JP5977335B2 - 光学ガラスおよびその利用 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年3月26日出願の日本特願2012−068696号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、高屈折率低分散特性を有する光学ガラス、前記光学ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブ、光学素子ブランク、および光学素子に関する。
高屈折率低分散ガラスからなるレンズは、超低分散ガラスからなるレンズと組み合わせることにより色収差を補正しつつ光学系のコンパクト化を可能にする。そのため、撮像光学系やプロジェクタなどの投射光学系を構成する光学素子として非常に重要な位置を占めている。
このような高屈折率低分散ガラスの一例が、OPTICAL GLASS Technical Data 2011(HOYA株式会社発行)に記載されているHOYA株式会社製光学ガラス(硝種TAFD25(屈折率nd 1.90366、アッベ数νd 31.32))である。
近年、レンズの高性能化・高仕様化に伴い、レンズ材料である光学ガラスの部分分散特性の重要性が増してきており、色収差補正に特に望ましいガラスは、高屈折率低分散でありながら、部分分散比Pg,Fのノーマルラインからの偏差ΔPg,F(異常分散性)の小さい光学ガラスである。
上記の光学ガラスTAFD25は、高屈折率低分散ガラスでありながら、着色が極めて少ないという非常に優れたガラス材料である。しかし、上記ΔPg,Fが0.0028であり、高次の色収差を補正するためには、ΔPg,Fが一層小さい光学ガラスが望まれる。
また、高屈折率低分散ガラスは、特開昭60−131845号公報または英語ファミリーメンバー米国特許第4,584,279号、US2011/0028300A1、特開2010−083705号公報または英語ファミリーメンバーUS2012/0142517A1、米国特許第8,127,570号、それらの全記載は、ここに特に開示として援用される、にも開示されている。
本発明の一態様は、高屈折率低分散特性を有するとともに、高次の色収差補正に好適な光学ガラス、ならびに前記ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブ、光学素子ブランクおよび光学素子を提供する。
本発明者は鋭意検討を重ねる中で、ガラス成分を、ガラスネットワーク形成成分(Si4+、B3+)、低分散性を維持しつつ屈折率を高める働きを有する高屈折率低分散化成分(La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+)、屈折率と分散をともに高める働きのある高屈折率高分散化成分(Ti4+、Nb5+、W6+、Bi3+)とに分け、所要の屈折率とアッベ数を備えつつ、良好なガラス安定性が得られるよう、ネットワーク形成成分の含有量、高屈折率低分散化成分の含有量、高屈折率高分散化成分の含有量のおおよその配分を定め、さらに高屈折率低分散化成分の含有量と高屈折率高分散化成分の含有量の比を調整するとともに、組成全体を調整することにより、高屈折率低分散特性を有するとともに、高次の色収差補正に好適な光学ガラスが得られることを新たに見出した。
本発明の一態様は、
Si4+およびB3+の合計含有量が10〜60カチオン%の範囲であり、
La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量が25〜70カチオン%の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量が10〜20カチオン%の範囲であり、
Li+含有量が0〜5.0カチオン%の範囲であり、
Ge含有量が、酸化物基準のガラス組成におけるGeO2量として5.0質量%未満であり、
Pbを含まず、
3+含有量に対するSi4+含有量のカチオン比(Si4+/B3+)が0.70以下であり、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))が1.90〜7.00の範囲であり、
La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量に対するY3+含有量のカチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.180以下であり、
Nb5+を必須成分として含み、かつNb5+含有量に対するTi4+含有量のカチオン比(Ti4+/Nb5+)が4.00以下である酸化物ガラスであり、かつ、
屈折率ndが1.920超かつ2.000以下の範囲であり、アッベ数νdが28.0〜34.0の範囲であり、屈伏点が645℃超であり、
下記式:
ΔPg,F=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
[式中、Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、(ng−nF)/(nF−nC)で表される部分分散比を表し、νdはアッベ数を表す。]
により求められる部分分散比Pg,Fのノーマルラインからの偏差ΔPg,Fが0.0005以下である光学ガラス、
に関する。
一態様では、上記光学ガラスのYb含有量は、酸化物基準のガラス組成におけるYb23量として2質量%未満の範囲である。
一態様では、上記光学ガラスのSi4+およびB3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比[(La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Si4++B3+)]が0.83以上であるか、または、Si4+およびB3+の合計含有量に対するTi4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量のカチオン比[(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)/(Si4++B3+)]が0.31以上である。
一態様では、上記光学ガラスのTi4+、Nb5+、W6+、Bi3+およびTa5+の合計含有量は、13〜30カチオン%の範囲である。
一態様では、上記光学ガラスのSi4+含有量は1〜30カチオン%の範囲であり、B3+含有量は5〜55カチオン%の範囲であり、La3+含有量は10〜50%カチオン%の範囲である。
一態様では、上記光学ガラスのZr4+含有量は1〜15カチオン%の範囲である。
一態様では、上記光学ガラスのZn2+含有量は0〜15カチオン%の範囲である。
一態様では、上記光学ガラスのガラス転移温度は630℃超である。
一態様では、上記光学ガラスのGd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量は0.5〜35カチオン%の範囲である。
本発明の更なる態様は、
カチオン%表示にて、
Si4+およびB3+を合計で10〜60%、
La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+を合計で25〜70%、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+を合計で10〜20%、
含み、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))が1.90〜7.00である酸化物ガラスであり、かつ、
屈折率ndが1.88〜2.00の範囲であり、アッベ数νdが28.0〜34.0の範囲であり、下記式:
ΔPg,F=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
[式中、Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、(ng−nF)/(nF−nC)で表される部分分散比を表し、νdはアッベ数を表す。]
により求められる部分分散比Pg,Fのノーマルラインからの偏差ΔPg,Fが0.0005以下である光学ガラス、
に関する。
本発明の更なる態様は、上記光学ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブに関する。
本発明の更なる態様は、上記光学ガラスからなる光学素子ブランクに関する。
本発明の更なる態様は、上記光学ガラスからなる光学素子に関する。
本発明の一態様によれば、高屈折率低分散特性を有するとともに、高次の色収差補正に好適な光学ガラス、ならびに前記ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブ、光学素子ブランクおよび光学素子を提供することができる。
図1は、カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.180を超える光学ガラスがガラス安定性に劣ることを示すデジタルカメラ写真である。 図2は、カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.180を超える光学ガラスがガラス安定性に劣ることを示すデジタルカメラ写真である。 図3は、表1に示す光学ガラス、US2011/0028300A1の実施例、および特開2010−30879号公報の実施例について、前述の式から算出されるΔPg,Fを、アッベ数νdに対してプロットしたグラフである。
[光学ガラス]
本発明の一態様は、
Si4+およびB3+の合計含有量が10〜60カチオン%の範囲であり、
La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量が25〜70カチオン%の範囲であり、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量が10〜20カチオン%の範囲であり、
Li+含有量が0〜5.0カチオン%の範囲であり、
Ge含有量が、酸化物基準のガラス組成におけるGeO2量として5.0質量%未満であり、
Pbを含まず、
3+含有量に対するSi4+含有量のカチオン比(Si4+/B3+)が0.70以下であり、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))が1.90〜7.00の範囲であり、
La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量に対するY3+含有量のカチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.180以下であり、
Nb5+を必須成分として含み、かつNb5+含有量に対するTi4+含有量のカチオン比(Ti4+/Nb5+)が4.00以下である酸化物ガラスであり、かつ、
