに、半導体チップと基板とを接続した際のボイドの発生を抑制する目的及び吸湿率を抑制する目的から、フィラを更に配合してもよい。
フィラとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、及び窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラ、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及び窒化ホウ素等のウィスカー、並びに、ポリウレタン、及びポリイミド等の樹脂フィラが挙げられる。これらの中でも、絶縁信頼性及び接続信頼性等の各種信頼性の点で、シリカ、アルミナ、酸化チタン、及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ、及び窒化ホウ素がより好ましい。
フィラは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラの形状、粒径、及び配合量については特に制限されないが、形状は流動性制御、充填量制御、フリップチップ接続時のトラッピング防止等の点で真球が好ましく、粒径は流動性制御、充填量制御、フリップチップ接続時のトラッピング防止等の点で0.005〜2.0μmが好ましく、配合量は絶縁信頼性及び接続信頼性等の各種信頼性の点でフィルム状半導体封止用接着剤の固形分全体を基準として5〜80質量%が好ましい。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤には、フラックス剤を更に含有することができる。フラックス剤としては、例えば、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類の中から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることができる。
アルコール類としては、分子内に少なくとも2個以上のアルコール性水酸基を有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、1,3−ジオキサン−5,5−ジメタノール、1,5−ペンタンジオール、2,5−フランジメタノール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリトール、ペンタエリトリトール、リビトール、ソルビトール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、N−ブチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン、ビス(2−ヒドロキシメチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、1,1’,1’’,1’’’−(エチレンジニトリロ)テトラキス(2−プロパノール)を用いることができる。中でも、3級窒素原子を有する化合物、例えば、N−ブチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)イソプロパノールアミン、ビス(2−ヒドロキシメチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、1,1’,1’’,1’’’−(エチレンジニトリロ)テトラキス(2−プロパノール)は、その他の化合物に比較して、良好なフラックス活性を示すことから望ましい。良好なフラックス活性を示す詳細な理由は明らかではないが、アルコール性水酸基による酸化膜還元能と、3級窒素原子上の不対電子に由来する電子供与性による還元能が併せて作用することに起因していると推測される。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール類としては、少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキシハイドロキノン、ピロガロール、メチリデンビフェノール(ビスフェノールF)、イソプロピリデンビフェノール(ビスフェノールA)、エチリデンビフェノール(ビスフェノールAD)、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシアセトフェノン、ポリp−ビニルフェノールが挙げられる。さらに、少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物として、フェノール性水酸基を分子内に少なくとも1個以上有する化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物とハロメチル基、アルコキシメチル基またはヒドロキシルメチル基を分子内に2個有する芳香族化合物、ジビニルベンゼン及びアルデヒド類から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物との重縮合物も用いることができる。フェノール性水酸基を分子内に少なくとも1個以上有する化合物としては、例えば、フェノール、アルキルフェノール、ナフトール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキシハイドロキノン、ピロガロール、メチリデンビフェノール(ビスフェノールF)、イソプロピリデンビフェノール(ビスフェノールA)、エチリデンビフェノール(ビスフェノールAD)、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシアセトフェノン、ポリp−ビニルフェノールが挙げられる。