屈折率ndが1.920超かつ2.000以下の範囲であり、アッベ数νdが28.0〜34.0の範囲であり、屈伏点が645℃超であり、
下記式:
ΔPg,F=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
[式中、Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、(ng−nF)/(nF−nC)で表される部分分散比を表し、νdはアッベ数を表す。]
により求められる部分分散比Pg,Fのノーマルラインからの偏差ΔPg,Fが0.0005以下である光学ガラスに関する。
以下に、上記組成範囲の限定理由について説明するが、特記しない限り、各成分の含有量、合計含有量はカチオン%にて表示する。
Si4+、B3+は、ともにガラスネットワーク形成成分であり、ガラス安定性の維持に効果的な成分である。Si4+およびB3+の合計含有量が10%未満ではガラス安定性が悪化し、液相温度が上昇し、前記合計含有量が60%を超えると所望の屈折率を実現することが困難になる。したがって、Si4+およびB3+の合計含有量は10〜60%とする。詳しくは、10.0〜60.0%とすることができる。Si4+およびB3+の合計含有量の好ましい上限は50%、詳しくは50.0%、より好ましい上限は45%、詳しくは45.0%、さらに好ましい上限は43%、詳しくは43.0%、一層好ましい上限は42%、詳しくは42.0%、より一層好ましい上限は41%、詳しくは41.0%であり、Si4+およびB3+の合計含有量の好ましい下限は15%、詳しくは15.0%、より好ましい下限は20%、詳しくは20.0%、さらに好ましい下限は25%、詳しくは25.0%、一層好ましい下限は30%、詳しくは30.0%、より一層好ましい下限は35%、詳しくは35.0%である。
液相温度の上昇やガラス転移温度の過剰な上昇を抑制し、熔融性、耐失透性を維持する上から、B3+含有量に対するSi4+含有量のカチオン比(Si4+/B3+)は0.70以下とする。好ましくは0.65以下、より好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.5以下、一層好ましくは0.45以下、より一層好ましくは0.4以下、さらに一層好ましくは0.35以下である。
ガラスの熱的安定性の改善、熔融ガラスの成形に適した粘性の実現、化学的耐久性の改善といった観点から、カチオン比(Si4+/B3+)は0.05以上とすることが好ましく、0.1以上とすることがより好ましい。
La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+は高屈折率低分散化成分であり、化学的耐久性を改善し、ΔPg,Fを低下させ、ガラスの着色を改善する働きもする。La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量が25%未満では上記効果が得られず、所望の屈折率、アッベ数を実現することも困難になる。一方、La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量が70%を超えるとガラス安定性が悪化し、液相温度が上昇する。したがって、La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量は25〜70%とする。詳しくは、25.0〜70.0%とすることができる。La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量の好ましい上限は60%、詳しくは60.0%、より好ましい上限は55%、詳しくは55.0%、さらに好ましい上限は50%、詳しくは50.0%、一層好ましい上限は45%、詳しくは45.0%、より一層好ましい上限は40%、詳しくは40.0%、なお一層好ましい上限は38%、詳しくは38.0%であり、La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量の好ましい下限は28%、詳しくは28.0%、より好ましい下限は30%、詳しくは30.0%、一層好ましい下限は31%、詳しくは31.0%、より一層好ましい下限は32%、詳しくは32.0%、なお一層好ましい下限は33%、詳しくは33.0%、特に好ましい下限は34%、詳しくは34.0%である。
Ti4+、Nb5+、W6+、Bi3+は、屈折率を高めるとともにアッベ数を減少させる高屈折率高分散化成分である。また、これらは、耐失透性を改善して、液相温度の上昇を抑制し、化学的耐久性を改善する働きをする。Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量が10%未満では前記効果を得ることが困難になるが、Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量が20%を超えると分散が高くなりすぎ、ΔPg,Fが増加し、ガラスの着色が強まる。したがって、Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量は10〜20%とする。詳しくは10.0〜20.0%とすることができる。Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量の好ましい上限は19.5%、より好ましい上限は19%、詳しくは19.0%、さらに好ましい上限は18.5%、一層好ましい上限は18%、詳しくは18.0%、より一層好ましい上限は17.5%であり、Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量の好ましい下限は11%、詳しくは11.0%、より好ましい下限は12%、詳しくは12.0%、さらに好ましい下限は13%、詳しくは13.0%、一層好ましい下限は13.5%、より一層好ましい下限は14%、詳しくは14.0%、なお一層好ましい下限は14.5%である。
所望の光学ガラスを得る上から、La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量(La3++Gd3++Y3++Yb3+)とTi4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)をそれぞれ上記範囲にすることに加え、Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))を所定の範囲にする。カチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))が1.90未満ではΔPg.Fが増加し、耐失透性が悪化し、ガラスの着色が強まる。一方、前記カチオン比が7.00を超えると、耐失透性が悪化し、液相温度が上昇する。したがって、カチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))の範囲を1.90〜7.00とする。カチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))の好ましい上限は6.00、より好ましい上限は5.00、さらに好ましい上限は4.00、一層好ましい上限は3.50、より一層好ましい上限は3.00、さらに一層好ましい上限は2.85であり、前記カチオン比の好ましい下限は1.95、より好ましい下限は1.98、さらに好ましい下限は2.00、一層好ましい下限は2.03、より一層好ましい下限は2.05、さらに一層好ましい下限は2.10である。
ガラスの熱的安定性、耐失透性を維持し、液相温度の上昇を抑制する上から、La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量に対するY3+の含有量のカチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))は、0.180以下とする。
上記の観点から、カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))は、好ましくは0.150以下、より好ましくは0.130以下、さらに好ましくは0.100以下である。
カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))を0にすることもできるが、
少量のY3+を含有させることにより、液相温度を低下させ、耐失透性を改善することができることから、カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))は、好ましくは0.020以上である。
次に、本発明の一態様にかかる光学ガラスのガラス特性について説明する。
ガラス製光学素子および前記光学素子を組み込んだ光学系の高機能化、コンパクト化のためには、屈折率ndが1.920超の光学ガラスを使用することが有効である。一方、屈折率ndが2.000を超えると、ガラス安定性が低下傾向を示すので、ガラスの安定性を維持しつつ、光学系の高機能化、コンパクト化に有効な光学素子材料を提供するため、屈折率ndの範囲を1.920超かつ2.000以下とする。屈折率ndの好ましい上限は1.980、より好ましい上限は1.970、さらに好ましい上限は1.960、一層好ましい上限は1.955であり、屈折率ndの好ましい下限は1.925、より好ましい下限は1.930、さらに好ましい下限は1.940、一層好ましい下限は1.945である。また、屈折率の下限は、1.88以上、1.90以上、または1.92以上であることが好ましい場合もある。
本発明の一態様にかかる光学ガラスでは、低分散性を活かして色収差補正に好適な光学素子材料を提供する上からアッベ数νdの下限を28.0とし、ガラス安定性を維持、向上させる上からアッベ数νdの上限を34.0とする。即ち、アッベ数νdの範囲は28.0〜34.0である。アッベ数νdの好ましい上限は33.5、より好ましい上限は33.0であり、アッベ数νdの好ましい下限は29.0、より好ましい下限は30.0、さらに好ましい下限は30.5、一層好ましい下限は31.0、より一層好ましい下限は31.5、さらに一層好ましい下限は32.0である。
本発明の一態様にかかる光学ガラスでは、屈伏点は645℃超である。ガラスの冷間加工性は間接的ながら屈伏点とも関連がある。屈伏点が低いガラスは冷間加工性よりも精密プレス成形に好適であるのに対し、屈伏点が高いガラスは精密プレス成形よりも冷間加工に好適であって、冷間加工性に優れる。したがって、本発明の一態様にかかる光学ガラスにおいても屈伏点を過剰に低くせず、645℃超とする。屈伏点は好ましくは660℃以上、より好ましくは680℃以上、更に好ましくは700℃以上、一層好ましくは720℃以上、より一層好ましくは740℃以上である。屈伏点が高すぎるとガラスを再加熱、軟化して成形する際の加熱温度が高くなり、成形に使用する金型の劣化が著しくなったり、アニール温度も高温になり、アニール炉の劣化、消耗も著しくなる。したがって、屈伏点は850℃以下とすることが好ましい。
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、屈折率ndが1.920超かつ2.000以下、アッベ数νdが30.0〜34.0の範囲にありながらΔPg,Fが小さい。そのような光学ガラスは、高次の色収差補正用の光学素子材料として好適である。
ここで、部分分散比Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、(ng−nF)/(nF−nC)と表される。本発明におけるng、nF、およびnCは、後述する実施例で示す方法により求められた値とする。
本発明では、高次の色収差補正に好適な光学ガラスを提供する上から、ΔPg,Fを0.0005以下とする。
部分分散比Pg,F−アッベ数νd図において、正常部分分散ガラスの基準となるノーマルライン上の部分分散比をPg,F(0)と表すと、Pg,F(0)はアッベ数νdを用いて次式で表される。
Pg,F(0)=0.6483−(0.0018×νd)
ΔPg,Fは、上記ノーマルラインからの部分分散比Pg,Fの偏差であり、次式で表される。
ΔPg,F=Pg,F−Pg,F(0)
=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
高次の色収差補正用の光学素子材料として好適な光学ガラスを提供する上から、ΔPg,Fの好ましい範囲は0.0004以下、より好ましい範囲は0.0003以下、さらに好ましい範囲は0.0002以下、一層好ましい範囲は0.0001以下、より一層好ましい範囲は0.0000以下である。
Ti4+とNb5+を比較すると、Ti4+よりもNb5+のほうがΔPg,Fを増加させる作用が小さい。したがって、ΔPg,Fを低下させる上から、Nb5+を必須成分として含むガラス組成において、Nb5+含有量に対するTi4+含有量のカチオン比(Ti4+/Nb5+)が4.00以下とする。ΔPg,Fをさらに低下させる上から、カチオン比(Ti4+/Nb5+)は、3.50以下であることが好ましく、3.00以下であることがより好ましく、2.50以下であることがさらに好ましく、2.00以下であることが一層好ましい。耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑える上から、カチオン比(Ti4+/Nb5+)は0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましく、0.2以上であることが一層好ましい。
一般に高屈折率領域では、アッベ数νdの減少に伴いΔPg,Fが増加する傾向がある。一方、高次の色収差を補正する上から、ΔPg,Fが小さい高屈折率ガラスが望まれている。しかし、アッベ数νdが34.0以下の範囲において、ΔPg,Fを0.0005以下にすることは、従来困難であった。本発明の一態様において、アッベ数νdが34.0以下の範囲でΔPg,Fを0.0005以下とするための組成調整の好ましい具体的態様としては、
・Si4+およびB3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比[(La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Si4++B3+)]を0.83以上とすること、
・Si4+およびB3+の合計含有量に対するTi4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量のカチオン比[(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)/(Si4++B3+)]を0.31以上にすること、
の少なくとも一方を満たすこと、または両方を満たすことを挙げることができる。
カチオン比[(La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Si4++B3+)]のより好ましい下限は0.84、さらに好ましい下限は0.85、一層好ましい下限は0.86である。
カチオン比[(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)/(Si4++B3+)]のより好ましい下限は0.34、さらに好ましい下限は0.35、一層好ましい下限は0.36、より一層好ましい下限は0.37、さらに一層好ましい下限は0.38、なお一層好ましい下限は0.39である。
カチオン比[(La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Si4++B3+)]の上限は、本発明の一態様にかかる光学ガラスが有するべきガラス組成から自ずと定まるが、例えば2.0以下とすることができる。ガラスの熱的安定性を維持する上から、カチオン比[(La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Si4++B3+)]の好ましい上限は1.6、より好ましい上限は1.4、さらに好ましい上限は1.2、一層好ましい上限は1.0、より一層好ましい上限は0.98である。
また、カチオン比[(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)/(Si4++B3+)]の上限も、本発明の一態様にかかる光学ガラスが有するべきガラス組成から自ずと定まるが、例えば1.5以下とすることができる。ガラスの熱的安定性を維持する上から、カチオン比[(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)/(Si4++B3+)]の好ましい上限は1.2、より好ましい上限は1.0、さらに好ましい上限は0.8、一層好ましい上限は0.7、より一層好ましい上限は0.6、さらに一層好ましい上限は0.5である。
Li+は、アルカリ金属成分の中でも特にガラス転移温度を低下させる働きが強い。そのため、Li+の含有量が多くなりすぎるとガラス転移温度が低下し、研削加工や研磨加工時の加工性が低下する。したがって、Li+の含有量は、ガラス転移温度が低下しないように定めることが好ましい。以上の観点から、Li+含有量は0〜5.0%の範囲とする。Li+含有量の好ましい範囲については、後述する。
Geは、ガラスネットワーク形成成分であり、屈折率を高める働きもするため、ガラス安定性を維持しつつ屈折率を高めることができる成分であるが、他の成分と比較して格段に高価な成分であり、その含有量を控えることが望まれる成分である。本発明の一態様にかかる光学ガラスでは、前述および後述する組成調整により、Ge含有量を、酸化物基準のガラス組成におけるGeO2量として5.0質量%未満に抑えても、所望の光学特性の実現と優れたガラス安定性の実現を両立することができる。GeO2量は、好ましくは0〜4質量%、詳しくは0〜4.0質量%、より好ましくは0〜3質量%、詳しくは0〜3.0質量%、さらに好ましくは0〜2質量%、詳しくは0〜2.0質量%、一層好ましくは0〜1質量%、詳しくは0〜1.0質量%の範囲であり、より一層好ましくは0質量%、即ちGeフリーガラスであることが特に好ましい。なお「酸化物基準のガラス組成」とは、ガラス原料が熔融時にすべて分解されて光学ガラス中で酸化物として存在するものとして換算することにより得られるガラス組成をいうものとする。
次に本発明の一態様にかかる光学ガラスのより好ましい態様について説明する。
Si4+は、上記のようにガラスネットワーク形成成分であり、ガラス安定性の維持、熔融ガラスの成形に適した粘性の維持および化学的耐久性の改善に効果的な成分である。前記効果を高める上からSi4+の含有量を1%以上とすることが好ましく、3%以上、詳しくは3.0%以上とすることがより好ましく、4%以上、詳しくは4.0%以上とすることがさらに好ましく、5%以上、詳しくは5.0%以上とすることが一層好ましく、6%以上、詳しくは6.0%以上とすることがより一層好ましく、7%以上、詳しくは7.0%以上とすることがさらに一層好ましく、8%以上、詳しくは8.0%以上とすることがなお一層好ましい。一方、所望の屈折率、アッベ数を実現し、液相温度やガラス転移温度の上昇を抑制し、耐失透性、熔融性を維持する上から、Si4+の含有量を30%以下、詳しくは30.0%以下とすることが好ましく、25%以下、詳しくは25.0%以下とすることがより好ましく、20%以下、詳しくは20.0%以下とすることがさらに好ましく、18%以下と、詳しくは18.0%以下することが一層好ましく、15%以下、詳しくは15.0%以下とすることがより一層好ましく、12%以下、詳しくは12.0%以下とすることがさらに一層好ましく、11%以下、詳しくは11.0%以下とすることがなお一層好ましい。
3+は、上記のようにガラスネットワーク形成成分であり、ガラスの熔融性維持、液相温度の低下とガラス安定性の向上および低分散化に有効な必須成分である。前記効果を高める上から、B3+の含有量を5%以上とすることが好ましく、10%以上、詳しくは10.0%以上とすることがより好ましく、15%以上、詳しくは15.0%以上とすることがさらに好ましく、20%以上、詳しくは20.0%以上とすることが一層好ましく、25%以上、詳しくは25.0%以上とすることがより一層好ましく、28%以上、28.0%以上とすることがさらに一層好ましい。一方、所望の屈折率を実現し、化学的耐久性を維持する上から、B3+の含有量を55%以下、詳しくは55.0%以下とすることが好ましく、45%以下、詳しくは45.0%以下とすることがより好ましく、40%以下、詳しくは40.0%以下とすることがさらに好ましく、38%以下、詳しくは38.0%以下とすることが一層好ましく、35%以下、詳しくは35.0%以下とすることがより一層好ましく、33%以下、詳しくは33.0%以下とすることがさらに一層好ましい。
La3+は、ガラス安定性を維持しつつ、高屈折率低分散化する働きに優れた成分である。また、ΔPg,Fを低下させる働きもする。前記効果を高める上から、La3+の含有量を10%以上、詳しくは10.0%以上とすることが好ましく、15%以上、詳しくは15.0%以上とすることがより好ましく、18%以上、詳しくは18.0%以上とすることがさらに好ましく、20%以上、詳しくは20.0%以上とすることが一層好ましく、22%以上、詳しくは22.0%以上とすることがより一層好ましく、24%以上、詳しくは24.0%以上とすることがさらに一層好ましく、26%以上、詳しくは26.0%以上とすることがなお一層好ましい。一方、耐失透性を維持し、液相温度の上昇を抑制する上から、La3+の含有量を50%以下、詳しくは50.0%以下とすることが好ましく、45%以下、詳しくは45.0%以下とすることがより好ましく、40%以下、詳しくは40.0%以下とすることがさらに好ましく、35%以下、詳しくは35.0%以下とすることが一層好ましく、33%以下、詳しくは33.0%以下とすることがより一層好ましく、32%以下、詳しくは32.0%以下にすることがさらに一層好ましく、31%以下、詳しくは31.0%以下とすることがなお一層好ましい。