また、ハロメチル基、アルコキシメチル基またはヒドロキシルメチル基を分子内に2個有する芳香族化合物としては、例えば、1,2−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)ビフェニル、ビス(メトキシメチル)ビフェニルが挙げられる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド(その水溶液としてホルマリン)、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。重縮合物としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドの重縮合物であるフェノールノボラック樹脂、クレゾールとホルムアルデヒドとの重縮合物であるクレゾールノボラック樹脂、ナフトール類とホルムアルデヒドとの重縮合物であるナフトールノボラック樹脂、フェノールと1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼンとの重縮合物であるフェノールアラルキル樹脂、ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮合物、フェノールとジビニルベンゼンとの重縮合物、クレゾールとナフトールとホルムアルデヒドの重縮合物が挙げられ、これらの重縮合物をゴム変性したものや分子骨格内にアミノトリアジン骨格やジシクロペンタジエン骨格を導入したものでもよい。さらに、これらのフェノール性水酸基を有する化合物をアリル化することによって液状したものとして、アリル化フェノールノボラック樹脂、ジアリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビフェノールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸類としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであってもよい。脂肪族カルボン酸としては、例えば、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、エチルマロン酸、アリルマロン酸、2,2’−チオジ酢酸、3.3’−チオジプロピオン酸、2,2’−(エチレンジチオ)ジ酢酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸、ジチオジグリコール酸、ジグリコール酸、アセチレンジカルボン酸、マレイン酸、リンゴ酸、2−イソプロピルリンゴ酸、酒石酸、イタコン酸、1,3−アセトンジカルボン酸、トリカルバリン酸、ムコン酸、β−ヒドロムコン酸、コハク酸、メチルコハク酸、ジメチルコハク酸、グルタル酸、α−ケトグルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、クエン酸、アジピン酸、3−tert−ブチルアジピン酸、ピメリン酸、フェニルシュウ酸、フェニル酢酸、ニトロフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、ニトロフェノキシ酢酸、フェニルチオ酢酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ジヒドロキシフェニル酢酸、マンデル酸、ヒドロキシマンデル酸、ジヒドロキシマンデル酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、スベリン酸、4,4’−ジチオジ酪酸、けい皮酸、ニトロけい皮酸、ヒドロキシけい皮酸、ジヒドロキシけい皮酸、クマリン酸、フェニルピルビン酸、ヒドロキシフェニルピルビン酸、カフェ酸、ホモフタル酸、トリル酢酸、フェノキシプロピオン酸、ヒドロキシフェニルプロピオン酸、ベンジルオキシ酢酸、フェニル乳酸、トロパ酸、3−(フェニルスルホニル)プロピオン酸、3,3−テトラメチレングルタル酸、5−オキソアゼライン酸、アゼライン酸、フェニルコハク酸、1,2−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,4−フェニレンジ酢酸、ベンジルマロン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ウンデカン二酸、ジフェニル酢酸、ベンジル酸、ジシクロヘキシル酢酸、テトラデカン二酸、2,2−ジフェニルプロピオン酸、3,3−ジフェニルプロピオン酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、ピマール酸、パラストリン酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、アガト酸が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−フェノキシ安息香酸、ビフェニル−4−カルボン酸、ビフェニル−2−カルボン酸、2−ベンゾイル安息香酸が挙げられる。これらの中でも、保存安定性や入手容易さの観点から、コハク酸、リンゴ酸、イタコン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、アジピン酸、3,3’−チオジプロピオン酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、スベリン酸、セバシン酸、フェニルコハク酸、ドデカン二酸、ジフェニル酢酸、ベンジル酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、アビエチン酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]安息香酸を用いることが望ましい。これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらにフラックス剤としては、室温で液状であっても固形であっても構わない。