Gd3+、Y3+、Yb3+はいずれもLa3+と共存させることにより液相温度を低下させ、耐失透性を大幅に改善する働きをする。また、ΔPg,Fを低下させる働きもする。前記
効果を高める上から、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量を0.5%以上とすることが好ましく、1%以上、詳しくは1.0%以上とすることがより好ましく、2%以上、詳しくは2.0%以上とすることがさらに好ましく、3%以上、詳しくは3.0%以上とすることが一層好ましく、4%以上とすることがより一層好ましく、5%以上とすることがさらに一層好ましく、5.5%以上とすることがなお一層好ましい。一方、耐失透性を維持し、液相温度の上昇を抑制する上から、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量を35%以下、詳しくは35.0%以下とすることが好ましく、30%以下、詳しくは30.0%以下とすることがより好ましく、25%以下、詳しくは25.0%以下とすることがさらに好ましく、20%以下、詳しくは20.0%以下とすることが一層好ましく、15%以下、詳しくは15.0%以下とすることがより一層好ましく、10%以下、詳しくは10.0%以下とすることがさらに一層好ましく、7%以下、詳しくは7.0%以下とすることがなお一層好ましい。
液相温度を低下させ、耐失透性を改善する上から、Gd3+の含有量の好ましい範囲は0〜20%である。詳しくは、0〜20.0%の範囲であることができる。Gd3+の含有量の好ましい上限は15%、詳しくは15.0%、より好ましい上限は13%、詳しくは13.0%、さらに好ましい上限は11%、詳しくは11.0%、一層好ましい上限は9%、詳しくは9.0%、より一層好ましい上限は7%、詳しくは7.0%である。Gd3+の含有量の好ましい下限は0.5%、より好ましい下限は1%、詳しくは1.0%、さらに好ましい下限は2%、詳しくは2.0%、一層好ましい下限は3%、詳しくは3.0%、より一層好ましい下限は4%、詳しくは4.0%である。なおGd3+の含有量を0%にすることもできる。
液相温度を低下させ、耐失透性を改善する上から、Y3+の含有量の好ましい範囲は0〜15%、詳しくは0〜15.0%である。Y3+の含有量の好ましい上限は10%、詳しくは10.0%、より好ましい上限は7%、詳しくは7.0%、さらに好ましい上限は5%、詳しくは5.0%、一層好ましい上限は3%、詳しくは3.0%、より一層好ましい上限は2%、詳しくは2.0%である。Y3+の含有量の好ましい下限は0.1%である。なおY3+の含有量を0%にすることもできる。
液相温度を低下させ、耐失透性を改善する上から、Yb3+の含有量の好ましい範囲は0〜10%、詳しくは0〜10.0%、より好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、さらに好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%である。なおYb3+の含有量を0%にすることもできる。Yb3+は、赤外領域に吸収を持つために、高精度のビデオカメラや監視カメラなど、近赤外領域の感光特性が求められる高感度の光学系への使用に適さない。Yb3+の含有量を低減したガラスは、上記用途には好適である。酸化物基準のガラス組成におけるYb23量としては、2質量%未満であることが好ましく、1.8質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以下であることがさらに好ましく、1.2質量%以下であることが一層好ましく、さらに1.0質量%以下、0.9質量%以下、0.8質量%以下、0.7質量%以下、0.6質量%以下、0.5質量%以下、0.3質量%以下、0.1質量%以下、0質量%の順に好ましい。
Ti4+、Nb5+、W6+、Bi3+は、前述のように屈折率を高めるとともにアッベ数を減少させ、耐失透性を改善し、液相温度の上昇を抑制し、化学的耐久性を改善する働きをする。Ta5+も同様の働きをすることができる成分である。前記効果を高める上から、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+およびBi3+の合計含有量を13%以上、詳しくは13.0%以上とすることが好ましく、13.5%以上とすることがより好ましく、14%以上、詳しくは14.0%以上とすることが一層好ましく、14.5%以上とすることがより一層好ましい。一方、アッベ数を所望の範囲内に維持しつつ、耐失透性を維持、液相温度の上昇を抑制し、ガラスの着色を改善する上から、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+およびBi3+の合計含有量を30%以下、詳しくは30.0%以下とすることが好ましく、28%以下、詳しくは280%以下とすることがより好ましく、26%以下、詳しくは26.0%以下とすることがさらに好ましく、24%以下、詳しくは24.0%以下とすることが一層好ましく、22%以下、詳しくは22.0%以下とすることがより一層好ましく、20%以下、詳しくは20.0%以下とすることがなお一層好ましく、17.5%以下とすることが特に好ましい。
Ti4+は上記効果に加え、ΔPg,Fを増加させる作用を有する。したがって、Ti4+の含有量の好ましい上限は18%、詳しくは18.0%、より好ましい上限は17%、詳しくは17.0%、さらに好ましい上限は16%、詳しくは16.0%、一層好ましい上限は15%、詳しくは15.0%、より一層好ましい上限は14%、詳しくは14.0%、さらに一層好ましい上限は13%、詳しくは13.0%、なお一層好ましい上限は12%、詳しくは12.0%である。Ti4+は高屈折率高分散化成分の中でも耐失透性を改善し、液相温度の上昇抑制効果に優れている。したがって、Ti4+の含有量の好ましい下限は1%、詳しくは1.0%、より好ましい下限は2%、詳しくは2.0%、さらに好ましい下限は3%、詳しくは3.0%、一層好ましい下限は4%、詳しくは4.0%、より一層好ましい下限は5%、詳しくは5.0%、さらに一層好ましい下限は6%、詳しくは6.0%、なお一層好ましい下限は7%、詳しくは7.0%である。
Nb5+は上記効果に加え、ΔPg,Fを増加させる作用を有するものの、Ti4+やW6+と比較し、ΔPg,Fを増加させにくい成分である。したがって、Nb5+の含有量の好ましい上限は30%、詳しくは30.0%、より好ましい上限は25%、詳しくは25.0%、さらに好ましい上限は20%、詳しくは20.0%、一層好ましい上限は15%、詳しくは15.0%、より一層好ましい上限は10%、詳しくは10.0%、さらに一層好ましい上限は8%、詳しくは8.0%である。Nb5+は高屈折率高分散化成分の中でも耐失透性を改善し、液相温度の上昇抑制効果に優れている。したがって、Nb5+の含有量の好ましい下限は0.5%、より好ましい下限は1%、詳しくは1.0%、さらに好ましい下限は2%、詳しくは2.0%、一層好ましい下限は3%、詳しくは3.0%、より一層好ましい下限は4%、詳しくは4.0%、さらに一層好ましい下限は5%、詳しくは5.0%である。
Ta5+は上記効果に加え、ΔPg,Fを増加させる作用を有するものの、Ti4+、W6+、Nb5+と比較し、ΔPg,Fを増加させにくい成分である。したがって、Ta5+の含有量の好ましい範囲は0〜10%、詳しくは0〜10.0%、より好ましい範囲は0〜8%、詳しくは0〜8.0%、さらに好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、一層好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%である。なおTa5+の含有量を0%にすることもできる。
また、Ta5+は、Ti4+、Nb5+、W6+、Bi3+と比べ、ΔPg,Fを増加させにくい成分であるものの、希少原料であり、原料費が高い。したがって、安定的に光学ガラスを提供する上からは、Ta5+の含有量を削減することが好ましい。この観点から、Ti4+、Nb5+、W6+、Bi3+およびTa5+の合計含有量に対するTa5+の含有量のカチオン比(Ta5+/(Ti4++Nb5++W6++Bi3++Ta5+))は0.45以下にすることが好ましく、0.40以下にすることがより好ましく、0.30以下にすることがさらに好ましく、0.20以下にすることが一層好ましく、0.10以下にすることがさらに一層好ましく、0.00であることが特に好ましい。
6+は上記効果に加え、ΔPg,Fを増加させる作用を有する。したがって、W6+の含有量の好ましい範囲は0〜10%、詳しくは0〜10.0%、より好ましい範囲は0〜7%、詳しくは0〜7.0%、さらに好ましい範囲は0〜5%、詳しくは0〜5.0%、一層好ましい範囲は0〜3%、詳しくは0〜3.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%である。なおW6+の含有量を0%にすることもできる。また、酸化物基準のガラス組成におけるWO3量としては、10質量%未満であることが好ましく、9質量%未満であることがより好ましく、8質量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下であることが一層好ましく、0質量%であってもよい。
Bi3+は上記効果に加え、ΔPg,Fを増加させる作用を有する。また、Bi3+導入のためのガラス原料は希土類成分を多量に含むことがあり、熔融温度が高いガラスではガラスの着色を増大させることがある。したがって、Bi3+の含有量の好ましい範囲は0〜10%、詳しくは0〜10.0%、より好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、さらに好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、さらに一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%である。なおBi3+の含有量を0%にすることもできる。
Zr4+は、屈折率を高め、化学的耐久性を改善する働きをし、Ti4+との共存により耐失透性を改善し、液相温度上昇を抑制する働きをする。前記効果を得るために、Zr4+の含有量を1%以上にすることが好ましい。ガラス転移温度や液相温度の上昇、耐失透性の低下を抑制する観点からは、Zr4+の含有量の好ましい上限は15%、詳しくは15.0%である。Zr4+の含有量の好ましい上限は10%、詳しくは10.0%、より好ましい上限は8%、詳しくは8.0%、さらに好ましい上限は7%、詳しくは7.0%であり、Zr4+の含有量のより好ましい下限は2%、詳しくは2.0%、さらに好ましい下限は3%、詳しくは3.0%、一層好ましい下限は4%、詳しくは4.0%である。