接着剤中のフラックス剤の含有量は、フィルム状半導体封止用接着剤の全量基準で0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤には、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤を更に配合してもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在することが必要である。このような粘度特性を有する接着剤は、例えば、上述したように重量平均分子量が高い高分子量成分を配合せず、重量平均分子量が1000〜8000の範囲の樹脂を配合すること、真球形状のフィラを用いること、フィラの配合量をより少なくする、もしくは無くすこと、エポキシ樹脂や硬化剤などの液状成分を増加すること、などにより得ることができる。
なお、本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤の溶融粘度は以下の手順により求められる。レオメーター(例えば、株式会社アントンパール・ジャパン製のMCR301)のステージ上に接着剤を供給し、ボイドが入らないように測定治具(φ8mm)を設置し、ステージと測定治具の間隔0.5mm、振り角gamma=5%、周波数f=1Hz、ノーマルフォースFN=0μN、昇温速度10℃/分、測定範囲30℃〜180℃の条件で測定を行う。
また、本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤の反応開始温度は以下の手順により求められる。示差走査熱量計(例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7型)を用いて、サンプル量20mg、昇温速度10℃/分、測定範囲30℃〜250℃の条件で示差走査熱量(DSC)測定を行う。DSC測定により得られる縦軸熱量(W/g)−横軸温度(℃)の関係において、最低温度(の発熱ピークの立上り曲線で最もピークの勾配が急になった部分の接線と温度軸との交点における温度を反応開始温度(onset温度:平均場近似一次転移温度)とする。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、硬化抑制の観点から、反応開始温度が110〜180℃であることが好ましく、120〜170℃であることがより好ましい。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するが、以下の観点から40Pa・s以下となる温度が存在することが好ましい。例えば、ペリフェラル配置のバンプを有する半導体装置などのようにバンプ数が少ない半導体装置、又はチップサイズの小さい半導体装置(例えば、チップサイズ□10mm以下等)等の製造においては、溶融粘度が50Pa・s以下であれば十分ボイド低減効果が得られるが、フルアレイ配置のバンプを有する半導体装置などのようにバンプ数が多い半導体装置、又はチップサイズの大きな半導体装置(例えば、チップサイズ□20mm等)等の製造においては、溶融粘度が40Pa・s以下であることがより好ましい。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、反応開始温度が110℃〜180℃の範囲にあり、100℃における溶融粘度が50Pa・s以下であることが好ましい。このような接着剤を用いる場合、上記第1工程において100℃の低温で半導体チップの搭載を行っても十分ボイドを抑制することができる。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、フリップチップ接続方式で比較的生じやすい封止材の硬化不足によって発生するスプリングバックボイドを抑制する観点から、上記第2工程後に硬化反応率が80%以上となるものであることが好ましい。ここでいう硬化反応率とは、上記第2工程における加熱条件で硬化させたフィルム状接着剤の硬化物(サンプル量10mg)について示差走査熱量計(例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7型)を用いて昇温速度10℃/分で昇温し、発熱量を測定する。この発熱量から、下記式により硬化反応率を算出する。
硬化反応率(%)=[未処理の接着剤の発熱量(J/g)−接着剤の硬化物の発熱量(J/g)]/未処理の接着剤の発熱量(J/g)×100
本実施形態においては、上記第2工程が少なくとも250℃で10秒間の加熱を含むものであり、フィルム状半導体封止用接着剤は250℃で10秒間加熱した後の硬化反応率が80%以上となるものが好ましい。なお、この場合の硬化反応率は、上記の測定方法におけるサンプルとして、フィルム状接着剤を250℃で10秒間加熱した後の硬化物(サンプル量10mg)が用いられる。硬化反応率は、上記式中の「接着剤の硬化物の発熱量(J/g)」に「接着剤を250℃で10秒間加熱した後の硬化物の発熱量(J/g)」を代入して算出する。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤の厚みは、半導体チップ又は基板のサイズやバンプ高さなどによって適宜設定され、例えばギャップが50μmの場合、5μm〜100μmの範囲に設定される。