Zn2+は、屈折率やガラス安定性を低下させるが、ガラスの熔融性、清澄性を改善する働きをする。しかし、過剰に含有させると屈折率が低下したり、ガラス安定性が低下傾向を示すので、Zn2+の含有量の好ましい範囲は0〜15%、詳しくは0〜15.0%である。Zn2+の含有量は、より好ましくは12%以下、詳しくは12.0%以下、さらに好ましくは10%以下、詳しくは10.0%以下、一層好ましくは8%以下、詳しくは8.0%以下、より一層好ましくは6%以下、詳しくは6.0%以下、さらに一層好ましくは6.0%未満、さらにより一層好ましくは5.5%以下、さらになお一層好ましくは5%以下、詳しくは5.0%以下、特に好ましくは4.5%以下である。必須成分または任意成分として含まれるSi4+、La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+、Zr4+の酸化物はいずれも融点が極めて高く、熔融性、清澄性を悪化させる働きがあるため、熔融性、清澄性の改善効果があるZn2+を含有させることが好ましい。Zn2+の含有量の好ましい下限は0.1%、より好ましい下限は0.5%、さらに好ましい下限は0.8%、一層好ましい下限は1%、詳しくは1.0%、より一層好ましい下限は1.5%、さらに一層好ましい下限は2%、詳しくは2.0%である。
また、高屈折率ガラスを得る観点から、La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+、Ti4+、Nb5+、Zr4+、Ta5+、W6+の合計含有量は50%以上であることが好ましく、51%以上であることがより好ましく、52%以上であることがさらに好ましく、53%以上であることが一層好ましく、54%以上であることがより一層好ましく、55%以上であることがさらに一層好ましい。
Li+、Na+およびK+は、熔融性を改善し、ガラス転移温度を低下させる働きをする任意成分である。高屈折率化を実現しつつ、液相温度の上昇、ガラス安定性および化学的耐久性の低下を抑制する観点から、Li+、Na+およびK+の合計含有量は0〜10%の範囲、詳しくは0〜10.0%の範囲にすることが好ましい。Li+、Na+およびK+の合計含有量のより好ましい範囲は0〜8%、詳しくは0〜8.0%、さらに好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、一層好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、なお一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%であり、上記アルカリ金属成分を含まないことが特に一層好ましい。
Li+、Na+およびK+の各成分の含有量については、それぞれ好ましい範囲は0〜10%、詳しくは0〜10.0%、より好ましい範囲は0〜7%、詳しくは0〜7.0%、より好ましい範囲は0〜5%、詳しくは0〜5.0%、さらに好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、一層好ましい範囲は0〜3%、詳しくは0〜3.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、さらにより一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%であり、上記各アルカリ金属成分を含まないことがなお一層好ましい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+は、ガラスの熔融性を改善し、ガラス転移温度Tgを低下させる働きをする。また、硝酸塩、硫酸塩の形でガラスに導入することにより、脱泡効果を得ることもできる。Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量を増量していくと液相温度が上昇傾向を示し、耐失透性、屈折率、化学的耐久性がそれぞれ低下傾向を示す。液相温度の上昇を抑制し、耐失透性、屈折率、化学的耐久性を維持する上から、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量を0〜10%、詳しくは0〜10.0%とすることが好ましい。Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量のより好ましい範囲は0〜8%、詳しくは0〜8.0%、さらに好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、一層好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、さらに一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%であり、上記アルカリ土類金属成分を含まなくてもよい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の各成分の含有量については、それぞれ好ましい範囲は0〜10%、詳しくは0〜10.0%、より好ましい範囲は0〜7%、詳しくは0〜7.0%、より好ましい範囲は0〜5%、詳しくは0〜5.0%、さらに好ましい範囲は0〜3%、詳しくは0〜3.0%、一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、より一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%であり、上記各アルカリ土類金属成分を含まなくてもよい。
Ge4+は、ガラスネットワーク形成成分であり、屈折率を高める働きもするため、ガラス安定性を維持しつつ屈折率を高めることができる成分であるが、他の成分と比較して格段に高価な成分であり、その含有量を控えることが望まれる成分である。本発明の一態様にかかる光学ガラスでは、上記のように組成を定めているので、Ge4+の含有量を、例えば10%以下に抑えても、所望の光学特性の実現と優れたガラス安定性の実現を両立することができる。したがって、Ge4+の含有量を0〜10%、詳しくは0〜10.0%とすることが好ましい。Ge4+の含有量のより好ましい範囲は0〜8%、詳しくは0〜8.0%、さらに好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、一層好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、さらには0〜3.5%、0〜3%、詳しくは0〜3.0%、0〜2.5%、0〜2%、詳しくは0〜2.0%、0〜1.5%、0〜0.5の順により一層好ましい。Ge4+を含まないこと、すなわちGeフリーガラスであることが特に好ましい。
Al3+は、少量であればガラス安定性および化学的耐久性を改善する働きをするが、その量が10%を超えると液相温度が上昇し、耐失透性が悪化する傾向を示す。したがって、Al3+の含有量を0〜10%、詳しくは0〜10.0%とすることが好ましい。Al3+の含有量のより好ましい範囲は0〜8%、詳しくは0〜8.0%、さらに好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、一層好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、なお一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%であり、Al3+を含まないことが特に好ましい。
Te4+は、屈折率を高める働きするが、環境への負荷に配慮すると、その含有量を0〜10%、詳しくは0〜10.0%にすることが好ましい。Te4+の含有量のより好ましい範囲は0〜8%、詳しくは0〜8.0%、さらに好ましい範囲は0〜6%、詳しくは0〜6.0%、一層好ましい範囲は0〜4%、詳しくは0〜4.0%、より一層好ましい範囲は0〜2%、詳しくは0〜2.0%、なお一層好ましい範囲は0〜1%、詳しくは0〜1.0%であり、さらに一層好まくは0.5%未満であり、0.3%未満であることがさらにより一層好ましく、0.1%未満であることがなおより一層好ましく、Te4+を含まないこと、すなわちTeフリーガラスであることが特に好ましい。
なお、所望の光学ガラスを得る上から、上記カチオン成分以外の任意のカチオン成分の含有量を0〜5%とすることが好ましく、0〜4%、詳しくは0〜4.0%とすることがより好ましく、0〜3%、詳しくは0〜3.0%とすることがさらに好ましく、0〜2.5%とすることが一層好ましく、0〜2%、詳しくは0〜2.0%とすることがより一層好ましく、0〜1.5%とすることがさらに一層好ましく、0〜1%、詳しくは0〜1.0%とすることがなお一層好ましく、0〜0.5%とすることが特に好ましい。上記カチオン成分以外の任意のカチオン成分の含有量を0%としてもよい。
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、所要の光学特性を実現しつつガラス安定性を維持することができるため、Lu、Hf、Ga、In、Scといった成分を含有させなくてよい。Lu、Hf、Ga、In、Scも高価な成分なので、Lu3+、Hf4+、Ga3+、In3+、Sc3+の含有量をそれぞれ0〜1.0%に抑えることが好ましく、それぞれ0〜0.5%に抑えることがより好ましく、Lu3+を導入しないこと、Hf4+を導入しないこと、Ga3+を導入しないこと、In3+を導入しないこと、Sc3+を導入しないことがそれぞれ特に好ましい。
Sbは、清澄剤として添加可能であり、少量の添加でFeなどの不純物混入による光線透過率の低下を抑える働きもするが、酸化物に換算し、Sb23として外割りで1質量%を超えて添加するとガラスが着色したり、その強力な酸化作用によって成形型の成形面劣化を助長してしまう。したがって、Sb23に換算してSbの添加量は、外割りで0〜1質量%が好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%、さらに好ましくは0〜0.1質量%である。
Snも清澄剤として添加可能であるが、SnO2に換算して外割りで1質量%を超えて添加するとガラスが着色したり、酸化作用によって成形型の成形面劣化を助長してしまう。したがって、SnO2に換算してSnの添加量は、外割りで0〜1質量%が好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%である。
上記の他に、Ce酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、フッ化物を清澄剤として少量、添加することもできる。
また、環境影響に配慮し、As、Pb、U、Th、Cdも導入しないことが好ましい。特に、環境影響への配慮から、本発明の一態様にかかる光学ガラスは、Pbを含まないものとする。
さらに、ガラスの優れた光線透過性を活かす上から、Cu、Cr、V、Fe、Ni、Co、Nd、Tbなどの着色の要因となる物質を導入しないことが好ましい。
なお本明細書および本発明において、「導入しない」、「含有しない」、「構成成分の含有量が0%」とは、この構成成分がガラス成分として導入されないことを意味する。ただし不純物として意図せず混入することは許容するものとする。
本発明の一態様にかかる光学ガラスは酸化物ガラスであり、主要アニオン成分はO2-である。前述のように清澄剤としてCl-、F-を少量添加することも可能であるが、高屈折率低分散性を有し、優れたガラス安定性を備える光学ガラスを提供する上から、O2-の含有量を98アニオン%以上とすることが好ましく、99アニオン%以上にすることがより好ましく、99.5アニオン%以上にすることがより好ましく、100アニオン%にすることが一層好ましい。
(液相温度)
高屈折率ガラスは、多量の高屈折率化成分(例えばLa3+(La23)、Gd3+(Gd23)、Y3+(Y23)、Yb3+(Yb23)、Ti4+(TiO2)、Nb5+(Nb25)、Ta5+(Ta25)、W6+(WO 3 )、Zr4+(ZrO2))を含有するが、これらの成分はいずれも単独での融点が極めて高い。そして、高屈折率化成分の総量が多いと、アルカリ金属成分、アルカリ土類金属成分などの熔融温度を低下させる働きのある成分の総量が相対的に減少し、熔融性、耐失透性が低下するため、均質なガラスを得るためには熔融温度を高めなければならない。
熔融温度が高くなるとガラス融液の侵蝕性が強まり、熔融容器が侵蝕され、容器を構成する材料、例えば白金、白金合金などがガラス融液に溶け込んでガラスを着色させたり、白金異物になったりする。また、熔融温度が高いとB3+などの揮発しやすい成分が揮発して、ガラス組成が経時的に変化し、光学特性が変動するという問題も起こる。
このような問題を解決するには、熔融温度の上昇を抑えればよい。熔融温度範囲は均質なガラス融液が得られる温度域と考えればよく、その温度域の下限は概ね液相温度の上昇・下降に連動して変化すると考えてよい。したがって、液相温度の上昇を抑えることができれば熔融温度の上昇も抑制することができる。
また液相温度の上昇を抑えることができれば、ガラス成形時の失透防止に有効であり、ガラスの粘性も成形に適した範囲に調整することができ、高品質のガラス成形体を作製しやすくなる。
以上より、本発明の一態様にかかる光学ガラスの好ましい態様は、液相温度が1400℃以下のガラスである。液相温度の好ましい上限は1350℃、より好ましい上限は1300℃、さらに好ましい上限は1280℃、一層好ましい上限は1270℃、より一層好ましい上限は1260℃、さらに一層好ましい上限は1200℃である。ただし、液相温度を過剰に低くすると所要の光学特性を維持することが困難になるため、ガラスの安定的製造が可能な範囲で液相温度の下限を設けてもよい。このような観点から液相温度の好ましい下限は1100℃、より好ましい下限は1150℃、さらに好ましい下限は1160℃、一層好ましい下限は1170℃、より一層好ましい下限は1180℃である。
(比重)
本発明の一態様にかかる光学ガラスは高屈折率ガラスであるが、一般にガラスは高屈折率化すると比重が増加傾向を示す。しかし比重の増加は光学素子の重量増加を招くため好ましくない。これに対し本発明の一態様にかかる光学ガラスは、上記ガラス組成を有することにより、高屈折率ガラスでありながら比重を6.00以下にすることができる。ただし、比重を過剰に減少させるとガラスの安定性が低下し、液相温度が上昇する傾向を示すため、比重は4.00以上とすることが好ましい。比重のより好ましい上限は5.50、さらに好ましい上限は5.30、一層好ましい上限は5.20、より一層好ましい上限は5.15である。比重のより好ましい下限は4.30、さらに好ましい下限は4.50、一層好ましい下限は4.80、より一層好ましい下限は4.90である。
(透過率特性)
次に、本発明の一態様にかかる光学ガラスの光線透過性について説明する。
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、可視域の広い波長域にわたり高い光線透過率を示すことができる。本発明の一態様にかかる光学ガラスの好ましい態様では、λ70が500nm以下の着色度を示す。λ70のより好ましい範囲は480nm以下、さらに好ましい範囲は460nm以下、一層好ましい範囲は440nm以下、より一層好ましい範囲は430nm以下である。λ70の下限は特に限定されるものではないが、λ70を減少させるために高屈折率高分散化成分量を過剰に減少してしまうと、屈折率、アッベ数、耐失透性を維持することが難しくなるので、λ70を過剰に減少させないことが好ましい。このような観点からλ70の好ましい下限は360nm、より好ましい下限は370nm、さらに好ましい下限は380nm、一層好ましい下限は390nm、より一層好ましい下限は400nmである。
ここでλ70とは、波長280〜700nmの範囲において光線透過率が70%になる波長のことである。ここで、光線透過率とは、10.0±0.1mmの厚さに研磨された互いに平行な面を有するガラス試料を用い、前記研磨された面に対して垂直方向から光を入射して得られる分光透過率、すなわち、前記試料に入射する光の強度をIin、前記試料を透過した光の強度をIoutとしたときのIout/Iinのことである。分光透過率には、試料表面における光の反射損失も含まれる。また、上記研磨は測定波長域の波長に対し、表面粗さが十分小さい状態に平滑化されていることを意味する。本発明の一態様にかかる光学ガラスは、λ70よりも長波長側の可視域では、光線透過率が70%を超えることが好ましい。
λ5は、λ70について前記した方法で測定される光線透過率が5%となる波長であり、λ5の好ましい範囲は400nm以下、より好ましい範囲は390nm以下、さらに好ましい範囲は380nm以下、一層好ましい範囲は370nm以下、より一層好ましい範囲は360nm以下である。λ5の下限についても、λ70の下限と同様のことが言える。λ5の好ましい下限は300nm、好ましい下限は320nm、好ましい下限は330nm、好ましい下限は340nm、好ましい下限は350nmである。
上記分光透過率は、前述のように波長280〜700nmの範囲で測定されるが、通常、λ5から波長を長くしていくと光線透過率が増加し、λ70に達すると波長700nmまで70%以上の高透過率を保つ。
(ガラス転移温度)
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、研磨により平滑な光学機能面を形成するために好適なガラスである。研磨などの冷間加工の適性、すなわち冷間加工性は間接的ながらガラス転移温度と関連がある。ガラス転移温度が低いガラスは冷間加工性よりも精密プレス成形に好適であるのに対し、ガラス転移温度が高いガラスは精密プレス成形よりも冷間加工に好適であって、冷間加工性に優れる。したがって、本発明の一態様にかかる光学ガラスにおいてもガラス転移温度を過剰に低くしないことが好ましく、630℃超にすることが好ましく、640℃以上にすることがより好ましく、650℃以上にすることがさらに好ましく、660℃以上にすることが一層好ましく、670℃以上にすることがより一層好ましく、680℃以上にすることがさらに一層好ましく、690℃以上にすることがさらにより一層好ましい。
ただし、ガラス転移温度が高すぎるとガラスを再加熱、軟化して成形する際の加熱温度が高くなり、成形に使用する金型の劣化が著しくなったり、アニール温度も高温になり、アニール炉の劣化、消耗も著しくなる。したがって、ガラス転移温度は850℃以下とすることが好ましく、800℃以下にすることがより好ましく、750℃以下にすることがさらに好ましい。
本発明の一態様にかかる光学ガラスは、上記本発明の一態様にかかる光学ガラスが得られるようにガラス原料を調合し、このガラス原料を加熱により熔融し、得られた熔融ガラスを成形することにより製造することができる。
例えば、粉体状の化合物原料またはカレット原料を目的のガラス組成に対応して秤量、調合し、白金製または白金合金製の熔融容器内に供給した後、これを加熱することで熔融する。上記原料を十分に熔融してガラス化した後、この熔融ガラスの温度を上昇させて清澄を行う。清澄した熔融ガラスを攪拌器による攪拌によって均質化し、ガラス流出パイプに連続供給、流出し、急冷、固化してガラス成形体を得る。
なお、光学ガラスの熔融温度は1250〜1500℃の範囲にすることが、均質、低着色かつ光学特性を含む諸特性の安定したガラスを得る上から望ましい。
他の一態様にかかる光学ガラスとして、カチオン%表示にて、
Si4+およびB3+を合計で10.0〜60.0%、
La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+を合計で25.0〜70.0%、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+を合計で10.0〜20.0%、
含み、
Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))が1.90〜7.00である酸化物ガラスであり、かつ、
屈折率ndが1.88〜2.00の範囲であり、アッベ数νdが28.0〜34.0の範囲であり、下記式:
ΔPg,F=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
[式中、Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、(ng−nF)/(nF−nC)で表される部分分散比を表し、νdはアッベ数を表す。]
により求められる部分分散比Pg,Fのノーマルラインからの偏差ΔPg,Fが0.0005以下である光学ガラス、
も提供される。詳細については、上述の本発明の一態様にかかる光学ガラスに関する記載を参照できる。
[プレス成形用ガラスブ]
本発明の一態様にかかるプレス成形用ガラスゴブは前記した本発明の一態様にかかる光学ガラスからなる。ゴブの形状は、目的とするプレス成形品の形状に応じてプレス成形しやすい形状にすることが好ましい。また、ゴブの質量もプレス成形品に合わせて設定することが好ましい。本発明においては、安定性に優れたガラスを使用することができるので、再加熱、軟化してプレス成形してもガラスが失透しにくく、高品質の成形品を安定して生産することができる。



プレス成形用ガラスゴブの製造例は以下のとおりである。