本実施形態のフィルム状半導体封止用接着剤は、以下の方法により作製することができる。まず、エポキシ樹脂と、硬化剤と、必要に応じてフラックス剤及びフィラなどの他の添加物とを有機溶媒中に加え、攪拌混合、混錬などにより、溶解または分散させて、樹脂ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーターやアプリケーターを用いて塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材フィルム上にフィルム状半導体封止用接着剤を形成する。
有機溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
塗布後の樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の条件は、有機溶媒が十分に揮発する条件とすることが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。
次に、本実施形態に係るペースト状の半導体封止用接着剤について説明する。
本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤とフラックス剤とを含有し、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するものである。
本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤は、100℃における粘度が50Pa・s以下が好ましい。
エポキシ樹脂、硬化剤、及びフラックス剤については、上述したフィルム状半導体封止用接着剤に配合されるものを用いることができる。また、本実施形態の半導体封止用接着剤には上記のフィラを配合することができる。
本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤におけるエポキシ樹脂及び硬化剤の配合量については、上述したフィルム状半導体封止用接着剤と同様にすることができる。
また、本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤は酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤を更に配合してもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤は、上述したフィルム状半導体封止用接着剤における理由と同様の観点から、反応開始温度以下の温度領域に50Pa・s以下となる温度が存在することが好ましい。
また、本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤は、上述したフィルム状半導体封止用接着剤における理由と同様の観点から、反応開始温度が110℃〜180℃の範囲にあり、100℃における溶融粘度が50Pa・s以下であることが好ましい。
更に、本実施形態のペースト状の半導体封止用接着剤は、上述したフィルム状半導体封止用接着剤における理由と同様の観点から、上記第2工程後に硬化反応率が80%以上となるものが好ましい。また、上記第2工程が少なくとも250℃で10秒間の加熱を含むものであり、ペースト状の半導体封止用接着剤は250℃で10秒間加熱した後の硬化反応率が80%以上となるものが好ましい。
本実施形態の半導体封止用接着剤は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、フラックス剤と、必要に応じてフィラなどの他の添加物を、攪拌混合や混錬などにより分散させて作製することができる。
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図4を用いて以下説明する。図4は、当該製造方法の一実施形態を模式的に示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、配線(例えば、金バンプ)15を有する基板20上に、接続バンプ30を形成する位置に開口を有するソルダーレジスト60を形成する。このソルダーレジスト60は必ずしも設ける必要はない。しかしながら、基板20上にソルダーレジストを設けることにより、配線15間のブリッジの発生を抑制し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる。ソルダーレジスト60は、例えば、市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキを用いて形成することができる。市販のパッケージ用ソルダーレジスト用インキとしては、具体的には、SRシリーズ(日立化成工業株式会社製、商品名)及びPSR4000−AUSシリーズ(太陽インキ製造(株)製、商品名)等が挙げられる。
次に、図4(a)に示すように、ソルダーレジスト60の開口に接続バンプ(例えば、ハンダバンプ)30を形成する。そして、図4(b)に示すように、接続バンプ30及びソルダーレジスト60が形成された基板20上に、本実施形態に係るフィルム状半導体封止用接着剤(以下、場合により「フィルム状接着剤」という。)40を貼付する。フィルム状接着剤40の貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。フィルム状接着剤40の供給面積や厚みは、半導体チップ10及び基板20のサイズや、接続バンプ30の高さ等によって適宜設定される。