第1の製造例においては、流出パイプの下方に水平に配置した鋳型にパイプから流出する熔融ガラスを連続的に鋳込み、一定の厚みを有する板状に成形する。成形されたガラスは鋳型側面に設けた開口部から水平方向へと連続して引き出される。板状ガラス成形体の引き出しはベルトコンベアによって行う。ベルトコンベアの引き出し速度を一定にしてガラス成形体の板厚が一定になるように引き出すことにより、所定の厚み、板幅のガラス成形体を得ることができる。ガラス成形体はベルトコンベアによりアニール炉内へと搬送され、徐冷される。徐冷したガラス成形体を板厚方向に切断あるいは割断し、研磨加工を施したり、バレル研磨を施してプレス成形用ガラスゴブにする。
第2の製造例においては、上記鋳型の代わりに円筒状の鋳型内に熔融ガラスを鋳込んで円柱状のガラス成形体を成形する。鋳型内で成形されたガラス成形体は鋳型底部の開口部から一定の速度で鉛直下方に引き出される。引き出し速度は鋳型内での熔融ガラス液位が一定になるように行えばよい。ガラス成形体を徐冷した後、切断もしくは割断して、研磨加工またはバレル研磨を施してプレス成形用ガラスゴブとする。
第3の製造例においては、流出パイプの下方に円形のターンテーブルの円周上に複数個の成形型を等間隔に配置した成形機を設置し、ターンテーブルをインデックス回転し、成形型の停留位置の一つを成形型に熔融ガラスを供給する位置(キャスト位置という)として熔融ガラスを供給し、供給した熔融ガラスをガラス成形体に成形した後、キャスト位置とは異なる所定の成形型の停留位置(テイクアウト位置)からガラス成形体を取り出す。テイクアウト位置をどの停留位置にするかは、ターンテーブルの回転速度、ガラスの冷却速度などを考慮して定めればよい。キャスト位置における成形型への熔融ガラスの供給は、流出パイプのガラス流出口から熔融ガラスを滴下し、ガラス滴を上記成形型で受ける方法、キャスト位置に停留する成形型をガラス流出口に近づけて流出する熔融ガラス流の下端部を支持し、ガラス流の途中にくびれを作り、所定のタイミングで成形型を鉛直方向に急降下することによりくびれより下の熔融ガラスを分離して成形型上に受ける方法、流出する熔融ガラス流を切断刃で切断し、分離した熔融ガラス塊をキャスト位置に停留する成形型で受ける方法などにより行うことができる。
成形型上でのガラスの成形は公知の方法を用いればよい。中でも成形型から上向きにガスを噴出してガラス塊に上向きの風圧を加え、ガラスを浮上させながら成形すると、ガラス成形体の表面にシワができたり、成形型との接触によってガラス成形体にカン割れが発生することを防止することができる。
ガラス成形体の形状は、成形型形状の選択や上記ガスの噴出の仕方により、球状、回転楕円体状、回転対象軸を1つ有し、該回転対象軸の軸方向を向いた2つの面が共に外側に凸状である形状等にすることができる。これらの形状はレンズなどの光学素子または光学素子ブランクをプレス成形するためのガラスゴブに好適である。このようにして得られたガラス成形体はそのまま、または表面を研磨もしくはバレル研磨してプレス成形用ガラスゴブにすることができる。
[光学素子ブランク]
次に本発明の一態様にかかる光学素子ブランクについて説明する。
本発明の一態様にかかる光学素子ブランクは、前記した本発明の一態様にかかる光学ガラスからなる。本発明の一態様にかかる光学素子ブランクは、前記した本発明の一態様にかかる光学ガラスが供える諸性質を有する光学素子を作製するためのガラス母材として好適である。
なお、光学素子ブランクは、目的とする光学素子の形状に、研削および研磨により除去する加工しろを加えた光学素子の形状に近似する形状を有するガラス成形体である。
上記光学素子ブランクの製造方法の第一の態様は、研削および研磨により光学素子に仕上げられる光学素子ブランクの製造方法において、上記本発明の一態様にかかるプレス成形用ガラスゴブを加熱により軟化してプレス成形する。この方法は、再加熱プレス成形法とも呼ばれる。
上記光学素子ブランクの製造方法の第二の態様は、研削および研磨により光学素子に仕上げられる光学素子ブランクの製造方法において、ガラス原料を加熱により熔融し、得られた熔融ガラスをプレス成形することにより、前記本発明の一態様にかかる光学素子ブランクを作製する。この方法はダイレクトプレス成形法とも呼ばれる。
上記第一の態様では、目的とする光学素子の表面形状を反転した形状に近似する形状の成形面を有するプレス成形型を用意する。プレス成形型は上型、下型そして必要に応じて胴型を含む型部品によって構成される。
次にプレス成形用ガラスゴブを加熱により軟化してから予熱された下型に導入し、下型と対向する上型とでプレスし、光学素子ブランクに成形する。このとき、プレス成形時のガラスと成形型の融着を防ぐため、プレス成形用ガラスゴブの表面に予め窒化ホウ素などの粉末状離型剤を均一に塗布してもよい。
次に光学素子ブランクを離型してプレス成形型から取り出し、アニール処理する。このアニール処理によってガラス内部の歪を低減し、屈折率などの光学特性が所望の値になるようにする。
ガラスゴブの加熱条件、プレス成形条件、プレス成形型に使用する材料などは公知のものを適用すればよい。以上の工程は大気中で行うことができる。
第二の態様では、上型、下型、必要に応じて胴型を含む型部品によりプレス成形型を構成する。前述のように光学素子ブランクの表面形状を反転した形状にプレス成形型の成形面を加工する。
下型成形面上に適宜、窒化ホウ素などの粉末状離型剤を均一に塗布し、前述の光学ガラスの製造方法にしたがい熔融した熔融ガラスを下型成形面上に流出し、下型上の熔融ガラス量が所望の量になったところで熔融ガラス流をシアと呼ばれる切断刃で切断する。こうして下型上に熔融ガラス塊を得た後、上方に上型が待機する位置に熔融ガラス塊ごと下型を移動し、上型と下型とでガラスをプレスし、光学素子ブランクに成形する。
次に光学素子ブランクを離型してプレス成形型から取り出し、アニール処理する。このアニール処理によってガラス内部の歪を低減し、屈折率などの光学特性が所望の値になるようにする。
ガラスゴブの加熱条件、プレス成形条件、プレス成形型に使用する材料などは公知のものを適用すればよい。以上の工程は大気中で行うことができる。
[光学素子]
次に本発明の一態様にかかる光学素子について説明する。
本発明の一態様にかかる光学素子は、前記した本発明の一態様にかかる光学ガラスからなる。本発明の一態様にかかる光学素子は、前記した本発明の一態様にかかる光学ガラスが供える諸性質を有するため、光学系の高機能化、コンパクト化に有効である。本発明の光学素子としては、各種レンズ、プリズムなどを例示することができる。さらにレンズの例としては、レンズ面が球面または非球面である、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの各種レンズを示すことができる。
こうしたレンズは、超低分散ガラス製のレンズと組み合わせることにより色収差を補正することができ、色収差補正用のレンズとして好適である。また、光学系のコンパクト化にも有効なレンズである。本発明の一態様にかかる光学素子は、同等の屈折率、アッベ数を有する光学ガラスよりもΔPg,Fが小さいガラスにより作製されているため、高次の色収差補正に好適である。例えば、正の異常部分分散性を有する超低分散ガラス製のレンズと組み合わせることにより、高次の色収差補正をコンパクトな光学系で実現することができる。
また、プリズムについては、屈折率が高いので撮像光学系に組み込むことにより、光路を曲げて所望の方向に向けることによりコンパクトで広い画角の光学系を実現することもできる。
なお本発明の一態様にかかる光学素子の光学機能面には、反射防止膜などの光線透過率を制御する膜を設けることもできる。
次に上記光学素子の製造方法について説明する。
上記光学素子は、前記した光学素子ブランクを加工することにより作製することができる。光学素子ブランクを構成する光学ガラスとして加工性に優れたものを使用することができるので、加工方法としては、公知の方法を適用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例に示す態様に何等限定されるものではない。以下に記載する実施例を参考に、前述の各ガラス成分の含有量の調整法を適用することにより、本発明の一態様にかかる光学ガラスを得ることができる。
(実施例1)
まず、表1示す組成(カチオン%表示)を有する酸化物ガラスNo.1〜22が得られるように、原料として硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物、ホウ酸などを用い、各原料粉末を秤量して十分混合し、調合原料とし、この調合原料を白金製坩堝または白金合金製坩堝に入れて1400℃で加熱、熔融し、清澄、撹拌して均質な熔融ガラスした。
この熔融ガラスを予熱した鋳型に流し込んで急冷し、ガラス転移温度近傍の温度で2時間保持した後、徐冷して酸化物ガラスNo.1〜22の各光学ガラスを得た。いずれのガラス中にも結晶の析出や白金インクルージョンなどの異物の混入は認められなかった。
なお、酸化物ガラスNo.1〜15のアニオン成分は全量、O2-である。
各ガラスの特性は、以下に示す方法で測定した。測定結果を表1に示す。
(1)屈折率ndおよびアッベ数νd
1時間あたり30℃の降温速度で冷却した光学ガラスについて測定した。
(2)部分分散比Pg,F、部分分散比のノーマルラインからの差ΔPg,F
部分分散比Pg,Fは、1時間あたり30℃の降温速度で冷却した光学ガラスについて下記方法により屈折率ng、nF、nCを測定し、これらの値から算出した。
t(1013.98nm)、s(852.11nm)、A’(768.19nm)、r(706.52nm)、C(656.27nm)、C’(643.85nm)、632.8(632.8nm)、D(589.29nm)、d(587.56nm)、e(546.07nm)、F(486.13nm)、F’(479.99nm)、g(435.84nm)、h(404.66nm)、およびi(365.01nm)の計15線について各波長λにおける屈折率nを測定した。
これらの屈折率を用いて最小二乗法により下記分散式(x)の定数(A0、A1、A2、A3、A4、A5)を算出した。算出した定数を用いて下記分散式(x)から、ng,nF,nCを算出し、Pg,Fを求めた。
2=A0+A1λ2+A2λ-2+A3λ-4+A4λ-6+A5λ-8 (x)
部分分散比のノーマルラインからの差ΔPg,Fは、部分分散比Pg,Fおよびアッベ数νdから算出されるノーマルライン上の部分分散比Pg,F(0)から算出した。
(3)ガラス転移温度Tg
熱機械分析装置を用いて、昇温速度4℃/分の条件下で測定した。
(4)屈伏点
熱機械分析装置を用いて、昇温速度4℃/分の条件下で測定した。
(5)液相温度
ガラスを所定温度に加熱された炉内に入れて2時間保持し、冷却後、ガラス内部を100倍の光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。
(6)比重
アルキメデス法により測定した。
(7)λ70、λ5