上記のとおりフィルム状接着剤40を基板20に貼り付けた後、半導体チップ10の配線15と接続バンプ30とをフリップチップボンダー等の接続装置を用いて、位置合わせする。このとき、フィルム状接着剤の反応開始温度以下で且つ溶融粘度が50Pa・s以下となる温度がフィルム状接着剤にかかるように加熱しながら半導体チップ10と基板20とを仮固定する(第1工程)。これにより、埋めこみ不足ボイドや巻込みボイドを十分抑制することができる。その後、更に半導体チップ10と基板20とを接続バンプ30の融点以上の温度で加熱しながら圧着し、図4(c)に示すように、半導体チップ10と基板20とを接続すると共に、フィルム状接着剤40によって半導体チップ10及び基板20間の空隙を封止充填する(第2工程)。以上により、半導体装置600が得られる。
本実施形態の半導体装置の製造方法のように、位置合わせをした後に仮固定し、リフロー炉で加熱処理することによって、接続バンプ30を溶融させて半導体チップ10と基板20とを接続した場合、仮固定の段階(第1工程)では、金属接合を形成することが必ずしも必要ではないため、上記の加熱しながら圧着する方法に比べて低荷重、短時間、低温度による圧着でよく、生産性が向上すると共に接続部の劣化を抑制することができる。
また、半導体チップ10と基板20とを接続した後、オーブン等で加熱処理を行って、更に接続信頼性・絶縁信頼性を高めてもよい。加熱温度は、フィルム状接着剤の硬化が進行する温度が好ましく、完全に硬化する温度がより好ましい。加熱温度、加熱時間は適宜設定される。
本実施形態において、接続荷重は、接続バンプ30の数や高さのばらつき、加圧による接続バンプ30、又は接続部のバンプを受ける配線の変形量を考慮して設定される。接続温度は、接続部の温度が接続バンプ30の融点以上であることが好ましいが、それぞれの接続部(バンプや配線)の金属接合が形成される温度であればよい。接続バンプ30がハンダバンプである場合は、約240℃以上であればよい。接続時の接続時間は、接続部の構成金属により異なるが、生産性が向上する観点から短時間であるほど好ましい。接続バンプ30がハンダバンプである場合、接続時間は20秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましく、5秒以下が更に好ましい。銅−銅、銅−金等の金属接続の場合は、接続時間は60秒以下が好ましい。
本実施形態の半導体装置の製造方法では、フィルム状接着剤40を半導体チップ10に貼付した後に基板20を接続してもよい。
上述した半導体装置の製造方法においては、フィルム状接着剤に代えてペースト状の半導体封止用接着剤を用いることができる。
また、生産性が向上する観点から、複数の半導体チップ10が連結した半導体ウェハに半導体封止用接着剤を供給した後、ダイシングして個片化することによって、半導体チップ10上に半導体封止用接着剤が供給された構造体を得てもよい。また、半導体封止用接着剤がペースト状の場合は、特に制限されるものではないが、スピンコート等の塗布方法により、半導体チップ10上の配線やバンプを埋め込み、厚みを均一化させればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上すると共に、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。一方、半導体封止用接着剤がフィルム状の場合は、特に制限されるものではないが、加熱プレス、ロールラミネート及び真空ラミネート等の貼付方式により半導体チップ10上の配線やバンプを埋め込むようにフィルム状の樹脂組成物を供給すればよい。この場合、樹脂の供給量が一定となるため生産性が向上し、埋め込み不足によるボイドの発生及びダイシング性の低下を抑制することができる。
上述した様々なパッケージ構造のフリップチップ接続部においてバンプがフルアレイ配置であっても、本発明に係るフィルム状半導体封止用接着剤及び半導体封止用接着剤はボイドの発生を十分抑制することができ、優れた接続信頼性及び絶縁信頼性を示すことができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の
実施例に限定されるものではない。
<ポリイミド樹脂の合成>
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた300mlフラスコに、1,12−ジアミノドデカン2.10g(0.035モル)、ポリエーテルジアミン(BASF製、ED2000[分子量:1923])17.31g(0.03モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学製、LP−7100)2.61g(0.035モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(関東化学製)150gを仕込み攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、無水酢酸で再結晶精製した4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(ALDRICH製、BPADA)15.62g(0.10モル)を少量ずつ添加した。室温で8時間反応させたのち、キシレン100gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去し、ポリイミド溶液を得た(ポリイミド樹脂のTg:30℃、重量平均分子量:45000)。得られたポリイミド樹脂溶液からNMPを除去し、ポリイミド樹脂を固形分として得た。