10.0±0.1mmの厚さに研磨された互いに平行な面を有するガラス試料を用い、分光光度計により、前記研磨された面に対して垂直方向から強度Iinの光を入射し、試料を透過した光の強度Ioutを測定し、光線透過率Iout/Iinを算出し、光線透過率が70%になる波長をλ70、光線透過率が5%になる波長をλ5とした。
(実施例2)
次に実施例1の各光学ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブを次のようにして作製した。
まず、上記各ガラスが得られるようにガラス原料を調合し、白金製坩堝または白金合金製坩堝に投入し、加熱、熔融し、清澄、撹拌して均質な熔融ガラスを得た。次に、熔融ガラスを流出パイプから一定流量で流出し、流出パイプの下方に水平に配置した鋳型に鋳込み、一定の厚みを有するガラス板を成形した。成形されたガラス板を鋳型側面に設けた開口部から水平方向へと連続して引き出し、ベルトコンベアにてアニール炉内へと搬送し、徐冷した。
徐冷したガラス板を切断または割断してガラス片を作製し、これらガラス片をバレル研磨してプレス成形用ガラスゴブにした。
なお、流出パイプの下方に円筒状の鋳型を配置し、この鋳型内に熔融ガラスを鋳込んで円柱状ガラスに成形し、鋳型底部の開口部から一定の速度で鉛直下方に引き出した後、徐冷し、切断もしくは割断してガラス片を作り、これらガラス片をバレル研磨してプレス成形用ガラスゴブを得ることもできる。
(実施例3)
実施例2と同様に熔融ガラスを流出パイプから流出し、成形型で流出する熔融ガラス下端を受けた後、成形型を急降下し、表面張力によって熔融ガラス流を切断し、成形型上に所望の量の熔融ガラス塊を得た。そして、成形型からガスを噴出してガラスに上向きの風圧を加え、浮上させながらガラス塊に成形し、成形型から取り出してアニールした。それからガラス塊をバレル研磨してプレス成形用ガラスゴブとした。
(実施例4)
実施例3で得た各プレス成形用ガラスゴブの全表面に窒化ホウ素粉末からなる離型剤を均一に塗布した後、上記ゴブを加熱により軟化してプレス成形し、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの各種レンズ、プリズムのブランクを作製した。
(実施例5)
実施例2と同様にして熔融ガラスを作製し、熔融ガラスを窒化ホウ素粉末の離型剤を均一に塗布した下型成形面に供給し、下型上の熔融ガラス量が所望量になったところで熔融ガラス流を切断刃で切断した。
こうして下型上に得た熔融ガラス塊を上型と下型でプレスし、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの各種レンズ、プリズムのブランクを作製した。
(実施例6)
実施例4、5で作製した各ブランクをアニールした。アニールによってガラス内部の歪を低減するとともに、屈折率などの光学特性が所望の値になるようにした。
次に各ブランクを研削および研磨して凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの各種レンズ、プリズムを作製した。得られた光学素子の表面には反射防止膜をコートしてもよい。
(実施例7)
実施例2と同様にしてガラス板および円柱状ガラスを作製し、得られたガラス成形体をアニールして内部の歪を低減するとともに、屈折率などの光学特性が所望の値になるようした。
次にこれらガラス成形体を切断、研削および研磨して凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなどの各種レンズ、プリズムのブランクを作製した。得られた光学素子の表面に反射防止膜をコートしてもよい。
本発明の一態様によれば、安定供給が可能であり、かつ優れたガラス安定性を有する色修正補正用の光学素子材料として好適な高屈折率低分散性を備える光学ガラスを提供することができ、更には当該光学ガラスを用いてプレス成形用ガラスゴブ、光学素子ブランクおよび光学素子を提供することができる。
カチオン比(Y 3+ /(La 3+ +Gd 3+ +Y 3+ +Yb 3+ ))に関する検討
図1、2は、カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.180を超える光学ガラスがガラス安定性に劣ることを示すデジタルカメラ写真である。図1、2ついて、以下に詳細を説明する。
表2に示す光学ガラスA、Bは、カチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.180を超える組成を有する。光学ガラスA、Bは、環境への配慮から導入を避けるべき成分であるAs23の代わりにSb23を用いた点を除き、特開昭60−131845号公報の実施例7、8のガラス組成を有する。なお、清澄剤をAs23からSb23へ変更することにより、ガラスの耐失透性はほとんど影響を受けることはない。光学ガラスA、Bを、同公報の実施例の記載に忠実にしたがい調製した。図1は、坩堝中の光学ガラスAのデジタルカメラ写真であり、図2は、紙の上に滴下した光学ガラスBのデジタルカメラ写真である。図1、2に示すように、光学ガラスA、Bはいずれも結晶化してしまい、均質なガラスを得ることはできなかった。
ΔPg,Fに関する検討
図3は、表1に示す光学ガラス、US2011/0028300A1の実施例、および特開2010−083705号公報の実施例について、前述の式から算出されるΔPg,Fを、アッベ数νdに対してプロットしたグラフである。US2011/0028300A1の実施例、および特開2010−083705号公報の実施例とも、アッベ数νdが28.0〜34.0の範囲という低分散特性とともに、ΔPg,Fが0.0005以下という部分分散特性を有するものではないことが、図3から確認できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (11)

  1. Si4+およびB3+の合計含有量が20〜50カチオン%の範囲であり、
    La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量が25〜50カチオン%の範囲であり、
    La 3+ 含有量が20〜35%カチオン%の範囲であり、
    Yb 3+ 含有量が0〜4カチオン%の範囲であり、
    Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量が10〜20カチオン%の範囲であり、
    Ti 4+ 含有量が1〜16カチオン%の範囲であり、
    Nb 5+ 含有量が0.5カチオン%以上であり、
    6+ 含有量が0〜5カチオン%の範囲であり、
    Bi 3+ 含有量が0〜4カチオン%の範囲であり、
    Li+含有量が0〜5.0カチオン%の範囲であり、
    Ge含有量が、酸化物基準のガラス組成におけるGeO2量として5.0質量%未満であり、
    Pbを含まず、
    3+含有量に対するSi4+含有量のカチオン比(Si4+/B3+)が0.05以上0.70以下であり、
    Ti4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比((La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Ti4++Nb5++W6++Bi3+))が1.90〜4.00の範囲であり、
    La3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量に対するY3+含有量のカチオン比(Y3+/(La3++Gd3++Y3++Yb3+))が0.150以下であり、
    Nb5+を必須成分として含み、かつNb5+含有量に対するTi4+含有量のカチオン比(Ti4+/Nb5+)が2.00以下である酸化物ガラスであり、
    Si4+およびB3+の合計含有量に対するLa3+、Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量のカチオン比[(La3++Gd3++Y3++Yb3+)/(Si4++B3+)]が0.83以上であるか、または、Si4+およびB3+の合計含有量に対するTi4+、Nb5+、W6+およびBi3+の合計含有量のカチオン比[(Ti4++Nb5++W6++Bi3+)/(Si4++B3+)]が0.31以上であり、かつ、
    屈折率ndが1.920超かつ2.000以下の範囲であり、アッベ数νdが32.0〜34.0の範囲であり、屈伏点が645℃超であり、
    下記式:
    ΔPg,F=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
    [式中、Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、(ng−nF)/(nF−nC)で表される部分分散比を表し、νdはアッベ数を表す。]
    により求められる部分分散比Pg,Fのノーマルラインからの偏差ΔPg,Fが0.0005以下である光学ガラス。
  2. Yb含有量が、酸化物基準のガラス組成におけるYb23量として2質量%未満である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. Ti4+、Nb5+、W6+、Bi3+およびTa5+の合計含有量が13〜30カチオン%の範囲である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. Si4+含有量が1.0〜30カチオン%の範囲であり、B3+含有量が5〜45カチオン%の範囲であり、La3+含有量が10〜50%カチオン%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  5. Zr4+含有量が1〜15カチオン%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. Zn2+含有量が0〜15カチオン%の範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  7. ガラス転移温度が630℃超である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  8. Gd3+、Y3+およびYb3+の合計含有量が0.5〜35カチオン%の範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブ。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子ブランク。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
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