各作製例で使用した化合物を以下に示す。
(i)エポキシ樹脂
トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社、商品名:EP1032H60、以下「EP1032」という)
柔軟性エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社、商品名:YL7175−500、以下「YL7175」という)
ビスフェノールF型液状エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社、商品名:YL983U、以下「YL983」という)
(ii)硬化剤
2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名:2PHZ−PW、以下「2PHZ」という)
1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名:2PZCN)
(iii)フラックス剤
ジフェノール酸(東京化成株式会社製)
(iv)フィラ
シリカフィラ(アドマテックス株式会社、商品名:SE2050、平均粒径:0.5μm
メタブレン型有機フィラ(三菱レイヨン社製、商品名:W5500)
(v)高分子量成分
上記ポリイミド合成にて合成したポリイミド樹脂(Tg:30℃、重量平均分子量:45000)
<半導体封止用接着剤の作製>
(作製例1)
トルエンと酢酸エチルとの混合溶媒(質量比1:1)に、エポキシ樹脂としてEP1032を1.8g及びYL983を0.45gと、硬化剤として2PZCNを0.15gと、フラックス剤としてジフェノール酸0.5gと、フィラとしてSE2050を2.7g及びW5500を0.3gと、を固形分が65質量%になるように混合した。その後、Φ0.8mmのビーズ及びΦ2.0mmのビーズを上記固形分と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機P−7)で30分間撹拌した。その後、撹拌に用いたビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスを、基材フィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)に小型精密塗工装置(廉井精機)で塗工し、クリーンオーブン(ESPEC製)内で、110℃で10分間乾燥して、フィルム状半導体封止用接着剤を得た。
(作製例2)
作製例1における樹脂ワニスに2PZCNを配合しなかったこと以外は作製例1と同様にして、フィルム状半導体封止用接着剤を得た。
以下に、作製例1及び2で得られたフィルム状半導体封止用接着剤の評価方法を示す。
[溶融粘度の測定]
レオメーターMCR301(株式会社アントンパール・ジャパン製)のステージ上に接着剤を供給し、ボイドが入らないように測定治具(φ8mm)を設置し、ステージと測定治具の間隔0.5mm、振り角gamma=5%、周波数f=1Hz、ノーマルフォースFN=0μN、昇温速度10℃/分、測定範囲30℃〜180℃の条件で測定を行った。この結果から、表1に示される半導体チップ搭載時の温度(℃)における溶融粘度を求めた。
[反応開始温度の測定]
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用いて、サンプル量20mg、昇温速度10℃/分、測定範囲30℃〜250℃の条件で示差走査熱量(DSC)測定を行った。DSC測定により得られる縦軸熱量(W/g)−横軸温度(℃)の関係において、最低温度の発熱ピークの立上り曲線で最もピークの勾配が急になった部分の接線と温度軸との交点における温度を反応開始温度(onset温度:平均場近似一次転移温度)とした。
[硬化反応率の測定]
250℃で10秒間加熱した後の硬化反応率を以下の手順により求めた。接着剤を250℃で10秒間加熱した後の硬化物(サンプル量10mg)について、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用いて昇温速度10℃/分で昇温し、発熱量を測定した。この発熱量から、下記式により硬化反応率を算出した。
硬化反応率(%)=[未処理の接着剤の発熱量(J/g)−接着剤を250℃で10秒間加熱した後の硬化物の発熱量(J/g)]/未処理の接着剤の発熱量(J/g)×100
<半導体装置の作製>
(実施例1、比較例1〜2)
フィルム状半導体封止用接着剤を、20.5mm×20.5mm、厚さ0.100mmに切り抜いて、下記のガラスエポキシ基板上にラミネータにより貼付した。
(ガラスエポキシ基板)大きさ35mm×35mm、厚み0.8〜1.0mm、コア:E679FGR(0.8mm)(日立化成工業(株)製)、ソルダーレジスト:PSR4000(太陽インキ社製)、ランド表面Cu無垢+SAC(高さはソルダーレジストから25μm)、ソルダーレジスト開口0.08mm(直径)、バンプピッチ150μm、14884ピン、WALTS製。
次いで、ガラスエポキシ基板上に下記のはんだバンプ付き半導体チップをフリップチップ実装装置(パナソニック社製、商品名:FCB3)で実装した。
(はんだバンプ付き半導体チップ)チップサイズ20mm×20mm、厚み0.725mm、バンプ高さ:銅ピラーとはんだとの合計高さが約50μm、バンプピッチ:150μm、14884ピン、WALTS製、表面:日立化成デュポン「PL−H708」。
実装条件は、半導体チップの搭載時、接着剤にかかる温度が表1に示される温度となるようにステージの温度を調整し、半導体チップの搭載後、接着剤の到達温度180℃、10秒間、80N及び接着剤の到達温度250℃、10秒間、80N(フィルム状半導体封止用接着剤の場合)、又は、接着剤の到達温度250℃、10秒間、20N(ペースト状半導体封止用接着剤の場合)とした。これにより、図4の(c)と同様の構造を有する、上記ガラスエポキシ基板とハンダバンプ付き半導体チップとがデイジーチェーン接続された半導体装置を得た。
[接続評価]
上記で得られた半導体装置の中央部分4箇所と四隅とを結ぶ計8箇所の接続抵抗値をマルチメータ(ADVANTEST製、商品名:R6871E)を用いて測定することにより、実装後の初期導通の可否を評価した。全ての接続抵抗値が12Ω以上17Ω以下の場合を「A」(接続性良好)、一つでも接続抵抗値が12Ω以上17Ω以下の範囲外になった場合を「B」(ハンダ濡れ不足、硬化性制御不足等により接続性が劣る)、接続不良が生じて抵抗値が表示されなかった場合を「C」として評価した。
[ボイド発生率]
上記接続評価と同様にして作製したサンプル(接続部の金属の融点以上の接続加熱プロセスを経たサンプル)を超音波映像診断装置(インサイト製、商品名:Insight−300)により外観画像を撮り、スキャナGT−9300UF(EPSON社製)でチップ上の接着剤の画像を取り込み、画像処理ソフトAdobe Photoshopを用いて、色調補正、二階調化によりボイド部分を識別し、ヒストグラムによりボイド部分の占める割合(ボイド発生率)を算出した。なお、チップ上の接着剤部分の面積を100%とした。ボイド発生率が1%以下である場合を「A」、1%を超え10%以下である場合を「B」、10%を超える場合を「C」として評価した。
Figure 0005978725

実施例1では、ボイド発生率が1%以下であり、接続評価においても安定した初期接続抵抗値が得られた。一方、チップ搭載時における接着剤の溶融粘度が50Pa・sを超える比較例1では、ボイドが発生し、接続不良が生じた。
硬化剤を含まない接着剤を用いた比較例2では、ボイドが発生し、接続不良が生じた。この結果は、硬化が不十分でスプリングバックに起因するものと考えられる。
10…半導体チップ、15…配線(接続部)、20…基板(配線回路基板)、30…接続バンプ、32…バンプ(接続部)、34…貫通電極、40…半導体封止用接着剤(フィルム状接着剤)、50…インターポーザ、60…ソルダーレジスト、100,200,300,400,500,600…半導体装置。

Claims (7)

  1. 半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続されているともに前記接続部が樹脂によって封止されている構造を有する半導体装置の製造方法であって、
    それぞれの接続部同士が対向するように配置された前記半導体チップと前記基板又は前記他の半導体チップとの間に、エポキシ樹脂と、硬化剤と、を含有し、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在するフィルム状半導体封止用接着剤を介在させ、当該フィルム状半導体封止用接着剤にかかる温度が前記反応開始温度以下で且つ前記接着剤の溶融粘度が50Pa・s以下となるように加熱しながら前記半導体チップと前記基板又は他の半導体チップとを仮固定する第1工程、を有する、半導体装置の製造方法。
  2. 前記フィルム状半導体封止用接着剤がフラックス剤を更に含有する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記接続部が金属を含み、
    前記第1工程の後に、前記接続部を前記金属の融点以上の温度で加熱して金属接合を形成する第2工程を更に有する、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記フィルム状半導体封止用接着剤は、前記第2工程後に硬化反応率が80%以上となるものである、請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、のそれぞれの接続部が互いに電気的に接続されているともに前記接続部が樹脂によって封止されている構造を有する半導体装置の製造方法であって、
    それぞれの接続部同士が対向するように配置された前記半導体チップと前記基板又は前記他の半導体チップとの間に、エポキシ樹脂と、硬化剤と、フラックス剤と、を含有し、反応開始温度以下の温度領域に溶融粘度が50Pa・s以下となる温度が存在する半導体封止用接着剤を介在させ、当該半導体封止用接着剤にかかる温度が前記反応開始温度以下で且つ前記接着剤の溶融粘度が50Pa・s以下となるように加熱しながら前記半導体チップと前記基板又は他の半導体チップとを仮固定する第1工程、を備える、半導体装置の製造方法。
  6. 前記接続部が金属を含み、
    前記第1工程の後に、前記接続部を前記金属の融点以上の温度で加熱して金属接合を形成する第2工程を更に備える、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体封止用接着剤は、前記第2工程後における硬化反応率が80%以上となるものである、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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